【SS】すみれ「生でいい？」かのん「生で」【ラブライブ！スーパースター!!】

かのん「あ、すみれちゃんじゃん」

すみれ「あー………久しぶりね」

かのん「………」

すみれ「………」

かのん「………3年？ぶり…だね」

すみれ「そうかもね…」

ｼｰﾝ

かのん(うわ、会話続かなくなっちゃった)
　

かのん(すみれちゃん、郊外の私大に行ったっきりだったから……)

かのん(卒業後、気まずくて連絡もしないうちに疎遠になっちゃって…)

かのん(どうしてるのか気にはなってたけど)ﾁﾗｯ

かのん(高校の頃より随分大人びてる気がする…メイクも、服装だって…)

かのん(そりゃ、3年も経ったら…だって高校生活1周分くらいだし…誰だって大人になるよね、20歳にもなったし)
　

すみれ「そういえばアンタ…」

かのん「！？」ﾋﾞｸｯ

すみれ「いや、そんな驚かなくても良くない？」

かのん「そ、そうだよねー…私とすみれちゃんの仲だし」ﾊﾊ

すみれ「アンタとの仲、ねぇ…」

かのん「あっ、違うよ？！そんな意味じゃ…」ｱｾｱｾ

すみれ「……分かってるわよ」ﾎﾞｿ
　

すみれ「とりあえず、そこのテーブル座らない？紙ストローふやけちゃうわよ」

かのん「そ、そ、そうだね？」ｿｿｸｻ

ｺﾄｯ

かのん「………すみれちゃん1人でよく来るの？」

すみれ「んー、この店にはたまたま。そういえば期間限定のまだ飲んでないなって思い出しちゃって」

かのん「メロン好きだもんねぇ」
　

すみれ「よく覚えてるわね」ﾁｭｰ ｽﾞｿﾞｿﾞｿﾞ

かのん「あのメロンパンダの被り物は早々忘れられないよ」ｸｽｸｽ

すみれ「あー、そんなこともあったわね」ﾌﾌｯ

かのん(すみれちゃん、やっと笑ってくれた…！)ﾊﾟｧｧ

すみれ「飲まないの？」

かのん「あ、そうだった」ｱｾｱｾ

すみれ「……アンタこそこの店によく来るの？」
　

かのん「ん、学校から近いから、ココ」

かのん「そこそこ、かな…」

すみれ「◯◯大って言ってたものねぇ」

かのん「すみれちゃんはどうして今日コッチに？」

すみれ「んー……かのんが居そうな気がして」

かのん「へっ？！」

すみれ「……っぷ、嘘嘘。ウチの大学の先輩がね、『水族館行こう』って」
　

すみれ「ほら、この辺に有名な水族館あるでしょ？」

かのん「うん、知ってるよ…」

かのん(そこ有名なデートスポットだし…)

すみれ「一度行ったことあるって言ったらそんな話になっちゃって…それから──」

かのん(聞かなきゃ良かった…あー、だからそんな綺麗な格好してるんだ)

かのん(なんだ、もう恋人出来てんだ…)ﾁｸｯ
　

すみれ「──って、かのん？聞いてる？」

かのん「へ？」

すみれ「自分からアレコレ聞いといて……夜空いてるかって聞いてんだけど」

かのん「………？？」

かのん「ドユコト？」

すみれ「だから、せっかく会えたんだし、夜どこか飲みにでも行かないかって誘ってんのよ」

かのん「？？…………先輩は？」
　

すみれ「これから会ってそこで解散、だけど…？」

かのん「そうかな？先輩はその後一緒に食事でも…とか考えてると思うけどな？」

すみれ「いや、先輩は『好きな子とのデート前に下見したくて』って言ってたしそれはないわよ」

かのん「！……え、本当に？」

すみれ「そーよ、で、ノるの？ノらないの？」

かのん「行くっ！何時にどこ？！」ｶﾞﾀｯ
　

その後、すみれちゃんと別れて私は一旦家に帰った。
大学生がよく行く居酒屋チェーン店で待ち合わせとなってるけど、もしかしたら…もしかしたらね。私の寮から近いし…。

かのん「部屋に来ちゃうかもしれないし…」

ｸﾞｯﾁｬｱ…

かのん「こんな汚部屋、見せられないじゃん…」

かのん「待ち合わせまであと4時間だし、マッハで掃除すれば間に合う…はず！」
　

ビール缶だとか、雑誌だとか溜まったゴミを捨てて、床掃除、皿洗い、洗濯を済ませ、引越しの荷解きが終わった頃くらいには綺麗にした。多分。


かのん「すみれちゃん！」ﾀｯﾀｯﾀ

すみれ「あれ？服装変えた？」

かのん「あの後ちょっと汚しちゃって…」ﾍﾍ

すみれ「もう、おっちょこちょいね～。ま、いいわ、とりあえず入りましょ」
　

2ﾒｲｻﾏ ｺﾞﾗｲﾃﾝﾃﾞｰｽ
ﾗｯｼｬｲﾏｾｰｯｯ‼︎‼︎

かのん「すみれちゃん、お酒飲めるの？」

すみれ「まーね、アンタは？」

かのん「んー、普通かな」

すみれ「毎日飲んでそうなイメージだったけど」

かのん「何それー？すみれちゃんの私に対するイメージ酷くない？」

かのん(実際そうなんだけど…)
　

すみれ「それはそうと、最初は生でいい？」

かのん「あ、生で」


すみれちゃんって生ビール飲むんだ、意外だななんて思いながら空白の3年で私とすみれちゃんの間にぽっかりと穴が空いている現実を突きつけられた感じがした。
けどそんなナーバスな気持ちは一転。
そこから先は思い出話に花が咲き、気づいたらあっという間に3時間くらい経っていた。
　

すみれ「あー、酔ってきた」

かのん「すみれちゃん、顔真っ赤ww」

すみれ「アンタも真っ赤だっての、ホラ鏡見る？」

かのん「見せなくていいから！」

すみれ「面白いから写真撮っとこw」ﾊﾟｼｬ

かのん「あー！ちょっと、消してよね？！」ｶﾞﾀｯ

店員「あのー…」
　

かのん「ハイ」ｽﾝｯ

店員「申し訳ございません、ただいま店内が非常に混んでまして…」

すみれ「あ、じゃあお会計で。いいわよね？かのん」

かのん「うん…」


ｱｻﾞｯｼﾀｰ‼︎
　

すみれ「はい、レシート。2人で8600円だから…4300円頂戴」

かのん「………」

すみれ「……かのん？」

かのん「財布忘れちゃった」ﾃﾍ

すみれ「はぁーー？！」

かのん「わー、待って待って！家すぐそこだから！ね？」

すみれ「まあ…ならいいわ」
　

かのん「ついでにコンビニ寄ってアイスとか、買わない？お口直しに」

すみれ「財布無いんじゃないの」

かのん「そこはほら、電子マネーで払うから」

すみれ「調子良い奴。じゃ道案内頼むわ」

かのん「本当すぐそこだから、右曲がって…あの向こう側に見えるのが最寄りのコンビニ」ﾃｸﾃｸ

すみれ「へぇ、あんなとこに」ﾃｸﾃｸ
　

かのん「で、あの向かい側の寮が今住んでるとこ」

すみれ「ちょっと薄暗い道ね、夜中出歩いたらダメよ」

かのん「お母さんかな？普段こんな時間に出歩かないし…それに今はすみれちゃん居るし～」ﾍﾍ

すみれ「アンタを産んだ覚えないわよ、…とか喋ってるうちに着いたわね」

ｳｨｰﾝ
　

かのん「私パ◯コにする！」

すみれ「決めるの早っ…ええと、迷うわね」

かのん「この店のラインナップは覚えちゃってるから、私。レジお先～」

すみれ「うーん、抹茶味のアイスが3種類も…」ﾑﾑﾑ

かのん(すみれちゃん、かなり迷ってそうだなー、二つに分けられるタイプだし、先に駐車場で食べながら待ってよ)

ｱｻﾞｯｼﾀｰ
ｳｨｰﾝ
　

かのん「もう一つは冷凍庫入れといて明日のお楽しみ♪」ﾋﾟﾘｯ

ﾊﾟｷｯ ｶﾌﾟｯ

かのん「んま～～」ﾁｭｰ

かのん(すみれちゃん、まだかな)ﾁｭｰ

かのん「ん？」

\店の外から見えるうすうす0.01㍉/ ﾄﾞﾝｯ‼︎

かのん「……」
　

かのん「……」ﾁﾗｯ

\うすうす0.01㍉/ ﾄﾞﾄﾞﾄﾝｯ‼︎‼︎

かのん「……///」ﾁﾗｯ

すみれ「お待たせ」

かのん「うぉぉああ？！！！」ﾋﾞｸｯ

すみれ「うわっ？！何よっ？！びっくりするじゃない！」

かのん「すみれちゃんが驚かしたんじゃんっ！」ﾌﾟﾝﾌﾟﾝ
　

すみれ「普通に話しかけただけなんだけど？！」

すみれ「って先食べてるし！」

かのん「だってすみれちゃん遅いんだもん」ﾁｭｰ

すみれ「もう……」ﾊｧ……

すみれ（途中からなんだか様子が変ね…ぼーっとしたりしてるし）

すみれ（まぁいいわ。私もさっさと食べちゃお）ﾊﾟｶｯ ﾊﾟｸｯ
　

かのん「ピ◯じゃん！1個ちょうだい？」

すみれ「………お金払うまでに残ってたらね」ﾊﾟｸｯ

かのん「！？」

かのん「3階の1号室だから！」

かのん「早く！早く！」

すみれ(現金なやつ…)ｸｽ

～～

ｶﾞﾁｬ

かのん「一応ここが私の部屋」
　

すみれ「へぇ、案外綺麗にしてるのね」ﾊﾟｸｯ

かのん「……残ってる？」

すみれ「ラス1」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

かのん「待っててね…あ、上がっちゃっていいよ。鍵はかけといて！」

すみれ「………」ｶﾞﾁｬ

かのん「んーと、確か昼に羽織ってた服の中に…あ、あった！」

すみれ「……なんか、あの時のこと思い出すわよね」ﾎﾞｿ
　

かのん「え？」

すみれ「なんでも。ほら溶けちゃうわよ」

かのん「ありがと……はい、お金」

すみれ「ん………じゃあ、私は帰るから」ｸﾙｯ

かのん「あ……」

かのん(久しぶりに会えたのに…嫌だ…)

かのん「待って」ｷﾞｭｯ

すみれ「！」ﾋﾟﾀ
　

かのん「……泊まってってよ」ﾎﾞｿ

すみれ「それ、本当あの時と同じシチュエーションなんだけど」ﾊｧ…

すみれ「で、同じこと聞くけど『私はどこで寝たらいい？』」

かのん「………いじわる」

すみれ「あの後『友達のままでいたい』って言ったのはアンタよ？」

かのん「ごめん…でも、やっぱり忘れられなくて……」ｷﾞｭｯ

かのん「電気、消すね」
　

せっかくもらったアイスは朝にはとうに溶けてしまい、食べられなくなってしまった。
けど、あの抹茶味は当分忘れられない、甘さ控えめのとろける口溶け感。
きっとあのアイスを見つけるたび思い出すんだろな、って缶ビール片手にベランダから帰るすみれちゃんの背中を見送った。
『言い忘れてたけど、誕生日おめでとう』という3年ぶりのメッセージを見てニヤけながら。


おしまい
　

勝手に終わるな
　

まだ大切なシーンを書いてないぞ
　

続きが思い浮かばなくて…

去年書いたやつは生えてます↓

かのん「すみれちゃんを泣かせたい」 ※R18
https://nozomi.2ch.sc/test/read.cgi/lovelive/1651317117/

かのん「たこパしよ！」
https://nozomi.2ch.sc/test/read.cgi/lovelive/1651399588/

今年もかのんちゃんおたおめ
　

たすかる
　

かのんのすみれのこと引きずってそう感は異常
　

ああー大学生かのすみ最高
乙でした