1: (国際宇宙ステーション) 2023/10/08(日) 16:31:24.06 ID:qODbRCRq
花帆が部室の扉を開けたとき、中には誰の姿もなかった。
「なんだろうこれ?」
机の上に置かれた箱が花帆の目に留まった
。
昨日まではなかったので誰かが自分の来る前に置いて行ったのだろうか。
それはいかにもお土産などで買いそうな箱で、つまりお菓子が入っていそうな箱に見えつい興味を惹かれてしまった。
「……」
「なんだろうこれ?」
机の上に置かれた箱が花帆の目に留まった
。
昨日まではなかったので誰かが自分の来る前に置いて行ったのだろうか。
それはいかにもお土産などで買いそうな箱で、つまりお菓子が入っていそうな箱に見えつい興味を惹かれてしまった。
「……」
3: (国際宇宙ステーション) 2023/10/08(日) 16:35:06.78 ID:qODbRCRq
これは部室に置いてあった怪しいものを確認するため。
そう自分に言い聞かせながら、それでも少し辺りをキョロキョロと見回しつつゆっくりとその箱を開けた。
花帆「わ! ようかんだ」
そして箱の中に並んだそれらについ大きな声を上げてしまった。
ラベルに書かれていたのは達筆な字で読みにくいが確かにそれはようかんと読めた。
そう自分に言い聞かせながら、それでも少し辺りをキョロキョロと見回しつつゆっくりとその箱を開けた。
花帆「わ! ようかんだ」
そして箱の中に並んだそれらについ大きな声を上げてしまった。
ラベルに書かれていたのは達筆な字で読みにくいが確かにそれはようかんと読めた。
4: (国際宇宙ステーション) 2023/10/08(日) 16:51:14.14 ID:qODbRCRq
「およ?」
瑠璃乃が部室の扉を開けたとき、花帆が机に向かって立ちすくんでいた。
近づき、机の上の箱が目に留まった。
「おお! これはようかんじゃん!」
「うん、そうなんだけど、なんでここにあるのかなって」
「これ誰かの差し入れじゃね!」
「もうお二人とも廊下を走ってはいけませんよ」
「あ、さやかちゃん」
「ん?それはようかんですか?」
瑠璃乃が部室の扉を開けたとき、花帆が机に向かって立ちすくんでいた。
近づき、机の上の箱が目に留まった。
「おお! これはようかんじゃん!」
「うん、そうなんだけど、なんでここにあるのかなって」
「これ誰かの差し入れじゃね!」
「もうお二人とも廊下を走ってはいけませんよ」
「あ、さやかちゃん」
「ん?それはようかんですか?」
6: (国際宇宙ステーション) 2023/10/08(日) 16:59:37.36 ID:qODbRCRq
「そうなんだけど、なんでここにあるのかなって」
「やっほーハロめぐ~」
「1年生達よ3人そろって何をしているんだい?」
「めぐちゃん!これなんだけど」
「う~ん?これ結構いいようかんだね」
「和菓子王国の金沢の中でも知る人ぞ知る逸品だよ」
「栗むし羊羹っていって大粒の栗がごろごろ入っておいしいんだ」
「やっほーハロめぐ~」
「1年生達よ3人そろって何をしているんだい?」
「めぐちゃん!これなんだけど」
「う~ん?これ結構いいようかんだね」
「和菓子王国の金沢の中でも知る人ぞ知る逸品だよ」
「栗むし羊羹っていって大粒の栗がごろごろ入っておいしいんだ」
7: (国際宇宙ステーション) 2023/10/08(日) 17:06:54.62 ID:qODbRCRq
慈「なんで部室に羊羹があるのかはわかんないけど、きっと誰かが皆のために持って来てくれたんだよ」
慈「せっかくこれだけ人数揃ってるし切り分けちゃおうよ」
包装を取り外す慈のその手に迷いはなかった。
花帆「うわ~おいしそうですね」
さやか「切り分けやすいようにプラスチックナイフがセットで付いているので、私が切り分けますね」
瑠璃乃「さやかちゃんよろよろ~」
慈「せっかくこれだけ人数揃ってるし切り分けちゃおうよ」
包装を取り外す慈のその手に迷いはなかった。
花帆「うわ~おいしそうですね」
さやか「切り分けやすいようにプラスチックナイフがセットで付いているので、私が切り分けますね」
瑠璃乃「さやかちゃんよろよろ~」
9: (国際宇宙ステーション) 2023/10/08(日) 17:12:59.14 ID:qODbRCRq
さやか「綴理先輩と梢先輩の分は別に取り分けてと」
さやか「できましたよ」
慈「さやかちゃんありがとね、じゃあ早速いただこうか」
1年ズ「いただきまーす」
さやか「ほのかに竹の香りがして、これは葛でしょうか、餡は独特の食感が楽しめますね。」
花帆「う~んおいしい! なかにみっちり詰まった栗は甘くてほくほくだし、まさに“伝統の味”だね~」
さやか「できましたよ」
慈「さやかちゃんありがとね、じゃあ早速いただこうか」
1年ズ「いただきまーす」
さやか「ほのかに竹の香りがして、これは葛でしょうか、餡は独特の食感が楽しめますね。」
花帆「う~んおいしい! なかにみっちり詰まった栗は甘くてほくほくだし、まさに“伝統の味”だね~」
10: (国際宇宙ステーション) 2023/10/08(日) 17:20:47.95 ID:qODbRCRq
クレープやアイスが好きな花帆だがこうした和風のお菓子も甘くて大好きだった。
瑠璃乃「おいしいね!めぐちゃん」
慈「だよね!ん? あっ、るりちゃんてば、もうしょうがないな~」
そんな風にはしゃいでいたせいで手に少しペタペタとした汚れがついてしまっていたので慈は瑠璃乃の手を取り拭いてあげる
瑠璃乃「もうめぐちゃん子供扱いしないでよ」
さやかほ「こっちもごちそうさまです」
瑠璃乃「おいしいね!めぐちゃん」
慈「だよね!ん? あっ、るりちゃんてば、もうしょうがないな~」
そんな風にはしゃいでいたせいで手に少しペタペタとした汚れがついてしまっていたので慈は瑠璃乃の手を取り拭いてあげる
瑠璃乃「もうめぐちゃん子供扱いしないでよ」
さやかほ「こっちもごちそうさまです」
11: (国際宇宙ステーション) 2023/10/08(日) 17:21:54.54 ID:qODbRCRq
そんな和やかで微笑ましく楽しい時間は唐突に終わりを告げる
13: (国際宇宙ステーション) 2023/10/08(日) 17:23:45.05 ID:qODbRCRq
「……」
部室の中に6つの沈黙が流れる。
しかしそれは大きく分けると三つに分類することができた。
一つはこの状況が呑み込めずに困惑する綴理の沈黙。
一つは反省、焦り、動揺といった負の感情に支配された慈と花帆達1年生四人の沈黙。
そして最後の一つが、
「……」
部室の中に6つの沈黙が流れる。
しかしそれは大きく分けると三つに分類することができた。
一つはこの状況が呑み込めずに困惑する綴理の沈黙。
一つは反省、焦り、動揺といった負の感情に支配された慈と花帆達1年生四人の沈黙。
そして最後の一つが、
「……」
14: (国際宇宙ステーション) 2023/10/08(日) 17:25:39.79 ID:qODbRCRq
呆れたような、不満そうな、がっかりしたような視線を慈と花帆たち1年生に向ける梢の姿だった。
16: (国際宇宙ステーション) 2023/10/08(日) 17:27:34.92 ID:qODbRCRq
それはせっかくわざわざ
家から貰い物の名物のようかんを送ってもらって
皆で食べようとこっそり家庭科室でお茶の用意をしていたのに
先にパクパクと食べられてしまった梢の怒りからくる沈黙だった。
家から貰い物の名物のようかんを送ってもらって
皆で食べようとこっそり家庭科室でお茶の用意をしていたのに
先にパクパクと食べられてしまった梢の怒りからくる沈黙だった。
17: (国際宇宙ステーション) 2023/10/08(日) 17:30:52.71 ID:qODbRCRq
梢は嘆息をして所在なさげに佇む綴理に声をかける
「……さて、綴理お茶が冷めてしまう前に食べましょう。あ、慈と花帆さん達は気にしなくていいわよ。皆さんはもう先に召し上がられたようですので」
いつまでも、いつまでも続くかと思われた沈黙だったがそれは梢によって破られた。
「さあ、どうぞ綴理」
「……さて、綴理お茶が冷めてしまう前に食べましょう。あ、慈と花帆さん達は気にしなくていいわよ。皆さんはもう先に召し上がられたようですので」
いつまでも、いつまでも続くかと思われた沈黙だったがそれは梢によって破られた。
「さあ、どうぞ綴理」
18: (国際宇宙ステーション) 2023/10/08(日) 17:32:46.43 ID:qODbRCRq
にこりといつも以上に優し気に笑いながら
綴理に羊羹とお茶を勧める梢を
花帆たちは黙って見守ることしかできない。
綴理「あっ。う、うんいただきます」
綴理に羊羹とお茶を勧める梢を
花帆たちは黙って見守ることしかできない。
綴理「あっ。う、うんいただきます」
20: (国際宇宙ステーション) 2023/10/08(日) 17:35:53.74 ID:qODbRCRq
梢に勧められた綴理は
チラリと視線を慈と花帆達1年生に向ける。
羊羹とお茶を前にした自分達と机を挟んで向かいに座る慈と花帆たち1年生。
その目の前には当然何も用意されてはいなかった
しかし慈と花帆達1年生はそんなことは気にもせず、
ただ肩を落として反省を示していた。
チラリと視線を慈と花帆達1年生に向ける。
羊羹とお茶を前にした自分達と机を挟んで向かいに座る慈と花帆たち1年生。
その目の前には当然何も用意されてはいなかった
しかし慈と花帆達1年生はそんなことは気にもせず、
ただ肩を落として反省を示していた。
21: (国際宇宙ステーション) 2023/10/08(日) 17:38:20.38 ID:qODbRCRq
梢「……」ニコニコ
綴理「……」
気まずい状況に手が進まない綴理だったが、やけに圧のある梢の笑顔の前に
やがてゆっくりと羊羹を食べ始めたのだった。
綴理「……」
気まずい状況に手が進まない綴理だったが、やけに圧のある梢の笑顔の前に
やがてゆっくりと羊羹を食べ始めたのだった。
22: (国際宇宙ステーション) 2023/10/08(日) 17:42:11.22 ID:qODbRCRq
おしまいです
今日はようかんの日なので書きました
登場した名物羊羹はこちらです
金沢みやげの大本命はコレ!栗たっぷりでもっちもちの「松葉屋」蒸し羊羹
https://rurubu.jp/andmore/article/5253
今日はようかんの日なので書きました
登場した名物羊羹はこちらです
金沢みやげの大本命はコレ!栗たっぷりでもっちもちの「松葉屋」蒸し羊羹
https://rurubu.jp/andmore/article/5253
24: (国際宇宙ステーション) 2023/10/08(日) 17:50:12.41 ID:jvfDD3Hh
>>22
乙
うまそう
金沢に行ったら買ってみるか
乙
うまそう
金沢に行ったら買ってみるか
19: (もんじゃ) 2023/10/08(日) 17:33:51.58 ID:fESvndwV
鬼が降りてた…
23: (国際宇宙ステーション) 2023/10/08(日) 17:44:17.16 ID:YbO2xpOL
乙面白かったよ
👹こっず面白かった
👹こっず面白かった
25: (国際宇宙ステーション) 2023/10/08(日) 18:04:15.42 ID:Lm5dNw7g
梢先輩ブチ切れでワロタ
綴理のメンタルは限界よ
綴理のメンタルは限界よ
26: (国際宇宙ステーション) 2023/10/08(日) 18:07:29.85 ID:bndkMu8H
好きな言葉が「和気あいあい」な綴センは泣いて良い
28: (国際宇宙ステーション) 2023/10/08(日) 21:49:53.57 ID:QuJUIVLT
綴理は自分わるくないのに落ち込みそう
よしよししたい
よしよししたい
29: (たこやき) 2023/10/08(日) 22:38:13.78 ID:6bz0FDkk
コレはしゃーない
羊羹のお店駅ナカにあるみたいやから今度買うわ
羊羹のお店駅ナカにあるみたいやから今度買うわ
引用元: https://nozomi.2ch.sc/test/read.cgi/lovelive/1696750284/