【SS】美里「預金口座に4630万円振り込まれてる……」【ラブライブ！虹ヶ咲】

美里「愛ちゃんもうすぐ誕生日だったよね、はいこれプレゼント」

愛「ありがとうお姉ちゃん！」

愛「ってなにこれ！？めっちゃ高そう……」

愛「お姉ちゃんまだ就活中だよね？こんなものどうやって……」

美里「ねえ愛ちゃん、愛ちゃんはこの先どんなことがあっても私のことを好きでいてくれる？」

愛「お姉ちゃん……？」
　

愛「ニュース見たよお姉ちゃん！」

愛「お金返さないとダメだよ！ 私も一緒に謝るから早く返しに行こう！？」

美里「……お金は返さない。でも罪は償うわ」

愛「どうして……！？」

美里「私みたいな人にとってはね、4000万円なんてお金この先一生かけても稼げないの」

美里「それに刑務所に行っても1年くらいで出られるから、1年で4000万貰えると思うとお得でしょ？」

愛「刑務所から出ても返済義務はなくならないよ！一生かけて返さなくちゃならないんだよ！？」

美里「大丈夫だよ、財産がない人から取り立てることはできないから」

美里「お金は全部使ったってことにして隠しておくわ」
　

愛「たった4000万円で一生暮らしていくなんて無理だよ！！」

愛「お姉ちゃんまだ24歳なんだよ！？」

愛「実名も報道されてるし就職もできなくなっちゃう……お金がなくなったらどうするの……！？」

美里「お金は大切に使うわ。懲役を終えたあとは生活保護を受ける」

美里「実名報道のせいで就職できなくなった、身寄りもなくなったって言えば受理理由としては十分だから」

美里「お金は生活保護金からちょっとずつ返す。税金ウロボロスね」

美里「贅沢品は持てないけど生活保護金と4000万円があれば慎ましく生きれば一生遊んで暮らせるわ」

愛「お姉ちゃん働かなくて済むの……？」

美里「うん、これからはずっと愛ちゃんの側にいられるよ」

愛「じゃあお金返さなくていいね！！」

美里「これからは二人で慎ましく遊んで暮らそうね」

愛「うん！！」

Happy End
　

町民A「税金ドロボー！」

町民B「金返せー！！」

町民C「どのツラ下げてこの町に住んでるんだー！！」


美里「うぅ……」

愛「全部事実だけど酷いよ！ 悪口だけならまだしも家に落書きとか変なもの送りつけてくるなんて！」

美里「しょうがないわよ愛ちゃん、これもお金を盗んだ報いなんだから……」

愛「盗んでないよ！ 勝手に振り込まれたものを返そうとしないだけだもん！」

愛「そもそも自分たちのミスなのに実名報道して社会的制裁食らわせるなんてアリ！？ それとこれとは話が別じゃん！！」

愛「お姉ちゃんをこんな目に遭わせるなんて……！ 私A町が許せない！ 」

美里「いいのよ愛ちゃん、私が公の場で謝って罪を償えばそれで収拾がつくから……」

愛「でもこの先お姉ちゃんはずっとドロボー呼ばわりで非国民扱いされて石投げられるんだよ……？ そんなの我慢できない……！」
　

古美門「で、この私を頼ってきたわけか」

美里「愛ちゃん、この人は……？」

愛「この方は弁護士の古美門先生だよ！ おばあちゃんの顧問弁護士をやってる人でね、裁判で負けたことがないすごい人なんだよ！！」

古美門「吐瀉物専門店のばあさんから連絡があったと思ったら、いやいやまさか今をときめく受給金返金騒動の張本人からお話を聞けるとは、歓迎しますよ川本美里さん」

黛「川本さん、今すぐ全額お金を返しましょう。そうすれば全ての誹謗中傷が解決します」

美里「でも私は中卒で職歴もなくて病弱だから……あのお金がなくなったらお先は真っ暗で……」

黛「今は行政が主導してそういった人たちのための職業訓練施設や社会復帰プログラムが整備されています」

黛「今からでも遅くありません。頑張ればちゃんとした就職にもついて愛ちゃんと慎ましいながらも幸せに暮らせて……」

古美門「相っ変わらずのお花の国のアリスっぷりだな貴様は。ハートの女王の鎌で脳みそをかき混ぜてもらったらどうだ？」

黛「なんですって！？」
　

古美門「この川本さんがおっしゃる税金ウロボロス理論はほぼ完璧だ。我慢して臭い飯さえ数年食えば働かずとも一生生きられる」

古美門「中卒無職病弱の三冠王が職業訓練なんてやって社会復帰しても年に稼げるのはコンビニバイトに毛が生えたくらいのものだ」

古美門「それも毎日毎日B型作業所の障害者がよだれ垂らしながらするようなゴミみたいな仕事を汗水垂らして脳死で一生こなすのだ。死んでるのと変わらん」

古美門「そんなことせずとも目の前に可愛いパツキンの年下幼馴染と一生遊んで慎ましく暮らせるチャンスが転がってるんだ、にも関わらず金を返すなんて偽善者を通り越してただのアホだ」

古美門「つまりお前はアホなんだよお花の国のア～リ～ス～！！？」

黛「ぐぬぬ……！！」

黛「慎ましくなんて暮らせません！ 社会的制裁が待ってます！！」

黛「現に川本さんはインターネットでは誹謗中傷、町民からは直接的な嫌がらせを受けています！！」

古美門「それをなんとかしてほしい、だから私を呼んだんだろう」

古美門「金はほしい、でも嫌がらせは受けたくない、実に結構じゃあないか、それでこそ欲の塊、実に人間らしい」

古美門「川本さん、僕はあなたの税金ウロボロス理論をお聞きした時は感激を覚えたくらいですよ、だからこそこの仕事を引き受けるにふさわしいと思えた」

美里「先生……」
　

古美門「A町を相手取りすぐに訴訟を起こす。自分たちのミスを棚にあげ返せないのであって返さないとは一言も言っていない善良なる一市民を吊るし上げあげくに弁護士費用を含めた賠償金までせしめようとしているんだ」

古美門「A町が行った実名報道措置により川本さんが被った精神的被害物損的被害および社会的名誉毀損の損害賠償」

古美門「しめて１億。必ず勝ち取ってみせましょう」

美里「１億……」

黛「絶対に無理です！ もし勝ち取れたとしても受給金と相〇になるのがオチで……！」

古美門「無論そっちの裁判も負けん。ビタ一文受給金も返さん」

美里「そんなことが……できるんですか……？」

古美門「そこの吐瀉物娘は知っているのだろう。私は裁判で負けたことがない」

古美門「裁判が終わったあとは無能役人どものハゲ頭を地べたにこすりつけさせ謝罪させた上ですべての誹謗中傷を解決し我々の懐に大金をもたらせようぞ～！！」
　

愛「宣言通り先生は裁判に勝ちました」

愛「先生は返さなくて良いって言ったけど、お姉ちゃんは勝ち取ったお金でちゃんと受給金を返金しました」

愛「お金を返し謝罪したことと幸薄そうなお姉ちゃんの三冠王設定が世間にウケたのか、お姉ちゃんへの誹謗中傷はすべてA町にターゲットが変わり、先生の宣言通りA町は騒動のすべてを地べた擦りつけて謝りました」

愛「そんな私たちは余ったお金で海外旅行にきてまーす！」

愛「色々あったけど一件落着！みんなもお金はちゃんと返そうね！」

Happy End