【SS】千歌「部室からのっぽパンが消えた!?」善子「名探偵ヨハネの出番ね」【ラブライブ!サンシャイン!!】

AqoursーSS


4: (茸) 2023/01/15(日) 12:51:17.84 ID:w2ilM+mH
事件はその一言で幕を開けたーーー。
練習前の部室が、惨劇の舞台となるーーー!!!

千歌「って、部室にのっぽパンなんてあったっけ?」

花丸「まるがいつでも食べれるように、この棚にストックしてた分が無くなってるずら....」

善子「これは...事件の香りがするわね...」

千歌「じ、事件!?ワトソン君、一体どういうことかね?」

善子「なんであんたがホームズなのよ!普通私でしょ!?」

ダイヤ「一体何の騒ぎですの?外まで声が響いていますわよ」

千歌「あ、ダイヤさん。部室から花丸ちゃんののっぽパンが消えたんです!」
 
5: (茸) 2023/01/15(日) 12:51:35.41 ID:w2ilM+mH
ダイヤ「......の、のっぽパン?」

花丸(千歌ちゃん!のっぽパンはダイヤさんには内緒で隠してたずら...!)

千歌「え、そうなの?やべ」

善子「ダイヤ、これは大事件よ。今すぐにAqoursメンバーを招集して。全員のアリバイを確認するわ」

ダイヤ「はぁ?その、のっぽパンが無くなっただけでしょう?そもそも招集っていったってどうやって...」

善子「決まってるじゃない。これはAqours解散の危機なのよ。今すぐに校内放送で全員を招集するのよ!」

ダイヤ「...正気ですの?こんなことで校内放送を使うなど...」

善子「ワトソンくん。きみなら、荷物でドアが塞がれている時、どうやってドアを開けるかね?」

千歌「もちろん、荷物を退かすであります!やーー!」

ダイヤ「ピギャア!!!」
 
6: (茸) 2023/01/15(日) 12:51:57.79 ID:w2ilM+mH
ピンポンパンポーン

ダイヤ『えー、Aqoursメンバーに緊急連絡です。大事件発生のため、今から3分以内に部室へと集合するように。繰り返します、Aqoursメンバーは3分以内に部室へと集合するように。なお、10秒遅れるごとに千円ずつ罰金を支払ってもらいます。......はぁ、どうして私がこのようなこと...』

ーーー部室

善子「さて、みんな集まってもらったかしら?」

曜「ヨーシーコー、あんな放送させてどうしたの?大事件ってなんのこと?」

善子「ヨハネ。いや、名探偵ヨハネと言いなさい。集まってもらったのは他でも無いわ。今日、この部室で大事件が発生したのよ」

鞠莉「オーゥ。〇人事件?」

果南「そんな物騒なこと起きたらこんなもんじゃ済まないでしょ...」

善子「落ち着きなさい...。今事件の概要を説明するわ」
 
7: (茸) 2023/01/15(日) 12:52:23.50 ID:w2ilM+mH
善子「被害者はここにいる、国木田花丸。今日夕方ごろ、部室にて、花丸が棚にストックしていたのっぽパンが突如として消え失せるという事件が発生。花丸、間違いは無いかしら?」

花丸「......間違いは無い、ずらが...」

梨子「消え失せるって...誰かが食べちゃったんじゃないの?」

善子「リリー。それが大事件だということに気付かないの?」

梨子「リリー禁止!もう、どういうこと?」

善子「基本的に部室はAqoursメンバー以外は立ち入りしない。その中で消えたのっぽパン...。つまり、Aqoursメンバーの中にのっぽパンを食べた不届きものがいるってことよ!」

果南「...え、だから?」

花丸「...別に誰が食べててもいいずら。早くいこ、練習の時間が少なくなっちゃうし、今日は夕方から雨が降るらしいずら」

善子「えー!なんで被害者がそんなスタンスなのよ!ほら、みんなのアリバイを確認するわよ!ワトソン、手伝いなさい!」

千歌「さぁさぁ皆のもの!神妙にお縄につけーぇい!!」

善子「ちょっと!雰囲気壊れる!」

曜「なんで千歌ちゃんはそんなにノリノリなの?」
 
8: (茸) 2023/01/15(日) 12:52:44.19 ID:w2ilM+mH
善子「えー、とにかく。まずはのっぽパンが消えた時間帯の特定ね。花丸、いつ頃無くなったかは把握してるのかしら?」

花丸「え、うーん。授業が終わってお腹が空いたから、部室に置いてあるのっぽパンを食べようと思って、一度部室に寄ったずら。で、のっぽパンを机の上まで持ってきたんだけど、図書室に図書委員の日誌を忘れたから取りに行ったんずら」

花丸「図書館で日誌を回収したあと、千歌ちゃんが図書室の机で突っ伏して寝てたから、千歌ちゃんを起こして一緒に部室に来たずら。あ、途中で善子ちゃんとも合流したずらね。すると、机の上にあったはずののっぽパンが消えてたずら」

梨子「なんで千歌ちゃんは図書室で寝てたの?」

千歌「いやー、練習前にちょっとでも歌詞書こうと思ったんだけど、図書室で集中しようと思ったらすぐ寝ちゃったんだー」

鞠莉「案外、のっぽパンが無くなるまでの時間はシビアなのね」

梨子「そうですね。大体...15分くらい?」

善子「そう、この15分間のアリバイをみんなには聞かせてもらうわ」
 
9: (茸) 2023/01/15(日) 12:53:10.48 ID:w2ilM+mH
善子「まずは...曜。あなたからアリバイを聞かせてもらおうかしら。授業が終わってから練習前に部室に寄る、その時間帯のアリバイをね」

曜「うーん、アリバイって言ってもなあ。授業が終わったあと、千歌ちゃんがすぐに図書室に行っちゃったから、教室でちょっとだけ宿題してからこっちに来たよ」

善子「なるほどね。それを証明できる人はいるかしら」

曜「教室に残ってた子たちなら証明してくれると思う!」

善子「そう。アリバイとしては完璧ね。じゃあ次はルビィ、あんたのアリバイを聞かせて頂戴」

ルビィ「え、ルビィも別に...授業が終わって、一度お手洗いに行ってからそのまま部室に来たよ」

善子「なるほどね。それを証明できる人間は?」

ルビィ「ぅゅ...それは、いない...けど」

千歌「ルビィちゃん。早く自首しよう?田舎のおっかさんが泣いてらぁよ...」

ルビィ「ピギィ!ルビィじゃないですーっ!!」

善子「だから雰囲気壊れるっての!推理パートは全員のアリバイを聞いてからよ」
 
10: (茸) 2023/01/15(日) 12:53:30.94 ID:w2ilM+mH
善子「じゃあ、次はマリーと果南ね。貴方たち二人は連れ立って部室へ来たみたいだけど?」

果南「私は、鞠莉に頼まれて理事長室で書類の整理を手伝ってたんだ。重たいものも運ぶからって」

鞠莉「そう!そしてワターシは果南をこき使いながら優雅にティータイムを楽しんでたってワケ。お互いがお互いのアリバイを証明できるわ!」

善子「まぁ、二人が共犯でない限りはね。ありがと。次はリリー、あなたはどこで何をしていたの?」

梨子「私は一度音楽室へ行って、練習までの間に新曲を弾いていたわ。そろそろ完成も間近だしね。何かインスピレーションが沸くといいなって。まぁ、完成は千歌ちゃんが歌詞を書き終えてからだけど?」

千歌「うっ!予想外のところからナイフが!ヨハネちゃん、これも事件では?」

善子「あんたの歌詞が間に合わなかったら、確かに大事件ね。で、梨子のアリバイは誰かが証明できるのかしら?」

梨子「うーん。音楽室には私一人だったから...。あ、でも丁度弾いてた新曲の楽譜はあるわ。ほら、これを弾いていたの」

善子「なるほど。......確かに、今までに見たことない楽譜ね。音楽室にいたっていう証明には弱いけど、ある程度の説得力はある...」
 
11: (茸) 2023/01/15(日) 12:53:54.55 ID:w2ilM+mH
善子「さてと。では最後にダイヤ?あなたのアリバイを聞かせてもらおうかしら」

ダイヤ「......まったく。私も授業が終わった後、生徒会室に用事がありましたので、教室を出ましたわ。途中で、鞠莉さんと果南さんと別れ、生徒会室に一人で向かったのですわ。そして用事を済ませた後、部室へ向かい、この騒ぎに直面したというわけです」

善子「ははーん。途中まではマリーと果南のアリバイも証明できるわけね?マリー、果南、ダイヤの言ってることは本当かしら?」

鞠莉「そうねぇ。確かにダイヤとは一緒に教室を出たけど、理事長室は三階で、生徒会室は二階でしょ?ダイヤが階段を降りるところまでは見たけど、実際に生徒会室に行ったかどうかまではわからないわねぇ」

果南「怪しいね。実はダイヤが犯人だったりして...」

ダイヤ「わ、わたくしをお疑いですの!?」

鞠莉「べっつにー?ただ、ダイヤのアリバイは誰も証明できないなぁって思っただけですケド~?」

ダイヤ「くっ!なんて憎らしい顔と態度ですの!?」

善子「まぁまぁ。落ち着きなさいよ。今はまだ証拠集めの段階よ。慌てる時間じゃないわ」

梨子「証拠って...。こんなのが何になるって言うのよ...」

善子「証拠証拠。何事も基礎が大切なのよ。粘土がなければ煉瓦は作れないわ」
 
12: (茸) 2023/01/15(日) 12:54:22.02 ID:w2ilM+mH
善子「さて。これで全員分のアリバイは出揃ったわね」

曜「アリバイっていってもなぁ。中々、普段の生活で他人に自分の行動を証明してもらうのって難しいね」

梨子「逆にガチガチなアリバイがあるほど、怪しくなっちゃうわね」

ルビィ「ミステリーの基本だねっ」

善子「はいそこ静かにー」

善子「確かに、今現在で恐らく犯人ではないであろう人物は花丸ぐらいのものね」

千歌「え!?私も疑われてたの!?助手なのに!?」

善子「は?当たり前でしょ。普段の行動からしたら普通はあんたが犯人よ」

千歌「ちょっとー、善子ちゃん酷過ぎない?みんなからも言ってやってよ!」

一同「............」

千歌「あれ!?フォローがない!?」

善子「はいはい落ち着いて。今から全員動かないように。貴方たちを観察させてもらうわ」
 
13: (茸) 2023/01/15(日) 12:54:52.33 ID:w2ilM+mH
ダイヤ「ちょ、そんな舐めるように見つめないでくださいます?」

善子「あ、動かないでよ。観察対象がブレるでしょ」

果南「観察って言ってもさっきから皆を見てるだけじゃん」

善子「甘いわねー。見るのと観察は違うものなのよ。凡人の観察はその瞳に物を写すだけ。私のような賢人の観察はね、その瞳に真実を写すのよ」

ルビィ「なんだか、今日の善子ちゃんはいつも以上に仕上がってるね。何かあったの?」

花丸「...さぁ?でも最近、シャーロックホームズの映画を見たらしいずら」

梨子「原作でもないのね...」

曜「多分あれかなぁ、ロバートダウニーjrとジュード・ロウが出てるやつ」

鞠莉「あー、あれね。確かに善子が好きそうな映画ね」
 
14: (茸) 2023/01/15(日) 12:55:16.59 ID:w2ilM+mH
善子「ちょっと!さっきから五月蠅いわよ!黙って聞いてれば好き勝手...!」

梨子「あ、怒らせちゃったわよ」

曜「かわいいねぇ」

善子「ちゃんと原作だって読んだわよ!」

果南「怒るのそっちなんだ」

善子「ほら、まだ観察し終わってないんだから。動かないで立ってなさいよ」

ルビィ「喉乾いちゃったからお茶飲もーっと」

善子「あぁー!!証拠隠滅するつもりよ!ワトソン、それを止めなさい!」

千歌「え?蝶子...なに?」

善子「なんて使えないのかしら!?」
 
15: (茸) 2023/01/15(日) 12:55:39.19 ID:w2ilM+mH
善子「まぁいいわ。これで全員の観察は終了。私にはもう、この事件の真相が手に取るようにわかっているわ」

花丸「事件というほどでもないずら。のっぽパンぐらいまた買ってくればいいし、そもそもみんなが食べる用に色々部室に置いてるお菓子の一部ずら」

鞠莉「やっぱそうよねぇ?」

曜「まぁまぁ、善子ちゃんが楽しそうなんだし、ここは乗ってあげようよ」

梨子「曜ちゃんは本当に優しいのね...。それに対してあのバカ堕天使ときたら...!!」

善子「あーあー聞こえなーい」

善子「それにね、貴方たちがさっき話していたアリバイだけど...殆ど全員が嘘を吐いてるわね?」

花丸「......一体どういうことずら」

善子「言った通りよ。犯行を隠すためか、それとも他の何かを隠したいのか...殆ど全員が嘘を吐いているの。私の魔眼は、全てを見通しているわ」
 
16: (茸) 2023/01/15(日) 12:55:56.83 ID:w2ilM+mH
ダイヤ「嘘って...そんな...。こんなくだらないことに嘘を吐く必要がありまして?」

善子「さぁ?何を隠しているかは分かるけど、その隠したいことが当人にとってどれほどの重さまでかはわからないわ」

梨子「まーた適当なこと言って。ほら、もう練習始めるわよ」

善子「ふっ。適当かどうかは私の話を聞いてからでも遅くはないんじゃないかしら?それともリリー、貴方の吐いた嘘が白日の下に曝されるのが怖いのかしら?」

梨子「...随分とまぁ吹かすじゃない」

善子「まずはリリーから聞かせてもらってもいいのよ?部室にくるまでの15分間、本当は何をしていたのか」

梨子「別に...さっき言った通りよ」

善子「......まぁいいわ。とにかく、私には既に犯人が判っているわ。自首したほうが罪は軽くなるわよ」

果南「自首って、そんなおおげさな...」

善子「.........なるほど?自首するつもりは無いってことね?仕方ない。私も本意では無いのだけれど、一人ずつ、その嘘を暴いていくしかさそうね?」
 
17: (茸) 2023/01/15(日) 12:56:11.84 ID:w2ilM+mH
善子「知性覚醒ーーー!」

鞠莉「なにそれダッサ」

善子「.........うるさいわね。まずはルビィ、あんたの嘘からよ」

ルビィ「ピギィ!ル、ルビィ、嘘なんてついてないよぉ」

善子「ルビィ、あんた、教室を出てお手洗いに行ったって証言してたけど...。まず、トイレ自体行ってないでしょ?」

ルビィ「そ、そんなこと!」

ダイヤ「ちょっと、人の妹を嘘つき扱いしないでくださる?証拠はあるんですの?」
 
18: (茸) 2023/01/15(日) 12:56:31.02 ID:w2ilM+mH
善子「そうね...。ルビィはね、育ちがいいからか自身の潔癖からか、きっちり洗剤を使って手首まで手を洗うのよ」

ダイヤ「......普通じゃありませんの?」

鞠莉「普通ね」

梨子「普通じゃない?」

善子「え、そうなの?...まぁいいわ」

ダイヤ「手を洗うからどうしたというのです」

善子「わからない?つい今しがた手を洗ったにしてはあまりにも手が乾きすぎている」

ダイヤ「......それだけ?」

善子「なわけないでしょ。私が気になったのは右手の指先にわずかに付着した白い粉よ」

ルビィ「白い粉......あっ」
 
19: (茸) 2023/01/15(日) 12:56:53.09 ID:w2ilM+mH
善子「ルビィは気づいたみたいね。同じく、スカートの右裾にも同じような白い粉が付着している」

ダイヤ「確かに...スカートにも何やらキラキラしたものが付着していますわね...これは一体....」

善子「それの正体は、粉砂糖よ」

ダイヤ「粉砂糖?どうしてそんなものが?」

善子「我が浦の星女学院はお菓子の類は持ち込み禁止...そうよね?生徒会長」

ダイヤ「まさか...!」

善子「そうよルビィ、あんたは授業が終わってから部室へ戻るまでの間、持ち込みが禁止されているお菓子、しかもピュレグミを隠れて食べていた。そうして呼び出し放送を聞いたあんたは、急いで部室へと向かう途中、ピュレグミ特有の角砂糖コーティングで汚れた指先をスカートで拭った...。アリバイを聞かれた際、当然隠れてお菓子を食べていたなんて言えるわけがない。だからこそ、とっさにトイレに寄っていた、なんて嘘をついてしまった。墓穴を掘ってしまったのよ」

ダイヤ「そんな、ルビィ...一体どうして...」

善子「育ちの良さが仇になったわね。ハンカチを出してみなさい。きっと、すこしも湿っていないはずよ」

ルビィ「おねぃちゃあ...ごめん、なさい。ルビィ、ルビィ...!」
 
20: (茸) 2023/01/15(日) 12:57:13.44 ID:w2ilM+mH
ダイヤ「ルビィ!スカートや衣服で手を拭いてはいけませんと何度も言った筈ですわよ!」

ルビィ「ごめんなさい,,,。急いでたから、つい横着しちゃって...」

ダイヤ「普段から口を酸っぱくして言っていますが、貴方には黒澤家次女としての自覚が欠けておりますわ!」

曜「怒るのそこなんだ...」

梨子「そもそも、みんな好き勝手に部室にお菓子持ち込んでるしね...」

ダイヤ「いいですか!淑女たるもの、常に品を持ってですね...!」

善子「とにかく、隠れてグミ食べてたルビィがのっぽパンを食べるなんて、時間的にもルビィの胃袋的にも考え辛い。よって、ルビィは今回の犯人ではないと推測できる」

千歌「すごーい。善子ちゃん、ほんとに探偵みたい!」

善子「ふっ、この程度、ほんの基本だよ、ワトソンくん」

果南「あ、すごいドヤ顔」

梨子「きっとこのセリフを言いたかったのね...」
 
21: (茸) 2023/01/15(日) 12:57:34.76 ID:w2ilM+mH
善子「さぁ、これでもまだ犯人は自首するつもりはないようね?」

ルビィ「うぅ...犯人さん、自首してください...」

曜「なんだかんだルビィちゃんもノってるね...」

善子「なら次は曜、あんたの嘘を暴こうかしら?」

曜「え、わ、わたし?」

梨子「曜ちゃんも何か隠してるの?」

曜「か、隠し事なんてないよっ!」

善子「曜、あんたの証言だと、教室に残って宿題をしてたって言ったわね?」

曜「そ、そうだよ!ほら、そのときやってた宿題!」

善子「ふーん。じゃああなたはいつ図書室に行ったのかしら?」

曜「っ......!!」
 
22: (茸) 2023/01/15(日) 12:57:58.11 ID:w2ilM+mH
善子「花丸から聞いたんだけどね、今日、図書室前の水道が壊れて、廊下が水浸しになってたみたいなのよ。そうよね、花丸?」

花丸「うん。確かに水浸しで、上履きも汚れちゃったずら」

善子「そう。図書室に行っていた花丸と千歌の上履きをごらんなさい。水道の水と言えど、廊下自体が汚れているもんだから、砂やら埃やらが水で跳ねて上履きを汚しているわ」

梨子「あ、ほんとだ」

果南「灰色っぽいシミになってるね」

善子「そして、曜。あなたの上履きにも同じような汚れがあるわね?」

曜「............」

善子「教えてくれるわよね?今日、どこで、どのようにしてその上履きを汚したのか」

千歌「曜ちゃん...?嘘なんて、ついてない、よね...?」
 
23: (茸) 2023/01/15(日) 12:58:18.96 ID:w2ilM+mH
曜「......善子ちゃんの言う通りだよ。私は、教室で宿題なんてしてない」

千歌「そんな...!」

曜「ううん。正確にはちょっと違う。最初は、本当に宿題をしてたんだ...でも、途中で辞めて、図書室へ向かった」

梨子「それはどうして?」

曜「千歌ちゃんだよ」

千歌「わた、し......?」

梨子「......どういうことか、説明してくれる?」

曜「千歌ちゃん、私に言ったよね。図書室で作詞してくるって。最初は私が力になれることなんてないって思って、教室で宿題してたんだ。でも、段々と自分が不甲斐なくなってきて...。千歌ちゃんは頑張ってるのに、私は何をしてるんだろうって。だから、少しでも千歌ちゃんの力になりたくて、図書室へ向かったの」

梨子「あれ?でも、千歌ちゃんは図書室で寝てたのよね?どうして起こさなかったの?」

曜「起こせるわけないじゃん!!千歌ちゃんが、あんなに可愛い顔で寝てるんだよ!?......起こせるわけ、ないっ...!」
 
24: (茸) 2023/01/15(日) 12:58:40.63 ID:w2ilM+mH
曜「最初は千歌ちゃんを起こして、一緒に作詞しようって、手伝おうって思ってた。でも、ダメだった」

曜「西日を受けて机に突っ伏す千歌ちゃんがあまりにも可愛くて...!どうしても、声を掛けられなかった!」

曜「だから、私は、物陰から千歌ちゃんを見守ることにしたんだ...。千歌ちゃんの寝顔はとってもレアだからね、写真にも残しておく必要があった」

曜「ごめんね千歌ちゃん。私、何にも千歌ちゃんの役に立ってない...。軽蔑、したでしょ?」

千歌「軽蔑なんてするわけない!曜ちゃんは私にとって太陽なんだよ!役に立つとか立たないとか、そんなんじゃない!傍に居てくれるだけで、私をあったかい気持ちにしてくれる大切な存在なんだよ!だから、だからそんなこと言わないで!」

曜「千歌ちゃん...。わたし、わたし、バカ曜だ...。うわーーーん!」

千歌「曜ちゃん!私こそバカ千歌だよぉ!」

梨子「......なにこれ。ハッピーエンドでいいの?どこから突っ込んでいいかわからないんだけど」

善子「ま、こういう理由で、曜は犯人ではないことが証明されたわね」
 
26: (茸) 2023/01/15(日) 12:59:02.29 ID:w2ilM+mH
善子「...さて。ここからはあまり踏み込みたくない部分なんだけど、仕方ないわね。マリー、果南、あんたたちの嘘も暴かせてもらうわよ」

鞠莉「うーん。私たちは嘘なんてついていまセーン。ね、果南?」

果南「うむ」

梨子「え、なんか急に口数少なくなってない?」

善子「あなたたち二人のアリバイは、理事長室で書類の整理をしていた...だったかしら?」

鞠莉「その通りデース!」

善子「ま、理事長室に二人でいたのはきっと間違いないわね。但し、その中で行われていたこと。その部分で、貴方たちは嘘を吐いているわね」

鞠莉「......どういうことかしら?」

善子「あら。まだシラを切る気?まぁいいわ。それにリリー、貴方もこの件に関しては部外者ではないはずよ」

梨子「............」

善子「沈黙は金、雄弁は銀って言うものね?トーマス・カーライルのつもりかしら」
 
34: (わたあめ) 2023/01/15(日) 16:34:45.83 ID:drjPEksJ
善子「まず私が覚えた違和感は、果南、あなたよ」

果南「............」

善子「いや、何か喋りなさいよ。...まぁいいわ。部室へ鞠莉と入ってきたとき、みんな思わなかった?どうして果南の顔が上気しているんだろうって」

ダイヤ「そうですの?」

千歌「うーん。確かにちょっと顔が赤かったような?」

善子「普通なら、放送を聞いて慌てて走ってきたからだと思うんだけど、あの果南よ?これぐらいで息を切らしたりするはずがない。何しろ、鞠莉と一緒に来たはずなのに、当の鞠莉はけろっとした表情だったしね」

善子「だから、一度果南を観察したの。上気した頬に赤く染まった首筋。そして曲がったスカーフにしわの寄ったブラウス」

ダイヤ「えっと、つまり...?」

善子「まだわかんないわけ?極めつけはソックスの痕よ。ほら、果南のふくらはぎを見てみなさい」
 
35: (わたあめ) 2023/01/15(日) 16:35:29.44 ID:drjPEksJ
善子「ふくらはぎにうっすらと赤い、ソックスの痕が残ってるでしょ?なのに、実際にはその痕より少し下でソックスを履いている。つまりこれは、長時間履いていたソックスを脱いで再度履いた、もしくはソックスを一度刷ずり提げたってことよ」

善子「理事長室で一体、何をしていたのかしら?書類整理だけなら、ソックスを脱いだり、慌てて着たかのような制服の乱れなんてできないはずだけど?」

果南「......めっちゃ重い荷物運んでたんだよ。多分、中身はインド象だったと思う」

善子「ポケモン図鑑なの?それより首筋、痕残ってるわよ」

果南「っ...!!」

善子「慌てて抑えるなんて、自白してるようなものよ。マリー、もっと打ち合わせしておくべきだったわね。果南は隠しごとに向かなさすぎる」

鞠莉「そうね。次までにはキチンと仕込んでおくわ」
 
36: (茸) 2023/01/15(日) 16:37:07.56 ID:w2ilM+mH
鞠莉「でも、それだけなら証拠として弱いんじゃない?結局はただの推測でしかないわ。特に、密室で起こった出来事なんだもの。他に証拠がないと...ねえ?粘土が無いんじゃあ、煉瓦は作れないんじゃない?」

善子「そうね。マリーは一筋縄ではいかないことは分かってた。でも、言ったわよね?これに関してはリリーも部外者じゃないって」

梨子「............」

善子「いや、だから何か喋りなさいよ。何?今日はそんな感じ?」

曜「今日の善子ちゃん相手だと、喋れば喋るほど墓穴掘る感じするもんね」

善子「そう?さて梨子、あなたは一体、音楽室じゃなくてどこに居たのかしら?」

梨子「......別に?私は音楽室でピアノを弾いてたわよ?それで、放送を聞いて急いで部室まで来たの」
 
37: (茸) 2023/01/15(日) 16:38:02.29 ID:w2ilM+mH
善子「まったく、無駄な足掻きをするわね。マリーと果南を庇いたいの?そんなわけないわよね?あなたが守りたいのは、別のものじゃないの?」

梨子「...っ」

千歌「先生!一体全体、どういうことなんですか?」

ダイヤ「え、いや、ちょっと待ってください。え?理事長室で?え、鞠莉さんと果南さんが?え?あれ?え、ほんとですの?」

ルビィ「おねいちゃあが壊れちゃった...」

善子「では、諸君。今ここに真実を披露しましょう。不可能な事象を消去していけば、残ったものがいかにあり得ないことであっても、それこそが真実なのよ」

花丸「む。どこかで聞いたセリフずら」

曜「善子ちゃんが一番ノリノリだよねぇ」
 
38: (茸) 2023/01/15(日) 16:38:40.51 ID:w2ilM+mH
善子「さて。あまり勿体ぶるのは好きじゃないんだけど。途中の推理を悉く消し去って、ただ、出発点と結論だけを提示するとインパクトは強いんだけど、あまりに安っぽいからね」

善子「まず、梨子が居たのは音楽室じゃない。それは、理事長室の前よ」

果南「...それ、ほんとなの?」

鞠莉「ちょっと果南!今は黙ってて!」

梨子「...どうしてそう思ったの?」

善子「ヒントは三つ。まず一つ目は部室へと入ってきたタイミングよ」

梨子「タイミング?」

善子「えぇ。梨子、あなたはマリーと果南が部室に入ってくるすぐ前に部室へと入ってきたわね?」
 
39: (茸) 2023/01/15(日) 16:39:00.46 ID:w2ilM+mH
梨子「それがどうしたの?まさか、二人の前に来たから、理事長室の近くにいたって?」

善子「そう簡単な話じゃ無いわ。私が気になったのはその後。二人が入ってきた後、どうして立ってる場所を二人の横から移動したのかしら?何か、気まずいことでもあったの?それとも、無意識のうちかしら?」

梨子「別に、そんなことは...」

善子「そして二つ目。と、その前に梨子?あなた、今日足に何かぶつけたりした?」

梨子「......ぶつけてないけど」

善子「そう。で、二つ目は梨子の右膝よ」

千歌「右膝?」

善子「ええ。気付かない?左の膝に比べて、右膝が赤くなってることに」
 
40: (茸) 2023/01/15(日) 16:39:38.78 ID:w2ilM+mH
千歌「言われてみれば確かに?」

善子「梨子は元々色白だから分かりやすいのよ。さっき聞いたけど、足をぶつけたりなんてしてないのよね?」

梨子「膝が赤いからなんだってのよ」

曜「梨子ちゃん?キャラ変わってるような...」

千歌「うーん。痒くて膝を掻いていたとか?」

善子「当たらずとも遠からじって感じね。梨子の右膝だけが赤い理由、それはね、右膝を長時間床についていたからよ」

曜「あー、確かに。頬杖ついてると、肘が赤くなってることあるよね」

善子「ま、それと同じ原理ね。さあ、ピアノを弾きながら、右膝を床につくなんて到底不可能だと思うけど?」
 
41: (茸) 2023/01/15(日) 16:40:51.52 ID:w2ilM+mH
梨子「............」

善子「往生際が悪いわね。これが最後のピース。三つ目は梨子、あなたのスカートよ」

千歌「スカート?梨子ちゃんもスカートに粉砂糖付いてたの?」

善子「違うわよ。梨子のスカート、ほんの少しだけど型が崩れちゃってるわね。なんていうのかしら?右にすこしずり下がってる感じがするわ。そう、まるで右のポケットに何かが入ってるように」

梨子「......どこまで、わかってるの」

善子「ふん。どこまでわかってないの?」

善子「おそらく、ポケットに入っているのは梨子のスマホよ。梨子は女の子だからね。いつもスマホはカバンの中に入れて、スカートのポケットに入れることなんてしない。だから、スカートの型が少し崩れただけで違和感を生んでしまうのよ」

善子「放送を聞いて、慌ててスマホをポケットに押し込んだんでしょう。マリーと果南に見つかると大変だものね?」
 
42: (茸) 2023/01/15(日) 16:41:24.45 ID:w2ilM+mH
千歌「どうして鞠莉ちゃんと果南ちゃんに見つかると大変なの?」

善子「三つのヒントを整理しましょうか。梨子がマリーと果南に見せたよそよそしさ。赤く跡のついた右膝。そして、ポケットに慌てて入れられたスマホ。さて、この三つの粘土から組み立てられる煉瓦とは?」

千歌「なるほどね...さっぱりわからない」

曜「千歌ちゃんも?ダイヤさん...はダメだね。まだ混乱してる」

善子「仕方ないわね。梨子も話すつもりは無いみたいだし、私が説明してあげるわよ」

善子「まず前提として、梨子は図書館に行っておらず、理事長室の近くにいたと推測されるわ。理由まではわからないけどね。そして、理事長室の前を通り掛かったとき、中から何やら怪しげな声が聞こえた」

果南「それは私がインド象を運んでたの!ほんとにそれだけ!」

曜「それはそれで大事だよ...」
 
43: (茸) 2023/01/15(日) 16:42:04.79 ID:w2ilM+mH
善子「話を続けるわよ。思わず立ち止まった梨子は、中から聞こえる声に耳を側立てる。やがて、もっとよく中の声が聞こえるように、ドアの鍵穴部分に耳を当てる。さて、鍵穴に耳を当てるためには、どういった体制をとると思う?」

曜「しゃがんで、片膝を立てる!そっか!梨子ちゃんの膝の後はそのときについたものなんだ!」

善子「ご明察。そして、中で行われていることに大凡の察しがついた梨子は、その決定的瞬間を記録に残そうと、スマホの録音機能をオンにする。そうして、しばらく録音をしていると、ダイヤの校内放送が聞こえて来る」

善子「さぞ慌てたことでしょう。放送の内容自体に慌てたわけじゃなくね。放送を聞いたマリーと果南が理事長室を出てきたら、スマホで情事を録音していたのがバレちゃうんだから。二人が部屋を出る前に慌てて退散。そのときに普段はカバンにキチンと直してるスマホも、慌てていたせいかポケットに突っ込んだままにしてしまった」

善子「そして、二人より先に部室へ到着したものの、先程までの二人を想像して気まずくなってしまったのか、二人の側から距離を取ってしまった...。これが、梨子の15分間に起こったことの全てよ」
 
44: (茸) 2023/01/15(日) 16:42:56.68 ID:w2ilM+mH
善子「さてマリー?さっき言ってたわね。私の推理はただの推測だけで、証拠がないって。証拠なら梨子のスカートに入ってる筈よ。私の推理が正しければね」

ダイヤ「...梨子さん、それは本当ですの?え、本当に鞠莉さんと果南さんが理事長室でそんないかがわしいことを...?」

梨子「やだなあ、ダイヤさん。私がそんなことするわけないし、二人もそんなことするわけないじゃないですかぁ」

果南「梨子ちゃん、スマホ見せて?」

鞠莉「そーよ。ほら梨子、スマホの中身を見せて?スマホに何も残ってなければ、私たち3人の無実が証明されるんだから」

梨子「......この学校を守りたい!!ここは私に任せて頂戴!!」

曜「うわぁ!?どっからそのハンマー取り出したの!?」

千歌「ちょっと!梨子ちゃん落ち着いて!!」

梨子「離して!私がこの学校を守らなきゃいけないの!」
 
45: (茸) 2023/01/15(日) 16:43:42.25 ID:w2ilM+mH
善子「さあ、これ以上語る必要はないようね」

鞠莉「ちょっと梨子!ほんとに録音してたわけ!?」

梨子「仕方ないじゃない!そもそも学校でそんなことしてる方が悪いんじゃない!?」

曜「逆ギレっぽいけど、まあ正論だね」

ルビィ「えぇ...何か、三年生...えぇ...」

ダイヤ「ちょっと!?私は何もしていませんわよ!?」

果南「......よこせ」

ダイヤ「果南さん?」

果南「梨子ォォォ!!そいつをよこせェェェーー!!!」

千歌「うわあ!果南ちゃんが少佐になっちゃった!」
 
46: (茸) 2023/01/15(日) 16:44:26.64 ID:w2ilM+mH
善子「......いい加減、落ち着いたかしら?」

果南「......梨子。データ、絶対消してね」

梨子「いや、ちょっと待って。一旦、一旦ね。一旦家に持って帰らせて?別に何もしないわよ?ただ、ちょっと体勢を立て直すだけよ。一旦、一旦ね」

果南「おい」

梨子「......はい。消します」

善子「さて、これで鞠莉、果南、梨子の3人ものっぽパンを食べた犯人ではないことが証明されたわね」

曜「あ、そういえば元はのっぽパンの話だったね」

花丸「衝撃が強過ぎて忘れてたずら」

ルビィ「あれ、ちょっと待って。そしたら、残ってるのは...」

千歌「ダイヤさん、だけだね」
 
47: (茸) 2023/01/15(日) 18:44:05.62 ID:w2ilM+mH
善子「ここに積み上がった屍の山を見てもまだ、シラを切り通せるとは思わないことね。そして一つ確かなことは、私はダイヤの犯行を裏付ける、決定的な証拠を持っているということ」

ルビィ「ほんとうに、おねぇちゃあなの??」

ダイヤ「もう、隠し通すことは不可能のようですわね」

曜「ダイヤさん?」

ダイヤ「ええ。花丸さんののっぽパンを食べたのはこの私。笑いなさい。そして、どうぞ断罪してください。醜く浅ましい、この私の悍ましさを」

花丸「いや、そこまで重たいものでもないずら」

千歌「でも、どうして?」

ダイヤ「ほんの、出来心だったのです。生徒会室へ行ったというのも真っ赤な嘘。本当は誰よりも早く部室へと着いていたのです。そして、練習まで時間もありましたので、部室を掃除しようと...」

ダイヤ「しかし、私は見てしまったのです。机の上に置かれたのっぽパン、しかも、静岡抹茶ラテのっぽを...!」
 
48: (茸) 2023/01/15(日) 18:44:21.62 ID:w2ilM+mH
ダイヤ「花丸さんがのっぽパンを好んで食べていることは勿論知っていましたわ。そして、おそらくこのパンが花丸さんのものであることも」

ダイヤ「......以前、私が言ったことを覚えていらっしゃいますか?どうも、私が皆さんと距離がある気がする、と相談したことを」

鞠莉「あー。みんなでみとシーでバイトしたときね」

ダイヤ「今考えれば稚拙な考えですが、のっぽパンを機会に、花丸さんと距離を詰めることができると考えたのです。好きなものを共有することが、距離を詰める第一歩だと、その、本にも書いてありましたので...」

花丸「ダイヤさん...」

ダイヤ「それで、花丸さんのものを勝手に食べてしまっては、嫌われても仕方がないというのに...」

花丸「...ううん。のっぽパンなんて、どうでもいいずら。まるにとっては、ダイヤさんが、まると仲良くしようとしてくれてる、それだけでとっても嬉しいずら」
 
49: (茸) 2023/01/15(日) 18:44:41.75 ID:w2ilM+mH
ダイヤ「花丸さん...。あなたは、こんな卑しい私を、許してくださるというのですか...?」

花丸「さっきも言ったように、許す許さないなんて、どうでもいいことずら。その、まるも、ダイヤさんとこれからもずっとずっと、仲良くしていたいずら」

ダイヤ「花丸さん...!」

花丸「まるの好きなものは、のっぽパン以外にもいーっぱいあるずら!だから、ダイヤさんの好きなものも、まるに教えて欲しいずら。好きなものを共有することが、距離を詰める第一歩なんでしょ?」

ダイヤ「ありがとう...ございます...!これからいっぱい出掛けましょう!二人で!花丸さんに負けないくらい、私にも好きなものは沢山あるのです!」

ルビィ「......なにこれ」

曜「ハッピー、エンド...なのかな?」
 
50: (茸) 2023/01/15(日) 18:45:05.64 ID:w2ilM+mH
ダイヤ「それにしても、今日の善子さんはいつもと違いますわね。推理も冴え渡っていますし、観察眼も気持ち悪い程に性格ですわ」

曜「善子ちゃんは影響されやすいからなあ。シャーロックホームズ読んだだけでここまで昇華されるなんて」

千歌「でも、善子ちゃんは最初からダイヤさんが犯人だってわかってたんだよね?それもやっぱり観察と推理?」

善子「いや、普通に見てたのよ」

千歌「え?」

梨子「ど、どういうこと?」

善子「言った通りよ。部室に早めに着いたら、ダイヤが目を輝かせてのっぽパン頬張ってるの見てたの。あんまり美味しそうに食べるもんだから、邪魔しちゃ悪いと思って、適当にぶらついてたら花丸と千歌と合流したのよ」

果南「は?」

善子「何よ、みんなしてシラけた顔して。ほら、事件も解決したし早く練習行くわよ。練習の時間が少なくなっちゃうし、今日は夕方から雨が降るらしいからね」
 
51: (茸) 2023/01/15(日) 18:45:45.49 ID:w2ilM+mH
果南「いや、待ってよ。なに、最初からばっちり見てたってこと?」

善子「何よ。そう言ってるじゃない」

果南「だったらさぁ、最初にそれを言っておけば、私たちが余計な傷を負うこともなかったってことだよね?」

鞠莉「...そうよ。この屈辱、どうやって晴らしてやろうかしら?」

梨子「善子ちゃんが黙ってれば、今頃自宅で音声を楽しんでいたのに...!」

善子「待って待って。私は悪くなくない?自首しなかったダイヤが100%悪いでしょ!?」

ルビィ「善子ちゃんが最初っから見てたよって言えば、こんなことにならなかったんじゃないかな...」

ダイヤ「まぁ、見てたと言われれば、私も言い逃れできませんものね」

善子「ちょー!ルビィ!あんた裏切る気!?」

花丸「そもそも味方でもないし、善子ちゃんはつい今しがたAqoursの殆どを敵に回してしまったずら」

善子「ワ、ワトソン君!」

千歌「ねー曜ちゃん。今日から松月で限定メニューの販売開始だって。練習終わったら行こ?」

曜「いいね!全速前進ー!ヨーソロー!!」

善子「あっ!あいつ!自分が助手だってこと忘れてる!」

鞠莉「果南、やっておしまい」
 
52: (茸) 2023/01/15(日) 18:46:02.59 ID:w2ilM+mH
ぎいぃいいぃいやぁ~~!!何するずらァー!!!
やめてずら!!!マルが何したって言うんずらぁー!!!!!!
痛いずらよぉー!!!!!!!
読書が出来なくなっちゃうずら・・・
ペンも握れなくなっちゃうずらよぉー!!
千歌ちゃーん!!!!助けるずらぁー!!!!!!!!





善子「とほほ...もう探偵なんてコリゴリよぉーー!!!」
 
53: (茸) 2023/01/15(日) 18:47:17.16 ID:w2ilM+mH
終わりです。
今まで重たい話ばかり書いてたので
今回は明るくやってみました
ありがとうございました
 
57: (もんじゃ) 2023/01/15(日) 18:54:36.12 ID:CaBISyPL
なんでずら…
 
56: (茸) 2023/01/15(日) 18:53:40.61 ID:FAff5TLN
本当にマルが何したっていうずら…
 
59: (もみじ饅頭) 2023/01/15(日) 19:52:25.43 ID:pwoNIEf1
探偵ヨハネおもしろかった
ありがとう
 
61: (大酒) 2023/01/16(月) 00:04:35.55 ID:poBRsMdB
面白かった
過去作しりたい
 
63: (茸) 2023/01/16(月) 00:37:04.66 ID:oUP/dqPY
>>61

善子「最近、変な夢を見るのよね」
【SS】善子「最近、変な夢を見るのよね」【ラブライブ!サンシャイン!!】
■約30000文字■いつものお昼休み、善子ちゃんとルビィちゃんと一緒に、教室でお昼を食べていたときのこと。 善子ちゃんが頬杖をつきながらふと呟いた。 ルビィ「変な夢??それってどんな夢なの??」 善子「いや、それがよく覚えてないのよね。目が覚めたら内容は忘れてるんだけど...。でも、同じ夢を見たってことだけは認識できるのよ」 そう言いながら、善子ちゃんは窓の外へ憂鬱そうな視線を向ける。 花丸「善子ちゃんにしては、面白みの無い話ずらね」 善子「ヨハネ!っていうか、何気に失礼でしょ!私にしてはってどういうことよ!」 花丸「善子ちゃんのことだから、また堕天の力がー、とか闇の眷属がー、とか、そんな変なことだと思ったずら」 ルビィ「ふふっ、確かにそっちの方が善子ちゃんっぽいね」


善子「願いを叶えるロザリオぉ?」???「効果はお墨付きやよ」
【SS】善子「願いを叶えるロザリオぉ?」???「効果はお墨付きやよ」【ラブライブ!サンシャイン!!】
■約35000文字■善子「何よそれ、胡散臭いったらありゃしないわね」 ???「いやいやいや、このロザリオの力は本物なんよ」 善子「いや、あんたが胡散臭いのよ。何よ、そのローブ?顔すら見えないじゃない」 ???「ままま、そこは置いといてやね。このロザリオの力、気になれへん?」 善子「デザインはまあ...確かに。この闇の支配者たるヨハネ様に相応しい感じがするわね」 ???「やっぱりね。お嬢ちゃんにはわかるやろ?この、闇より生ずる魔の瘴気が...!!」 善子「もももも、もちろんじゃない!!」


この2本です
ただ、今回とあまりにも雰囲気が違うので...
何とも言い難いですね
 
65: (しうまい) 2023/01/16(月) 01:55:08.33 ID:B/o2e6AK
面白かったです
日常って感じで好き
ピュレグミで大草原
 

引用元: https://nozomi.2ch.sc/test/read.cgi/lovelive/1673754415/

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