【SS】慈「できれば会いたくなかった五度目の桜」【ラブライブ！蓮ノ空】

慈「ついに…この日が来たね」

慈「今日まで色々あったけど、私、みんなと卒業できて嬉しいよ！」

慈「ね、みんな！」

さやかほるり「……」
　

～一年前の卒業記念フェスライブ～

梢「本日は、私達の卒業記念ライブへお越しくださり、誠にありがとうございます。スクールアイドル部部長、乙宗梢です」ﾍﾟｺﾘ

綴理「夕霧綴理だよ～みんなよろしく～」


あれ？めぐちゃんは？
めぐちゃん居らん
ハロめぐしたい

綴理「…こず、お願い」

梢「ちょ…！綴理、あなたが説明するって言ったじゃない…！」ｺｿｺｿ

綴理「ごめんこず、ボク今ひじきだから…」

梢「あなた困った時そればっかりじゃない…！」

え、何？
放送事故
　

梢「そのぉ…慈は、ですね、あの…実は、その、留年、がですね、決まってしまいまして…」

綴理「追試バックレたんだよね」

梢「今、慈はネット、外出禁止令を受けてですね…謹慎中、というわけで…」


嘘やん…
単位バイめぐ
バイめぐ～！（同級生達へ）
一年前の功績バイめぐ


綴理「めぐは、来年卒業するから、その時におめでとーって言ってあげて」　

梢「祝うべき、ではあるのだけれど…ね」

綴理「でも、もう一年スクールアイドルできるのは羨ましい」

梢「限られた時間で精一杯輝くのがスクールアイドルの醍醐味なのだけれど…」

綴理「…裏ワザ？」

梢「ゲームオーバーという方が近いかもしれないわね…」

どっちかと言うとチートじゃね？

綴理「それかも」

梢「校則では留年者は部活を辞めなくてはダメなはずなのだけれど、どうするのかしらあの子は…」
　

梢「というわけで、今日の卒業記念ライブは私達二人でのステージとなります。よろしくお願い致します」ﾍﾟｺﾘ


二人だけではステージに立たないって話聞いた事あるんだけど

私もそれ聞いたことある

その約束まだ続いてたの？

綴理「…うん」

梢「…はい、では時間も押していますので、一曲目に入りたいと思います…」

～～～

花帆「あたし、忘れられませんよ…！あの梢センパイ達の気まずさ全開のMCを…」

さやか「二人で出ると決まったときの先輩方、今までで見た事無かった表情してましたね」

慈「良かったじゃん、二人の新しい所知れてさ」

さやか「できれば見たくなかったんですよ」
　

慈「何さ何さ！私だって好きで留年したわけじゃないやい！」

瑠璃乃「ルリ言ったじゃん！何回も聞いたんだぞー！卒業できるのかって！めぐちゃん大丈夫って笑いながら配信の準備してたじゃん！」


さやか「一度配信中に先生が突入してきた時ありましたよね」

花帆「あのカメラの前で先生に3時間説教されてたやつ？」
　
さやか「それです」
　
花帆「あれアーカイブも残せなかったけど、伝説の回としてネットに勝手にアップされてるよね」

琉璃乃「流石に追試前日8時間配信はワイルド過ぎるよめぐちゃん…」

慈「あ、あの時はヤケクソで…半分諦めてたし…」ｴﾍﾍ

瑠璃乃「それで良く好きで留年したわけじゃないとか言えたよね！」

慈「もういいじゃん！今年は卒業できるんだし！ほら！私卒業生様だよ！祝ってよ！」
　
花帆「あたし達もですけど」
　

花帆「去年、沙知センパイが色々動いてくれたんだよね、慈センパイが卒業できるように」

さやか「本当に頭があがりませんね」

瑠璃乃「沙知パイセン安心して卒業してったのに、これ以上迷惑かけないでよめぐちゃん！」

慈「それは…本当に悪いと思ってるけどさ、やっぱりコネで卒業なんて駄目だと思ったから、私から断ったんだよ？」

さやか「そういう所は真面目なんですよね」

瑠璃乃「そのマトモさの1割でも学業に使ってくれてたら留年しなかったのにー！」
　

花帆「それでも今年は卒業まで単位ギリギリなとこが慈センパイらしいよね！」

さやか「一度受けた授業なのに、どうしてそんな事になっちゃうんですか？」


慈「だってー！どうせ留年しちゃったんだから成績とかもう拘る必要ないもーん！」

瑠璃乃「さっすがめぐちゃん！普通の人は尻に火がついたら頑張るのに！」

瑠璃乃「丸焦げになっても平気な顔してるなんてすごいよ、カッケーよ！逆に！」

慈「うるさいうるさーい！誰が焼け野原の燃えカスじゃい！」

花帆「そこまでは言ってないと思うんですけど！？」ｶﾞﾋﾞｰﾝ
　

瑠璃乃「しかし、せめて一緒に卒業しようねとは言ったけど、まさか本当にする事になるとは」

慈「…でもさ、ルリちゃんの夢、叶ったじゃん」

瑠璃乃「…え？」

慈「あ、覚えてないな～？じゃあ教えてしんぜよう！」

～～10年前～～

るりの「るり、何時かめぐちゃんにぜってー追いつくから！」

めぐみ「ふふーん！どうかなぁ～？るりちゃんが成長しても、その頃めぐちゃんはも～っと成長してるもんね！」

めぐみ「そうだなぁ～るりちゃん九九どこまで言える～？」

るりの「五の段までは覚えたよ！」

めぐみ「めぐちゃんは七の段まで言えまーす！へへーん！」←年上

るりの「ぐぬぬ～！みてろよ～！」

～～～
　

～～現在～～
瑠璃乃「ほらめぐちゃん、ここでその式代入すんだよ！」

慈「だ…大乳…？めぐちゃんはそりゃ立派な物持ってるけど…」ｱﾊﾊ

瑠璃乃「……めぐちゃん、るりの後輩になりたい？」

慈「すいません真面目にやります…」

～～～

慈「ってさ、本当懐かしいよね」

瑠璃乃「そっかぁ、ルリ、いつの間にかめぐちゃんに追いついちゃったんだね…」

慈「立派になって嬉しいよ！私は」

さやか「慈先輩が落ちてきただけでは？」

花帆「ていうか、追い抜いてるよね？」
　

慈「あーん、もう！私は先輩だぞー！もっと敬えー！」

花帆「敬うって…そういえば、慈センパイ、留年して最初の配信で…」

～～～

慈「ハロめぐ～！オーバーエイジ系スクールアイドル、藤嶋慈だよ～！」

慈「留年しちゃったら、校則では部活辞めて勉強に専念しなきゃダメらしいんだけど、めぐちゃんはめぐちゃんだから！」

慈「私の尊敬するちっちゃい先輩が言ってたんだけどさ！スクールアイドルは自分がそう思ってたらみんなそうなんだって！」

慈「だからクラブの部員じゃ無くても配信はするしライブもやりまーす！みんなよろめぐ～♡」

～～～


花帆「すごいですよね！何というか、図太さ？って言うのかな」

瑠璃乃「めぐちゃん昔から変なとこで鬼メンタルだから」

さやか「唯一の見習うべき点でしたね」


慈「さっきから馬鹿にしてない…？さすがに私も傷つくんですけど！」

さやか「慈先輩がこれからは同級生なんだから遠慮は無しって言ったんですよ？」
　

慈「うぅ…めぐちゃんだって去年卒業したかったよ…でもしょうがないじゃん…」

さやか「…なんて」

慈「？」

さやか「色々言いましたが、最高学年になったわたし達にとって、慈先輩が後ろに控えててくれたのはとても心強かったですよ」

花帆「甘えちゃダメだーって、なるべく頼らないようにしてましたけど！」


瑠璃乃「うん！何だかんだめぐちゃん居てくれてよかったなーって、ルリ思う！故にルリあり！」

慈「さ、三人とも…」ﾎﾛｯ

慈「やだなぁ…なるべく泣かない様にって思ってたのに、やっぱり駄目だった…」ｸﾞｽｯ


花帆「ねえねえ！じゃあ1年遅れだけど…」ｺｿｺｿ

さやか「ふふっ、そうですね」

瑠璃乃「ゔんゔん！」

さやかほるり「慈先輩（めぐちゃん）！卒業おめでとうございます！」

慈「うわーん！みんなありがとー！」ﾀﾞｷｯ
　

さやか「それにしても、本当に卒業できて良かったですね」

慈「いやー、もう1年いたら二十歳になっちゃうしね！ギリギリセーフ！」

さやか「留年してる時点でアウトでは？」

瑠璃乃「おぉう…二十歳で制服は流石にコスプレ感でちゃうね」

花帆「慈センパイ、ただでさえ目立つ方だしね」

瑠璃乃「でも、二十歳でスクールアイドルやるめぐちゃん、ちょっと見たいかも！」

慈「もう後輩に混ざって授業受けるあの空気には耐えられないっての！」

ｱﾊﾊ
　

沙知「やあやあ可愛い後輩たち」ｽﾀｽﾀ

花帆「沙知センパイ！どうしたんですか？」

さやか「何でここに！？」

沙知「私は理事長の孫娘だからね、あとを継ぐためにも色々勉強させてもらってるんだよ」

瑠璃乃「沙知パイセン！おひさっすー！」

沙知「あはは、瑠璃乃、久しぶり、元気にやってるみたいで嬉しいよ」
　

慈「沙知先輩～！先輩もお祝いに来てくれたんですか！」

沙知「いやぁ、伝えなくてはいけないことができてしまってねぃ」

慈「なんですか～？もしかしてまたプレゼント!?」

花帆「まさか、またステージを！？」

瑠璃乃「沙知パイセン太っ腹ー！」

さやか「もうもらってもわたし達は使えませんが…」

沙知「いやぁ、さすがにそんなポンポン建てることはできないなぁ」ﾊﾊ
　

慈「よーし、じゃあ沙知先輩も一緒に写真……

沙知「慈、高校生活は楽しかったかい？」

慈「え？そりゃそーですよ！……でも、いざ卒業ってなると、やっぱ名残惜しいなーって」

沙知「そうか、それなら良かった」ﾆｺｯ



沙知「慈、君は留年だ」
　

四人「…は？」

沙知「必修の追試が合格ラインギリギリだったんだが…先生が採点ミスをしていたようでね、落第点だったんだよ」


瑠璃乃「まじ…？」

慈「え、えっと～、う、嘘じゃなく？」


沙知「いやぁ、本当は去年みたく私の力で手心を加えるつもりだったんだけどね」

慈「じゃ、じゃあどうして…」
　

沙知「慈が去年言ってたことを思い出してねぃ、『沙知先輩の力は借りない！自分で卒業する！』って頼もしい言葉をね」

慈「あ、あ…そんな…」


沙知「ははっ、慈、君が言ったんだぜ？」


花帆「来年も頑張ってね！慈ちゃん！」

さやか「卒業したらお祝いしましょうね、慈さん」

瑠璃乃「あぁ、二人がついにめぐちゃんを後輩にんてーしちった…」


沙知「慈、君が六度目の桜と共に旅立てる事を祈っているよ」ﾆｺｯ

慈「うわーん！もうやだー！」

終わり
　

乙グッバイめぐちゃん、フォーエバーめぐちゃん
　

坂の下 手を振り 別れを告げる
瑠璃乃は消えて行く そして追いかけていく
諦め立ち尽くす 心に決めたよ
　

20歳の高校生は同級生の104期生ちゃんがかわいそうだわ
　

タイトル草
唯一の見習う点はさやナイフグサグサなのよ
　

めぐちゃん(20)が同じ教室にいたらレズ達が発情しちゃう…