1: (ワッチョイ 5a51-ee9a) 2023/12/20(水) 21:43:42 ID:8/pVfrCk00
綴理「?」
慈「なにその、何言ってんだコイツ、みたいな顔」
綴理「めぐは優しいよ?」
慈「だからそれやめてって。私は別に優しくないの。そりゃあ別に、綴理が私のことをどう思ってようが関係ないけどさ」
慈「でも、綴理が勝手に私のこと勘違いして、めぐに裏切られたーなんてなっても困るわけ。そうなったら気分悪いじゃん」
綴理「めぐ、裏切るの?」
慈「裏切る……かどうかは分からないけど! そうなるかもしれないってことは考えといてよね」
慈「なにその、何言ってんだコイツ、みたいな顔」
綴理「めぐは優しいよ?」
慈「だからそれやめてって。私は別に優しくないの。そりゃあ別に、綴理が私のことをどう思ってようが関係ないけどさ」
慈「でも、綴理が勝手に私のこと勘違いして、めぐに裏切られたーなんてなっても困るわけ。そうなったら気分悪いじゃん」
綴理「めぐ、裏切るの?」
慈「裏切る……かどうかは分からないけど! そうなるかもしれないってことは考えといてよね」
2: (ワッチョイ 5a51-ee9a) 2023/12/20(水) 21:47:59 ID:8/pVfrCk00
綴理「そっか」ニコッ
慈「……ちょっと。なんで笑ってるわけ」
綴理「分からないって言ってくれただけで十分だ」
綴理「やっぱり、めぐは優しい」
慈「だからー、そういうのじゃないんだってば!」
慈「……ちょっと。なんで笑ってるわけ」
綴理「分からないって言ってくれただけで十分だ」
綴理「やっぱり、めぐは優しい」
慈「だからー、そういうのじゃないんだってば!」
3: (ワッチョイ 5a51-ee9a) 2023/12/20(水) 21:52:27 ID:8/pVfrCk00
慈「――ってことがあったんだけどさぁ。さやかちゃんからも何か言ってやってくれない? あいつ、さやかちゃんの言うことなら聞くでしょ」
さやか「は、はぁ。慈先輩は悪い人だ、と伝えればいいんですか?」
慈「悪い人っていうか。まぁ、あんまり勘違いするなってこと。私はワガママで自分勝手なんだから」
さやか「それであれば何も問題はありませんよ。わたしだって綴理先輩や皆さんにはたくさんのワガママを言わせてもらっていますし」
慈「いやいや。さやかちゃん、私よりずっと真面目で良い子じゃん」
さやか「そうでしょうか? 慈先輩よりずっとワガママを言っているつもりですけど。やりたいこと、全部やらせていただいています」
慈「……なんか、お互いの認識がズレてるような」
さやか「そうですね。慈先輩は、その。少々直していただいた方がいいこともありますが。いい人、だとは思いますし。わたしも」
さやか「は、はぁ。慈先輩は悪い人だ、と伝えればいいんですか?」
慈「悪い人っていうか。まぁ、あんまり勘違いするなってこと。私はワガママで自分勝手なんだから」
さやか「それであれば何も問題はありませんよ。わたしだって綴理先輩や皆さんにはたくさんのワガママを言わせてもらっていますし」
慈「いやいや。さやかちゃん、私よりずっと真面目で良い子じゃん」
さやか「そうでしょうか? 慈先輩よりずっとワガママを言っているつもりですけど。やりたいこと、全部やらせていただいています」
慈「……なんか、お互いの認識がズレてるような」
さやか「そうですね。慈先輩は、その。少々直していただいた方がいいこともありますが。いい人、だとは思いますし。わたしも」
4: (ワッチョイ 5a51-ee9a) 2023/12/20(水) 21:57:43 ID:8/pVfrCk00
慈「ちょっと待って、言いたいことが多すぎる。けどまぁ、まずは……いい人、ではないでしょ。私」
慈「私たちが会った時なんて酷かったじゃん。花帆ちゃんなんて、瑠璃乃ちゃんをいじめないでくださいー、って」
さやか「確かに第一印象はお世辞にも良かったとは言えませんが。いちアスリートとしては当時の慈先輩が平静でいられないのも分かります」
さやか「それよりも今は、仲間のことを放っておけない性分なんだな、と。沙知先輩のことを割り切れないと仰っていたのも分かる気がします」
慈「な、あ……///」
慈「こ、この一年坊め、先輩に知ったようなクチを……! 覚えてろドルケストラ、絶対に嫌な奴だって言わせてやるんだから!!」タタッ
さやか「……あの。目的が変わってません?」
慈「私たちが会った時なんて酷かったじゃん。花帆ちゃんなんて、瑠璃乃ちゃんをいじめないでくださいー、って」
さやか「確かに第一印象はお世辞にも良かったとは言えませんが。いちアスリートとしては当時の慈先輩が平静でいられないのも分かります」
さやか「それよりも今は、仲間のことを放っておけない性分なんだな、と。沙知先輩のことを割り切れないと仰っていたのも分かる気がします」
慈「な、あ……///」
慈「こ、この一年坊め、先輩に知ったようなクチを……! 覚えてろドルケストラ、絶対に嫌な奴だって言わせてやるんだから!!」タタッ
さやか「……あの。目的が変わってません?」
5: (ワッチョイ 5a51-ee9a) 2023/12/20(水) 22:01:31 ID:8/pVfrCk00
梢「ふふ。慈も、変なことにこだわるわね」
花帆「慈センパイって、なんだか変に悪ぶった振る舞いをしたがりますよね? 露悪的、とはちょっと違うかな?」
さやか「花帆さん、梢先輩。聞いてたんですか」
梢「慈は嫌われ者になることで部をまとめようとしている向きはあるわ。私が部長をしているものだから、自分はそういう役目だと思っているのね」
さやか「鬼の乙宗、悪魔の藤島のツートップを目指しているんでしょうか」
花帆「バランス取れてないね……」
梢「もっとも、単純に素直ではないから、というのが実際のところよ。容姿や能力を褒められると調子に乗るけれど、性格を褒められると照れてしまう子なのよ」
さやか「はあ。それはまた難儀ですね」
花帆「慈センパイって、なんだか変に悪ぶった振る舞いをしたがりますよね? 露悪的、とはちょっと違うかな?」
さやか「花帆さん、梢先輩。聞いてたんですか」
梢「慈は嫌われ者になることで部をまとめようとしている向きはあるわ。私が部長をしているものだから、自分はそういう役目だと思っているのね」
さやか「鬼の乙宗、悪魔の藤島のツートップを目指しているんでしょうか」
花帆「バランス取れてないね……」
梢「もっとも、単純に素直ではないから、というのが実際のところよ。容姿や能力を褒められると調子に乗るけれど、性格を褒められると照れてしまう子なのよ」
さやか「はあ。それはまた難儀ですね」
6: (ワッチョイ 5a51-ee9a) 2023/12/20(水) 22:05:48 ID:8/pVfrCk00
梢「そうね。まぁ、それもまた慈らしさではあるのでしょうけれど」
さやか「梢先輩はどう思います?」
梢「どうって?」
さやか「慈先輩のこと。いい人だって思いますか?」
梢「 △ 」
さやか「え、すごく嫌そうな顔……」
花帆「梢センパイって、慈センパイのことを聞いたらたまにこうなるんだよ」
梢「私個人が慈をどう思っているかのコメントは差し控えさせていただくわ。……なんだか悔しいもの」
さやか「梢先輩はどう思います?」
梢「どうって?」
さやか「慈先輩のこと。いい人だって思いますか?」
梢「 △ 」
さやか「え、すごく嫌そうな顔……」
花帆「梢センパイって、慈センパイのことを聞いたらたまにこうなるんだよ」
梢「私個人が慈をどう思っているかのコメントは差し控えさせていただくわ。……なんだか悔しいもの」
7: (ワッチョイ 5a51-ee9a) 2023/12/20(水) 22:10:33 ID:8/pVfrCk00
慈「……うーん」
瑠璃乃「何やってんの、めぐちゃん。さっきから唸ってっけど」
慈「……るりちゃん。今、すごく大変なことが起きてるんだよ……!」
瑠璃乃「も゛、もしかして次のテストで赤点取ったらライブ出来なくなるとか……!?」
慈「ちっがう! いや、そっちもヤバいんだけど、そうじゃなくて」
慈「なんだか私、みんなからいい人だって思われてるみたい!!」
瑠璃乃「な、なんだってー!?」
瑠璃乃「……って。そりゃめぐちゃんならそうなんじゃね?」
慈「何でるりちゃんまでそんな反応するの!?」
瑠璃乃「何やってんの、めぐちゃん。さっきから唸ってっけど」
慈「……るりちゃん。今、すごく大変なことが起きてるんだよ……!」
瑠璃乃「も゛、もしかして次のテストで赤点取ったらライブ出来なくなるとか……!?」
慈「ちっがう! いや、そっちもヤバいんだけど、そうじゃなくて」
慈「なんだか私、みんなからいい人だって思われてるみたい!!」
瑠璃乃「な、なんだってー!?」
瑠璃乃「……って。そりゃめぐちゃんならそうなんじゃね?」
慈「何でるりちゃんまでそんな反応するの!?」
8: (ワッチョイ 5a51-ee9a) 2023/12/20(水) 22:14:14 ID:8/pVfrCk00
瑠璃乃「いやー、そりゃそうっしょ。いつもみんなのことスゲーお世話焼いてんじゃん」
慈「焼いてない。まあ、るりちゃんは特別だから面倒見てるし、そう思うこともあるかもしれないけどさ」
瑠璃乃「いやいや。クラブの誰かが何か悩んでたらすぐ話しかけて悩んでること聞きだすし、そんでアドバイスしたり一緒に解決方法考えたりしてっし」
瑠璃乃「ああいうの、やっぱめぐちゃんはスゲーなって、ルリ思ってるよ」
慈「く、クラブのことでしょ。にぶちんの梢じゃみんなのメンタルケアなんて出来ないんだし、クラブのため、ひいては自分のためにやってるだけ」
瑠璃乃「めぐちゃんは素直じゃないなぁ」
慈「私はいつでも素直だよ!」
慈「焼いてない。まあ、るりちゃんは特別だから面倒見てるし、そう思うこともあるかもしれないけどさ」
瑠璃乃「いやいや。クラブの誰かが何か悩んでたらすぐ話しかけて悩んでること聞きだすし、そんでアドバイスしたり一緒に解決方法考えたりしてっし」
瑠璃乃「ああいうの、やっぱめぐちゃんはスゲーなって、ルリ思ってるよ」
慈「く、クラブのことでしょ。にぶちんの梢じゃみんなのメンタルケアなんて出来ないんだし、クラブのため、ひいては自分のためにやってるだけ」
瑠璃乃「めぐちゃんは素直じゃないなぁ」
慈「私はいつでも素直だよ!」
9: (ワッチョイ 5a51-ee9a) 2023/12/20(水) 22:17:44 ID:8/pVfrCk00
慈「とにかく私は優しくないの! ワガママで、自分勝手で、やりたい放題なんだから!」
瑠璃乃「確かにめぐちゃんは自由人ってーか、好きなことやってるとは思うけどさあ」
慈「でしょ!?」
瑠璃乃「めぐちゃん、みんなに優しくするのが好きなんじゃないの?」
慈「ちーがーう! 私はそんなんじゃなくて、もっと冷たい女なの!」
瑠璃乃「お゛お゛っ、ベリーベリーアイス!」
慈「そう、ベリーアイス!」
瑠璃乃「いや無理くね? めぐちゃんのイメージからカンペキかけ離れてんじゃん」
瑠璃乃「確かにめぐちゃんは自由人ってーか、好きなことやってるとは思うけどさあ」
慈「でしょ!?」
瑠璃乃「めぐちゃん、みんなに優しくするのが好きなんじゃないの?」
慈「ちーがーう! 私はそんなんじゃなくて、もっと冷たい女なの!」
瑠璃乃「お゛お゛っ、ベリーベリーアイス!」
慈「そう、ベリーアイス!」
瑠璃乃「いや無理くね? めぐちゃんのイメージからカンペキかけ離れてんじゃん」
10: (ワッチョイ 5a51-ee9a) 2023/12/20(水) 22:22:12 ID:8/pVfrCk00
慈「もう、どうして分かってくれないの!?」
瑠璃乃「分かってないのはめぐちゃんの方だと思うけどなぁ」
慈「ぐぐぐ。こうなったら、やってやる……! 後悔したって知らないんだから……!」
瑠璃乃「なにすんの?」
慈「イメージ払拭作戦! 綴理にガツンと言ってやって、私が優しくないんだってことをみんなに思い知らせてやる!」
慈「今に見てろ、夕霧綴理! めぐちゃんの留まることを知らないワルっぷりを……!」
瑠璃乃「……それやったら後悔すんの、たぶんめぐちゃんの方じゃね……?」
瑠璃乃「分かってないのはめぐちゃんの方だと思うけどなぁ」
慈「ぐぐぐ。こうなったら、やってやる……! 後悔したって知らないんだから……!」
瑠璃乃「なにすんの?」
慈「イメージ払拭作戦! 綴理にガツンと言ってやって、私が優しくないんだってことをみんなに思い知らせてやる!」
慈「今に見てろ、夕霧綴理! めぐちゃんの留まることを知らないワルっぷりを……!」
瑠璃乃「……それやったら後悔すんの、たぶんめぐちゃんの方じゃね……?」
12: (ワッチョイ 5a51-ee9a) 2023/12/20(水) 22:26:03 ID:8/pVfrCk00
慈「――というわけで綴理。話があるんだけど」
綴理「どうしたの?」
慈「綴理とは一度、腹を割って話し合わなきゃいけないって分かったから。まぁ、ちょっと付き合ってよ」
綴理「よく分からないけど。めぐとお話ならいいよ」
慈「……私、優しくないから」
綴理「なんだ。またその話か」クスッ
慈「ぐ、こ、こいつまた笑ってる……!」
綴理「どうしたの?」
慈「綴理とは一度、腹を割って話し合わなきゃいけないって分かったから。まぁ、ちょっと付き合ってよ」
綴理「よく分からないけど。めぐとお話ならいいよ」
慈「……私、優しくないから」
綴理「なんだ。またその話か」クスッ
慈「ぐ、こ、こいつまた笑ってる……!」
13: (ワッチョイ 5a51-ee9a) 2023/12/20(水) 22:30:11 ID:8/pVfrCk00
慈「何度も言うけどさ。私は優しくないの。そうやって笑って、信じ切って、嫌なことが起きるなんてまったく思ってないような顔を私に向けないで」
慈「綴理はほら、面倒くさいくらい傷つきやすいんだから。私を優しいだなんて思っちゃダメ。それでいつか傷つくのは綴理の方なんだよ」
綴理「ボク、傷つくの?」
慈「肌に直接触ったら火傷しちゃうくらいにはね」
さやか「綴理先輩は魚類か何かなのでしょうか……」コソコソ
梢「マーメイドは私なのだけれど」コソコソ
花帆「素手だと魚が火傷するっていうのも俗説だけどね」コソコソ
瑠璃乃「ちょ、静かにしないと2人に聞こえちゃうって……!」
慈「綴理はほら、面倒くさいくらい傷つきやすいんだから。私を優しいだなんて思っちゃダメ。それでいつか傷つくのは綴理の方なんだよ」
綴理「ボク、傷つくの?」
慈「肌に直接触ったら火傷しちゃうくらいにはね」
さやか「綴理先輩は魚類か何かなのでしょうか……」コソコソ
梢「マーメイドは私なのだけれど」コソコソ
花帆「素手だと魚が火傷するっていうのも俗説だけどね」コソコソ
瑠璃乃「ちょ、静かにしないと2人に聞こえちゃうって……!」
14: (ワッチョイ 5a51-ee9a) 2023/12/20(水) 22:33:54 ID:8/pVfrCk00
慈「この間、綴理は私に聞いたよね? 裏切るのか、って」
綴理「うん」
慈「……裏切るよ。必要になったら、私はみんなを裏切って、見捨てる。そうする自信がある」
綴理「……そうか」
慈「うん。そういうヤツなんだよ、私は。だから――、」
綴理「めぐは、やっぱり優しい」
慈「――って、何でそうなる!? 私、裏切るって言ってるよね!? それが何で優しくなるわけ!?」
綴理「めぐはボクに話してくれる」
綴理「うん」
慈「……裏切るよ。必要になったら、私はみんなを裏切って、見捨てる。そうする自信がある」
綴理「……そうか」
慈「うん。そういうヤツなんだよ、私は。だから――、」
綴理「めぐは、やっぱり優しい」
慈「――って、何でそうなる!? 私、裏切るって言ってるよね!? それが何で優しくなるわけ!?」
綴理「めぐはボクに話してくれる」
15: (ワッチョイ 5a51-ee9a) 2023/12/20(水) 22:36:05 ID:8/pVfrCk00
綴理「ボクはみんなの気持ちに気付くのは、苦手だ。それにボクは何かあったとき、みんなの気持ちを聞くのが怖い」
綴理「だからいつもすれ違ってた。さちとも、こずとも。……さやとだって、初めはそうだった。いつもボクが臆病で、気持ちが聞けなくて、変になる」
綴理「めぐはボクに、話してくれる。聞きたいけど怖がってるボクに、ちゃんと声をかけてくれる」
慈「……それが何なの。話したって、結局裏切ったんじゃしょうがないでしょ」
綴理「必要になったら。それなら、さちと同じだ」
慈「っ、」
綴理「だからいつもすれ違ってた。さちとも、こずとも。……さやとだって、初めはそうだった。いつもボクが臆病で、気持ちが聞けなくて、変になる」
綴理「めぐはボクに、話してくれる。聞きたいけど怖がってるボクに、ちゃんと声をかけてくれる」
慈「……それが何なの。話したって、結局裏切ったんじゃしょうがないでしょ」
綴理「必要になったら。それなら、さちと同じだ」
慈「っ、」
16: (ワッチョイ 5a51-ee9a) 2023/12/20(水) 22:38:17 ID:8/pVfrCk00
綴理「さやか教えてくれたから、今なら分かる。めぐがみんなを裏切ったり、離れたりしてもきっと、何か事情があるんだって」
綴理「そうなったとき、めぐは本当の事情は、話さないかもしれないけど。……でもめぐは、言葉は伝えてくれる」
綴理「臆病なボクに、怖くないんだって、伝えてくれる」
慈「何を伝えたって、傷つくときは傷つくじゃん」
綴理「だからめぐは、そうなったときにボクが傷つかないようにしてくれてるんだよね?」
綴理「本当にただみんなを裏切るつもりなら、こんな話、する必要ない。めぐはいつだってボクに、こうやって伝えてくれるんだ」
慈「……やっぱり綴理って面倒くさい///」
綴理「そうなったとき、めぐは本当の事情は、話さないかもしれないけど。……でもめぐは、言葉は伝えてくれる」
綴理「臆病なボクに、怖くないんだって、伝えてくれる」
慈「何を伝えたって、傷つくときは傷つくじゃん」
綴理「だからめぐは、そうなったときにボクが傷つかないようにしてくれてるんだよね?」
綴理「本当にただみんなを裏切るつもりなら、こんな話、する必要ない。めぐはいつだってボクに、こうやって伝えてくれるんだ」
慈「……やっぱり綴理って面倒くさい///」
17: (ワッチョイ 5a51-ee9a) 2023/12/20(水) 22:41:20 ID:8/pVfrCk00
慈「はーあ。もう、やめやめ。なに言っても無駄な気がしてきた」
綴理「うん。何を言っても、めぐはめぐだ」
慈「はいはい。それで傷ついたって知らないんだからね。私は忠告したんだから」
綴理「大丈夫。ボクも少しは成長したんだ。めぐやみんなが心配しなくていいように、頑張るさ」
慈「あっそ。……なんか疲れた。ちょっと購買でジュースでも買いに行かない? 一息つきたい」
綴理「行くー」トテトテ
さやか「……な、」
花帆「なんて、」
「「なんて素直じゃない人……!」」
綴理「うん。何を言っても、めぐはめぐだ」
慈「はいはい。それで傷ついたって知らないんだからね。私は忠告したんだから」
綴理「大丈夫。ボクも少しは成長したんだ。めぐやみんなが心配しなくていいように、頑張るさ」
慈「あっそ。……なんか疲れた。ちょっと購買でジュースでも買いに行かない? 一息つきたい」
綴理「行くー」トテトテ
さやか「……な、」
花帆「なんて、」
「「なんて素直じゃない人……!」」
18: (ワッチョイ 5a51-ee9a) 2023/12/20(水) 22:43:01 ID:8/pVfrCk00
瑠璃乃「まあ、なんてーか。素直じゃないからこそめぐちゃん、みたいなトコあっからね」
梢「ふふ、そうね。あの慈が急に素直になったりしたら、私も困惑してしまうわ」
花帆「それにしたってもうちょっと……」
さやか「綴理先輩でも容易に気付けてしまうくらいに本心が漏れているのが、また……慈先輩はあれで取り繕っているつもりなんでしょうか」
梢「今ごろ、綴理にジュースをおごっているでしょうね。ありがとうと、がんばっての言葉の代わりに。嬉しそうにしている綴理が目に浮かぶわ」
瑠璃乃「いやー、さすがめぐちゃん。優しさがダダ洩れだぜ」
梢「ふふ、そうね。あの慈が急に素直になったりしたら、私も困惑してしまうわ」
花帆「それにしたってもうちょっと……」
さやか「綴理先輩でも容易に気付けてしまうくらいに本心が漏れているのが、また……慈先輩はあれで取り繕っているつもりなんでしょうか」
梢「今ごろ、綴理にジュースをおごっているでしょうね。ありがとうと、がんばっての言葉の代わりに。嬉しそうにしている綴理が目に浮かぶわ」
瑠璃乃「いやー、さすがめぐちゃん。優しさがダダ洩れだぜ」
19: (ワッチョイ 5a51-ee9a) 2023/12/20(水) 22:44:01 ID:8/pVfrCk00
梢「ここに私たちがいたことは秘密よ。2人が戻ってきたら、温かい目で見守ってあげてね」
花帆「あたし、絶対にニヤニヤしちゃうだろうなあ」
さやか「わたしは、どうでしょう。あまり綴理先輩を甘やかさないように伝えた方がいいのでしょうか……」
瑠璃乃「それゼッテー甘やかしてないって言うよ」
さやか「ですね。相手が認めないことをお願いするというのも変な話です」
花帆「それにしても綴理センパイ、保護者多いね……」
梢「さあ。あの2人のことはそれくらいにして、私たしは練習の準備をしましょうか」
「「「はーい!」」」
花帆「あたし、絶対にニヤニヤしちゃうだろうなあ」
さやか「わたしは、どうでしょう。あまり綴理先輩を甘やかさないように伝えた方がいいのでしょうか……」
瑠璃乃「それゼッテー甘やかしてないって言うよ」
さやか「ですね。相手が認めないことをお願いするというのも変な話です」
花帆「それにしても綴理センパイ、保護者多いね……」
梢「さあ。あの2人のことはそれくらいにして、私たしは練習の準備をしましょうか」
「「「はーい!」」」
20: (ワッチョイ 5a51-ee9a) 2023/12/20(水) 22:44:53 ID:8/pVfrCk00
・
・
・
慈「……ねえ。花帆ちゃんさあ」
花帆「な、なんですか慈センパイ?」ニマニマ
慈「……」
慈「……るりちゃん」
瑠璃乃「え゛っ、ど、どどど、どしたの、めぐちゃん?」
慈「やっぱり! さてはさっきの話、盗み聞きしてたな!?」
・
・
慈「……ねえ。花帆ちゃんさあ」
花帆「な、なんですか慈センパイ?」ニマニマ
慈「……」
慈「……るりちゃん」
瑠璃乃「え゛っ、ど、どどど、どしたの、めぐちゃん?」
慈「やっぱり! さてはさっきの話、盗み聞きしてたな!?」
21: (ワッチョイ 5a51-ee9a) 2023/12/20(水) 22:45:24 ID:8/pVfrCk00
梢「ふふ。バレてしまったみたいね」
慈「ちょっと梢! ちゃんと後輩に注意してよ、盗み聞きはよくないって!」
梢「まあいいじゃない。みんな、あなたと綴理のことが気になるのよ」
慈「他人事だからってこいつ……!」
さやか「あ。バレてしまったようでしたら、せっかくですので。慈先輩は少し、綴理センパイを甘やかし過ぎではないかと思うのですが」
慈「甘やかしてない!!」
瑠璃乃「まぁそういうリアクションだよね……」
慈「ちょっと梢! ちゃんと後輩に注意してよ、盗み聞きはよくないって!」
梢「まあいいじゃない。みんな、あなたと綴理のことが気になるのよ」
慈「他人事だからってこいつ……!」
さやか「あ。バレてしまったようでしたら、せっかくですので。慈先輩は少し、綴理センパイを甘やかし過ぎではないかと思うのですが」
慈「甘やかしてない!!」
瑠璃乃「まぁそういうリアクションだよね……」
22: (ワッチョイ 5a51-ee9a) 2023/12/20(水) 22:46:11 ID:8/pVfrCk00
慈「あーもう、どいつもこいつも……!」
綴理「仕方がないさ。めぐは優しいのに、認めようとしないから」
慈「だから優しくないって言ってるでしょうが!」
花帆「あ、あれで優しくないつもりなんですか……?」ニヤニヤ
慈「そのニヤけ顔ムカつくんだけど!? ――ああ、分かった、もう分かった!」
慈「今度こそ、絶対に! 綴理に優しくないって言わせてやるんだから!!」
おしまい
綴理「仕方がないさ。めぐは優しいのに、認めようとしないから」
慈「だから優しくないって言ってるでしょうが!」
花帆「あ、あれで優しくないつもりなんですか……?」ニヤニヤ
慈「そのニヤけ顔ムカつくんだけど!? ――ああ、分かった、もう分かった!」
慈「今度こそ、絶対に! 綴理に優しくないって言わせてやるんだから!!」
おしまい
23: (ワッチョイ 5a51-ee9a) 2023/12/20(水) 22:47:40 ID:8/pVfrCk00
これにておしまいです
ご覧いただきありがとうございました
誕生日関係ない内容だけどお誕生日おめでとう優しいめぐちゃん
ライグラやってきます
完結スレへの報告はまた明日にでも
ご覧いただきありがとうございました
誕生日関係ない内容だけどお誕生日おめでとう優しいめぐちゃん
ライグラやってきます
完結スレへの報告はまた明日にでも
24: (バックシ b2c0-dab3) 2023/12/20(水) 23:17:57 ID:v2ekguNoMM
良いつづめぐだった、ありがとう
25: (ササクッテロ f1ad-2b0b) 2023/12/20(水) 23:20:40 ID:lK4aS7bsSp
素直じゃないめぐかわいいよね
ライグラがんばって
ライグラがんばって
26: (ワッチョイ 1edc-80fd) 2023/12/20(水) 23:31:27 ID:/Ospfsjs00
花丸よ
27: (スプー d419-7761) 2023/12/21(木) 00:27:57 ID:EUwTpgpMSd
うむ普通に日常回でこの話あっても違和感覚えないくらいには面白かったぜ
28: (ワッチョイ 5d88-448a) 2023/12/21(木) 03:33:37 ID:Q19Ozj.600
いいね
引用元: https://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/anime/11177/1703076222/