【SS】かすみ「一番可愛い」【ラブライブ！虹ヶ咲】

ワイワイ　ガヤガヤ

歩夢「本当だ〜可愛いね〜」

愛「うん。愛くるしいよ〜」

しずく「そうですね」

ガチャ

かすみ「聞いて下さ〜い。かすみん新しく可愛いお洋服買っちゃいました〜」

ワイワイ　ガヤガヤ

歩夢「もう抱きしめたくなっちゃうよ」

愛「本当だよね」

かすみ「………あ〜かすみん新しく買ったお洋服着て練習しようかな〜」

ワイワイ　ガヤガヤ

しずく「私も抱きしめたい」

璃奈「はい。優しくね」

かすみ「………かすみんの〜」

しずく「あっ！かすみさん」

歩夢「え？かすみちゃん！」
　

愛「あっ！かすかす来てたんだ！」

かすみ「気が付いてなかったんですか？」

歩夢「ごめんね。今こっち夢中で」

かすみ「何ですか？かすみんが新しく買ったお洋服買ったって言うのに」

犬「ワン」

かすみ「………犬？」

璃奈「うん」

かすみ「なんで？」
　

愛「校舎の中に迷い込んで来たみたい」

かすみ「犬がですか？」

璃奈「うん」

かすみ「猫といいよく迷い込んで来る学校だね」

愛「だね〜」

璃奈「可愛いでしょ？」

かすみ「え？うん…まあ」
　

歩夢「璃奈ちゃん。今度は私が抱いていい？」

璃奈「うん」

かすみ「………勝手に連れ込んでると生徒会長に怒られるよ〜」

璃奈「大丈夫。来たらちゃんと説明するから」

かすみ「ふ〜ん。そう言えば〜かすみん新しい服買ったんだ〜。凄い可愛いんだよ」

璃奈「へ〜」

しずく「そうなんだ」

かすみ「見たい？」

しずく「今度ね」

かすみ「……」
　

歩夢「わ〜もう凄い可愛い」

愛「ねえ、次は愛さんに」

かすみ「………」

しずく「私ももう一回！」

かすみ「………かすみんの方が可愛くない？」

しずく「え？」
　

かすみ「そのワンちゃんよりかすみんの方が可愛いよね？」

しずく「…………そうだね」　

かすみ「あーーーーー！！！」

しずく「な、なに？」

かすみ「今、凄い心がこもってなかった」

しずく「えぇ？」

かすみ「本心じゃ無かった！」
　

しずく「そんな事ないよ」

かすみ「そんな事あるよ！テキトーだったもん」

愛「まあまあ。凄い可愛いよ」

かすみ「かすみんがですか？」

愛「じゃなくてこの子が。ほら！」

犬「ワン」

かすみ「わーーー可愛いぃぃぃ！！！じゃない、流される所だった。じゃなくてってどう言う事ですか？あと、さっきかすかすって言いましたね！かすみんですからね！」

愛「あ〜……ごめん！」
　

かすみ「かすみんの方が可愛いですよね！」

愛「うん。かすみんもかわ…」

犬「ワン」

愛「あ〜ごめんごめん。よしよ〜し…」

かすみ「かすみんの方が可愛いのに…」

歩夢「相手犬なのに…」

かすみ「絶対かすみんの方が可愛い」
　

ガチャ

果林「なんか騒がしいわね」

かすみ「果林せんぱ〜い」

果林「かすみちゃん？どうしたの？」

かすみ「みんなが酷いんです」

果林「みんなが？」

しずく「かすみさんの言い掛かりが一番酷いよ？」
　

かすみ「果林先輩！あの子よりかすみんの方が可愛いですよね？」

果林「あの子？あら〜たぬき？」

璃奈「犬だよ」

かすみ「かすみんの方が可愛いですよね？」
　

果林「かすみちゃんと？ん〜どうかしら？」

かすみ「悩まないで下さい！！！」

歩夢「悩む事すらダメなんだ…」

果林「でも可愛いにも種類があるじゃない？」

かすみ「かすみんはその全ての頂点に立ちたいんです」

歩夢「志しが高いんだね」

愛「競ってる相手が犬だけど」
　

果林「全ての頂点って言ってもねぇ」

愛「100メートル走とハードル走でどっちが速いかって言ってる様なもんだよ？」

かすみ「………そんなの100メートル走の方が速いに決まってるじゃないですか」

愛「うん。そう言う事言ってるんじゃなくて」
　

果林「いいじゃない。どっちも可愛いで」

かすみ「……でも」

犬「ワン」

愛「ほら！元気出せってさ」

かすみ「敵に慰められるとは」

歩夢「敵なんだ…」

果林「それにしてもこの子大人しいわね」

愛「だよね〜ちゃんとお座りしてるし。聞き分けいいよ」
　

しずく「ですね。お利口ですねよね」

かすみ「………な、何？」

しずく「わがまま言わないし」

かすみ「しず子はかすみんがわがままだって言いたいの？」

しずく「わがままって言うか」
　

かすみ「って言うか？」

しずく「うん」

かすみ「何のうんなの？」

犬「ワン」

愛「ほら！元気出せって」

かすみ「言われなくても元気です！！！」
　

ガチャ

せつ菜「こんにちは！！！！！」

果林「ほら！もっと元気なの来たわよ」

かすみ「せつ菜先輩」

せつ菜「どうしたんですか？」

犬「ワン」

せつ菜「ん？その子は？」

璃奈「校舎に迷い込んで来た」

せつ菜「そうなんですか？それは困りましたね」
　

かすみ「困りますよね！」

せつ菜「困りますね」

かすみ「ほら！」

しずく「何のほらなの？」

犬「くぅ〜ん」

せつ菜「しかし…可愛いですね」

かすみ「かすみんよりも？」

せつ菜「え？あっ！そうだ！そう言えば今日調理実習があったんですよ！」
　

歩夢「え？」

璃奈「調理実習？」

せつ菜「はい！ぜひ皆さんにと思ったんですけど…そうですね！この子にも」

愛「犬って…あまり滅多なものあげちゃダメなんじゃない？」

果林「そうね。何があるか分からないからね」
　

せつ菜「そうなんですか？」

しずく「そうですよ。私も飼ってますけど基本的には専用のフード以外は与えない様にしてます」

せつ菜「そうなんですか。残念。じゃあ皆さんで召し上がって下さい」

歩夢「えっと…そうだね。後で…」

せつ菜「はい」
　

かすみ「それより本題ですけど。かすみんとその子どっちが可愛いか決着をつけなきゃですよ」　　

愛「それ本題だったんだ」

かすみ「当たり前です。せつ菜先輩はどっちの方が可愛いと思いますか？」

せつ菜「え？どう言う事ですか？」

かすみ「ですから…その子とかすみどっちが可愛いかです」

愛「同じ事二回言ったね」
　

せつ菜「この子とかすみさんのどっちが可愛いかって事ですか？」

かすみ「そうです」

せつ菜「ん〜かすみさんも可愛いですが、この子も凄く可愛いですからね」

歩夢「無理に決めなくてもいいんじゃないかな？」

かすみ「ダメです。かすみんが一番可愛くないと嫌なんです。可愛さだけは誰にも負けたくないんです。だってかすみんにとって可愛いは全てだから」

歩夢「かすみちゃん」

果林「カッコよく言ってるけど…でも相手は犬なのよね」
　

かすみ「いいんです。相手にとって不足なしなんです」

愛「それって自分より格上の相手に使う言葉だよ？」

かすみ「え？そうなんですか？」

しずく「普段から適当な日本語を使ってるから間違えるんだよ」

かすみ「ぐぬぬ…」

果林「悔しそうな顔するけど自分で言ったんじゃない」
　

かすみ「…分かりました。皆さん、いったん冷静になりましょう」

しずく「ずっと冷静だよ」　

果林「かすみちゃん以外はね」

犬「ワン」

かすみ「かすみんは可愛いです。これに異論はありませんね？」

しずく「まあ…」

歩夢「そうだね」
　

かすみ「ですよね！かすみん可愛いですよね！」

せつ菜「はい！かすみさんは可愛いです！」

かすみ「では、そこのワンちゃん可愛いですか？」

愛「もちろん可愛いよね」

璃奈「うん。可愛い」

かすみ「分かりました。その子が可愛いと言う事に関してはかすみんも別に異論はないです。しかし！」

愛「しかし？」
　

かすみ「その子がかすみんに勝っている所はどこですか？ありますか？」

歩夢「え…この子がかすみちゃんに勝っている所…？」

果林「お利口な所とか？」

かすみ「可愛さの話してるんです！！！」

しずく「かすみさん。多分、怒る所他にあると思うよ」

かすみ「具体的に言えます？その子がかすみんに勝っている所！」

歩夢「そう言われると…」
　

愛「守ってあげたいと思わせる所じゃないかな？そう言う愛くるしさは小動物ならではだよね」

璃奈「確かに。か弱く守ってあげたいと思わせる。かすみちゃんは何だか…どこでも生きていけそう…」

かすみ「そんな事ないよ！かすみんは過酷な環境耐えられないから！」

果林「そんな大見栄きって言う事ではないわね」

歩夢「歩き方も可愛いよね。手足が短いからかな？一生懸命歩いている様に見えて可愛い」

かすみ「…かすみんだって一生懸命歩きますよ」

しずく「それでいいの？かすみさんは…」
　

果林「逆にかすみちゃんがこの子に勝ってる部分は？」

かすみ「え？えっと…かすみんはその子と違って可愛い歌が歌えます。可愛いダンスも踊れます。それに…可愛い挨拶だって出来るし…」

愛「犬相手にそれ言っちゃったらさ」

せつ菜「かすみさん。かすみさんはどうしてそんなにこの子に突っ掛かるんですか？」

かすみ「だってかすみんが一番可愛いから…」

歩夢「普段のかすみちゃんならそんな事は言わないよ」

かすみ「だって…だって…せっかく新しいお洋服を買って貰って…皆んなに見せようと思ってたのに…。誰も見向きもしてくれないから」

せつ菜「そう言う事ですか」
　

歩夢「ちゃんと気が付いてたよ。可愛い服だなあって。ね？」

愛「うん。かすみんに似合ってて可愛いよ」

しずく「かすみさん。可愛いよ」

かすみ「みんな…」

せつ菜「ね！かすみさん」

かすみ「まだ着てないけど…これいつもの練習着です」

歩夢「え…？」

かすみ「やっぱり皆んなかすみんの事見てないだ」

犬「ワン」
　

歩夢「いや…違うよ。あの…ね？」

愛「え？えっと…」

かすみ「うぅ…うぅ…うわぁぁぁぁん」

せつ菜「か、かすみさん！！！？」

歩夢「ご、ごめんね。かすみちゃん」

かすみ「みんなかすみんの事なんかどうでもいいんだぁぁぁ」

璃奈「泣かないでかすみちゃん」

果林「そうよ。アレだったら着て見せてくれない？ね？」

かすみ「もういいですぅぅぅ。わぁぁぁぁ。みんな出てって下さい」

せつ菜「かすみさん」

かすみ「もう出てってぇぇぇぇぇ」
　

果林「はあ…一回出ましょう」

せつ菜「はい…」

歩夢「ごめんね。かすみちゃん…」



バタン



かすみ「………ふっ。やっと行った」

犬「ワン」

かすみ「可愛いぃぃぃぃ。本当はかすみんも抱きしめたくて抱きしめたくて仕方なかったんだよぉぉぉ」

犬「ワン」

かすみ「ふふっ。それにしても皆んな本当にチョロいんだから」
　

かすみ「さて、かすみんと一緒にお散歩でも行こうか」

犬「ワン」

かすみ「おいで〜」

犬「ワン」

ガチャ　バタン


彼方「ふぁ〜かすみちゃんも詰めが甘いなぁ」
　

おわり