【SS】きな子「突撃！　ぱてぃ、すりー……なんちゃら！」【ラブライブ！スーパースター!!】

夏美「──で、これがこの前できたお店の看板スイーツですの」

メイ「へぇ、結構いろんなもん食ってんだな」

四季「しかも新進気鋭のオシャレな店ばかり。流石インフルエンサー」

メイ「でも意外だよ、こういう店ってわりといい値段するだろ？　金にうるさい夏美は逆に興味ないんじゃないかと思ってたけど」

夏美「それは私を舐めすぎですの。まだ見ぬバズのためなら多少の出費や節制も惜しみませんの…！」

四季「頼もしい」ﾌﾌｯ
　

きな子「お待たせしましたっす！　なに話してたっすか？」ﾄﾃﾄﾃ

メイ「おう、来たか」

四季「夏美ちゃんのスマホの写真を見せてもらってた。意外と食べ物の写真が多いって」

夏美「グルメはバズの基本ですの～」

きな子「ふんふん、確かに多いっすね…あ、これ凄く美味しそうっす。なんてお店っすか？」

夏美「ん、えーっとそれは確か…『Patisserie (オシャレな名前)』ですの」

きな子「ぱてぃ、すりー……名前のわりに結構ガッツリ系なんすね！」

夏美「なに言ってますの…？」

四季「多分、お肉が三枚挟まったハンバーガーを想像してる」

メイ「ほら、バカなこと言ってないで早く行くぞ。先輩たちに怒られちまう」

きな子「あ、待ってくださいっすー！」
　

～休日、きな子の家～

きな子（今日は久々にお休みっす。といっても、特にやることはないっすねぇ）ｺﾞﾛｺﾞﾛ

きな子（外はいいお天気、洗濯物も風にゆらゆら揺れて気持ちよさそうっす。お散歩するのも楽しそうっすね～）ｺﾞﾛｺﾞﾛ

きな子（う～～～～～ん……）ｺﾞﾛｺﾞﾛ､ｺﾞﾛｺﾞﾛ…

ｺﾞﾛ…ｺﾞﾛ…………

きな子「こ、このままでは貴重な休日がなくなってしまうっす…！」ｶﾞﾊﾞｯ

きな子（そういえばこの前夏美ちゃんから聞いたお店、まだ行ってなかったな……よし！）

きな子「桜小路きな子、勇気を持って突撃するっす！　そうと決まれば善は急げ、時はマニーなりっす！　ふふっ♪」
　

きな子（……って、勢い勇んできたはいいものの、場所がわからないっす…検索しようにも名前がオシャレすぎて覚えられなかったっすし…）

猫「にゃ」

きな子「わ、猫さん！　こんにちはっす！」

猫「にゃあ～」

きな子「よいしょっと…猫さん、トーキョーは詳しいっすか？」

猫「にゃむ」

きな子「じゃあ、えっと…『ぱてぃすりーなんちゃら』ってお店知らないっすか？」

猫「んにゃ～…」

きな子「そ、そうっすよね…わからないっすよね…」

猫「にゃん」ﾃｸﾃｸ

きな子「ん、もしかしてどこかに案内してくれるっすか？　待ってっす～！」
　

きな子「ぜ、全然知らない路地に連れてかれたっす…ここどこっすか～…」

ハト「クルッポー」

きな子「あ、ハトさん…道案内をお願いしてもいいっすか…」

ハト「ホー」

きな子「ありがとうっす…じゃあ、ぱてぃすりー……いや、とにかく大通りまで案内してほしいっす…」

ハト「？　ホー」ﾊﾞｻﾊﾞｻｯ
　

きな子（ハトさんのおかげで大通りには戻って来れたっすけど、結局あのお店の場所はわからないまま…どうしよう…）

夏美「あら？　きな子？」

きな子「はっ、その声は…！　な、夏美ちゃぁぁぁんっ！！」ﾀﾞｷｯ

夏美「わっ！　なんですの急に！？」

きな子「この前夏美ちゃんに教えてもらったお店に行こうとしたんすけど、名前も忘れちゃって場所もわからなくて、猫さんに聞こうと思ったら知らない路地に連れてかれるし、今ハトさんに案内してもらってやっとここまで戻ってこれたんすよぉ～！」

夏美「い、いろいろツッコみたいですけど…まず迷ったら動物に聞く前にスマホの地図見れば一発ですの…」

きな子「……そういえばそうっす」

夏美「まるで現代人とは思えませんの…」
　

夏美「大体、忘れたらメッセでもなんでもいいから確認してきていいですの」

きな子「聞いたのに忘れて聞き直すって、なんだか失礼な気がして…」

夏美「友達同士でそんな風に気を遣う方が失礼ですの。もっと信頼してほしいですの」

きな子「友達……そうっすよね、ごめんなさいっす…」

夏美「ま、これが重要なことじゃなくてよかったですの。ほら、行きますの」ｽｯ

きな子「ふぇ？」

夏美「ふぇ、って…行きたいんでしょう？　あのお店。案内しますの」

きな子「…！　お、お願いするっす！」ｷﾞｭｯ
　

──────

きな子「人が多いっすね～…今日はどんなイベントがあるんすか？」

夏美「イベント…？　特にはなかったと思いますの」

きな子「な、ないのにこんなに人が多いっすか！？」

夏美「これが東京ですの、はぐれないように気を付けますの」

～～～

きな子「そういえば、夏美ちゃんはなにか用事でもあったんすか？」

夏美「用事というほどでもないですけど、動画のネタ探しですの」

きな子「なにかいいもの見つかったっすか？」

夏美「……オニシケでしたの」

きな子「た、大変っすねぇ…」

──────
　

きな子「ふぃ～…結構歩いたっすね～…」

夏美「まだもう少し歩きますの」

きな子「ほ、ホントっすか～…？」

夏美「だってきな子がいた場所、思いっきり反対の方でしたの。恨むなら自分の不運を恨みますの」

きな子「ひぇ～…」

夏美「──ん、あれは…」

メイ「げっ、お前ら…」

四季「やっほ」
　

メイ「なんでこんなとこに…」

きな子「この前夏美ちゃんに教えてもらったお店に行くんす！」

夏美「もしかして四季とメイも…」

四季「うん、メイがどうしても行きたいって言うから」

メイ「お前も行きたがってただろ！？」

四季「…覚えてない」

きな子「な～んだ、みんな行きたかったんすね♪」

夏美「もう、どうせだしみんなで一緒に行きますの」
　

夏美「ここですの」

きな子「……えっ！？　ホントにここなんすか！？」

夏美「…？　間違いありませんの」

メイ「地図でもここになってるけど…どうかしたのか？」

きな子「だってこの名前、どう読んでも夏美ちゃんが言ってた通りには読めないっすよ！？」

四季「これはフランス語だから、英語的な読み方とは少し違う」

きな子「そんなぁ～…」

メイ「そんな落ち込むことじゃねーだろ…」

夏美「お店の邪魔になりますの、早く入りますの」
　

店員「ごゆっくりどうぞ～」

メイ「はぁぁっ…！　これがネコケーキ…可愛すぎるっ…！」

四季「ふふっ。メイ、すごく可愛い」ﾊﾟｼｬ

メイ「ちょっ、私のこと撮るんじゃねーっ！」

きな子「きな子はキツネさんのケーキっす！　食べるのが勿体ないっすね～♪」

夏美「みなさーん！　はいチーズ、ですの！」ﾊﾟｼｬ
　

きな子「はぁ～…美味しかったっす…♡」

メイ「中も良い雰囲気だったし、教えてくれた夏美に感謝だな」

夏美「なんの！　こちらもSNS用の良いネタができましたの♪」

四季「さっき撮ったの、すごくいい写真。あとで頂戴？」

夏美「もちろん！　Liella!のグループに上げて先輩方にも自慢しますの！」

きな子「今度はみんなで来たいっすね！」
　

メイ「じゃ、私らこっちだから」

四季「また明日、きな子ちゃん、夏美ちゃん」

夏美「またですの～」

きな子「バイバイっす～！」

きな子「…ふぅ、まさか夏美ちゃんだけじゃなくて、メイちゃんや四季ちゃんとも会えるなんて思わなかったっす」

夏美「きな子はよかったんですの？」

きな子「ふぇ、なにがっすか？」

夏美「だって、最初は一人で来る予定だったんでしょう？　急にこんなに増えて、疲れてないかと…」

きな子「大丈夫っすよ！　みんなと遊ぶのは楽しいっすし、それで疲れるならそれは気持ちのいい疲れっすから！」
　

きな子「…それに、さっき夏美ちゃんはきな子の不運を恨めって言ってたっすけど、きな子は全然不運だなんて思ってないっす」

きな子「だって、迷って反対の方に行って動物さんたちと歩かなかったら、夏美ちゃんと会えてなかったっす。夏美ちゃんに会えてなかったら、メイちゃんと四季ちゃんにも会えてなくて。今日はいっぱい歩くことになっちゃったっすけど、でも結果的にすごく幸せな一日を過ごせたっす！」

夏美「きな子…」

夏美「…でも、やっぱり迷うのは時間の無駄ですの。どうせ迷うくらいなら…最初から私と一緒に行きますの」

きな子「えっ…いいんすか？」

夏美「さっきも言ったでしょ？　友達に遠慮はいりませんの。それに、私一人よりLiella!のメンバーがいた方が数字の伸びが良いんですの」

きな子「…！　じゃ、じゃあ！　来週のお休み、さっき見つけて気になったあのお店に…！」

夏美「ちょ、ちょっと待って、来週ですの！？　ええっと残りのマニーは…」

きな子「…ぷっ、ふふっ！」

夏美「もうきな子、死活問題ですのに…ふふっ！」

『あははははっ！』
　

おわり
きななつが公式にバレてきている、乗り遅れるな！の気持ちで書きました
結果的に季節感もクソもない感じになっちゃったけど
　

おつ
あなたが神か
　

ああかわええ…尊い…
　

古のきなっつ
　

かわいいなあ