千歌「嘘つき」曜「嘘じゃないよ」【SS】

ようちか悩む SS


1: 2017/03/07(火) 15:08:25.91 ID:St4kdNMb.net
千歌「曜ちゃんは私のこと好き?」

曜「好き」

千歌「嘘つき」

曜「嘘じゃないよ」

4: 2017/03/07(火) 15:11:52.82 ID:St4kdNMb.net
千歌「私は曜ちゃんのこと好きなのに」

曜「私も千歌ちゃんが好きだよ」

千歌「嘘つき」

曜「嘘じゃないよ」

5: 2017/03/07(火) 15:12:21.77 ID:St4kdNMb.net
千歌「私が泣いてたら
 曜ちゃんも一緒に泣いてくれる?」

曜「うん。手を取り合って泣くよ」

千歌「嘘つき」

曜「嘘じゃないよ」

6: 2017/03/07(火) 15:13:01.34 ID:St4kdNMb.net
千歌「私が笑ってたら
 曜ちゃんも一緒に笑ってくれる?」

曜「うん。手を取り合って笑うよ」

千歌「嘘つき」

曜「嘘じゃないよ」

7: 2017/03/07(火) 15:13:40.58 ID:St4kdNMb.net
千歌「ねえ。昨日梨子ちゃんとデートしたってホント?」

曜「デート? 違うって」

千歌「嘘つき」

曜「嘘じゃないよ」

8: 2017/03/07(火) 15:14:10.58 ID:St4kdNMb.net
千歌「梨子ちゃんと付き合い始めたんでしょ?」

曜「違うよ。
 私が好きなのは千歌ちゃんだけだもん」

千歌「嘘つき」

曜「嘘じゃないよ」

9: 2017/03/07(火) 15:14:36.17 ID:St4kdNMb.net
曜「これ私から。ネックレス買ったんだ」

千歌「……」

曜「着けてみてくれる?」

千歌「うん」


曜「すごく似合ってる」

千歌「…嘘つき」

曜「嘘じゃないよ」

10: 2017/03/07(火) 15:15:08.98 ID:St4kdNMb.net
千歌「ホントに似合ってる?」

曜「うん。
 だって幼馴染の私が、千歌ちゃんに一番似合うのを一時間かけて選んだんだもん」

千歌「嘘つき」

曜「嘘じゃないよ」

14: 2017/03/07(火) 15:16:27.70 ID:St4kdNMb.net
曜「それでこれは梨子ちゃんから。
 ハマってる漫画なんだって」

千歌「ありがと」

曜「うん。暇だろうなって言ってた」

千歌「最近はずっと寝てばっかりなんだ」

16: 2017/03/07(火) 15:17:32.58 ID:St4kdNMb.net
千歌「ねえ曜ちゃん」

曜「なあに?」

千歌「明日もまた、来てくれる?」

曜「うん。絶対また来る」

千歌「…嘘つき」

曜「嘘じゃないよ」

17: 2017/03/07(火) 15:18:03.57 ID:St4kdNMb.net
* * * * *

曜「ね? 来たでしょ?」

千歌「うん」

曜「リンゴ買って来たんだ。今皮剥くから」

千歌「マメだなぁ…」

19: 2017/03/07(火) 15:18:43.62 ID:St4kdNMb.net
曜「出来たよ。身体起こせる?」

千歌「うん。……しょっ、く…」

曜「無理しないでいいよ。ゆっくりね」

千歌「ごめんね、めんどくさくて」

曜「めんどくさいなんて思わないよ」

千歌「……嘘つき」

曜「嘘じゃないよ」

21: 2017/03/07(火) 15:19:11.00 ID:St4kdNMb.net
千歌「美味しい…」

曜「そう? よかった」

千歌「最近ね、食べ物に味がしないの」

曜「……」

千歌「でもこれは味する。すっぱくて美味しい」

曜「そっか…」

22: 2017/03/07(火) 15:19:38.94 ID:St4kdNMb.net
千歌「外はどう?」

曜「もう冬だよ。寒くなって来た」

千歌「そっか」

曜「もうすぐ雪が降るって」

千歌「雪、見れるかなぁ」

曜「当たり前だよ。すぐ治るよ。そしたらまた、二人で、一緒に、」

千歌「無理だよ」

曜「無理じゃないよぉ…」

23: 2017/03/07(火) 15:20:07.60 ID:St4kdNMb.net
千歌「なんとなく分かるんだ」

千歌「今日は調子いいな、とか。そろそろヤバイな、とか」


千歌「私ね、雪、見れるかわかんないや」

24: 2017/03/07(火) 15:20:26.27 ID:St4kdNMb.net
曜「嘘だよ」

千歌「嘘じゃないよ」

曜「すぐ治るよ。絶対治るよ」

千歌「……」

25: 2017/03/07(火) 15:21:18.04 ID:St4kdNMb.net
千歌「曜ちゃんは、明日も来るつもり?」

曜「来るよ。明日も明後日も、毎日毎日来続けるよ」

千歌「そっか」


千歌「ごめんね、曜ちゃん」

26: 2017/03/07(火) 15:21:38.83 ID:St4kdNMb.net
ーーーーーーーーーー

面会謝絶

ーーーーーーーーーー

……………………
…………
……

50: 2017/03/07(火) 17:55:12.11 ID:St4kdNMb.net
続きます

61: 2017/03/07(火) 22:00:06.73 ID:St4kdNMb.net
曜「こんにちは」

受付嬢「あら曜ちゃん、こんにちは」

曜「あの、高海さんの…」

受付嬢「千歌ちゃんでいいわよ。友人なんでしょう?」

曜「はい」

受付嬢「でもごめんなさい。高海さんはまだ……」

曜「そうですか……」

62: 2017/03/07(火) 22:00:45.06 ID:St4kdNMb.net
看護師「だれかー、荷物運ぶの手伝ってくれない?」

受付嬢「ごめん、私はまだ……」


曜「あ、私手伝いますよ」

看護師「えっ? あー、うーん」

曜「大丈夫ですよ! 私、暇だし」

看護師「うーん、曜ちゃんならいいかなぁ…?」

受付嬢「いいかなぁ? じゃないって……」

曜「いえ! このままでも暇なので…」

看護師「じゃあお願いできる?
 私だけじゃ日が暮れても運びきれないんだ」

曜「はい!」

63: 2017/03/07(火) 22:01:21.39 ID:St4kdNMb.net
看護師「いやー、助かるよ。ありがとね」

曜「いえいえ。
 むしろ、病院に長くいられる都合が出来てよかったです」

看護師「……もー、ありがたいけど、話題になってるよ?」

曜「話題?」

看護師「朝から晩まで体育座りの女の子がいるって」

曜「そうですか…」

64: 2017/03/07(火) 22:02:09.04 ID:St4kdNMb.net
看護師「いいの?」

曜「はい?」

看護師「話題にされるの、面白くないと思うんだけど」

曜「いえ……」


曜「話題になっても、いいんです」

65: 2017/03/07(火) 22:02:40.29 ID:St4kdNMb.net
曜「どこかからでも千歌ちゃんの耳に入ればいいなって」

曜「私はずっと待ってるよって」

曜「あの言葉はホントだよって。そう伝わればいいなって」

曜「そう思うんです」

66: 2017/03/07(火) 22:03:10.17 ID:St4kdNMb.net
曜「というか、その…」

曜「大好きって言葉じゃ言い表せないっていうか…」

曜「これは……」


曜「愛……、っていうのかなぁ……」

84: 2017/03/07(火) 23:50:21.00 ID:St4kdNMb.net
>>66
ミス
最初に
ーーーーー

看護師「大好きなんだ?」

曜「はい」


曜「というか、その…」

曜「大好きって言葉じゃ言い表せないっていうか…」

曜「これは……」


曜「愛……、っていうのかなぁ……」

67: 2017/03/07(火) 22:04:38.15 ID:St4kdNMb.net
看護師「そっか」

曜「はい」

看護師「……あのね」

曜「なんですか?」

看護師「私が言ったって言わないでね?」

看護師「守秘義務があるから。曜ちゃんには特別なんだよ?」

曜「……」

70: 2017/03/07(火) 22:07:11.98 ID:St4kdNMb.net
看護師「多分だけど、今のところは大丈夫だと思う」

看護師「二日前に峠を越えて、今はギリギリ、安定してたはずだよ」

曜「…………」


曜「そ……っか」

曜「……ぅぐ、そっか、そっかぁ……」

曜「そっかぁ……っ! よかった…」

71: 2017/03/07(火) 22:10:32.53 ID:St4kdNMb.net
看護師「でも……」

曜「…はい」


看護師「あのね、」

曜「……ごめんなさい。あの、困らせるつもりはなかったんです」

曜「なんでも言ってください」

曜「覚悟は出来てますから」


看護師「そう…」

看護師「じゃあ、言うよ?」


看護師「はっきり言って、もう高海さんは長くないと思う」

看護師「次か、その次」

看護師「峠はきっと……」



看護師「越えられない」

112: 2017/03/08(水) 15:38:22.26 ID:IrXEsJSV.net
幼女「雪かぁ…」

幼女「私ね、病気が治ったら雪合戦するんだ」

幼女「あと雪だるまも作るの。
 でっかいやつ。頭だけでこぉーんなに大きいやつ」

幼女「かまくらも作りたいの。パパとママと私が入れるくらいのやつ。
 中でね、炎を焚いて暖まるの。三人で」

113: 2017/03/08(水) 15:38:52.38 ID:IrXEsJSV.net
曜「雪、好きなの?」

幼女「ううん。触ったこともないよ」


幼女「だから楽しみなの」

114: 2017/03/08(水) 15:39:11.51 ID:IrXEsJSV.net
曜「そっか…」

幼女「あ~あ、来年の冬には治ってたらいいなー」

曜「大丈夫だよ、きっと治るよ…」

幼女「…うん! お薬も全部飲んでるもん。好き嫌いもしてないんだよ?」

曜「うん。偉いよ、幼女ちゃんは」

幼女「でしょー?」

115: 2017/03/08(水) 15:39:41.47 ID:IrXEsJSV.net
幼女「あのね、ホントはかまくらは三人までなんだよ?」

曜「うん?」

幼女「でも、お姉ちゃんも入れてあげる!
 お姉ちゃん優しいから!」

曜「…そっか、ありがとね」

幼女「雪合戦もしようね。雪だるまも作ろうね」

曜「うん、……うん」


幼女「ごほっ、けほっ、……けふけふっ」

116: 2017/03/08(水) 15:40:36.90 ID:IrXEsJSV.net
曜「……え?」

幼女「げほえほっ! ~~っ、ごほっ、こほっ」

幼女「ご、ごめっ、なさ……っ。だいじょ、…うぶ、」

けほけほ かふっ

幼女「だいじょうぶ、だから……っ」

ひゅー、ひゅー、ひゅー

117: 2017/03/08(水) 15:41:30.96 ID:IrXEsJSV.net
曜「幼女ちゃん!?」


げほげほっ

ひゅー、ひゅー、ひゅー


曜「幼女ちゃん! しっかりして! 誰か! 誰か看護師さんを!」


ひゅー、ひゅー、ひゅー

118: 2017/03/08(水) 15:41:49.23 ID:IrXEsJSV.net
* * * * *


梨子「まだ会えないって?」

曜「うん」

梨子「そう…」

曜「ごめんね」

梨子「なんで曜ちゃんが謝るのよ…」

119: 2017/03/08(水) 15:42:15.60 ID:IrXEsJSV.net
梨子「看護師さんはもう安心だって言ってたんでしょ?」

梨子「なら、きっと大丈夫よ」

梨子「明日にはきっと会えるよ」

曜「そうだね…」

120: 2017/03/08(水) 15:42:50.40 ID:IrXEsJSV.net
梨子「ねえ、何かあったの?」

曜「……なんで?」

梨子「すごい疲れた顔してるよ?
 顔色も悪いし」

曜「そうかな…?」

121: 2017/03/08(水) 15:44:05.69 ID:IrXEsJSV.net
梨子「何があったの? 教えてよ」

曜「何にもないよ。
 千歌ちゃんはもうすぐ治るよ。大丈夫だよ」

梨子「嘘つき」

曜「嘘じゃないよ…」

122: 2017/03/08(水) 15:44:40.05 ID:IrXEsJSV.net
* * * * *

曜「こんにちは…」

受付嬢「曜ちゃん、いらっしゃい」

受付嬢「今日は会えるわよ、高海さん」

曜「そう、ですか…」

123: 2017/03/08(水) 15:45:29.26 ID:IrXEsJSV.net
ガチャ

曜「久しぶり、千歌ちゃん」

千歌「いらっしゃい、曜ちゃん」

曜「……毎日来てたよ」

千歌「嘘つき」

曜「嘘じゃないよ」

128: 2017/03/08(水) 17:13:49.36 ID:IrXEsJSV.net
曜「ちょっと痩せた?」

千歌「かもしんない」

千歌「嫌いになった?」

曜「そんなことで嫌いになるわけないでしょ」

千歌「嘘つき」

曜「嘘じゃないよ」

130: 2017/03/08(水) 18:26:25.66 ID:etm6/QR2.net
曜「体調は大丈夫なの?」

千歌「うーん、大丈夫ではなさそうかな」

曜「嘘だ」

千歌「嘘じゃないよ」

131: 2017/03/08(水) 18:26:50.60 ID:etm6/QR2.net
曜「嘘だもん」

千歌「嘘じゃない」

曜「治るよ。絶対治るよ。治るに決まってるよ」

千歌「無理だよ」

曜「無理じゃないもん」

132: 2017/03/08(水) 18:28:54.42 ID:etm6/QR2.net
千歌「……曜ちゃんは」

曜「なに?」

千歌「曜ちゃんは、どんだけ私のことが好きなのさ……」

曜「分かってくれた?」

千歌「まだ分かんないよ…」

139: 2017/03/08(水) 20:36:10.27 ID:etm6/QR2.net
曜「じゃあ、どうすれば分かってくれる?」

曜「私が千歌ちゃんを好きって、どうすれば分かってくれるの?」

千歌「……じゃあ」

曜「うん」

千歌「もっと」

曜「え…?」

140: 2017/03/08(水) 20:36:35.94 ID:etm6/QR2.net
千歌「もっと好きって言って」

千歌「耳元で囁いて」


千歌「一生分の好きを、
今この場で、
全部貰うから」

141: 2017/03/08(水) 20:37:08.35 ID:etm6/QR2.net
曜「…うん」

曜「好きだよ、千歌ちゃん」

千歌「もっと」

千歌「もっと言ってくれないと、信じられないよ」

142: 2017/03/08(水) 20:37:56.40 ID:etm6/QR2.net
曜「千歌ちゃん、好きだよ」

曜「大好きなんだよ」

曜「ずっとずっと好きだったよ」

曜「ずっとずっと、千歌ちゃんのことを想ってたんだよ」


千歌「……うん」

143: 2017/03/08(水) 20:39:13.82 ID:etm6/QR2.net
曜「千歌ちゃんのためならなんでも出来ると思ってたんだよ」

曜「ずっと千歌ちゃんを支えていきたいなって、そう思ってたんだよ」

曜「千歌ちゃんがいれば、他にはもうなにもいらないって思ってたんだよ」


千歌「そっかぁ……。
 ごめんね、曜ちゃん」

144: 2017/03/08(水) 20:39:50.10 ID:etm6/QR2.net
曜「もうすぐ雪が降るんだって。
 積もったら、雪合戦とかダルマ作りとかさ、したいなって思ってたんだよ」

曜「夏になったらお祭り行ってさぁ……っ」

曜「秋は焼き芋作って、二人で食べたりさぁ……っ」

曜「春になったら、一緒に、卒業式で写真撮って、一緒に泣いてさぁ……っ」

146: 2017/03/08(水) 20:40:18.57 ID:etm6/QR2.net
曜「そういうことしたいなって……っ」

曜「そういう日々が続いたらいいなって、そう思ってたんだよ……っ?」

千歌「そっかぁ……。
 ごめんね、曜ちゃん。ホントに、ごめんねぇ……っ」

曜「なんでっ、謝るのさ、ばか千歌ぁ……っ」

千歌「ごめんね、本当に、ごめんね……?」

148: 2017/03/08(水) 20:43:53.62 ID:etm6/QR2.net
曜「好きだよ、千歌ちゃん。
 本当に大好きなんだよ……っ?」

千歌「うん…、うん……っ」

曜「千歌ちゃんのためならなんでもしてあげたいんだよ……っ?」

千歌「うん……っ」

曜「まだ千歌ちゃんとしたいこと、いっぱいあったんだよ……っ!?」

149: 2017/03/08(水) 20:45:22.80 ID:etm6/QR2.net
千歌「ごめんね、曜ちゃん、ごめんね……」

曜「なのに、なんで……っ」

曜「本当に、本当に、大好きっ、なのに……っ」

曜「っぐ、うぇ、やだ、やだよぉ……っ」

曜「千歌ちゃん、やだよぉ……。死んじゃやだよぉ……っ」

千歌「ごめんね、本当に、ごめんね……?」


……………………
…………
……

153: 2017/03/08(水) 22:22:46.22 ID:uVYJKvy5.net
* * * * *


千歌「私ね、幸せだよ」

千歌「曜ちゃんが側に居てくれたから」

千歌「だから私は、今幸せなんだよ」

曜「うん……、うん……」

157: 2017/03/08(水) 22:39:12.61 ID:uVYJKvy5.net
千歌「だからさ、笑ってよ曜ちゃん」

曜「え……?」

千歌「私は幸せなんだよ?
 曜ちゃんに沢山の好きを貰って、幸せなまま眠れるんだもん」

千歌「だから、悲しむことなんてないんだよ?」

158: 2017/03/08(水) 22:42:30.91 ID:uVYJKvy5.net
曜「そんなの無理だよ……」

曜「笑うなんて、出来るわけないじゃん」

千歌「……もう」

千歌「やっぱり曜ちゃんは嘘つきだよ」

曜「え…?」

159: 2017/03/08(水) 22:46:13.15 ID:uVYJKvy5.net
千歌「だって約束したでしょ?」

千歌「私が笑っているときは、曜ちゃんも一緒に手を取り合って、
 笑ってくれないといけないんだよ?」

曜「……だって、それは」

千歌「……でも、それは今はいいや」

曜「え……」

160: 2017/03/08(水) 22:52:34.55 ID:uVYJKvy5.net
千歌「その代わりね、曜ちゃんに一つ罰を与えます!」

曜「な、なんなの罰って……」

千歌「それはねーー」

161: 2017/03/08(水) 22:59:56.09 ID:uVYJKvy5.net
* * * * *

幼女「あ、お姉ちゃんだ」

曜「幼女ちゃん……っ? 出歩いてて大丈夫なの!?」

幼女「あはは、もう大げさだよ」

曜「大げさって……」

幼女「よくあることなんだよ。
 にちじょーさはんじ? っていうの」

幼女「お薬の量は、また増えちゃったんだけどね……」

162: 2017/03/08(水) 23:07:28.44 ID:uVYJKvy5.net
幼女「会いたい人には会えたの?」

曜「うん、会えたよ。ありがとね」

幼女「ふーん?」

曜「どうしたの?」

幼女「でも、悲しそうな顔してる」

曜「……うん、そうかも」

163: 2017/03/08(水) 23:08:47.06 ID:uVYJKvy5.net
幼女「お姉ちゃんは奇跡って信じる?」

曜「どうしたの? 急に」

幼女「ママがね、よく奇跡の話をするんだ」

曜「そっかぁ…。
 幼女ちゃんはどう思う?」

幼女「私はねー、よくわかんない」

164: 2017/03/08(水) 23:10:05.51 ID:uVYJKvy5.net
幼女「でもママはね、奇跡はあるって言ってるの」

曜「そうなの?」

幼女「うん!」

165: 2017/03/08(水) 23:10:52.84 ID:uVYJKvy5.net
幼女「0%はないんだって」

幼女「起こり得る以上、奇跡は起こる可能性があるんだって」

曜「難しい言葉を知ってるんだね」

幼女「えへへ。意味はよくわかんないの。丸暗記したんだよ!」

曜「あはは、そっかぁ…」

166: 2017/03/08(水) 23:11:41.28 ID:uVYJKvy5.net
曜「じゃあ、奇跡は、どうやったら起こせるのかな……」

幼女「それはね、お姉ちゃん」


幼女「愛が奇跡を起こすんだよ」

167: 2017/03/08(水) 23:12:28.10 ID:uVYJKvy5.net
* * * * *


千歌「……ふう」

千歌「あと、何日かな」

千歌「あと何回、曜ちゃんに会えるんだろう」

千歌「あと何回、曜ちゃんに好きって言ってもらえるのかな……」


千歌「まだ、ずっと、曜ちゃんと一緒に……」



千歌「あ……」

千歌「空が、白く、」


千歌「雪……?」

168: 2017/03/08(水) 23:15:33.58 ID:uVYJKvy5.net
* * * * *

千歌『その代わりね、曜ちゃんに一つ罰を与えます!』

千歌『それはねーー』


千歌『これから毎日必ず一回! 私に愛を囁くこと!』

千歌『私が死ぬまで、ずっとだよ!』

千歌『死ぬまでずっと、曜ちゃんの愛を、私に信じさせること!』


千歌『約束だよ?』

曜『…うん』

169: 2017/03/08(水) 23:16:42.30 ID:uVYJKvy5.net
終わりです

>>26までで終わらせとけば良かったのかな
蛇足感が……

引用元:

引用元:

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