1: 2021/01/10(日) 15:39:53.46 ID:8EVzQwJd
侑「ちょっと聞きたいことがあるんだけどいいかな」
しずく「？ はい、構いませんよ」
侑「その……答えにくかったら嫌って言ってね。私も無理強いはしたくないからさ」
しずく「そんなに大変な質問なんですか？」
侑「下手するとこの空気が砕け散って、関係も修復不可能になるかもしれない」
しずく「そんなにですか……」
侑「人間関係っていつどんな形で壊れるか分かんないからね」
しずく「…………」
しずく「？ はい、構いませんよ」
侑「その……答えにくかったら嫌って言ってね。私も無理強いはしたくないからさ」
しずく「そんなに大変な質問なんですか？」
侑「下手するとこの空気が砕け散って、関係も修復不可能になるかもしれない」
しずく「そんなにですか……」
侑「人間関係っていつどんな形で壊れるか分かんないからね」
しずく「…………」
2: 2021/01/10(日) 15:41:18.84 ID:8EVzQwJd
しずく「……それでも口に出したということは、それを承知の上で尋ねてみようと思ったんですよね？」
侑「……うん」
侑「前々から気になってはいたんだけどね。もう居ても立ってもいられなくなっちゃって」
しずく「そんなに前からなんですか？」
侑「うん。果林さんが同好会に入ったときくらいからかな」
しずく「割と前ですね……」
侑「気になるけど嫌われてたら嫌だしな～って思ってスルーしてたんだ」
しずく「そんな！私、同好会の皆さんのこと大好きですよ。じゃないと、こんなに仲良くしたり出来ないじゃないですか」
侑「そっか……そうだよね」
侑「……うん」
侑「前々から気になってはいたんだけどね。もう居ても立ってもいられなくなっちゃって」
しずく「そんなに前からなんですか？」
侑「うん。果林さんが同好会に入ったときくらいからかな」
しずく「割と前ですね……」
侑「気になるけど嫌われてたら嫌だしな～って思ってスルーしてたんだ」
しずく「そんな！私、同好会の皆さんのこと大好きですよ。じゃないと、こんなに仲良くしたり出来ないじゃないですか」
侑「そっか……そうだよね」
4: 2021/01/10(日) 15:43:01.84 ID:8EVzQwJd
しずく「そうですよ！私、皆さんが合同演劇祭を観に来て下さったとき本当に嬉しかったんですから！」
侑「……分かった。じゃあ、信じるよ」
しずく「はい！なんだか私もやる気になってきました。なんでも聞いてください！」
侑「よし、じゃあ行くよ！」
しずく「はい！」
侑「……」
しずく「……」
侑「……分かった。じゃあ、信じるよ」
しずく「はい！なんだか私もやる気になってきました。なんでも聞いてください！」
侑「よし、じゃあ行くよ！」
しずく「はい！」
侑「……」
しずく「……」
5: 2021/01/10(日) 15:45:04.95 ID:8EVzQwJd
侑「…………」
しずく「…………」
侑「………………」
しずく（タメが長いな……）
侑「……すうっ」
しずく（！ 来る……っ！）
侑「──私の名前、覚えてる？」
しずく「えっ！？！？」
侑「うわぁ！ごめんなさいやっぱ今のナシで！！」ｶﾞﾀﾝｯ！
しずく「あっ、ちょ、待って下さい。怒ってません、私怒ってませんから！」ｶﾞｼｯ！
しずく「…………」
侑「………………」
しずく（タメが長いな……）
侑「……すうっ」
しずく（！ 来る……っ！）
侑「──私の名前、覚えてる？」
しずく「えっ！？！？」
侑「うわぁ！ごめんなさいやっぱ今のナシで！！」ｶﾞﾀﾝｯ！
しずく「あっ、ちょ、待って下さい。怒ってません、私怒ってませんから！」ｶﾞｼｯ！
7: 2021/01/10(日) 15:48:11.45 ID:8EVzQwJd
侑「いやでも失礼じゃん！？同じ同好会に所属してて、合宿までした後輩にこんな今更なこと聞くなんてさ！」
しずく「違うんです！予期せぬ方向から質問が飛んできてビックリしただけなんです！」
侑「……ほんと？」
しずく「ほんとです」
侑「私のこと苦手だなーとか思ってない？」
しずく「思ってませんよ！思ってたらこんな風に話したりしません！」
侑「じゃあ、私の名前呼んでみて？」
しずく「えっ」
侑「えっ？」
しずく「違うんです！予期せぬ方向から質問が飛んできてビックリしただけなんです！」
侑「……ほんと？」
しずく「ほんとです」
侑「私のこと苦手だなーとか思ってない？」
しずく「思ってませんよ！思ってたらこんな風に話したりしません！」
侑「じゃあ、私の名前呼んでみて？」
しずく「えっ」
侑「えっ？」
11: 2021/01/10(日) 15:50:46.70 ID:8EVzQwJd
しずく「……その、えっと」
侑「……やっぱ覚えてない？」
しずく「いえ！それは決して！！」
侑「……」
しずく「あの、そのぉ……」ｱｾｱｾ
侑「……私さ」
しずく「は、はい」
侑「今までのことをずっと思い返してたんだけど、名前を呼ばれた記憶がないんだよね」
侑「なんて呼んでくれてたかすら分からないんだよ」
しずく「っ！」
侑「……やっぱ覚えてない？」
しずく「いえ！それは決して！！」
侑「……」
しずく「あの、そのぉ……」ｱｾｱｾ
侑「……私さ」
しずく「は、はい」
侑「今までのことをずっと思い返してたんだけど、名前を呼ばれた記憶がないんだよね」
侑「なんて呼んでくれてたかすら分からないんだよ」
しずく「っ！」
12: 2021/01/10(日) 15:52:55.56 ID:8EVzQwJd
侑「いや、それどころかまともに会話した気すらしなくて……」
しずく「ま、待って下さい！それは嘘ですよ！」
侑「ほんと？」
しずく「本当です！ほら、あの時です！」
侑（えっ、まさか実は本当に名前を呼んでくれてたとか……？）
しずく「私と……その、先輩が鎌倉で……」
侑「待って待って待って」
しずく「ま、待って下さい！それは嘘ですよ！」
侑「ほんと？」
しずく「本当です！ほら、あの時です！」
侑（えっ、まさか実は本当に名前を呼んでくれてたとか……？）
しずく「私と……その、先輩が鎌倉で……」
侑「待って待って待って」
13: 2021/01/10(日) 15:54:42.70 ID:8EVzQwJd
しずく「えっ？」
侑「私、鎌倉行ったことないよ」
しずく「……」
侑「っていうか、今『先輩』って呼んだ？」
しずく「……よ、呼びましたっけ？」
侑「呼んだよ。名前も何もなしの先輩呼びだったよ」
しずく「……まあ、呼んだかもしれませんね」
侑「私、鎌倉行ったことないよ」
しずく「……」
侑「っていうか、今『先輩』って呼んだ？」
しずく「……よ、呼びましたっけ？」
侑「呼んだよ。名前も何もなしの先輩呼びだったよ」
しずく「……まあ、呼んだかもしれませんね」
15: 2021/01/10(日) 15:57:12.96 ID:8EVzQwJd
しずく「あっ、今ので先輩を呼んだことになりませんか！？」
侑「私がお願いしたのは『名前を呼ぶこと』だからちょっと違うかなぁ～」
しずく「そうですか……」
侑「うん。で、鎌倉って何？なんでいきなり鎌倉？」
しずく「私の家、鎌倉にあるんです。だから……」
侑「待って」
しずく「はい」
侑「初耳なんだけど」
しずく「そうでしたっけ……？」
侑「私がお願いしたのは『名前を呼ぶこと』だからちょっと違うかなぁ～」
しずく「そうですか……」
侑「うん。で、鎌倉って何？なんでいきなり鎌倉？」
しずく「私の家、鎌倉にあるんです。だから……」
侑「待って」
しずく「はい」
侑「初耳なんだけど」
しずく「そうでしたっけ……？」
17: 2021/01/10(日) 16:01:14.57 ID:8EVzQwJd
侑「え……鎌倉って何県？」
しずく「神奈川です」
侑「学校まですごい時間かかるよね？」
しずく「まあ……慣れたらどうってことないですよ」
侑「朝、何時起きなの？」
しずく「基本朝は5時起きです」
侑「はっや！」
しずく「もう慣れちゃいました」
しずく「神奈川です」
侑「学校まですごい時間かかるよね？」
しずく「まあ……慣れたらどうってことないですよ」
侑「朝、何時起きなの？」
しずく「基本朝は5時起きです」
侑「はっや！」
しずく「もう慣れちゃいました」
20: 2021/01/10(日) 16:04:28.89 ID:8EVzQwJd
侑「私、その時間まで起きてたことあるもん」
しずく「えっ！？平日にですか？」
侑「うん」
しずく「それはまずいですよ……身体によくありません」
侑「だよね。授業中にいきなり鼻血が出てきた時は『あっ、私死ぬな』って思ったもん」
しずく「寝て下さい」
侑「うん。彼方さんを見習ってたくさん寝るよ」
侑「……で、何の話だっけ？」
しずく「私と先輩が鎌倉でオフィーリアの散歩に出かけた時の話です」
侑「行ってない行ってない」
しずく「えっ！？平日にですか？」
侑「うん」
しずく「それはまずいですよ……身体によくありません」
侑「だよね。授業中にいきなり鼻血が出てきた時は『あっ、私死ぬな』って思ったもん」
しずく「寝て下さい」
侑「うん。彼方さんを見習ってたくさん寝るよ」
侑「……で、何の話だっけ？」
しずく「私と先輩が鎌倉でオフィーリアの散歩に出かけた時の話です」
侑「行ってない行ってない」
22: 2021/01/10(日) 16:08:48.10 ID:8EVzQwJd
しずく「えっ？」
侑「え？じゃなくて。行ってないよ」
しずく「行ってなかったっけ……」
侑「残念ながらね」
侑「っていうか、オフィーリアって誰？外国の人？」
しずく「私の家で飼ってる愛犬です」
侑「初耳だなぁ。初耳の情報ばっかりが出てくるなぁ」
侑「え？じゃなくて。行ってないよ」
しずく「行ってなかったっけ……」
侑「残念ながらね」
侑「っていうか、オフィーリアって誰？外国の人？」
しずく「私の家で飼ってる愛犬です」
侑「初耳だなぁ。初耳の情報ばっかりが出てくるなぁ」
25: 2021/01/10(日) 16:12:30.61 ID:8EVzQwJd
しずく「……言ってませんでしたっけ？」
侑「残念ながら。犬種は？」
しずく「ゴールデンレトリバーの女の子です。写真見ます？」
侑「見たい見たい！」ﾜｸﾜｸ
しずく「これです」ｽｯ
侑「わっ、モフモフだぁ……！」
しずく「すっごく可愛くて賢い子なんですよ」
侑「いいなぁ。ウチはマンションだからペット飼えないんだよね」
しずく「……今度、見にきます？」
侑「え、いいの？」
しずく「はい、是非！」
侑「残念ながら。犬種は？」
しずく「ゴールデンレトリバーの女の子です。写真見ます？」
侑「見たい見たい！」ﾜｸﾜｸ
しずく「これです」ｽｯ
侑「わっ、モフモフだぁ……！」
しずく「すっごく可愛くて賢い子なんですよ」
侑「いいなぁ。ウチはマンションだからペット飼えないんだよね」
しずく「……今度、見にきます？」
侑「え、いいの？」
しずく「はい、是非！」
27: 2021/01/10(日) 16:15:55.47 ID:8EVzQwJd
しずく「そうすればさっき私が言ったことも事実になりますし！」
侑「後付けの事実だけどね」
しずく「そこは譲ってくれないんですね」
侑「ずっと気になってたことだからね。そう簡単には納得できないよ」
しずく「では、あれはどうですか？」
侑「なになに？」
しずく「私がお世話になっている先輩のお家で一緒にかき氷を食べた時のことです」
侑「無いよ」
しずく「えぇ～……？」
侑「後付けの事実だけどね」
しずく「そこは譲ってくれないんですね」
侑「ずっと気になってたことだからね。そう簡単には納得できないよ」
しずく「では、あれはどうですか？」
侑「なになに？」
しずく「私がお世話になっている先輩のお家で一緒にかき氷を食べた時のことです」
侑「無いよ」
しずく「えぇ～……？」
30: 2021/01/10(日) 16:20:27.22 ID:8EVzQwJd
侑「無いって。無いよそんな素敵な一夏の思い出。しかも誰なのお世話になってる先輩って。演劇部の人？」
しずく「いえ、他校の人なんですけど……その方に特製かき氷をご馳走したんです」
侑「え、もしかして作ったの？」
しずく「はい！あずき、白玉、抹茶アイスにバニラアイス、小さい最中、スイーツ全部乗せ超豪華・しずくスペシャルです！」
侑「お、美味しそう……」ｼﾞｭﾙﾘ
しずく「ちなみにかき氷機も我が家のものを使ったんですよ」ｴｯﾍﾝ
侑「いいな～、あれ見ると夏！って感じするよね！」
侑「私も小さい頃は歩夢と一緒に作ったなぁ。子供の力じゃなかなか素早く回せなくって二人で頑張ったのを覚えてるよ」
しずく「ふふっ、想像すると微笑ましいですね」
しずく「いえ、他校の人なんですけど……その方に特製かき氷をご馳走したんです」
侑「え、もしかして作ったの？」
しずく「はい！あずき、白玉、抹茶アイスにバニラアイス、小さい最中、スイーツ全部乗せ超豪華・しずくスペシャルです！」
侑「お、美味しそう……」ｼﾞｭﾙﾘ
しずく「ちなみにかき氷機も我が家のものを使ったんですよ」ｴｯﾍﾝ
侑「いいな～、あれ見ると夏！って感じするよね！」
侑「私も小さい頃は歩夢と一緒に作ったなぁ。子供の力じゃなかなか素早く回せなくって二人で頑張ったのを覚えてるよ」
しずく「ふふっ、想像すると微笑ましいですね」
31: 2021/01/10(日) 16:25:47.99 ID:8EVzQwJd
侑「頑張った後、何をトッピングするか一緒に考えるのも楽しかったな～」
しずく「ちなみに先輩は何をかけて食べるのがお好きなんですか？」
侑「美味しいものならなんでも！」
しずく「アバウトですね……」
侑「私、好きな食べ物は『おいしいもの』だからね」
しずく「……しずくスペシャルも美味しいですよ？」
侑「うーん、じゃあ今度鎌倉行くときに作って欲しいな」
しずく「ｯし！」ｸﾞｯ
侑「今よしって言った？」
しずく「言ってませんよ」
侑「そう？」
しずく「はい」
しずく「ちなみに先輩は何をかけて食べるのがお好きなんですか？」
侑「美味しいものならなんでも！」
しずく「アバウトですね……」
侑「私、好きな食べ物は『おいしいもの』だからね」
しずく「……しずくスペシャルも美味しいですよ？」
侑「うーん、じゃあ今度鎌倉行くときに作って欲しいな」
しずく「ｯし！」ｸﾞｯ
侑「今よしって言った？」
しずく「言ってませんよ」
侑「そう？」
しずく「はい」
32: 2021/01/10(日) 16:28:25.79 ID:8EVzQwJd
侑「じゃあ、さっきの話に戻るんだけど」
しずく「しずくスペシャルですか？」
侑「いや、もっと前かな」
しずく「オフィーリアの写真ですか？違うの見ます？」ｽｯ
侑「うん、後で見せてもらおうかな。それよりも前だよ」
しずく「…………？」
侑「忘れたって顔しても私は覚えてるよ」
しずく「……では、あのとっておきのお話をします」
侑「やっぱ覚えてるんじゃん！」
しずく「しずくスペシャルですか？」
侑「いや、もっと前かな」
しずく「オフィーリアの写真ですか？違うの見ます？」ｽｯ
侑「うん、後で見せてもらおうかな。それよりも前だよ」
しずく「…………？」
侑「忘れたって顔しても私は覚えてるよ」
しずく「……では、あのとっておきのお話をします」
侑「やっぱ覚えてるんじゃん！」
35: 2021/01/10(日) 16:34:05.10 ID:8EVzQwJd
しずく「あれは先輩ととある映画の舞台となった場所に出掛けた時のこと……」
侑「ダウト」
しずく「待って下さい、早いです」
侑「だって無いもん……」
しずく「写真も撮りましたよ。カメラでなのでスマホにはデータがありませんけど……」
侑「えぇ～？」
しずく「──本当ですよ？」ｷﾘｯ
侑「演劇部モードで言われると迫力があるね」
侑「ダウト」
しずく「待って下さい、早いです」
侑「だって無いもん……」
しずく「写真も撮りましたよ。カメラでなのでスマホにはデータがありませんけど……」
侑「えぇ～？」
しずく「──本当ですよ？」ｷﾘｯ
侑「演劇部モードで言われると迫力があるね」
36: 2021/01/10(日) 16:38:37.05 ID:8EVzQwJd
しずく「お花畑を見た後、ひまわり畑を抜けて一緒に寝転んだはずです！」
侑「う～ん……ごめん、分かんないや」
しずく「これはもう一度行ってみる必要がありそうですね」
侑「行ったら思い出せるかな？」
しずく「ええ、きっと！私がリードしてみせます！」
侑「じゃあお願いしようかな」
しずく「はい、お任せくださいっ！」ﾆｺﾆｺ
侑「う～ん……ごめん、分かんないや」
しずく「これはもう一度行ってみる必要がありそうですね」
侑「行ったら思い出せるかな？」
しずく「ええ、きっと！私がリードしてみせます！」
侑「じゃあお願いしようかな」
しずく「はい、お任せくださいっ！」ﾆｺﾆｺ
37: 2021/01/10(日) 16:43:41.43 ID:8EVzQwJd
侑「いつのまにか予定がたくさん出来てきたね」
しずく「ほら！私たち仲良しでしょう？」
侑「なんだかそんな気がしてきたけど……やっぱり実感が足りないんだよなぁ」
しずく「手強いですね」
侑「無慈悲な現実が相手だからね」
しずく「あっ、じゃああれはどうですか！？」
侑「なーに？」
しずく「同好会のみんなでお月見をした時の話です」
侑「とうとう未来のお話が出てきたね」
しずく「ほら！私たち仲良しでしょう？」
侑「なんだかそんな気がしてきたけど……やっぱり実感が足りないんだよなぁ」
しずく「手強いですね」
侑「無慈悲な現実が相手だからね」
しずく「あっ、じゃああれはどうですか！？」
侑「なーに？」
しずく「同好会のみんなでお月見をした時の話です」
侑「とうとう未来のお話が出てきたね」
39: 2021/01/10(日) 16:51:31.85 ID:8EVzQwJd
しずく「えっ？」ｷｮﾄﾝ
侑「とぼけ方にも磨きが掛かってきたなぁ」
しずく「？」ｺﾃﾝ
侑「あっ、その首の傾げ方可愛い！」
しずく「本当ですか？えへへ、照れちゃいます」
侑「くぅ～～っ、そのあどけない返事も可愛い～～っ！！」
しずく「ふふふっ」
侑「まあそれはそれとしてね」
しずく「急にテンションが戻りましたね」
侑「一時停止させてるだけだから後で悶えるよ」
しずく「器用ですね……」
侑「とぼけ方にも磨きが掛かってきたなぁ」
しずく「？」ｺﾃﾝ
侑「あっ、その首の傾げ方可愛い！」
しずく「本当ですか？えへへ、照れちゃいます」
侑「くぅ～～っ、そのあどけない返事も可愛い～～っ！！」
しずく「ふふふっ」
侑「まあそれはそれとしてね」
しずく「急にテンションが戻りましたね」
侑「一時停止させてるだけだから後で悶えるよ」
しずく「器用ですね……」
40: 2021/01/10(日) 16:58:44.51 ID:8EVzQwJd
侑「だってさ、冷静に考えてみて？今まだ8月だよ？10月までまだ一ヶ月半くらい残ってるんだよ」
しずく「お月見は何月にやっても楽しいですよ？」
侑「そういう問題じゃなくてね」
しずく「？」ｷｮﾄﾝ ｺﾃﾝ
侑「うぐぅ……合わせ技なんて卑怯な真似を……っ」ﾄﾞｷﾄﾞｷ
しずく「今のは何点でしたか？」
侑「キョトンとコテンが100点満点中それぞれ100点だったから200点かな」
しずく「あまあまでガバガバな採点ですね……」
しずく「お月見は何月にやっても楽しいですよ？」
侑「そういう問題じゃなくてね」
しずく「？」ｷｮﾄﾝ ｺﾃﾝ
侑「うぐぅ……合わせ技なんて卑怯な真似を……っ」ﾄﾞｷﾄﾞｷ
しずく「今のは何点でしたか？」
侑「キョトンとコテンが100点満点中それぞれ100点だったから200点かな」
しずく「あまあまでガバガバな採点ですね……」
41: 2021/01/10(日) 17:04:45.82 ID:8EVzQwJd
侑「じゃ、なくてね」
しずく「はい」
侑「私たちはまだお月見なんてしたことないんだよ」
しずく「えぇ～？」
侑「そんな『うっそだ～』みたいな言い方しても駄目だよ」
しずく「私たちだけ早く屋上に着いてしまって……最近色々と上手くいかず落ち込んでいた私を先輩が優しく励ましてくれたはずなんですが……」
侑「……」
しずく「はい」
侑「私たちはまだお月見なんてしたことないんだよ」
しずく「えぇ～？」
侑「そんな『うっそだ～』みたいな言い方しても駄目だよ」
しずく「私たちだけ早く屋上に着いてしまって……最近色々と上手くいかず落ち込んでいた私を先輩が優しく励ましてくれたはずなんですが……」
侑「……」
42: 2021/01/10(日) 17:11:41.29 ID:8EVzQwJd
しずく「覚えてない、ですよね」
侑「覚えてないというか、そもそもお月見はやってないというか」
しずく「……」ｼｮﾎﾞﾝ
侑「……じゃあ、10月にみんなでお月見やろっか」
しずく「！ はいっ！」ﾊﾟｧｯ
侑（可愛いなぁ）
しずく「……」
侑「どうしたの？」
侑「覚えてないというか、そもそもお月見はやってないというか」
しずく「……」ｼｮﾎﾞﾝ
侑「……じゃあ、10月にみんなでお月見やろっか」
しずく「！ はいっ！」ﾊﾟｧｯ
侑（可愛いなぁ）
しずく「……」
侑「どうしたの？」
43: 2021/01/10(日) 17:15:40.13 ID:8EVzQwJd
しずく「先輩。私、大変なことに気づいてしまいました」
侑「えっ……なに？」
しずく「そもそもですね」
しずく「──先輩も私のこと、一度も名前で呼んでくれたことないですよね？」
侑「！？！？！？！？」
侑「えっ……なに？」
しずく「そもそもですね」
しずく「──先輩も私のこと、一度も名前で呼んでくれたことないですよね？」
侑「！？！？！？！？」
45: 2021/01/10(日) 17:24:03.06 ID:8EVzQwJd
侑「そ、それ、は……」
しずく「そんな顔をするってことは先輩も自覚していたんですね……！？」
しずく「どうしてですか先輩っ！私たち、こんなに仲良し先輩後輩コンビなのにっ！」
侑「そうだっけ！？」
しずく「そうですよ！予定を4つも控えている二人が仲良しじゃないわけないじゃないですか！」
侑「ぐ、ぐぐぐ……だ、だって……」
しずく「だって？」
侑「てっきり私のこと苦手なのかなって思ってたから……名前すら呼ばれないってことは、私に名前を呼ばれるのも嫌かなって……」
しずく「そんなことありませんってば！」
しずく「そんな顔をするってことは先輩も自覚していたんですね……！？」
しずく「どうしてですか先輩っ！私たち、こんなに仲良し先輩後輩コンビなのにっ！」
侑「そうだっけ！？」
しずく「そうですよ！予定を4つも控えている二人が仲良しじゃないわけないじゃないですか！」
侑「ぐ、ぐぐぐ……だ、だって……」
しずく「だって？」
侑「てっきり私のこと苦手なのかなって思ってたから……名前すら呼ばれないってことは、私に名前を呼ばれるのも嫌かなって……」
しずく「そんなことありませんってば！」
46: 2021/01/10(日) 17:26:43.47 ID:8EVzQwJd
侑「本当に？馴れ馴れしいとか思ったりしない？」
しずく「もちろんです。あなたの後輩を信じてください」
侑「じゃあ……呼ぶよ？信じるよ？」
しずく「はい」
侑「…………」
侑「──しずくちゃん」
しずく「────」
しずく「……はい、先輩っ！」ﾆｺｯ
侑「っ、うぐ//」
しずく「もちろんです。あなたの後輩を信じてください」
侑「じゃあ……呼ぶよ？信じるよ？」
しずく「はい」
侑「…………」
侑「──しずくちゃん」
しずく「────」
しずく「……はい、先輩っ！」ﾆｺｯ
侑「っ、うぐ//」
48: 2021/01/10(日) 17:35:45.86 ID:8EVzQwJd
侑「……なんか、照れるね」
しずく「そうですか？」
侑「初めてだったから……その、照れる」ｶｵｶｸｼ
侑「あと『先輩』って呼んでくれたしずくちゃんが可愛い」
しずく「ありがとうございます。照れてる先輩も可愛いですよ？」
侑「それはないぴょん」
しずく「ぴょん？」
侑「照れ隠し」
しずく「独特な照れ隠しですね」ｸｽｸｽ
しずく「そうですか？」
侑「初めてだったから……その、照れる」ｶｵｶｸｼ
侑「あと『先輩』って呼んでくれたしずくちゃんが可愛い」
しずく「ありがとうございます。照れてる先輩も可愛いですよ？」
侑「それはないぴょん」
しずく「ぴょん？」
侑「照れ隠し」
しずく「独特な照れ隠しですね」ｸｽｸｽ
51: 2021/01/10(日) 17:40:25.07 ID:8EVzQwJd
侑「今度はしずくちゃんの番だよ」
しずく「ぇ」
侑「私の名前、呼んで欲しいな」
しずく「……」
侑「……」
しずく「まあ、そう来ますよね」
侑「来るよ。それが当初の目的だったからね」
しずく「ですよね、なんとなくそんな気がしてました」
しずく「ぇ」
侑「私の名前、呼んで欲しいな」
しずく「……」
侑「……」
しずく「まあ、そう来ますよね」
侑「来るよ。それが当初の目的だったからね」
しずく「ですよね、なんとなくそんな気がしてました」
52: 2021/01/10(日) 17:44:22.49 ID:8EVzQwJd
しずく「……」
しずく「……分かりました、私も腹を括りましょう」ｸﾞｯ
侑「ほんとに！？やったぁ！」
しずく「すー……はー……」
しずく「……よし、行きます」
侑「来い！」
しずく「…………」
侑「……」
しずく「……分かりました、私も腹を括りましょう」ｸﾞｯ
侑「ほんとに！？やったぁ！」
しずく「すー……はー……」
しずく「……よし、行きます」
侑「来い！」
しずく「…………」
侑「……」
53: 2021/01/10(日) 17:48:29.08 ID:8EVzQwJd
しずく「……っ…………//」ｶｱｧ…
侑「……顔、赤くなってきてない？」
しずく「気のせいです」
しずく「今すーっごく集中しているのでご協力お願いします」
侑（そんなに？）
しずく「……行きますよ」
侑「うん、来て！」
しずく「ゆ──……」
かすみ「こーんにーちわーっ！かすみん、部室に到着でーっすぅ！」ｶﾞﾗｯ
ゆうしず「「あ゛～～～っ！！！！」」
侑「……顔、赤くなってきてない？」
しずく「気のせいです」
しずく「今すーっごく集中しているのでご協力お願いします」
侑（そんなに？）
しずく「……行きますよ」
侑「うん、来て！」
しずく「ゆ──……」
かすみ「こーんにーちわーっ！かすみん、部室に到着でーっすぅ！」ｶﾞﾗｯ
ゆうしず「「あ゛～～～っ！！！！」」
54: 2021/01/10(日) 17:51:27.90 ID:8EVzQwJd
かすみ「な、なになになになんですか！？」
ゆうしず「「もぉお～～～っ！！！！」」ｼﾞﾀﾊﾞﾀ
かすみ「なに！？ホントになんなんですか！？」
侑「ゔわぁあ゛～～んっ！！」ﾋﾞﾀｰﾝｯｯ！
かすみ「ちょっ、先輩、床に寝ないでください！オモチャ買ってもらえない子供じゃないんですから！！」
─────────
──────
───
ゆうしず「「もぉお～～～っ！！！！」」ｼﾞﾀﾊﾞﾀ
かすみ「なに！？ホントになんなんですか！？」
侑「ゔわぁあ゛～～んっ！！」ﾋﾞﾀｰﾝｯｯ！
かすみ「ちょっ、先輩、床に寝ないでください！オモチャ買ってもらえない子供じゃないんですから！！」
─────────
──────
───
64: 2021/01/10(日) 20:00:17.36 ID:8EVzQwJd
かすみ「えぇーっ！？しず子まだ先輩のこと呼んでなかったの！？」
しずく「かすみさんが邪魔したんじゃない」ﾑｽ
侑「あともうちょっとで呼んでもらえるところだったのにぃい……っ！」ﾀﾞﾝｯ！
かすみ「じゃあ、今呼んでもらえばいいじゃないですか」
しずく「かすみさんの前ではちょっと……」
かすみ「なんで！？呼びなよ！かすみんいっぱい呼んでるよ！？」
しずく「そういう問題じゃないの」
かすみ「ワガママだな～」
しずく「かすみさんが邪魔したんじゃない」ﾑｽ
侑「あともうちょっとで呼んでもらえるところだったのにぃい……っ！」ﾀﾞﾝｯ！
かすみ「じゃあ、今呼んでもらえばいいじゃないですか」
しずく「かすみさんの前ではちょっと……」
かすみ「なんで！？呼びなよ！かすみんいっぱい呼んでるよ！？」
しずく「そういう問題じゃないの」
かすみ「ワガママだな～」
65: 2021/01/10(日) 20:06:34.64 ID:8EVzQwJd
侑「ゔぅ～……」ｼｸｼｸ
かすみ「……」
かすみ「じゃあ、代わりにかすみんが呼んであげますっ」ｳﾃﾞｸﾐｯ
侑「えっ」
しずく「はい……っ！？」
かすみ「せーんぱいっ♡」
侑「ゔっ」ｷｭﾝｯ
かすみ「……」
かすみ「じゃあ、代わりにかすみんが呼んであげますっ」ｳﾃﾞｸﾐｯ
侑「えっ」
しずく「はい……っ！？」
かすみ「せーんぱいっ♡」
侑「ゔっ」ｷｭﾝｯ
67: 2021/01/10(日) 20:11:42.43 ID:8EVzQwJd
侑「かわいい……」ﾄｷﾒｷ…
かすみ「ですよねですよね？やっぱり先輩はかすみんのことよく分かってくれてますねぇ♡」ｷﾞｭｷﾞｭｯ
侑「近い近い」
かすみ「むふふ♡イジワルしず子が呼んでくれない分、かすみんがたーっくさん呼んであげますからね♡」
しずく「なっ」ｶﾁﾝｯ
かすみ「せぇ……んぱいっ♡」ﾎﾞｿｯ
侑「んっ……ふふ、擽ったいよ」ｸｽｸｽ
かすみ「ですよねですよね？やっぱり先輩はかすみんのことよく分かってくれてますねぇ♡」ｷﾞｭｷﾞｭｯ
侑「近い近い」
かすみ「むふふ♡イジワルしず子が呼んでくれない分、かすみんがたーっくさん呼んであげますからね♡」
しずく「なっ」ｶﾁﾝｯ
かすみ「せぇ……んぱいっ♡」ﾎﾞｿｯ
侑「んっ……ふふ、擽ったいよ」ｸｽｸｽ
68: 2021/01/10(日) 20:17:53.83 ID:8EVzQwJd
かすみ「えへへぇ、かすみんの可愛い声がすぐそばで聴けるなんて先輩は幸せ者だなぁ～」
侑「ん～、確かにそうかも」
かすみ「かすみんのファンの人に見られたらぁ、ヤキモチどころじゃ済みませんよ？」
侑「じゃあ、みんなにはナイショにしてくれる？」
かすみ「ん～～しょうがないですねぇ。先輩のお願いですし、トクベツに聞いてあげちゃいますっ♡」
侑「へへ。ありがとう、かすみちゃん」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ
かすみ「えへへへ～♡」
ｲﾁｬｲﾁｬ
しずく「……………………」
侑「ん～、確かにそうかも」
かすみ「かすみんのファンの人に見られたらぁ、ヤキモチどころじゃ済みませんよ？」
侑「じゃあ、みんなにはナイショにしてくれる？」
かすみ「ん～～しょうがないですねぇ。先輩のお願いですし、トクベツに聞いてあげちゃいますっ♡」
侑「へへ。ありがとう、かすみちゃん」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ
かすみ「えへへへ～♡」
ｲﾁｬｲﾁｬ
しずく「……………………」
70: 2021/01/10(日) 20:22:17.41 ID:8EVzQwJd
ｷｭ…
侑「……？」
侑（なんか反対側の腕の袖が引っ張られているような……）ﾁﾗ
しずく「むうぅ……」ﾌﾟｸｰ
侑「おぅ……」
かすみ「あれあれぇ？しず子ってばほっぺた膨らませちゃってどうしたの？」ﾆﾔﾆﾔ
しずく「かすみさんの意地悪……っ！」
かすみ「人聞きの悪いこと言わないでよぉ」
侑「……？」
侑（なんか反対側の腕の袖が引っ張られているような……）ﾁﾗ
しずく「むうぅ……」ﾌﾟｸｰ
侑「おぅ……」
かすみ「あれあれぇ？しず子ってばほっぺた膨らませちゃってどうしたの？」ﾆﾔﾆﾔ
しずく「かすみさんの意地悪……っ！」
かすみ「人聞きの悪いこと言わないでよぉ」
72: 2021/01/10(日) 20:29:39.69 ID:8EVzQwJd
かすみ「かすみんはぁ、だぁ～いすきな先輩のことをたくさん呼んであげたいだけなんですぅ～」ｷﾞｭｷﾞｭｰｯ
侑（いててて、腕がギッチギチになってきてるよかすみちゃん……っ！）
しずく「わ、私が呼ぶって決めたんだから邪魔しないで！」
かすみ「じゃあ呼べばいいじゃん。先輩待ってるよ？」
しずく「だからそれは……っ」
かすみ「ねぇ、侑せぇ～んぱ……」
しずく「あ゛～～っ！！」ﾍﾞﾁｯ
かすみ「いだっ！」
侑（いててて、腕がギッチギチになってきてるよかすみちゃん……っ！）
しずく「わ、私が呼ぶって決めたんだから邪魔しないで！」
かすみ「じゃあ呼べばいいじゃん。先輩待ってるよ？」
しずく「だからそれは……っ」
かすみ「ねぇ、侑せぇ～んぱ……」
しずく「あ゛～～っ！！」ﾍﾞﾁｯ
かすみ「いだっ！」
73: 2021/01/10(日) 20:36:51.79 ID:8EVzQwJd
かすみ「しず子がおでこ叩いたぁ！！」
侑「し、しずくちゃん……暴力は駄目だよ」
しずく「うう、うぅ～っ……」
侑（しずくちゃんが幼くなってきてる……かすみちゃんの前だからかな）
しずく「……もん」
かすみ「えっ？」
しずく「わ、私がっ！」ｶﾞﾀｯ
しずく「わ、私が最初に、ゅ、ゆうさんと喋ってたんだもん……っ！」
侑「あっ」
侑「し、しずくちゃん……暴力は駄目だよ」
しずく「うう、うぅ～っ……」
侑（しずくちゃんが幼くなってきてる……かすみちゃんの前だからかな）
しずく「……もん」
かすみ「えっ？」
しずく「わ、私がっ！」ｶﾞﾀｯ
しずく「わ、私が最初に、ゅ、ゆうさんと喋ってたんだもん……っ！」
侑「あっ」
77: 2021/01/10(日) 20:41:47.59 ID:8EVzQwJd
かすみ「……呼べたじゃん」
しずく「えっ？……あっ」
侑「そっかそっか、しずくちゃんは『侑さん』呼びか～……なるほどね」ﾄｷﾒｷﾄｷﾒｷ
しずく「ぁ……ぃや、その、えっと、えっと……//」ｶｧ…
かすみ「はぁ……」ﾔﾚﾔﾚ
侑「？」
しずく「……っ！……っ！！////」
しずく「しっ、失礼しますっ！！」ﾊﾞｯ
侑「えっ！？」
ｶﾞﾗｯ！
しずく「えっ？……あっ」
侑「そっかそっか、しずくちゃんは『侑さん』呼びか～……なるほどね」ﾄｷﾒｷﾄｷﾒｷ
しずく「ぁ……ぃや、その、えっと、えっと……//」ｶｧ…
かすみ「はぁ……」ﾔﾚﾔﾚ
侑「？」
しずく「……っ！……っ！！////」
しずく「しっ、失礼しますっ！！」ﾊﾞｯ
侑「えっ！？」
ｶﾞﾗｯ！
78: 2021/01/10(日) 20:48:04.20 ID:8EVzQwJd
かすみ「部活始まるよー？どこ行くのーっ？」
しずく「すぐ戻りますからーっ！！」
ﾋﾟｼｬｯ
侑「……行っちゃった」
かすみ「しず子って意外とヘタレなんですね」
侑「かすみちゃんが煽るから……」
かすみ「だって～、ああでもしないと呼ばないじゃないですかぁ」
侑「もう……」
侑（でも、なんだか様子がおかしかったような……？）
しずく「すぐ戻りますからーっ！！」
ﾋﾟｼｬｯ
侑「……行っちゃった」
かすみ「しず子って意外とヘタレなんですね」
侑「かすみちゃんが煽るから……」
かすみ「だって～、ああでもしないと呼ばないじゃないですかぁ」
侑「もう……」
侑（でも、なんだか様子がおかしかったような……？）
81: 2021/01/10(日) 20:54:18.73 ID:8EVzQwJd
～放課後～
ﾃｸﾃｸ
しずく「急に出て行ってしまってすみませんでした……」
侑「ううん、こっちもほったらかしにしちゃってごめんね」
しずく「あ、あの時のことは忘れてください……//」
侑「えー、可愛かったのに」
しずく「先輩が良くても私は恥ずかしいんですっ！」
侑「うーん、ならしょうがない。忘れましょう」
しずく「お願いします」
ﾃｸﾃｸ
しずく「急に出て行ってしまってすみませんでした……」
侑「ううん、こっちもほったらかしにしちゃってごめんね」
しずく「あ、あの時のことは忘れてください……//」
侑「えー、可愛かったのに」
しずく「先輩が良くても私は恥ずかしいんですっ！」
侑「うーん、ならしょうがない。忘れましょう」
しずく「お願いします」
82: 2021/01/10(日) 21:00:57.96 ID:8EVzQwJd
しずく「それで……さっきの約束のことなんですけど……」
侑「あ、鎌倉デートだよね。もう予定決めとく？」
しずく「でッ///」ﾎﾞｯ
侑「いつにしよっか、しずくちゃんのお家の都合に合わせなきゃいけないよね」
しずく「は、はい。なので、あの、もし先輩が良ければ……///」ﾄﾞｷﾄﾞｷ
侑「うん」
しずく「今からにしようかなって」
侑「早い早い」
侑「あ、鎌倉デートだよね。もう予定決めとく？」
しずく「でッ///」ﾎﾞｯ
侑「いつにしよっか、しずくちゃんのお家の都合に合わせなきゃいけないよね」
しずく「は、はい。なので、あの、もし先輩が良ければ……///」ﾄﾞｷﾄﾞｷ
侑「うん」
しずく「今からにしようかなって」
侑「早い早い」
83: 2021/01/10(日) 21:07:06.28 ID:8EVzQwJd
侑「週末ならまだしも今日水曜日だからね、平日ど真ん中じゃお泊まりも出来ないよ」
しずく「すみません、間違えました」
侑「もしかしてテンパってる？」
しずく「……お恥ずかしながら」
侑（真顔になっちゃったせいで全然分かんないや）
しずく「今演技をやめると顔が大変なことになるので頑張って耐えてます」
侑「へえ」
しずく「すみません、間違えました」
侑「もしかしてテンパってる？」
しずく「……お恥ずかしながら」
侑（真顔になっちゃったせいで全然分かんないや）
しずく「今演技をやめると顔が大変なことになるので頑張って耐えてます」
侑「へえ」
85: 2021/01/10(日) 21:16:21.87 ID:8EVzQwJd
侑「……」
侑「……」ｼｭｯ
しずく「っ！」ｻｯ！
侑「あっ」
しずく「絶対やると思いました！！目が一瞬私の脇腹見てましたもん！！くすぐるつもりでしたよね！？」
侑「くそぉ～、喋りながらやればよかった！」
しずく「やめてください！話が逸れるじゃないですか！」
侑「ごめんごめん」
侑「……」ｼｭｯ
しずく「っ！」ｻｯ！
侑「あっ」
しずく「絶対やると思いました！！目が一瞬私の脇腹見てましたもん！！くすぐるつもりでしたよね！？」
侑「くそぉ～、喋りながらやればよかった！」
しずく「やめてください！話が逸れるじゃないですか！」
侑「ごめんごめん」
86: 2021/01/10(日) 21:26:52.90 ID:8EVzQwJd
侑「もうやらないから続けて？」
しずく「……」ｼﾞﾄ
侑（疑われている……）
しずく「……続けますね」ｷﾞｭｯ
侑（手を捕まえられてしまった……）
しずく「では、今週末なんてどうでしょう？」
侑「ん、だいじょぶ！」
しずく「ふふっ、良かったです」
侑「……」
しずく「……」ｼﾞﾄ
侑（疑われている……）
しずく「……続けますね」ｷﾞｭｯ
侑（手を捕まえられてしまった……）
しずく「では、今週末なんてどうでしょう？」
侑「ん、だいじょぶ！」
しずく「ふふっ、良かったです」
侑「……」
87: 2021/01/10(日) 21:34:22.74 ID:8EVzQwJd
侑「……じゃあ、さ」ｸﾞｲｯ
しずく「ひゃっ！？」ｸﾞﾗｯ
ｷﾞｭｯ
侑「──その時にまた、ちゃんと呼んで欲しいな」
しずく「ひゃゎ…………///」ｶﾁｺﾁ
侑「あ、今呼んでくれてもいいよ？」
しずく「むっ、むりれす…………」
侑「無理れすか」
しずく「……っ///」
しずく「もう！からかわないでくださいっ！//」ｸﾞｲｯ
侑「あはは、ごめんって」
しずく「ひゃっ！？」ｸﾞﾗｯ
ｷﾞｭｯ
侑「──その時にまた、ちゃんと呼んで欲しいな」
しずく「ひゃゎ…………///」ｶﾁｺﾁ
侑「あ、今呼んでくれてもいいよ？」
しずく「むっ、むりれす…………」
侑「無理れすか」
しずく「……っ///」
しずく「もう！からかわないでくださいっ！//」ｸﾞｲｯ
侑「あはは、ごめんって」
88: 2021/01/10(日) 21:41:01.40 ID:8EVzQwJd
しずく「……っ、侑先輩って結構いじわるですよね」
侑「そうかなぁ……って、あれ！？」
しずく「どうかしました？//」
侑「今、『侑先輩』って……」
しずく「……私は初めからそう呼んでましたけど」
侑「……」
しずく「……」
侑「そうかなぁ……って、あれ！？」
しずく「どうかしました？//」
侑「今、『侑先輩』って……」
しずく「……私は初めからそう呼んでましたけど」
侑「……」
しずく「……」
92: 2021/01/10(日) 21:48:42.99 ID:8EVzQwJd
侑「……しずくちゃんさ」
しずく「……なんですか？」
侑「あの時かすみちゃんを叩いたのって、自分が『侑先輩』って呼びたかったから？」
しずく「……」ﾋﾟｸｯ
侑「あっ、そうか。かすみちゃんもそれを知ってたから『先輩』としか呼ばなかったんだ」ﾎﾟﾝ
しずく「……」ﾌﾟﾙﾌﾟﾙ…
侑「あれ？でもしずくちゃんって歳上の人には『さん付け』で呼んでたよね」
侑「さっきも私のこと『侑さん』って呼んでたし、なんでわざわざ──……」
しずく「わーーーっ！！！」
侑「うわっ！？」ﾋﾞｸｯ
しずく「……なんですか？」
侑「あの時かすみちゃんを叩いたのって、自分が『侑先輩』って呼びたかったから？」
しずく「……」ﾋﾟｸｯ
侑「あっ、そうか。かすみちゃんもそれを知ってたから『先輩』としか呼ばなかったんだ」ﾎﾟﾝ
しずく「……」ﾌﾟﾙﾌﾟﾙ…
侑「あれ？でもしずくちゃんって歳上の人には『さん付け』で呼んでたよね」
侑「さっきも私のこと『侑さん』って呼んでたし、なんでわざわざ──……」
しずく「わーーーっ！！！」
侑「うわっ！？」ﾋﾞｸｯ
94: 2021/01/10(日) 21:56:03.94 ID:8EVzQwJd
しずく「ふう、大きな声を出すのは気持ちいいですね！」
侑「えっと……」
しずく「で、なんでしたっけ先輩！週末の予定でしたっけ！」
侑「そうなんだけど……」
しずく「そうですね！では鎌倉駅まで来ていただければ私が案内しますので、12時くらいに待ち合わせましょうか！！」
侑「あ、あの、しずくちゃん、声が……」
しずく「よし！後の予定はこちらで決めておきますので、詳しいことは後ほど連絡させていただきます！」
しずく「では、私は用事があるのでお先に失礼します！さようなら！！」ﾀﾞｯ
侑「え！？ちょっ、しずくちゃーん！？」
侑「えっと……」
しずく「で、なんでしたっけ先輩！週末の予定でしたっけ！」
侑「そうなんだけど……」
しずく「そうですね！では鎌倉駅まで来ていただければ私が案内しますので、12時くらいに待ち合わせましょうか！！」
侑「あ、あの、しずくちゃん、声が……」
しずく「よし！後の予定はこちらで決めておきますので、詳しいことは後ほど連絡させていただきます！」
しずく「では、私は用事があるのでお先に失礼します！さようなら！！」ﾀﾞｯ
侑「え！？ちょっ、しずくちゃーん！？」
95: 2021/01/10(日) 22:02:20.60 ID:8EVzQwJd
ﾃｸﾃｸ
かすみ「しず子、上手くやれてるかなぁ」
璃奈「結局『侑さん』って呼んじゃったんだっけ」
かすみ「うん。ずーっと『侑先輩』って呼びたがってたくせにね」
璃奈「先輩に片想いしてる後輩役……演じられるようになるのかな」
かすみ「うーん」
璃奈「学園祭の劇本番まであと一ヶ月半。稽古も上手くいってないみたいだし……心配」
かすみ「頼りたいなら助けてって言えばいいのにね。侑先輩なら二つ返事でオッケー出してくれるよ」
璃奈「うん、侑さんなら快く引き受けてくれると思う」
かすみ「しず子、上手くやれてるかなぁ」
璃奈「結局『侑さん』って呼んじゃったんだっけ」
かすみ「うん。ずーっと『侑先輩』って呼びたがってたくせにね」
璃奈「先輩に片想いしてる後輩役……演じられるようになるのかな」
かすみ「うーん」
璃奈「学園祭の劇本番まであと一ヶ月半。稽古も上手くいってないみたいだし……心配」
かすみ「頼りたいなら助けてって言えばいいのにね。侑先輩なら二つ返事でオッケー出してくれるよ」
璃奈「うん、侑さんなら快く引き受けてくれると思う」
96: 2021/01/10(日) 22:09:11.92 ID:8EVzQwJd
璃奈「でもまずは事情を素直に話すべきだと思う」
かすみ「お芝居とはいえ、片想いしてる相手の役を頼むのが恥ずかしいんだってさー」
璃奈「まあ気持ちは分かる」
かすみ「だから先輩さんとの思い出を妄想してシミュレーションしてたらしいんだけど……ほら、しず子って古典的な恋愛脳じゃん？」
璃奈「ああ……」
かすみ「途中から白馬が登場したり、展開がおかしなことになっていっちゃったりで参考にならなかったみたい」
璃奈「次にやる劇って現代学園物だよね？」
かすみ「うん」
璃奈「じゃあ白馬は厳しいね」
かすみ「ねー。4つくらいマシなやつはあったんだけど」
かすみ「お芝居とはいえ、片想いしてる相手の役を頼むのが恥ずかしいんだってさー」
璃奈「まあ気持ちは分かる」
かすみ「だから先輩さんとの思い出を妄想してシミュレーションしてたらしいんだけど……ほら、しず子って古典的な恋愛脳じゃん？」
璃奈「ああ……」
かすみ「途中から白馬が登場したり、展開がおかしなことになっていっちゃったりで参考にならなかったみたい」
璃奈「次にやる劇って現代学園物だよね？」
かすみ「うん」
璃奈「じゃあ白馬は厳しいね」
かすみ「ねー。4つくらいマシなやつはあったんだけど」
97: 2021/01/10(日) 22:15:54.99 ID:8EVzQwJd
璃奈「でもしずくちゃんならきっと……」
璃奈「……」
かすみ「……りな子？」
璃奈「……」ｽｯ
かすみ「え？……あっ」
しずく「なんで追いかけてくるんですかぁっ！」ﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞｯ
侑「だってしずくちゃん変なんだもん！」ﾀｯﾀｯﾀｯ
しずく「なんでもないんですってばーっ！！」
璃奈「……」
かすみ「……」
璃奈「……」
かすみ「……りな子？」
璃奈「……」ｽｯ
かすみ「え？……あっ」
しずく「なんで追いかけてくるんですかぁっ！」ﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞｯ
侑「だってしずくちゃん変なんだもん！」ﾀｯﾀｯﾀｯ
しずく「なんでもないんですってばーっ！！」
璃奈「……」
かすみ「……」
98: 2021/01/10(日) 22:16:59.94 ID:8EVzQwJd
璃奈「大女優への道のりは遠そうだね」
かすみ「だねー」
おわり
かすみ「だねー」
おわり
101: 2021/01/10(日) 22:21:44.21 ID:8EVzQwJd
おまけ
侑「しずくちゃん！今のステップすごく綺麗だったよ！」
しずく「本当ですか、侑先輩っ！」
ｷｬｯｷｬｯ
愛「……ねえねえ、しずくってゆうゆのこと先輩呼びしてたっけ？」
果林「どうだったかしら……そういえば記憶にないわね」
彼方「珍しいよね～、しずくちゃんって普段そういう呼び方しないのに」
せつ菜「ハッ！？もしやお二人だけのトクベツなイベントがあったのでは……」
歩夢「あ、そういえば前にしずくちゃんと鎌倉で遊んだって言ってたかも」
エマ「へぇ～、良いなぁ鎌倉！確かお寺で有名な場所なんだよね」
侑「しずくちゃん！今のステップすごく綺麗だったよ！」
しずく「本当ですか、侑先輩っ！」
ｷｬｯｷｬｯ
愛「……ねえねえ、しずくってゆうゆのこと先輩呼びしてたっけ？」
果林「どうだったかしら……そういえば記憶にないわね」
彼方「珍しいよね～、しずくちゃんって普段そういう呼び方しないのに」
せつ菜「ハッ！？もしやお二人だけのトクベツなイベントがあったのでは……」
歩夢「あ、そういえば前にしずくちゃんと鎌倉で遊んだって言ってたかも」
エマ「へぇ～、良いなぁ鎌倉！確かお寺で有名な場所なんだよね」
102: 2021/01/10(日) 22:23:21.85 ID:8EVzQwJd
かすみ「まさかあの妄想を侑先輩と実現させてたとは……」
璃奈「うん、びっくりした。璃奈ちゃんボード『因果逆転』」
かすみ「お陰で先輩とも仲良くなれて、後輩力も鍛えられたみたいだし……結果オーライってやつかな」
璃奈「学園祭の劇もすごく良かった」
侑「～～でさ、～～～だったんだよ！」
しずく「ふふ。もう、なんですかそれー」ｸｽｸｽ
かすみ「……」
璃奈「うん、びっくりした。璃奈ちゃんボード『因果逆転』」
かすみ「お陰で先輩とも仲良くなれて、後輩力も鍛えられたみたいだし……結果オーライってやつかな」
璃奈「学園祭の劇もすごく良かった」
侑「～～でさ、～～～だったんだよ！」
しずく「ふふ。もう、なんですかそれー」ｸｽｸｽ
かすみ「……」
103: 2021/01/10(日) 22:24:47.44 ID:8EVzQwJd
かすみ「ねえ、りな子」
璃奈「なに？」
かすみ「あれ、ただ＂後輩役＂を演じてるだけに見える？」
璃奈「……」
侑「ねえねえ、しずくちゃん」
しずく「なんですか？侑先輩っ」ﾆｺﾆｺ
璃奈「……見えない」
かすみ「だよねぇ」
本当におわり
璃奈「なに？」
かすみ「あれ、ただ＂後輩役＂を演じてるだけに見える？」
璃奈「……」
侑「ねえねえ、しずくちゃん」
しずく「なんですか？侑先輩っ」ﾆｺﾆｺ
璃奈「……見えない」
かすみ「だよねぇ」
本当におわり
104: 2021/01/10(日) 22:28:16.83 ID:WsNuVcuZ
おつおつ
スクスタのシナリオをしずくの妄想にしてそこから発展させるのはすごいな
面白かった
スクスタのシナリオをしずくの妄想にしてそこから発展させるのはすごいな
面白かった
106: 2021/01/10(日) 22:39:39.35 ID:orC8Z2Bm
乙
良かった
良かった
107: 2021/01/10(日) 22:44:34.31 ID:LFkb1ZY7
おつ
ゆうしずだいすこ、ありがてえ
ゆうしずだいすこ、ありがてえ
108: 2021/01/10(日) 22:45:14.77 ID:4ursDZ7+
ゆうしずのお陰で今年も一年頑張れそうだわ
109: 2021/01/10(日) 22:56:03.85 ID:w7wQEQal
メタネタに見せかけて純粋なゆうしずだったとは…
乙です
乙です
110: 2021/01/10(日) 23:18:59.64 ID:tvs02b52
おつ
111: 2021/01/10(日) 23:32:17.56 ID:ZPrfUCkc
おつ
ゆうしずは本当に可能性の塊だと思う
ゆうしずは本当に可能性の塊だと思う
112: 2021/01/11(月) 02:39:43.97 ID:+GrKHN2j
あなたは最高です！
113: 2021/01/11(月) 08:58:08.39 ID:64i7YBJR
ゆうしずはなんぼあってもいいですからね
114: 2021/01/11(月) 09:09:34.03 ID:fil60myG
素晴らしいゆうしずをありがとうございます！！！！！
115: 2021/01/11(月) 10:11:53.81 ID:K7wNGlO9
乙です！
良いもの読ませて頂きました！
良いもの読ませて頂きました！
引用元: https://nozomi.2ch.sc/test/read.cgi/lovelive/1610260793/