【SS】鞠莉「ポーカーで雌雄を決するわよ!」ダイヤ「はぁ??」【ラブライブ!サンシャイン!!】

SS


1: (もんじゃ) 2021/07/05(月) 20:56:13.67 ID:iAFanox3
鞠莉「というわけでダイヤ!ポーカーやりましょ!ポーカー!」

ダイヤ「突然どうしたんです?また何かに影響されたのですか?」

鞠莉「別にいいじゃないなんでも。ほら、ちょうどトランプもあるんだし!」

ダイヤ「……」

鞠莉「やりたくないの?」

ダイヤ「いえ、その……私、いわゆる『役』というのをあんまり知らなくて……」

鞠莉「ん~……あっ!じゃあこういうのはどう?トランプを一枚ずつ引いて数字の大きい方が勝ちってするの!これなら単純でしょ?」

ダイヤ「そこまでしてやりたいの?」

鞠莉「そこまでしてやりたいの!」

ダイヤ「はぁ……」

6: (もんじゃ) 2021/07/05(月) 21:00:31.06 ID:iAFanox3
鞠莉「~♪」シャッシャッ!

鞠莉「ダイヤも混ぜる?」

ダイヤ「……」

シャッシャッ!

鞠莉「はい!これでこの束の順番は誰にもわかりません!ということで大丈夫よね、ダイヤ?」

ダイヤ「ええ、問題ありませんわ」

鞠莉「ところでダイヤ、ポーカーのルールって知ってるの?」

ダイヤ「はい、だいたいですが……掛け金を上乗せしたりするやつですわよね?」

鞠莉「そうよ。特にレイズ額とかに制限は設けないから気軽にやりましょう。それと最低ベットはチップ1枚ね」

鞠莉「あ、あと全部ダイヤに後攻をあげるわ。ハンデとして」

ダイヤ「後攻というのは?」

鞠莉「掛け金を吊り上げるレイズ・勝負に応じるコール・勝負を降りるフォールドの選択を、マリーの選択を見てから決めていいってこと。一般にポーカーでは後攻の方が有利だと言われているの」

ダイヤ(なるほど、相手の選択を見られる分情報量が増やした判断が下せるというわけですね……)

鞠莉「持ちチップは12枚ずつ、ゲームは全部で4回。この条件でどうかしら?」

ダイヤ「いいでしょう。受けて立ちます」

ダイヤ(所詮は運頼みのゲーム。たとえ鞠莉さんが何か罠を仕掛けていたとしてもそう上手くいくはずなんてありませんし)

7: (もんじゃ) 2021/07/05(月) 21:02:36.22 ID:iAFanox3
【一回戦】ダイヤ:12点 鞠莉:12点

鞠莉「はい、それじゃあダイヤも一枚引いて。私は~……これにしよ~っと♪」

ダイヤ「では……」

ペラッ

ダイヤ「ん~……」

鞠莉「あ、数字の強さはAが一番上で2が一番下だからね」

ダイヤ「もし数字が同じだった場合は?」

鞠莉「めんどくさいから引き分けってことにしましょ」

ダイヤ(となると、使われる数字は全13種類。確率的に考えれば

鞠莉「あ、言い忘れてたけどチップ1枚はその抹茶チョコ一個換算のレートだから」チョイチョイ

ダイヤ「はへっ!!?」

8: (もんじゃ) 2021/07/05(月) 21:04:28.30 ID:iAFanox3
ダイヤ「は、はぁぁ!!?ちょっと鞠莉さん!!聞いておりませんわ!!」

鞠莉「だっていま初めて言ったもん。それにモノを賭けなきゃヒリヒリする勝負にならないでしょ?」

ダイヤ「ちょっと鞠莉さん!!そっ、その高級抹茶チョコレートは!!先生方が生徒会にと差し入れで!!」

鞠莉「生徒会のものは実質全部理事長のものよ」

ダイヤ「またそんな屁理屈言って!!!」

鞠莉「もうっ、そんなの勝てばいい話じゃない!それに勝率は五分五分なんだし」

ダイヤ「だからって!!」

鞠莉「あらら~、それともなあに~?もしかして生徒会長さんはマリーにコテンパンにされちゃうのが怖いのかしら~?運頼みのゲームで~」ニヤニヤ

ダイヤ「……」ピキッ!

9: (もんじゃ) 2021/07/05(月) 21:07:35.53 ID:iAFanox3
鞠莉「むふふ~っ♪ダイヤってばほんっといい顔するわね~!そーゆー顔が見たかったのよ♪」

ダイヤ「……」

鞠莉「ふふふ~ん♪」

ダイヤ「……こほん」

ダイヤ(落ち着きなさいダイヤ。冷静さを欠いてはますます鞠莉さんの思う壺よ。大切なのは今ある情報を最大限活用し勝利の確率を1%でも上昇させること)

ダイヤ(私の今の持ち札は♡の10。強さ的には8がちょうど真ん中の値だから、やや勝ちやすい、といったところよね?)

ダイヤ「……」

鞠莉「ダイヤ~、準備できた?」

ダイヤ「……宣言は鞠莉さんからの順番のはずよ」

鞠莉「ふふふっ、そうね。じゃあ~………はい!二枚レイズよ」

ダイヤ「チップを三枚ずつで賭けるということ?」

鞠莉「そういうことになるわね」

ダイヤ「……」

ダイヤ(と、いうことは鞠莉さんもまあまあ強い手なのでしょうか……?)

10: (もんじゃ) 2021/07/05(月) 21:11:26.47 ID:iAFanox3
ダイヤ(考えなさい、考えなさい黒澤ダイヤ。鞠莉さんの性格、クセ、データは既に出そろっているはずよ)

ダイヤ「……」

ダイヤ(仮に鞠莉さんが『まあまあ強い手』なんだとしたら、おそらく……9、10やJあたり?私と同じように)

ダイヤ(だとしたら私の手の強さとはほぼ互角。勝率はちょうど五分五分、分が悪い賭けではありませんわ)

鞠莉(ふふっ、ダイヤってば予想通りごちゃごちゃと精一杯考えてる♪ぜーんぶお見通しなんだけどね)

ダイヤ「いいでしょう。コール。三枚ずつでの勝負に応じます」

ダイヤ(様子見も兼ねて一度勝負に挑んでみることにします)

鞠莉「りょーかい。じゃあショーダウンね。マリーは~……じゃじゃーん!スペードのJデース!ダイヤは?」

ダイヤ「ハートの10ですわ」ペラッ

鞠莉「ということは一回戦はマリーの勝ちね!やった~!」

ダイヤ「……」

11: (もんじゃ) 2021/07/05(月) 21:13:27.91 ID:iAFanox3
【二回戦】ダイヤ:9点 鞠莉:15点

ダイヤ「……」

鞠莉「意外ね。ダイヤって10でも勝負に突っ込んできてくれるのね。ふ~ん♪」

ダイヤ(今ので分かったことがあります。それは鞠莉さんは『持ち札がJであれば二枚分のベットをする』ということ。さらなる判断材料が増えた今、私に死角はありませんわ)

鞠莉「~♪」

ダイヤ(今に見てなさい鞠莉さん。最後には私が華麗に逆転して見せるわよ)

鞠莉「次は~……マリーはこれ!」

ピラッ!

鞠莉「あっ、うっわ……」

ダイヤ「……」ピクッ!

12: (もんじゃ) 2021/07/05(月) 21:15:43.05 ID:iAFanox3
ダイヤ(今、鞠莉さん……明らかに落ち込んだような顔をしてたわよね?一瞬だけだけど)

ダイヤ(ということは、鞠莉さんは必然的に弱い手……)

ダイヤ「鞠莉さん、ベットの方は?」

鞠莉「えっ?あ、そうね。じゃあ……一枚レイズとか?」

ダイヤ「いいんですか?」

鞠莉「まあさっきの分の余裕もあるし……」

ダイヤ「……」

ダイヤ(私の手札はクラブのQ。相手がKやAでなければ確実に勝てる手札)

ダイヤ(さっきの反応からして鞠莉さんがKやAとは考えにくい。一回戦でJの手札で二枚のレイズを吹っかけてきたということは、今回はそれ未満の可能性が非常に高い。ということは……)

ダイヤ「さらに三枚レイズ。これで合計五枚ですわ」チャリン

鞠莉「えっ?そんなに……?」

ダイヤ「どうします?降りますか?」

鞠莉「いっ、いや、勝負を諦めっていうのはマリーの性格に合わないし……」

ダイヤ(でしょうね。鞠莉さんならきっとそう言ってくれると思ってたもの)

鞠莉「……コール。いいわ、ちょっぴり不安だけど」

ダイヤ「本当によろしいんですね?」

鞠莉「ええ、まあ……」

ダイヤ「ではショーダウンです。私のカードはクラブのQ。そっちは?」

鞠莉「私のは……はい。ハートのAよ。ぷぷぷっ」

ダイヤ「へっ!?」

鞠莉「ぷっ……あははははっ!!」

13: (もんじゃ) 2021/07/05(月) 21:18:16.74 ID:iAFanox3
鞠莉「ダイヤってばチョー面白い!!そうね!!クイーンなんて持ってたらつい勝気になっちゃうわよね~」

ダイヤ「ちょっ、鞠莉さん!!?さっき明らかに引いたカードが良くなかったっていう反応をしてたじゃないですか!!」

鞠莉「演技よ演技。ダイヤってばそんなのも見抜けなかったの?」

ダイヤ「はぁぁ!!?」

鞠莉「それなのにダイヤってばすーぐ簡単に引っかかっちゃって!」

鞠莉「あはははっ!ほんとダイヤってば単純で面白いんだから~、スマホで動画撮っとけば良かったわ♪」

ダイヤ「くぅっ……!!」

鞠莉「ぷぷぷっ、『鞠莉さん?本当に大丈夫ですか??』どやっ!だって!!あはははっ!!ちょー面白い!!ずーっと笑いこらえられるかどうかの方が心配だったくらいなんだから!!」

ダイヤ「う、うるさいですわ!!策が一回ハマったからって調子に乗らないでくださいませ!!」

14: (もんじゃ) 2021/07/05(月) 21:20:03.19 ID:iAFanox3
【三回戦】ダイヤ:4点 鞠莉:20点

鞠莉「ふふふ~ん♪」

ダイヤ「……」

ダイヤ(ぐぬぬ、このままでは鞠莉さんにコテンパンにされてしまいます)

ダイヤ(何か、何か逆転の札を……)

ペラッ

ダイヤ「!?」

ダイヤ(おっ!?)

鞠莉「どうしたの?」

ダイヤ「なっ、なんでもありませんわ……」

ダイヤ(き、きたー!!エース!!エースですわ!!)

ダイヤ(これがあればどんな勝負だって引き分け以上には……)

ダイヤ「……こほん」

ダイヤ(だめだめ。ダメよ、手の内を簡単にみせては。ここはいかにも悪いカードだったかのように振舞わなくちゃ)

15: (もんじゃ) 2021/07/05(月) 21:21:26.84 ID:iAFanox3
ダイヤ「はぁ……」

鞠莉「ふーん、その感じだとあんまり良くないってことみたいね」

ダイヤ「ふぇっ!?そ、それは!!その……」

ダイヤ(ナイス演技ですわ私!!いかにも手札が良くないって感じの反応!!パーフェクトですわ!!)

ダイヤ「……鞠莉さんはどうだったのですか?」

鞠莉「そうね、まずまずってところかしら」

ダイヤ「まずまず……じゃあ降りるというのも選択肢に……」ムムム

ダイヤ(いいえ!!あり得ませんわ!!今の私は最っ高の手札ですもの!!)

ダイヤ(今に見てなさい鞠莉さん!!必ずや鼻っ柱を完膚なきまでに叩きのめして見せるわよ!!)

16: (もんじゃ) 2021/07/05(月) 21:22:34.84 ID:iAFanox3
ダイヤ「う~ん……」

鞠莉「まずは私のターンね。えっと……とりあえず一枚レイズよ。はい」ポン!

ダイヤ「……」

鞠莉「ダイヤの番よ」

ダイヤ「えっと……少し考えさせて下さいませ」

鞠莉「ええ、いいわよ」

ダイヤ「う~ん……」

ダイヤ(もちろんこの長考は完全なるブラフ。いかにも強くも弱くもない微妙な手だと思わせといて……)

ダイヤ「……」スーッ

ダイヤ(そして仕草はゆっくりと、おそるおそる)

ダイヤ「……三枚。三枚上乗せします」

鞠莉「へぇ……」

ダイヤ「……」

ダイヤ(何枚賭けようと関係ありませんわ。だって私、絶対にリターンが返ってきますもの)

ダイヤ(さあ鞠莉さん、私の勝負を受け入れなさい。ほら、目の前の罠、とっても美味しく見えるでしょう?)

ダイヤ(そして私は、まんまとハマった鞠莉さんを今度こそ……)

鞠莉「フォールドよ」

ダイヤ「へっ!?」

17: (もんじゃ) 2021/07/05(月) 21:23:42.65 ID:iAFanox3
鞠莉「はい、チップ二枚はダイヤにあげるわ」

ダイヤ「ちょっ、鞠莉さん!!?さっき勝負は絶対に降りないって!!」

鞠莉「ダイヤの手はなんだったの?見せて見せて!」ピッ!

ダイヤ「あっ!!」

鞠莉「ふ~ん、Aだったのね。良かったじゃない、強い手を引けて」

ダイヤ「ちょっ、はぁぁ!!?」

鞠莉「でも良かった~、無理やり勝負しにいかなくって。Kだったから危うく負けるところだったわ」

ダイヤ「絶対降りるような手じゃありませんよね!!?それ!!」

鞠莉「そう?たまにはそういう気分だってあるわよ。人間だもの」

ダイヤ「またそうやってわけのわからないことを……!!」

鞠莉「むふっ♪」

ダイヤ「ぐぬぬ……!!!」プルプル

鞠莉(うふふっ、ダイヤってばすーっかりお顔真っ赤にしちゃって~、ほんとカワイイんだから♪)

鞠莉(あははっ!やっぱりダイヤを手玉にとるのって面白いわよね~♪だってこっちが思った通りの反応してくれるんだもん!)

18: (もんじゃ) 2021/07/05(月) 21:26:34.14 ID:iAFanox3
ダイヤ「もしかしてイカサマですか!?」

鞠莉「違うわよ。トランプならダイヤだってちゃんと混ぜてるはずじゃない。文句があるなら違うトランプを使ったって構わないわよ?」

ダイヤ「……」

鞠莉「……むふふっ♡」

鞠莉(トランプの方にはなーんにも仕掛けなんてしてないわ。タネはぜーんぶあなたの方にあるのよ、ダイヤ♪)

ダイヤ「むぅ……」

鞠莉(秘密はダイヤの口元のほくろデース!ダイヤって嘘や演技をしようとするときお口の端っこが微妙に吊り上がる癖があるの)

鞠莉(だからちょうどほくろの位置が上下に動くか確認していれば……考えてることなんてぜーんぶお見通しってわけ。もう手にとるようにわかっちゃうんだから♪さっきの選択が実は自信たーっぷりだったってことも)

鞠莉(そこからダイヤの手札にある程度予測を付けて立ち回れば……圧倒的なパーフェクトゲームの完成ってわけデース!)

19: (もんじゃ) 2021/07/05(月) 21:28:02.25 ID:iAFanox3
ダイヤ「……」

鞠莉(うふふっ、焦ってるって顔してる♪当然よね、トランプに細工なんてしてないし、自分がどう見られてるのかなんて自分じゃわかんないものね)

鞠莉(つまりはダイヤ、あなたはもうマリーの手のひらの上ってこと♪これから先もずーっとずっと………うふふっ♪)

ダイヤ「……」ジーッ…

鞠莉(ダイヤってばほーんと面白いんだから♪考えてること全部まるわかりだし。それこそずーっと見てても飽きないくらい。このままマリーだけのものになっちゃえばいいのに)

鞠莉(そしたら、普段からの口うるさいお小言だって……)


ダイヤ『くぅぅ……ま、負けました。私、一生鞠莉さんの従順なしもべですわ……』

鞠莉『そう?じゃあこれからマリーのいうことにはな~んでも従ってもらうからね!なんでも!』

ダイヤ『はい。鞠莉さんには一生逆らえませんわ……』

鞠莉(な~んちゃって、てへっ☆)

鞠莉「むふふ………♪」

ダイヤ「……」

20: (もんじゃ) 2021/07/05(月) 21:29:26.38 ID:iAFanox3
【四回戦】ダイヤ:6点 鞠莉:18点

ダイヤ「ん~……」

鞠莉「ほーら、考えてもムダよ。早くカード引いちゃってよ」

ダイヤ「……」

鞠莉「私は~……これにしよーっと」

ピラッ!

鞠莉(スペードのK!ふふっ、キングだなんてまさにマリーにぴったりね!)

ダイヤ「私は……これにしますわ」

ペラッ

ダイヤ「……」

鞠莉「ふーん……」

21: (もんじゃ) 2021/07/05(月) 21:30:51.26 ID:iAFanox3
ダイヤ「……はい。では鞠莉さんの宣言の番ですよ」

鞠莉「そうね。確認だけど……ダイヤは今と~ってもピンチだってこと、ちゃんと理解してる?」

ダイヤ「……」

鞠莉「この勝負に勝つためには、ダイヤは最低でもコールをして、なおかつトランプでも勝たなくちゃいけないの。じゃないとチップ増えないでしょ?」

鞠莉「大丈夫?ちゃんと勝てるの??」

ダイヤ「うるさいですわ。早く宣言をしてください」

鞠莉「じゃあ……うふっ、二枚レイズよ」スッ

ダイヤ「……」

22: (もんじゃ) 2021/07/05(月) 21:32:29.36 ID:iAFanox3
鞠莉「はい、ダイヤのターン」

ダイヤ「……」

鞠莉「ちなみにいい事教えてあげるけど、私の手札はスペードのK。つまり勝つためには最低でもK、もしくはAが必要よ」

ダイヤ「……どうせまたブラフなんでしょ」

鞠莉(もうっ、強がっちゃって~。マリーが嘘ついてないってことくらい、ダイヤだってとっくにお見通しなんでしょ?)

ダイヤ「……」

鞠莉「……ふふっ、ダイヤってばほんと可愛いんだから」

ダイヤ「まだ勝負は終わっておりませんわ。私のターンです」

ダイヤ「私の、選択は……」

トンッ

ダイヤ「……さらに三枚レイズ。オールインです」

鞠莉「えっ?」

23: (もんじゃ) 2021/07/05(月) 21:33:34.39 ID:iAFanox3
ダイヤ「……」

鞠莉「……あら、面白いこと言うのね」

ダイヤ「……」

鞠莉「へぇ~……自信あるんだ」

ダイヤ「はい、もちろんですわ」

鞠莉「ふ~ん……」

ダイヤ「……」

鞠莉(……嘘ね)

24: (もんじゃ) 2021/07/05(月) 21:37:33.00 ID:iAFanox3
鞠莉(どんなに強がってても、くちびるの端っこがプルプル震えちゃってるの、隠しきれていないわよ?)

鞠莉(それにさっきからダイヤは目を合わせようとしてこない。嘘をつこうとしてる証拠よ。だって自信あるんだったら絶対に私のこと睨みつけてくるはずだもん、ダイヤの性格的に言って)

ダイヤ「……」

鞠莉「ほんとにいいの?今なら取り消したって構わないけど」

ダイヤ「すぅ、はぁ~……こほん。ええ、大丈夫ですわ」

鞠莉「そう……」

ダイヤ「では、これで成立

鞠莉「待って、もう一つだけ追加させて。もし私が勝ったらダイヤが私にごめんなさいすること。いい?」

ダイヤ「はっ、はぁぁ!!?」

25: (もんじゃ) 2021/07/05(月) 21:39:27.99 ID:iAFanox3
ダイヤ「ちょっ、鞠莉さん!?私なんにも悪いことなどしていないはずでしょう!!?」

鞠莉「違うわ、今までのことよ」

ダイヤ「今まで?」

鞠莉「ええ。今までたくさんマリーのことを傷つけたこと、私が嫌な想いをしちゃったこと全部、ダイヤのせいだって認めてよ。ちゃんと」

ダイヤ「……」

鞠莉「ダイヤたちのせいで二年間……ううん、私の人生めちゃくちゃにされちゃったんだもん。責任くらいとってよね」

ダイヤ「別に私のせいではありませんけどね」

鞠莉「そういうことが聞きたいんじゃないの。ごめんなさいって言って欲しいの。どう?できる?」

ダイヤ「……」

ダイヤ(もしかしてこの人、最初からこの要求を飲ませようと……)

鞠莉「ダイヤ??」

ダイヤ「……いいですわ。ただし、もし鞠莉さんが勝てばの話ですが」

鞠莉(よっし!これで勝率は100%!勝負も、要求も、全部飲み込んでもらうんだから!)

鞠莉(さあ、ダイヤ!私だけのものになりなさい!)

鞠莉「ふふっ、りょーかい。じゃあショーダウンね!」

ピラッ!

鞠莉「はい!私のは宣言通りスペードのKよ!そっちは?」

ダイヤ「私は……」

ペラッ!

鞠莉「……へっ?嘘!?」

26: (もんじゃ) 2021/07/05(月) 21:40:49.68 ID:iAFanox3
ダイヤ「ふぅ……」

鞠莉「ちょっ、ホワァッ!!?No way!!嘘よこんなの!!」

ダイヤ「嘘って、何がですか?」

鞠莉「だってダイヤがA持ってるなんて……さっき自信ないって言ってたじゃない!!」

ダイヤ「えっ?……ああ、やっぱり鞠莉さんにはバレていたんですね」

ダイヤ「はい。確かに私は自信は全くありませんでしたわ。勝てるかどうかわかりませんでしたし」

鞠莉「はぁぁ!!?だってダイヤ!!自分の手がAだってこと!!」

ダイヤ「いいえ、知りませんでした。だって私、今初めて自分の手札を確認したんですもの」

鞠莉「うぇぇ!!?」

27: (もんじゃ) 2021/07/05(月) 21:43:10.42 ID:iAFanox3
ダイヤ「どうせ鞠莉さんは私の顔や仕草から手札を想像する術を持っているのでしょう?それが何かは存じ上げませんが」

ダイヤ「だから敢えて自分でも手札がわからないようにすれば、悟られることもないだろうと踏んだのですが……良かったですわ。それがいい方向に進んでくれて」

鞠莉「でもっ!!そんなの!!」

ダイヤ「ええ。もし仮に鞠莉さんの手札が宣言通りKだったとして、勝てる確率は約1/13。ですが鞠莉さんに勝つためにはこうする他ないと思ったんです」

ダイヤ「ほら、鞠莉さんって昔から勝負事に強いから。私ってばずーっと負けてばっかりだし」

鞠莉「ダイヤ……」

ダイヤ「お見事ですわ。圧倒的な運を以てしても、最終結果は五分五分……やっぱり鞠莉さんには敵いませんでした」

ダイヤ「けど………最後の大勝負に関して言えば、私の見事な大勝利だったみたいですけどね。うふふふふっ♪」ドヤッ!

鞠莉「……」

28: (もんじゃ) 2021/07/05(月) 21:44:32.07 ID:iAFanox3
【最終結果】ダイヤ:12点 鞠莉:12点

ダイヤ「いただきま~す」

ペリッ!

ダイヤ「んっ、美味しい……うふふっ、やっぱりお抹茶は美味しいですね。ねっ、鞠莉さん?」

鞠莉「……」

ダイヤ「もうっ、いつまでも拗ねるおつもりですか。そんなことしてると私が全部食べちゃいますよ?」

鞠莉「……」

ダイヤ「いらないんですか?」

鞠莉「……イヤ、そんな気分じゃない」

ダイヤ「えぇ~?」

鞠莉「むぅ……ダイヤのばか。絶対マリーが勝つ流れだったじゃん」

鞠莉「ばか。ばかばか。ばーか」

ダイヤ「そんなに『ごめんなさい』して欲しかったんですか?」

鞠莉「……うるさい」

ダイヤ(して欲しかったんですね。はぁ……)

鞠莉「……」

29: (もんじゃ) 2021/07/05(月) 21:45:49.01 ID:iAFanox3
ダイヤ「じゃあチョコは全部食べちゃいますね。いただきます」

鞠莉「……」

ダイヤ「……」モグモグ

鞠莉「……」

ダイヤ「……はい、あーん」スッ

鞠莉「あーん」

パクッ!

鞠莉「んっ!何このチョコ!!すっごく美味しい!!ビターだけどスイートな……」

ダイヤ「……ふふっ」ニマッ

鞠莉「あっ……///」

30: (もんじゃ) 2021/07/05(月) 21:46:35.41 ID:iAFanox3
ダイヤ「やっぱり、チョコレート食べたかったんじゃないですか。もうっ、ほんとに子供なんだから」

鞠莉「うるさいっ!!子供じゃないわよっ!!ただ無意識のうちに食べちゃっただけ!!//」

ダイヤ「はいはい、鞠莉さんはまだまだ子供ですわよ」

鞠莉「むぅぅ~!!!」

ダンッ!

鞠莉「もう一回!!もう一回勝負するわよ!!ダイヤ!!」

ダイヤ「えぇ~?」

鞠莉「いいからやるの!!マリーが勝つまで続けるの!!」

ダイヤ「はぁ……」



この後またまたボコボコにされた

31: (もんじゃ) 2021/07/05(月) 21:47:07.70 ID:iAFanox3
終わりです。お読み下さりありがとうございました

32: (やわらか銀行) 2021/07/05(月) 21:55:07.15 ID:8I9vamqf

ダイマリはこうでないと

33: (もこりん) 2021/07/05(月) 22:29:34.89 ID:G+Vw28XZ
よきかなよきかな

引用元: https://nozomi.2ch.sc/test/read.cgi/lovelive/1625486173/

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