【SS】かのん「可可ちゃんの眠れない夜」【ラブライブ！スーパースター!!】

かのくぅ(クーカー)

かのんちゃんの部屋、深夜――

可可「かのん、かのん」

かのん「んー…なにー…？」

可可「目が冴えて眠れマセン」

かのん「わかる、そういう日あるー…」

可可「それもこれも、かのんが寝る前にカフェオレを飲もうって誘ったからデス」

かのん「えー、そう…？」

可可「他に原因が思いあたりマセン」

かのん「私は眠いから、違うと思うー…」

可可「納得できないデス。同じものを飲んだのに、どうして可可だけが眠れない夜を過ごさなければならないのデスか」

かのん「んー…」

可可「そりゃ、かのんの入れてくれたカフェオレは、甘くてあたたかくて、すっごく美味しかったデスが…」

かのん「…」

可可「かのん？」

かのん「…zzz」

可可「ああっ、可可を残したまま寝ないでクダサーイ！」

――――――――

翌日

千砂都「ういっすー！おはよー！」

可可「…おはようございマス」

千砂都「あれれ、可可ちゃん寝不足？」

可可「…昨日はかのんが寝かせてくれマセンでした」

千砂都「！？」

……………………………………

かのんちゃんの部屋、深夜

可可「かのん、かのん」

かのん「んん…なぁに…」

可可「眠れマセン」

かのん「寝ようよぉ…昨日も寝るの遅かったじゃん…」

可可「眠れないのデス。睡眠不足の反動で、お昼寝をしすぎマシタので」

かのん「うーん…居眠りは良くないよ…」

可可「そんなわけで、全然眠くありません」

かのん「なら、眠くなるまで別のことすれば…」

可可「もう夜中の二時デス。物音を立てれば、かのんのご家族のご迷惑になりマス」

かのん「静かに本読むとか…ネットとか…」

可可「暗い中で目を使うのは良くないデス」

かのん「じゃあ目をつぶったまま読む…」

可可「それが出来たら、人類は眼精疲労に悩まされてマセン」

かのん「だよねぇ…おやすみぃ…」

可可「かのん？ダメですよ、また自分だけ眠りに落ちては」

かのん「…zzz」

可可「かのんっ、かのんっ…ああもうっ、一緒にいるのに一人ぼっちにしないでクダサイ～！」

――――――――

翌日

すみれ「おはよ…って、あんた、目の下のクマが酷いことになってるじゃない」

可可「…パンダみたい、とか言ったら怒りマスよ」

すみれ「言ってないし、思ってもいないわよっ。寝てないの？」

可可「ちゃんと寝まシタ…太陽がのぼってからデスが」

すみれ「それは寝たって言わないわ。いい？ショウビジネスの世界では身体が資本、自己管理ができない者にはプロ失格の烙印が押されるのよ」

可可「お得意のショウビジネス談議なら…ヨソでやるがいいデス…」

すみれ「心配して言ってるの。無理がたたって体調を崩しでもしたら、元も子もないじゃない」

可可「う…」

すみれ「夜更かしの楽しさはわかるし、もしかしたら色々と頑張ってるのかもしれないけど、今日は早く寝なさい」

可可「…ご忠告に感謝デスが、すみれは一つ大きな見込み違いをしていマス」

すみれ「ん、どういうこと？」

可可「可可は、夜更かししたいから寝ないのではありません…」

すみれ「つまり？」

可可「自分の意思でどうにかできるものでは無い、ということデス…可可の眠れぬ夜は、かのんが原因なのデスから…」

すみれ「！？」

……………………………………

かのんちゃんの部屋、深夜

可可「かのん、かのん」

かのん「うーん…どしたのー…」

可可「眠れマセン。今日も今日とて眠れマセン」

かのん「寝ようよー…」

可可「可可だってそうしたいのデスが、生活リズムがすっかり夜型になってしまって」

かのん「ずっと夜更かししてるからだよぉ…おやすみぃ…」

可可「かのん、寝ないでクダサイ」

かのん「えー、なんでぇ…？」

可可「かのんと一緒に起きていたいデス。だから寝ないでクダサイ」

かのん「私は眠いもん…ふぁぁ…」

可可「…可可、寂しいデス」

かのん「…えっ？」

可可「昨日もその前も、寝返りばかりの寂しい夜デシタ。暗がりに取り残されて、心細くて、一緒にいるのに一人ぼっちの迷子になったみたいで…」

かのん「可可ちゃん…」

可可「わがままなのはわかっていマス。無理に起きていて欲しいとは思いません。寝不足は辛いデス」

かのん「…」

可可「こっちを向いて、手を握ってくれるだけで良いんです。それできっと可可は夜を越えられます。だから、だから…」

かのん「…うん、わかった」

可可「…！」

かのん「ごめんね。こんなに近くにいるのに、一人きりにさせちゃって。寝不足だって、元はと言えば私のせいなのに」

可可「そうじゃありません、かのんを責めたかったわけでは…」

かのん「わかってるよ。だからさ、寝付けるまで、お話しでもしよっか」

可可「かのん…本当に、可可の夜に付き合ってもらえるのデスか？」

かのん「また私の方が先に寝ちゃうかもだけどね」

可可「嬉しいデス！可可、話したいことがいっぱいありマス！」

かのん「ふふっ。話に夢中になりすぎて、逆効果にならないようにしないとだよ？」

可可「ハイっ！」

――――――――

可可「そのとき、すみれがギャラクシー談議を始めて」

かのん「うん、うん…」

可可「途中からは千砂都やレンレンも話に加わって」

かのん「うん…」

可可「今度はかのんも誘ってみんなで行こうって」

かのん「…」

可可「かのん？」

かのん「すぅ…すぅ…」

可可「…ありがとう、かのん。疲れていたのに、わがままに付き合わせてしまって、ごめんなさい」

かのん「くー…」

可可「でも、嬉しかったデス。手を繋いで、二人でゆっくりとお話しすることが出来て。なんだか、かのんにもっと近づけたような気がしマス」

かのん「すー…くー…」

可可「今ならそっと抱きしめても、いいですよね？」

かのん「んん…くー…くー…」

可可「ふふっ、あったかい。寝顔もとっても可愛いデス。ふぁぁ…おやすみ、かのん…」

――――――――

翌日

恋「今日は可可さんだけでなく、かのんさんも寝不足ですか」

かのん「あはは、ちょっとねー…」

恋「でも、見たところ可可さんはお元気そうですね」

可可「聞いてクダサイ、レンレン！昨日の夜、かのんと可可は、ついに一夜を共にしたのデス！」

かのん「こーら、言い方」

恋「昨日もお泊まり会だったのですね。ふふっ、仲睦まじいことです」

可可「今度はレンレンも一緒にどうですか？」

恋「えっ、よろしいのですか？」

可可「それはもうぜひぜひ！」

かのん「待って、可可ちゃん。恋ちゃんが泊まるのは大歓迎だけど、私の部屋に3人は流石に狭いし、夜は静かにしてなきゃだし…」

恋「でしたら、私の家で、というのはどうでしょうか」

かのん「恋ちゃんの家に？」

恋「はい。部屋は沢山ありますし、音も気になりません。それにせっかくですから、千砂都さんやすみれさんもお招きして、みんなで楽しく過ごせたら、なんて」

かのん「わあ、それいい！」

可可「素晴らしいアイデアです、レンレン！週末はみんなでお泊まりパーティデスー！」

恋「ふふっ、明るく賑やかな夜になりそうですね」



終わり

おまけ

すみれ「じゃあ、千砂都も可可から聞いたのね」

千砂都「う、うん。でも、ただならぬ言い方だったから、それ以上は聞けなくて」

すみれ「やはり…二人がそういう間柄になったのは間違いなさそうだけど、それだけに安易に踏み込むわけにはいかないわ。馬に蹴られたくは無いし」

千砂都「私も同意見だけど、話が一人歩きして広まったりしないか、気掛かりだよね…」

恋「馬という言葉が聞こえましたが、乗馬の話ですか？」

千砂都「わわっ、恋ちゃん！？」

すみれ「ち、違うわ、その…かのんと可可のことを話していたの」

恋「それはちょうどいいです！実はお二人から、今度の週末にお泊まり会をしないかと提案がありまして」

千砂都「えっ」

すみれ「お、お泊まり？私たちも？」

恋「はい。聞けば、お二人は昨日一夜を共にしたとのことで」

千砂都「一夜を、共に…！？」

恋「それはもう、めくるめく素敵なひと時であったと」

すみれ「めくるめく、素敵なひと時…！？」

千砂都(ちょ、ちょっとちょっと二人とも！)

すみれ(一体全体、恋になんてこと教えてるのよー！？)

恋「我が家なら部屋も沢山ありますので、懇親を深めるためにも、ぜひお二人もお誘いしたいなと」

千砂都(懇親を深めるお誘い…それはまさか、みんなと、そ、そういうことについて…！？)

すみれ(こ、これは…とんでもないことに、なっちゃったったらなっちゃったのよー！)


週末めっちゃお泊まり会した。

かのくぅが可愛かったので書いてしまいました。秋の夜長かのくぅと深読みしすぎなすーちーでした。

宣伝となり恐縮ですが、下記はかのくぅの過去作です。よろしければ併せてお願いします。

かのん「一番美味しいところ」
https://fate.2ch.net/test/read.cgi/lovelive/1633221933/

ありがとうございました。