1: 2024/01/21(日) 18:47:38.00
かのん「めっちゃいい匂いしない……?」
可可「……」
千砂都「……」
恋「?」
かのん「あれ? 同意得られない感じ? 私だけ?」
可可「……」
千砂都「……」
恋「?」
かのん「あれ? 同意得られない感じ? 私だけ?」
2: 2024/01/21(日) 18:50:01.00
千砂都「私はなんというか……その、人の匂いを……嗅いだことないからなぁ……」
可可「かのん、ちょっとヘンタイっぽいです」
かのん「ええ!? ち、ちがうよ! 隣で喋ってるときとか、目の前を通り過ぎたときとか、ふわって……」
恋「……」
かのん「れ、恋ちゃん、恋ちゃんはどう思う!?」
可可「かのん、ちょっとヘンタイっぽいです」
かのん「ええ!? ち、ちがうよ! 隣で喋ってるときとか、目の前を通り過ぎたときとか、ふわって……」
恋「……」
かのん「れ、恋ちゃん、恋ちゃんはどう思う!?」
3: 2024/01/21(日) 18:56:54.00
恋「……あの、具体的に、どういう香りがするのでしょう?」
かのん「え……」
可可「れ、レンレン!? すみれの匂いなんて知っちゃダメです! くさいです!」
千砂都「くっ!? ぶっ──げっほ!」
恋「千砂都さん!?」
千砂都「ごほ……ダイジョブ、んふ……続けて?」
かのん「くさくないよ? いい匂いだからね、甘い感じかな」
恋「甘い感じ……イチゴの香りがしますか?」
千紗都「イチっ……げほっ! げっほ! おほほほっ!」
可可「笑って咽て忙しそうですね……」
かのん「え……」
可可「れ、レンレン!? すみれの匂いなんて知っちゃダメです! くさいです!」
千砂都「くっ!? ぶっ──げっほ!」
恋「千砂都さん!?」
千砂都「ごほ……ダイジョブ、んふ……続けて?」
かのん「くさくないよ? いい匂いだからね、甘い感じかな」
恋「甘い感じ……イチゴの香りがしますか?」
千紗都「イチっ……げほっ! げっほ! おほほほっ!」
可可「笑って咽て忙しそうですね……」
4: 2024/01/21(日) 19:02:10.00
恋「甘い匂いがするんですね、すみれさん……」
かのん「恋ちゃん……?」
恋「……その。私は……どんな匂いがするのでしょうかと思いまして」
可可「レンレンはいい匂いですよ?」
千砂都「え」
かのん「え」
可可「……!! ち、違いますよ!? 嗅いだわけじゃないですよ!? 違いますからねレンレン!?」
恋「すんすん……」
かのん「自分で自分の匂い嗅がないで!?」
千砂都「可可ちゃんもヘンタイだぁ~」
可可「ちっ違います!! こう、嗅がなくてもわかる香りってあるじゃないですか!? それです、そういうことです!!」
かのん「恋ちゃん……?」
恋「……その。私は……どんな匂いがするのでしょうかと思いまして」
可可「レンレンはいい匂いですよ?」
千砂都「え」
かのん「え」
可可「……!! ち、違いますよ!? 嗅いだわけじゃないですよ!? 違いますからねレンレン!?」
恋「すんすん……」
かのん「自分で自分の匂い嗅がないで!?」
千砂都「可可ちゃんもヘンタイだぁ~」
可可「ちっ違います!! こう、嗅がなくてもわかる香りってあるじゃないですか!? それです、そういうことです!!」
7: 2024/01/21(日) 19:17:15.00
かのん「わかる、なんかこう、息をするだけでいい香りがするって言うか……」
可可「……うぅ……ごめんなさいレンレン……ヘンなことを言ってしまいました」
恋「私は気にしていませんよ。可可さんにとっていい香りで良かったです。特にこれといって何もしていないんですけど」
かのん「言われてみるすみれちゃんほどってわけじゃないんだけど、確かに恋ちゃんもすごくいい香りなんだよね……甘いって言うより、なんか爽やかな感じ」
可可「そう、そうです! わかりますか!?」
恋「私爽やかな感じなんですね……なんだかうれしいです」
千砂都「……あれ? 私が段々マイノリティになってきた?」
可可「……うぅ……ごめんなさいレンレン……ヘンなことを言ってしまいました」
恋「私は気にしていませんよ。可可さんにとっていい香りで良かったです。特にこれといって何もしていないんですけど」
かのん「言われてみるすみれちゃんほどってわけじゃないんだけど、確かに恋ちゃんもすごくいい香りなんだよね……甘いって言うより、なんか爽やかな感じ」
可可「そう、そうです! わかりますか!?」
恋「私爽やかな感じなんですね……なんだかうれしいです」
千砂都「……あれ? 私が段々マイノリティになってきた?」
8: 2024/01/21(日) 19:24:05.00
恋「私、すみれさんはとても優しい香りがするんです。甘いとか、爽やかとか、そういうのではないのですけど。安心する香りが」
かのん「え? 恋ちゃんも実は私や可可ちゃんと一緒の人種?」
恋「……そう、なのかもしれません……。すみれさんが髪を払った時に、一瞬頭がふわっとするというか……」
かのん「それ~! 私はその瞬間すごくあま~い感じがするんだよ! 可可ちゃんも実はそうだったりしない?」
可可「……まぁ。くさい、というのは、可可も、取り消します……」
かのん「すみれちゃんのスメル、打率高いなー。ちぃちゃんはすみれちゃんいいにおいするな~とか、ない?」
千砂都「え……あれ……? なんかみんな日常的にすみれちゃんスメルを感じて生きてるの……?」
恋「はい」
かのん「うん」
可可「……」
千砂都「マイノリティになっちゃったぁ……」
かのん「え? 恋ちゃんも実は私や可可ちゃんと一緒の人種?」
恋「……そう、なのかもしれません……。すみれさんが髪を払った時に、一瞬頭がふわっとするというか……」
かのん「それ~! 私はその瞬間すごくあま~い感じがするんだよ! 可可ちゃんも実はそうだったりしない?」
可可「……まぁ。くさい、というのは、可可も、取り消します……」
かのん「すみれちゃんのスメル、打率高いなー。ちぃちゃんはすみれちゃんいいにおいするな~とか、ない?」
千砂都「え……あれ……? なんかみんな日常的にすみれちゃんスメルを感じて生きてるの……?」
恋「はい」
かのん「うん」
可可「……」
千砂都「マイノリティになっちゃったぁ……」
9: 2024/01/21(日) 19:30:29.00
かのん「一回嗅いだほうがいいよ。めちゃくちゃイイから」
千砂都「すみれちゃんの人権なくない……?」
可可「まあ……その、言うほど? あれです……悪くない……匂いを振りまいているんですから、人権なんてないです!」
恋「わ、私はすみれさんの意思を無視して嗅いでいるわけではありませんよ!? ちょっとこう、すんってやってるだけです!」
千砂都「余計嫌だよ!? 『ちょっとこうすんっ』ってなに!?」
恋「こう、すみれさんの前を通り過ぎる瞬間少しだけ息を多めに吸い込むといいますか……」
千砂都「それ変態だよ!?」
かのん「それ仲間だよ!」
恋「違いますよ!?」
千砂都「すみれちゃんの人権なくない……?」
可可「まあ……その、言うほど? あれです……悪くない……匂いを振りまいているんですから、人権なんてないです!」
恋「わ、私はすみれさんの意思を無視して嗅いでいるわけではありませんよ!? ちょっとこう、すんってやってるだけです!」
千砂都「余計嫌だよ!? 『ちょっとこうすんっ』ってなに!?」
恋「こう、すみれさんの前を通り過ぎる瞬間少しだけ息を多めに吸い込むといいますか……」
千砂都「それ変態だよ!?」
かのん「それ仲間だよ!」
恋「違いますよ!?」
10: 2024/01/21(日) 19:36:17.00
千砂都「Liella!のモラルはおしまいだよ……モラルハザードだよ……」
恋「わ、私もヘンタイなのでしょうか……?」
かのん「恋ちゃんは上品に変態だよね」
千砂都「上も下もないよ。品がないんだもん」
恋「はう!」
可可「ああ! レンレンがお上品に床に倒れ込みました!」
かのん「品はないけどね」
千砂都「三人ともだからね?」
恋「わ、私もヘンタイなのでしょうか……?」
かのん「恋ちゃんは上品に変態だよね」
千砂都「上も下もないよ。品がないんだもん」
恋「はう!」
可可「ああ! レンレンがお上品に床に倒れ込みました!」
かのん「品はないけどね」
千砂都「三人ともだからね?」
11: 2024/01/21(日) 19:49:23.00
すみれ「おつかれ……ってあんたたち何やってんの」
かのん「あ!」
可可「む!」
恋「はっ」
千砂都「あー」
すみれ「……え、なに。恋は何で倒れてんの? なんで一斉にこっち見るの? なにやってたの?」
千砂都「モラルハザードかな……?」
すみれ「もら……なに?」
かのん「ほらちぃちゃん。『ちょっとすんっ』ってやってみたら?」
千砂都「やめてよ!? すみれちゃんが一番可哀想だよ!?」
すみれ「え、私何? 何なの?」
かのん「あ!」
可可「む!」
恋「はっ」
千砂都「あー」
すみれ「……え、なに。恋は何で倒れてんの? なんで一斉にこっち見るの? なにやってたの?」
千砂都「モラルハザードかな……?」
すみれ「もら……なに?」
かのん「ほらちぃちゃん。『ちょっとすんっ』ってやってみたら?」
千砂都「やめてよ!? すみれちゃんが一番可哀想だよ!?」
すみれ「え、私何? 何なの?」
12: 2024/01/21(日) 20:14:07.00
恋「すみれさん、良い匂いがするんです」
すみれ「は?」
かのん「で、ちぃちゃんはすみれちゃんスメルを嗅いだことないって言ってて」
すみれ「は?」
可可「ま、まあすみれスメルは悪くない匂いなのは認めますけど!?」
すみれ「は?」
千砂都「それですみスメを『ちょっとすんっ』ってやってみろってかのんちゃんが」
すみれ「は?」
すみれ「は?」
かのん「で、ちぃちゃんはすみれちゃんスメルを嗅いだことないって言ってて」
すみれ「は?」
可可「ま、まあすみれスメルは悪くない匂いなのは認めますけど!?」
すみれ「は?」
千砂都「それですみスメを『ちょっとすんっ』ってやってみろってかのんちゃんが」
すみれ「は?」
16: 2024/01/21(日) 20:52:35.00
すみれ「……」
かのん「……」
可可「……」
恋「……」
千砂都「私正座して説教されてる人初めて見たかも……」
すみれ「私も正座させて説教するのは初めてよ」
かのん「……私も正座して説教されるのは初め──」
すみれ「誰が喋っていいって言った?」
かのん「……」
すみれ「あんたたちねぇ。普通に考えてデリカシーないわよ。失礼だからね? そこわかってる?」
恋「配慮に欠けていました……申し訳ありません……」
可可「ごめんなさい……悪気はなかったのですが……」
かのん「ちょっとこう……いい匂いで……ごめん……」
すみれ「あんたの幼馴染は反省って言葉を知らないの?」
千砂都「……知らないことはないと思うんだけどな……?」
かのん「……」
可可「……」
恋「……」
千砂都「私正座して説教されてる人初めて見たかも……」
すみれ「私も正座させて説教するのは初めてよ」
かのん「……私も正座して説教されるのは初め──」
すみれ「誰が喋っていいって言った?」
かのん「……」
すみれ「あんたたちねぇ。普通に考えてデリカシーないわよ。失礼だからね? そこわかってる?」
恋「配慮に欠けていました……申し訳ありません……」
可可「ごめんなさい……悪気はなかったのですが……」
かのん「ちょっとこう……いい匂いで……ごめん……」
すみれ「あんたの幼馴染は反省って言葉を知らないの?」
千砂都「……知らないことはないと思うんだけどな……?」
21: 2024/01/21(日) 21:14:12.00
恋「あのう……」
すみれ「恋……あんたは千砂都側だと思ってたんだけど……」
かのん「私たちの仲間なんだよね。私も驚いちゃった」
すみれ「同期の過半数がデリカシーのない変態だったことを知った私が一番驚いちゃったんだけど?」
可可「……あの、レンレンは何を言おうと?」
恋「……千紗都さん。すみれさん。ただ一つ……事実だけは知ってほしいんです」
すみれ「恋……?」
千砂都「恋ちゃん……?」
かのん「恋ちゃん顔がいいから真面目な顔するとシリアスな空気に変えられるよね」ボソボソ
可可「かのん、可可が言うのもアレですが、もうこれ以上喋らないほうがいいのでは……」ボソボソ
すみれ「恋……あんたは千砂都側だと思ってたんだけど……」
かのん「私たちの仲間なんだよね。私も驚いちゃった」
すみれ「同期の過半数がデリカシーのない変態だったことを知った私が一番驚いちゃったんだけど?」
可可「……あの、レンレンは何を言おうと?」
恋「……千紗都さん。すみれさん。ただ一つ……事実だけは知ってほしいんです」
すみれ「恋……?」
千砂都「恋ちゃん……?」
かのん「恋ちゃん顔がいいから真面目な顔するとシリアスな空気に変えられるよね」ボソボソ
可可「かのん、可可が言うのもアレですが、もうこれ以上喋らないほうがいいのでは……」ボソボソ
22: 2024/01/21(日) 21:19:12.00
千砂都「……恋ちゃん、正座して怒られてる状況で、それでもこんな真面目な空気出せるの凄いよ……」
すみれ「恋、事実って何?」
かのん「……」
可可「……」
恋「千砂都さん……。千砂都さん、すみれさんは──本当に……」
千砂都「本当に……?」
すみれ「なに……なんなの? 恋」
すみれ「恋、事実って何?」
かのん「……」
可可「……」
恋「千砂都さん……。千砂都さん、すみれさんは──本当に……」
千砂都「本当に……?」
すみれ「なに……なんなの? 恋」
23: 2024/01/21(日) 21:27:45.00
恋「本当に、良い匂いがするんです」
かのん「この期に及んで!?」
可可「まだ言うんですか!?」
すみれ「恋が一番反省してないの!?」
千砂都「反省して!?」
恋「変態の戯言と聞き流されても仕方ないと思います。そもそも私は学校の備品でそういう……アダルトな……サイトを……見てしまう人間です」
かのん「そう言えばそうだった……」
可可「忘れてました……」
恋「ですが。私たち三人だけがすみれさんを良い匂いと感じているのではなく。そちら側の千砂都さんも」
千砂都「え!? 私!?」
恋「良い匂いだと感じたら、どうなると思いますか?」
すみれ「変態が四人になるだけでしょ」
かのん「そうか! 私たちが変態なんじゃなくて、すみれちゃんが万人向け良い匂いの人ってことになるんだ!」
千砂都「なるかなぁ!?」
すみれ「ならないんじゃない……?」
かのん「この期に及んで!?」
可可「まだ言うんですか!?」
すみれ「恋が一番反省してないの!?」
千砂都「反省して!?」
恋「変態の戯言と聞き流されても仕方ないと思います。そもそも私は学校の備品でそういう……アダルトな……サイトを……見てしまう人間です」
かのん「そう言えばそうだった……」
可可「忘れてました……」
恋「ですが。私たち三人だけがすみれさんを良い匂いと感じているのではなく。そちら側の千砂都さんも」
千砂都「え!? 私!?」
恋「良い匂いだと感じたら、どうなると思いますか?」
すみれ「変態が四人になるだけでしょ」
かのん「そうか! 私たちが変態なんじゃなくて、すみれちゃんが万人向け良い匂いの人ってことになるんだ!」
千砂都「なるかなぁ!?」
すみれ「ならないんじゃない……?」
27: 2024/01/21(日) 21:36:11.00
恋「故に私は訴えます。千砂都さんもすみれさんを『ちょっとすんっ』ってしてください、と」
千砂都「えぇ……何が故に、なの……?」
恋「もちろん千砂都さんが何の匂いも感じなければ、私たちはそういうレッテルを張られざるを得ないと思います。ですが──」
恋「千砂都さんもすみれさんにいい匂いを感じたのなら──Liella!の過半数が変態であるという事実より、すみれさんが良い匂いであるという事実の方が、現実味があると思うのです」
かのん「でも恋ちゃんは学校の備品でアダルトサイト見ちゃうからどっちにせよ工 な変態なのでは?」
恋「!??!?!?!」
可可「かのんさんはレンレンに恨みでもあるんですか!?」
千砂都「仲間というより敵の動きに近いね?」
すみれ「……へぇ。面白いじゃない、恋。乗ったわ、その話」
千砂都「えぇ……何が故に、なの……?」
恋「もちろん千砂都さんが何の匂いも感じなければ、私たちはそういうレッテルを張られざるを得ないと思います。ですが──」
恋「千砂都さんもすみれさんにいい匂いを感じたのなら──Liella!の過半数が変態であるという事実より、すみれさんが良い匂いであるという事実の方が、現実味があると思うのです」
かのん「でも恋ちゃんは学校の備品でアダルトサイト見ちゃうからどっちにせよ工 な変態なのでは?」
恋「!??!?!?!」
可可「かのんさんはレンレンに恨みでもあるんですか!?」
千砂都「仲間というより敵の動きに近いね?」
すみれ「……へぇ。面白いじゃない、恋。乗ったわ、その話」
29: 2024/01/21(日) 21:48:26.00
すみれ「恋の言う通り、もし千砂都も私の匂いを嗅いで良い匂いだって言ったら、Liella!の私以外が変態という事実を私は受け入れたくないし──」
かのん「それ逆にすみれちゃんがもう変態なんじゃないかな?」ボソッ
可可「すみれに殴られても文句言えませんよ……」ボソッ
すみれ「聞こえてるから。で、千砂都が私の匂いを嗅いでも何ともなかったら、一切の憂いなく、完全にあんたたち三人を変態呼ばわりできる。そうよね? 恋」
恋「はい……」
可可「声に覇気がなさすぎます……」
かのん「どうひっくり返っても恋ちゃんは変態だから死んだ魚みたいな眼してるね」
すみれ「……千砂都」
千砂都「はいっ!?」
すみれ「信じてるから」
千砂都「……うぇ!?」キュン
恋「禁断の世界ッ!?」ガバッ
可可「ああ! もう逃れようのない変態のレッテルを貼られ死んだ魚だったレンレンの眼が輝きを取り戻しています!!」
かのん「あれは……恋ちゃんは……何かを感じ取った……?」
かのん「それ逆にすみれちゃんがもう変態なんじゃないかな?」ボソッ
可可「すみれに殴られても文句言えませんよ……」ボソッ
すみれ「聞こえてるから。で、千砂都が私の匂いを嗅いでも何ともなかったら、一切の憂いなく、完全にあんたたち三人を変態呼ばわりできる。そうよね? 恋」
恋「はい……」
可可「声に覇気がなさすぎます……」
かのん「どうひっくり返っても恋ちゃんは変態だから死んだ魚みたいな眼してるね」
すみれ「……千砂都」
千砂都「はいっ!?」
すみれ「信じてるから」
千砂都「……うぇ!?」キュン
恋「禁断の世界ッ!?」ガバッ
可可「ああ! もう逃れようのない変態のレッテルを貼られ死んだ魚だったレンレンの眼が輝きを取り戻しています!!」
かのん「あれは……恋ちゃんは……何かを感じ取った……?」
30: 2024/01/21(日) 21:57:06.00
すみれ「千砂都。こっち来なさい」
千砂都「は、はい……」オズオズ
すみれ「こういうの聞きたくないんだけど……主にどこを匂ってたのあんたら」
かのん「うなじかな」
可可「うなじです」
恋「うなじですね」
すみれ「この世で一番聞きたくないハモリね」
千砂都「いや待って!? 私嗅ぐの!? すみれちゃんのうなじを!?」
すみれ「そうよ。千砂都、別に何も気にしなくていいのよ。千砂都だけはまともだって証明してくれればいいだけだから」
千砂都「あ……う、うん……じゃあ……その……ええと……ほんとにやるの……?」
恋「……」
かのん「恋ちゃんめっちゃイキイキしてる……」
可可「もう誰がまともで誰がまともじゃないのかわからなくなってきました……」
千砂都「は、はい……」オズオズ
すみれ「こういうの聞きたくないんだけど……主にどこを匂ってたのあんたら」
かのん「うなじかな」
可可「うなじです」
恋「うなじですね」
すみれ「この世で一番聞きたくないハモリね」
千砂都「いや待って!? 私嗅ぐの!? すみれちゃんのうなじを!?」
すみれ「そうよ。千砂都、別に何も気にしなくていいのよ。千砂都だけはまともだって証明してくれればいいだけだから」
千砂都「あ……う、うん……じゃあ……その……ええと……ほんとにやるの……?」
恋「……」
かのん「恋ちゃんめっちゃイキイキしてる……」
可可「もう誰がまともで誰がまともじゃないのかわからなくなってきました……」
33: 2024/01/21(日) 22:05:51.00
千砂都(すみれちゃんの眼がまっすぐ私を見据えてくる。その瞳が雄弁に語っているのは、私に対する信頼だけ)
千砂都(そんなまっすぐな瞳に射抜かれて、私は頬に熱が集まっていくのを感じていました)
千砂都「あ、う……えっと……」
すみれ「ほら」
千砂都(すみれちゃんは私に背を向けて、後ろ髪を両手でしばって持ち上げます。う、わ……これ。ものすごく……なんだか……)
すみれ「……千砂都?」
千砂都「ひゃ……!」
千砂都(僅かに顔をこちらに向けて、流し目で私を見るすみれちゃん……きりりとした吊り目が、まっすぐ私を見据えて……)
すみれ「ほら、はやく」
千砂都「……え、と……じゃあ……その……」
千砂都(一歩進むごとに、すみれちゃんの真っ白なうなじが近づいてきます。金色の髪と白い肌のコントラストに目がくらくらして……)
千砂都「し、しつれいします……」
千砂都(すみれちゃんのうなじに顔を近づけて、少し、ほんの少しだけ、鼻で息を吸って──)
千砂都(そんなまっすぐな瞳に射抜かれて、私は頬に熱が集まっていくのを感じていました)
千砂都「あ、う……えっと……」
すみれ「ほら」
千砂都(すみれちゃんは私に背を向けて、後ろ髪を両手でしばって持ち上げます。う、わ……これ。ものすごく……なんだか……)
すみれ「……千砂都?」
千砂都「ひゃ……!」
千砂都(僅かに顔をこちらに向けて、流し目で私を見るすみれちゃん……きりりとした吊り目が、まっすぐ私を見据えて……)
すみれ「ほら、はやく」
千砂都「……え、と……じゃあ……その……」
千砂都(一歩進むごとに、すみれちゃんの真っ白なうなじが近づいてきます。金色の髪と白い肌のコントラストに目がくらくらして……)
千砂都「し、しつれいします……」
千砂都(すみれちゃんのうなじに顔を近づけて、少し、ほんの少しだけ、鼻で息を吸って──)
34: 2024/01/21(日) 22:13:56.00
千砂都「ふぁ?」
すみれ「え」
かのん「え」
可可「え」
恋「!」
千砂都「……え?」
すみれ「え……千砂都サン……? 今のお声はなんでしょう……?」
千砂都「……え!? 私なんか声出してた!? いやーちょっとわかんないなぁ!?」
すみれ「……マジ? 嘘でしょ? ほんとなの!?」
かのん「え、これ私達と可可ちゃんの逆転勝利でいいの?」
可可「……たぶん……そうだと思います」
恋「……千砂都さん。もしわからなかったのであれば、もう一度嗅いでみてはよいのではないですか?」
千砂都「い、いや……それは……あは……ははは……」
すみれ「……」
千砂都「すみれちゃん……ごめんなさい……すごく良い匂いでした……もっかい嗅ぎたいくらい……」
すみれ「いや……謝んなくていいわよ。私今日から万人向け良い匂いの人として生きてくから」
すみれ「え」
かのん「え」
可可「え」
恋「!」
千砂都「……え?」
すみれ「え……千砂都サン……? 今のお声はなんでしょう……?」
千砂都「……え!? 私なんか声出してた!? いやーちょっとわかんないなぁ!?」
すみれ「……マジ? 嘘でしょ? ほんとなの!?」
かのん「え、これ私達と可可ちゃんの逆転勝利でいいの?」
可可「……たぶん……そうだと思います」
恋「……千砂都さん。もしわからなかったのであれば、もう一度嗅いでみてはよいのではないですか?」
千砂都「い、いや……それは……あは……ははは……」
すみれ「……」
千砂都「すみれちゃん……ごめんなさい……すごく良い匂いでした……もっかい嗅ぎたいくらい……」
すみれ「いや……謝んなくていいわよ。私今日から万人向け良い匂いの人として生きてくから」
38: 2024/01/21(日) 22:30:40.00
──下校
千砂都「……」シュン
すみれ「あー……千砂都? 元気出しなさいよ」
千砂都「……私……すみれちゃん、信じてくれてたのに……」
すみれ「……まあ私の体臭云々は置いといて。あのデリカシーのなさに怒ってただけだから。良い匂いって言われるのは、別に悪い気はしないしね──」
すみれ「それにあの三人、今まで私にばれないように嗅いでたってことは、一応私にばれないようにしてるっていう常識はあるんだし?」
千砂都「すみれちゃぁん……! ごめんねぇ……ありがとう……!」
すみれ「ショウビズの世界に生きるんだもの。大勢にいい印象与えられるならそれは私の強みだわ。それより千砂都?」
千砂都「へ?」
すみれ「かのんも可可も恋も。三人とも違う匂いがしてたみたいだけど……千砂都はどんな匂いだって感じたの?」
千砂都「……うぇええ!? それ聞くの!? 聴いちゃうの!?」
すみれ「もちろん。三人とも私が付けてるヤツとは別の匂いなんだもん、千砂都がどう感じたのかも聴いておきたいじゃない?」
千砂都「えぇ……? でもぉ……なー……?」
千砂都「……」シュン
すみれ「あー……千砂都? 元気出しなさいよ」
千砂都「……私……すみれちゃん、信じてくれてたのに……」
すみれ「……まあ私の体臭云々は置いといて。あのデリカシーのなさに怒ってただけだから。良い匂いって言われるのは、別に悪い気はしないしね──」
すみれ「それにあの三人、今まで私にばれないように嗅いでたってことは、一応私にばれないようにしてるっていう常識はあるんだし?」
千砂都「すみれちゃぁん……! ごめんねぇ……ありがとう……!」
すみれ「ショウビズの世界に生きるんだもの。大勢にいい印象与えられるならそれは私の強みだわ。それより千砂都?」
千砂都「へ?」
すみれ「かのんも可可も恋も。三人とも違う匂いがしてたみたいだけど……千砂都はどんな匂いだって感じたの?」
千砂都「……うぇええ!? それ聞くの!? 聴いちゃうの!?」
すみれ「もちろん。三人とも私が付けてるヤツとは別の匂いなんだもん、千砂都がどう感じたのかも聴いておきたいじゃない?」
千砂都「えぇ……? でもぉ……なー……?」
41: 2024/01/21(日) 22:44:32.00
すみれ「大丈夫だって。私だって『あ、この人いい香りするな』って思うことあるし」
千砂都「……う、ん……じゃあ……どんな感想でも、引かない?」
すみれ「引かないって。心配し過ぎ。半分笑い話みたいなものなんだから」
千砂都「うん……じゃあ……その……匂いって言うかね?」
すみれ「うん」
千砂都「感覚に近いんだけど……その……」
すみれ「うん」
千砂都「お腹がきゅんってした……」
すみれ「え」
千砂都「お、お腹の! 奥のほうが熱くなって! きゅんってしたの!!」
すみれ「いやいやいや聞こえてますけど!?」
千砂都「じゃあ聞き返さないで欲しいなぁ!?」
千砂都「……う、ん……じゃあ……どんな感想でも、引かない?」
すみれ「引かないって。心配し過ぎ。半分笑い話みたいなものなんだから」
千砂都「うん……じゃあ……その……匂いって言うかね?」
すみれ「うん」
千砂都「感覚に近いんだけど……その……」
すみれ「うん」
千砂都「お腹がきゅんってした……」
すみれ「え」
千砂都「お、お腹の! 奥のほうが熱くなって! きゅんってしたの!!」
すみれ「いやいやいや聞こえてますけど!?」
千砂都「じゃあ聞き返さないで欲しいなぁ!?」
45: 2024/01/21(日) 22:54:31.00
千砂都「あーもー!! だから嫌だったの!! 私ほんとに変態だよ!!」
すみれ「えー……逆にその……ごめん……デリカシーがないのは私だったかも……」
千砂都「いや、すみれちゃんは別に……私が勝手に、そうなっちゃっただけだから……」
すみれ「……う、ぁ……んん……まあ。一応それでも、ごめん」
千砂都「……」
すみれ「……」
千砂都「……引いた?」
すみれ「……別に?」
すみれ「えー……逆にその……ごめん……デリカシーがないのは私だったかも……」
千砂都「いや、すみれちゃんは別に……私が勝手に、そうなっちゃっただけだから……」
すみれ「……う、ぁ……んん……まあ。一応それでも、ごめん」
千砂都「……」
すみれ「……」
千砂都「……引いた?」
すみれ「……別に?」
47: 2024/01/21(日) 22:57:06.00
千砂都「うそ。絶対引いてる。だってLiella!で一番変態だもん、こんなの」
すみれ「いや、引いてないし、みんな変態だなんて思ってないって。むしろ無理やり嗅がせた私が悪いって」
千砂都「……今まで全然そんな風になったことなかったんだよ。でも、なんかさっきはすごく、そうなっちゃって」
すみれ「お、あ……そ、うなんだ?」
千砂都「……うん」
すみれ「ふ、ぅん……そうなんだ」
千砂都「……」
すみれ「……」
すみれ「いや、引いてないし、みんな変態だなんて思ってないって。むしろ無理やり嗅がせた私が悪いって」
千砂都「……今まで全然そんな風になったことなかったんだよ。でも、なんかさっきはすごく、そうなっちゃって」
すみれ「お、あ……そ、うなんだ?」
千砂都「……うん」
すみれ「ふ、ぅん……そうなんだ」
千砂都「……」
すみれ「……」
51: 2024/01/21(日) 23:12:29.00
千砂都「……実は、今もって言ったら……どう思う?」
すみれ「え!? え、えっと……なにが……じゃなくて……あー、えっと……?」
千砂都「……引く?」
すみれ「……引かないって言ったら、どう思う?」
千砂都「……すみれちゃんは優しいねって言ったら、どう思う?」
すみれ「……優しいって言われたら、まあ、悪い気はしないわね」
千砂都「……えへへ。ありがと」
すみれ「……ねえ、千砂都?」
千砂都「?」
すみれ「どうせならさ、もうちょっとゆっくり帰らない?」
千砂都「……うんっ」
すみれ「え!? え、えっと……なにが……じゃなくて……あー、えっと……?」
千砂都「……引く?」
すみれ「……引かないって言ったら、どう思う?」
千砂都「……すみれちゃんは優しいねって言ったら、どう思う?」
すみれ「……優しいって言われたら、まあ、悪い気はしないわね」
千砂都「……えへへ。ありがと」
すみれ「……ねえ、千砂都?」
千砂都「?」
すみれ「どうせならさ、もうちょっとゆっくり帰らない?」
千砂都「……うんっ」
53: 2024/01/21(日) 23:20:06.00
──翌日
かのん「あれ?」
千砂都「? どしたのかのんちゃん」
かのん「ん……。いや。なんだろ。ちぃちゃんから、すみれちゃんの匂いがする」
可可「あぇ? 確かに……千砂都から、すみれの匂いが……」
千砂都「え……き、気のせいじゃないかな……?」
すみれ「あんたたちの鼻が馬鹿になったんじゃないの?」
恋「いえ……この匂いは……禁断の世界の匂いです……!」
すみれ「じゃあやっぱり馬鹿になったんだわ、あんたたち」
かのん「ふぅん? じゃあすみれちゃんからちぃちゃんの匂いがするのは何で?」
すみれ「!?」
千砂都「!?」
恋「……私たちは馬鹿なので分かりません……教えてくださいますか。どうしてお互いの匂いがするのか……詳しく……!」
可可「さあ、そこに正座して……すべてを打ち明けるのです!」
かのん「あれ?」
千砂都「? どしたのかのんちゃん」
かのん「ん……。いや。なんだろ。ちぃちゃんから、すみれちゃんの匂いがする」
可可「あぇ? 確かに……千砂都から、すみれの匂いが……」
千砂都「え……き、気のせいじゃないかな……?」
すみれ「あんたたちの鼻が馬鹿になったんじゃないの?」
恋「いえ……この匂いは……禁断の世界の匂いです……!」
すみれ「じゃあやっぱり馬鹿になったんだわ、あんたたち」
かのん「ふぅん? じゃあすみれちゃんからちぃちゃんの匂いがするのは何で?」
すみれ「!?」
千砂都「!?」
恋「……私たちは馬鹿なので分かりません……教えてくださいますか。どうしてお互いの匂いがするのか……詳しく……!」
可可「さあ、そこに正座して……すべてを打ち明けるのです!」
55: 2024/01/21(日) 23:26:30.00
すみれ「千砂都、逃げるわよ!?」フワッ
千砂都「うん……あ……」スン
千砂都「ふぁ?」ガクッ
かのん「体幹の鬼のちぃちゃんの腰が砕けた!?」
可可「すみれスメル……恐ろしいです……!」
恋「さあ千砂都さん。しっかりお話してもらいますよ……!」
すみれ「ちょ、ちょっと千砂都、ほら立って……っ!」
千砂都「え、えへへ……?むり、かも……?」
すみれ「……ギャラクシー……」
恋「ふふふ、ではそこに座っていただいて──」
可可「千砂都、これでわかりましたよね──」
かのん「すみれちゃんってさ──」
かのん「すみれちゃんってさ」 了
千砂都「うん……あ……」スン
千砂都「ふぁ?」ガクッ
かのん「体幹の鬼のちぃちゃんの腰が砕けた!?」
可可「すみれスメル……恐ろしいです……!」
恋「さあ千砂都さん。しっかりお話してもらいますよ……!」
すみれ「ちょ、ちょっと千砂都、ほら立って……っ!」
千砂都「え、えへへ……?むり、かも……?」
すみれ「……ギャラクシー……」
恋「ふふふ、ではそこに座っていただいて──」
可可「千砂都、これでわかりましたよね──」
かのん「すみれちゃんってさ──」
かのん「すみれちゃんってさ」 了
57: 2024/01/21(日) 23:31:11.00
当初予定してたすみれ総受けがどこかに行った代わりにちさすみになってた
56: 2024/01/21(日) 23:27:31.00
まさかのすみちぃエンドとは
面白かった乙
面白かった乙
58: 2024/01/21(日) 23:32:42.00
おつ
めっちゃおもしろかった
めっちゃおもしろかった
62: 2024/01/21(日) 23:40:30.00
乙
しぶかのがアホなssは面白い
しぶかのがアホなssは面白い
61: 2024/01/21(日) 23:36:23.00
1期生日常系?SS好き
おもろかった
おもろかった
67: 2024/01/21(日) 23:57:37.00
ちさすみたすかる
引用元: undefined