【SS】善子「ヨハネはギャルゲーなんてやらないわよ！」【ラブライブ！サンシャイン!!】

休日、善子の部屋…

善子「やったー！またヨハネの勝利ー♪」ﾃｯﾃﾚｰ

花丸「また負けたずらー！善子ちゃんゲーム強すぎだよー。戦争ゲームって難しいなあ」ｶﾞｯｸｼ

善子「ふふん！FPSはいかに相手の背後を取るかが重要なのよ？」

善子「ていうかずら丸はスナイパーでしょ！戦地のど真ん中に来るんじゃないわよ！」

花丸「だってじっとしてても退屈だし…。ねぇ善子ちゃん、戦うゲームじゃなくてマリオとかカービィは無いずら？」

善子「そんなゲームはギルティよ！見なさい！ヨハネは洋ゲーしかやらないんだからっ！」ﾋﾞｼｯ

花丸（うわぁ…ゲーム棚に赤や黒のおぞましいパッケージが並んでるずら…）

善子「じゃあ次はこれ！『zombie genocide!!』をやるわよっ！」ﾊﾞｰﾝ

花丸「えっ…！ゾンビ！？嫌ずら！マルは怖いの苦手だよ！」ﾋﾞｸｯ

善子「そんなに怖くないから大丈夫よ。このゲームはゾンビを操作して相手の身体や臓物を喰らい尽くすゲーム！」

花丸「せ、説明がすでにおっかないずら！マルは不戦敗でいいよー…」

善子「戦わないのは無ーし！ふふ…花丸、あんたの身体を隅々まで貪り尽くしてあげるわ…」ｸｯｸｯｸｯ…

花丸「言い方がいかがわしいよ！？嫌ずら！マルはぜーったいプレイしないずら！」ﾀﾞｯ

善子「逃がさないわよ！」ｶﾞｼｯ

花丸「や、やめるずらー！はなすずらー！」ｼﾞﾀﾊﾞﾀ


ｸﾞｫｵｵｵｵｵｵ!!

ｽﾞﾗｧｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱ!?

ｶﾞﾌﾞｯ…ｸﾞﾁｬ…ﾑﾁｬ…
　

花丸「うぅ…マルのゾンビが耳たぶを残して全部食べられたずら…。なんて恐ろしいゲームずら…」ｹﾞﾝﾅﾘ

善子「またヨハネの勝ちー♪ずら丸ったら弱いわねー！」ﾌﾌﾝ

花丸「だってマルはあんまりゲームやらないし…」

花丸「それに善子ちゃんが得意なゲームは、暴力的なのばっかりだからズルいずら！次はマルがゲーム決めるずら」

善子「いいわよ。ま、私はどんなゲームでも負けないけど！」

花丸「うわ…怖い外人さんが銃持ってるゲームばっかりずら…。うーん…格闘ゲームならあんまり血は出ないかなあ…」ｶﾞｻｺﾞｿ

善子「早く選びなさいよね。時間がもったいないでしょー？」

花丸「ちょっと待つずら。色々起動してみて怖くなさそうなの選ぼうかな」ﾋﾟｯ

善子「私はマンガ読んでるからね。決まったら教えなさいよ」ｺﾞﾛﾝ


『善子ちゃん！』


善子「わひゃいっ！？」ｶﾞﾊﾞｯ
　

善子「な、なに！？知らない女の人の声がしたんだけど！」ｷｮﾛｷｮﾛ

花丸「わわ、間違えた！これはマルが梨子さんから借りたゲームずら」ｷｮﾛｷｮﾛ

善子「リリーから借りたゲーム？？」

善子（へー、ゲームやるんだ。あんまりそんなイメージ無いけど…）

花丸「『スクールアイドルメモリアル』。略して“スクメモ”！いま大人気なんだって」

善子「ああ…スクールアイドルと恋愛ができるSLGね。ゲーム雑誌で見たわ」

花丸「面白いから、って本体ごと借りたんだ。うっかり持ってきちゃってたずら」

善子「今のギャルゲーはスゴいのね。あんなにハッキリと名前を呼んでくれるなんて」

善子「洋ゲーばっかりやってたから、ここまで進化してるとは思わなかったわ」

花丸「借りたのはいいけど、自分の名前でプレイするのが恥ずかしくて善子ちゃんの名前使っちゃった。ごめんね？」

善子「い、いえ、別にいいわ。いきなり名前を呼ばれたから驚いただけよ…」

花丸「あとダビスタの馬の名前にも使ってるずら」

善子「それは変えなさいよ！」
　

花丸「そうそう善子ちゃん、このゲームのスゴいところはね？親しくなるとあだ名で呼んでくれるずら！」

善子「な、なんですって…！」


スクールアイドル『よっちゃん！おはよう！』ﾆｺｯ


善子「…！」

善子（い、いいわね…！ゲームの世界とはいえリア充体験が可能だわ…）ｺﾞｸｯ
　

花丸「あ…もうこんな時間ずら。マルお使い頼まれてたんだった。善子ちゃん、そろそろ帰るね？」

善子「…」

善子「…ね、ねぇずら丸？」

花丸「ずら？」

善子「え、えっと…このスクールアイドルメモリアル…貸してくれない？」

花丸「えっ！まさか善子ちゃんギャルゲーやるずら！？」

善子「ば、ば、馬鹿言わないでよ！堕天使の私が何でこんなもの！」ﾊﾞｯ

善子「格ゲーにFPS！血みどろバイオレンスな洋ゲーが好きなヨハネがやるはずないでしょー！」ﾑｷｰ

花丸「じゃあ必要ないと思うんだけど…」

善子「そ、そうだわ！確か従姉妹が前からこのゲームをやりたがってたのよ」

花丸「うーん…マルは構わないけど梨子さんのゲームだし…」

善子「お願い！リリーには内緒で少しの間だけ！幼馴染みのよしみでいいでしょー？」

花丸「わ、わかったよ～。じゃあ貸すね？」

善子「あ、ありがとうずら丸ー！」
　

花丸帰宅後…

善子「ふぅ…なんとかゴマかしてスクメモを借りることができたわ」

善子「堕天使でゲーマーの私がギャルゲーやってるなんてバレたらからかわれそうだもの」

善子「まずは名前入力ね。えーと、名前はヨハネ。あだ名は…よっちゃん、と」ﾋﾟｯﾋﾟｯ

善子「…」

善子「いや…ここは本名でプレイしよっと。津・島・善・子…と」ﾋﾟｯﾋﾟｯ

善子「これでよし！じゃあゲームスタートよ！」


～♪（オープニング）


ほのり『はじめまして！私はほのり！」

ほのり『スクールアイドル、“U’s”の一員としてアイドル活動をしてるんだ！』

ほのり『今日はあなたにお願いがあってきたの！』


善子「ふむふむ…主人公はスクールアイドルグループをサポートする役回りなのね。それでメンバーと恋仲になっていく、と…」

善子（ていうか…どこかで見たことあるようなキャラクターね…）
　

うみみ『私はほのりの幼馴染みのうみみです。善子、よろしくお願いしますね』

ミナリン『私はミナリン！よろしくね善子ちゃん♪』

ほのり『善子ちゃん！一緒にがんばろうねー！』


善子「…」

善子「い、いいわ！この頼られてる感じ！まさにリア充全開だわ…！」ﾊﾟｧｱｱｱ

善子「百合モノだから不安だったけど…ギャルゲーもなかなか侮れないわね…！」
　

次の日…

善子「さて…今日もスクメモをプレイしようかしら」

善子「あ、あれはミナリンね！よーし…今日はデートに誘うわよっ！」


ミナリン『あっ、善子ちゃん！ちょっとお話いいですかぁ？』ﾃｸﾃｸ

→ 「デートに誘う」ﾋﾟｯ

ミナリン『えっ、私とデート？うーんとぉ…どうしようかなあ…』


善子「決めなさい！ほら一気に！いくのよミナリン！」


ミナリン『…うん♪いいよ善子ちゃん♪』


善子「や、やったわ！さすがミナリンね！」


ミナリン『うーんと…なに着て行こうかなぁ…？』


善子「あっ！そっか、服を選ばないと！」ﾋﾟｯ

善子「ふふ…私はゴス口リ風のワンピースにカチューシャ、それにクロスのチョーカーで決まりよ！」ﾋﾟｯﾋﾟｯ


ミナリン『よ、善子ちゃん…真夏にその格好は暑いんじゃないかなあ…（好感度ダウン）』ﾃﾞﾃﾞﾃﾞｰﾝ


善子「んなっ…！？」ｶﾞｰﾝ

善子「し、しまった…ついいつものクセで…。このゲームは奥が深いわ…」
　

数日後、善子の部屋…

花丸「善子ちゃん最近、読むファッション雑誌変わったね」

善子「えっ？そ、そう？」

花丸「ゴシック系からキレイめの雑誌になってるずら。黒魔術のグッズも無くなってるし…」

善子「き、気のせいよ気のせい！別にゲームに影響されてるとかじゃないから！」ｱｾｱｾ

花丸「…？そうずら？？」

善子「ところでスクメモなんだけど、エリーをデートに誘うのってどうすればいいのかしら？」

花丸「エリーちゃんはハンバーガーショップに誘うとホイホイ付いてくるずら。あとはプリクラでも撮れば好感度が一気に上がるよ」

善子「ふむふむ…ハンバーガーショップね…」

花丸「どうしてそんなこと聞くずら？」

善子「どきっ！い、従姉妹に聞かれたのよ！本当に！」ｱｾｱｾ

花丸「ふーん…」ｼﾞﾄｰ
　

こち亀懐かしいな
　

次の日、浦の星女学院の屋上…

ダイヤ「はい1、2、3、4！」ﾊﾟﾝﾊﾟﾝ

善子「わ、わわっと…」ﾌﾗｯ

果南「善子どうしたの？珍しくミスが続いてるよ」

善子「大丈夫よ、ちょっと最近徹夜が続いてて…」

千歌「目のクマがすごいよー？ちゃんとぐっすり眠らなきゃ！」

善子「ええ、そうね…」

花丸（うーん、これはやっぱり…）

梨子「…」
　

さらに数日後…

善子「いよいよ残るはほのりを攻略するのみね！」

善子「ん？下校イベントが発生したわ」


ザー…ザー…

ほのり『えへへ。善子ちゃんが傘を持ってて助かったよ！』


善子「相合傘…！いいムードになってきたわ…！」ﾜｸﾜｸ


ほのり『…ねぇ！よっちゃん！』


善子「！」

善子「つ、ついにあだ名で私を…！」


ほのり『…こうやって歩いてると恋人同士に見えるよね、きっと…』

ほのり『えへへ…ずーっとこのまま一緒に歩いていたいな…///』


善子「～～～！///」ｷｭｳｳｳﾝ

善子「さ、最高だわ…！また徹夜になりそう…///」ﾄﾛｰﾝ

花丸「そこまでずら！善子ちゃん！」ｶﾞﾁｬ

ルビィ「あ、お、お邪魔しまーす！」ｶﾞﾁｬ

善子「は、花丸にルビィ！？」ﾋﾞｸｩｯ
　

花丸「…最近、様子がおかしいと思ったら！善子ちゃん、スクメモにハマりすぎずらよ！」

善子「こ、これは、その…」ｱｾｱｾ

ルビィ「花丸ちゃんから善子ちゃんがスクメモに影響されてるかもって聞いたんだ。別に隠れてプレイしなくてもいいのに…」

善子「うぅ、面目ないわ…。まさか自分でもこんなに熱中するとは思わなくて…」ｼｭﾝ

花丸「もう徹夜はだめずらよ？ゲームはほどほどにやらないとね」

花丸「さ、ルビィちゃん！今から善子ちゃんの矯正を始めるずら！」

善子・ルビィ「え？矯正？？」

花丸「そうずら！今からこれをプレイするずら！」

花丸「『zombie genocide!!』！」ﾊﾞｰﾝ

ルビィ「わ、わわわ…！怖そうなゲームだよぉ…」ﾋﾞｸｯ

善子「…！」

善子「ふふ…！この堕天使ゲーマー・ヨハネに勝てると思ってるのかしら？」ｷﾒｯ

善子「いいわ！花丸、ルビィ！2人がかりでかかってきなさーい！」

花丸「がってんずら！」

ルビィ「え…えーーー！ルビィもやるのー！？」


ｸﾞｫｵｵｵｵｵｵ!!

ﾋﾟｷﾞｬｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱ!?

ｶﾞﾌﾞｯ…ｸﾞﾁｬ…ﾑﾁｬ…
　

数日後、浦の星女学院の校門…

善子（スクメモはずら丸に返したし、これを機にしばらくギャルゲーは控えようっと…）

ザー…ザー…

善子「えー！帰ろうとしたらいきなり雨！？」

善子「もー…やっぱりヨハネはついてないわ…」ｶﾞｯｸｼ

梨子「あれ、よっちゃん今帰り？」

善子「リリー。そうなんだけど雨が降ってきちゃって…」

梨子「…」

梨子「そうなんだ。じゃあ一緒に傘に入る？」

善子「え？いいの？」

善子「ありがとうリリー！じゃあお言葉に甘えて！」

梨子「はい、どうぞ♪」ﾆｺﾆｺ
　

ザー…ザー…

梨子「…それでね、こないだ千歌ちゃんが…」ﾃｸﾃｸ

善子「あはは、そうなのね」ﾃｸﾃｸ

善子「…」ﾁﾗｯ

梨子「ん？どうしたのよっちゃん。私の顔に何かついてる？」

善子「えっ！べ、別に何でもないわ！」

善子（こ、これってスクメモの展開と一緒じゃない！）

善子（まずいわ…な、なんだか変に意識しちゃう…）ﾄﾞｷﾄﾞｷ
　

梨子「ほらよっちゃん、もっと近くに寄らないと濡れちゃうわよ？」ｸﾞｲｯ

フワッ…

善子「あ、だ、大丈夫よ！ありがとリリー！」

善子（か、髪が顔に…！）

善子（リリー…すっごくいい匂いだなぁ…///）ﾄﾛｰﾝ

梨子「…」

梨子「…ねぇ、こうやって相合傘で歩いてると恋人同士に見られるかな？」ｸｽｸｽ

善子「な、な、何言って…///」ｶｧｱｱｱ

梨子「よっちゃん、体…冷えちゃったね？うち近くだし…お風呂に入っていったら？」

梨子「それに明日は日曜…泊まってもいいよ？」ﾌﾌ

善子「…そ、そ、それって、その…！///」ｶｧｱｱｱ

梨子「…いいよね？よっちゃん？」ﾁｭｯ

善子「あっ…///」ﾄﾞｷ

善子「はい…リリー///」ﾄﾞｷﾄﾞｷ


梨子（ふふ、よっちゃんが私のスクメモにハマったのは調査済みよ♪）

梨子（Aqoursのみんなをあのゲームで百合に目覚めさせる計画…。花丸ちゃんから落とす予定だったけど、まずはよっちゃんから攻略完了ね）

梨子（これから始まるわ、私の…）


梨子「スクールアイドルメモリアルがね♪」




おわり