【SS】「かすみと歩夢」【ラブライブ！虹ヶ咲】

いつもの部室。　

かすみ「む〜…」

璃奈「かすみちゃん。元気出して」

かすみ「分かってるよ」

愛「かすかす、どうしたの？」

果林「随分と難しい顔してるわね」

かすみ「それは…」

しずく「今回のテストもあまり良くなかったらしいんです」

愛「あ〜なるほど」

かすみ「今回もって！！」
　

しずく「実際、点数はどれくらいだったの？」チラッ

かすみ「あっ、覗かないでよ」

しずく「あ〜…」

かすみ「何その反応！！！」

愛「なるほど。それくらいの点数って事ね」

かすみ「しず子だって今回あまり自信ないって言ってたじゃん」

しずく「まあ…数学は…」

かすみ「ほら〜」

果林「人の点数聞いて安心してる様じゃダメね」

かすみ「そう言う果林先輩は…まあ、勉強出来そうですもんね」

果林「まあ…ぼちぼちよ…保健体育なら手取り足取り教えてあげましょうか？」

かすみ「け、結構です」
　

エマ「ふふっ」

果林「な、何？」

エマ「ううん。別に」

果林「も、もう」

かすみ「愛先輩はギャルなのに勉強出来るし…彼方先輩は出来ないですよね？」

彼方「彼方ちゃんもテストの点数は良いんだよね〜」

かすみ「なっ…いつも寝てばかりなのに…裏切りもの…」
　

ミア「この学校のテストくらい、寝てたって平均点以上は取れるだろ？」

かすみ「はい、聞こえませ〜ん」

ランジュ「そんなに勉強出来ないならランジュが家庭教師してあげましょうか？」

かすみ「え？」

ミア「うわっ。ランジュの家庭教師とか絶対に嫌だな」

ランジュ「なんでよ？」

ミア「ランジュは人に教えるってタイプじゃないだろ」

ランジュ「そんな事ないわよ。ね？」

かすみ「え？いや〜…どうですかね？」
　

ガチャ

栞子「随分と賑やかですね」

侑「本当だ。盛り上がってるね〜」　

歩夢「ふふっ」

せつ菜「何のお話しですか？」

かすみ「いや…あの…はあ…せつ菜先輩は勉強出来ますもんね。しお子も…」

せつ菜「勉強？」

栞子「まあ…人並みには…」

かすみ「またまた、ご謙遜を。どうせ良い点数取ってるんでしょ？平均点より高いんでしょ？」

栞子「……………あぁ…なるほど」　

せつ菜「そう言う事ですか」

愛「全てを察したね」

しずく「流石…」
　

かすみ「はあ…侑先輩…」

侑「ん？」

かすみ「侑先輩はそんなに勉強出来ないですよね？」

侑「え？」

しずく「凄い失礼…」

かすみ「だって、そんなイメージないし。今回のテストどうでした？赤点ありました？」

侑「まあ…確かに良くはなかったけど…赤点は無かったよ」

かすみ「え…そうなんですか？」

しずく「そんな露骨にガッカリして…」

栞子「まさか…赤点だってんですか？」

かすみ「数学だけだよ！！」

ミア「数学だけでも普通は取らないんだよ。赤点なんて。むしろ、どうやったらそこまで出来ないのか教えて欲しいね」

かすみ「うっ…」

歩夢「まあまあ。かすみちゃんをいじるのはそこら辺にして…」
　

かすみ「むぅ…歩夢先輩は…勉強出来そうですよね…真面目だし」

歩夢「え？私？私は…そんな事ないよ」

かすみ「そんな事言って本当は高いんでしょ？」

歩夢「いや…そんな事は…」

侑「でも、歩夢は毎日コツコツ勉強してるもんね」

かすみ「え？毎日？毎日勉強してるんですか？」

歩夢「それは…毎日コツコツやらないと覚えられないからで…」

しずく「それってなかなか出来ないですよ」

愛「部活終わって家に帰ってまで勉強するのは大変だよね」

歩夢「え…愛ちゃんもそうじゃないの？」

愛「いや〜愛さんは毎日は勉強しないかな」

かすみ「じゃあ何で良い点数取れるんですか？」

愛「あはは。なんでだろうね？」
　

かすみ「何でだろうねって…分からないんですか？」

愛「まあ…授業をちゃんと聞いてるからかな？」

かすみ「それじゃあ、かすみんがちゃんと聞いてないみたいじゃないですか」

果林「聞いてないでしょ？」

かすみ「えっと……はあ…結局皆さん、テストの点数が良いんですね、最悪です」

ミア「最悪なのはかすみの思考回路だろ」

歩夢「あの…私は別にテストの点数良くなかったよ？」

かすみ「……え？そうなんですか？点数悪かったんですか？」

歩夢「ううん。平均的よりちょっと上くらいかな」

かすみ「あ……へ〜……そうなんですか」

歩夢「うん」

かすみ「……でも毎日コツコツ勉強してるんですよね？」
　

歩夢「うん…一応…」

かすみ「へ〜………あれ？」

歩夢「ど、どうしたの？」

かすみ「毎日コツコツ勉強してるのに平均点ギリギリなんですか？」

歩夢「え？あっ…うん…ギリギリって言うか…そうだね」

かすみ「毎日コツコツ…なのに平均的ギリギリ…」

歩夢「えっと…」

かすみ「それって、かすみんよりダメじゃないですか？」

歩夢「へ？」

彼方「かすみちゃんの方がダメだと思うよ〜。赤点がある時点で」
　

かすみ「皆さん。一旦、冷静になって下さい」

しずく「ずっと冷静だけど」

かすみ「いいですか？かすみんは全く勉強してないんですよ？」

ミア「だから赤点なんだろ？何を偉そうに言ってるんだよ」

かすみ「論点はそこじゃないんです！」

しずく「ずっとそこだと思うよ。かすみさんが赤点を取った事」

かすみ「真剣に聞いて。かすみんは全く勉強してないんだよ？そこを考慮して考えると本当にかすみんって一番下ですか？」

愛「それでも一番下だと思うけど」

璃奈「紛れもない事実」
　

かすみ「それは単純な数字の上の話でしょ？」

ミア「単純な数字の上の話しかしてないんだよ。そんな事も分からないから赤点取るんじゃないの？」

歩夢「あはは…でも…確かに毎日勉強してる割には点数低いよね」

侑「ん〜まあでもそんな所も歩夢らしいっちゃ歩夢らしいよ」

歩夢「あ〜もしかして侑ちゃん馬鹿にしてる？」

侑「してないよ。そんな所も可愛いなって思ってるだけだよ」

歩夢「も〜侑ちゃんったら〜」

かすみ「ちょっとそこ！イチャイチャしないで下さい」
　

侑「ごめんごめん」

かすみ「次やったらイ工　ーカード二枚ですよ」

せつ菜「それレッドカードじゃ…」

かすみ「とにかく、かすみんの言いたい事は伝わりましたか？」

果林「そうね、暴論もいいところね。赤点取ったって死ぬ訳じゃないしそんなに気にしなくてもいいじゃない」

かすみ「気になりますよ。この中で一番おバカって事になるんですよ」　　

ミア「紛れもない事実だろ」

愛「嫌なら毎日勉強すればいいのに…」

かすみ「しない人は黙ってて下さい」

愛「怒られちった」

かすみ「じゃあこうしましょう！今回のかすみんの数学のテストの点数が19点でした！」

栞子「19点……」

しずく「こないだよりも下がってる…」

かすみ「それはいいの！で、今回全く勉強しなかったので、努力ポイントを0とします。はいりな子！19-0は？」

璃奈「19…？」

かすみ「そう。19なんです！で、歩夢先輩は数学のテスト何点でした？」

歩夢「えっと…74点だったかな？」

侑「なんだ。私よりもいいじゃん」
　

かすみ「74点ですね！で、歩夢先輩は毎日勉強してたんで100です。はいしず子！100-74は？」

しずく「えっ………26？」

かすみ「そう！かすみんはレベル19なのに対して歩夢先輩はレベル26なんです。あれ？」

しずく「レベル…」
　

璃奈「かすみちゃん負けてるよ…」

彼方「って言うかそのはちゃめちゃな計算式はどこから現れたのかな〜？」

愛「凄いよね…理屈も何もかも無視した謎の計算してるのにそれでも負けるんだもん」

璃奈「これも才能かも」

かすみ「あっ…歩夢先輩は2年生ですから26÷2で13になるんです」

果林「もう何でもありね」
　

彼方「かすみちゃん」

かすみ「な、なんですか？」

彼方「いや…ここは敢えてかすかすと呼ばせて貰おう」

かすみ「嫌です。かすみんです」

彼方「何もしないでダメな点数って言うのは恥ずかしい事だよ？」

かすみ「なっ…彼方先輩に言われるとは思わなかった」

ミア「しかも、それに輪を書いて難癖つけたりしてね」

かすみ「ぐっ…」

エマ「コツコツ頑張れるってやっぱり凄い事だよ。そんな歩夢ちゃんが私は大好きです」

歩夢「そ、そんな…照れるよ」
　

かすみ「むぅ…」

果林「むくれたってしょうがないでしょう？」

かすみ「だって…」

せつ菜「かすみさん。私はかすみさんがやれば出来る人だって事知っていますよ」

侑「そうだよね。私もかすみちゃんの頑張ってる姿はこの同好会で沢山見てきたよ」

かすみ「せつ菜先輩…侑先輩…」

せつ菜「皆さんだってそれは分かってるはずです」

しずく「そうですね。お二人の言う通りですね。かすみさん、頑張り屋さんだもん。見当違いな事はするけど…」

璃奈「うん。かすみちゃんが一生懸命駆け回ってる姿をずっと見てきた」

ミア「まあ…そこはボクも認めてもいいよ……バカだけど…」

かすみ「しず子…りな子…ミア子…」
　

かすみ「むぅ…」

果林「むくれたってしょうがないでしょう？」

かすみ「だって…」

せつ菜「かすみさん。私はかすみさんがやれば出来る人だって事知っていますよ」

侑「そうだよね。私もかすみちゃんの頑張ってる姿はこの同好会で沢山見てきたよ」

かすみ「せつ菜先輩…侑先輩…」

せつ菜「皆さんだってそれは分かってるはずです」

しずく「そうですね。お二人の言う通りですね。かすみさん、頑張り屋さんだもん。見当違いな事はするけど…」

璃奈「うん。かすみちゃんが一生懸命駆け回ってる姿をずっと見てきた」

ミア「まあ…そこはボクも認めてもいいよ……バカだけど…」

かすみ「しず子…りな子…ミア子…」
　

歩夢「かすみちゃん。私もそんなに要領の良いタイプじゃないけど…」

かすみ「も？」

果林「そこは引っ掛からなくていいのよ」

歩夢「人より出来なければ、その分人よりやれば同じくらいには出来る様になるから！だから、一緒に頑張ろ！」

かすみ「歩夢先輩……良い人…そうですね。そもそも、かすみんが勉強して出来ない訳ないですよね。うん。これからは勉強ちゃんとやります！」

歩夢「その意気だよ！」
　

かすみ「よしっ！じゃあ、次のテストは頑張るぞ〜」

栞子「次のテストの前に今回のテストの補習が先ですね。このままじゃ、もう一度一年生やる様ですよ。あと、次また赤点とっても留年です」

かすみ「え…」

彼方「死ぬ気でやらなきゃだね」

ランジュ「って事はランジュの出番かしら！！！」

かすみ「そ、そんなぁ…どうにかならないの？生徒会長ぉ」

栞子「どうにもなりません」
　

かすみ「そんなぁ。誰か助けて〜」

璃奈「かすみちゃん」

かすみ「……なに？」

璃奈「先輩後輩の関係になっても友達だよ」

かすみ「なっ…」

完