【SS】かすみ「かすみちゃんの玉手箱？」【ラブライブ！虹ヶ咲】

かすみ「ふんふふーん、今日も練習楽しみだなー」

ｶﾞﾗｯ

せつ菜「あ、かすみさんこんにちは」

彼方「かすかす～」

果林「かすみちゃん」

かすみ「かすかすじゃなくてかすみんです！」

かすみ「っていうかまだこれしか来てないんですか？」

せつ菜「はいそうみたいです」

彼方「そうみたい～」

かすみ「ふーん、って彼方先輩もう寝てるじゃないですか」

彼方「みんなまだ来てないしね～果林ちゃんの膝枕気持ちいいよ～」

果林「彼方ったら…」

かすみ「もう彼方先輩は……あっそうだ！皆が来る前にかすみんBOXに何か入ってないか見ましょう」

せつ菜「また何か募集したんですか？」

かすみ「はい！かすみんのファンレターを！」

せつ菜「おお！沢山入ってるといいですね」

かすみ「ふふふーん」ｺﾞｿｺﾞｿ

かすみ「お、入ってますよ！」

かすみ「ふんふん、細かい内容は家で見るとしましょう」

せつ菜「沢山入ってるじゃないですか！」

かすみ「まあかすみんは人気ものですからねぇw」

せつ菜「良かったですね！」

かすみ「はいぃ！」

かすみ「あれ…これ何か紙じゃ無いものが…」ｶﾞｻｺﾞｿ

かすみ「何か箱みたいの入ってますよ」

せつ菜「箱？なんでしょうこれ」

彼方「なになに～彼方ちゃんにも見して～」

かすみ「かすみんにプレゼントかな？」

かすみ「て言うかこれかすみんBOX分解して入れましたね」

せつ菜「紙も挟まってますよ」

かすみ「ふんふん……かすみちゃんの玉手箱？」

彼方「玉手箱って……あの玉手箱？」

果林「竜宮城の？」

かすみ「玉手箱ってそれしかないですよね…」

せつ菜「なんでしょうこれは」

かすみ「まぁきっとかすみんに向けてのプレゼントでも入ってるんでしょう」

果林「箱も玉手箱っぽく無いしね」

かすみ「開けちゃいましょう…ふふん……」

せつ菜「待ってください！」

かすみ「うわ！なんですか！」

せつ菜「紙の裏に何か書いてますよ」

かすみ「耳元で叫ばないでください！」

せつ菜「すみません！でもここの裏に…」

かすみ「裏にー？見せてください」

かすみ「ふんふん、これは貴方に助けられた亀からの贈物です……これはけっして開けないでください…」

かすみ「なにそれ！？」

果林「ほんとに玉手箱ね」

彼方「童話の玉手箱みたいに開けたらかすみちゃんがお婆さんになっちゃうのかな～？」

かすみ「な、なななんですかそれ！？」

せつ菜「誰かの嫌がらせでしょうか？」

かすみ「開けちゃ駄目箱を入れないでくださいよ！」

かすみ「これって明らかに浦島太郎の奴ですよね…」

彼方「そうだね～」

かすみ「て言うかかすみん亀なんて助けたこと……あれ、あるかも……」

彼方「助けたことあるの？」

かすみ「いやすっごい昔の話ですよ！子供の頃陸でひっくり返ってた亀が居たから戻して水のところに返しただけです」

果林「それじゃあその亀からの恩返しなんじゃないかしら……なーんて」

かすみ「いや恩返しならこんな箱渡さないでしょう！」

果林「それもそうね～」

かすみ「笑わないでください！真剣なんですから」

せつ菜「うーん…開けるのはよした方がいいんじゃないでしょうか……」

彼方「皆が来たら聞いてみよう」

かすみ「そうですね…」

…………………

歩夢「うーん…誰かからのユーモア？のあるプレゼントなんじゃないかな」

かすみ「ユーモア？」

愛「確かに～！こんなプレゼント渡されたら面白くて笑っちゃうよ～」

かすみ「これで笑えるの愛先輩だけですよ！」

しずく「いや、普通の手紙よりもこう言う工夫のあるプレゼントの方が面白いと思うよ」

璃奈「でも開けちゃ駄目って言うのがよく分からない」

かすみ「そうなんだよ！プレゼントだって言うのに開けちゃ駄目なのが分かんない」

しずく「玉手箱って…浦島太郎のやつだよね？」

かすみ「うん」

しずく「だから開けちゃ駄目って書いてあるんじゃないかな」

かすみ「開けなかったら何も見えないじゃん…」

しずく「だからユーモアで書いてるってことだよ」

かすみ「そうなのかな…？」

エマ「浦島太郎ってどんなお話だか忘れちゃった。どんなのだっけ？」

彼方「うーん説明すると長くなるけど～」

彼方「虐められてた亀を助けた浦島太郎って人が恩返しに海の中にある竜宮城って言うお城に連れてかれて～乙姫様って綺麗なお姫様と美味しいもの食べたり踊ったり楽しいひと時を過ごしたってお話だよ～」

彼方「でも浦島太郎は陸に帰らなくちゃ行けなくて～帰ることを乙姫様に伝えたら玉手箱って言う箱を貰うんだよね」

エマ「玉手箱って…かすみちゃんが持ってる？」

彼方「うん、で浦島太郎が玉手箱を持って陸に戻るんだけど～玉手箱は開けちゃ駄目って言われてるの」

彼方「だけど～陸に戻ったら何百年も経っててお母さんとか知り合いとか皆死んじゃってて～玉手箱を開けたら浦島太郎がおじいさんになったって話」

エマ「思い出した～！よく絵本読んで日本語の勉強してたからそれも読んだよ～」

エマ「不思議なお話だよね～」

せつ菜「確かに、よく考えてみると不思議な話ですね」

果林「そうね。なんで乙姫は玉手箱をあげたのかしら？」

かすみ「なんでって……時が沢山経ってるから浦島太郎も歳を取らせてあげたんでしょう！」

果林「でもそれじゃあ開けちゃ駄目って言った理由が分からなくない？」

かすみ「そ、それは浦島太郎のタイミングとか……」

しずく「本当にそうなんでしょうか？」

しずく「私は乙姫様が浦島太郎を手放したく無いために玉手箱を渡したんだと思ってます」

歩夢「手放したく無いために？」

しずく「はい、乙姫様は亀を助けた浦島太郎に惚れてしまったのです。乙姫と人間……普通は結ばれる事の無い関係」

しずく「しかし！浦島太郎を人間では無く自分と同じ立場にしたらどうでしょう」

しずく「玉手箱を渡した理由には、玉手箱を開けさせた浦島太郎を乙姫と同じ様な仙人にして自分と暮らせるようにしたと言う一説を聞いたことがあります」

しずく「愛故の玉手箱なんじゃないでしょうか」

しずく「私はそう言う理由なんじゃないかと思ってます」ｷﾗｷﾗ

歩夢「しずくちゃんって結構ロマンチックなもの好きだよね」

愛「へぇ～あんなしずく初めて見たよ～」

かすみ「え～でもそんな事で年取らせるって性格悪くない？」

しずく「むっ、悪くないよ」

かすみ「結局結ばれてないんだし～」

しずく「続きでは一緒に暮らすって説もあるんだよ」

しずく「それにどっちにしても時間が経ちすぎてるから歳を取るのは仕方ないし」

かすみ「ふーん、愛故にってのは無理やりすぎると思うけど」

しずく「別にどんな解釈でも自由でしょ」

かすみ「だから無理やりだって言ってるの！」

しずく「む～！」かすみ「む～～」

彼方「まぁまぁ、2人とも落ち着いて」

彼方「彼方ちゃんは色んな説があっていいと思うけどね～」

かすみ「じゃあ彼方先輩はなんで玉手箱を渡したと思うんですか！」

彼方「え～彼方ちゃん？」

彼方「う～ん彼方ちゃんは玉手箱の中には普通に時間とか現実とかが入ってたんだと思うけどね～」

彼方「竜宮城で遊び過ぎた時間が箱に入ってて～」

彼方「それを乙姫様は渡さなくちゃいけなかったんだと思うよ～」

かすみ「なんで渡さなきゃいけなかったんですか？」

彼方「うーん皆の時間は平等に流れてるから～浦島太郎の時間だけ無しにするってのは出来なかったんじゃないかな」

彼方「だからとりあえず浦島太郎の時間は箱の中に閉じ込めて～渡したんだと思うけど～、浦島太郎が開けちゃったと」

彼方「時間を無駄に使うなって教訓なんじゃないかな～」

かすみ「浦島太郎の時間が入ってると。まぁそんな考えですよね」

かすみ「彼方先輩の割にはちゃんとした答えですね」

彼方「失礼だな～」

エマ「時間が入ってるって不思議だね」

果林「まぁ作り話だから」

歩夢「現実が入ってる…かぁ……なんかそれも怖いね」

せつ菜「浦島太郎は現実の箱を開けてしまった訳ですからね」

愛「現実の箱を開けなければずっと若いままでいれたのにね」

歩夢「うーんでも現実を受け入れないって言うのもなんだか嫌だね」

せつ菜「そうですね…浦島太郎って結構深い話なのかもしれませんね！」

愛「深海だけに深い話～wなんちゃって～」

璃奈「愛さん、面白い」

せつ菜「あははっ！」

かすみ「ははは……」

かすみ「って、話がどんどんズレてるじゃないですか！」ﾊﾞﾝｯ

かすみ「この箱の話してたんですよね！」

愛「あ～忘れてた」

かすみ「忘れないでください！」ﾊﾞﾝｯ

しずく「もう、開けちゃっていいんじゃないかな？」

せつ菜「嫌がらせって言うのも低そうですし」

愛「普通にギャグだよね」

かすみ「ギャグにしては意味の分からないものを送ってきますがね…」

彼方「おお、かすみちゃんついにパンドラの箱を開けちゃうのか～？」

かすみ「勝手にパンドラの箱にしないでください！」

果林「きっと普通に手紙が入ってるってオチよね」

エマ「でも面白かったからいいんじゃないかな？」

彼方「時間と現実が入ってる箱を開けちゃうのか～」

かすみ「入ってませんて！」

かすみ「まだかすみんお婆さんになんてなりたくないですよ！」

彼方「まぁそうだよね～」

かすみ「それじゃあ、開けますよ」

彼方「うむ」

せつ菜「はい！」

ｺﾞｸﾘ

かすみ「いざ！」 ﾊﾟｶｯ

かすみ「うわっ！」

かすみ「げほっ、ごほっ！」

かすみ「うわーん！なんですかこれー！」

かすみ「ごほっごほ」

『かすみちゃんお婆ちゃんになってるかもよ』

かすみ「はっ」ｼﾞｯ

かすみ「…当たり前だけどお婆さんになんてなってないしー！」

かすみ「やっぱり嫌がらせだったんだー！」

かすみ「しかも白くて煙臭いし……！」

かすみ「うわーん！」ﾊﾞｻｯ ﾊﾞｻｯ

かすみ「もうやだー！」


ﾊﾞｻｯ

かすみ「やっと周りが見えて………」

かすみ「……ってあれ？」


ｼｰﾝ



かすみ「み、みんなは………？」

かすみ「え………？」

かすみ「ここ…ここどこですか」

かすみ「誰も…誰もいない……………？」

かすみ「なにこれ………」ﾍﾟﾀ

かすみ「ま、まるで漫画で見た世紀末の世界みたいな………」

かすみ「だ、誰もいないの……？」


ｼｰﾝ


かすみ「かすみん、かすみんさっきまで同好会に居た筈じゃ……」

かすみ「これって部室……？虹ヶ咲学園……？ボロボロになってるじゃん…」

虹ヶ咲学園であろう物体は原型を留めていなかった

かすみ「どう言うこと……」

ﾋｭｰ ﾋｭｰｰ

かすみ「かすみんだけ練習着のままで…かすみんだけそのままで………」ﾍﾟﾀ

かすみ「世界は滅びたの………？」

かすみ「どう言うことなのか分からないよ……」

かすみ「……………」

かすみ「……………」

かすみ「……これって浦島太郎と同じだよね」

かすみ「1人だけ自分が知らない何百年も経った世界に取り残されて……」

かすみ「かすみんが玉手箱を開けたから……？」

かすみ「……………」

かすみ「誰か答えてくださいよ………」

かすみ「……………」

ﾋｭｰｰｰ ﾋｭｰ ｶﾞﾀｯ

かすみ「これって…これってあの玉手箱じゃないですか！」

かすみ「もしかして…もしかしてこの玉手箱を開ければ………！！」

かすみ「………」ｺﾞｸﾘ

かすみ「えいっ」ﾊﾟｶｯ

…………………………

かすみ「……何も起こりませんよね」

かすみ「……………」

かすみ「待って…中に手紙が入って………」

ｶｻｯ

かすみ「…あ………」

かすみ「はは……」

かすみ「あははははっ！」

かすみ「そう言うことだったんですね…！」

かすみ「…彼方先輩……確かに玉手箱は先輩の言う通りパンドラの箱でしたよ！」

かすみ「時間と現実が入ってる玉手箱でしたよ…！」

かすみ「誰が歳を取るかなんて言ってませんもんね……」

かすみ「かすみんにとってあの世界が竜宮城だったんですかね…？」

かすみ「開けなければずっと若いままで皆さんと居られたのに…」

かすみ「…はははっ！」

かすみ「かすみんは歳を取ることも無くずっとこの世界にいるんですね」

かすみ「歳を取ったのはかすみんじゃなくて……かすみん以外の全部…世界の方ですからね」

かすみ「あははははっ！ははは………」

かすみ「はは……」


……………


おわり

最後まで読んでくれた方ありがとうございます!

玉手箱を開けたら自分じゃなく周りが老いてしまったと言う1発ネタに色々付け足しました。色々とぐちゃぐちゃですが
何故かすみの元に玉手箱が来たのかは作中のキャラが色々解釈してる様に個人で解釈してみてください。双