澁谷かのんーSS

―かのんの喫茶店― ｶﾞﾁｬ かのん「いらっしゃいませー！何名さ……ま……」 すみれ「久しぶりね」 かのん「すみれちゃん！？」 すみれ「たまたまこの近くで仕事があったから、帰りに寄ってみたんだけど」 かのん「ちょ、ちょっと待ってて！」 かのん「お母ーさーん！今すみれちゃん来て……うん、Liella!の……」 すみれ「マンマルも久しぶり」 マンマル「……」 かのん「お待たせ。いつものでいい？」 すみれ「憶えててくれたのね」 かのん「そりゃあ、私が淹れたカフェオレを一番においしいって言ってくれたの、すみれちゃんだもん」 すみれ「良い話みたいに言ってるけど、美味しくなるまでずっとかのんの修行に付き合わされてただけよ。こっちは」 かのん「その節はどうもどうも」

◆◆◆ 4月、桜の季節。 慣れない制服に身を包んだ私は、 目の前にある少し（かなり？）特徴的な校舎を前にして一人つぶやく。 その特徴的な学校こそが「虹ヶ咲学園」。 これから3年間私が通うことになる学校だ。

すみれ「はいこれ」ｽｯ かのん「え？」 すみれ「開けてみなさい」 ﾊﾟｶｯ かのん「鏡？」 すみれ「面白い顔でしょ？」 かのん「もぉ～すみれちゃ～ん」ﾂﾝﾂﾝｯ すみれ「んふっ」 すみれ「お腹突っつくんじゃないわよ！」

かのん「仕事で使う本を取りにね」 すみれ「あんた、何の仕事してるのよ？」 かのん「えっ？言ってなかったっけ？」 すみれ「音楽関連ってことしか知らないわよ…グループライン、みんなTwitterみたいな使い方してるから近況が分からないじゃない」 5月13日 千砂都{みてみて！どんぐり撮影してたら毛虫が出てきた！ 7月8日 恋{スタバに入ったつもりがドトールでした 7月10日 千砂都{最近イラスト書き始めたんだ～、ほら、カービィ 10月20日 可可{雲南省の山奥への転勤から帰ってきました、可可です、ようやく電波が通じます

かのん「ほら、高校卒業しても、私たちこうして結構２人で一緒にいるじゃん？」 かのん「このまま付き合っちゃうのもありかなって」 すみれ「ありかなって……随分軽く言うわね」 かのん「だって本当によく一緒にいるよ？」 すみれ「それはそうだけれど」 かのん「すみれちゃんといるとラクだし」 すみれ「はぁ……」 かのん「だから付き合ってもいいかなって」 かのん「それともすみれちゃん、好きな人がいる、とか……？」 すみれ「それは、いないけど」 かのん「だったら付き合っちゃおうよ」

かのん「……ぷふっ、あはは」 かのん(あー、何にも考えず動画観漁るの楽し〜) かのん「………」 かのん(でも流石にちょっと飽きてきたかも) かのん(はー……大学の春休み暇すぎるって。無限に時間あるじゃん) かのん(今……23時半……でも今日13時に起きたから全っ然眠くないや) かのん(はー……ボイトレとか夜やると怒られるし……どうしよっかなー) ﾋﾟﾛﾝｯ♪ かのん(ん？通知？なんだろ) 　 　 すみれ:生きてる？ 　 　 かのん「あ！(すみれちゃんじゃん！)」 　 　 かのん:うぃっす！生きてるよー 　 　 かのん(生きてるってなんだw)

■約20000文字■かのん「スクールアイドル王に、私はなるっ！」ﾄﾞﾝｯ! 可可「いきなり何を言ってるデスか？」 恋「何か悪いものでも食べました？」 千砂都「かのんちゃん？　大丈夫？」 かのん「もうっ！　みんな、ノリが悪いよ！」 すみれ「そんなこと急に言われても、こういう反応になるに決まってるでしょうが！」 恋「倒すだなんて、穏やかじゃありませんね」 可可「かのん、争いはできるだけ避けるべきデス」 千砂都「どうしたの？　かのんちゃんらしくないよ？」 かのん「えー」 すみれ「えーじゃないのよ」