【SS】璃奈からDQNの誕生日会に呼ばれた【ラブライブ！虹ヶ咲】

忘れていじめられないために手帳に大きく印をつけた

そしたら璃奈に手帳を見られて「楽しみにしてくれてるんだ。うれしい」って言われた
もう逃げられない

移動教室の途中、DQNが手を振ってきた。既に璃奈から私のことを聞いているらしい

手帳持ってなさそう、全部Googleカレンダーに書いてそう

DQNが喜びそうなものを下調べして買う私

誰視点なんだよ。浅葱か？

頑張れ私

かすかす（心の中ではそう呼んでいる）にDQNがどんな人か聞いてみた。

「かすみんのことをかすかすって呼んでくるし、つまらないダジャレ言うし…でも、良いせんぱいだよ」

ふーん。あの見た目でダジャレ言うんだ…あ、詐欺（浅希）じゃん

…ふふふ

しずくはあんまり話したことがないらしい。得られた新情報はもんじゃ屋の娘だということ

鉄板に強いのか。ダジャレもアツアツの鉄板ジョークのつもりなのか。だからかすかすに認められているのか

はんばーぐ。

やはり1年生視点ではきちんとしたDQNの情報は得られないらしい

やつの裏の顔を知るべく、私は生徒会室を訪れた

「こんにちは。浅希さん」

私はあまり目立つ方ではないんだけど、生徒会長はすぐに私の名前を呼んできた。期待通り

「宮下愛先輩について教えてほしいんですが」

生徒会長は2年生。多分後輩には見せないやつの非道の限りも知っているはず

「愛さ…宮下さんですか？どうして突然」

生徒会長がDQNを下の名前で呼びかけた。しまった。生徒会長も"あちら"の人間だったんだ

「璃奈繋がりで今度誕生日会にお呼ばれして…」

下手に誤魔化さず、素直に話すことにした

「つまり宮下さんと仲良くなりたいと…ふふっ素敵ですね」ﾆｺｯ

誤解を生んだようだ

その後、今日子と話していたら歩夢先輩と高咲先輩（？）にも話を聞けた

しかし、2年生で同好会の二人ですらDQNと深い付き合いではなかったみたいだ

もしかしてDQNって…

それでは、更に上級生ならどうだろう。しずくの紹介で、私は彼方先輩に会いに行った

運良く他の2人の同好会3年生も一緒にいたので、DQNについて聞いてみた


「愛ちゃんはおばあちゃんっ子でねー。ぬか漬けをむしゃむしゃ食べてるよ～」

「ファッションの話は時々するけど、案外プライベートな会話はしてないわね。璃奈ちゃんとは仲良いみたいだし、面倒見が良いのかしら？」

「でも、私は妹の素質もあると思うな～。いつも私や侑ちゃんに甘えるかすみちゃんを羨ましそうに見てるし」ﾆｺﾆｺ

結局、誰一人としてDQNを詳しく知る人物はいなかった。あんなに仲の良さそうな同好会でそんなことがあるのか

もしかして、DQNには友達が少ないから、璃奈は私を誕生日会に…？

私は、少しやつを可哀想だと思った

非常に癪だが、私は真面目にプレゼントを選んだ。藍色のマニキュアだ

これで多少はやつの下品で派手な見た目にも落ち着いた印象が加わると思う

日曜日、多少不安は残っていたが、私はDQNの待つもんじゃ宮下へと向かった

騙された。もんじゃ宮下にはスクールアイドル同好会メンバー全員と私、今日子や色葉にその他服飾同行会の面々なども集まっていたのだ

やはりDQNは友達が多かったのか


「あら浅希ちゃん。どう？入念な下調べの甲斐はあったかしら？」


入口で話しかけてきたのは果林先輩だ。入念な下調べ…？

「生徒会長室にまで愛さんのことを調べに来てましたからね！」


…どうしてあの優木せつ菜がそのことを？


「あ…！中川さんとは！とても仲良しでしてね！」ｱｾｱｾ

「せつ菜ちゃんと会長が！？会長はそんなこと言ってませんでしたが…？」

「うおおおぉぉぉおおお！！？？」


どうやら訳ありなようだ

「浅希ちゃんは愛ちゃんのこと、大好きなんだねっ！」

ネギ…高咲先輩がおかしなことを言っている。そんなわけがないだろう

主役が焼いたもんじゃ（美味しかった）を食べた後、プレゼントタイムがやってきた

私の順番は最後で、渡してすぐにDQNが開封し始めた。やめろ


「おー！マニキュアじゃん！ちょうど新しいの欲しかったんだー！」


嬉しそうなDQN。とりあえずハズレではなかったらしい

振り返るとニヤニヤと笑う彼方先輩と果林先輩。なんだろう

「浅希ちゃんやるわね。あのマニキュアの色…」


…？

…藍色ですが？


「あの薄い藍色。浅葱色（あさぎいろ）よね？」


…

……


は？

「これは大胆ですなぁ。彼方ちゃんも赤くなっちゃうよ～」


違うんだけど？え？は？


「浅希、ありがとう！こんなに愛さんに夢中になってくれるファンがいるなんて、嬉しいよ！」ｶﾞｼｯ


DQNに両手を掴まれる。あ、おっきい…

「ねね、来週の日曜に愛さんの単独ライブやるから、浅希も見に来てよ！最前列確保しとくから！」


ええ…


私は手帳を取り出し、忘れていじめられないように大きく印をつけた



完

すばらしい
よくやった私

100日後にオトされる私

好きすぎる

面白かった
あい色と言うオチかと思いきや見事