【SS】可可「忘却を忘却シマス!!」【ラブライブ!蓮ノ空】

liella!一期生ーSS


2: (あら) 2023/05/11(木) 21:05:11.20 ID:TFmmynGh
前書き

可可とすみれ中心のSSです
誤字脱字、矛盾点などあると思いますがご了承ください。

後、長めですので何日かに分けての投稿となると思います。
 
3: (あら) 2023/05/11(木) 21:07:35.17 ID:TFmmynGh
可可「ヤバいデス!完全に寝過ごしマシタ!!」

可可(はぁ…はぁ…もう走れません…でも練習に遅刻するわけには行きまセン!あ!横断歩道が青になりまシタ、あそこまでは頑張って走りまショウ!)

可可(…!?!?)

横断歩道の信号は青のハズなのに赤い車が左から猛スピードで近づいて来てマス
次の瞬間にはククの目の前に迫って世界がスローモーションになりまシタ
反射的に目を瞑りマスが左足に熱さを感じた瞬間に真っ暗な世界へと落ちていきまシタ。

千砂都「クゥクゥちゃん遅いねー」

かのん「珍しいよね、クゥクゥちゃんが練習に遅れるって」

恋「いつも誰よりも早く来てますからね…何かあったのでしょうか?」

すみれ「フンッ!どうせクゥクゥのことだから道にでも迷ったんじゃないかしら?」

千砂都「流石にそれはないとおもうよ?だってここ学校だよ?」

すみれ「じゃあ、寝坊じゃないかしら?」

千砂都「うーん…あんなにスクールアイドルに熱心なクゥクゥちゃんがねぇ…」

かのん「私、ちょっと電話してみるね!」

かのん「何回かけても繋がらない…何だか心配になってきたなぁ」
 
4: (あら) 2023/05/11(木) 21:11:51.71 ID:TFmmynGh
1時間後
千砂都「まだ来ないねクゥクゥちゃん」

かのん「うん…今までこんな事なかったのにね」

すみれ「まだベッドで豪快に爆睡してたりして」

かのん「相変わらず電話も繋がらないし」

恋「柔軟と準備運動は済ませましたし先にランニングに出発しますか?」

すみれ「じゃあ今日はこのルートで行きましょう!遅刻してる人を待つ必要はないわ!!」

千砂都「このルートは…」

かのん「クゥクゥちゃんの家の前を通るルートだね」

恋「なるほど!ランニングの途中でクゥクゥさんの様子を確認しにいくと」

すみれ「ち、違うったら違うわよ!今日はそっちのほうが吉方なだけよ!!」

教師「お前たち!ちょっと話があるから職員室に今すぐ来てくれ」
 
6: (あら) 2023/05/11(木) 21:19:08.64 ID:TFmmynGh
千砂都「え?は、はい」

突然乱入してきた教師に私たちは驚きを隠せないまま職員室に連れて行かれる
ことになった。若干の胸騒ぎを覚えながら
そしてその予感は的中することとなった

教師「落ち着いて聞いてくれ、いいか?さっき○○病院から連絡があって唐が事故に遭って救急搬送されたとのことだ」

教師の言葉を聞いてメンバーの顔から血の気が引いていくのが分かった

ついさっきまで寝坊だとか迷子だとか決めつけていた私はクゥクゥの容態についての不安や罪悪感から震えが止まらなくなり急激に寒くなってくる
昨日までいがみ合ったり冗談を言い合ったりしたクゥクゥともう会えなくなる?
しかし教師の言葉が私の胸にほんの少しの安堵をもたらした

教師「手術が必要で意識もまだ戻ってないが幸いなことに命に別状はないとのことだ」

かのちぃれん「良かった~」

当然私も同じ気持ちだが震えで声が出なかった
それから教師はクゥクゥの状況について教えてくれた
信号無視の車に撥ねられたこと
左手と左足を骨折して手術が必要なこと
全身を強く打ったが通行人がすぐに救急車を呼んでくれたお陰で救急隊員による応急手当を素早く受けられて最小限のダメージですんだこと
でもどれもクゥクゥの命が助かったこと以外は頭に入ってこなかった

その日の練習は中止にして私たちは今後について話し合いクゥクゥが目覚めたらお見舞いに言ってみんなで決めようということになり、その日は解散となった。
 
9: (あら) 2023/05/11(木) 21:29:24.99 ID:TFmmynGh
1週間後…
可可(あぁ…早く起きないといけマセン 行かなければいけマセン…どこに?何で起きないといけないのデスカ?)

可可(でもなんだか体がとっても重いデス、頭もズキズキしマス)

可可(目を開けるのもしんどいデス)

身体の全てが岩のように重たく感じながらゆっくり目を開けると見覚えのない無機質な真っ白な天井と長い2つで1組になった蛍光灯がいくつかついた天井が見えてきまシタ

可可(ここは…どこデスか?っ痛!?)

可可(体中が痛いデス…痛すぎて動かせマセン…手や足に感覚がありマセン)

痛みに耐えながらやっとの思いで首を動かして辺りを見回すと無機質なのは天井だけでなく部屋全体だということが分かってきまシタ
ベッド、シーツ、布団、カーテンそしてそばにあるチェストまでもが白一色で統一され味気がありまセン
そして何より左手と左足には添木が包帯でグルグル巻かれて固定されていて部屋と同じく真っ白デス
突然頭の中にある言葉が浮かんできまシタ

???「あんたはやめときなさい!ミイラ取りミイラになっちゃうわよ!」

??「なんで??がミイラになるデスカ?」

???「例えよ!例え!」

いつどこで聞いたかも分からない言葉が頭の中に浮かんだ途端激しい頭痛が襲ってきました

??「っつ!頭が割れそうデス……ホントにミイラになっちゃったみたいデスネ」

一人でぼそっと呟くと部屋の入り口の白いドアが開いて女の人が入ってきました
 
10: (あら) 2023/05/11(木) 21:40:59.24 ID:TFmmynGh
女医「目覚めましたか?ここはどこだか分かりますか?」

??「…分かりまセン」

女医「そう…ここは病院よ、何でここにいるか分かる?自分の名前は?」

??「分かりまセン…名前…私の名前…私は…私は誰でショウ?何でここにいますか?」

女医「困ったわね…いい?よく聞いて?貴女は交通事故にあったの、車に撥ねられたのよ」

??「車に…」

女医「そう、命に別条はないけれど結構ひどい怪我をしてたからうちに運ばれてきたの」

女医「そして貴女の名前はこの学生証によると唐 可可って書いてあるわ、貴女結ヶ丘女子高等学校の生徒なのね」

??「たん…くぅくぅデスカ?それが私の名前何デスカ?」

女医「そう書いてあるんだからそうなんじゃない?個人的な事は知らないわよ」

可可「何でククは轢かれたですか?」

女医「信号無視の車に轢かれたのよ」

可可「違いマス…何をしようとして轢かれたんデスカ?どうしても思いだせないのデス」

女医「知らないわよ!あのね医者なら無条件で全部お見通しってワケじゃないのよ?まぁ、事故に遭った時は制服だったみたいだから大方学校にでも行ってたんじゃないの?」

可可「学校…ククは何故学校に…」

女医「ねぇ、貴女最後の記憶はいつ?」
 
11: (あら) 2023/05/11(木) 21:53:39.75 ID:TFmmynGh
それからククは頑張って思い出せる限りのことを思い出しマシタ…ですがどうしても結ヶ丘に入学した日より最近の記憶がありまセン。

そもそも何故結ヶ丘に来たのかも、考えすぎで熱がでるほど考えマシタ
痛みと知恵熱に悩まされているとふとチェストの上に籠が置いてありその中にはバナナとリンゴ、桃、メロンなどのフルーツと籠の横に午〇のミルクティーのペットボトルが7本もあることに気づきそれが今この病室の中で最もカラフルなものだと分かりマシタ。でもククの記憶を取り戻す鍵にはなりませんでシタ
 
12: (あら) 2023/05/11(木) 22:05:51.89 ID:TFmmynGh
同日、結ヶ丘

千砂都「ねぇ!みんな聞いて!クゥクゥちゃんの意識が戻ったみたい!」

かのん「ホントに!?」

恋「ええ、先程学校の方に連絡がありました。無事に意識が戻ったようです!」

かのん「はぁ~本当に良かった~」

千砂都「うん!ホント良かったよ!じゃあみんなお見舞いに行ってあげようよ!…って大丈夫?すみれちゃん?」

すみれ「!? えぇちゃんと聞いてるわよ!クゥクゥがようやく起きたんですって?一体いつまで寝てるのよって言いに行かないといけないようね」

千砂都「あはは…」

恋「そのことなのですが…まだ面会謝絶でお見舞いには行けないようです」

かのん「何で?まだ行っちゃダメなの?」

恋「それが…とても申し上げにくいのですが…事故のショックでクゥクゥさんは今記憶喪失なのだそうです」

かのちぃすみ「記憶喪失!?」

恋「はい、お医者様によると事故によるショックでここ、結ヶ丘に入学した日以降の記憶を失っている状態だそうです。」

千砂都「えぇ!!じゃ、じゃあ私たちのことも?」

恋「はい、それどころかスクールアイドルの事も覚えてないそうです。なので外部との接触は慎重に行うそうです」

すみれ「も…も…もう戻らないの?」

恋「お医者様は一時的なものだと、ただ100%戻るかどうか、何時戻るかまでは分からないそうです」

かのん「そう…なんだ でも戻らないって決まったわけじゃないから今は落ち込んじゃダメだよね」

千砂都「そうだよね!きっとまたすぐ元気なクゥクゥちゃんが帰ってくるよ!だからそれまでみんなで待っていよ!」
 
14: (あら) 2023/05/11(木) 22:17:09.62 ID:TFmmynGh
更に1週間後

あれから時間がたちマシタがやっぱりクク、思い出せまセン
身体は動かないし、痛いし、思い出せないしでずーっとモヤモヤしてマス

看護師「唐さん、夕食の時間ですよ。あ、あと今日も届いてましたよ」

ククには毎日夕方頃に籠に入ったバナナ、リンゴ、桃、メロンといったフルーツと午〇のミルクティーのペットボトルが届きマス
聞けばここに入院した日から届いてるそうデス もうかれこれ2週間同じ物が届けられてるということになりマス
 
17: (あら) 2023/05/11(木) 22:36:25.51 ID:TFmmynGh
結ヶ丘

恋「今日病院の方から連絡がありまして、クゥクゥさんの記憶を取り戻す為の行動療法の一環として外との接触を再開するそうです」

かのん「じゃあもうお見舞いに行って良いってこと?」

恋「はい、まずは友人であり同じLiella!のメンバーである私達から来て欲しいそうです」

千砂都「それは嬉しいね!じゃあ、いつ行こっか?」

かのん「私はいつでも大丈夫だよ」

恋「私もいつでも行けます」

千砂都「すみれちゃんは?」

すみれ「わ、私もいつでもいいわよ!」

千砂都「じゃあ、ちょっと急だけど明日は日曜日だから平日よりは行きやすいから明日とかどう?」

恋「分かりました!病院に問い合わせてみますね!」
 
20: (あら) 2023/05/11(木) 23:17:10.58 ID:TFmmynGh
翌日

看護師「唐さんおはようございます。調子はどうですか?」

可可「まずまずデスネ」

看護師「先生、今日は面会の方大丈夫ですか?」

女医「体調は問題無さそうね、後は本人の気持ち次第じゃない?」

可可「面会…デスカ?」

女医「そうよ、貴女の学校の友達が来てくれるらしいわ、記憶を取り戻すきっかけになるかもしれないから会ってみる?」

可可「ククの友達…どんな人達デスカ?」

看護師「唐さん、入院する前にスクールアイドルやってたんですよ?Liella!ってグループで、そのメンバー達が唐さんに会いたいって連絡があったんです!」

可可「スクールアイドル?ククが?先生、スクールアイドルってなんデスカ?」

女医「貴女スクールアイドルなの?ふーん、スクールアイドルってのは……大勢の前で歌ったり踊ったりしてみんなを笑顔にする誰よりもキラキラした人達のことよ」

可可「ククが?みんなを笑顔に?」

女医「みたいね、今日の午後位に来たいそうよ?どうする?無理に今日会う必要はないわ」

可可「会いマス!クク!スクールアイドルの人たちに会ってみたいです」

女医(ここに来てから初めて笑ったわね、やっぱりスクールアイドルの力は凄いわね)

女医「そう、じゃあそう手配しておくから。気が変わったら看護師にでも伝えて」
 
23: (あら) 2023/05/11(木) 23:43:44.86 ID:TFmmynGh
午後 病院 受付

かのん「うわ~結構大きい病院だねー」

千砂都「大丈夫?かのんちゃん?」

恋「ここまで来るのにも電車に乗ったり、人混みの中をかき分けてきたり大変でしたからお疲れじゃありませんか?」

かのん「ううん、平気、クゥクゥちゃんの方が大変なんだからそのぐらいで弱音を吐いてたらためだよね」

千砂都「でも、無理はしないでね」

かのん「うん、ありがと」

すみれ「………」

恋「すみれさん?なぜ今更サングラスと帽子を?」

すみれ「それは…ショービジネス界で有名な私がいきなり病院に現れてみなさい!そしたら病院はパニックになりギャラクシーになるわ!つ、ま、り!病院への配慮ったら配慮よ」

かのん(さっきまでは普通だったのに…それにいつもなら有名になる為に!って感じなのにどうしたんだろ?)

看護師「こんにちは、唐さんの面会ですね。病室の方まで案内しますのでこちらへどうぞ。後、面会時の注意事項ですが―」
 
25: (あら) 2023/05/12(金) 00:40:12.39 ID:IULuzmAf
病室

可可(ついにこの時間が来てしまいマシタ…なんだかとても緊張シマス
ほんの2週間前までは毎日会っていたらしいのデスガ)

可可(それに手と足が固定されて寝たままで知らないヒトと会うのは何だか気まずいデス)

看護師「唐さん、失礼します。面会の方をお連れしました」

可可(!?!?あぁどうしまショウ!何て話せばいいのか分かりまセン)

千砂都「やっほー!クゥクゥちゃん久しぶり!」

かのん「クゥクゥちゃん、大丈夫!?」

すみれ「思ったより元気そうね」

恋「皆さん落ち着いてください、一度に話されてもクゥクゥさん困ってしまいますよ」

可可「!!!」
 
27:ID変わってますが>>1です(あら) 2023/05/12(金) 01:00:21.33 ID:IULuzmAf
可可(ダメデス…誰が誰だか全く分かりまセン!!)

可可「ハ…ハジメマシテミナサン ホンジツハオイソガシイナカ…」

かのちぃすみれん「!!!!」

千砂都「驚かせちゃってゴメンね!クゥクゥちゃん」

かのん「ホント、ビックリしちゃったよね?」

可可「イエ…大丈夫デス…」

すみれ「アンタ、ホントに覚えてないの?」

恋「す、すみれさん!」

可可「………ハイ、スミマセン、クク、アナタ達の事分かりまセン…」

すみれ「ゴメン!ちょっと外の空気吸ってくる」

可可「あ……ゴメンナサイ、ククの所為で…」

かのん「ううん、違う違う!クゥクゥちゃんの所為じゃないよすみれちゃんクゥクゥちゃんに会うのを楽しみにしてたからちょっとびっくりしただけだから」
 
28: (あら) 2023/05/12(金) 02:01:07.84 ID:IULuzmAf
病院 洗面所 

すみれ(最悪のケースも想定していたけど、実際に面と向かって知らない人扱いされるとショックね…」

すみれ(今日またクゥクゥの病室に戻れるかしら、目も真っ赤に腫れてるし熱くなってる。顔を洗って自販機で冷たい飲み物でも買って目を冷やしてからもう一度行ってみましょう」

可可の病室

千砂都「改めて自己紹介しようよ!」

かのん「いいね!それ!!」

恋「はい!!私も賛成です」

千砂都「じゃあまず私から行くよ!私、嵐千砂都!同い年ってみんな同い年だけどね!それじゃあ、次の人」

かのん「うん、私は澁谷かのん。クゥクゥちゃんに誘われてスクールアイドルになったんだよ」

可可「ククが誘った?スクールアイドルに ?」
かのん「うん、じゃなきゃ多分私はスクールアイドルになってなかったと思う」

恋「私の名前は葉月恋と申します。クゥクゥさんこれからもよろしくお願いしますね!」

千砂都「で、さっき出て行っちゃった子が平安名すみれちゃん。そして」

可可「唐可可ですよろしくお願いしマス」

千砂都「そう今はこの五人でスクールアイドルをやってるんだよ」

可可「本当デスカ?」

千砂都「ふっふっふ、証拠をみせてあげるよ」

かのん「これは私たちの普段の映像や練習の様子を録画したやつだよ」

恋「ちゃんとクゥクゥさんも一緒にいますよ」

可可(……見せてもらった映像はどれもキラキラしていてみんな充実した表情をしていまシタそしてその中にまぎれもないククの姿もありまシタがそれでも思い出せませんでシタ…)
 
29: (あら) 2023/05/12(金) 02:34:26.92 ID:IULuzmAf
すみれ(ふぅ…何とか目の腫れも引いたし少し落ち着いてきたしもう一度クゥクゥの部屋へ行ってみましょう!サングラスよし!帽子よし!さぁ!行くわよ!!)

千砂都「あ、すみれちゃん戻ってきてくれたんだ~!」

すみれ「何だか楽しそうね、何やってんのよ?」

かのん「私達とのライブや練習の動画をクゥクゥちゃんに見てもらってるの」

可可「はわーとってもキラキラお客さんも楽しそうデス」

すみれ「ちょっと私にも見せなさいったら見せなさい!なんか見辛いわねこのスマホ一体誰のよ!」

恋「すみれさん、もうここは個室ですからサングラスと帽子外してはどうでしょう」

すみれ「あぁ!すっかり忘れてたわ!」

可可(!!!!!あの金色はグソ…クム…シ間違いありまセンあの金色はグソクムシ、全て思い出しました!Liella!のことも皆のことも…)

可可「ミナサンオモイ…ああああああああっ」

かのん「どうしたのクゥクゥちゃん!?」

可可「頭が…頭が…割れそうです

千砂都「誰かナースコールを押して!」

恋「もう押してます!!」

女医「一体何があったの?」

恋「私たちの活動の動画を見せていたら突然激しい頭痛が起こったみたいで…」

女医「とりあえず貴女たちは待合室で待ってて」

30分後 病院 待合室

女医「彼女は鎮静剤を投与して今は眠っているわ」

恋「やはり面会を急ぎすぎたのでしょうか」

女医「面会自体は彼女も楽しみにしていたはだからそれだけが原因ではないと思うけど」

女医(ん?あの一番後ろで泣いている金髪の子はなんだか見たことがあるわね…」
 
30: (あら) 2023/05/12(金) 02:37:57.68 ID:IULuzmAf
申し訳ありません

今日仕事かもしれないので今回はここで一旦ここまでとさせて頂きます。
また5/12中にはまた再開出来るとおもうので中途半端な形とんり本当にすみません
 
13: (もんじゃ) 2023/05/11(木) 22:09:54.28 ID:gQp1kYvN
いつの話か気になるところだな
2期生はまだ出てないのかそれ以前の話なのか
 
33: (あら) 2023/05/12(金) 14:58:34.52 ID:IULuzmAf
>>13
時系列的には1期6話~7話の間からスタートをイメージしていますが
各キャラの関係性は2期終了時(関係性が概ね良好)のイメージです。

遅筆ですが再開していきたいと思います






以下SS外の補足
前書きで書き忘れていましたがプロットと書き溜めから不要な部分の削除とそれに伴う修正を
行いながら投下してるのメチャクチャ遅いです 申し訳ありません

 
34: (あら) 2023/05/12(金) 15:15:58.89 ID:IULuzmAf
女医「貴女、ここ最近毎日来てる子ね」

すみれ「!!…ひ、人違いよ!」

女医「あれだけ受付で大騒ぎしてたら嫌でも記憶にのこるわよ」

かのん「すみれちゃん?」


事故当日 夕方 病院

すみれ「はぁ…はぁ…ここね、アイツが搬送されたって病院は」


すみれ「なんでよ!!なんで合わせてくれないのよ!友人だって言ってるでしょ!」

受付「医師によるとまだ意識が回復しておらずオペも必要で当面は面会不可と判断されたので…」

すみれ「アイツは一人で日本に来てるのよ!誰かが傍にいてあげないと!!」

受付「お、落ち着いてください!」

すみれ「ハァ…ハァ…分かったわ、じゃあこれお見舞いの品だけでも渡して」

受付「はい…担当に伝えておきます…」

すみれ「もしそれすらダメならそれは捨てといて」
 
35: (あら) 2023/05/12(金) 15:41:54.02 ID:IULuzmAf
事故後2日目 午後 病院

すみれ「なんで!今日もダメなのよ!!そんなに重篤なの!?」

受付「私共は医療事務ですので患者さんについての情報は…」

すみれ「もういい!話にならないわ!」

すみれ「ちょっと!そこの看護師!クゥクゥはどうなってるの?大丈夫なのよね?」

看護師「唐さんですか、失礼ですが貴女は唐さんとどういった関係ですか?」

すみれ「わ、私は友人よ」

看護師「ならお話できません、守秘義務がありますので」

すみれ「!!」

看護師「唐さんにつては学校の代表者かご家族の方から伺ってください」

すみれ「……」

事故後3日目 夕方 病院

すみれ「今日は?またダメなの?」

受付「はい…面会不可となってます」

すみれ「そう…じゃ、これ渡しといて」

事故後4日目 夕方 病院

すみれ「……」

受付「すみません…」

すみれ「そ、じゃあこれ」

事故後5日目 夕方 病院

受付「……」

すみれ「コレ…」
 
36: (あら) 2023/05/12(金) 17:43:27.26 ID:IULuzmAf
事故後6日目 夕方 病院

すみれ「……ちょっと顔を見るくらいもダメなの?」

受付「……」

すみれ「そう…」

事故後7日目 夕方 病院

すみれ(今日、クゥクゥが意識を取り戻したって言ってたけど面会は謝絶…
もう受付に行くだけ無駄ね…お見舞い品だけ渡したら帰りましょう)

すみれ(でも、もしかしたらクゥクゥが通りかかるかもしれないからちょっとだけ待合室でまってようかしら?)

すみれ(ダメね、そんな気配すらないわ…もう帰ろう)

病院の守衛「あのーすみません、そろそろ待合室を閉める時間なんですが」

すみれ「ウソッ!もうそんな時間?」
 
38: (あら) 2023/05/12(金) 18:24:51.00 ID:IULuzmAf
現在

女医「そして昨日まで毎日閉館まで待合室で粘ってるんだから相当なものよね」

かのん「確かにクゥクゥちゃんが事故に遭ってからほとんど練習無かったけど」

千砂都「それですみれちゃん最近毎日真っ先に学校から帰ってたんだね!それにしても言ってくれないなんて水臭いよ!」

恋「そうですよ、すみれさん私たちは志を同じくする仲間なのですから、当然クゥクゥさんを想う気持ちも当然同じなんですから」

すみれ「スカウトされようと竹下通りを歩いてたらいつの間にかここに着いただわ!」

女医「うちの看護師達の間でも貴女有名よ?フルーツをもって来て閉館までいる女の子って」

女医「患者さんに至ってはウチの病院で亡くなった女の子の霊とか言い出す始末」

すみれ「う…確かに黙ってたのは悪かったわ、でもどうしたらいいか分からなくて…」

千砂都「そんな時にみんなを頼ってくれなきゃ!その為の仲間なんだから!」

すみれ「千砂都…」
 
39: (あら) 2023/05/12(金) 18:49:00.46 ID:IULuzmAf
女医「ハイハイ、青春するのはいいけどとりあず今日はもう帰った方がいいわ」

千砂都「先生!またクゥクゥちゃんのお見舞いに来てもいいですか?」

女医「それは本人次第だけど…まぁそのほうがきっと嬉しいとおもうわ」

千砂都「分かりました!じゃあまた来ます!」


夜 帰り道

かのん「…それにしても早く良くなるといいねクゥクゥちゃん」

千砂都「覚悟はしていたけど、やっぱり本当に記憶がないって実感しちゃうとちょっとショックだね…」

すみれ「変わらないわよ!」

かのちぃれん「え?」

すみれ「アイツが私達の事を覚えていなくても私達が過ごした日々が無くなるわけじゃないの!」

すみれ「それに記憶がなくたってあの声、姿、存在は間違いなくタン・クゥクゥよ!!」

かのちぃれん「!?」

すみれ「記憶がない?思い出も?ならこれからまた作ればいいじゃない!私達とクゥクゥの物語をまた作るったら作ればいいのよ!!」

かのん「そうだね、クゥクゥちゃんがいなくなった訳じゃないんだからまだ諦めたらダメだよね」

恋「はい!…ですがラブライブはどうしましょう?」
 
40: (あら) 2023/05/12(金) 20:17:30.93 ID:IULuzmAf
千砂都「今からだとクゥクゥちゃんは間に合わない…かと言って4人ででるのも何だか申し訳ない気がするし」

かのん「ラブライブは出なくてもいいんじゃないかな?」

かのん「仮にクゥクゥちゃんが万全の状態で来年のラブライブに出たとしてそれでも勝てないのなら今無理して出たって、絶対勝てない」

恋「確かに…一理ありますね」

すみれ「でもその場合学校はどうなるのよ?少しでも多くの入学希望者を獲得しないと廃校になるんでしょ!クゥクゥが戻ってこれたとして居場所そのものが無くなってたら意味ないったら意味ないわ!」

かのちぃれん「それは…」

恋「その問題はなんとか地道に対処します」

すみれ「恋にしてはずいぶん曖昧な言い回しね」

恋「地道に学校をPRしたりいざとなったら代理人を起てて我が家を担保に…」

千砂都「ちょっとちょっととんでもない事になりそうだよ!?」

恋「しかし、私もクゥクゥさん抜きでのラブライブ出場は反対です」
 
41: (あら) 2023/05/12(金) 20:37:36.95 ID:IULuzmAf
千砂都「じゃあ今年のラブライブは諦めるとして学校PRの為に4人でユニット活動でもする?…“チレカス”とかいうユニット名で」

すみれ「とっても縁起が悪いわよ!その名前!」

恋「経営については一旦持ち帰りとさせて後日改めて皆さんに相談するって形でもいいでしょうか?」

かのん「うん、私達4人で決めちゃうわけにもいかないしね。でも恋ちゃん、一人で抱え込んで無理しないで私達にできる事があれば何でも言ってね」

恋「はい!ありがとうございます!!」


同じ頃 病室

可可(あれ?ククいつの間に眠って…?確かスクールアイドルのミナサンが来てたはずデスガ)

可可(!?心臓が痛いデス!息ができまセン!あああ頭がまた痛いデス!そうデスクク全て思い出したのデス)

看護師「唐さん!どうしました!?大丈夫ですか?先生!大変です!唐さんが!」

女医「どうしたの?」

看護師「突然、苦しみだして…」

可可「頭が…頭が…割れそうデス!!スバラシイコエノヒト…拘束…」

女医「??」
 
42: (あら) 2023/05/12(金) 21:06:14.77 ID:IULuzmAf
可可「色んな物が見えマス!あれは上海タワーその横には富士山がありマス!火口でパンダがチョコバナナを投げながら何か叫んでマス!!」

女医「落ち着いて、大丈夫よ外部からの刺激で脳が過度に興奮してるだけよ、ほら、深呼吸しなさい」

可可「スーハー…スーハー…」

看護師「鎮静剤投与しますか?」

女医「今日はもう投与してるからダメね、それに落ち着きを取り戻してきてるからこのまま様子を見ましょ」

可可「ハァ…ハァ…ハァ…クク…クク…すぅすぅ…」

看護師「また眠ってしまいました…」

翌朝 病室

女医「おはよう、気分はどう?」

看護師「唐さんの体温、脈拍、血圧全て正常値です」
 
43: (あら) 2023/05/12(金) 22:02:49.34 ID:IULuzmAf
可可「はい、だいぶ落ち着きまシタ」

女医「良かったわ、そうそう昨日の貴女の友人達今日も面会を希望してるみたいよ」

可可「そうなんデスカ?クク、嬉しいです!」

女医「大丈夫なのね?また発作みたいな症状がでるかもしれないわよ?」

可可「もう大丈夫デス!!」

女医「自信たっぷりね、分かったわ、面会を許可しておくから」

可可「はい!何時ごろデスカ?」

女医「学校が終わってからって言ってたから夕方くらいじゃない?」

可可(早く皆に会って記憶が戻ったって言いたいデス!みんなにただいまって言いたいデス!!)

可可(あれっ!?先生はどこかに行っちゃいまシタ…先生にも言わないといけマセンのに…)
 
44: (あら) 2023/05/12(金) 23:10:27.07 ID:IULuzmAf
夕方 病室

可可(結局、先生にも言えずにこの時間になってしまいまシタ…)

かのん「こんにちはークゥクゥちゃんいる?」

可可「!!はい!ドウゾ!」

かのちぃすみれん「お邪魔しまーす(するわよ!)」

千砂都「ごめんねー、連日押しかけちゃって」

可可「イエ、オミマイニキテクレテウレシイデス」

可可(さぁ!記憶が戻った事をみんなに言いまショウ!今しかないデス)

可可「アノ…」

可可(うわーすっごくキンチョーしマス)

かのちぃすみれん「?」

可可(今まで通りに喋ればダイジョウブデス)

可可「ミナサン…オモテナシハデキマセンガゴッユクリシテイッテクダサイ」

可可(あぁぁぁ!ククのバカ!ククはバカデス!何でこんな事も言えないのデスか?)

恋「そんな、気を遣わせて申し訳ありません」

すみれ「そうよ、大変なのはアンタなんだからそのまま寝ときなさいったら寝ときなさい!」
 
45: (あら) 2023/05/12(金) 23:38:38.50 ID:IULuzmAf
可可(それから…記憶について言い出せないまま時間が過ぎていきまシタ、みんなはとっても優しくてククの看病までしてくれまシタ)

かのん「あ、コップ空になってる!お水注いでおくね!」

可可(時にはククとみんなの思い出を聞かせてくれタリ)

千砂都「でね―あのときのかのんちゃんったらとっても面白くて―」

可可(ククが作った衣装の写真を見せてくれタリ)

恋「この衣装とっても可愛いですよね!?この衣装、クゥクゥさんが作ってくれたんですよ!」

可可(どれもとっても大切な思い出デス…ちゃんと思い出しました)

可可(でも1番気になったのは…)

すみれ「アンタ、目覚めて1週間点滴と重湯がメインの食事だったんでしょ?昨日帰るときに医者に聞いたらそろそろ擦り下ろした果物くらいなら食べていいっていってたからリンゴを擦り下ろしたヤツを持ってきたわよ」

可可「ア、アリガトウゴザイマス、平安名すみ、サン…」

可可(ククが気になったのはすみれでシタ)
 
46: (あら) 2023/05/12(金) 23:58:27.24 ID:IULuzmAf
すみれ「ほら、使い捨てスプーンも持ってきたから食べなさい!タッパー持っててあげるから」

可可(そこには何時ものいがみ合ったりしたすみれではナク、さり気ない時に優しさや気遣いを見せるすみれでナク、優しさ全開の本当にククが知らないすみれだったのデス)

可可「目覚めてから初めて味がしっかりとついた物を食べてマス!こんなに美味しいリンゴはクク初めてデス!!」

すみれ「そんなに慌てないでいいから!ほら!顔に着いてるわよ、ちょっと待って今ティッシュ取るから」

すみれ(この子、私に対してこんなに素直なことってあったかしら?なにかしらこの新鮮な感覚は…)
 
49:ID変わってますが>>1です(あら) 2023/05/13(土) 00:51:06.33 ID:vTb2zcFI
可可(そして、幸せな時間はあっという間に過ぎていき…)

かのん「あっ!もう面会終了時間だ!」

千砂都「あっという間だねー」

可可「あの…もう帰っちゃうのデスカ?」

かのん「もう面会可能な時間終わっちゃうからね…」

恋「楽しくてつい居すぎてしまいましたね、すみません」

可可「イエ…あの…また来てくれ…マスカ?」

すみれ(!?!?)

かのちぃれん「うん!(はい!)もちろんだよ(です)!」

可可「じゃあ、明日も来てくだサイ!」

千砂都「うん!大丈夫だよ!また放課後になるけどいい?」

可可「もちろんデス!クク待ってマス!」

かのん「じゃあ、また明日だねクゥクゥちゃん」

恋「私も楽しみです!」

すみれ「明日ね、分かったわ…お、おやすみ」
 
50: (あら) 2023/05/13(土) 01:06:09.77 ID:vTb2zcFI
可可(そうして皆が帰ってシーンとした病室にククは一人になってしまいまシタ、一人になるとどうしても考え事をしてしまいマス…今日の幸せなひと時を思い出すと孤独感に心が押しつぶされて苦しくて涙が込み上げてきてククの布団の染みになりマス)

可可(みんな凄く優しくて…もちろんいままでのみんなも優しいのデスガ、それ以上に接してもらってクク、とっても幸せデシタ)

可可(特に献身的に看病してくれたすみれ…あれは普段に戻れば必ずまた意地を張りあったりいがみ合う関係に戻るでショウ、それも悪くはありませんがすみれとも普段から仲良くしたいのデス!もっと仲良くなりたいデス)

可可(決めました!!今決めました!!ククは記憶を戻ってないことにしマス!!)
 
51: (あら) 2023/05/13(土) 01:56:02.62 ID:vTb2zcFI
女医「今日は発作、起きなかったようね。」

可可「はい!楽しい時間を過ごせまシタ!」

女医「それは良かったわ」

可可「あと、先生、実は…」

可可(ここまで言いかけてククはハットしまシタ、もしここで先生に記憶の事を話せば間違いなく皆に伝わえられるでショウ…ここは先生にも秘密にしておかなきゃダメデス!)

可可「そろそろ普通のごはんが食べたいデス」

女医「それはもう少し先の話ね」

可可「ガーン!!デス」

女医(かなり元気になってない?この子?面会の効果??)

可可「普通のご飯…普通のご飯…」

女医「安心して明日からは、流動食も追加されるから」

可可「………」
 
52: (あら) 2023/05/13(土) 02:21:59.26 ID:vTb2zcFI
翌日 夕方 病院

可可(ついにやって来まシタ!面会の時間です!!)

恋「こんにちは!クゥクゥさんはいらっしゃいますか?」

可可「どうぞ!!入ってくだサイ!」

かのちぃすみれん「お邪魔しまーす(するわよ!)」

可可(今日も皆に甘やかされるような時間を過ごしました)

可可(ククが退屈しないように面白い動画を探してくれたり、服のトレンドの雑誌を持ってきてくれたりまさに至れり尽くせりの至福の時間でシタ)
 
53: (あら) 2023/05/13(土) 02:42:54.59 ID:vTb2zcFI
その夜 病室
可可(やっぱり一人で夜を迎えるとまた自然に涙が溢れ、ククの布団を濡らしていきます。さみしいのは辛い…デス)

同じ頃 帰り道
千砂都「しかし、クゥクゥちゃんちょっと変わったよねー?」

かのん「何だか前より甘えっ子になったよね?」

恋「まぁ、正直クゥクゥさんも混乱されてどう私達と接して良いか分からない部分があるのでしょう」

かのん「でも、拒絶されなくてホントに良かったよ!」

すみれ「ま、まぁカリスマギャラクシースクールアイドルを前にしたら誰だってそうなるったらそうなるわよ!」

千砂都「なんだかお腹すいたねー帰りファミレスにでも寄ってく?」

かのん「いいね!たまにはそうしようか!」

恋「はい!大勢で“ふぁみれす”なんてはじめてです」

すみれ「ちょっと!聞きなさいよ!!」
 
57: (あら) 2023/05/13(土) 11:20:52.84 ID:vTb2zcFI
可可(それから皆は病院が許可してくれた日には平日、お休みの日関係なく毎日来てくれまシタ)

可可(パンダのぬいぐるみをプレゼントしてくれたり、綺麗なお花を持ってきてくれたり、他愛のないお喋り一つでもとっても幸せで楽しい時間でシタ)

事故から3週間 夜 病室 

看護師「唐さん、そろそろ消灯ですが調子はどうですか?」

可可「とってもイイデス!なんだクク凄い勢いで元気になってマス!」

可可「あ!スミマセン!お布団をもう一枚貰ってもいいデスカ?」

可可「それを縦に丸めてククの左側に置いてくだサイ」

可可(あぁーやっぱりこっちの方が落ち着きマス、病院のベッドには両側にスペースがあるのでなんか勝手が悪かったのデス!」

看護師「先生が、そろそろ車いすでなら病室から出れるって言ってたので楽しみにしててくださいね!」

可可「本当デスか!?」

看護師「ただ、病院からは出られないのと、そろそろ骨が接合しだす頃合いなのでまずは短時間からという条件付きですが」

可可「それでも楽しみデス!」
 
58: (あら) 2023/05/13(土) 12:01:55.60 ID:vTb2zcFI
翌日 

千砂都「お邪魔するよークゥクゥちゃん」

可可「あ、嵐千砂都さん、皆さん!こんにちは!来てくれてうれしいデス!」

かのん「こんにちは、クゥクゥちゃん」

可可「今日はみんなに良いお知らせがありマス!良く聞くのデス!」

可可「病院からもうすぐ車いすでお散歩に行けるって言われマシタ!」

恋「それは素晴らしい知らせですね!」

可可「それに柔らかい物なら食べても良いとも言われマシタ!!」

千砂都「すごーい!ちょっとずつ良くなってるねクゥクゥちゃん!」

かのん「じゃあ、何か食べたいものとかある?私、売店で買ってくるから」
 
59: (あら) 2023/05/13(土) 12:14:18.57 ID:vTb2zcFI
可可「じゃあ、プリンとフルーツと―!」

千砂都「落ち着いてクゥクゥちゃん!焦らないでまずは一つずつね」

可可「スミマセン…つい…じゃあ、バナナでお願いしマス」

可可「あれだけ届いてたフルーツが最近、パタリと届かなくなったのデス!届いていた時はククは物を食べられなかったので全部病院にお裾分けしまシタ、なのでククの口には一つも入らなかったのデス!」

かのん「あはは…」

かのん(あれはすみれちゃんからって言わないほうがいいのかな?)

かのん「わ、分かったバナナを買ってくるね!」

すみれ「………」
 
60: (あら) 2023/05/13(土) 12:28:48.17 ID:vTb2zcFI
かのん「お待たせ!買ってきたよ!」

可可「ありがとうございマス」

恋「あ、片手では不便でしょうから私が剥きますね」

可可「あ、じゃ、じゃあそのまま食べさせて欲しいデス」

恋「ふぇっ!?」

すみれ「アンタ、右手は使えるでしょ!」

可可「何だかクク、右手まで痛くなってキマシター」

すみれ「白々しいわ!!」

恋「わ、分かりましたでは…どうぞ」

可可「あーん、んーとっても甘くて美味しいですデス!!」

可可「クク、とっても優しくて美人なレンレ…葉月恋さんの妹になりたいデス~」

恋「ク、クゥクゥさん、そんなにくっつかれると食べさせにくいですよ///」

千砂都「何だかホントに姉妹みたいだね!」

すみれ「~~っ!」
 
61: (あら) 2023/05/13(土) 13:11:00.76 ID:vTb2zcFI
可可「ごちそうさまでシタ!とってもバナナ美味しかったデス!」

すみれ「…これも食べる?」

可可「それは…?水筒デスカ?」

すみれ「コンソメスープよ!今日、朝、コンソメスープと鶏肉とレタスを煮込んだやつをジャーに入れてきたのよ、まぁ具は食べれないと思ったから抜いてきたしかなり薄味にしてあるけど」

千砂都(かなり手が込んでる…)

可可「へ、平安名さん、ありがとうございマス…」

すみれ(!やっぱりこいつに苗字で呼ばれると調子狂うわね)

可可「あ、あの、スプーンをくだサイ」

すみれ「何言ってんのよ!右手も痛いんでしょ?食べさせてあげるわよ!感謝しなさいったら感謝しなさい!!」

可可「クク、自分で…」

すみれ「いいから!」
 
62: (あら) 2023/05/13(土) 13:22:58.75 ID:vTb2zcFI
可可(それからククは、あのすみれにスープを食べさせられる事になりまシタ。正直、緊張して味の事は分かりまセン)

かのん(2人ともずっと無言でスープを…なんだかすごい空気感)

すみれ(コイツ…大人しく素直でいると…なんだかとっても…それに自分から食べさせておいてなんだけどすっごく恥ずかしいわ)


すみれ「ん、ちゃんと食べたわね、偉いわ」

可可(!!ナチュラルにククの頭を撫でまシタ!今!あのすみれが!!)

すみれ(バナナより反応が薄いわ…もしかして美味しくなかったの?)
 
63: (あら) 2023/05/13(土) 14:26:32.04 ID:vTb2zcFI
可可(それからはまた他愛もないおしゃべりしたりいつもの日常に戻りマシタ)

千砂都「写真を撮りたい?」

可可「はい、皆さんが来てくれたって事をカタチとして残しておきたいのデス」

恋「別に今日が最後ってわけではありませんよ?」

千砂都「そうだよ!クゥクゥちゃんが嫌じゃなければ毎日だって来るよ!」

可可「ありがとうございマス…でもクク、忘れるかもしれないって事が怖いのデス…だから幸せで忘れたくない瞬間を少しでも残しておきたいのデス」

かのん「クゥクゥちゃん…写真、撮ろっか?」

可可「はい!!ありがとうございマス!あ…でもククのスマホ、壊れてしまったので…」

すみれ「じゃあ、私ので撮るわよ」

そう言ってすみれはククの横に来てスマホのカメラを起動して5人が入るように調整してシャッターを切りまシタ

千砂都「あ…でも、クゥクゥちゃんに写真、送れないね…」

すみれ「大丈夫よ、うちの近所にカメラ屋があってそこならデータからでも現像できる機械が置いてあるわ」

千砂都「詳しいね、すみれちゃん」

すみれ「ショービジネスに携わる人間にとってはジョーシキよジョーシキ!!」
 
64: (あら) 2023/05/13(土) 14:49:05.07 ID:vTb2zcFI
かのん「あっ!もうすぐ面会時間が終わるチャイムがなっちゃた」

千砂都「今日もあっという間だね~」

可可(皆が帰り支度を始めまシタ…ククはまた一人になりマス。
皆との時間が楽しければ楽しいほど、一人の時間は暗くて寂しいものになりマス
もしかすると、ククはこのままおいていかれるのかもしれマセン、そう思うと自然と)

可可「あの…もし、記憶が戻らなくても、体が良くなって動けるようになったらククもLiella!に入ってもいいですか?」

かのん「!!何言ってるの?当たり前じゃん!」

千砂都「私たちずっと待ってるんだよ?クゥクゥちゃんのこと」

恋「はい!Liella!はクゥクゥさんもいれて初めてLiella!と成り立つのですよ!」

すみれ「何言ってんの?」

かのくぅちぃれん「!?」

すみれ「アンタはいつLiella!を辞めたの?覚えてないかもしれないけどアンタは1度もLiella!を辞めたことなんてないわ!だから、入るもなにもすでにLiella!のメンバーなのよ」

可可「みなさん…ククは…ククはとってもスバラシイ友達を持った…持ってたんデスね」

可可(嬉しさのあまり涙が止まらないククを皆が背中をさすったり、右手を握ったりして時間いっぱいまで慰めてくれまシタ)
 
65: (あら) 2023/05/13(土) 14:53:23.88 ID:vTb2zcFI
ちょっと休憩で中断します。すみません
 
68: (あら) 2023/05/13(土) 16:51:15.54 ID:vTb2zcFI
同日 夜 病室

可可(はぁ…一人の時間が長く感じマス…でも、でも、ついに!記憶がなくてもククを受け入れてくれるって言ってくれまシタ!!これですみれとも仲良いままスクールアイドルに戻れマス!カンペキデス!もう以前の記憶を取り戻したことを言う必要もありまセン、今日からは“ニュー・クク”として生きていきマス!!)

翌日 夕方 病室

可可「見てくだサイ!クク、動けてマス!!」

千砂都「クゥクゥちゃん凄い!車いすに乗っても大丈夫になったんだ!」

可可「まだちょっとだけって言われまシタが、それでも感動デス!!」

可可「看護師さん!クク、散歩に行ってもいいデスか?」

恋「でしたら私達が車いすを押しますよ」

看護師「わかりました、ただし、病院の敷地からは出ないでくださいね。そして30分程度で戻ってきてください」

恋「分かりました、では、行きましょう!」

かのん「クゥクゥちゃん、どっか行きたいとこ、ある?」
 
69: (あら) 2023/05/13(土) 17:17:11.88 ID:vTb2zcFI
可可「久しぶりに外に出たいデス!屋上とかだと気持ちがいいかもしれないデス!」

すみれ「でも、ここの屋上はエレベーターを使ってさらに階段も使わないといけないからちょっと無理ね」

可可「あ…そう…なんデスネ…」

千砂都「じゃあさ、中庭行こ!あそこなら外の空気も吸えるし、花壇とかもあってリフレッシュできるかも」

可可「いいデスネ!屋上行けないのは残念ですが中庭に行きまショウ!」

可可「病室から出るのも久しぶりデス、動けるってことがこんなにも幸せだなんて想像もしてませんでシタ」

かのん「1階についたよ、エレベーターのドア押さえておくね」

恋「ありがとうございます。動きますよークゥクゥさん」

可可「待合室、人多いデスね」

かのん「ここ結構大きな病院だからねー」

待合室のTV「本日行われたスクールアイドルのライブで披露されたSunny Passionのパフォーマンスは―」

可可「あ!!サニっ!ゴホッ!ゴホッ!」

かのちぃすみれん「!!!」

すみれ「ちょっと!大丈夫なの?」

恋「すみません。私、どこかに当ててしまいましたか?」
 
70: (あら) 2023/05/13(土) 18:11:40.13 ID:vTb2zcFI
可可「イ、イエ外が楽しみすぎてちょっと興奮しすぎマシタ…」

千砂都「大丈夫なの?」

可可「はい、平気デス」

可可(危ね~デス、サニパ様を見ていきなり自爆するとこでシタ。もしここでククが黙っていたことがばれたら…)

可可の脳内

かのん「ふーん、ずっと私達を騙していたんだね、コイツ、どうするちぃちゃん?」

千砂都「決まってるよ、Liella!のおもちゃだよ」

恋「そうですね、私も灸をすえないと腹の虫が治まりません」

可可「そんな、ククまだ…けが人で…」

かのん「口答えしてないでまずは新しいギター買ってきて」ゲシッ

千砂都「40077キロウサギ跳びしてきて」ボコッ

すみれ「神社の敷地内全て掃除しなさい!それが終わったらウチの中もよ!」バシッ

恋「最寄のGE〇で面白そうなゲームを片っ端から買ってきて下さい、いいですか?1本でもクソゲーがあればお仕置きです!」ケリッ

可可(てな事になりかねマセン!慎重にいかないと…)

現実 病院 中庭
 
71: (あら) 2023/05/13(土) 19:04:58.45 ID:vTb2zcFI
すみれ「大丈夫?なんか顔色悪いわよ?」

可可「だ、大丈夫デス、外が眩しすぎて驚いてるだけデス」

すみれ「ほら、体冷やさないようにコレ」

可可(そう言ってすみれはククにひざ掛けをかけてくれまシタ。たった1枚のひざ掛けで心のほうも温かくなってきまシタ)

恋「少し震えてますし、大丈夫でしょうか」

千砂都「無理しないでね」

すみれ「そんなに怯えなくても外の世界なんて特に怖い物なんかないわよ」

可可(ちょっと考え事していただけデスが、思わぬ方向に話が行ってしまいまシタ。しかし、チャンスデス!)

可可「やっぱり、クク、少し怖いデス」

かのん「そうだよね、実際怖い思いもしてるんだし…今日はもう戻ろっか?」

可可「いえ、平安名すみれさん、少し手を握ってもいいデスか?そしたら多分ククは平気だと思うので」

すみれ「っつ!?え、えぇ別にいいわよ」

すみれ(ど、どういうことよ!あのクゥクゥが!)
 
72: (あら) 2023/05/13(土) 19:24:21.55 ID:vTb2zcFI
可可(それからクク達はおしゃべりしたりして過ごしました、その間もずっとすみれは手を繋いでいてくれまシタ、そしてあっという間に病室に戻る時間になり面会時間も終わって皆が帰ってしまいまシタ。)

看護師「唐さん、ベッドに戻りましょうね。手伝いますから」

可可「待ってくだサイ!窓辺に!窓辺行って下サイ!」

可可(看護師さんは驚きながらもククを車いすで窓辺に運んでびマス)

可可(右手で窓に取り付けられた転落防止用のバーを掴んでありったけの力を込めて右手と右足だけで立ち上がりまシタ)

可可(窓から見える病院の正門に何かを話しながら出ていくところの4人の姿がありまシタ…そしてその背中はあっという間に見えなくなったのデス)
 
73: (あら) 2023/05/13(土) 19:43:21.55 ID:vTb2zcFI
可可(それからも変わらずに皆は毎日のようにククのお見舞いにきてくれまシタとっても優しくしてもらい、家からは避けられない事故に遭ったということでラブライブで結果を出す期限を1年伸ばしてもらえたりいいことづくめの日々でシタ)

可可(しかし、悪い事をする人には必ず天罰が下りマス、それも前触れもなく…)

事故から4週間後 病院

可可「うー…手も足も痛いデス、全身痛い気がしマス…、痛すぎて最近あまり眠れまセン」

女医「骨が接合してるんだから痛いのは正常な反応よ。これから接合しても完治までは後1~2か月はかかるんだから今は安静にしておくことね」

可可「あぁ…何とかなりませセンかー」
 
76: (あら) 2023/05/13(土) 23:25:44.11 ID:vTb2zcFI
女医「無理ね、処方されてる痛み止めと別に睡眠導入剤を少し出しておくから眠れなさそうな時頓服として飲みなさい」

可可「はい~分かりまシタ~」



可可(やっぱり体中が痛いデス、とても眠れまセン、お薬飲んで眠りまショウ…)

可可(なんだかボヤーっとしてきまシタ…これで少しは眠れそうデス)
 
77: (あら) 2023/05/13(土) 23:28:52.60 ID:vTb2zcFI
翌朝 病室

看護師「唐さん、おはようございます。朝食の時間ですよ」

可可「身体がすっごく重たいデス~…起きられたものじゃありまセン…」

看護師「朝食ですよ、起きてください」

可可「要りませんー…」

昼 病室

看護師「昼食ですよー」

可可「まだ…頭が上手く働きま…セン」

可可「もう少し眠らせてくだサイ…」

看護師「先生、朝からこの調子なんです」

女医「睡眠導入剤に不慣れな患者によくある症状よ、倦怠感、眠気が長く続いて薬の効能時間よりも長く寝てしまうことなんて」

女医「放っておいても問題ないケド、生活のリズムが崩れ過ぎると不必要に導入剤に頼るケースもあるから遅くても15時までには叩き起こしてあげて」

女医「それと、朝からなにも食べてないってことだから血糖値が下がりすぎるのも良くないから必ず何か食べさせることね」

看護師「わ、分かりました」
 
78: (あら) 2023/05/13(土) 23:53:28.83 ID:vTb2zcFI
14時30分頃 病院

千砂都「今日はいつもよりちょっと早く着いちゃったね」

かのん「どうする?あんまり早く病室に行っちゃうのも迷惑かも」

恋「とはいえ30分くらいですからよそで時間を潰すのも難しいような気がしますし…」

すみれ「いつもこの曜日は15時で予約してるのよね?

恋「はい、15時でこの4人で申請しています」

すみれ「じゃあ、手続きとかしてたらなんだかかんだでいい時間になりそうだからこのまま行っていいんじゃないかしら?」

千砂都「うん、じゃあ行こう!」
 
79: (あら) 2023/05/13(土) 23:55:26.44 ID:vTb2zcFI
14時50分頃 病室

すみれ「クゥクゥ?邪魔するったら邪魔するわよー」

千砂都「あれ?」

かのん「まだ…寝てるね…」

恋「そうですね、起きるまで外で待ってましょうか?」

すみれ「ぷふっ!このだらしない寝顔、写真撮って待ち受けにしてやろうかしら」

恋「すみれさん、ここは病院ですよ?」

すみれ「!?…命拾いしたわね」

可可「うーん…ふぁぁ…何だか耳障りな声が聞こえマスね…まだ朝デスよ」
 
80: (あら) 2023/05/14(日) 00:10:38.77 ID:Wlx4ANH2
千砂都「ゴメン!起こしちゃった!?」

すみれ「でも、朝じゃないわよ…」

可可「…へ?今何時デスか?」

恋「じゅう…15時です」

可可「は!?15時デスか!?皆が来る時間デス!早く準備しないと!」

すみれ「もう来てるわよ!!」
 
81: (あら) 2023/05/14(日) 00:24:12.09 ID:Wlx4ANH2
かのん(ん?このベッドクゥクゥちゃんの左側に丸めた布団が置いてある…このこだわりって…)

可可「うわぁぁー!何でこんな時間まで誰も起こしてくれないのデスかー!!」

千砂都「あはは…大丈夫だから落ち着いて」

すみれ「眠気覚ましに緑茶を入れてあげるわ、昨日良い茶葉をみつけたの」

可可「ありがとうございマス、すみれ」

かのん(自然と呼び捨てにしてるしもしかして…)

すみれ「じゃあ、ちょっと給湯室に行ってくるわ!楽しみに待ってなさいったら待ってなさい」

恋「すみません、驚かせてしまって。やはり外で待っておくべきでしたね」

可可「いえ、こんな時間まで寝てたらククが悪いんデス、レンレン」

かのん(やっぱり…!)

かのん「ねぇ、もしかして…クゥクゥちゃん、記憶戻ってる?」
 
83: (あら) 2023/05/14(日) 00:35:48.78 ID:Wlx4ANH2
ちぃれん「え?」

可可「!!!!!!」

可可「ソ、ソンナコトナイデース、クク、マエノコトナンニモオボエテナイデース」

かのん「さっきすみれちゃんを呼び捨てにしてたし恋ちゃんのことを『レンレン』って」

恋「そう言われてみれば…あまりに馴染みすぎて気が付きませんでした…」

可可「ううっ!」

かのん「それにその布団…」

千砂都「あ!クゥクゥちゃんの左側に!」

可可(いつもは朝片付けてもらっていましたのに、朝起きなかったので布団もそのままでシター!!)

恋「クゥクゥさん?」

可可「あ…あ…えっと…あの…その…ハイ…」

可可(どうしまショウ…今日記憶を戻ったって言いまショウか?)
 
84: (あら) 2023/05/14(日) 00:52:16.56 ID:Wlx4ANH2
かのん「ホント!!戻ったの!良かったね!クゥクゥちゃん」

千砂都「すごーい!私達の事も思い出したの?」

恋「まるで奇跡です!」

可可(まっ、眩しい!皆の眩しい笑顔にこれ以上ククは?つけまセン、正直に言って謝りましょう)

かのちぃれん「えぇーっ!!2週間前には記憶が戻ってたの(んですか)ー!?」

可可「ハイ…本当にスミマセン…」

恋「でも、なぜ記憶が戻っていないフリを?」

可可「それは…みんなと仲良くしたかったから…デス」

かのん「そんなに仲悪かったっけ?私達?」

可可「違いマス!!そうじゃなくて…」
 
85: (あら) 2023/05/14(日) 01:12:21.59 ID:Wlx4ANH2
千砂都「え!?何?今の音?」

恋「外から何かが割れたような音がしましたね」

かのん「ちょっと見てくる!」

数分前 病院 給湯室

すみれ(売店お茶に合うアイツの食べれそうなものを探してたらちょっと時間かかったわね)

すみれ(でも、これでカンペキね)

すみれ(あとは持っていくだけね)

すみれ「フンフン♪フンフフーン♪」
 
86: (あら) 2023/05/14(日) 01:27:11.48 ID:Wlx4ANH2
病室

すみれ「お待たせったら―あれっ?」

すみれ(トレイを持ってるからドアが開けづらいわ…)

かのちぃれん「えぇーっ!!2週間前には記憶が戻ってたの(んですか)ー!?」

可可「ハイ…本当にスミマセン…」

すみれ(!?!?記憶…?えっ!ウソ!?クゥクゥの記憶が戻ったの?2週間前に?何でこのタイミングで打ち明けてるの?)

可可「それは…みんなと仲良くしたかったから…デス」

かのん「そんなに仲悪かったっけ?私達?」

すみれ(仲悪い?はっ!?そう言えばクゥクゥと私はいつも嫌味を言い合ったり意地はったりしてたけど…それは本気で嫌だったってこと?)

すみれ(だから私がいないこのタイミングで打ち明けてるの?じゃあ手を握ったりしたのは?あれは?素のクゥクゥで私と接したくないから記憶が戻ってないことに…?)

すみれ(じゃ、じゃあこの1か月以上私がやってきたことは?クゥクゥを想っていたことは?全部…全部…一人よがりだったの…ね)

かのん「すみれちゃん!?どうしたの?大丈夫!?」

恋「急須と湯?が割れてお茶が…怪我はありませんか?すみれさん」

すみれ「ウソよ…そんなのウソよ…絶対に…ウソよ」

可可「すみれ…?」

すみれ「絶対にウソよ!!うあぁぁぁぁ!」

かのん「すみれちゃん!?待って!」
 
87: (あら) 2023/05/14(日) 02:00:49.36 ID:Wlx4ANH2
かのん「すみれちゃん!?待って!」

千砂都「私、追いかけてくる!」

かのん「ちぃちゃんお願い!!」

可可「すみれ…そんな…」

恋「大丈夫です、きっと誤解があるだけですよ」

可可「ククが?なんかつくから…」

恋「すみれさんならすぐに分かってくれますよ!なので安心してください!」

可可「レンレンがそう言ってのなら信じマス…」

恋「はい!私、モップとバケツを借りてくるのでかのんさんクゥクゥさんについててください」

かのん「分かった!恋ちゃん!」
 
89: (あら) 2023/05/14(日) 02:25:08.08 ID:Wlx4ANH2
かのん「ごめんね、私のタイミングが悪いときに聞いたせいで」

可可「かのんは悪くないデス、全部ククが悪いデス…」

かのん「クゥクゥちゃんが記憶について黙ってたのはすみれちゃんの事でだよね?」

可可「っつ!」

かのん「クゥクゥちゃん、以前はすみれちゃんとあんなやり取りをしていたけど本当はもっと仲良くなりたかったんだよね?」

可可「///!今までの関係もキライではありマセンがもっといい関係を築きたかったのデス」

かのん「その気持ちがあれば大丈夫じゃないかな?今度は真っすぐに伝えてあげてそしたら必ず伝わるから!」

可可「かのん!ありがとうございマス!!」

うわぁぁぁぁん!なんでなのよーうわぁぁん!ヒッグ、グズ

かのん「今の声はすみれちゃん?」

可可「屋上みたいデスね!ククも行きマス!」

かのん「えー!?大丈夫なの?」
 
92: (あら) 2023/05/14(日) 17:55:06.39 ID:Wlx4ANH2
かのん「その体じゃ、ちょっと難しいと思うよ」

かのん「きっとちぃちゃんが落ち着かせてくれるから待ってようよ?」

可可「いえ、全てはククの所為なのデス…」

可可「だから、直接行って謝らないといけまセン!今すぐに」

かのん「分かった!じゃあ、車いす押すから乗ろっか!ほら掴まって!」

可可「ありがとうございマス!」

かのん「ゴメン!恋ちゃん!ここお願いしてもいい?」

恋「はい!任せてください!!」
 
93: (あら) 2023/05/14(日) 18:12:41.55 ID:Wlx4ANH2
同じ頃 病院 屋上

すみれ「うあぁぁぁん!ひぐっ!ぐずっ!」

千砂都「すみれちゃん、落ち着いて?」

すみれ「だって…だって…いやよ!信じないわ…」

すみれ「クゥクゥが…クゥクゥが!!」

千砂都「記憶が戻ったんだよ?」

すみれ「なんで2週間もウソついてたのよ!ぐずっ…わだじっ!ずっとっ!」

千砂都(あー、クゥクゥちゃんが黙ってた事がショックだったのかな?すみれちゃんずっと心配してたもんね)
 
94: (あら) 2023/05/14(日) 18:20:03.22 ID:Wlx4ANH2
病院 屋上前の階段

かのん「ここからは階段だね…クゥクゥちゃんほら、肩をしっかり掴んで!」

可可「いえ、大丈夫デス…クク、自分で行きマス」

かのん「ちょ、ちょっと!ダメだよ!」

可可「行かせてくだサイ」

かのん(クゥクゥちゃんが階段には這いつくばって…右手右足の力だけで…)

可可「っ!ぐっ!あぁ!」

かのん「クゥクゥちゃん!!」

可可「大丈夫デス!」

可可(全身に刺すような痛みが走りマス…でもククは行かなければいけまセン)

かのん「見てられないよ!ケガも悪く…」

可可「ククの所為ですみれとすれ違ったままならケガなんて治ったって意味ありまセンだから…だからこれだけはククにやらせてくだサイ!!」

かのん「……」

可可(あと少し!ドアノブを回せば屋上デス)

可可「ハァ…ハァ…」
 
95: (あら) 2023/05/14(日) 18:35:36.76 ID:Wlx4ANH2
屋上

すみれ「!?クゥ…クゥ?」

千砂都(クゥクゥちゃんが屋上のドアを開いて倒れこむようにして入ってきた…)

可可「ハァハァ…す、みれ…」

可可「話がありマス…聞いてくだサイ…」

すみれ「やめて!話なんかないわ!来ないで!」

千砂都(床を這ってすみれちゃんの方へ…クゥクゥちゃんを支えなきゃ!)

千砂都「クゥクゥちゃ…」

可可「来ないでくだサイ!!!これはクク自身への罰なのデス!!」

かのん(凄い、クゥクゥちゃんの気迫に誰も動けない…)

可可「すみれ!すみれ!誤解なんデス!」

すみれ「知ってるわよ!あんたがホントは私の事が嫌いで一緒になんか居たくないってことぐらい!」
 
96: (あら) 2023/05/14(日) 18:46:51.36 ID:Wlx4ANH2
可可「違いマス!逆デス!逆なんデス!!」

すみれ「ぎゃ…く?」

可可「そうデス!逆デス!本当はクク、みんなと、すみれともっと仲良くなりたくて記憶をなくしたフリしてまシタ!」

すみれ「え…?」

可可「ククとすみれ、いつも意地はったりしてまシタ!でも…でもすみれとも普通に仲良くしたかったんデス!」

可可「だから、昔の事を忘れたフリをすればもう一度すみれと0から関係を築けると思って…ククはすみれが本当はすごく優しくて思いやりのある人だって知ってマスから」

可可「でも一度張ってしまった意地は中々戻せまセン、だからそのきっかけとしてクク、ウソつきました…」
 
97: (あら) 2023/05/14(日) 19:02:18.96 ID:Wlx4ANH2
すみれ「ッ!ほんと…なの…その話…?」

可可「本当デス!ククの100%ホントの気持ちデス!!信じてもらえないかもデスが…」

すみれ「バカ!このっ!バカ!バカぁぁぁ!うわぁぁん!」

可可「すみれ!そんなに抱きしめられるとちょっと痛いデス」

すみれ「うるさい!」

可可「すみれ…」

すみれ「ぐすっ…どんだけ私が不安になったか知ってるの?アンタが練習に遅れた時や事故の知らせを聞いた時、意識が無い時、記憶が無いって聞いた時とか!!」

すみれ「本当に怖かったんだから!」

可可「ごめんなサイ…」

すみれ「よく見るとアンタ全身真っ黒じゃない!」

可可「床を這ってきまシタから…」

すみれ「ほんと!バカなんだから!!」

すみれ「でも私を騙した罰はしっかりと受けてもらうわ!」

可可「ハイ…」

すみれ「歯を食いしばりなさいったら食いしばりなさい!!」
 
98: (あら) 2023/05/14(日) 19:13:43.61 ID:Wlx4ANH2
可可「……」

すみれ「やっぱりやめとくわ!けが人にビンタするほど趣味悪くないから」

可可「すみ―」

すみれ「その代わり治ったらとびきりのやつをお見舞いしてあげる」

屋上入り口

恋「皆さん!大丈夫ですか!?すみれさんは?クゥクゥさんは?」

かのん「色々あったけどもう大丈夫そう」

恋「一応、先生も呼んでは来たのですが」

女医「他の患者からも騒ぎが起こってるって言われたから来てみたケド…」

千砂都「あはは…ちょっと誤解があったみたいで…」

恋「お騒がせして本当に申し訳ありません!」

女医「まぁ、別にいいわ、ただ加療1週間は覚悟するよう言っといて」

かのん「は、はい」

女医「ホント面倒くさい人たち…フフッ」
 
99: (あら) 2023/05/14(日) 19:32:56.08 ID:Wlx4ANH2
それから時が流れ… 退院日

女医「いい?退院って言っても完治じゃないの、まだ貴女はしばらく車いすで生活してリハビリを続けないといけないの」

女医「でもそれくらいならウチみたいに大きな病院じゃなくても近所の病院でもできるから退院を認めるの」

可可「はい、分かりまシタ」

女医「そしてこれは医者じゃなくて個人としてのアドバイスだけど…あなたもかけがえのないステキな仲間に恵まれているみたいなんだから、その…少しは素直になりなさい」

女医「昔、自分の気持ちを押し〇していたり、対立したり、空中分解しかけたりすごく面倒くさい人が集まったグループがあったの、でもお互いの気持ちを伝えあうことでその面倒くさい人たちは一つになってすごく大きな輝きを放っていたわ」

女医「だから、貴女も大切な仲間には素直でそして正直でいなさい」

可可「先生…」

女医「悪かったわね説教して!もう終わったから早く行きなさい!」

可可「ありがとうございございマス!お世話になりまシタ!先生」

女医「はいはい、でももうウチにはもう来ないでね」
 
100: (あら) 2023/05/14(日) 19:51:07.26 ID:Wlx4ANH2
病院入り口

可可「皆さんお待たせしまシタ!退院の手続き全部終わりまシタ!」

かのん「じゃあ、改めて…」

かのちぃすみれん「クゥクゥちゃん(さん)!おかえり(なさい)!退院、おめでとう(ございます)!」

可可「ありがとうございマスー!クク、やっと帰ってこれまシタ!!」

すみれ「取り敢えず駅まで車いすを押してあげるわ!感謝し―」

可可「嫌です」

すみれ「ギャラッ!?」

可可「すみれは押すのが下手くそなので身体に響きマス、出直してきやがれ、デス」

すみれ「贅沢言わないで!ほら行くわよ!このミイラ!」

可可(結局、ククとすみれは嫌味を言いあう仲に戻ってしまいました。)

可可(でもそれは、お互い心の底から信頼してるからこそ言える“冗談”になりまシタ)
 
101: (あら) 2023/05/14(日) 20:09:31.33 ID:Wlx4ANH2
帰り道

かのん「そういえば、クゥクゥちゃん今日は家に帰るの」

可可「はい、久しぶりにサニパ様に囲まれたいデス!!」

千砂都「でも、家事とかはどうするの?」

すみれ「心配ないわ!今日は特別に私が泊まって面倒を見てあげるったら見てあげるから」

恋「そうなんですか!でも、すみれさん1人だと大変なので交代でクゥクゥさんの看病をするというのはどうでしょう?」

かのん「いいアイディアだね!それ!」

千砂都「私も賛成!」

可可「皆さん…ククは本当に幸せ者です!」
 
102: (あら) 2023/05/14(日) 20:27:38.72 ID:Wlx4ANH2
かのん「じゃあ、このへんで解散だね」

恋「あとは、お願いしますね?すみれさん」

すみれ「まかせなさいったらまかせなさい!」

可可「え~クク、レンレンの方がいいデス~」

すみれ「うるさいわね!」

千砂都「2人とも仲良くね!」


近所の公園

可可「クク、ベンチに座りたいデス」

すみれ「いいじゃない?そのままで」

可可「嫌です、ククはすみれに支えてもらってベンチに座ってくつろぎたいのデス」

すみれ「!?そ、そこまで言うんなら…ほら、しっかり手を握って…」

すみれ「ふぅ…何とか座れたわね。そ、そこの自販機で飲み物買って来るから待ってなさい」
 
103: (あら) 2023/05/14(日) 20:28:30.91 ID:Wlx4ANH2
可可「しかし、本当にいろんな事がありまシタ」

すみれ「大体アンタの所為だけどね」

可可「うぅっ!」

すみれ「でもいいわ、今回はことは忘れてあげる。こうしてクゥクゥの手を握れるようになったから、だからアンタも今回のことは忘れて前を向きましょう」

可可「く、ククは忘れることを忘れマス!と、特にすみれの泣き顔とか!!」

すみれ「ア、アンタね!じゃあ私も思い出したわ!」
 
104: (あら) 2023/05/14(日) 20:32:55.05 ID:Wlx4ANH2
可可「何を…デスか?」

すみれ「治ったらビンタするって事」

可可「!?」

すみれ「さぁ、目をつぶって歯を食いしばりなさい!!」

可可「ヒッ!暴力はいけまセン!すみれ」

すみれ(尾行とかされてないわよね?ここまでくれば大丈夫よね?)

すみれ「いくわよ!!………ふぅ~」

可可「えっ!?////!?」

可可「なんデスか!今のは?すみれ?置いてかないでくだサイ!車いすに乗せてくだサイー!」

かのちぃれん「気になって後をつけてきたけど…なんだかとんでもない物見ちゃった!?!?)



―おわり―
 
105: (あら) 2023/05/14(日) 20:33:28.49 ID:Wlx4ANH2
ここまで読んでいただいた方、スレ立て代行していただいた方本当にありがとうございました。

本来はもう少し続く予定でしたがあまりに長くなりすぎたためこの辺りで完結にします。
 
106: (八つ橋) 2023/05/14(日) 20:47:15.07 ID:53c91Y7K
もっと書いても良かったのよ
すごく良かった!
 
109: (あら) 2023/05/14(日) 23:26:33.38 ID:Wlx4ANH2
ありがとうございます。

やはり続きを書きたくなったので書こうと思いますがすでにこのスレで2万字を超えており
(ワード調べ)続きも長くなりそうなので後ほど代行をお願いして新しいスレで続編という形にしようとおもいます


続編について

続編も可可とすみれ中心の物語ですがLiella!全体的な話となる予定です

今更ですがアニメ(正史)が改変されます

大まかストーリーしかない状態なので書き溜めがほぼない超遅筆が予想されます(確定)
ある程度書き溜めてからの投下方が見やすいって方が多ければ後日改めてにしようとおもいます。
 
107: (しうまい) 2023/05/14(日) 20:53:46.85 ID:ibGtlB6K
すごく良かった感動した
乙です!
 
108: (もんじゃ) 2023/05/14(日) 22:35:59.69 ID:HEOefspC
めちゃくちゃ良かったけどまだ書けるなら存分にやってくれ
 
110: (茸) 2023/05/15(月) 08:31:04.46 ID:XLVG/zXk
楽しみにしてる!
書きやすいやり方で頑張って!
 

引用元: https://nozomi.2ch.sc/test/read.cgi/lovelive/1683806235/

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