【SS】すみれ「かのん。私とアンタの関係ってなんなのかしら?」【ラブライブ!スーパースター!!】

SS
1:(光) 2021/10/15(金) 23:21:24.12 ID:z+qvRG6U
代行
かのすみ、すみかの
地の文
短い

5:(なっとう) 2021/10/15(金) 23:27:00.68 ID:47n/Hnxw
 声が、聞こえた。

「――――――なさい、――――ん」

 瞼をあけようとするが、眠気で開かない。

「――――なさいったら起き―――――――、―――のん」

 もう一度聞こえてきた声と共に、程よく強い揺れも感じ、ゆっくりと眼を開ける。

「かのん、起きなさいったら起きなさい」

 視界に入ったのは、よく知る制服と、赤と混じり合い、綺麗に反射する金髪。

 そして、赤く染まった部室も同時に目に入り、自分がいつの間にかに眠っていたことを悟る。

 突っ伏していた上半身を起こし、かのんは声の主を、すみれを見た。

 見上げたすみれの顔も、夕日のせいか、少し朱が混じっているように見えた。

6:(なっとう) 2021/10/15(金) 23:31:52.30 ID:47n/Hnxw
「あ~、すみれちゃん……おはよ……」

あくびをし、とろーんとした瞳のかのんにすみれは少し呆れたように言う。

「おはよじゃないわよ、もう最終下校時刻なのに……。作詞?」

「うん、練習がない今日の内に進めようと思って。……すみれちゃんは、今日練習無いのになんでこの時間まで?」

 伸びながら聞くかのんに、すみれは一つため息を吐いた。

「一回帰ったけど、忘れ物に気が付いて戻ってきたのよ。それで、部室にはなんとなく寄っただけ」

 そうなんだ、と言ったかのんはまだ眠気を感じるのか、寝ぼけ眼を擦っている。

「逆に好都合か……」

8:(なっとう) 2021/10/15(金) 23:37:17.42 ID:47n/Hnxw
「ん? すみれちゃん、なんか言った?」

 すみれは「何でもない」と言ってかのんの目の前に座った。

「二人きりなんて、久しぶりね」

「確かにそうだね。ちぃちゃんが入部して、恋ちゃんが入部して……スクールアイドル部もすごい賑やかになったし」

「……三人の時だって、十分賑やかだったわよ。千砂都だって、ほほ部の一員だったじゃない」

 確かにと、かのんは微笑んだ。

 その笑顔につられ、すみれも笑みを浮かべる。

「ねえ、かのん」

「ん? なに、すみれちゃん?」

「私をスクールアイドルに誘ってくれて、ありがとう」

 かのんは驚き、目を張った。

10:(なっとう) 2021/10/15(金) 23:46:08.38 ID:47n/Hnxw
「どうしたの? 急に……」

「別に、元々言おうと思ってただけ。なんだかんだ充実してるしね……」

 照れながら言うすみれを見て、かのんは少し残念に思った。

 これが夕方でなければ、すみれ自身が赤くなった様子が見れたのに、と。

 そう思いながらすみれを見ていれば、すみれに再び、「かのん」と話しかけられた。

 見ていたことを怒られると思っていたかのんは少し上擦った返事を返す。

「なんなの、その返事」

 すみれは笑みを零した後に、少し照れくさそうに、髪を弄りながら、口を開いた。

「かのん。私とアンタの関係ってなんなのかしら?」

11:(なっとう) 2021/10/15(金) 23:53:12.08 ID:47n/Hnxw
「え?」

 怒られると思っていたところに、予想外の問いかけをされ、言葉の意味を上手く取らえられないかのんに畳掛けるように、すみれは立ち上がりながら言う。

「仲間、チームメート、メンバー、友人……当てはまるものはたくさんある。センターの座を競い合うライバルってのも今はなんか違うのよ。けど――――――」

 指を折りながら数えて近づいてくるすみれの様子を、呆気にとられたまま見つめるかのん。

 そして、気が付けば、すみれの顔が、目の前にあった。

 その整った顔立ちと、真剣な緑色の瞳に吸い込まれるように、かのんはすみれに見蕩れた。

12:(なっとう) 2021/10/15(金) 23:59:00.54 ID:47n/Hnxw
「ここに一つ、ある感情を足すと、私がなりたい関係がはっきり見えてくる。かのんはなんだと思う?」

 当ててみなさい、と妖艶な笑みを浮かべ、楽しそうに問うすみれ。

 それと対称に、かのんは混乱と羞恥、そしてまだ目覚め切っておらず働かない頭では何も思いつかなかった。

「ギャラクシーなスペシャルヒントは、恋の名前。さあ、あと、5ー、4ー」

 カウントダウンも始まり、焦りから「あ」、「えっと」など声をもらすかのんに、意地悪な笑みを再び浮かべた。

「時間切れよ」

 慌てるかのんの手をすみれが強く握った。

 そして、かのんの体が、ふわりと前に引かれた。

13:(なっとう) 2021/10/16(土) 00:05:08.04 ID:e+G1yabg
 そのまま、すみれは引き寄せたかのんの唇を捕らえるように、すみれは自らの唇を、かのんのそれに合わせた。

 眼を見開き、固まるかのん。

 すみれは唇を離すと、固まるかのんにでこぴんをした。

 「痛っ」と声を漏らしたかのんに、すみれは部室の入口の方を指さす。

 かのんが振り向くと、そこには、三脚に固定されたすみれのスマホがあった。

「ドッキリよ」

 すみれはそう言って、かのんから離れた。

 そして、そのまま自分のカバンとスマホを回収した。

「じゃあ、また明日。かのんも早く帰りなさいよ。ギャラクシー!」

14:(なっとう) 2021/10/16(土) 00:11:14.32 ID:e+G1yabg
 いつもの決め台詞と共に勢いよく出て行ったすみれの背中が見えなくなるまで、かのんは思考が働かなかった。

 そして、すみれのそれが触れた熱が残る自らの唇に指先で触れたことで、やっと自分が何をされたかを理解し、羞恥心から、再びテーブルに突っ伏した。

 暫く声にならない悲鳴を上げた後に、少し顔を上げる。

「……ズルいよ……ドッキリなら、本当にしなくてもいいじゃない……」

 そうだ、これはドッキリだったのだ。と自らに言い聞かせるが、あの真剣な眼差しと、唇の感触を思い出すと、心臓が高鳴った。

「明日、どんな顔をすればいいかわからないじゃん……すみれちゃんのバーカ……」

 熱くなった頬は夕日の所為だと思い込みながら、かのんは起き上がり、帰り支度を始めるのであった。

15:(なっとう) 2021/10/16(土) 00:14:29.62 ID:e+G1yabg
 一方のすみれは、中庭まで駆け抜けると、ゆっくりと止まり、荒くなった呼吸を整えながら回収したスマホを操作する。

 自分らしくない。こんなの、自分らしくないと思いながらも、かのんを目の前にすると、胸が高鳴り、そうでない時でも無意識に目でかのんを追っていることに気が付いたのは最近。

 そして、今日。忘れ物を取りに行った部室で眠るかのんを見つけてしまった。

 普段は他の三人がいるために、二人きりになる機会などあまりなく、つい自らの内から込み上げる欲望を抑えられずにドッキリなどと嘘をついてキスをしてしまった。

 去り際の「ギャラクシー」だって、照れ隠しで無理矢理絞り出したものだった。

「こんなの私らしくないったら、らしくない……」

 しかし、同時に、今回の出来事で、すみれは自らの気持ちを自覚した。

 かのんに問いかけた「ここに一つ、ある感情を足すと、私がなりたい関係がはっきり見えてくる」というセリフ。

 このセリフは、無意識に出たものだった。

 そして、そのあとの答えという名のスペシャルヒントも――――――

16:(なっとう) 2021/10/16(土) 00:20:50.38 ID:e+G1yabg
 そうだ、自分はかのんが好きなのだ。

 認めた瞬間に、すみれは更なる自己嫌悪に陥った。

「ドッキリに逃げるなんて、卑怯すぎる……」

 呟きながら再生したのは、先ほどのキス。

 画面の中の自分が真っ赤なのは、夕日の所為じゃないだろう。

 そんな自分がおかしくなり、すみれ思わず声を上げて笑った。

 そして、一頻り笑うと、なんとなく気持ちが軽くなっていた。

17:(なっとう) 2021/10/16(土) 00:27:34.79 ID:e+G1yabg
 そうだ、こんなかっこ悪いところを見せてしまったし、よくよく考えれば、自らの家の境内で、もっとかっこ悪いところだってかのんには見られている。

 今更何を恥ずかしがることなどあろうか。

「……かのん、見てなさいったら見てなさい。本気になった私を」

 まずは、強力なライバルたちと、本人に宣戦布告しようか。

 思い立ったすみれはそのキスシーンをスクショすると、グループチャットに送信した。

 すぐに震えたスマホを無視するように、ポケットにしまいながら、すみれは昇降口へ急ぐ。

 まだ、かのんはいるだろうか、と。

9:(光) 2021/10/15(金) 23:39:03.92 ID:YvBk3mUX
型月書いてた方かしら
なんにせよ期待大

18:(なっとう) 2021/10/16(土) 00:31:20.13 ID:e+G1yabg
以上です。

かのちぃ、クーカー、クゥすみ?

三話からずっとかのすみに可能性感じたっていいじゃないか

短いスレでしたが、お付き合いいただき、ありがとうございました。

>>9
何故バレた……

20:(光) 2021/10/16(土) 00:34:29.11 ID:V5Y/avd/
かのすみも好き
無印の真姫に対する穂乃果みたいな
埋もれようとしてた自分を見つけてくれた的な展開が好き

35:(なっとう) 2021/10/16(土) 19:18:06.16 ID:e+G1yabg
皆さん感想ありがとうございます。
スパスタだとこの二人が一番好きなのに、クゥすみが強くて悲しいです。
も少し絡ませてくれ……

>>26
一応過去作は前スレ合わせて3作だけです。

過去作
歩夢「侑ちゃん、私が……あなたの死だよ……」
https://nozomi.2ch.sc/test/read.cgi/lovelive/1631886494/

せつ菜「おはようございま――――――歩夢(ギャル姿)「あ、せっつーおはー////」せつ菜「」
https://nozomi.2ch.sc/test/read.cgi/lovelive/1630856009/

歩夢「始まりをくれたあなたへ」
https://nozomi.2ch.sc/test/read.cgi/lovelive/1629391289/

36:(なっとう) 2021/10/16(土) 22:48:42.06 ID:e+G1yabg
おまけ

「うぅ……昨日はすみれちゃんのことが頭から離れないで寝むれなかった……」

 翌朝、朝練のためにトボトボと部室前の階段を上り切ったかのんはドアの前で呟いた。

「ドッキリは無しで、私を本気で惚れさせるってなんだよ~、何で私なのよ……」

「かのんが私を誘っちゃったからよ」

 「ヒッ」っと小さく悲鳴を上げて振り返るかのん。

 すみれはそんなかのんに「おはよ」と言うが、すみれの顔を見た瞬間に赤くなり、ドアに当たるまで後ずさった。

「ふーん……そんなに赤くなって……昨日の今日だから簡単に意識してもらえるとは思ってもなかったけど、ちょっとは期待してもいいのかしらったら、いいのかしら?」

37:(なっとう) 2021/10/16(土) 22:56:49.53 ID:e+G1yabg
そんなかんのんにゆっくりと近づき、かのんの逃げ道を塞ぐように、ドア枠に手をついた。

そのままもう片手でかのんの顎に手を添え、自らの方にかのんの顔を誘導する。

 かのんは強制的に向かされたすみれの顔を、唇を見て、昨日の感触を思い出し、固まってしまった。

「かのん、今日も可愛いわよ」

 そのままゆっくりと顔を近付けようとすると、かのんが更に赤くなり「あばばばば」と羞恥のあまりに意味不明な声を発しながら目を回している。

 すみれのそれがかのんのそれに触れる直前に、ガラッと音が響くと同時に、かのんは後ろに倒れた。

 倒れた先には顔を赤くした恋が立っており、キッとすみれを睨んでいる。

38:(なっとう) 2021/10/16(土) 23:01:24.07 ID:e+G1yabg
 支えられたかのんは恋に小さく礼を言うと、体制を直し、そのまま恋の後ろに隠れた。

「すみれさん、おはようございます! そして、朝から神聖な学び舎で何をしているのですか!」

「恋じゃない、おはよ。恋愛は校則で禁止されてないと思ったけど?」

「なっ! 確かにそうですが! 私たちは高校生として節度ある――――――」

「はいはい、わかったったらわかったわよ。ほら、千砂都と可可が来る前に、さっさと朝練の支度するわよ」

 恋の説教を軽く流しながら、すみれは恋の横を通って部室に入る。

39:(なっとう) 2021/10/16(土) 23:08:53.56 ID:e+G1yabg
 そして、恋の後ろに隠れたかのんの横を通った際に、恋に聞こえぬよう耳打ちをするのだった。

「邪魔が入って残念だったわね」

 そのまますみれの後ろを恋が怒りながら追う。

 かのんはその場で再び真っ赤になり、あのままドアが開かなければ自分はどうなっていただろう。と思いながら、無意識に自らの唇に指先を運ぶのだった。

40:(なっとう) 2021/10/16(土) 23:15:05.14 ID:e+G1yabg
スレ立てるほどじゃないけど、ちょっと思いついたおまけです。

今度こそ以上です。

ありがとうございました

引用元: https://nozomi.2ch.sc/test/read.cgi/lovelive/1634307684/





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