【SS】善子「げっ、生徒会長」ダイヤ「あっ……」【ラブライブ！サンシャイン!!】

善子「堕天使ヨハネ、部室に降臨！」ﾋﾞｼｯ

善子（決まったわね）ﾄﾞﾔｧ

ダイヤ「……ごきげんよう、善子さん」

善子「せ、生徒会長！？」

善子（この人ちょっと苦手なのよね、すぐ怒るしヨハネのこと善子って呼ぶし）

ダイヤ（この方、少し苦手ですのよね。言動は痛々しいですし――）
　

善子「え、えっと……。生徒会長だけ？」

ダイヤ「えぇ、まだ他には誰も」

善子「へ、へー。みんな遅いわね」

ダイヤ「そうですわね」

善子「……」

ダイヤ「………」

善子（きまずい……）
　

ダイヤ「……」ﾍﾟﾗｯ

善子（会長本読み始めちゃったし！ ヨハネはこの空気の中でどうすればいいのよ！）

ダイヤ「……。立っていないで座ったらどうです？」

善子「あ、そ、そうね！」ｽｯ

ダイヤ「！？」

ダイヤ（よ、よりにもよって隣ですの！？ いっぱい席はあるでしょう！？）
　

善子「……っ！」

善子（ヨハネのバカ！ なんでわざわざ隣なのよ！）

善子（気まずさが加速しただけじゃない！）

ダイヤ「……」ﾍﾟﾗｯ

善子（……ヨハネもスマホいじろ）

善子（あ、いい堕天グッズみっけ）ｸﾞﾃﾞｰ

ダイヤ「善子さん」

善子「ひゃ、ひゃいっ！？」

ダイヤ「そんな近距離で画面を見たら目が悪くなりますわよ？」

善子「ご、ごめんなさい！」ﾋﾟｼｯ
　

善子（って、なんで会長に注意されるのよ！）

善子（ほんとこの人苦手――）

鞠莉「ハァイ！」

善子「っ！ マリー！」

鞠莉「Oh,ヨハネ。チャオ☆」

善子（あー、よかった。マリーなら気軽に話せるし）ﾎｯ

鞠莉「お、ダイヤとヨハネ2人だったんだ。何の話してたの？」

善子「っ！」
　

ダイヤ「いえ、特に何も」

善子「……」

鞠莉「……ふーん」

善子「ね、それよりマリー、昨日ね――」

鞠莉（なるほどねー）

鞠莉（なんとかしなくちゃかな）

鞠莉（ヨハネの先輩として、ダイヤの友人として）
　

――

ダイヤ「……」

善子「…………」

鞠莉「っていうわけで、今日は2人ペアで練習！」

鞠莉「ペアだと1人余っちゃうから2年生は3人ね」

ようちかりこ「「「はーい」」」

ダイヤ「なんでペアなんですの？」

鞠莉「そっちの方がお互いにアドバイスとかしやすいし？」

善子「学年ごとでもいいじゃない」

鞠莉「まあまあ、いいじゃない。1年生と3年生の交流も兼ねて」
　

鞠莉「さ、いこ、ルビィ」

ルビィ「は、はい！」

果南「マル、私たちもいこっか」

花丸「ずら！」

善子「えっと……。よろしく」

ダイヤ「え、えぇ。よろしくお願いいたしますわ」

ダイよし「「……」」

善子「じゃ、じゃあ、とりあえず1人が通して踊ってみて批評してみる？」

ダイヤ「え、えぇ、ではわたくしから」

善子「ん、わかったわ」
　

――

ダイヤ「……どうでした？」

善子「うーん、悪くはないんだけど」

善子「会長って大きく動くの苦手？」

ダイヤ「え？」

善子「折角綺麗に踊れてるんだから大きく動いたほうが絶対かっこいいと思うんだけど」

善子「次の曲的にもその方があってると思うし」

ダイヤ「な、なるほど」

善子「じゃあ、次はヨハネね。よろしく」

ダイヤ「えぇ」
　

――

善子「……」

ダイヤ「す、すごいですわ」

ダイヤ「確かに善子さんの言うとおり大きく動いたほうが――」

善子「全然ダメね」

ダイヤ「え？」

善子「ごめん、会長。もう1回やらせて」

善子「会長は休憩してていいから」

ダイヤ「そんな、わたくしも付き合いますわよ？」

善子「いいの、ヨハネの問題だから。終わったら一緒に合わせてもらうから休んでて」

ダイヤ「………」
　

――

善子「はっ……はっ……。会長、そろそろ合わせ――あれ？ 会長？」

ダイヤ「ダイヤですわよ」ﾋﾟﾄｯ

善子「ひゃうっ！？」

ダイヤ「飲み物を買って来ましたわ。あなたの残り少なかったみたいですし」

善子「あ、ありがとう。いくら？」

ダイヤ「わたくしのおごりですわ」

善子「そ、そんなの悪いから！」

ダイヤ「先輩の顔は立たせるものですわよ？」
　

善子「じゃあ……。ありがとう会長」

ダイヤ「ですからダイヤですわ」

善子「へ？」

ダイヤ「わたくし、会長なんて名前ではありませんわ、善子さん」

善子「あっ」

善子「よ、ヨハネも善子じゃなくてヨハネ！」

ダイヤ「ふふ、それは違うでしょう？」

善子「ヨハネはヨハネなの！」

ダイヤ「善子さん」ｸｽｸｽ

善子「ヨハネだってば」
　

善子「じゃあ、2人で合わせましょう？」

ダイヤ「善子さんは休んでいて」

善子「なんで？」

ダイヤ「ずっとやっていたでしょ？」

ダイヤ「少しくらい休めないと身体に悪いですわ」

善子「大丈夫よこのくらい」

ダイヤ「……いいから休んでいなさい！」

善子「ひゃ、ひゃい！」
　

ダイヤ「まったく、何かあってからでは遅いんですのよ？」

善子「……あっ」

ダイヤ「どうかしまして？」

善子「ううん、なんでも。ちょっと休んだら合わせるからね」ﾆｺﾆｺ

ダイヤ「？ え、えぇ」

ダイヤ「……」

善子「………」ﾆｺﾆｺ

ダイヤ「ずっと笑っていて気持ち悪いですわ……」

善子「気持ち悪いってどういう意味よ！」
　

――

練習後

善子「ねーねー、ダイヤ」ｸﾞｲｸﾞｲ

ダイヤ「なんですの、急に馴れ馴れしいですわね」

善子「帰りどこか寄っていきましょ？」

ダイヤ「寄り道はダメですわよ」

善子「ちょっとくらいいいじゃない！ ね？」

ダイヤ「……はあ」

ダイヤ「……遅くならないうちに帰りますわよ？」

善子「やった！」
　

善子「じゃあねじゃあね、まずクレープ食べて――」

ダイヤ「夕飯前に食べるのはダメですわよ」

善子「えー、ダイヤのケチー」

ダイヤ「なんとでもお言いなさい」

鞠莉「ふふ」

果南「鞠莉？ どうかした？」

鞠莉「ううん、なんでもなーい。さ、帰ろ、果南」

果南「ん？ ダイヤは？」

鞠莉「かわいい後輩と帰るみたい」ｸｽｸｽ
　

善子「ま、行き先は歩きながら決めればいっか。いきましょ、ダイヤ」ｸﾞｲｯ

ダイヤ「……その前に」

善子「ん？」

ダイヤ「ごめんなさい！」ﾍﾟｺﾘ

善子「え？ な、何が？」ｱｾｱｾ

ダイヤ「その、わたくし善子さんのこと誤解していましたわ」

善子「誤解？」

ダイヤ「善子さんって痛々しくて、どうせ適当な人だろうと思っていたの」

善子「て、適当！？」
　

ダイヤ「でも、今日2人で練習してみて、本当はすごく一生懸命でストイックな人だってわかって、だから――」

善子「……そんなのいいわよ」

ダイヤ「善子さん……！」

善子「だって、ヨハネもダイヤのこと怒りっぽくて頭が堅い会長だと思ってたし」ｹﾗｹﾗ

ダイヤ「怒りっぽい……！？」

善子「でも、ほんとはお姉さん気質で気にかけてくれてたんだっていうのわかったし」

善子「ダイヤのことちょっぴり苦手だったけど、大好きになっちゃった♡」

ダイヤ「なっ……？」ｶｱｱｱｱｱｱｱｱｱ
　

善子「さ、いこ。ダイヤ」ｸﾞｲｯ

ダイヤ「ちょっと、今のどういう意味ですの！？」

善子「どういう意味ってそのまんま――」

善子「あ、もしかしてダイヤ告白されたと思った？」ｸｽｸｽ

ダイヤ「そ、そんなことありませんわよ！」ｱｾｱｾ

ダイヤ「わ、わたくしも、その。善子さんのこと、苦手でしたけど好きになってしまいましたわ」ﾎﾞｿｯ

善子「んー、じゃあ付き合う？」

ダイヤ「そ、そういう意味ではありませんわよ！」ｶｱｱｱｱｱｱｱｱ

おわり