1: 2021/04/17(土) 19:52:20.39 ID:vca9iEJE
【エマデレラ】
昔々あるところに、とても美しく心優しい、エマデレラという娘がおりました。
早くに母親を亡くしたエマデレラは、
今は意地悪で悪戯好きの継母と、その二人の娘と一緒に暮らしていました。
「おーっほっほ、ごらん娘たち。お城から舞踏会の招待状が届いたわ――ってりな子! なんでかすみんが意地悪な継母役なのっ!?」
継母は、エマデレラの美貌と、豊かな胸に嫉妬していたのです。
「うるさいよ! ていうかりな子に言われたくないんだけど!?」
昔々あるところに、とても美しく心優しい、エマデレラという娘がおりました。
早くに母親を亡くしたエマデレラは、
今は意地悪で悪戯好きの継母と、その二人の娘と一緒に暮らしていました。
「おーっほっほ、ごらん娘たち。お城から舞踏会の招待状が届いたわ――ってりな子! なんでかすみんが意地悪な継母役なのっ!?」
継母は、エマデレラの美貌と、豊かな胸に嫉妬していたのです。
「うるさいよ! ていうかりな子に言われたくないんだけど!?」
3: 2021/04/17(土) 19:55:23.43 ID:vca9iEJE
「まあまあ。それでお母さま、わたしたちも参加するの~? 彼方ちゃんは舞踏会よりもすやぴしたいんだけどな~」
「わたしも、家でゲームしてたい……」
「もちろん参加しますよー、王子様に見初められるチャンスです。そうわけだからエマデレラ。お前は家でお留守番ですからね」
――わかりました、お母さま。
意地悪な継母の言いつけに、エマデレラは笑顔で頷きました。
みんながお出かけしている間に、家の用事を済ませてしまおう。
心優しいエマデレラはそんなふうに考えたのです。
「わたしも、家でゲームしてたい……」
「もちろん参加しますよー、王子様に見初められるチャンスです。そうわけだからエマデレラ。お前は家でお留守番ですからね」
――わかりました、お母さま。
意地悪な継母の言いつけに、エマデレラは笑顔で頷きました。
みんながお出かけしている間に、家の用事を済ませてしまおう。
心優しいエマデレラはそんなふうに考えたのです。
6: 2021/04/17(土) 19:58:30.02 ID:vca9iEJE
ところが舞踏会の日になって、継母とお姉さんたちが出かけてしまったあと。
――あれ、あれ~?
さっそく家の仕事に取り掛かろうとしたエマデレラでしたが、
掃除も洗濯もお料理の下ごしらえも。
薪割りもごみ捨ても庭の手入れも。
全部が完璧に終わっていて、やることがなんにもありません。
――あれ、あれ~?
さっそく家の仕事に取り掛かろうとしたエマデレラでしたが、
掃除も洗濯もお料理の下ごしらえも。
薪割りもごみ捨ても庭の手入れも。
全部が完璧に終わっていて、やることがなんにもありません。
8: 2021/04/17(土) 20:01:35.63 ID:vca9iEJE
――どうしよう。彼方お姉ちゃんみたいにお昼寝すればいいのかな。
予定がなくなってしまったエマデレラは、ベッドに寝転がってつぶやきました。
いつの間にかベッドメイキングも完璧で、おろしたてのシーツにお日様の匂いのする毛布。
それから爽やかな春の花の香りも漂っていて、まるで眠りに誘われているかのよう。
――みんなのために何かやっておきたいんだけどな。
うとうとしながらそんなことを考えていたエマデレラでしたが、
やがて眠気に負けてぐっすりと眠ってしまいました。
ふたたび目を覚ましたのは、コンコンという優しいノックが聞こえたとき。
継母がエマデレラを呼びに来た音でした。
予定がなくなってしまったエマデレラは、ベッドに寝転がってつぶやきました。
いつの間にかベッドメイキングも完璧で、おろしたてのシーツにお日様の匂いのする毛布。
それから爽やかな春の花の香りも漂っていて、まるで眠りに誘われているかのよう。
――みんなのために何かやっておきたいんだけどな。
うとうとしながらそんなことを考えていたエマデレラでしたが、
やがて眠気に負けてぐっすりと眠ってしまいました。
ふたたび目を覚ましたのは、コンコンという優しいノックが聞こえたとき。
継母がエマデレラを呼びに来た音でした。
10: 2021/04/17(土) 20:04:56.46 ID:vca9iEJE
「まったく、いつまで寝てるのエマデレラ!」
――あ、ごめんなさいお継母さま。今すぐ夕食の準備を――って、あれ?
その声に慌てて飛び起きたエマデレラでしたが、部屋を出た途端びっくりしてしまいました。
なぜならそこには、とっても美味しそうなパンとシチューの夕食が出来上がっていたからです。
「ふふふ~、そんなの彼方ちゃんたちでとっくに済ませちゃってるよ~」
「ほらコッペパンだって焼きたてがこーんなに。腕によりをかけちゃいました」
「うちの母親は、パン作りだけは上手い」
「うるさいよりな子」
――あ、ごめんなさいお継母さま。今すぐ夕食の準備を――って、あれ?
その声に慌てて飛び起きたエマデレラでしたが、部屋を出た途端びっくりしてしまいました。
なぜならそこには、とっても美味しそうなパンとシチューの夕食が出来上がっていたからです。
「ふふふ~、そんなの彼方ちゃんたちでとっくに済ませちゃってるよ~」
「ほらコッペパンだって焼きたてがこーんなに。腕によりをかけちゃいました」
「うちの母親は、パン作りだけは上手い」
「うるさいよりな子」
12: 2021/04/17(土) 20:08:04.38 ID:vca9iEJE
「こっち。座って?」
継母の小言を無視して、下のお姉さんがエマデレラの手をひいて食卓に座らせます。
訳がわからないエマデレラは、舞踏会はどうしたのかと継母たちに問いかけました。
継母が答えます。
「ああ、あれは嘘です。ちょっと驚かせようと思っただけで」
上のお姉さんも続けて言います。
「正確には~、舞踏会自体は開催されるんだけど、わたしたちは参加しないよ~。今日出かけてたのは、エマちゃんにいつもありがとうっていう贈り物を買いに行ってただけなんだ~」
それから最後に、下のお姉さんも少し恥ずかしそうにしながら言いました。
「王子様なんかより、エマさんの方が大切。好き」
――みんな……っ。ありがとう……!
エマデレラは感激のあまり皆と抱き合い、それから家族と末永く幸せに暮らしましたとさ。
めでたしめでたし。
継母の小言を無視して、下のお姉さんがエマデレラの手をひいて食卓に座らせます。
訳がわからないエマデレラは、舞踏会はどうしたのかと継母たちに問いかけました。
継母が答えます。
「ああ、あれは嘘です。ちょっと驚かせようと思っただけで」
上のお姉さんも続けて言います。
「正確には~、舞踏会自体は開催されるんだけど、わたしたちは参加しないよ~。今日出かけてたのは、エマちゃんにいつもありがとうっていう贈り物を買いに行ってただけなんだ~」
それから最後に、下のお姉さんも少し恥ずかしそうにしながら言いました。
「王子様なんかより、エマさんの方が大切。好き」
――みんな……っ。ありがとう……!
エマデレラは感激のあまり皆と抱き合い、それから家族と末永く幸せに暮らしましたとさ。
めでたしめでたし。
16: 2021/04/17(土) 20:11:14.35 ID:vca9iEJE
璃奈「っていう台本なんだけど、どうかな……?」
かすみ「え、終わり? 魔法使いのおばあさんとかガラスの靴とかは?」
璃奈「悩んだけど、どう考えても出番が作れなかった」
かすみ「そんなの普通にシンデレラの通りにやればいいだけじゃん。可哀想なエマデレラを置いて家族は舞踏会に――」
璃奈「は?」
彼方「正気?」
かすみ「え、終わり? 魔法使いのおばあさんとかガラスの靴とかは?」
璃奈「悩んだけど、どう考えても出番が作れなかった」
かすみ「そんなの普通にシンデレラの通りにやればいいだけじゃん。可哀想なエマデレラを置いて家族は舞踏会に――」
璃奈「は?」
彼方「正気?」
17: 2021/04/17(土) 20:14:34.56 ID:vca9iEJE
璃奈「たとえお芝居の中でも、エマさんを置いて遊びに行きたいなんて……」
彼方「見損なったよかすみちゃん」
かすみ「いやいやいやいや。かすみんだってそんなの望んでないですから。りな子が話の展開で悩んでるっていうから!」
彼方「本当かなあ~?」
かすみ「本当ですって。その証拠にほら、これがかすみんが考えてきた台本です。読んでみてください」
璃奈「……エマ雪姫」
彼方「ふむ。聞かせてもらおうじゃないか」
彼方「見損なったよかすみちゃん」
かすみ「いやいやいやいや。かすみんだってそんなの望んでないですから。りな子が話の展開で悩んでるっていうから!」
彼方「本当かなあ~?」
かすみ「本当ですって。その証拠にほら、これがかすみんが考えてきた台本です。読んでみてください」
璃奈「……エマ雪姫」
彼方「ふむ。聞かせてもらおうじゃないか」
19: 2021/04/17(土) 20:17:42.91 ID:vca9iEJE
【エマ雪姫】
昔々、とあるお城に、とても可愛らしいエマ雪姫というお姫様がいました。
けれどエマ雪姫の母親はとても怖ろしい人で、日に日に美しくなっていくエマ雪姫のことを、
心の中で深く憎んでいました。
――鏡よ鏡。この世で一番美しいのはだあれ?
あるとき母親は、魔法の鏡にそう問いかけました。
すると鏡が答えます。
「この世で一番美しいのは~、エマ雪姫だよ~」
――おのれ、エマ雪姫め。
鏡の答えを聞いた母親は怒り狂い、エマ雪姫を〇してしまうことにしました。
昔々、とあるお城に、とても可愛らしいエマ雪姫というお姫様がいました。
けれどエマ雪姫の母親はとても怖ろしい人で、日に日に美しくなっていくエマ雪姫のことを、
心の中で深く憎んでいました。
――鏡よ鏡。この世で一番美しいのはだあれ?
あるとき母親は、魔法の鏡にそう問いかけました。
すると鏡が答えます。
「この世で一番美しいのは~、エマ雪姫だよ~」
――おのれ、エマ雪姫め。
鏡の答えを聞いた母親は怒り狂い、エマ雪姫を〇してしまうことにしました。
20: 2021/04/17(土) 20:21:06.15 ID:vca9iEJE
そうして森の奥に連れていかれ置き去りにされたエマ雪姫でしたが、
幸運にも命を落とすことはありませんでした。
森の奥で迷子になっていたところを、偶然通りがかった小人たちに助けてもらったのです。
「わあ、なんて美しいお姫様だろう。困っているなら助けてあげなくちゃ――って、わたし小人じゃない。ちっちゃくないよ……」
小人さんは自分の小ささを自覚していないみたいでしたが、
こうしてエマ雪姫は、小人たちと一緒に暮らすことになったのです。
「 从[˶`⋏´˵]从 」
幸運にも命を落とすことはありませんでした。
森の奥で迷子になっていたところを、偶然通りがかった小人たちに助けてもらったのです。
「わあ、なんて美しいお姫様だろう。困っているなら助けてあげなくちゃ――って、わたし小人じゃない。ちっちゃくないよ……」
小人さんは自分の小ささを自覚していないみたいでしたが、
こうしてエマ雪姫は、小人たちと一緒に暮らすことになったのです。
「 从[˶`⋏´˵]从 」
22: 2021/04/17(土) 20:24:17.24 ID:vca9iEJE
小人たちが森で働いているあいだ、エマ雪姫は家の仕事を一生懸命やり、
みんなで楽しく暮らしていました。
ところがある日、偶然近くの国の王子様が通りがかったのです。
「おお、何て綺麗なお姫様なんだ。この人は、かすみんのお嫁さんにこそふさわしいです」
エマ雪姫に一目ぼれしたかすみ王子はその場でプロポーズし、
王子様とエマ雪姫はずっと幸せにくらしましたとさ。
めでたしめでたし。
みんなで楽しく暮らしていました。
ところがある日、偶然近くの国の王子様が通りがかったのです。
「おお、何て綺麗なお姫様なんだ。この人は、かすみんのお嫁さんにこそふさわしいです」
エマ雪姫に一目ぼれしたかすみ王子はその場でプロポーズし、
王子様とエマ雪姫はずっと幸せにくらしましたとさ。
めでたしめでたし。
27: 2021/04/17(土) 20:27:25.02 ID:vca9iEJE
かすみ「ほら。わたしだってエマ先輩を悲しませるような展開にはしてないでしょ」
璃奈「確かに……でもそれはそれとして、配役や話には不満がある。毒林檎とかも出てこないし」
彼方「彼方ちゃんなんて、魔法の鏡で人間役ですらないよ。台詞も少ないし……」
かすみ「うぐ、いいじゃないですか。魔法の鏡も小人も、最後はかすみんの国のお城で幸せに暮らしたってことで!」
璃奈「というか、そもそも自分はしっかり王子役に収まってる性根が気に入らない」
かすみ「なによー、かすみんだってさっき継母役やってあげたでしょ」
璃奈「むぅ」
彼方「まあまあ二人とも。どっちにしても採用されるのはきっと彼方ちゃんが書いた脚本になると思うし、そんなに熱くならないでいいんじゃないかな~」
かすみ「……彼方先輩はどんなのを書いてきたんですか」
彼方「ふっふっふ。茨姫だよ~。眠れる森の美女ともいうね~」
璃奈「オチがもう見えてる気がするけど、一応聞かせてほしい」
璃奈「確かに……でもそれはそれとして、配役や話には不満がある。毒林檎とかも出てこないし」
彼方「彼方ちゃんなんて、魔法の鏡で人間役ですらないよ。台詞も少ないし……」
かすみ「うぐ、いいじゃないですか。魔法の鏡も小人も、最後はかすみんの国のお城で幸せに暮らしたってことで!」
璃奈「というか、そもそも自分はしっかり王子役に収まってる性根が気に入らない」
かすみ「なによー、かすみんだってさっき継母役やってあげたでしょ」
璃奈「むぅ」
彼方「まあまあ二人とも。どっちにしても採用されるのはきっと彼方ちゃんが書いた脚本になると思うし、そんなに熱くならないでいいんじゃないかな~」
かすみ「……彼方先輩はどんなのを書いてきたんですか」
彼方「ふっふっふ。茨姫だよ~。眠れる森の美女ともいうね~」
璃奈「オチがもう見えてる気がするけど、一応聞かせてほしい」
28: 2021/04/17(土) 20:30:35.71 ID:vca9iEJE
【エママ姫】
昔々、とある国で~。
王さまとお妃さまのあいだに、とても可愛らしい王女さまが生まれました~。
王女さまは誕生パーティーの場で大勢の人たちから祝福を受けましたが、
パーティーに招待されなかった悪い魔女が、王女様に呪いを掛けてしまいました。
「いーっひっひ。この王女は15歳の誕生日に針で指を刺し、死ぬのだあ――って、またかすみんこんな役ですか!?」
「そんなことさせない……安心してほしい。呪いを和らげて、長い眠りにつくだけにしておいたから」
どうにか参加者の一人が効力を弱めてはくれましたが、悪い魔女の呪いはとても強力。
王女さまは予言のとおり、15歳の誕生日に長い眠りについてしまいました。
昔々、とある国で~。
王さまとお妃さまのあいだに、とても可愛らしい王女さまが生まれました~。
王女さまは誕生パーティーの場で大勢の人たちから祝福を受けましたが、
パーティーに招待されなかった悪い魔女が、王女様に呪いを掛けてしまいました。
「いーっひっひ。この王女は15歳の誕生日に針で指を刺し、死ぬのだあ――って、またかすみんこんな役ですか!?」
「そんなことさせない……安心してほしい。呪いを和らげて、長い眠りにつくだけにしておいたから」
どうにか参加者の一人が効力を弱めてはくれましたが、悪い魔女の呪いはとても強力。
王女さまは予言のとおり、15歳の誕生日に長い眠りについてしまいました。
29: 2021/04/17(土) 20:33:44.65 ID:vca9iEJE
それから百年が経ち、眠ったままの王女さまのお城に偶然王子様がやってきました。
「おお~、なんて美しいお姫様なんだろう。彼方ちゃん、もう我慢できない」
王子さまは王女様を一目見るやそう呟いて、そっとベッドの脇に腰を下ろしました。
「お邪魔しま~す」
それから小声で王女さまにささやくと、そのまま一緒にお布団の中に包まりました。
お布団の中はとってもあたたかくて、いい匂いがして、幸せな空間でした。
二人はそのまま、末永く幸せに、ベッドですやぴしました。
めでたしめでたし~
「おお~、なんて美しいお姫様なんだろう。彼方ちゃん、もう我慢できない」
王子さまは王女様を一目見るやそう呟いて、そっとベッドの脇に腰を下ろしました。
「お邪魔しま~す」
それから小声で王女さまにささやくと、そのまま一緒にお布団の中に包まりました。
お布団の中はとってもあたたかくて、いい匂いがして、幸せな空間でした。
二人はそのまま、末永く幸せに、ベッドですやぴしました。
めでたしめでたし~
37: 2021/04/17(土) 20:37:38.61 ID:vca9iEJE
かすみ「めでたくない! 呪い解けてない!」
璃奈「むしろ犠牲者が一人増えてる」
彼方「え~、永遠にエマちゃんと一緒に眠り続けられるなんて、と~っても幸せなことだよ~?」
かすみ「……なんかもう配役とか以前の問題でツッコミようがないです」
彼方「いやいやこれはね~。本当の幸せとは何かを見た人に問いかけるふか~い物語で、彼方ちゃんの真剣なメッセージが散りばめられた――」
璃奈「どのみち、幼稚園の子供たちに見せる劇の内容じゃない」
かすみ「却下です! 却下!」
璃奈「むしろ犠牲者が一人増えてる」
彼方「え~、永遠にエマちゃんと一緒に眠り続けられるなんて、と~っても幸せなことだよ~?」
かすみ「……なんかもう配役とか以前の問題でツッコミようがないです」
彼方「いやいやこれはね~。本当の幸せとは何かを見た人に問いかけるふか~い物語で、彼方ちゃんの真剣なメッセージが散りばめられた――」
璃奈「どのみち、幼稚園の子供たちに見せる劇の内容じゃない」
かすみ「却下です! 却下!」
40: 2021/04/17(土) 20:42:09.43 ID:vca9iEJE
彼方「む~。じゃあどうするの~。みんなのだって話が平和すぎて盛り上がりがないじゃ~ん」
かすみ「ならエマ先輩を酷い目に合わせますか?」
璃奈「それはない」
彼方「ないね」
かすみ「じゃあいっそのこと主役をかすみんに変更して――」
璃奈「もっとない」
彼方「絶対ないやつだね」
かすみ「なんでですか――って、まあわたしもエマ先輩にやってほしいんで今のは冗談ですけど。でもだったらどうしようもないじゃないですか。エマ先輩が主役の時点で、どんなお話しだって平和でぽわんぽわんになっちゃうんですから」
璃奈「エマさん、恐るべし……」
彼方「マイナスイオン担当は伊達じゃないぜ~」
かすみ「ならエマ先輩を酷い目に合わせますか?」
璃奈「それはない」
彼方「ないね」
かすみ「じゃあいっそのこと主役をかすみんに変更して――」
璃奈「もっとない」
彼方「絶対ないやつだね」
かすみ「なんでですか――って、まあわたしもエマ先輩にやってほしいんで今のは冗談ですけど。でもだったらどうしようもないじゃないですか。エマ先輩が主役の時点で、どんなお話しだって平和でぽわんぽわんになっちゃうんですから」
璃奈「エマさん、恐るべし……」
彼方「マイナスイオン担当は伊達じゃないぜ~」
42: 2021/04/17(土) 20:45:22.19 ID:vca9iEJE
コンコン
エマ「あ、みんなお待たせ―。ごめんね、友達にいろいろ頼まれちゃって、遅くなっちゃった」
璃奈「エマさん。待ってた」
かすみ「もう、遅いですよー。あっ、その手に持ってるのが、エマ先輩が考えてきた台本ですか?」
エマ「そうだよー、昨日の夜がんばって考えたんだ~」
彼方「どんなの?」
エマ「うん、若草物語! ちょっと大人向けすぎるかなとも思ったんだけど、素敵なエピソードを一つ演じるくらいなら長さもちょうどいいかなって」
璃奈「若草物語って……」
かすみ「どんなのでしたっけ」
エマ「あ、みんなお待たせ―。ごめんね、友達にいろいろ頼まれちゃって、遅くなっちゃった」
璃奈「エマさん。待ってた」
かすみ「もう、遅いですよー。あっ、その手に持ってるのが、エマ先輩が考えてきた台本ですか?」
エマ「そうだよー、昨日の夜がんばって考えたんだ~」
彼方「どんなの?」
エマ「うん、若草物語! ちょっと大人向けすぎるかなとも思ったんだけど、素敵なエピソードを一つ演じるくらいなら長さもちょうどいいかなって」
璃奈「若草物語って……」
かすみ「どんなのでしたっけ」
44: 2021/04/17(土) 20:48:30.79 ID:vca9iEJE
彼方「うーん、ていうかエマちゃんは、どうしてまたそんなちびっ子たちが知らなさそうなチョイスを?」
エマ「だって知らないお話の方が楽しめると思うし。それにこれなら四姉妹ものだから、みんな一緒に出られるでしょ。せっかくだから全員が主役級なお話を選んで、みんなで素敵な時間を過ごせたらいいなって、わたしは思うんだ~」
璃奈「……」
かすみ「……っ」
彼方「くぅ~……」
エマ「あれ、みんなどうしたの……?」
エマ「だって知らないお話の方が楽しめると思うし。それにこれなら四姉妹ものだから、みんな一緒に出られるでしょ。せっかくだから全員が主役級なお話を選んで、みんなで素敵な時間を過ごせたらいいなって、わたしは思うんだ~」
璃奈「……」
かすみ「……っ」
彼方「くぅ~……」
エマ「あれ、みんなどうしたの……?」
46: 2021/04/17(土) 20:51:47.75 ID:vca9iEJE
かすみ「ほんとにエマ先輩は! そういうとこですからね! そういうとこ!」ダキッ
彼方「エマちゃん、何も言わず今は彼方ちゃんに抱かれていておくれ~」ギュ
璃奈「エマさん、好き。好き。好き」キュッ
エマ「え、え? どうしたのみんな。うれしいけどわけがわからないよー」
こうしてQU4RTZは四姉妹の役を演じ、子供たちにも大好評。
四人はとっても楽しくて素敵な時間を過ごしましたとさ。
めでたしめでたし
彼方「エマちゃん、何も言わず今は彼方ちゃんに抱かれていておくれ~」ギュ
璃奈「エマさん、好き。好き。好き」キュッ
エマ「え、え? どうしたのみんな。うれしいけどわけがわからないよー」
こうしてQU4RTZは四姉妹の役を演じ、子供たちにも大好評。
四人はとっても楽しくて素敵な時間を過ごしましたとさ。
めでたしめでたし
47: 2021/04/17(土) 20:55:50.13 ID:vca9iEJE
終わりです
本人の出番少ないけどエマちゃんメインQU4RTZSSのつもりで書きました
ありがとうございましたー
本人の出番少ないけどエマちゃんメインQU4RTZSSのつもりで書きました
ありがとうございましたー
48: 2021/04/17(土) 20:56:11.14 ID:D1WuwRp+
ノレcイ´=ω=)b 乙だよ~
52: 2021/04/17(土) 21:07:13.19 ID:RYL0+gSu
乙、QU4RTZは平和で何より
53: 2021/04/17(土) 21:55:35.01 ID:fzQ/P8if
なぜクォーツSSはクオリティーが高いのが多いのか
57: 2021/04/18(日) 00:19:50.20 ID:hmypIADk
やはりエマちゃんは天使…
58: 2021/04/18(日) 00:27:40.68 ID:a1I2a0eI
やさいせいかつ
引用元: https://nozomi.2ch.sc/test/read.cgi/lovelive/1618656740/