【SS】かのん「あっ、すみれちゃん！久しぶりだね！」すみれ「あら、珍しい、こっちに戻ってたの？」【ラブライブ！スーパースター!!】

かのん「仕事で使う本を取りにね」

すみれ「あんた、何の仕事してるのよ？」

かのん「えっ？言ってなかったっけ？」

すみれ「音楽関連ってことしか知らないわよ…グループライン、みんなTwitterみたいな使い方してるから近況が分からないじゃない」

5月13日
千砂都{みてみて！どんぐり撮影してたら毛虫が出てきた！

7月8日
恋{スタバに入ったつもりがドトールでした

7月10日
千砂都{最近イラスト書き始めたんだ～、ほら、カービィ

10月20日
可可{雲南省の山奥への転勤から帰ってきました、可可です、ようやく電波が通じます
　

かのん「言われてみれば…」

すみれ「音楽って、シンガーソングライターみたいな感じ？」

かのん「全然全然！そんなカッコいい感じじゃないよ！あっ、でもCDは出してるよ」

すみれ「すごいじゃない！」

かのん「……こういうやつなんだけど、1枚どうぞ」

すみれ「悪いわよ、今度見掛けたら買うわ」

かのん「いや、青山でも絶対売ってないから」

すみれ「そうなの？」

かのん「都心のマニアックなCDショップじゃないとたぶん無いよ」

すみれ「へ～、じゃあいただこうかしら……」

すみれ「……いや、なにこれ」
　

かのん「東南アジアとか南部アフリカとか、何か辺境の地のアーティストの曲を自分で翻訳して歌ってる感じのやつ」

すみれ「へ～、そういうの需要あるんだ…」

かのん「本当はカラオケの歌詞や音程のデータを入力する会社に就職したんだよ」

すみれ「それがどうして…」

かのん「マイナーな歌手を発掘して自分達で宣伝すれば先行者利益にあやかれる？とか言ってさ、ギター弾けるし、お父さんが翻訳家なこと伝えたらこうなっちゃった」

すみれ「へえ…」

かのん「でも良い曲多いから聞いてみてよ！」

すみれ「…まあ聞くことは聞くわよ」

かのん「ほんとかなあ」

すみれ「ほんとったらほんとよ！」

かのん「あっ！だったら私も、すみれちゃんの仕事にひとつ協力するよ！」

すみれ「！？」
　

かのん「えっ、聞いちゃダメだった？」

すみれ「いや、別に困りはしないけど…」

かのん「それにしては歯切れ悪くない？」

すみれ「ええ、まあ…」

かのん「あっ、いいよいいよ、無理して言わなくても！」

すみれ「……まあ、芸能の仕事では、ある」

かのん「すごいじゃん！まだあんまり芽が出てないから言いづらかったってこと？まだ私たち若いんだしさ、これからだよ！スタート出来ただけでも凄いよ！」

すみれ「まあ、芸能人？として、スターと？したと言うか？もうゴールと言うか」

かのん「どういうこと？」
　

すみれ「あの、うーん」

かのん「……もしかしてだけどさ」

すみれ「うん？」

かのん「こんな街中で口に出来ないような、その、女優業？って言うの……？」

すみれ「……いい線突くわね」

かのん「あっ、でも、私、そういうの偏見ないって言うか……その、ごめん嘘ついた、あっでも友達がそういうことやってても、別にそれで付き合うの嫌だなあとかはないから！これはほんとに！」

すみれ「……ありがと」

かのん「そっか、すみれちゃん、そっか……あっ、でもさ！そういうのからバラエティ番組に進出とかあるじゃん！？全然選択のひとつだと思うなあ、私は！」

すみれ「いや、バラエティとかは無いと思う……いや、あるかも……」

かのん「そう！あるよ、ある！全然自信持っていいと思うよ！」
　

すみれ「……」

かのん「……」

すみれ「あのさ……」

かのん「！？」

すみれ「なによそんなビクついて」

かのん「ご、ごめん！」

すみれ「かのんの家、今誰かいる……？」

かのん「えっ、ええ？」

すみれ「いや、その、私の家でも良いんだけどさ……その」

かのん「……えっ、ちょっと、まって準備が……！えっと、友達のそういうの、えっ、見る、ってことだよね？」

すみれ「……」

かのん「そっか……そっか……ちょっとまって」

すみれ「……」

かのん「……ふう」

すみれ「……いや、そんな気負うくらいなら大丈夫よ、悪かったわね、変なこと言って」

かのん「い、いや、見る！見る！うち今日はお母さんもありあもいるけど、いいよ！」

すみれ「どのへんが良いの！？」
　

かのん「ただいまー」

ありあ「お姉ちゃんほんとに帰ってきたんだ！？宅急便で送るって言ったのに」

かのん「たまには帰ってきたいよ、それにちょうど道ですみれちゃんにも会えたし」

かのん母「あら、、お久しぶり」

すみれ「ご無沙汰してます、すみません、上がらせていただきます」

かのん母「いつだって来てくれていいのよ？ふふ、かのんがいないときにお客さんとしてもね」

すみれ「わあ！ここのコーヒー好きなんです、またお邪魔しますね」

ありあ「ぜひぜひ」

かのん「私たちちょっと上で話してるね、飲み物とか持ってこなくていいから！絶対ドア開けないでね！？」

かのん母「必要なら声掛けてね」

かのん「いらない！いや、いるかも！またこっちから取りに行く！」

ありあ「お姉ちゃん何かあったのかな？」

かのん母「さあ？」
　

かのん「……ふう」

すみれ「ほんとに見てくれるの…？」

かのん「いいよ、覚悟決めた、でもビデオデッキ無いよ、ここ」

すみれ「いや、ネットで良いわよ、って言うか、仮にビデオデッキが必要ならもっと早く言わなきゃ手遅れじゃない…ノーパソ借りるわよ」ｶﾀｶﾀ

かのん「ごめんね」

すみれ「ビデオデッキ、いらないから謝る必要ないのよ」ｶﾀｶﾀ

かのん「ごめんね、ちょっと何かドキドキなのかハラハラなのか、見たいけど見たくないみたいな、よくわかんない、ごめんね」

すみれ「……」ｶﾀｶﾀ

かのん「……ふう」

すみれ「……」ｶﾀｶﾀ

かのん「……」

すみれ「流すわよ？」
　

かのん「……」

……ｱﾝｯ♡ｯﾊｧ♡

かのん「……」

ﾝｯ♡

かのん「……」

ｯﾌｩ♡ﾝｯﾝｯﾝｯﾝｯ♡

かのん「……」

ｱｯｱｯｱｯﾊｧｯ♡ｱｧｱｱｱｯ♡

かのん「……ふう……はあ」

すみれ「……終わりね」

かのん「……」

すみれ「……」

かのん「……あのさ」

すみれ「……」

かのん「すみれちゃんどこにいたの？」
　

すみれ「……じゃあ次のも流すわよ」

かのん「いや、あの、質問の答え」

……ｳｩｯ♡

かのん「……」

ｯﾝｯｱｯ♡ｯﾊｧｯﾊｱ♡

かのん「……」

ｱｯｲｨｯ♡ｲｯ♡

かのん「……」

すみれ「……終わりね」

かのん「いや、すみれちゃん、AV女優になったんじゃないの？誰これ？何か女の人いっぱい出てるやつなら分かるよ？」

すみれ「……」

かのん「男優と女優ひとりずつで、これ2本とも女優がすみれちゃんじゃないじゃん」

すみれ「……」

かのん「1本目は電車でえ　ちしてる痴漢物で、2本目は何て言うのこれ？家族にAV女優カミングアウトしました？こういうのって本当の家族じゃないよね？」

すみれ「……」ｶﾀｶﾀ

かのん「3本目は見ないよ！？」

すみれ「……2本目よ」

かのん「何でまた同じのを……、……！？」
　

かのん「……これ」

すみれ「……2本目の、カミングアウト相手の家族、AV女優の姉役が私」

かのん「……」

すみれ「1本目は痴漢される女優のすぐ横で嫌悪してた乗客いるでしょ、あれ私」

かのん「……」

すみれ「存在感無いから、AVに何本出てもモブ以上メイン未満の立ち位置を維持できて重宝するって」

かのん「……」

すみれ「大学在学中からもう200本くらい出てる」

かのん「……」

すみれ「ネットで調べても私の名前出てこない、って言うか誰も興味持ってないなか調べられた形跡すらない」

かのん「……」

すみれ「大学の男友達も誰も気付いてない…学生ってAV見るでしょ、何の噂も立たない」

かのん「……」
　

すみれ「AV女優かも、ってときはかのんも私に興味持ってたでしょ」

かのん「まあ……」

すみれ「思わせ振りな感じで、ちょっとあやかってみただけ」

かのん「……」

すみれ「モブみたいな変な役って知ってどう思った？私、バラエティに呼ばれると思う？」

かのん「……スカッとジャパンのモブとかなら、まあ」

すみれ「……でしょう」

かのん「うん……」

すみれ「……」

かのん「……私、お茶もらってくるね」

すみれ「……頼むわ」

かのん「……今度私が出すCDさ、ジャケットにすみれちゃん使ってもらえないか聞いてみるよ」

すみれ「……そっちもお願いね」

かのん「うん……」

終わり
　

乙
ちぃちゃんと恋ちゃんはどうなってるんだこれ
　

あれ程の逸材を見逃し続ける芸能界側にも問題あると思いますよボクァ