【SSコンペ】花帆「さやかちゃん、それはまずいって」梢「何がまずいのかしら？」【ラブライブ！蓮ノ空】

コンペ参加作品です

ラブライブ！SSコンペを開催します！
https://nozomi.2ch.sc/test/read.cgi/lovelive/1685782999/
　

花帆「さやかちゃん、さすがにそれはまずいって～」

さやか「大丈夫ですから。任せてください」

梢「あら、何がまずいのかしら？」

花帆「こ、梢センパイ！？」

花帆「今日は用事で遅くなるんじゃ…」
　

梢「そうね、用事はあるのだけれど、その前に部室に忘れ物を取りにきたの」

さやか「そ、そうなんですか」

花帆「わ、忘れ物はなんですか？探すの手伝います！」

梢「大丈夫よ。場所はわかっているの」

梢「それで、何のお話をしていたの？」
　

さやか「な、なんでもありません」

さやか「乙宗先輩もお忙しいでしょうから…」

梢「村野さん？私は花帆さんに質問したのだけれど」

さやか「ﾋｴｯ…」

梢「怒っているわけではないのよ？ねえ花帆さん」

花帆「は、はいっ！」
　

花帆「あっ、でもでも梢センパイ、お時間は大丈夫なんですか？」

梢「あら、心配してくれるのね。でも少しくらいなら大丈夫よ」

梢「花帆さんは気遣いできて本当に優しい子ね」

花帆「えへへ」

梢「で、そんな優しい花帆さんは私に隠し事なんてしないわよね」

花帆「も、もちろんですよ～」
　

花帆「で、何の話でしたっけ～」ｽｯﾄﾎﾞｹ

梢「もう花帆さんったら、忘れてしまったの？」

梢「仕方ないわね」

梢「村野さん、何の話をしていたのか花帆さんと私に教えてくださる？」

さやか「ええ！こっちに来るんですか！？」
　

花帆（さやかちゃん、もう隠しきれないよ…）

さやか（ちょっと花帆さん、まだ内緒ですって！）

花帆（でも、こうなったら隠しきれないって！）

さやか（なんとか乙宗先輩の用事の時間まで粘りましょう！）
　

梢「何をコソコソ話しているのかしら？」

さやか「いえ！なんでもありません！」

さやか「ところで綴理先輩はまだいらっしゃらないんでしょうか」

花帆（別の話題を振った！ナイスさやかちゃん！）

梢「あの子、まだ来ていないの？」

梢「随分前に部室に行くと言って教室を出ていったと思うのだけれど」
　

梢「まあ、どこかで道草でも食っているんでしょう」

さやか「そうでしたか。私は綴理先輩を探してくるのでこれで…」

花帆「ちょっとさやかちゃん！逃げないでよ～！」

梢「逃げる？誰から？」

花帆「ｱｯ…」
　

梢「村野さんも、別に探しに行かなくて大丈夫よ？」

梢「綴理なら放っておいてもそのうち来るわよ」

さやか「で、ですよね～」

花帆（この空気どうしよう…）

さやか（花帆さんも悪いんですよ）

花帆（それは、さやかちゃんが逃げるから…）
　

梢「今日は本当に二人とも様子が変よ？」

梢「……もしかして私、二人に嫌われるようなことをしてしまったかしら」

花帆「そそそそそんなわけないじゃないですか！」

さやか「そうですよ！私も花帆さんも乙宗先輩のこと大好きですし、尊敬しています！」

梢「でも、ここまで露骨に隠し事をされると、ねえ？」ｼｭﾝ…
　

花帆（さやかちゃん、やっぱりもう言っちゃおうよ）

花帆（あたし、梢センパイの悲しい顔見たくないよぉ）

さやか（そうですね…私も心苦しくなってきました）

さやか（綴理先輩には悪いですが、もう言うしか…）
　

ｶﾞﾗｶﾞﾗ

綴理「さやー、かほー、借りてきたよ～」

綴理「こずの誕生会で使うかざ、り？」

梢「あっ…」

綴理「あれれ？なんでこずが？」
　

綴理「あっ、今のはウソだよ。忘れて」

梢「それは…流石に無理があるでしょう…」

花帆「うわーん、綴理センパ～イ」

さやか「すみません、私たち…」

綴理「どうしたの？三人とも泣きそう？」
　

梢「わ、私は別に…」ｸﾞｽﾝｯ

花帆「あわわわ、梢センパイが泣いちゃった！」

梢「これは、その、違うのよ…」ｽﾞｽﾞｯ

梢「あ、安心したら涙が溢れてきただけで…」ｸﾞｽｯ

さやか「あぁ！私ティッシュ取ってきます！」

綴理「ええ？？どうなってるの？」
　

花帆「梢センパ～イ！ごめんなさ～い！」

梢「いえ、私の方こそごめんなさい」ｸﾞｽﾞｯ

梢「せっかく誕生会を企画してくれていたのに…」ﾋｯｸ

梢「サプライズ、だったのよね…」ｽﾞｽﾞｯ

さやか「ティ、ティッシュどうぞ」

梢「ありがとう。村野さんも、ごめんなさいね」ﾁｰﾝ

さやか「そんな、謝らなければいけないのはこちらの方で…」

綴理「君たちは何の話をしているんだ…」
　

梢「…ふう。少し落ち着いたわ」

花帆「すみませんでした。まさかそこまで辛い思いをさせてしまうと思っていなくて…」

さやか「本当に傷つけるつもりはなくて、私たちも少しパニックになってしまって…」

梢「わかっているわ。これは私が一人で勝手に思い詰めて泣いてしまっただけよ」

梢「二人が気にすることではないわ」

花帆「梢センパイ…」

綴理「待ってくれ、おぼれそうだ」
　

梢「ところで、気になっていたのだけれど」

梢「一体なにがまずかったのかしら？」

花帆「あー、それはですねー…」

さやか「乙宗先輩のお誕生日がもうすぐですし、サプライズ演出を話し合っていたんです」

さやか「それで、爆竹を使うのがいいんじゃないかって提案したんですけど…」

花帆「でもさやかちゃん、爆竹を使うのはまずいって！学校だし、室内だよ！？」

さやか「いえ、そんなことありませんよね？」

花帆「いやダメだって、常識的に！」
　

梢「あら、いいじゃない爆竹」

花帆「ウソ、梢センパイまで！？」

梢「スクールアイドルクラブでは先輩のお誕生日を祝うのに爆竹を使うのが伝統だそうよ」

梢「私も爆竹でお祝いされることを少しだけ期待していたわ」

さやか「ですよね！私もどこかで聞いた覚えがあって」

花帆「ええー！？そうなんですか！？」
　

さやか「だから大丈夫って言ったじゃないですか」

花帆「うぅ…なんか納得できないよ…」

梢「そういえば、私たちも去年爆竹で先輩のお誕生日をお祝いしたわよね？」

綴理「え、そうだね？」

梢「その先輩はなぜかその後すぐスクールアイドルを引退してしまったのだけれど」

花帆「え？それって…」

綴理「あれ？ボク、怒られないの？なんで？」
　

こうしてスクールアイドルクラブの伝統は守られたのだった

おしまい