【SSコンペ】【つづこず】『雨の降る夜に』【ラブライブ!蓮ノ空】

SS


1:代行(茸) 2023/06/14(水) 19:42:25.50 ID:pHQAejQ5
SSコンペ参加作品です。

梢と綴理のお話。Link!Like!ラブライブ! 第八話のネタバレを含みます。
工 描写も少しあるので、苦手な方はご注意ください。
 
2: (らっかせい) 2023/06/14(水) 19:44:24.61 ID:qT6O4Q2A
梢「つづりのいえにとまることになりました、と……これでいいのよ、ね?」

悪戦苦闘しながら、なんとかスマートフォンで花帆さんに文を送って。

梢「ふぅ……」

綴理に借りたシャツを着て、ふかふかのソファに座る。
その綴理は湯浴み中。

『友だちと一緒に家のお風呂に入るのが夢だったんだけど』なんて言って。

寮のお風呂では一緒に入ったのだから、別に抵抗などはないのだけれど。
……もう一度、入ってあげればよかったかしら。
 
3: (らっかせい) 2023/06/14(水) 19:45:30.89 ID:qT6O4Q2A
そんな風に、綴理は自分の気持ちを口に出すようになってきたのだと、一緒に居て気が付いた。
それは綴理が"先輩"になったからで。
私の方も"センパイ"になって変わってきたことも、あるのかもしれない。

―――撫子祭のライブを四人で行うため。
花帆さんの提案で、『足並みが揃うまでくっついている』ことになって。

『お互いのことを、もっと知るために』
『お互いのことを、もっともっと好きになるために』

それこそ、朝から晩まで綴理と一緒にいたのよね。
例えば……。


○○○
 
5: (らっかせい) 2023/06/14(水) 19:46:41.12 ID:qT6O4Q2A
梢「……ほら綴理、おはよう、もう朝よ」

綴理「んー…………ぐー」

村野さんから託された鍵で綴理の部屋に入って。
二年生になっても、朝弱いのは変わっていないみたい。

……寝ている顔も、芸術品のように綺麗。
そのまま起きないのではないかと錯覚させるような静謐さで。

だけれど、託された以上、しっかり勤めを果たしませんとね!
意を決してゆさゆさと揺さぶって。

梢「綴理、ほら綴理、起きないと」

綴理「ぐー………」

梢「ぐーって口で言っているのなら起きているのでしょう? ほら、起きて」

ばさぁっと布団を引き剥がすと、縮こまっている綴理の全身が現れた。
 
6: (らっかせい) 2023/06/14(水) 19:48:02.65 ID:qT6O4Q2A
綴理「ん~……こず、きびしい」

梢「はいはい、厳しくて悪うございました」

綴理「……くんくん。いい匂い」

梢「……。ええ、綴理の好きなリリー・ミュゲを用意してあるから。……起きて、一緒に飲みましょう?」

綴理「んーーーーーー。……おはよう、こず」

梢「ふふ、おはよう、綴理」

ぼーっとした顔で挨拶する綴理には、流石に芸術品の要素はなくて。
それが何故かおかしくて。つい、少し顔が綻んでしまった。

綴理「こず、楽しそう?」

梢「……どうかしら。さ、椅子に座って」

綴理「ありがとう、こず。……この紅茶、久しぶり」

梢「……そうね」
 
7: (らっかせい) 2023/06/14(水) 19:49:11.51 ID:qT6O4Q2A
ラブライブ!予選の後。
クラブで二人きりになってしまった私達。

それぞれのソロ練習の合間、よく綴理に振舞っていた。
リリー・ミュゲ。鈴蘭の紅茶。
花言葉は、『幸せの再来』。

……花帆さんや村野さんがクラブに入ってきてからは、二人きりで紅茶を飲むことはなくなっていた。

綴理「おいしい」

梢「そう……嬉しい、わ」

ゆっくり紅茶を飲む綴理の横顔はとても綺麗で。
……正直、悪い気分ではなかった。


○○○
 
8: (らっかせい) 2023/06/14(水) 19:50:24.40 ID:qT6O4Q2A
女生徒A「わ……見て、乙宗さんと夕霧さんよ」

女生徒B「相変わらず綺麗でお似合い……」

女生徒C「復縁されたのかしら……」

ずんずんと廊下を進む私にぴったりとくっつく綴理。
これは何を言われても仕方ないわよね……。

教室に入り、椅子をくっつけてぴったり隣にくっつく綴理。
クラスの皆さんの視線が、自然と集まる。

女生徒D「乙宗さん……?」

梢「え、ええと、気にしないでくださると嬉しいわ」

綴理「そう。こずとくっついてるだけ」

女生徒D「は、はあ……わかりましたわ」

付近の生徒になんとか無理矢理微笑んで、なんでもないと告げて。
 
9: (らっかせい) 2023/06/14(水) 19:52:17.06 ID:qT6O4Q2A
予鈴が鳴り、教卓に着いた先生がこちらを二度見返して。

先生「乙宗さん、夕霧さん……?」

梢「授業に迷惑はかけないと誓います。始めて頂けるでしょうか」

綴理「こくこく」

先生「そ、そう……? 乙宗さんがそう言うのなら……じゅ、授業を始めますね」

ふぅ……なんとかなったわね。
幸いにして授業は数学。
綴理も真面目に受けている。

―――綴理は、答えを求める。
答えが確実に出る数学が得意で。

破天荒に見えて約束は必ず守るし、私との関係が何故こうなったのかも理解できているのでしょうね。
だから、あの予選の後、私の提案を了承してくれた。
きっと、解決方法が無いという答えを理解して。
 
10: (らっかせい) 2023/06/14(水) 19:53:30.78 ID:qT6O4Q2A
『二人では駄目だけど、四人でなら』
そして現在、綴理はそう言った。
綴理から見て、これが解決方法足りうると判断できたのだろう。

私だって……。

ちら、と傍らを盗み見る。
真剣に授業を受けている綴理。
その横顔は、とても綺麗で。
その姿に吸い込まれてしまいそう。

綴理「どうしたの、こず。茹でたての蟹みたいだよ? 具合でも悪い?」

梢「……いいえ、大丈夫よ。集中しましょうね」

―――半ば自分に言い聞かせるようにして。


○○○
 
11: (らっかせい) 2023/06/14(水) 19:55:13.50 ID:qT6O4Q2A
一緒にモーニングティーを過ごして。
一緒に登校して。
一緒に授業を受けて。
一緒にお昼ご飯を食べて。
一緒にお手洗いに行って同じ個室まで来た綴理を注意して。
一緒に練習をして転んで。
一緒に寮のお風呂に入って。
一緒に夜ご飯を食べて。
一緒にお祭りの屋台を手伝って。

―――そうして今。

一緒に綴理の家のベッドに入っている。
長いひとつの枕を共にして。

今日は楽しかったね、と綴理が言った。
そうね、楽しかったわ、と私が言った。

本当に。
綴理と一緒に居て、純粋に楽しかった。
きっとこの先、何度も反芻してしまうくらいに。
 
12: (らっかせい) 2023/06/14(水) 19:57:07.57 ID:qT6O4Q2A
―――綴理がずっと言いたかったこと。

『ボクも頑張るから。こずにばっかり、任せないで』
『ただボクがこずを支えてあげたい……支えてあげられるよ、って言いたかった』

綴理の気持ち。
綴理の想い。

それがずっとわからなかった私。

綴理が想いを込めて、しっかりと口にしてくれた。
心の中で凝り固まっていた何かが、ゆっくりと溶けていくのを感じたわ。

……だから、思い切って、近づいてみたの。

アザレアの花のような瞳。
横からではなく正面から見つめたのは、いつ以来かしら。

綴理も近づいてきて、私の手を取った。
冷たく、繊細で、綺麗な指。
 
13: (らっかせい) 2023/06/14(水) 19:58:43.36 ID:qT6O4Q2A
『……ねぇ、こず。なにか、隠してることとかない?』
『こずは、あんまり自分が思ってることとか、言ってくれないから』
『ボクから言ってあげないと』

胸を、鋭く刺された。
綴理がここまで私をしっかり見ていたなんて、知らなかった。
気が付きもしなかった。

ラブライブの話をしなくなったことも、しっかりと認識していた。

『綴理。あなたが下手なのは説明じゃない。
自分の気持ちを伝えること、相手の気持ちを想像すること、両方よ』

―――どちらも、きちんとできるようになったのね。

『少なくともわたくしはもう少し、あなたの気持ちを知りたかった。
あなただって、私にして欲しいことがあったんじゃない?』

私が綴理に言ったその言葉。
それを、こんなにもまっずぐに、伝えてくれた。

なら、私も……。
 
14: (らっかせい) 2023/06/14(水) 20:00:36.27 ID:qT6O4Q2A
梢「頼りにしているわ、綴理」

綴理「ん」

他校のスクールアイドルから貰った手紙。
……ラブライブ。

悩みは、尽きないけれど。
綴理が、私を支えてくれるのだ。

なら、今は……。
繋いだ手を離さないように、ぎゅっと握った。

綴理「……こず?」

梢「……雨」

綴理「うん?」

梢「朝になったら、やむかしらね」

綴理「……うん」
 
15: (らっかせい) 2023/06/14(水) 20:02:06.22 ID:qT6O4Q2A
目を瞑り、外の雨音だけが寝室に響いて。

梢「……わたくしね、雨の止む瞬間が好きなの」

綴理「知ってる」

梢「そうね……そうだったわね」

綴理「……こず?」

梢「……」

目を開き、もう一度、手を握り返して。
再び目を開けた綴理が、私の目を覗き込む。
 
16: (らっかせい) 2023/06/14(水) 20:03:34.31 ID:qT6O4Q2A
梢「……ええと」

綴理「うん」

梢「だから、その……」

綴理「うん」

梢「雨が止むところを、一緒に見れたらな、って」

綴理「……いいよ」

梢「だから、朝まで……って、綴理?」

綴理「分かってる、と、思う」

手を握ったまま、身体を引き寄せられて。
ぎゅっと、抱き締められた。
 
17: (らっかせい) 2023/06/14(水) 20:05:09.60 ID:qT6O4Q2A
梢「……ありがとう」

綴理「うん」

綴理の瞳がすぐ傍にあって。
綴理の静かな吐息が、私にかかる。

目を閉じて、そっと、顎をあげて。

……柔らかな感触が、口にあたる。

梢「んっ……」

綴理「ん……」

唇が触れ合う。
胸の鼓動が綴理に聴こえてしまいそうなくらい、大きく鐘を打っている。
 
18: (らっかせい) 2023/06/14(水) 20:07:12.08 ID:qT6O4Q2A
綴理「こず、もっと」

梢「あ……え?」

アザレアの瞳が、妖しく輝いて。
今度は綴理が求めるように、唇を近づけて。

綴理「ん……ちゅ……」

梢「ちゅ……ん……」

唇と唇が絡み合い。
そして、ちろ、と綴理の舌がこちらに侵入してきた。

吃驚して目を見開くと、心配するような、懇願するような視線。
もう……。
 
19: (らっかせい) 2023/06/14(水) 20:09:20.81 ID:qT6O4Q2A
私も迎えるように、舌を触れさせる。
ふるふると身体を震わせる綴理。
もう、可愛いんだから。

梢「ちゅ……れろ……」

舌と舌を絡み合わせ、綴理の舌の表面を舐めて。
舌で包むように、横から、裏側も舐める。

あなたからこちらに入ってきたのよ。
そう簡単に帰してあげないんだから。

絡みとるように舌を舌でつかまえて。

梢「ちゅぱ……ちゅぷ……」

綴理の瞳が、とろんと蕩けたようになって。
舐めるたびに身体をびくんと震わせて。

綴理「ぷはぁ……はぁ……はぁ……」

梢「ふぅ……ふぅ……」
 
20: (らっかせい) 2023/06/14(水) 20:11:32.59 ID:qT6O4Q2A
綴理「こずのこれ、すき」

白い肌を紅潮させ始めた綴理が、嬉しそうに笑う。

梢「もう……今度は、支えてくれるのでしょう? わたくしもその……あまえたい、のだけれど」

綴理「わかった、頑張る」

綴理はそういうと、掛け布団をめくり、私に覆いかぶさるように上になって。

綴理「……こずを気持ちよくさせてあげたい。どこがいい?」

梢「そ、そんなストレートに聞かれても……」

綴理「じゃあ、ここ?」

綴理のシャツに包まれた胸の辺りをそっと触られて。
 
21: (らっかせい) 2023/06/14(水) 20:13:36.82 ID:qT6O4Q2A
梢「あっ……。そう、ね。いいかもしれないわ」

恥ずかしさを隠すため横を向いて。

綴理「ん。じゃあ脱がすね」

引き千切ったりせず、ボタンをひとつひとつ丁寧に外していく綴理。
……待っている間、とても恥ずかしいのだけれど。

綴理「おまたせ。……こずのお  い、おっきいね」

梢「そ、そう?」

綴理「うん。去年より、おおきくなった。あ……去年のことは言っちゃいけないんだった」

梢「……いいから、綴理」

耐えられなくて、身体をもじもじと捩って。
 
23: (らっかせい) 2023/06/14(水) 20:15:48.68 ID:qT6O4Q2A
綴理「あ、ごめん。いくね」

綴理の繊細な指が、シャツを開いて直接私の胸に触れる。

梢「ふぁ……」

綴理「わ……すごい。もちもちで、指が吸い付くみたい」

梢「つ、綴理、実況しなくていいから!」

綴理「配信の練習。……配信、する?」

梢「しません!……あっ!」

綴理「もみもみ」

綴理の指が、しなやかに私の胸を揉んでいく。
 
24: (らっかせい) 2023/06/14(水) 20:17:50.49 ID:qT6O4Q2A
綴理「あっ、こず、乳 固くなってきた」

梢「だから、ひゃうっ!?」

顔を近づけて、先端を舐め始める綴理。

梢「待って、待って綴理、気持ち良すぎて」

綴理「だめ。待たない」

綴理の舌の感覚が、直接響いてくる。

梢「ふぁっ……ああっ……♡」

綴理「こずの音色、澄んできたね」

梢「つづり、つづりっ……♡」

綴理「もっと聴きたい。こず、もっと」

琴を奏でるように。
―――綴理の指が、私を奏でていく。
 
25: (らっかせい) 2023/06/14(水) 20:19:52.60 ID:qT6O4Q2A
梢「ふぅ、ふぅ……あっ!? つづり!?」

綴理「ぢゅーーーー」

梢「ダメ、首筋は痕が残ってしまうわ!」

綴理「ぢゅーーーー」

梢「ああっ、だめ、だめだったらっ……ああっ!! ♡」

首筋を強く吸われ。
乳房を強く揉まれ。
乳 を舌で上下左右に舐められ。
指で順番に乳 を弾かれ。

梢「もう、もうだめ、だめ、つづりっ! つづりっっ!!♡」

綴理「いいよ、支えるから。こず、ボクがいっしょにいるから」

梢「つづりっ、つづりっっ!!! ああああぁぁぁああああっっっっ!!!!♡ ♡ ♡」


○○○
 
26: (らっかせい) 2023/06/14(水) 20:21:54.80 ID:qT6O4Q2A
綴理「ふぅ……ふぅ……これで、何回目だっけ」

梢「はぁ……はぁ…………確認して、どうするの。……もう四回目よ」

綴理「そうか、すごいね、こず」

梢「もう……どっちがよ」

お互いに全力で奏で合って。
互いに服を身に着けずに、重なったまま微睡んでいる。

綴理「……こず」

梢「なあに、綴理」

綴理「外、見て」

梢「あっ……」

雨が弱くなっている。
小鳥の囀りも聴こえてきた。
 
27: (らっかせい) 2023/06/14(水) 20:23:56.13 ID:qT6O4Q2A
脱がされたシャツを肩に羽織って、窓へ近づいていく。
空を見ると、雲の切れ間から、光が差し込んでくる。
隣に、綴理が立って。

梢「……わたくしね、雨の止む瞬間が好き」

綴理「うん。ボクも、好きなんだ」

梢「そう……一緒ね」

隣に立つ綴理に微笑んで。
 
28: (らっかせい) 2023/06/14(水) 20:25:59.54 ID:qT6O4Q2A
梢「今日のことは、ふたりだけの秘密ね」

綴理「秘密?」

梢「ええ」

綴理は首を傾げると、ちょんちょんとチョーカーを指した。

綴理「……使う?」

梢「あっ……!! もう、だからダメと言ったわよね!?」

綴理「ふふ、秘密秘密~」

梢「もう……ふふ」


―――わたくしね、雨の止む瞬間が好き。


おしまい。
 
29: (もんじゃ) 2023/06/14(水) 20:35:33.03 ID:32zIGt+m
つづこず良いですわね

 
30: (もんじゃ) 2023/06/14(水) 20:39:56.21 ID:3ejpRfzM
素晴らしかった
 
31: (茸) 2023/06/14(水) 20:42:42.97 ID:Z686zeJH
あまりにも素晴らしいのだけれど
 
33: (もんじゃ) 2023/06/15(木) 00:44:10.38 ID:k+tboKS3
こういうのを待ってたんだ俺は…
 
34: (SB-iPhone) 2023/06/15(木) 01:04:39.05 ID:bh3W9oWy
つづこずありだと思うのだけれど
 
32: (しまむら) 2023/06/14(水) 22:36:50.61 ID:qFZcBMbj
あなたは最高です!
 

引用元: https://nozomi.2ch.sc/test/read.cgi/lovelive/1686739345/

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