【SS】凛「凛ね、魔法使いのお誕生日屋さん!」

SS


1: (きしめん だぎゃー)@\(^o^)/ 2017/01/17(火) 22:22:14.78 ID:sd28hnmf.net
凛「凛の名前は星空凛!こうみえてもお誕生日屋さんの見習いなんだよ!」

凛「お誕生日屋さんっていうのはね、魔法使いの一種で…とにかく、魔法を使ってお誕生日の人を世界で一番幸せにするにゃー。で、今日がそのお誕生日屋さんになるための最終試験なんだけど…」

凛「最終試験がどんなものか分からないにゃ…多分、今日お誕生日を迎える人を世界一幸せにする…みたいな試験になると思うんだけど」

凛「よぉーし!気合を入れて…凛のお師匠様に聞いてくるにゃ!」
 
2: (きしめん だぎゃー)@\(^o^)/ 2017/01/17(火) 22:24:33.10 ID:sd28hnmf.net
凛「えーりちゃん、のぞみちゃーん、凛が来たよ!」

絵里「よく来たわね。私は凛の師匠…そして、試験管の1人」

希「うちもその1人や。よろしくねっ」
凛「よろしくにゃー」

絵里「えっと凛は…お誕生日屋さん志望だったわね」

凛「うん!」

希「ついに本物のお誕生日屋さんになる為の最終試験やね。緊張してる?」

凛「うん!ドキドキにゃー」

絵里「別に緊張しなくていいのよ。試験の内容は今日お誕生日を迎える特定の人物を凛の魔法で幸せにするだけ…それほど難しいものではないわ」

凛「それが難しいからドキドキにゃー…」

絵里「ふふふっ、そうね。では、早速試験内容を発表するわね」

凛「ゴクリ…」

絵里「準備はいい?」

凛「もちろんにゃ!」

絵里「いい返事ね。では、どの人を幸せにすればいいのか…希、いつものお願い」

希「任せて!うちの占いで凛ちゃんの試験の内容を決めるね。凛ちゃんが幸せにする人は…」

凛「幸せにする人は…」ゴクリ
 
3: (きしめん だぎゃー)@\(^o^)/ 2017/01/17(火) 22:27:07.49 ID:sd28hnmf.net
希「…はぁっ!でました!」

凛「うぅ…一体どんな試験にゃ!」


希「かよちん」

凛「にゃ?」


希「かよちんを幸せにする…やね!」

凛「えぇっ!!」

絵里「では凛、今すぐ地上に降り立ち、本日お誕生日を迎えるかよちんを世界一幸せにしてくるの。いいわね?」

凛「いいもなにも…かよちんって一体なんにゃぁぁぁぁ!!!」

絵里「それを調べるのも試験よ」
希「やって」

凛「はぁ…けど大丈夫。凛にならできるにゃ!じゃあ行ってきます!」

絵里「えぇ、いってらっしゃい」

希「気をつけてね」
 
4: (きしめん だぎゃー)@\(^o^)/ 2017/01/17(火) 22:29:53.63 ID:sd28hnmf.net
花陽「はぁ、はぁ」

ガサガサッ

花陽!
花陽ちゃーん、どこー?

花陽っ!

花陽「ぴゃあ!」

花陽「もっと遠くに逃げないと…うん!」

ダッダッダッダ…

花陽「はぁ、はぁ、はぁ」

海未「いましたっ!こっちです!」

花陽「はうぅ!!海未ちゃんっ!」

海未「もう逃がしませんよ」

花陽「うぅ…」


にこ「ちょっ花陽っ!」
真姫「なんで逃げるのよ!」

花陽「それは…」

ことり「私達、花陽ちゃんの事を助けたいの!」

花陽「うん、わかってるよ。みんな…ありがとうね」

穂乃果「だったら戻ろうよ!」

花陽「…」

海未「花陽?」


花陽「ごめんみんな…私、やっぱりみんなに迷惑かけられない!」

穂乃果「花陽ちゃん!」
にこ「逃げるんじゃないわよ!」

真姫「こら、花陽!」

花陽「はぁ、はぁはぁ」ダッダッダッダッダッダッダッダ…


ことり「あっ、待って花陽ちゃん!」

海未「花陽!待ってくだい!」
 
5: (きしめん だぎゃー)@\(^o^)/ 2017/01/17(火) 22:32:52.16 ID:sd28hnmf.net
真姫「花陽、そっちは崖よ!」

花陽「へ?」

ガクッ

花陽「やっ!」

真姫「花陽っ!」

花陽「ダレカタスケテェェェェェ!!!」

真姫「花陽っ!待ってなさい、すぐに助けてあげ…」

にこ「待ちなさい!真姫ちゃんまで崖から飛び降りる気?」

真姫「だって花陽が!」

海未「幸い、そんなに高さはありません。すぐに下まで降りれば花陽を助けられるはずです」

穂乃果「みんな、急ごう!」

ことり「うんっ!」





んんっ、あれ、ここは…

凛「気がついた?」

花陽「えっ、あなた…」

凛「凛!凛の名前は星空凛!こうみえても本物の魔法使いにゃー」

花陽「魔法使い…?」

凛「うん!魔法使い!」
 
6: (きしめん だぎゃー)@\(^o^)/ 2017/01/17(火) 22:37:47.41 ID:sd28hnmf.net
花陽「んっ…あ、あれ?私…」

凛「うん!あなたはね、あの崖から落ちてきたんだよ?凛が魔法で助けなかったら大怪我じゃ済まなかったにゃ!」

花陽「崖って、えぇぇ!あの崖から落ちたの!?」

凛「うん!」

花陽「そっか…あなたが助けてくれたんだね。ありがとう!」

凛「どういたしまして!」

花陽「魔法使いなんてすごいね!」

凛「あっ!」
花陽「ん?どうしたの?」

凛「人間に魔法使いって事を話しちゃ駄目って言われてたの忘れてた…話したら最後、魔法を悪用されるって希ちゃんが…」

花陽「魔法使いなんだ…ふふっ」

凛「悪用される前に失礼しよう!では凛はこれで!」

花陽「魔法使いだなんてすごいなぁ…」キラキラ

凛「ん?えっ…それだけ?」
花陽「へっ?」

凛「凛の魔法を悪用しするんじゃないの?」

花陽「えっ?しないよ?けど、魔法使いなんてすごいね!私ね、魔法使いになるのが夢だったの!」

凛「えぇ!そうだったの?」
花陽「けど無理だから諦めたんだ。すごいなぁ…本当にいるんだ」キラキラ

凛「すごい尊敬の眼差しで見られてるにゃ…恥ずかしい」
 
7: (きしめん だぎゃー)@\(^o^)/ 2017/01/17(火) 22:39:55.04 ID:sd28hnmf.net
花陽「けど、魔法使いがどうしてここに?」

凛「うん!あのね、凛は魔法使いのお誕生日屋さんなの!」

花陽「えっ…お誕生日屋さん?」

凛「うん!一年に一度しかないお誕生日を凛の魔法でとびっきりキラキラして楽しい幸せな1日にするんだ!…って、まだ見習いなんだけど」

花陽「そっか、お誕生日を幸せに…ふふっ、そうなんだ」

凛「あっ、もしかして!」

花陽「どうしたの?」


凛「あなた、かよちんだよね!」

花陽「へぇ!?」

凛「かよちんでしょ!そうだよね!絶対かよちんだよ!」

花陽「うぇぇぇぇぇ…か、かよちん?」

凛「実はね、今、本物のお誕生日屋さんになる為の最終試験の真っ最中でかよちんって人を幸せにしないと本物のお誕生日屋さんになれないんだ。」

花陽「そうだったんだ…けどごめんね。私はかよちんじゃないよ」

凛「そっか…」しゅん

花陽「私の名前は小泉花陽。凛ちゃん、よろしくね」

凛「よろしくにゃ!えーっと、コイズミハナヨ…はなよはなよはなよぅはな…なんだかんだでかよちん!」

花陽「えぇぇ!」

凛「何10回か繰り返し呟いたら花陽がかよちんになったりする奇跡ってなーい?」

花陽「ない…かな?私の名前は花陽だから、そもそもか行が入ってないし」

凛「そっか…そうだよね。はなよちゃんだもんね」

花陽「ごめんね…凛ちゃん」
 
8: (きしめん だぎゃー)@\(^o^)/ 2017/01/17(火) 22:42:56.12 ID:sd28hnmf.net
凛「謝らないでよ!よろしくね!はなよだから…よっちゃん!ううん、よっちんって呼んでもいい?」

花陽「うんっいいよ。よろしくね、凛ちゃん」

凛「やったぁ!ねぇ、早速だけど、よっちんはどうして崖から落ちてきたの?」

花陽「えっと…それは」

凛「…」ぐぅー

花陽「へっ?」

凛「こ、これは違うにゃ。今のは」ぐぅぅぅぅ

花陽「ふふっ。そうだ!私が作ったお弁当でも食べませんか?」

凛「えぇ!よっちんお手製の!」

花陽「お弁当って言ってもおにぎりだけだけど…」

凛「凛、おにぎりだーいすき!」

花陽「おにぎり好きなの!?」

凛「うん!って、そんなに驚くことかにゃ?」

花陽「う、うん…そうだよね?そんな驚くことじゃないよね」ドキドキ

花陽「(びっくりした…だって、私が子供の頃からずっと想い続けてた理想の…)」

凛「変なよっちーん。ねぇ、具はなーに?」

花陽「う、うん!そうだったね。おにぎりならたくさんあるよ!梅干しに昆布にしゃけ、高菜や明太子にシーチキンマヨ!」

凛「ちょっと多くないかにゃ…1人で食べるつもりだったんだよね?」

花陽「えっと…長丁場になるかなと思って」

凛「長丁場…?まぁいいにゃ!よっちんのおにぎりいっただっきまーす!」

花陽「たくさん食べてね。凛ちゃんの口に合うか分からないけど…」
 
9: (きしめん だぎゃー)@\(^o^)/ 2017/01/17(火) 22:45:29.99 ID:sd28hnmf.net
凛「お…美味しいにゃ!」
花陽「本当に?」

凛「凛が食べたおにぎりの中で一番美味しい!」

花陽「良かった…本当によかった。すごく嬉しいな」ゴシゴシ

凛「えっ…目がどうかしたの?」

花陽「ちょっとゴミが入っちゃった。えへっ」


凛「う、うん…(泣いてるように見えたけど…気のせいなのかな?)」

花陽「すごく嬉しい…うんっ」
凛「よっちん?」

花陽「ねぇ、凛ちゃんのこと聞いてもいい?」

凛「いいよ!なんでも聞いて!」

花陽「魔法使いなんだよね…?」

凛「うん!こうみえてもすっごい魔法使いなんだよ!ほらみて、ラーメンを出すことに関しては自由自在にゃ!」

花陽「わぁ!すごい…ラーメンが出てきた!」

凛「豚骨醤油にゃー。どうぞ!おにぎりのお礼!」

花陽「ありがとう!美味しそう…頂きます!」

凛「たくさん食べてね!凛の魔法を使えばどんなラーメンも自由自在にゃ」

花陽「すごいなぁ…本当に魔法使いなんだ」うっとり

凛「その眼差しはなんだか照れるにゃ…えへへ」

花陽「えっと…魔法使いでお誕生日屋さんなんだよね?」

凛「そうだよ!知ってた?お誕生日って、1年に1度しかない誰にでも訪れる素敵な日だよ!凛はその1日を、凛の魔法で世界一幸せにしたいんだ!」

花陽「世界一幸せ…」

凛「うん!たとえばね…ポンッと魔法で出しまきたこのクラッカー」

花陽「わぁ!すごい!一瞬で出しちゃったの?」
 
10: (きしめん だぎゃー)@\(^o^)/ 2017/01/17(火) 22:48:43.78 ID:sd28hnmf.net
凛「へへーん♪ほら、引っ張ってみて」
花陽「えっ…」

凛「いいからいいから!」

花陽「う、うん…よいしょっと、それ!」

パーン!!

花陽「わぁ…雪?クラッカーを引っ張ったら空から雪が降ってきた!」

凛「まだまだにゃー。それー!」

花陽「えっ…キラキラしてて綺麗…あれ?流れ星?」

花陽「あっ…」

凛「流れ星でハッピーバースデーって書いてみたにゃー」

花陽「すごい…お誕生日屋さんすごいよ!凛ちゃん!」

凛「そ、そうかにゃ?よっちんに褒められると嬉しいにゃー」


花陽「すごいなぁ…ふふっ、本当に幸せにしちゃうんだね!」

凛「本当にすごいかな?お誕生日屋さんって魔法使いの中でも人気がないんだ。そりゃあ…他の魔法使いと比べたらちょっとバカみたいなお仕事だけど…」

花陽「ううん!そんなことない!すごく素敵だと思う!」

凛「本当に?」

花陽「うん!凛ちゃんなら世界で一番すごいお誕生日屋さんになれるよ!」


凛「よっちん…うん!ありがとにゃー」

花陽「うん!だから試験、頑張らないと!」

凛「はぁ…それはお先真っ暗にゃ。かよちんの手がかりがなーんにもないんだもん」

花陽「魔法で調べちゃだめなの?」
凛「うん。実は調べてここに来たんだけど…」
 
11: (きしめん だぎゃー)@\(^o^)/ 2017/01/17(火) 22:54:03.02 ID:sd28hnmf.net
花陽「えっ…っていうことは、かよちんが近くにいるってこと?」

凛「うん…の、はずなんだけど」
花陽「じゃあ一緒に探そうよ!」

凛「いいの?」

花陽「もちろん!お誕生日屋さんの試験に合格してほしいもん!花陽も協力しちゃうよ」

凛「よっちぃぃん!」ぎゅっ
花陽「ぴゃあ!」

凛「ありがとう!お言葉に甘えて協力をお願いするにゃ!」

花陽「うん!凛ちゃんはお誕生日屋さんにならないとだめな人だもん!お誕生日屋さんになってお誕生日を迎える人を世界一幸せに…ふふっ」

凛「よっちん?」

花陽「ううん、なんでもないよ」にこっ

凛「じゃあ早速探しにいくにゃ!」

花陽「おー!」

凛「とは言ったものの、何からすればいいのかまったく分からないよ」

花陽「今日中にかよちんを見つけないと…」

凛「そうだね!手掛かりがまったくないけど今日中に…ってそんなの無理だよ!凛は不合格にゃぁぁぁ!!」

花陽「凛ちゃん落ち着いて!」

凛「うっ、うぅ…よっちん…うぅ」

花陽「とにかく2人で協力してかよちんを…」


真姫「いた!花陽よ!」

凛「ん?」
花陽「!!」びくっ
 
12: (きしめん だぎゃー)@\(^o^)/ 2017/01/17(火) 22:56:29.48 ID:sd28hnmf.net
ことり「よかった…無事みたい!」

花陽「ぴゃあ!」
凛「にゃ?」

花陽「凛ちゃんこっちに来て!!」

凛「えぇ!なんで?」

花陽「あ、あのね!私…」
凛「もしかして…悪い人から追われてるの?」

花陽「へ?」

凛「悪い人から逃げるため逃げ回った結果、崖から落っこちたんだね!」

花陽「ちがっ!悪い人じゃない!私のとっても大切な友達」

凛「へ?友達から逃げちゃうの?なんでかにゃ?」

花陽「と、とにかく逃げよう!」

凛「いいけど…よぉぉし!逃げるにゃー!凛が引っ張ってあげるね!」

花陽「うん!ありがとう!」

ダッダッダッダッダッ…

花陽「あれ?ちょっ…凛ちゃん足早っ…」

凛「ダッシュにゃ!」

花陽「いやぁぁぁぁぁぉ!!!!!」

凛「走り続けるにゃぁぁぁ!!!」
 
14: (きしめん だぎゃー)@\(^o^)/ 2017/01/17(火) 22:59:37.57 ID:sd28hnmf.net
真姫「ちょっと!どうして逃げるのよ!」

ダッダッダッダッダッダッダッダ


にこ「っていうか足早っ!ちょっ、誰よ!花陽と一緒にいた人!」

穂乃果「もしかして…あの隣にいた子が花陽ちゃんの!」

ことり「えっ!ってことは!」

海未「だと、いいんですが…」

真姫「花陽…」




凛「ふぅ…巻いたにゃ。よっちん大丈夫?」

花陽「はぁはぁ…ひゅー…ぜぇぜぇ…はぁ、だいじょ…ぶ」

凛「はい、お水だよ」ぽんっ

花陽「はぁはぁ…あ、りがと…ぜぇぜぇ」

凛「ねぇ、どうしてお友達から逃げてるの?」

花陽「う、うん…」
凛「どーして逃げてるの?」

花陽「それは…あのね」

凛「うん」

花陽「みんなに…迷惑かけるから」

凛「迷惑?」

花陽「私、きっと泣いちゃう。泣いてみんなを困らせる…だから、この先ずっと1人で生きていこうと思って飛び出してきちゃったんだ」

凛「えっ…泣いちゃうの?」

花陽「うん。きっと泣いちゃう」

凛「誰かにひどいことされたの?もしかしていじめられてるの?よっちんをいじめるなんて許さない…凛が魔法でこらしめてやるにゃ!」

花陽「ありがとう。けど違うの…あのね、実は…私、今日が16歳のお誕生日なんだ」

凛「えぇぇ!!!な、なんでそんな大事なこと言ってくれなかったの?」

花陽「うん…」
 
16: (きしめん だぎゃー)@\(^o^)/ 2017/01/17(火) 23:04:53.00 ID:sd28hnmf.net
凛「お祝いしないと!」

花陽「大丈夫…」

凛「どうして!遠慮しなくていいよ!まだ見習いだけど、凛はお誕生日屋さんにゃー」

花陽「本当にいらないの!」

凛「よっちん…どうしたの?変だよ?お誕生日なのに…もしかして、嬉しくないの?」

花陽「…」

凛「もしよかったら凛にお話してみて?何かできるかもしれないよ?」

花陽「ぐすっ…」

凛「よっちん!」

花陽「わたっ…ぐすっ、わたしっ…」

凛「えいっ」ぽんっ

凛「はいハンカチ!これで涙を拭いて」
花陽「うん…ありがとう、凛ちゃん」

凛「ねぇ、どうして泣いてるの?凛、よっちんが泣いてる姿はみてられないにゃ…」

花陽「凛ちゃんは本当に優しいね…」

凛「そんなことない…当たり前だよ。ねぇ、お話ししてみて?話したら気持ちがスッキリするかもよ?」

花陽「う、うん…あのね」
凛「うん」ぎゅっ
花陽「(あったかい手…落ち着くな)」

凛「さぁ、なんでも話してみて」

花陽「うん、私の住む村ではね、決まり事があって…16歳になるまでに一生添い遂げる相手を見つけないといけないの」

凛「えっ…もしかして!よっちんにはそういう人がいるの!?」

花陽「ううん…いないよ」
凛「そっか…」ほっ

凛「(ん?どうして凛は少しホッとしてるんだろ…)」
 
17: (きしめん だぎゃー)@\(^o^)/ 2017/01/17(火) 23:09:55.43 ID:sd28hnmf.net
花陽「いないから困ってるんだ…」

凛「そうなんだ…」

花陽「見つけられなかった場合、遠くの村に住んでる見知らぬ人の所に嫁ぐことになってるんだ。そのタイムリミットが今日なの…」

凛「そんな…」

花陽「みんなと離れるのも嫌だ…好きでもない人の家に嫁ぐのも嫌!けど、そうするしかないから…逃げちゃった。えへっ、駄目だよね、そんなの…」

凛「…よっちん」

花陽「けど、そうするしかないんだもんね。逃げてたって結果は変わらないもん。」

凛「諦めちゃダメだよ!今日はよっちんのお誕生日だよ?よっちんは今日、世界で一番幸せにならないといけない日にゃ!そんな悲しいこと言っちゃダメだよ!」

花陽「ううん。だって、世界一幸せにならもうしたくれたよ」

凛「えっ…いつ?」

花陽「さっき。素敵なクラッカーで私のお誕生日をお祝いしてくれたでしょ?すごく嬉しかった…ありがとう、凛ちゃんっ」


凛「そんな…凛は何も…」

花陽「今日という1日が辛くてたまらなかったの。けど…すごく幸せに思えたんだ。あぁ、素敵なお誕生日だなって」

凛「…」

花陽「全部凛ちゃんのおかげだよ。凛ちゃんに出会えてよかった…ありがとうねっ」にこっ

凛「…凛はなにもしてないもん」

花陽「きっと、私みたいに誕生日が嫌で仕方ない人がいると思うの。凛ちゃんはそんな人でも幸せにしてくれる素敵なお誕生日屋さんになれるよ!だから、絶対に試験に合格してね。」

凛「うん…」

花陽「よかった…また嬉しいことが1つ増えちゃった。ありがとう、凛ちゃん」

凛「…お礼なんていらない。凛は何もしてない」
 
19: (きしめん だぎゃー)@\(^o^)/ 2017/01/17(火) 23:12:34.93 ID:sd28hnmf.net
花陽「あっ、もうこんな時間…もうすぐ日が暮れちゃう!日付が変わるまでもうすぐだよ、試験頑張らないと!」

凛「…」
花陽「凛ちゃん?」

凛「…ダメだよ、諦めちゃダメにゃ!よっちん、まだ希望はあるよ!だから…」

花陽「ううん…もういいの。凛ちゃんと出会えて良かった…おかげで決心がついた。凛ちゃん、ありがとうね」

凛「よっちん…」

花陽「お手伝いするって言ったけど…ごめんね。もう村に戻るね。明日の朝1番で村を出るから準備とかもあるし…」

凛「えっ…」

花陽「頑張ってかよちんを幸せにして、世界で一番すごいお誕生日屋さんになってね!約束だよっ」にこっ

凛「…うん」

花陽「…じゃあ、戻るね。凛ちゃん…もう、会うこともないよね?…うん、それじゃあ…さようなら…!」

ダッダッダッダッダッ…

凛「あっ…よっちん、待っ…!!」


「行っては駄目」

凛「絵里ちゃん…!」

絵里「試験中よ。何をしているの?」

凛「それは…」

絵里「どうしてかよちんを幸せにすることができないの?いいわね、このままでは試験は不合格よ」

凛「うん…わかってる」

希「どうしたの?凛ちゃんらしくないやん。今回の試験は凛ちゃんになら簡単にクリアできるはずなのに…」

凛「…」
希「凛ちゃん?」
 
20: (きしめん だぎゃー)@\(^o^)/ 2017/01/17(火) 23:22:19.29 ID:sd28hnmf.net
凛「ねぇ、大好きな友達と離れ離れになって、どんな人か分からない人の家に嫁ぐのって…本当に幸せなのかな?」

絵里「今考えることではないわ」

凛「…うん、そうだね」

絵里「いい?今は試験中よ。試験不合格になった魔法使いがどうなるのか…分かっているわね?」

凛「うん…魔法の国から追放されて、永遠に魔法が使えない体になるんだよね?知ってるよ!小さい頃からたくさん言われてきたもん」


希「そうだよ。あの子のことを可哀想って思う気持ちも分かるけど…凛ちゃんだって同じなんだよ?うちやエリチにも会えなくなる」

絵里「それら全てを受け入れられるのなら、あの子の後を追いかけるといいわ」

凛「…」

凛「このままだとよっちんはどうなるのかな」

希「うーん…」
絵里「言ったはずよ?考える必要がないと」

凛「けど…よっちんは今日がお誕生日なんだよ?笑顔でいなきゃいけないし、幸せじゃないといけないんだよ?」

希「そうやね…けど」


凛「凛はお誕生日屋さんになりたい…凛の魔法で、お誕生日をキラキラした最高の1日にしてあげたい!」

凛「(よっちんの言う通り、お誕生日屋さんが本当に素晴らしい魔法使いなら…)」

凛「一番大切な人を不幸にさせたりしない!」

絵里「そう…それが凛が出した答えなのね?」


凛「うん!ごめん絵里ちゃん、希ちゃん…よっちんを不幸にするくらいなら、凛はお誕生日屋さんになんてならない!だってそんなの最低だもん!」

凛「魔法が使えなくなったっていい…みんなに会えなくなるのは寂しいけど…凛は、よっちんが世界一幸せでいてくれた方がいいにゃ!」

絵里「そう…なら急いだ方がいいわ」
 
21: (きしめん だぎゃー)@\(^o^)/ 2017/01/17(火) 23:27:42.39 ID:sd28hnmf.net
凛「えっ?」
希「 花陽ちゃんの願いを叶えてあげて」

絵里「最初で最後のお誕生日屋さんのお仕事よ…小泉花陽にとびっきりのプレゼントを用意して幸せにしてあげなさい」

凛「そのつもりにゃ!けど、よっちんは何が欲しいんだろ…」

絵里「ちなみに…小泉花陽はね、プレゼントはいらない。ただ、かよちんになりたい…だ、そうよ」

凛「えっ…」

希「この意味、凛ちゃんになら分かるんやない?」


凛「うん!行ってきます!」

希「気をつけてね」
絵里「えぇ、無理はしちゃダメよ」

凛「うん!…あっ、あと!かよちんって子もお誕生日なんだよね?かよちんを幸せにするのことは凛には出来なかったから絵里ちゃんに任せたにゃ!じゃあね!」

ダッダッダッダッダッダッダッダ…

絵里「まったく…」

希「行っちゃったね」
絵里「世話がやけるんだから」

希「うん。だけど、立派になったね」

絵里「そうね…。凛、合格おめでとう。これであなたも正真正銘本物のお誕生日屋さんよ」




花陽「はぁ…」

花陽「(凛ちゃん…かよちんのこと見つけられたかな?)」

花陽「凛ちゃん…」ぐすっ

花陽「私…本当は…かよちんじゃなくて私のことを…」

花陽「(最低…私、自分のことしか考えてない)」

花陽「帰って明日の準備でもしよ…」

にゃー

花陽「あれ…猫ちゃん?」

にゃー
 
22: (きしめん だぎゃー)@\(^o^)/ 2017/01/17(火) 23:30:02.51 ID:sd28hnmf.net
花陽「見たことない子だけど…迷い猫かな?初めましてこんにちは」

にゃー!スリスリ

花陽「ふふっ、人懐っこくて可愛い…」
にゃー

花陽「ちょこっと凛ちゃんに似てる。」

にゃー!!
花陽「どうしたの?」

にゃー!

花陽「えっ、そっちにいけばいいの?」
にゃー!タッタッタ…

花陽「ま、待ってぇ…」

花陽「あ、あれ…?猫ちゃん?…見失っちゃったのかな?猫ちゃーんどこですかー?」

ポトッ、ポトッ…

花陽「あれ?」
ポトッ

花陽「そ、空からおにぎりが降ってくる!ど、どうして!」

花陽「お米は農家の方達の努力と苦労の結晶…地面に落とすわけにはいきません!!ピャア!」

ガシッ!

花陽「あれ…。これ、本当におにぎり?」

パーン!!
花陽「きゃあっ!弾けちゃった!…ん?」

花陽「お星様が降ってくる…たくさん降ってきてすごく綺麗」

花陽「あれ」

HAPPY BIRTHDAY!! HANAYO

花陽「嘘っ…そんな…」

凛「嘘じゃないよ」

花陽「凛ちゃん…凛ちゃんっ!」

凛「お誕生日おめでとう、よっちん」

花陽「ありがとう…凛ちゃんっ」

凛「これが、お誕生日屋さんとしての最初で最後のお祝い。」

花陽「えっ…」

凛「凛ね、不合格だから魔法使いじゃなくなっちゃった…えへへー」

花陽「そんな…まだ間に合うよ!かよちんをみつけて幸せにして試験に合格しないと!お誕生日屋さんになるのが夢なんでしょ?だったら…」
 
23: (きしめん だぎゃー)@\(^o^)/ 2017/01/17(火) 23:33:11.09 ID:sd28hnmf.net
凛「あのね、夢って変わるんだよ。知ってた?今は…凛、よっちんの側にずっといたい!…それが凛の夢にゃー」

花陽「凛ちゃん…いいの?だって…それって、凛ちゃんの全てを失うことに…」

凛「それはよっちんも同じでしょ?」
花陽「本当にいいの?花陽なんかでいいの?花陽なんかのために…」

凛「よっちんじゃなきゃダメなの!だから…魔法は使えなくなったけど、この先ずーっと、よっちんのそばでお誕生日を祝わせてくれないかにゃ?」

花陽「…うんっ!」

凛「これから毎日ずーっと幸せにしてあげるね!」
花陽「ありがとう。でもね、幸せにならもうなってるよ」にこっ

凛「本当に?じゃあ一緒だね!凛も幸せだから!!」

花陽「…凛ちゃんっ!」ぎゅっ

凛「ふふっ、凛はよっちんのことが大好きにゃー」

花陽「私も…凛ちゃんのことが大好き!だって…夢だったんだ。」

凛「夢?」

花陽「魔法使いにはなれないけど…いつか、魔法使いが私のことを迎えにきて助けてくれるって…」

凛「て、照れるにゃー」

花陽「あと、おにぎりが大好きな魔法使いが私の握ったおにぎりを美味しそうに食べてくれるの!全部凛ちゃんが叶えてくれたんだ…」

凛「おにぎりは好きだけど一番好きなのはラーメンだよ?」

花陽「そういう細かいことはいいの…ふんっ」

凛「あははー、ごめんにゃー」
 
24: (きしめん だぎゃー)@\(^o^)/ 2017/01/17(火) 23:42:50.64 ID:sd28hnmf.net
花陽「ねぇ、凛ちゃん…あのね、凛ちゃんのおかげで最高のお誕生日になったよ!私…すごく幸せ!ありがとう!」

凛「どういたしましてにゃー」

花陽「あのね、早速凛ちゃんのことをみんなに紹介したいんだけど…いい?」

凛「もちろん!いっくにゃー!」

花陽「うん!」


そして、凛たち2人は心配をかけたみんなに仲良くご報告しました。

凛「そんなこんなで、凛とよっちんはずーっと一緒に暮らすことになりましたー。よろしくね、みんな!」

にこ「なにそれ!超急展開じゃない!」

穂乃果「おぉ!三振逆転ホームランだね!おめでとう!」

真姫「三振ホームランってイミワカンナイ!」
海未「ですが、これで一件落着ですね」

ことり「花陽ちゃんと離れ離れにならなくてよかったよぉー!」ぎゅーっ

花陽「ぴゃあ!」

ことり「花陽ちゃんを助けてくれてありがとう…凛ちゃん」

凛「お礼なんていいよ!凛がしたかったことをしただけだから!」

花陽「凛ちゃん…けど、凛ちゃんは魔法使いじゃ…」
凛「もういいから…ね?」

花陽「うん…」

けど、試験を放棄した凛は魔法の国から追放されたはずなのに
どういうことか、今もまだ魔法を使うことができます。

凛「どうしてなのかな?あっ、まだ1月17日だからかにゃ?明日になったら使えなくなるのかも」

魔法が使えても使えなくても、この先よっちんと2人でいればどんな困難も乗り越えられる!

凛「けど今のうちに魔法でラーメンをだしまくるにゃ!」

花陽「えぇ!!」

凛「美味しいおにぎりもついでに出してあげるにゃー」

花陽「はぅぅ!綺麗…つやつや美味しそう…ふふん」
 
26: (きしめん だぎゃー)@\(^o^)/ 2017/01/17(火) 23:46:18.40 ID:sd28hnmf.net
そんな時

「お手紙でーす」

凛「にゃー!…あれ?早速凛にお手紙?住所登録も何もしてないのに…」

「おめでとう…」

凛「へ?」

凛「絵里ちゃん…?まさかね。だって凛は…って、あぁぁ!!」

花陽「どうかしたの?」

凛「合格通知が届いてる…り、凛!本物のお誕生日屋さんになってるにゃ!」

花陽「えぇぇ!!おめでとう、凛ちゃんっ!」

凛「どうしてにゃ…凛、かよちんのこと幸せにしてないのに…」

花陽「凛ちゃんみたいな素敵なお誕生日屋さんは他にはいないもん!かよちんって人のことは幸せにしてなかったかもしれないけど、合格して当たり前だよ!」

凛「そ、そうかな?…てへへ」

花陽「これからもがんばってね!」

凛「うん!任せるにゃ!…けど、あれ?もう一通きてる。えーっと…」

凛「コイズミカヨウ様…?だ、だれのことにゃ!」

花陽「違うよ!小泉花陽!はーなーよ、だよ!」

凛「あっ、なんだ…よっちんのことか…。凛はてっきり小泉さんちのカヨウちゃんかと思ったにゃー」

花陽「違うよぉ…うぅ」

凛「ごめんごめん。あっ、けどカヨウちゃんだったらよっちんのあだ名はかよちんになるかにゃ?」

花陽「か、かよちん!?初めて言われた…ふふっ、けど素敵なあだ名だね」

凛「ってことは凛オリジナルだね!じゃあ今日からよっちんはかよちんにゃー」

花陽「うんっ、今日から花陽はかよちんです!」

凛「よろしくね、かーよちん!」

凛・花陽「あれ?」

そんなこんなで凛とかよちんはずっとずっと、2人仲良く暮らしましたとさ。

おしまい
 
27: (きしめん だぎゃー)@\(^o^)/ 2017/01/17(火) 23:51:32.67 ID:sd28hnmf.net
わー、ぱちぱちぱちー

凛「ねぇ、どうだった?かよちんのお誕生日にかよちんと凛のお話を書いたんだ」

花陽「ありがとう…すごく嬉しいよ!」

凛「途中、よっちんが「かよちん」ってなっててもそれは気にしないで欲しいにゃー」

花陽「うん!気にしない!絶対しないよ!」

凛「わーいわーい。じゃあ、凛特製白米デコレーションケーキを食べるにゃー」

花陽「うんっ!」

凛「おしまいにゃ!!」

何度も確認したけどよっちんがかよちんになってたらごめんなさい
他、誤字脱字などが多くてすみません。ありがとうございました。
 

引用元: http://nozomi.2ch.sc/test/read.cgi/lovelive/1484659334/

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