梨子「ええ?ルビィちゃんが、はじめてのおつかいをするの?」【SS】

SS


1: 2016/05/05(木) 23:11:42.22 ID:u4O/nZLq.net
ダイヤ「なっ!?ルビィが横断歩道を渡りだしましたわ!」

花丸「ルビィちゃん!そっちじゃないよぉ……」

ダイヤ「ルビィィィ!道が違いまぁむごごぉ…………!」ガシッ

花丸「ダイヤちゃん、辛抱だよぉ…………声をかけちゃダメ」

花丸「これはルビィちゃんが一人で達成しないと……」

ダイヤ「……そ、そうですわね……ああ、でもどんどん目的地から離れて……」

花丸「だ、大丈夫!ルビィちゃんならできるって、マルは信じてる!リコちゃんもそう思うよね?」

梨子「えっ……う、うん。私もルビィちゃんならできると思うなぁ……」

梨子「はじめてのおつかい……」



梨子(……どうして私、ルビィちゃんのおつかいの様子を、隠れながら見てるんだろう……――――)

3: 2016/05/05(木) 23:15:01.63 ID:u4O/nZLq.net
――――――――――
――――――


梨子(せっかく今日は、町の方に出てきたんだし、ついでに画材も買いそろえて――)

梨子(…………ん?)



「……そこは右よ……右の道よ……」

「そうそう…………いったん止まって右に向いて……そう!」

「右に曲がりましたわぁああ!」



梨子(あそこの自動販売機に身をひそめているのは、ダイヤちゃんとマルちゃんだよね……?)

梨子(なにしてるんだろ?)

5: 2016/05/05(木) 23:17:06.85 ID:u4O/nZLq.net
花丸「あれ?リコちゃん?」

梨子「あっ、やっぱりダイヤちゃんとマルちゃんだったんだね」

花丸「今日はお買いもの?」

梨子「うん。ちょっと画材を買いに行こうかなって思ってたの」

梨子「二人はなにしてるの?」

ダイア「なにをしてるか?それは――あれですわ」

梨子「あれって?」



ルビィ「………………」キョロキョロ

6: 2016/05/05(木) 23:18:55.44 ID:u4O/nZLq.net
梨子「ルビィちゃん?」

ダイヤ「そう。なんと……なんと今日は、ルビィが初めて、ひとりでおつかいをしていまして」

梨子「…………へ?ひとりで……おつかい?」

花丸「そうなんだぁ。今日はきっと、ルビィちゃんが大きく成長する記念日になるずら!」

ダイヤ「そうなることを望みますわ。しかし、あのふしょうの妹のこと――」

ダイヤ「道に迷い、買うべき品を忘れ、終いには泣いて帰ってくることも…………」

花丸「大丈夫。ルビィちゃんなら、笑顔で帰ってきてくれるはず!」

梨子「あ、あの……ルビィちゃんって、あのルビィちゃんだよね?」

ダイヤ「当然ですわ。まさか、他にルビィという名の子をご存じで?」

梨子「え、う、ううん……そうだよね、あの、ルビィちゃんだよね」



梨子(ルビィちゃん、もう15歳だよね……?)

7: 2016/05/05(木) 23:22:14.98 ID:u4O/nZLq.net
梨子「……それで、二人は結局なにをしてるの?」

ダイヤ「ああ……わたくしたちは、ルビィを見張っているのよ」

ダイヤ「本当は……本当はおつかいとは、一人で行かせるものではありますけれど――」

ダイヤ「しかし、やはり姉として愚妹が問題を起こすのを、未然に防ぐ義務がありますもの」

花丸「そこで、マルたちがルビィちゃんのあとをつけて、見守っているんだぁ」

梨子「そうなんだ………………」

ダイヤ「まったくルビィときたら、半人前にもかかわらず一人でおつかいなどと……」

ダイヤ「あああ……ルビィ……無事に帰ってこないと承知いたしませんわ……」



梨子(ルビィちゃん、もう高校生だよね……?)

8: 2016/05/05(木) 23:24:51.36 ID:u4O/nZLq.net
花丸「大丈夫!ルビィちゃんが、おつかいに行く時の表情を思い出して!」

花丸「あの時のルビィちゃんは、確かにおつかいをやりきる。そういう表情だったもん!」



『ル、ルビィ、ひとりでおつかいだって…………できるもんっ!』



花丸「とってもとってもカワイかったずら♡」

梨子「そ、そっかぁ……」

ダイヤ「まあ、とにかく。そんなこんなでルビィの様子を見ていて――」

ダイヤ「って、ルビィが犬に驚いて走り始めたわ!」

花丸「急がないと見失っちゃうよぉ!」

ダイヤ「二人とも、走って!」

梨子「えっ?もしかして、私も一緒に行くの!?」

花丸「ああっ!早くしないとルビィちゃんの姿が、どんどん小さく……」

9: 2016/05/05(木) 23:26:45.32 ID:u4O/nZLq.net
――――――――――
――――――

花丸「ルビィちゃーん……どこいくずら……」

ダイヤ「横断歩道を渡ってから、どんどんとあらぬ方へ向かっていますわ」

花丸「このままじゃ、迷子になっちゃうよぉ…………」



「………………」キョロキョロ



花丸「辺りをみながら、スマホいじってるよ?」

ダイヤ「ああもう、じれったい!ここで連れ戻してくるしかないわ!」

花丸「お、落ち着いて!もうちょっとだけ、ルビィちゃんにチャンスを!」

花丸「リコちゃんもルビィちゃんには、まだまだチャンスが必要と思うよね?」

梨子「え?う、うん。そうだね……」

11: 2016/05/05(木) 23:28:19.02 ID:u4O/nZLq.net
「………………!」

「………………」



花丸「あっ!何かに気付いたのか、方向転換したずら!」

ダイヤ「や、やりましたわ!デパートの方に向いだした!」

花丸「さすがルビィちゃんだぁ!」

ダイヤ「知らないうちにルビィも成長していたのね……」

梨子「そうだね……ところで、私ね――」

花丸「ああっと!ルビィちゃんが走り出したぁ!」

梨子「えっ……えっ……ち、ちょっと待って……!」



梨子(ど、どうしよう……流れで二人についてきちゃったけど、画材屋さんから離れていくよ……)

梨子(早く用事があることを伝えないと……)

12: 2016/05/05(木) 23:29:41.03 ID:u4O/nZLq.net
「………………」



花丸「やっと、デパートに着いたぁ。ルビィちゃんえらい!」

ダイヤ「ルビィのことだから、そろそろ迎えの電話をよこす。そう思っていましたけど――」

ダイヤ「いつのまに、ここまでの勇気と根性を…………」

花丸「きっとaqoursのみんなと練習していく中で、一回りも二回りも大きくなっているんだ」

ダイヤ「………………そうですわね。あの子は高校に入って、表情も引き締まって――」

ダイヤ「…………は、あまりない気がするけど」

13: 2016/05/05(木) 23:32:20.64 ID:u4O/nZLq.net
ダイヤ「リコさんはどう思います?」

梨子「へっ?あっ、私はルビィちゃんはいつも衣装を作ってくれて感謝してるし――」

梨子「大きな声を出すのが苦手っていってるけど、とってもがんばってると思うし――」

ダイヤ「……あなたも、ルビィがただみんなにくっついてるだけ。というわけではない、そう思ってるのね」

梨子「うん、そう思います。あ、それでね。話変わるけど……ダイヤちゃん。あの、私、買い物の途中で……」



花丸「ああっ!ルビィちゃん、エレベーターに乗った!」

ダイヤ「ええっ!?何階を押しましたの?何階を押しましたの!?」

花丸「わからないけど、とにかく上の階ずら!」

ダイヤ「階段で先回りしかないわ!花丸さん、リコさん、走りますわよぉ!!」

梨子「あっ……ち、ちょっと!……ええぇ…………」

14: 2016/05/05(木) 23:34:06.90 ID:u4O/nZLq.net
「………………」トコトコ



ダイヤ「はぁ…………はぁ……いましたわ……」

梨子「はぁ…………疲れた……」

花丸「……ふぅ……ここは五階――衣服のフロアみたい」

ダイヤ「おつかいで買うように言いつけた、自分用の練習着を購入するつもりね」

梨子「……ん?今までもルビィちゃん、練習着来てたよね?」

ダイヤ「ええ。まったく、転んでばかりで……もう破れかけてますけど」

梨子「その練習着は、誰が買ってきてたの?」

花丸「ルビィちゃん。だけどいつもはマルと一緒に買いに行ってるんだ。ここじゃないけど……」

梨子「あっ、そっか……今までは一人じゃなくて、マルちゃんと行ってたんだね……」

梨子(それで今回が、はじめてのおつかい――ってことになるのかなぁ……?)

16: 2016/05/05(木) 23:36:06.70 ID:u4O/nZLq.net
「……………………」キョロキョロ



ダイヤ「無事、練習着を選べたみたいだけど……あの怯えた目はまずいわ…………」

花丸「うん……ルビィちゃんのあの目は――」

花丸「試着室を使いたい。だけど、なかなか店員さんに声をかけられないという目ずら」

梨子「頑張って……ルビィちゃん……!」

ダイヤ「……どうやらここまでのようね。まだひとりで買い物は――」

花丸「待って!見て、ルビィちゃんが動き出した!」



「…………すー……はー……」

「…………あ、あのっ!し、しし……試着したいんですけど…………」

17: 2016/05/05(木) 23:37:23.47 ID:u4O/nZLq.net
ダイヤ「………………」

花丸「や、やった……!」

梨子「おめでとう、ルビィちゃん!」

ダイヤ「…………あのルビィが……」



「ありがとうございました」

「………………♪」

18: 2016/05/05(木) 23:38:53.09 ID:u4O/nZLq.net
梨子「ちゃんと買えたみたいですね」

ダイヤ「そうみたいですわね…………」

花丸「さすがルビィちゃん!」

梨子「……あの、それじゃあキリも良いし、私……買うものがあるので――」

ダイヤ「確かに練習着は買えましたけど……しかし、買ってくるものは一つじゃあ、ありませんわ!」

梨子「……えっ?」



花丸「ああっ!また、ルビィちゃんがエレベーターに!」

ダイヤ「階段!階段で先回りですわああ!」

花丸「うんっ!」

梨子「えっ?……またなのっ!?」

19: 2016/05/05(木) 23:41:00.78 ID:u4O/nZLq.net
ダイヤ「はぁ……はぁ……はぁ……」

梨子「だ、大丈夫?」

ダイヤ「だいじょう……ぶ……くろさわけは……代々がんじょうな家系で――」

梨子「あっ、あのね、頑丈とかそういうのじゃなくてね……?」

花丸「ルビィちゃん、見当たらないずら……」

ダイヤ「おかしいわ…………買ってくるよう……はぁ……言いつけた物は……三つ」

ダイヤ「そのうち一つは……はぁ……はぁ」

梨子「休もう?とりあえず休もう?」

20: 2016/05/05(木) 23:43:12.66 ID:u4O/nZLq.net
花丸「ルビィちゃんが買ってくるものは、練習着に加えて――」

花丸「あの評判の店の抹茶プリン。それに、いい感じの豆腐専門店の、泣く子も黙るワサビ豆腐」

花丸「どちらもここ、地下で売られているはず」

ダイヤ「そう……だからルビィも、このフロアに来るにちがいありませんのに……」

梨子「どこに行っちゃったんだろう……」

ダイヤ「………………逃げ出したんだわ」

梨子「……え?」

ダイヤ「練習着はルビィが必要なものだけど、残りの二つは関係ないもの」

ダイヤ「とくに豆腐はルビィが大嫌いなワサビ入り。父のつまみとして要求してるつもりですけれど――」

ダイヤ「自分が食べさせられると思って、逃げ出すのもムリはないこと」

21: 2016/05/05(木) 23:44:55.06 ID:u4O/nZLq.net
花丸「ちがうよ……ちがうよ!ルビィちゃんは必ず戻ってくる!」

花丸「きっと、ちょっと迷ってるだけ。すぐに……すぐに帰ってくるずら!」

ダイヤ「花丸さん…………」

ダイヤ「……だけど、それはルビィのことを買いかぶりすぎというものよ?」

ダイヤ「やはりまだ、ルビィには一人でおつかいなんて、荷が重すぎ――」



梨子「あああっ!」

花丸「どうしたの?リコちゃん」

梨子「あそこ!お手洗いから出てきたの、きっとルビィちゃんです!」

花丸「ああああっ!!ホントだぁ!!」

ダイヤ「なっ…………」

22: 2016/05/05(木) 23:46:21.78 ID:u4O/nZLq.net
花丸「そして、お手洗いから出たルビィちゃんが行く先は――」

梨子「なんだか小洒落た感じの、あれは――」

「「豆腐専門店!」」



ダイヤ「まさか、本当にルビィが……」

ダイヤ「ルビィがおつかいを、カ……カンペキにこなすというんですの!?」

花丸「ルビィちゃんならできる!オラずっと信じてた!」

梨子「うん、ルビィちゃんはちゃんとおつかい、こなせるよ!」

ダイヤ「…………そうだといいですわね。しかし――」

ダイヤ「あの豆腐専門店には――――ワサビのほかにもあるのよ……エダマメ豆腐が!」

「「エダマメ豆腐!?」」

23: 2016/05/05(木) 23:48:23.68 ID:u4O/nZLq.net
ダイヤ「ルビィのこと……」


『ルビィ、同じ緑色だから間違えちゃったよぉ……おねえちゃぁん……』


ダイヤ「とか何とか言って、ごまかすかもしれませんわ……」

花丸「そんなことないもん……ルビィちゃんはそんなことしないんだぁ……」

梨子「ルビィちゃん、豆腐屋さんの前で固まっちゃってるね……」



「………………」

24: 2016/05/05(木) 23:52:10.11 ID:u4O/nZLq.net
ダイヤ「………………」

花丸「ルビィちゃん…………」

梨子「ワサビ……ワサビが唯一の答えだよ……」



「……あ、あの……」



ダイヤ「どっちですの……?」

花丸「絶対ワサビずら……」

梨子「間違いなくワサビを買うはずだよ。頑張ってルビィちゃん……」



「ワサビのおとうふ……ひとつくださいっ!」

25: 2016/05/05(木) 23:54:53.41 ID:u4O/nZLq.net
ダイヤ「………………」

花丸「…………やった」

梨子「…………やったよ!ルビィちゃん、ちゃんとワサビを買えたよ!」

ダイヤ「……やりましたわあああ!!!」



「!?………………」キョロキョロ



ダイヤ「むぐぅうう…………」

花丸「ダイヤちゃん、声が大きくて気づかれそうだったずら!」

梨子「きょろきょろしてるけど、たぶん気づかれてないみたいです……」

ダイヤ「すみません。少し動揺してしまいましたわ……」

ダイヤ「まさかルビィが…………しかしながら、おつかいはまだ終わりではなくって!」

ダイヤ「最後のプリンを買うまでは、わたくしはルビィを認めません!」

26: 2016/05/05(木) 23:56:50.42 ID:u4O/nZLq.net
「………………」



花丸「とうとう洋菓子店まで来たずら……」

梨子「ここまでくれば、あとは買うだけ……」

ダイヤ「……ええ、ちゃんと買うことができれば、ですけれど」

梨子「……?」



「………………!?」

27: 2016/05/05(木) 23:59:07.14 ID:u4O/nZLq.net
花丸「あれ、?ルビィちゃんが店頭のポスターか何かを見て、驚いてるみたいだぁ……」

梨子「何が書いてあるんだろう?ルビィちゃんの身体で隠れてて、読めないよ……」

ダイヤ「……あれは、こう書いてあるんです」


『秋を先取り!数量限定なめらかサツマイモプリン!!ぜひお試しください!!!』


梨子「先取りしすぎじゃないかな………まだ五月だよ……」

花丸「……お、おイモさんはまずいずら!」

梨子「……?マルちゃん?」

ダイヤ「前もって調べておきましたの。この店が、サツマイモのプリンを売っていることを……」

花丸「ひ、ひどすぎる……ダイヤちゃんの、非道!畜生!!ひとでなし!!!」

28: 2016/05/06(金) 00:00:27.86 ID:afUySHfV.net
ダイヤ「なんとでもいいなさい、花丸さん。ですが……あの子も黒澤家の人間」

ダイヤ「名家の名に恥じぬ人物になる。その必要があるのですから――」

ダイヤ「厳しい試練の一つや二つ、越てもらいませんと!」

花丸「そんな…………」



梨子「あ、あの……話が見えないんだけど……」

花丸「ルビィちゃんはね、おイモさんが大好きなんだぁ」

花丸「だから、サツマイモプリンなんて見せられたら――」

ダイヤ「抹茶プリンなんて頭から消えてしまう。そうに違いありません」

29: 2016/05/06(金) 00:02:28.25 ID:afUySHfV.net
「………………あ、あの!」



花丸「と、とうとうルビィちゃんが、店員さんに声を……!」

梨子「大丈夫……ルビィちゃんなら大丈夫……」

ダイヤ「ルビィ……」



「サ、サツマイモプリン、ひとつください」



ダイヤ「………………」

花丸「やっぱり、おイモには勝てなかったずら……」

梨子「ルビィちゃん……」

30: 2016/05/06(金) 00:04:41.30 ID:afUySHfV.net
「それと、抹茶プリンもひとつください!」



花丸「…………!」

ダイヤ「い、今……抹茶って……」

梨子「うん!ルビィちゃんは、抹茶って言ってました!」

ダイヤ「ま、まま、抹茶って?言った?言いました!?」

梨子「言いました!抹茶言いました!」

花丸「間違いないずら!マルは前世から信じてた!」

31: 2016/05/06(金) 00:06:04.75 ID:afUySHfV.net
「………………♪」



梨子「ゴキゲンみたいですね」

花丸「言いつけ通りに全て買うことができたんだもん。嬉しくなって当然ずら!」

ダイヤ「しかし妙ですわ……あのルビィがおイモに惑わされないなんて……」



「これでお姉ちゃんと一緒に食べられる…………」

32: 2016/05/06(金) 00:07:11.91 ID:afUySHfV.net
ダイヤ「!」

梨子「ルビィちゃん、今、ダイヤちゃんと一緒に食べるって……」

ダイヤ「ど、どういう……ことですの……」

花丸「きっと……ルビィちゃんは、何を買うか、だけではなく――」

花丸「誰のために買うかも、きちっと把握してたんだと思う」

花丸「ルビィちゃんは抹茶プリンを食べるのは、ダイヤちゃんってわかっていた」

ダイヤ「だから、自身も一緒に仲良く食べれるよう、サツマイモプリンを購入したというんです!?」

花丸「たぶん…………ううん、間違いなくそうずら!ルビィちゃんは優しい子だもん!」

33: 2016/05/06(金) 00:12:30.26 ID:cqw33mKP.net
ダイヤ「……いつのまにルビィは成長したというんですの」

ダイヤ「ついこの間まで…………ついこの間までは……」

ダイヤ「お姉ちゃんお姉ちゃんと、わたくしのあとを鬱陶しくついてくる、小さな子供に過ぎなかったのに……」ポロポロ

梨子「ダイヤちゃん、涙が…………」

ダイヤ「く、黒澤家の長女であるわたくしが……人前で涙など……」



ダイヤ「――すみません、見苦しいところを見せてしまいましたわね」

ダイヤ「ようやく少し落ち着きましたわ。さあ、帰りますわよ!」

花丸「おつかいを経て、成長したルビィちゃんを笑顔で迎えないと!」

梨子「うん!」



梨子(…………あれ?何か忘れている気がするような……?)

34: 2016/05/06(金) 00:13:28.36 ID:cqw33mKP.net
梨子(あのあとなんとか先に帰った私たちは――)

梨子(満面の笑みを浮かべて帰ってくるルビィちゃんを、笑顔で迎えることができました)

梨子(いつも、ルビィちゃんに厳しく接するダイヤちゃん)

梨子(だけどもこの時は、そんなダイヤちゃんのほおも、緩みっぱなしで……)

梨子(なんだか、私もとっても嬉しくなっちゃいました)

梨子(それにね。兄弟がいるって、やっぱりいいなって――)



――――――――――
――――――

梨子(昨日は結局買うのを忘れちゃったけど、今日こそ画材を――)

梨子(…………ん?)

35: 2016/05/06(金) 00:14:53.94 ID:cqw33mKP.net
「……そこは右だよ……右の道だよ……ちがうちがう!」

「通り過ぎてる!通り過ぎてるよ!」

「スキップしてる場合じゃないでしょ!」



梨子(えっ、あれって果南ちゃんと曜ちゃんだよね……?)

梨子(なにしてるんだろう?ま、まさか――)

梨子(また、誰かのおつかい見守ってるわけじゃないよね?)



「……チカちゃん!どんどん、おかしな方へ行ってるから!」

「ああ……チカにひとりでおつかいは、早すぎたのかも……」



梨子(こ、今度はチカちゃんなのぉ…………)

おわり

36: 2016/05/06(金) 00:20:59.84 ID:ZJOK0eX8.net
いいね!
乙!

37: 2016/05/06(金) 00:26:26.62 ID:B8V0rWMX.net
面白かった

38: 2016/05/06(金) 00:29:51.15 ID:ZfgZP/MH.net
良作乙

40: 2016/05/06(金) 00:31:49.06 ID:V5FeCCzA.net

ダイまるビィ好き

41: 2016/05/06(金) 00:32:02.60 ID:dzpvLr7y.net
サンシャインssもっと増え 

42: 2016/05/06(金) 00:45:10.26 ID:/ZMVibFS.net
癒された乙

43: 2016/05/06(金) 00:55:09.76 ID:6DNs1s0/.net
やばいむちゃくちゃ面白かった!
また書いてね

44: 2016/05/06(金) 01:01:46.28 ID:N8aRsr56.net
普通に面白い

引用元: http://nozomi.2ch.sc/test/read.cgi/lovelive/1462457502/

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