1: 2017/03/06(月) 21:20:15.54 ID:qN4C9nBg.net
曜「はぁ…」
ダイヤ「…あら?」
曜「あ、ダイヤちゃん…どうしたの?」
ダイヤ「見回りですわ。まだ残ってたの?今日の練習はもう終わってるでしょう?」
曜「あ、うん。ちょっと、えっと…寝ちゃってて」
ダイヤ「…そうですか」
曜「ダイヤちゃんは、生徒会終わり?」
ダイヤ「…ええ」ジーッ
曜「?」
ダイヤ「…あなた、嘘が下手ですわね」
曜「うぇ!?」
ダイヤ「手元のそのくしゃくしゃになったプリント。見えてますわよ」
曜「あっ…」バッ
ダイヤ「…あら?」
曜「あ、ダイヤちゃん…どうしたの?」
ダイヤ「見回りですわ。まだ残ってたの?今日の練習はもう終わってるでしょう?」
曜「あ、うん。ちょっと、えっと…寝ちゃってて」
ダイヤ「…そうですか」
曜「ダイヤちゃんは、生徒会終わり?」
ダイヤ「…ええ」ジーッ
曜「?」
ダイヤ「…あなた、嘘が下手ですわね」
曜「うぇ!?」
ダイヤ「手元のそのくしゃくしゃになったプリント。見えてますわよ」
曜「あっ…」バッ
3: 2017/03/06(月) 21:22:01.70 ID:qN4C9nBg.net
ダイヤ「何かあったの?」
曜「え、っと…なんでもないよ」
ダイヤ「ふぅん」
曜「ほんと!ほんとになんでもないから!」
ダイヤ「…そうですか。そこまで言うなら、追及はしません」
曜「…うん、ありがと」
ダイヤ「さ、帰りましょう。先生に怒られても知らないわよ?」
曜「そ、そうだね」イソイソ
曜「え、っと…なんでもないよ」
ダイヤ「ふぅん」
曜「ほんと!ほんとになんでもないから!」
ダイヤ「…そうですか。そこまで言うなら、追及はしません」
曜「…うん、ありがと」
ダイヤ「さ、帰りましょう。先生に怒られても知らないわよ?」
曜「そ、そうだね」イソイソ
4: 2017/03/06(月) 21:23:36.14 ID:qN4C9nBg.net
ダイヤ「二人で帰るのなんて――初めてかしら」
曜「そうだね。いつも皆が一緒だから」
ダイヤ「小さい頃から顔は知っているのにね」
曜「そうだね」
ダイヤ「…」
曜「…」
ダイヤ「珍しく静かですわね」
曜「えっ!?そ、そうかな」
ダイヤ「いつも千歌ちゃんとバカみたいにはしゃいでいるのに」
曜「ば、ばかって…」
ダイヤ「まあ、元気な事が悪い事ではありませんけれどね。むしろいい事ですわ」
曜「はぁ…」
曜「そうだね。いつも皆が一緒だから」
ダイヤ「小さい頃から顔は知っているのにね」
曜「そうだね」
ダイヤ「…」
曜「…」
ダイヤ「珍しく静かですわね」
曜「えっ!?そ、そうかな」
ダイヤ「いつも千歌ちゃんとバカみたいにはしゃいでいるのに」
曜「ば、ばかって…」
ダイヤ「まあ、元気な事が悪い事ではありませんけれどね。むしろいい事ですわ」
曜「はぁ…」
6: 2017/03/06(月) 21:26:20.31 ID:qN4C9nBg.net
ダイヤ「…今日の練習はどうでしたか?」
曜「あ、うん。今日はユニットごとの練習だったよ」
ダイヤ「あぁ、そういえば…果南とマルちゃんには迷惑かけちゃったわね」
曜「でもマルちゃんは聖歌隊に、果南ちゃんは家の手伝いにって早めに帰っちゃったよ」
ダイヤ「そうですか。AZALEA全滅とは…ちょっと情けないですわね」
曜「あはは…」
ダイヤ「…ルビィはどう?迷惑かけずに、ちゃんとやってる?」
曜「もちろん!むしろルビィちゃんがいないと、CYaRonは成り立ってないかも!」
ダイヤ「そうですか…あの子が」
曜「うん!ほら、私と千歌ちゃんって突っ走るタイプだから…ルビィちゃんが色々考えてくれて」
曜「やっぱり、アイドル好きだ~、っていうのが伝わってくるよ!」
ダイヤ「……ふふ」
曜「あれ?何かおかしなこと言った…?」
ダイヤ「いえ。少し――嬉しくて」
曜「あ、うん。今日はユニットごとの練習だったよ」
ダイヤ「あぁ、そういえば…果南とマルちゃんには迷惑かけちゃったわね」
曜「でもマルちゃんは聖歌隊に、果南ちゃんは家の手伝いにって早めに帰っちゃったよ」
ダイヤ「そうですか。AZALEA全滅とは…ちょっと情けないですわね」
曜「あはは…」
ダイヤ「…ルビィはどう?迷惑かけずに、ちゃんとやってる?」
曜「もちろん!むしろルビィちゃんがいないと、CYaRonは成り立ってないかも!」
ダイヤ「そうですか…あの子が」
曜「うん!ほら、私と千歌ちゃんって突っ走るタイプだから…ルビィちゃんが色々考えてくれて」
曜「やっぱり、アイドル好きだ~、っていうのが伝わってくるよ!」
ダイヤ「……ふふ」
曜「あれ?何かおかしなこと言った…?」
ダイヤ「いえ。少し――嬉しくて」
10: 2017/03/06(月) 21:29:15.41 ID:qN4C9nBg.net
曜「嬉しい?」
ダイヤ「ええ。わたくしの家って、ほら。ご存知の通り…堅いでしょう?」
曜「ああ」
ダイヤ「だから、もちろんルビィも習い事や、家の事をやらされていたわけで」
曜「ルビィちゃんもだったんだ…ダイヤちゃんだけかと思ってたよ」
ダイヤ「昔の話だけれどね。あの子、全部やめたのよ」
曜「そうなの?」
ダイヤ「そう。中学に入る前に、長かった髪もばっさり切って…習い事も全部やめて」
曜「へぇ…ルビィちゃんって、意外としっかりしてるよね」
ダイヤ「そうかもしれませんわね」
ダイヤ「ええ。わたくしの家って、ほら。ご存知の通り…堅いでしょう?」
曜「ああ」
ダイヤ「だから、もちろんルビィも習い事や、家の事をやらされていたわけで」
曜「ルビィちゃんもだったんだ…ダイヤちゃんだけかと思ってたよ」
ダイヤ「昔の話だけれどね。あの子、全部やめたのよ」
曜「そうなの?」
ダイヤ「そう。中学に入る前に、長かった髪もばっさり切って…習い事も全部やめて」
曜「へぇ…ルビィちゃんって、意外としっかりしてるよね」
ダイヤ「そうかもしれませんわね」
11: 2017/03/06(月) 21:30:28.59 ID:qN4C9nBg.net
曜「それで、なんで嬉しいの?」
ダイヤ「…スクールアイドルを始める時、あの子両親に猛反対されたの」
ダイヤ「家の事も習い事も投げ出してアイドルなんてふざけるな、ってね」
ダイヤ「でもその時、ルビィは…」
ルビィ『スクールアイドルはね…Aqoursの活動はね』
ルビィ『ルビィが生まれて初めて、本当にやりたいなって思えたことなの』
ルビィ『ルビィは、この気持ちを裏切りたくない』
ルビィ『―――ルビィ、スクールアイドルやりたいの』
ダイヤ「初めてですわ。あの子が涙一つ見せずに、両親に反発したのは」
ダイヤ「そのおかげか、ルビィの気持ちが伝わったのか――両親もわたくしも、何も言えなくなって」
ダイヤ「…それで、今に至るというわけ」
曜「そんなことがあったんだ…」
ダイヤ「…まぁ、その話し合いが終わった後、わたくしに泣きついてきたんですけどね」
曜「あはは…ルビィちゃんらしいね」
ダイヤ「ふふ…そうね」
ダイヤ「…スクールアイドルを始める時、あの子両親に猛反対されたの」
ダイヤ「家の事も習い事も投げ出してアイドルなんてふざけるな、ってね」
ダイヤ「でもその時、ルビィは…」
ルビィ『スクールアイドルはね…Aqoursの活動はね』
ルビィ『ルビィが生まれて初めて、本当にやりたいなって思えたことなの』
ルビィ『ルビィは、この気持ちを裏切りたくない』
ルビィ『―――ルビィ、スクールアイドルやりたいの』
ダイヤ「初めてですわ。あの子が涙一つ見せずに、両親に反発したのは」
ダイヤ「そのおかげか、ルビィの気持ちが伝わったのか――両親もわたくしも、何も言えなくなって」
ダイヤ「…それで、今に至るというわけ」
曜「そんなことがあったんだ…」
ダイヤ「…まぁ、その話し合いが終わった後、わたくしに泣きついてきたんですけどね」
曜「あはは…ルビィちゃんらしいね」
ダイヤ「ふふ…そうね」
12: 2017/03/06(月) 21:32:17.33 ID:qN4C9nBg.net
ダイヤ「それより」
曜「はい?」
ダイヤ「そろそろ話す気になった?」
曜「えっ…と、だ、だからなんでもないって―――」
ダイヤ「…人に話せば、楽になることもありますよ」
ダイヤ「いくら名誉職みたいな生徒会長とはいえ、生徒の悩みを解決するのも仕事ですし――」
ダイヤ「わたくし、頭と口の固さには自信がありますから」
曜「ぷっ…」
ダイヤ「…やっと笑いましたわね」
曜「ご、ごめん…まさかダイヤちゃんが自分で頭が固いとか言うと思わなくて…」
ダイヤ「クスクス♡わたくし、ジョークもいけるかもしれないわね?」
曜「…そうかも♪」
曜「はい?」
ダイヤ「そろそろ話す気になった?」
曜「えっ…と、だ、だからなんでもないって―――」
ダイヤ「…人に話せば、楽になることもありますよ」
ダイヤ「いくら名誉職みたいな生徒会長とはいえ、生徒の悩みを解決するのも仕事ですし――」
ダイヤ「わたくし、頭と口の固さには自信がありますから」
曜「ぷっ…」
ダイヤ「…やっと笑いましたわね」
曜「ご、ごめん…まさかダイヤちゃんが自分で頭が固いとか言うと思わなくて…」
ダイヤ「クスクス♡わたくし、ジョークもいけるかもしれないわね?」
曜「…そうかも♪」
13: 2017/03/06(月) 21:34:29.35 ID:qN4C9nBg.net
曜「えっとね。…進路希望調査、なんだけど」
ダイヤ「なるほど…進路で迷っている、と」
曜「うん…」
ダイヤ「何で迷っているか、聞いてもいいかしら?」
曜「私って、飛び込みの強化指定選手に選ばれてる…っていうのは、知ってる?」
ダイヤ「そうですね。わたくし、素直に尊敬していますわ」
曜「あ、ありがとう…えっとね、それで、○○体育大学から推薦が来てるんだよね」
ダイヤ「…それって、体育大学の中でも超名門…ですわよね」
曜「そうみたい」
ダイヤ「…改めてすごいわね」
曜「いやぁ、そんなことは…」
ダイヤ「それで?何を迷っていますの?そんな話、滅多に無いじゃない」
曜「…私、船の船長になりたくて」
ダイヤ「ああ――そういえば、言ってましたね。お父様が定期船の…」
曜「そうそう。それで、昔からお父さんみたいな船長になるんだー!って、決めてたんだけど…」
ダイヤ「けど?」
ダイヤ「なるほど…進路で迷っている、と」
曜「うん…」
ダイヤ「何で迷っているか、聞いてもいいかしら?」
曜「私って、飛び込みの強化指定選手に選ばれてる…っていうのは、知ってる?」
ダイヤ「そうですね。わたくし、素直に尊敬していますわ」
曜「あ、ありがとう…えっとね、それで、○○体育大学から推薦が来てるんだよね」
ダイヤ「…それって、体育大学の中でも超名門…ですわよね」
曜「そうみたい」
ダイヤ「…改めてすごいわね」
曜「いやぁ、そんなことは…」
ダイヤ「それで?何を迷っていますの?そんな話、滅多に無いじゃない」
曜「…私、船の船長になりたくて」
ダイヤ「ああ――そういえば、言ってましたね。お父様が定期船の…」
曜「そうそう。それで、昔からお父さんみたいな船長になるんだー!って、決めてたんだけど…」
ダイヤ「けど?」
14: 2017/03/06(月) 21:35:49.24 ID:qN4C9nBg.net
曜「みんなから、飛び込みやらないのは勿体ないって言われて…」
曜「先生も、めったに無い事なんだから、この話を蹴るのは…とか、才能を〇すのは勿体ない、とか…」
ダイヤ「なるほど。それで迷ってしまった、と」
曜「うん…船乗りになるには、そういう資格が取れる学校に行った方がいいと思うし」
ダイヤ「それはまあ、その通りでしょう」
曜「…ダイヤちゃんは、どうすればいいと思う?」
ダイヤ「…そうですわね。わたくしが言えることは――」
ダイヤ「あなたの勝手ですわ」
曜「うえぇ…」ガクッ
曜「ひ、酷いよ!曜にしては、真面目に悩んでるのに!」
ダイヤ「だって、そういうしかないでしょう」
ダイヤ「最終的に決めるのは曜ちゃん、あなたよ。わたくしが決めることじゃない」
曜「でも、決められないから迷ってるのに――」
ダイヤ「…曜ちゃん、ちょっと寄り道をしていきましょうか」
曜「へ?」
曜「先生も、めったに無い事なんだから、この話を蹴るのは…とか、才能を〇すのは勿体ない、とか…」
ダイヤ「なるほど。それで迷ってしまった、と」
曜「うん…船乗りになるには、そういう資格が取れる学校に行った方がいいと思うし」
ダイヤ「それはまあ、その通りでしょう」
曜「…ダイヤちゃんは、どうすればいいと思う?」
ダイヤ「…そうですわね。わたくしが言えることは――」
ダイヤ「あなたの勝手ですわ」
曜「うえぇ…」ガクッ
曜「ひ、酷いよ!曜にしては、真面目に悩んでるのに!」
ダイヤ「だって、そういうしかないでしょう」
ダイヤ「最終的に決めるのは曜ちゃん、あなたよ。わたくしが決めることじゃない」
曜「でも、決められないから迷ってるのに――」
ダイヤ「…曜ちゃん、ちょっと寄り道をしていきましょうか」
曜「へ?」
15: 2017/03/06(月) 21:37:48.30 ID:qN4C9nBg.net
曜「いいの?本当に奢ってもらっちゃって…ソフトクリーム、しかも一番高いやつだし」
ダイヤ「構いませんよ。どうせ、お小遣いの使い道には困っているし――」
ダイヤ「それに。この前千歌ちゃんと話してたでしょう?買い食いしてばっかりでお小遣いが無いって」
曜「うっ…聞いてたんだ」
ダイヤ「お金は計画的に使わないとダメですわよ」
曜「がんばります…」
ダイヤ「ふふ…夕日、綺麗ね」
曜「そうだね…」
ダイヤ「さて、本題ですが」
曜「…」ゴクリ
ダイヤ「あ、食べながらでいいですわよ。早くしないと溶けちゃうわ」
曜「あ、うん」ペロ
ダイヤ「構いませんよ。どうせ、お小遣いの使い道には困っているし――」
ダイヤ「それに。この前千歌ちゃんと話してたでしょう?買い食いしてばっかりでお小遣いが無いって」
曜「うっ…聞いてたんだ」
ダイヤ「お金は計画的に使わないとダメですわよ」
曜「がんばります…」
ダイヤ「ふふ…夕日、綺麗ね」
曜「そうだね…」
ダイヤ「さて、本題ですが」
曜「…」ゴクリ
ダイヤ「あ、食べながらでいいですわよ。早くしないと溶けちゃうわ」
曜「あ、うん」ペロ
16: 2017/03/06(月) 21:40:08.93 ID:qN4C9nBg.net
ダイヤ「…わたくしの運命は、生まれた時から決められていますの」
曜「運命が…?」
ダイヤ「そう。黒澤家の長女として生まれついた時からね」
ダイヤ「幼い時から家の事を手伝ってきたし」
ダイヤ「習い事だって、稽古始の6歳の6月6日から今まで、ずっと続けてる」
ダイヤ「御琴に茶道、花道――ピアノ、バレエ、公文に英語もやっていたわ」
曜「ひぇぇ…」
ダイヤ「もちろん、今では御琴や踊りは好きだけれど――まあ、やっぱり興味の無いことまでやらされることもあって」
ダイヤ「でもわたくし、投げ出したことは一度もありません」
ダイヤ「そういう運命だと、わかっているから」
曜「ダイヤちゃん…」
ダイヤ「…曜ちゃんは、彼氏とかいるの?」
曜「えぇっ!?い、いないよ!なんで突然!?」ドキドキ
ダイヤ「じゃあ、親が決めた結婚相手とか」
曜「いないいないっ!漫画じゃないんだから――あ」
ダイヤ「ふふ、そうですね。普通はそうです」
曜「もしかして――」
ダイヤ「ああ、いえ――別に相手が決まっているというわけではありませんよ」
ダイヤ「ただ、跡取りだの婿取りだの――そういう話も、幼い頃から聞き慣れていた、というだけの話ですから」
曜「そ、そっか…安心したよ」
曜「運命が…?」
ダイヤ「そう。黒澤家の長女として生まれついた時からね」
ダイヤ「幼い時から家の事を手伝ってきたし」
ダイヤ「習い事だって、稽古始の6歳の6月6日から今まで、ずっと続けてる」
ダイヤ「御琴に茶道、花道――ピアノ、バレエ、公文に英語もやっていたわ」
曜「ひぇぇ…」
ダイヤ「もちろん、今では御琴や踊りは好きだけれど――まあ、やっぱり興味の無いことまでやらされることもあって」
ダイヤ「でもわたくし、投げ出したことは一度もありません」
ダイヤ「そういう運命だと、わかっているから」
曜「ダイヤちゃん…」
ダイヤ「…曜ちゃんは、彼氏とかいるの?」
曜「えぇっ!?い、いないよ!なんで突然!?」ドキドキ
ダイヤ「じゃあ、親が決めた結婚相手とか」
曜「いないいないっ!漫画じゃないんだから――あ」
ダイヤ「ふふ、そうですね。普通はそうです」
曜「もしかして――」
ダイヤ「ああ、いえ――別に相手が決まっているというわけではありませんよ」
ダイヤ「ただ、跡取りだの婿取りだの――そういう話も、幼い頃から聞き慣れていた、というだけの話ですから」
曜「そ、そっか…安心したよ」
18: 2017/03/06(月) 21:51:28.11 ID:qN4C9nBg.net
ダイヤ「……とまあ、長々と話しましたが」
ダイヤ「わたくしは本家の長女に生まれた、というだけで――」
ダイヤ「そういったことを義務付けられているの」
曜「…」
ダイヤ「…あ。もちろん、ルビィにもそうする義務はあるんだけどね」
曜「え、でもルビィちゃんはそんなこと…」
ダイヤ「そう、してないのよ。…あの子には無理でしょ?」
ダイヤ「あの子がもし長女だとして、わたくしと同じことができると思う?」
曜「え、えーっと…難しいかも」
ダイヤ「フフ――♡わたくしもそう思うわ」
ダイヤ「だから、その義務はあの子の分まで、わたくしが果たせばいいのよ」
ダイヤ「将来を選べないのは、わたくしひとりで十分」
曜「…ダイヤちゃん」
ダイヤ「なんですか?」
曜「……そんなの、ダメだよ」
ダイヤ「わたくしは本家の長女に生まれた、というだけで――」
ダイヤ「そういったことを義務付けられているの」
曜「…」
ダイヤ「…あ。もちろん、ルビィにもそうする義務はあるんだけどね」
曜「え、でもルビィちゃんはそんなこと…」
ダイヤ「そう、してないのよ。…あの子には無理でしょ?」
ダイヤ「あの子がもし長女だとして、わたくしと同じことができると思う?」
曜「え、えーっと…難しいかも」
ダイヤ「フフ――♡わたくしもそう思うわ」
ダイヤ「だから、その義務はあの子の分まで、わたくしが果たせばいいのよ」
ダイヤ「将来を選べないのは、わたくしひとりで十分」
曜「…ダイヤちゃん」
ダイヤ「なんですか?」
曜「……そんなの、ダメだよ」
19: 2017/03/06(月) 21:56:39.12 ID:qN4C9nBg.net
ダイヤ「…ダメ、とは?」
曜「そんな、そんなの――かわいそう、だよ」
ダイヤ「…」
曜「自分の好きな人と結婚できなくて、やりたい事もできなくて、そんなの…」
曜「そんなの、ダイヤちゃんがかわいそうだよっ!」
ダイヤ「…ふふ」
曜「な、なんで笑って――」
ダイヤ「少し前にも、同じことを言われました。お見合いの話を聞いたルビィから、お姉ちゃんがかわいそう、って」
ダイヤ「まあ、そのお見合いの話というのはルビィの勘違いだったんだけど」
ダイヤ「それに、自分では可哀想とか、考えてもいなかったけれど――嬉しいものね」
曜「だって――」
ダイヤ「だったら」
曜「?」
ダイヤ「わたくしのことが可哀想だと思うのならば――どうすればいいか、わかるわよね?」
曜「あ――」
ダイヤ「周りから決められた運命に囚われるのが可哀想だと感じたなら」
ダイヤ「あなたは、自分で運命を決めればいいのよ」
ダイヤ「わたくしには無理でも――あなたには、できるのだから」
曜「そんな、そんなの――かわいそう、だよ」
ダイヤ「…」
曜「自分の好きな人と結婚できなくて、やりたい事もできなくて、そんなの…」
曜「そんなの、ダイヤちゃんがかわいそうだよっ!」
ダイヤ「…ふふ」
曜「な、なんで笑って――」
ダイヤ「少し前にも、同じことを言われました。お見合いの話を聞いたルビィから、お姉ちゃんがかわいそう、って」
ダイヤ「まあ、そのお見合いの話というのはルビィの勘違いだったんだけど」
ダイヤ「それに、自分では可哀想とか、考えてもいなかったけれど――嬉しいものね」
曜「だって――」
ダイヤ「だったら」
曜「?」
ダイヤ「わたくしのことが可哀想だと思うのならば――どうすればいいか、わかるわよね?」
曜「あ――」
ダイヤ「周りから決められた運命に囚われるのが可哀想だと感じたなら」
ダイヤ「あなたは、自分で運命を決めればいいのよ」
ダイヤ「わたくしには無理でも――あなたには、できるのだから」
22: 2017/03/06(月) 21:59:27.16 ID:qN4C9nBg.net
ダイヤ「もし、あなたが決めた道に文句を言う人がいるなら」
ダイヤ「その時はわたくしが言って差し上げますわ」
ダイヤ「曜ちゃんの運命を決めるのは、あなたじゃない―――ってね」
曜「……うぅっ」
ダイヤ「?」
曜「ダイヤちゃ~~んっ!!」ギュゥゥゥ
ダイヤ「な、な―――」
曜「ダイヤちゃんっ」
ダイヤ「な、なんですのいきなり!」
曜「もし、もしもイヤ~な人がダイヤちゃんをお嫁に貰いに来たら、曜が助けに行くからね!」
ダイヤ「は、はぁ?」
曜「真っ白でかっこいい船に乗って現れて、ダイヤちゃんを悪の魔の手から救ってあげる!」
曜「そしたら、曜もダイヤちゃんも女の子だけど――曜がお嫁に貰うよ!」
曜「曜が、ダイヤちゃんの白馬の王子様になってあげるのであります!」ギュゥゥ
ダイヤ「な―――よ、曜ちゃ―――」
曜「エヘヘ♡」
ダイヤ「…ありがとう」ギュッ
ダイヤ「その時はわたくしが言って差し上げますわ」
ダイヤ「曜ちゃんの運命を決めるのは、あなたじゃない―――ってね」
曜「……うぅっ」
ダイヤ「?」
曜「ダイヤちゃ~~んっ!!」ギュゥゥゥ
ダイヤ「な、な―――」
曜「ダイヤちゃんっ」
ダイヤ「な、なんですのいきなり!」
曜「もし、もしもイヤ~な人がダイヤちゃんをお嫁に貰いに来たら、曜が助けに行くからね!」
ダイヤ「は、はぁ?」
曜「真っ白でかっこいい船に乗って現れて、ダイヤちゃんを悪の魔の手から救ってあげる!」
曜「そしたら、曜もダイヤちゃんも女の子だけど――曜がお嫁に貰うよ!」
曜「曜が、ダイヤちゃんの白馬の王子様になってあげるのであります!」ギュゥゥ
ダイヤ「な―――よ、曜ちゃ―――」
曜「エヘヘ♡」
ダイヤ「…ありがとう」ギュッ
25: 2017/03/06(月) 22:07:52.99 ID:qN4C9nBg.net
曜ちゃんは、憑き物が落ちたように――いつも通りの笑顔で、帰っていった。
わたくしは、将来の事を考えていた。
曜ちゃんの笑顔のように、眩しい夕日を見つめながら。
ルビィは、わたくしの為に暴れてくれるって。
曜ちゃんは、わたくしを助けに来てくれるって。
言ってくれた。
わたくしの人生なんて、もう決まりきったものなのだと。
誰も干渉しようがない、と。
そう思っていた。
でも―――
Aqoursのみんなと接するようになってから。
義務なんて投げ捨てて、わたくしとは全く違う考え方で生きているルビィと、同じことをするようになってから。
ちょっとずつ、わたくしの人生は―――変わってきている。
そんな気がする。
わたくしは、将来の事を考えていた。
曜ちゃんの笑顔のように、眩しい夕日を見つめながら。
ルビィは、わたくしの為に暴れてくれるって。
曜ちゃんは、わたくしを助けに来てくれるって。
言ってくれた。
わたくしの人生なんて、もう決まりきったものなのだと。
誰も干渉しようがない、と。
そう思っていた。
でも―――
Aqoursのみんなと接するようになってから。
義務なんて投げ捨てて、わたくしとは全く違う考え方で生きているルビィと、同じことをするようになってから。
ちょっとずつ、わたくしの人生は―――変わってきている。
そんな気がする。
29: 2017/03/06(月) 22:18:22.53 ID:qN4C9nBg.net
「あ――もうこんな時間」
時計を見ると、もうそろそろ夕食の時間。
曜ちゃんと別れてから、15分もぼーっとしていたみたい。
今日はたしか、お客様が来てお食事会だったわね。
ピロン♪
携帯に、メールの着信音。
from 渡辺曜
今日はありがとう!
あの後すぐ、お父さんに電話で相談してみたんだけど、曜が決めたことならそれでいいって!
ダイヤちゃんのおかげだよ!
明日先生にも話してみる!
お礼に今度、一緒に何か食べに行こうよ!
今日でもいいよ!ハンバーグとか好き?
もう――わたくし、ハンバーグはあまり好きじゃないのに。
でも――。
お食事会を抜け出して、曜ちゃんとデートできるなら―――
食べに行っても、いいかもしれませんわね。
―――なんて。
そんなことしないけれど。
ああ、もう―――やだ。
こんな事を考えるようでは、黒澤家の長女失格かしら。
いや――失格でも、いいかしら?
そしたら、自分の好きなように生きられるし――曜ちゃんに、お嫁に貰ってもらえるかも。
―――なんて、ね。
フフ――♡
わたくしは、ちょっと上機嫌で。
鼻歌なんて、歌ってみたりして――
夕焼けに染まる家までの道を、歩き出すのでした―――
時計を見ると、もうそろそろ夕食の時間。
曜ちゃんと別れてから、15分もぼーっとしていたみたい。
今日はたしか、お客様が来てお食事会だったわね。
ピロン♪
携帯に、メールの着信音。
from 渡辺曜
今日はありがとう!
あの後すぐ、お父さんに電話で相談してみたんだけど、曜が決めたことならそれでいいって!
ダイヤちゃんのおかげだよ!
明日先生にも話してみる!
お礼に今度、一緒に何か食べに行こうよ!
今日でもいいよ!ハンバーグとか好き?
もう――わたくし、ハンバーグはあまり好きじゃないのに。
でも――。
お食事会を抜け出して、曜ちゃんとデートできるなら―――
食べに行っても、いいかもしれませんわね。
―――なんて。
そんなことしないけれど。
ああ、もう―――やだ。
こんな事を考えるようでは、黒澤家の長女失格かしら。
いや――失格でも、いいかしら?
そしたら、自分の好きなように生きられるし――曜ちゃんに、お嫁に貰ってもらえるかも。
―――なんて、ね。
フフ――♡
わたくしは、ちょっと上機嫌で。
鼻歌なんて、歌ってみたりして――
夕焼けに染まる家までの道を、歩き出すのでした―――
31: 2017/03/06(月) 22:21:28.29 ID:qN4C9nBg.net
おわり
32: 2017/03/06(月) 22:22:36.00 ID:fw8ot7LY.net
おつ
めちゃくちゃ良かった
めちゃくちゃ良かった
33: 2017/03/06(月) 22:23:59.10 ID:yrBlgjOg.net
乙
ブラボーですわ
ブラボーですわ
34: 2017/03/06(月) 22:24:11.46 ID:cjd8rGRo.net
たまには友情もいいね
35: 2017/03/06(月) 22:25:34.48 ID:KJWHsNnO.net
ぶっぶいなくてワロタ
すばらし
すばらし
39: 2017/03/06(月) 22:36:32.45 ID:s8+EfeIU.net
|c||;.-;||
40: 2017/03/06(月) 22:38:49.61 ID:bEWpR0Qz.net
普通にSIDにありそうな話だ
乙
乙
50: 2017/03/06(月) 23:20:55.67 ID:qN4C9nBg.net
補足
BD5巻特典のSID(ダイヤ編)を読んでる前提の描写をいくつか含んでいるSSなので、未読の方はぜひ
アニメとは違うルビィちゃんの魅力とダイヤさんの心情が素敵
BD5巻特典のSID(ダイヤ編)を読んでる前提の描写をいくつか含んでいるSSなので、未読の方はぜひ
アニメとは違うルビィちゃんの魅力とダイヤさんの心情が素敵
引用元: http://nozomi.2ch.sc/test/read.cgi/lovelive/1488802815/