2: (たこやき) 2022/09/14(水) 23:23:58.54 ID:/8C8ecQN
『大学はとても楽しいところです。
自分の好きな事に囲まれて、好きな事の勉強をして、毎日が充実しています。
それと、あなたには心配されたけど、こんな私にも新しい友達がたくさんできました。
でもこんなに充実した日々を送っていても、やっぱり私は』
梨子「…なんか自分で書いてて恥ずかしくなってきた…」
高校を卒業してから、私は都内の音大に通うことになりました。
しばらくAqoursの皆には会ってないけれど、毎日が忙しくて実は皆のことをちょっと忘れてたり…
そんなある日、千歌ちゃんから手紙が届いたんです。
貰ったからには返さなきゃ、という事で返事を書いているところなんですが…
梨子「手紙って難しい…」
千歌「わかる!私も書きたいことありすぎていっぱい悩んだもん!」
梨子「私は、書きたいことを書くのが恥ずかしくて…って、え?」
千歌「やっほー梨子ちゃん」
これは千歌ちゃんの手紙から始まった、夢のようなお話です。
自分の好きな事に囲まれて、好きな事の勉強をして、毎日が充実しています。
それと、あなたには心配されたけど、こんな私にも新しい友達がたくさんできました。
でもこんなに充実した日々を送っていても、やっぱり私は』
梨子「…なんか自分で書いてて恥ずかしくなってきた…」
高校を卒業してから、私は都内の音大に通うことになりました。
しばらくAqoursの皆には会ってないけれど、毎日が忙しくて実は皆のことをちょっと忘れてたり…
そんなある日、千歌ちゃんから手紙が届いたんです。
貰ったからには返さなきゃ、という事で返事を書いているところなんですが…
梨子「手紙って難しい…」
千歌「わかる!私も書きたいことありすぎていっぱい悩んだもん!」
梨子「私は、書きたいことを書くのが恥ずかしくて…って、え?」
千歌「やっほー梨子ちゃん」
これは千歌ちゃんの手紙から始まった、夢のようなお話です。
4: (たこやき) 2022/09/14(水) 23:26:56.96 ID:/8C8ecQN
梨子「千歌ちゃん!?なんでここにいるの!?」
千歌「えー?そんなに驚くこと?」
梨子「驚くよ!どうやって入ってきたの!?」
千歌「え、開いてた」
梨子「嘘でしょ…」
千歌ちゃんは、あの頃と何も変わらない調子です。どうしてここに?なんでいきなり?私の質問攻めには「会いたくて、きちゃった」としか言いません。
内浦からここまで、そんな気分次第で来れるものじゃないと思うんですが…
千歌「まさか梨子ちゃんが律儀に返事書いてるとはね~」
梨子「だ、だって…そういうものじゃない」
千歌「私の手紙、ちゃんと届いててよかった」
あの頃と何も変わらない、なんて事はありませんでした。
ほんの半年ほど会っていなかっただけなのに、なんだか千歌ちゃんは大人な顔をして私が書いている途中の手紙を見ています。
梨子「…って!まだ書き終わってないから!読まないで!」
千歌「えーいいじゃーん」
千歌「えー?そんなに驚くこと?」
梨子「驚くよ!どうやって入ってきたの!?」
千歌「え、開いてた」
梨子「嘘でしょ…」
千歌ちゃんは、あの頃と何も変わらない調子です。どうしてここに?なんでいきなり?私の質問攻めには「会いたくて、きちゃった」としか言いません。
内浦からここまで、そんな気分次第で来れるものじゃないと思うんですが…
千歌「まさか梨子ちゃんが律儀に返事書いてるとはね~」
梨子「だ、だって…そういうものじゃない」
千歌「私の手紙、ちゃんと届いててよかった」
あの頃と何も変わらない、なんて事はありませんでした。
ほんの半年ほど会っていなかっただけなのに、なんだか千歌ちゃんは大人な顔をして私が書いている途中の手紙を見ています。
梨子「…って!まだ書き終わってないから!読まないで!」
千歌「えーいいじゃーん」
6: (たこやき) 2022/09/14(水) 23:32:18.30 ID:/8C8ecQN
千歌「お腹すいてる?せっかくだしなんか作ってあげよっか」
梨子「うーん、あんまりお腹は減ってないかな…というか私の家なんだから私が作るよ」
千歌ちゃんはほんの少し考える仕草を見せてから、頭をぶんぶん横に振って「ダイエットしてるから今日は夜ご飯抜きにする!」と言いました。こういうとこは変わってないなぁ。
梨子「…ほんとに、なんの計画も立てずにここまで来たの?」
千歌「え、うん」
梨子「…そもそも私、誰にも住所教えてないのになんでここに住んでるってわかったの?」
千歌「手紙に梨子ちゃんへ!って書いたら届いたっぽかったから、そこまで来ました!」
梨子「意味がわからない…」
千歌「まぁまぁ細かいことはいいじゃん!せっかく久しぶりに会ったんだからさ~!なんかしようよ!」
梨子「えぇ…でも見ての通り、うちにはなんにもないし…」
千歌「…ピアノと机とベッドしかない…大丈夫?お金ないの?」
梨子「違うわよ!」
梨子「うーん、あんまりお腹は減ってないかな…というか私の家なんだから私が作るよ」
千歌ちゃんはほんの少し考える仕草を見せてから、頭をぶんぶん横に振って「ダイエットしてるから今日は夜ご飯抜きにする!」と言いました。こういうとこは変わってないなぁ。
梨子「…ほんとに、なんの計画も立てずにここまで来たの?」
千歌「え、うん」
梨子「…そもそも私、誰にも住所教えてないのになんでここに住んでるってわかったの?」
千歌「手紙に梨子ちゃんへ!って書いたら届いたっぽかったから、そこまで来ました!」
梨子「意味がわからない…」
千歌「まぁまぁ細かいことはいいじゃん!せっかく久しぶりに会ったんだからさ~!なんかしようよ!」
梨子「えぇ…でも見ての通り、うちにはなんにもないし…」
千歌「…ピアノと机とベッドしかない…大丈夫?お金ないの?」
梨子「違うわよ!」
11: (たこやき) 2022/09/14(水) 23:40:21.80 ID:/8C8ecQN
千歌ちゃんは私に近況を早口で伝えてきます。最近は旅行者が増えて家業が賑わってるとか、曜ちゃんがまた飛び込みで結果を残したとか、果南ちゃんが生まれて初めて素潜り中に足をつって溺れたとか…
千歌「みんな梨子ちゃんに会いたがってるよ!」
梨子「そっか…ごめんね、忙しくて連絡すらしてなくて…」
千歌「ううん、いいんだよ!…いややっぱりよくない!寂しかった!」
ぷんぷん頬を膨らませる千歌ちゃんを見ているとなんだか懐かしくて、私も自然と笑顔になってしまいます。
千歌「そういえばダイヤさんはモデルやりだしたらしいよ!」
梨子「モデルかぁ…人気出るだろうなぁ」
千歌「ねー!東京にダイヤ旋風が巻き起こる日も近いかも」
梨子「ルビィちゃんが嫉妬しちゃうね」
千歌「ルビィちゃんといえば!」
こんな調子で千歌ちゃんはAqoursの今をひとしきり話したあと、私の近況について聞いてきました。
千歌「みんな梨子ちゃんに会いたがってるよ!」
梨子「そっか…ごめんね、忙しくて連絡すらしてなくて…」
千歌「ううん、いいんだよ!…いややっぱりよくない!寂しかった!」
ぷんぷん頬を膨らませる千歌ちゃんを見ているとなんだか懐かしくて、私も自然と笑顔になってしまいます。
千歌「そういえばダイヤさんはモデルやりだしたらしいよ!」
梨子「モデルかぁ…人気出るだろうなぁ」
千歌「ねー!東京にダイヤ旋風が巻き起こる日も近いかも」
梨子「ルビィちゃんが嫉妬しちゃうね」
千歌「ルビィちゃんといえば!」
こんな調子で千歌ちゃんはAqoursの今をひとしきり話したあと、私の近況について聞いてきました。
12: (たこやき) 2022/09/14(水) 23:45:30.43 ID:/8C8ecQN
千歌「梨子ちゃんはどうなの?最近…元気?」
梨子「お母さんみたいなこと聞くのね…」
千歌「だってやっぱり心配じゃん!1人で寂しくしてないかなーって」
梨子「な…ちゃんと友達いるもん!」
千歌「えぇ~?ほんと?」
梨子「ほんと!毎日忙しいけど楽しいよ!」
千歌「そっかぁ…それはよかった」
本当にお母さんみたいな笑顔で安堵している千歌ちゃん。
私ってそんなに孤立してそうかな…
千歌「音大でさ、ピアノの練習ってするの?」
梨子「え?まぁ…大学でっていうよりは自分で練習してるよ」
千歌「そっかぁ…聞かせてよ」
梨子「今日はだめだよ、もう夜遅いし…」
千歌「お願い!」
梨子「近所迷惑になっちゃうでしょ?」
千歌「いっっっしょうのお願い!!」
梨子「だーめ!」
梨子「お母さんみたいなこと聞くのね…」
千歌「だってやっぱり心配じゃん!1人で寂しくしてないかなーって」
梨子「な…ちゃんと友達いるもん!」
千歌「えぇ~?ほんと?」
梨子「ほんと!毎日忙しいけど楽しいよ!」
千歌「そっかぁ…それはよかった」
本当にお母さんみたいな笑顔で安堵している千歌ちゃん。
私ってそんなに孤立してそうかな…
千歌「音大でさ、ピアノの練習ってするの?」
梨子「え?まぁ…大学でっていうよりは自分で練習してるよ」
千歌「そっかぁ…聞かせてよ」
梨子「今日はだめだよ、もう夜遅いし…」
千歌「お願い!」
梨子「近所迷惑になっちゃうでしょ?」
千歌「いっっっしょうのお願い!!」
梨子「だーめ!」
14: (たこやき) 2022/09/14(水) 23:50:14.95 ID:/8C8ecQN
千歌「お願いだよぉ~」
梨子「今日は泊まっていくんでしょ?明日弾いてあげるから…」
千歌「泊まっ…りはしないかな」
梨子「え?」
さっきまでのテンションはどうしたのか、急にしゅんとする千歌ちゃん。やっぱり私に会いたくなったから来たんじゃなくて、何か理由があるのかも…
梨子「ねぇ千歌ちゃん、本当はどうしてここに来たの?」
千歌「梨子ちゃんに会いたかったから」
梨子「…本当は?」
千歌「ほんとだよ?梨子ちゃんに会いに来たの…でも…」
でも?
千歌「たぶん、もう帰らなきゃいけないの」
梨子「…えっ?」
梨子「今日は泊まっていくんでしょ?明日弾いてあげるから…」
千歌「泊まっ…りはしないかな」
梨子「え?」
さっきまでのテンションはどうしたのか、急にしゅんとする千歌ちゃん。やっぱり私に会いたくなったから来たんじゃなくて、何か理由があるのかも…
梨子「ねぇ千歌ちゃん、本当はどうしてここに来たの?」
千歌「梨子ちゃんに会いたかったから」
梨子「…本当は?」
千歌「ほんとだよ?梨子ちゃんに会いに来たの…でも…」
でも?
千歌「たぶん、もう帰らなきゃいけないの」
梨子「…えっ?」
16: (たこやき) 2022/09/14(水) 23:55:36.91 ID:/8C8ecQN
梨子「帰るって言ったって…もう電車出てないよ?」
千歌「うん」
梨子「どうやって帰るの?」
千歌「…どうしても会いたかったんだ、梨子ちゃんに」
そう言う千歌ちゃんに、ぐいっと引っ張られて引き寄せられて、抱きしめられた。
彼女の力強い抱擁に動けなくなった私は、彼女に何があったのか聞き出すためにも抱き締め返すことにした。
梨子「…変な人なんだから」
千歌「えへへ…ぐすっ」
肩の上に、千歌ちゃんの涙を感じた。
千歌「うん」
梨子「どうやって帰るの?」
千歌「…どうしても会いたかったんだ、梨子ちゃんに」
そう言う千歌ちゃんに、ぐいっと引っ張られて引き寄せられて、抱きしめられた。
彼女の力強い抱擁に動けなくなった私は、彼女に何があったのか聞き出すためにも抱き締め返すことにした。
梨子「…変な人なんだから」
千歌「えへへ…ぐすっ」
肩の上に、千歌ちゃんの涙を感じた。
17: (たこやき) 2022/09/15(木) 00:00:50.08 ID:+KOuSwiC
ふと我に返って目を開くと、もう朝になってました。
私は眠ってしまっていたのか…部屋を見渡すと千歌ちゃんはいませんでした。
梨子「…あれ…」
そもそも、千歌ちゃんは本当に私のところまで来ていたのかな…?
もしかしたらAqoursの皆と連絡をとってなさすぎて、心のどこかで寂しく感じている私が見た夢だとか…
私から千歌ちゃんにすぐに連絡をとる手段はない。そのせいで昨日のことが現実なのかどうかわからない…
梨子「…って、遅刻!?」
空気の読めない時計のせいで千歌ちゃんの事はすっかり忘れて、走って大学へ行きました。
私は眠ってしまっていたのか…部屋を見渡すと千歌ちゃんはいませんでした。
梨子「…あれ…」
そもそも、千歌ちゃんは本当に私のところまで来ていたのかな…?
もしかしたらAqoursの皆と連絡をとってなさすぎて、心のどこかで寂しく感じている私が見た夢だとか…
私から千歌ちゃんにすぐに連絡をとる手段はない。そのせいで昨日のことが現実なのかどうかわからない…
梨子「…って、遅刻!?」
空気の読めない時計のせいで千歌ちゃんの事はすっかり忘れて、走って大学へ行きました。
20: (たこやき) 2022/09/15(木) 00:05:52.39 ID:+KOuSwiC
『大学はとても楽しいところです。
自分の好きな事に囲まれて、好きな事の勉強をして、毎日が充実しています。
それと、あなたには心配されたけど、こんな私にも新しい友達がたくさんできました。
でもこんなに充実した日々を送っていても、やっぱり私は』
ひとつ確かな事は、千歌ちゃんから手紙が届いて、私はそれに返事を書いている途中だったこと。
大学から帰ってきた私はすぐに返事の続きに取り掛かります。
でも…
梨子「んんん…恥ずかしい…」
自分の想いを文章にするのはとても…私にはハードルが高かったのです。
千歌ちゃんは作詞してたからこういうの慣れてるんだろうなぁ…
梨子「……千歌ちゃんの手紙…読み直してみよ」
自分の好きな事に囲まれて、好きな事の勉強をして、毎日が充実しています。
それと、あなたには心配されたけど、こんな私にも新しい友達がたくさんできました。
でもこんなに充実した日々を送っていても、やっぱり私は』
ひとつ確かな事は、千歌ちゃんから手紙が届いて、私はそれに返事を書いている途中だったこと。
大学から帰ってきた私はすぐに返事の続きに取り掛かります。
でも…
梨子「んんん…恥ずかしい…」
自分の想いを文章にするのはとても…私にはハードルが高かったのです。
千歌ちゃんは作詞してたからこういうの慣れてるんだろうなぁ…
梨子「……千歌ちゃんの手紙…読み直してみよ」
24: (たこやき) 2022/09/15(木) 00:13:17.71 ID:+KOuSwiC
『梨子ちゃんへ!
高校を卒業して梨子ちゃんに会えなくなってから半年くらい経ったんだって!
LINE送っても未読だし、電話しても現在使われていませんだし、なんとか梨子ちゃんに連絡する方法はないかなと思って手紙を書くことにしました!
そっちのくらしはどうですか?風邪ひいてませんか?聞きたいことがいっぱいあるけど、ちゃんと梨子ちゃんに届くかどうかわからないから返事が来たらたくさん書きます!
って思ったけど、やっぱり梨子ちゃんとは直接会って色々話したいな…とにかく返事待ってます!
千歌より』
梨子「すっごいストレート…」
作詞で慣れたんじゃなくて、千歌ちゃんは元から手紙を書いて気持ちを伝えるのが得意なタイプの人なんだな…
梨子「……とにかく返事待ってます、かぁ」
早く返事を送ってあげないと…千歌ちゃん、待ってるだろうし
千歌「まだ書き終わってなかったの!?」
梨子「うわぁ!?」
すると千歌ちゃんは待ちきれなくてここまで来たのです
高校を卒業して梨子ちゃんに会えなくなってから半年くらい経ったんだって!
LINE送っても未読だし、電話しても現在使われていませんだし、なんとか梨子ちゃんに連絡する方法はないかなと思って手紙を書くことにしました!
そっちのくらしはどうですか?風邪ひいてませんか?聞きたいことがいっぱいあるけど、ちゃんと梨子ちゃんに届くかどうかわからないから返事が来たらたくさん書きます!
って思ったけど、やっぱり梨子ちゃんとは直接会って色々話したいな…とにかく返事待ってます!
千歌より』
梨子「すっごいストレート…」
作詞で慣れたんじゃなくて、千歌ちゃんは元から手紙を書いて気持ちを伝えるのが得意なタイプの人なんだな…
梨子「……とにかく返事待ってます、かぁ」
早く返事を送ってあげないと…千歌ちゃん、待ってるだろうし
千歌「まだ書き終わってなかったの!?」
梨子「うわぁ!?」
すると千歌ちゃんは待ちきれなくてここまで来たのです
25: (たこやき) 2022/09/15(木) 00:18:02.26 ID:+KOuSwiC
梨子「ちょっとちょっと千歌ちゃん!?なんでここに!?」
千歌「えー?会いたくてきちゃった」
梨子「昨日と同じ事言ってるし!」
やっぱりあれは夢じゃなくて、千歌ちゃんは本当に来てたんだ!
だとしたら聞きたいことが山ほど…
千歌「ほんっと梨子ちゃんは恥ずかしがりなんだねぇ、手紙を書くのも一苦労ですかい」
梨子「うっ…ほ、ほっといて!」
千歌「チカが手紙の書き方を指導してあげましょーかー?」
ニヤニヤする千歌ちゃん、なんだか元気そうに見えるけど、やっぱりどこか落ち着いた感じがする。
梨子「…今度こそ千歌ちゃん!何があったのか教えて!!」
千歌「え?」
梨子「…昨日、中途半端なところで帰ったでしょ」
千歌「…あー…まぁそれはおいとこう」
梨子「置いとかないわよ!」
千歌「えー?会いたくてきちゃった」
梨子「昨日と同じ事言ってるし!」
やっぱりあれは夢じゃなくて、千歌ちゃんは本当に来てたんだ!
だとしたら聞きたいことが山ほど…
千歌「ほんっと梨子ちゃんは恥ずかしがりなんだねぇ、手紙を書くのも一苦労ですかい」
梨子「うっ…ほ、ほっといて!」
千歌「チカが手紙の書き方を指導してあげましょーかー?」
ニヤニヤする千歌ちゃん、なんだか元気そうに見えるけど、やっぱりどこか落ち着いた感じがする。
梨子「…今度こそ千歌ちゃん!何があったのか教えて!!」
千歌「え?」
梨子「…昨日、中途半端なところで帰ったでしょ」
千歌「…あー…まぁそれはおいとこう」
梨子「置いとかないわよ!」
26: (たこやき) 2022/09/15(木) 00:24:01.53 ID:+KOuSwiC
千歌「おいといて!」
梨子「置いとかない!」
千歌「私は梨子ちゃんと一緒にいる時間を大事にしたいの!」
梨子「そっ…っ…そういう事言って!!」
千歌「あ、照れてる」
梨子「照れてない!!」
お互いに笑いながら、何度こんな言い合いをしたことだろう。
長引きすぎて周りのみんなに宥められる事もあったけど、それはヒートアップして長引いたんじゃなくて、私たちがこの時間を心から楽しんでいたから。
梨子「まったく千歌ちゃんってばすぐ変なこと言うんだから」
千歌「いーだ!梨子ちゃんが勝手に照れてたんでしょ!」
そうだ、この時間が永遠に続けばいいのに。
きっとあなたもそう思ってくれているよね。
これが私の夢じゃないのなら。
梨子「置いとかない!」
千歌「私は梨子ちゃんと一緒にいる時間を大事にしたいの!」
梨子「そっ…っ…そういう事言って!!」
千歌「あ、照れてる」
梨子「照れてない!!」
お互いに笑いながら、何度こんな言い合いをしたことだろう。
長引きすぎて周りのみんなに宥められる事もあったけど、それはヒートアップして長引いたんじゃなくて、私たちがこの時間を心から楽しんでいたから。
梨子「まったく千歌ちゃんってばすぐ変なこと言うんだから」
千歌「いーだ!梨子ちゃんが勝手に照れてたんでしょ!」
そうだ、この時間が永遠に続けばいいのに。
きっとあなたもそう思ってくれているよね。
これが私の夢じゃないのなら。
28: (たこやき) 2022/09/15(木) 00:33:54.80 ID:+KOuSwiC
あなたに会いたい。
あなたに会えなくなってから、私は毎日あなたの夢を見る。
本当に大切なものは失ってから気付くと言うけれど、私は失う前からあなたが本当に大切なんだということを知っていた。
梨子「ほら千歌ちゃん、こっち来て」
千歌「ピアノ弾いてくれるの?」
梨子「うん、その代わりに!ホントのこと教えてね」
千歌「…うん」
あなたの弾くピアノの音が、また聞きたくて。
鍵盤に向かうあなたの横顔が、また見たくて。
あなたの音が聞こえる。これは夢?それとも現実?
梨子ちゃん、私に会いに来てくれたの?
あなたに会えなくなってから、私は毎日あなたの夢を見る。
本当に大切なものは失ってから気付くと言うけれど、私は失う前からあなたが本当に大切なんだということを知っていた。
梨子「ほら千歌ちゃん、こっち来て」
千歌「ピアノ弾いてくれるの?」
梨子「うん、その代わりに!ホントのこと教えてね」
千歌「…うん」
あなたの弾くピアノの音が、また聞きたくて。
鍵盤に向かうあなたの横顔が、また見たくて。
あなたの音が聞こえる。これは夢?それとも現実?
梨子ちゃん、私に会いに来てくれたの?
30: (たこやき) 2022/09/15(木) 00:39:54.67 ID:+KOuSwiC
梨子「……………あっ…」
千歌「…ね、梨子ちゃん」
梨子「……千歌ちゃん、私」
千歌「うん、わかってる」
梨子「……手紙、ありがとう」
千歌「うん」
梨子「会いに来てくれて、ありがとう」
千歌「うん」
梨子「…私、千歌ちゃんに会いたいよ」
千歌「うん」
梨子「……返事、絶対書くから」
千歌「…うそつき」
千歌「…ね、梨子ちゃん」
梨子「……千歌ちゃん、私」
千歌「うん、わかってる」
梨子「……手紙、ありがとう」
千歌「うん」
梨子「会いに来てくれて、ありがとう」
千歌「うん」
梨子「…私、千歌ちゃんに会いたいよ」
千歌「うん」
梨子「……返事、絶対書くから」
千歌「…うそつき」
31: (たこやき) 2022/09/15(木) 00:49:11.86 ID:+KOuSwiC
腰が痛い。
机に突っ伏して寝ていたみたいで、せっかく途中まで書いた手紙によだれが…
あわてて拭ってみたけれど、これはもうだめだ…書きかけの手紙はゴミ箱にポイするしかないか…
会いたくて、きちゃった。
本当は来ちゃダメなのに、本当は会えないはずなのに。
あなたに会って、私はあなたと同じところにずっといる事だってできたけど、それじゃああなたが悲しむから。
それでも夢か現実か、あなたに会えてよかった。
あなたがまだ近くにいる気がして、手紙を書いてよかった。
あなたはずっと遠くに行ってしまったけれど、手紙は届くのかな。
よだれ付きの手紙をクシャッと丸めると、私が書いたのか、チラッとだけ文章が目に入った。
『やっぱり私はあなたに会いたい』
おわり
机に突っ伏して寝ていたみたいで、せっかく途中まで書いた手紙によだれが…
あわてて拭ってみたけれど、これはもうだめだ…書きかけの手紙はゴミ箱にポイするしかないか…
会いたくて、きちゃった。
本当は来ちゃダメなのに、本当は会えないはずなのに。
あなたに会って、私はあなたと同じところにずっといる事だってできたけど、それじゃああなたが悲しむから。
それでも夢か現実か、あなたに会えてよかった。
あなたがまだ近くにいる気がして、手紙を書いてよかった。
あなたはずっと遠くに行ってしまったけれど、手紙は届くのかな。
よだれ付きの手紙をクシャッと丸めると、私が書いたのか、チラッとだけ文章が目に入った。
『やっぱり私はあなたに会いたい』
おわり
32: (たこやき) 2022/09/15(木) 00:50:42.12 ID:+KOuSwiC
引用元: https://nozomi.2ch.sc/test/read.cgi/lovelive/1663165328/