璃奈「侑さん、すき」【SS】

りな SS


76: 2021/01/23(土) 01:11:32.52 ID:lRxa4jX+
最後までお付き合いいただきありがとうございました

>>1
あらためて代行ありがとうございました

6: 2021/01/22(金) 23:09:40.57 ID:qt5a5gK7
璃奈「私、侑さんのこと好き」

愛「うんうん! アタシもゆうゆのこと好きー」ニコニコ

璃奈「愛してる」

愛「・・・・・・えっ」

璃奈「愛さんには相談に乗ってもらいたい」

愛「ま、マジで?」

璃奈「マジ(キリリ)」

愛「り、り、りなりー・・・・・・」ガクガク

璃奈「愛さん?(はてな?)」

ガシッ

8: 2021/01/22(金) 23:12:31.31 ID:qt5a5gK7
愛「おめでと-っ!」

璃奈「ありがとう」

愛「うっ」ウルウル

璃奈「愛さんは、私の親友、恩人、神様」
璃奈「だから、一番最初に相談したかった」

愛「あははっ。それはさすがに大袈裟だって」ゴシゴシ

璃奈「そんな事ない」
璃奈「愛さんが居たからスクールアイドルを始められた。だから、侑さんを好きになれた」

ギュッ

愛「・・・・・・」

璃奈「ありがとう」

愛「・・・・・・もー、そーやって愛さんを泣かそ-とするなんて、りなりーは悪い子だなー」ウルウル
愛「泣かすのは、かすかすだけにしといてってば。中須だけに」フキフキ

璃奈「愛さん、意外に涙もろい?」

愛「りなりーが一番繋がりたい人を見つけられた事が嬉しいだけだよー」ナデナデ

璃奈「頑張る(ふんすっ)」

10: 2021/01/22(金) 23:14:15.20 ID:qt5a5gK7
愛「よーし! 早速告白しに行っちゃう?」

璃奈「それはまだ」

愛「でも、善は急げって言うっしょ?」

璃奈「今の好感度では勝てない」

愛「勝てない? 誰に?」

璃奈「侑さんの絶対的存在、いつも隣にいるあの人」

愛「あー」

璃奈「だから、もう1人の相談役も呼んだ」

しずく「璃奈さんからの呼び出しなんて珍しいね」

愛「しずくー!」フリフリ

しずく「あれ? 愛さんも璃奈さんに呼ばれたんですか?」

愛「愛さん達と一緒に歩夢を倒す方法を考えて! お願い!」

しずく「倒す?」キョトン

璃奈「私、侑さんに告白したい」

しずく「・・・・・・本気?」

璃奈「冗談でこんなこと言わない」ジーッ

12: 2021/01/22(金) 23:16:07.28 ID:qt5a5gK7

しずく「なるほど。それで歩夢さんを」

愛「正直、愛さん1人じゃ荷が重いっていうかさー」

しずく「でも、どうして私なの? 恋愛相談なら上級生の方が・・・・・・」

璃奈「・・・・・・」

愛「・・・・・・」

しずく「・・・・・・」

 
彼方『すやぴー』
彼方『遥ちゃーん♪』

果林『エマ、エマ、エマ』
果林『また迷子になってしまったわ』

エマ『果林ちゃん、お世話しに来たよ』
エマ『綾小路さんって誰? どんな関係? ねえ? ねぇっ!』

せつ菜『愛の告白ですか!? 私にも協力させてください!!!』
せつ菜『みなさん! これから璃奈さんが侑さんに告白するので道を開けてください!!!』

かすみ『侑せんぱぁ~いっ』
かすみ『は? 侑先輩はかすみんにメロメロだけどぉ?』

歩夢『侑ちゃんに告白? ふふっ、無駄な事は止めておいた方が身の為だよ』

 
しずく「私達でやるしかないようですね」ゴクリ

愛「よーし! 3人で頑張ろう!」

璃奈「おー」

13: 2021/01/22(金) 23:17:37.25 ID:qt5a5gK7
 
―作戦会議―

 
しずく「私は璃奈さんの特技を活かして攻めるべきだと思います」

璃奈「私、パソコンしかできない(しゅん)」

愛「そういうんじゃなくて、りなりーの良さって言ったら健気な姿勢でしょ!」

璃奈「健気?(はてな?)」

愛「怯えながらも、みんなと分かり合いたい、繋がりたいって頑張る姿はサイコーだよね」

しずく「たしかに、小さな体で頑張る姿は胸を打たれますね」

14: 2021/01/22(金) 23:19:06.22 ID:qt5a5gK7
璃奈「私、そんなに小さい?」ペタペタ

愛「それがサイコーなんだって!」ガシッ

璃奈「・・・・・・」

愛「慎ましやかな胸も! くびれの無い腰も! 小さなお尻も! 全部がりなりーの魅力だって!」

 
しずく「璃奈さん、早くこっちに」
璃奈「うん・・・・・・」ビクビク

 
愛「あれ? 2人ともどうしてそんなに離れるの?」

 
しずく「近付かないでください!」
璃奈「防犯ブザー用意しなきゃ」ゴソゴソ

 
愛「それサイコーだよ! ちょっと赤のランドセルに付けて背負ってくんない?」

 
「・・・・・・」

 
ビビビビビビビビィィィッ

16: 2021/01/22(金) 23:21:03.66 ID:qt5a5gK7

しずく「反省してください」

愛「はい」シュン

璃奈「次からは別室で着替えるようにする」

愛「えっ」

しずく「なにか問題が?」

愛「ありません」ビクッ

しずく「定番としては、地道にデートを重ねるなどでしょうか」

愛「ゆうゆなら休日も歩夢と一緒っぽいけど」

しずく「それならこうしましょう」ニヤリ

17: 2021/01/22(金) 23:22:05.27 ID:qt5a5gK7
 
―休日―

 
しずく「ターゲットが歩夢さんと合流しました」

愛「りなりー、落ち着いてね。練習通りに」

しずく「璃奈さん、ちゃんと見守ってるからね」

璃奈「うん」コクン

トコトコトコ

19: 2021/01/22(金) 23:23:35.39 ID:qt5a5gK7

歩夢「ふふっ、それでね」

璃奈「こんにちは」ドキドキ

侑「あれ? こんな所で珍しいね」

璃奈「うん。ちょっと」

歩夢「どうしたの? 迷子?」

璃奈「違う」

侑「そうだ! 私達、これから買い物に行くから璃奈ちゃんも一緒しようよ」

璃奈「嬉しい。私も――」

歩夢「侑ちゃん。そうやって強引に誘うのはダメだよ」

侑「あっ、そっか。璃奈ちゃんも用事があってここまで来たんだもんね」

璃奈「えっ、ちが――」

歩夢「ごめんね。私も侑ちゃんもパソコンショップには用事はないの」

21: 2021/01/22(金) 23:25:13.06 ID:qt5a5gK7
愛「うーん、さすが歩夢。ガードが堅い」

しずく「感心してる場合じゃありません。早くしないとターゲットが行ってしまいますよ」

愛「ごめんごめん」ピッ

―――

Trrrrrr

侑「ん? 私かな」ゴソゴソ

歩夢「あっ、私だ。ちょっとごめんね」

侑「気にしないで」

ツンツン

侑「ん?」

璃奈「侑さん」モジモジ

侑「どうしたの?」ニッコリ

璃奈「2人が良かったら、私も一緒に行きたい」

侑「もちろんいいよ」

璃奈「ありがとう」

歩夢「愛ちゃん、どうしたんだろう」

侑「愛ちゃんからだったの?」

歩夢「うん。でも、すぐに切れちゃった」

侑「なにかあったのかな? 璃奈ちゃんにもかかってきてないよね?」

璃奈「うん」

歩夢「・・・・・・」

22: 2021/01/22(金) 23:26:35.92 ID:qt5a5gK7
侑「まあ、用事があるならまたかかってくるよ」

歩夢「そうだね。それじゃ、行こっか」ニッコリ

侑「そうだね」

璃奈「うん」

歩夢「うん?」

侑「どうしたの?」

歩夢「え? 璃奈ちゃんも来るの?」

璃奈「ダメ?(しゅん)」ウツムキ

歩夢「でも、これから私達は雑貨屋さんに行くんだよ?」

璃奈「うん」

歩夢「璃奈ちゃん、そういうの興味ないよね?」

璃奈「雑貨屋さん、すごく行きたい(わくわく)」

歩夢「嘘は良くないと思うなー」

璃奈「嘘じゃない(きりり)」

歩夢「・・・・・・」ジーッ

璃奈「(きりり)」ジーッ

23: 2021/01/22(金) 23:28:07.68 ID:qt5a5gK7
侑「2人ともなにしてるの? 早く行くよ」

歩夢「あっ、ごめんね」

璃奈「・・・・・・」

侑「璃奈ちゃんも」

璃奈「うん」トコトコ

歩夢「・・・・・・」

―――
――

25: 2021/01/22(金) 23:31:03.24 ID:qt5a5gK7

―夜・璃奈の部屋―

 
璃奈「・・・・・・」

愛「ナイスガッツ! ナイスファイト! 歩夢ビビってるぅー!」

しずく「こ、これからだよ! 歩夢さんの猛攻に耐えながら1日粘れた事は実質勝利だよ」

璃奈「・・・・・・うん」ボーッ


愛「ちょっとヤバくない? 終わったから来てほしいってメール来てからずっとあの調子じゃん」ヒソヒソ

しずく「あのテンションから察するに、おそらく完膚無きまでに叩きのめされたのかもしれません」

愛「おのれ歩夢ゥーー!」

しずく「ですが、璃奈さんが話したがらない以上、私達としては応援する事しかできません」

愛「というか私達は尾行してたよね?」

しずく「はい」

愛「いつから見失ったんだっけ」

しずく「雑貨屋さんに行く途中で、もう・・・・・・」

愛「くっ! これも歩夢の策略か」

しずく「いえ、愛さんが友達と話している間に見失いました」

愛「しずく! どうして教えてくれなかったの!」

しずく「5回は声をかけましたが、すぐに手を振り払われました」

愛「・・・・・・くっ! さすが歩夢。あんな所でオナチューの友達をけしかけるなんて卑怯な」

26: 2021/01/22(金) 23:33:31.46 ID:qt5a5gK7
璃奈「愛さん」

愛「ごめん!」ペコリ

璃奈「しずくちゃん」

しずく「璃奈さん、元気出してね」

璃奈「今日、2人は楽しかった?」

愛「そんなワケないじゃん! りなりーの事が心配で心配で――」ガタッ

璃奈「買い物袋、たくさんあるみたいだけど」チラッ

愛「・・・・・・」

璃奈「・・・・・・」

27: 2021/01/22(金) 23:36:00.50 ID:qt5a5gK7
しずく「愛さんとの買い物は楽しかったけど、心配してたのは本当だよ。お昼も喉を通らないくらいにはね」アセアセ

璃奈「ごめん。今すぐ出前とるね」ポチポチ

ガシッ

しずく「待ってください! 私達の仲でしょ? 気なんて遣わないで」ニッコリ

璃奈「でも」

愛「そーそー! それよりもさ、そろそろ今日のこと話してよー」

璃奈「今日・・・・・・」ボーッ

しずく「思い出したくなかったら無理しないでね」アセアセ

愛「うんうん」

璃奈「私も楽しかった(にっこりん)」

愛「!!」

しずく「今日は泊まってもいいよね?」

愛「出前頼まないと!」ポチポチ

28: 2021/01/22(金) 23:38:43.10 ID:qt5a5gK7
 
―30分後―

 
璃奈「歩夢さんには、ずっと睨まれてた、ような気がする」モグモグ

しずく「2人っきりのデートのつもりだったからね」モグモグ

愛「邪魔されたんだから怒るのも無理ないっしょ」ハフハフ

しずく「怒らせて判断力を削ぐ、というのも作戦の1つでしたからね」

愛「最初は雑貨屋さんに行ったんだよね? どうだった?」

璃奈「初めて来たお店だって侑さんに話したら、ほとんど付きっきりで案内してくれた」

しずく「・・・・・・ごめん。その場にいなくて良かったって思って本当にごめん」シュン

愛「・・・・・・愛さんも」シュン

璃奈「楽しかったよ?」

しずく「その時の歩夢さんは、その、どうだったか覚えてる?」チラリ

璃奈「分からない。ずっとドキドキしてて、侑さんの顔しか覚えてない」モジモジ

 
愛「愛さん達の仕事は学校内でもりなりーを守る事だね」ヒソヒソ

しずく「覚悟を決めないといけませんね」ヒソヒソ

29: 2021/01/22(金) 23:41:10.15 ID:qt5a5gK7

璃奈「ピザ、おいしくなかった?」

しずく「あ、ううん。そうじゃなくて――」

愛「おいしー! あー! りなりーの家で食べるピザは一味違うなー」モグモグ

璃奈「良かった」モグモグ

しずく「愛さん?」キョトン

愛「こんなおいしーピザ、いや、ホント、もう食べられないかもしれないから」ウルッ

しずく「愛さん・・・・・・」シュン

30: 2021/01/22(金) 23:43:36.69 ID:qt5a5gK7
愛「でもさ、そんなに楽しかったんなら、どーしてさっきまでボーッとしてたん?」

璃奈「それは・・・・・・」モジモジ

しずく「話にくいこと?」

璃奈「ううん。そうじゃなくて」チラッ

愛「んー?」モグモグ

しずく「愛さん、退出してください」

愛「なんで?!」

しずく「愛さんがいると話しにくい事、それはつまり女子のデリケートな話です」

愛「おかしいじゃん! 愛さんも女の子なのに!」

しずく「それでは家に帰ってください」

愛「悪くなってる!?」ガタッ

しずく「私は璃奈さんとお泊り女子トークに花を咲かせるので」

愛「混ぜてよ! アタシだって女子トークできるかんね!」

璃奈「愛さんにも聞いてほしい」

愛「ほら」ホッ

31: 2021/01/22(金) 23:46:04.36 ID:qt5a5gK7

しずく「璃奈さん、無理しなくていいんだよ?」

愛「こらー!」

璃奈「これ」スッ

璃奈は、持ち上げた紙袋で口元を隠した。

愛「それ、Chemie(チェリー)の袋じゃん」

しずく「Chemieって、あの下着メーカーのですか?」

愛「そーそー。あのモールには最近入ったんだっけ」

しずく「ああ、だから愛さんに見せたくなかったんですね」

愛「なんで納得してんの?」ジロリ

ガサッ

紙袋をテーブルに置き、璃奈ちゃんボードの後ろに隠れる。

璃奈「侑さんに選んでもらった(てれてれ)」

「・・・・・・」

33: 2021/01/22(金) 23:48:58.53 ID:qt5a5gK7
璃奈「(てれてれ)」モジモジ

しずく「璃奈さん、璃奈ちゃんボード取ろうか」

愛「さんせー」

璃奈「いやっ、ほんと、ダメだから(てれてれ)」アセアセ

愛「あははっ。冗談だってー」

しずく「はぁ、璃奈さんって本当に可愛いよね」

璃奈「私、かわいい?」

愛「あったりまえじゃん!!」ガタッ

璃奈「うわっ」

しずく「この調子で頑張ろう」

璃奈「うん。打倒歩夢さん(ふんすっ)」

愛「そこで次の作戦なんだけど――」ニヤリ

35: 2021/01/22(金) 23:51:01.77 ID:qt5a5gK7
 
―2日後・お昼休み―

 
キーンコーンカーンコーン

侑「ふう」

「高咲さん? 1年生が呼びに来てるよ」

侑「ありがとう。すぐ行くよ」(1年生? 誰だろ)

―――

侑「璃奈ちゃんだ。どうしたの?」

璃奈「急に来てごめん」

侑「ううん。全然いいけど、珍しいね」

璃奈「こ、これ!」スッ

侑「お弁当箱?」

璃奈「迷惑じゃなかったら、その」

侑「うわぁ! 嬉しい!」パアァ

璃奈「ホント?」ジーッ

侑「今日は天気が良いから屋上で食べようよ」

璃奈「え?」

侑「ほらほら、早く行こ?」

ギュッ

璃奈「・・・・・・うん」

36: 2021/01/22(金) 23:53:29.84 ID:qt5a5gK7

―屋上―

 
璃奈「これ、侑さんの為に作ってきた」スッ

侑「えっ?! 私のお弁当だったの?!」

璃奈「もしかして気付いてなかった?」

侑「うん。てっきり一緒にお昼食べたいのかと」

璃奈「食べたい」ズイッ

侑「う、うん。いいよ」ニッコリ

璃奈「あっ、ごめんなさい」ドキドキ

侑「あっ! 私のお弁当、教室に置いたままだった!」

璃奈「侑さんの分はここにある」

侑「璃奈ちゃんのは?」

璃奈「朝食べ過ぎたからいらない」

侑「・・・・・・もしかして、たくさん味見したからお腹空いてなかったり?」

コクン

侑「そっかそっかー。ふふっ」

38: 2021/01/22(金) 23:56:02.10 ID:qt5a5gK7
璃奈「変?」

侑「ううん。味見も嬉しいし、その指の絆創膏も嬉しいよ」

璃奈「あっ。これは、あまり見ないで」アセアセ

侑「彼方さんに教えてもらったの?」

璃奈「うん・・・・・・」ウツムキ

侑「あっ、ごめん。話してばっかりじゃ、お昼休み終わっちゃうね」

ゴソゴソ

璃奈「・・・・・・」ドキドキ

パカッ

侑「わぁー! 美味しそう!」キラキラ

璃奈「やっぱり私が食べる」

侑「え? ダメだよ」スッ

璃奈「でも、昨日教えてもらっただけだから美味しくないかもしれない。それに、マズくてお腹壊したら危ないから」

侑「こんなに綺麗なんだから大丈夫だよ」

璃奈「・・・・・・」ソワソワ

39: 2021/01/22(金) 23:58:37.69 ID:qt5a5gK7
侑「そんなに気になるなら・・・・・・はい」

スッ

璃奈「えっ」

侑「あーん」

璃奈「!!」ゴソゴソ

侑「どうしたの?」

バッ

璃奈「あ、あー(にっこりん)」

侑「そんな事しなくても絶対に美味しいのに」
侑「はい、あーん」

璃奈「んっ(にっこりん)」モグモグ

侑「どう?」

璃奈「おいしい、と思う(にっこりん)」

侑「私もいただきます」

璃奈「あっ(にっこりん)」

パクッ

侑「ん! すっごく美味しいよ!」

璃奈「すき(にっこりん)」ボソッ

侑「うん! この卵焼き、歩夢のより美味しいよ!」

璃奈「(にっこりん)」プルプル

41: 2021/01/23(土) 00:01:13.90 ID:lRxa4jX+

―放課後・璃奈の家―

 
しずく「やったね!」

璃奈「でも、恥ずかしくて璃奈ちゃんボード使っちゃった」

しずく「それは仕方ないよ。好きな人にあーんなんてされたら誰でもそうなるもん」

愛「愛さんも、りなりーにあーんなんてされた日には、その箸を持って帰って永久保存するかもしれないね」

しずく「真面目な顔して冗談言わないでください」

愛「もうさ、告白してもいけそうじゃない?」

しずく「そうですか? 私は、もう少し積んだ方がいいと思いますけど」

璃奈「明日もお弁当作り頑張る(ふんすっ)」

愛「今日は付き添えたけど、明日も付き添った方がいい感じ?」

璃奈「ううん。レシピは全部データ化してある。失敗はない」

しずく「さすが璃奈さんだね」

璃奈「”しゃべる!DSお料理ナビ”も買った」v

しずく「まだ売ってたんだ」

44: 2021/01/23(土) 00:03:32.98 ID:lRxa4jX+
 
―1週間後・お昼休み 歩夢の教室―

 
愛「歩夢ーーッ! 一緒にご飯食べよー」

歩夢「・・・・・・」ゴソゴソ

愛「今日は時間無くてさ、焦ってたらもんじゃ詰めてきちゃったよ」アハハ

ガタッ

愛「あれ? お弁当持ってどこ行くの?」

歩夢「愛ちゃんには関係ない」

しずく「あれ? お弁当持ってどこ行かれるんですか?」

歩夢「侑ちゃんの所だよ!」ムスッ

愛「愛さん達は?」

歩夢「ここ最近、毎日毎日一緒に食べてたんだから、たまには侑ちゃんと食べたいの!」

しずく「あ、いえ、でも、今は、ほら、まだ授業中かもしれませんよ?」

歩夢「終わるまで廊下で待ってるからいい」プイッ

愛「えー! せっかく教室まで来てるんだからさー、今日は一緒しよーよ」

45: 2021/01/23(土) 00:06:00.75 ID:lRxa4jX+
歩夢「愛ちゃんとしずくちゃんって、最近すっごく仲良いよね?」ジーッ

しずく「そ、そうですか?」

歩夢「そんなに仲良しなら2人でお昼食べればいいでしょ」

愛「まあまあ、アタシのおかず1つあげるから落ち着いて」

歩夢「もんじゃじゃん!」

愛「たくあんもあるよ?」

歩夢「もういい!」

タッタッタッ

愛「うーん、さすがにまずかったかな」

しずく「一応、璃奈さんに連絡しておきますね」ポチポチ

愛「さすがに教室でたくあんはヒンシュク買うよねー。時間なかったから、ぬか付いたままだし」

しずく「あっ、うっかり。かすみさんと一緒に食べる約束をしていたのを忘れていました」タッタッタッ

48: 2021/01/23(土) 00:08:33.95 ID:lRxa4jX+

―廊下―

 
トボトボトボ

歩夢「はぁー」(侑ちゃん、どこ行ったんだろう)

「歩夢ちゃん? なにか探し物?」

歩夢「ううん。なんでもないよ」

「そう?」

歩夢「うん」ニッコリ

キョロキョロ

(なに探してるんだろう)キョトン

49: 2021/01/23(土) 00:11:06.42 ID:lRxa4jX+

―同じ頃・屋上―

 
璃奈「あーん」

侑「どう? 美味しいでしょ?」

璃奈「うん。今日は上出来」モグモグ

侑「今日”も”だよ。毎日ありがとう」ニコッ

バッ

璃奈「(テレテレ)」

侑「あははっ。照れる璃奈ちゃんも可愛いよー」

璃奈「ありがと(テレテレ)」ボソッ

51: 2021/01/23(土) 00:13:36.46 ID:lRxa4jX+
 
璃奈「私のも食べてほしい」

侑「同じお弁当だよね?」

璃奈「少しだけ味付けを変えてある」

侑「でも、璃奈ちゃんのお弁当作るついでに作ってくれてるんだよね?」

璃奈「うん」

侑「味付け変えてるなら余るよ? 卵焼きなんて、1つ作ると4切れくらいできるから」

璃奈「・・・・・・私の家のフライパンは細長いから2切れで丁度いい」

侑「へえ。なんかすごいね」

璃奈「だから、食べてほしい」

スッ

侑「あーっ」

モグモグ

璃奈「・・・・・・」ウツムキ

侑「んっ! こっちはちょっと醤油が強めだね」

璃奈「どう?」

侑「美味しいよ!」

璃奈「どっちが好き?」

侑「うーーーん」

ピピッ

璃奈「・・・・・・」ポチポチ

しずく:歩夢さんの足止めに失敗しました。そちらに向かっているかもしれません。

璃奈「・・・・・・」

侑「どっちも美味しくて選べナイヨー!」

52: 2021/01/23(土) 00:16:05.87 ID:lRxa4jX+

―放課後・部室―

 
歩夢「侑ちゃん? 今日のお昼、どこで食べてたの?」

 
愛「!!」
しずく「!!」

璃奈「・・・・・・」

 
侑「お昼? 屋上で食べてたよ」

歩夢「あっ、そうなんだ」

侑「ごめん。もしかして探してた?」

歩夢「うん、まあ、少しだけ」

侑「それなら連絡してくれれば良かったのに」

歩夢「ううん。そんなに大した用じゃなかったから。それに忙しい時だったら悪いと思って」アセアセ

侑「もう、私達の仲なんだから遠慮なんてしないでよ」ニコニコ

歩夢「ふふっ、そうだったね」

 
愛(あれ?)

53: 2021/01/23(土) 00:18:31.72 ID:lRxa4jX+

―週末・璃奈の家―

 
しずく「お弁当作戦は順調だね」

璃奈「うん。今日も食べさせてあげられた」モジモジ

しずく「侑さんからは?」

璃奈「・・・・・・」モジモジ

しずく「もちろん?」

バッ

璃奈「(てれてれ)」

しずく「ふふっ。璃奈さんは相変わらず可愛いですね」チラッ

愛「・・・・・・」

しずく「・・・・・・なにかエ チな事でも考えているんですか?」

愛「いやさー、歩夢の様子おかしくない?」

しずく「そうですか?」

愛「なんて言えばいいのかなー、うーん」

璃奈「落ち着いてる?」

愛「そう、かな? 前はもっと「侑ちゃん、侑ちゃん」って騒いでなかった?」
愛「今日だって、どうして屋上に行ったのか、誰とお弁当食べてたのかも追及してなかったしさ」

54: 2021/01/23(土) 00:21:31.33 ID:lRxa4jX+
しずく「そう言われれば・・・・・・」ウーン

璃奈「侑さん離れ、かもしれない」

しずく「あの歩夢さんがですか?」

愛「考えにくいけど、今までが異常だったと考えれば正常に戻ったとも言えるっしょ?」

しずく「たしかに、先日までは私達の昼食に付き合ってくれていましたしね」

愛「前までの歩夢だったら、私達を殴り倒してでもゆうゆの所に駆けつけてたって」

しずく「それは言い過ぎだと思います」

55: 2021/01/23(土) 00:24:15.64 ID:lRxa4jX+
愛「とにかくチャンスだよ!」

璃奈「告白する」ガタッ

愛「ヨッシャー! サイコーなスパートかけるぞー! 最後(Last)だけに」

璃奈「おー」ニッ

しずく「あっ!」ガタッ

愛「どうしたん?」

しずく「今ッ! 璃奈さんが今ッ!」アワアワ

56: 2021/01/23(土) 00:26:54.28 ID:lRxa4jX+
 
―翌日・虹ヶ咲学園―

 
璃奈「・・・・・・」ドキドキ

 
璃奈『日曜日の朝8時、部室棟の屋上に1人で来て』

しずく『誤字もありませんし、簡潔で分かりやすい。これで問題ないですよね?』

愛『オッケー!』

璃奈『・・・・・・』ドキドキ

ポチッ

愛『終わったら愛さんの家でパーティーやるから絶対に来てね』

しずく『成せば成る。さっきの笑顔を思い出して!』

愛『気合い入れる為に勝負下着にするっていうのは?』

しずく『ばっ! 愛さん! 璃奈さんがそんな猥褻物もってるワケありません!」ガタッ

愛『あの下着の事だからね?』

璃奈『あっ』

しずく『持ってるの!?』

57: 2021/01/23(土) 00:29:29.63 ID:lRxa4jX+

ゴソゴソ

手鏡を取り出し、自分の表情を確認する。今朝から不安になる度に繰り返している事だ。

璃奈「・・・・・・」ニッ

ほんの少しだけ口角が上げられるようになった自分を見ると、告白も上手く出来るように思えた。

手鏡をポケットにしまい、屋上に吹く風を感じる。ゆるやかな風が木々を揺らす音までも聞こえた。
日曜日の朝、平日とは比べ物にならないほど校舎は静かだった。

璃奈「頑張ろう」

そう心に誓う。璃奈ちゃんボードは自宅に置いてきた。

58: 2021/01/23(土) 00:32:11.25 ID:lRxa4jX+

ガチャ

ドキッ

侑「待たせちゃったかな? ごめんね」

「私もいま来たところ」

侑「それなら良かった」

「私の方こそごめんなさい」ペコリ
「忙しい侑さんを呼び出したりして」

侑「ううん。気にしないで」

「どうしても聞いてもらいたい事があって」

侑「うん」

「すぐに終わるから最後まで聞いてほしい」

侑「なんでも話してよ。なんでも」

59: 2021/01/23(土) 00:34:43.62 ID:lRxa4jX+
 
 
「私ッ、侑さんのことが好き。愛してるっ」



「表情豊かな侑さんが・・・・・・すき」

「スクールアイドルに夢中になってる侑さんが・・・・すき」

「一緒にお弁当食べてくれる侑さんが・・・すき、私の練習に付き合ってくれる侑さんが好きっ」

「体の固い私を応援してくれる侑さんが好き! もっと侑さんの事が知りたい、私の事も知ってもらいたい」

 
「だから、私と付き合ってほしい」ペコリ

 
侑「・・・・・・」



侑「顔、上げて?」

「うん・・・・・・」

侑「ありがとう。とっても嬉しいよ」

「私の方こそ、聞いてくれてありがとう」ニッ

侑「私ね、――――」

62: 2021/01/23(土) 00:40:17.60 ID:lRxa4jX+
 
―もんじゃ みやした―

 
愛「りなりー、まだかなー」

しずく「クラッカーまで準備しましたけど、これ鳴らしても大丈夫ですか?」

愛「え? 大丈夫っしょ」

しずく「もしも璃奈さんが泣きながら帰って来たら怒られません?」

愛「絶対に大丈夫だってー」

しずく「そうですよね! 最悪の可能性に備えて、ウィッグと髪留めもありますし」

愛「だからそれは要らないってば」アハハ

ガラッ

璃奈「・・・・・・」

愛「いらっしゃい!」

しずく「あわわっ」

パーン

愛「りなりー! おめおめー!」

しずく「おめでとう!」

璃奈「・・・・・・」

愛「りなりー?」

しずく「ま、まずは座ろっか」

愛「そだねー。こっちだよー」

テクテクテク

ストン

64: 2021/01/23(土) 00:43:48.98 ID:lRxa4jX+

璃奈「・・・・・・」

愛「さーさー、これ付けてね」

璃奈「・・・・・・」(パーティー帽)

しずく「これもどうぞ」パサッ

璃奈「・・・・・・」(”本日の主役”たすき)

愛「よーし! 愛さん気合い入れてもんじゃ焼いちゃうぞー!」バッ

ジューッ

しずく「まだ午前中なので、軽めのでお願いします」

愛「おけまるー」パサパサッ

しずく「いま振りかけてるのは?」

愛「チーズだよ」

しずく「璃奈さんも朝からチーズは厳しいよね?」

璃奈「・・・・・・ごめん、なさい」ボソッ

ジューッ

愛「え? なんて?」

しずく「ちょっと! 焼くの中断してください!」

愛「無理だって! とりあえずこれだけ焼いちゃうからちょい待って」

しずく「璃奈さん、あっちの席に行こう」

トコトコトコ

愛「あっ! もうすぐ終わるから! ホントすぐだから!」

ジューッ

65: 2021/01/23(土) 00:46:36.29 ID:lRxa4jX+
しずく「璃奈さん、大丈夫?」

璃奈「ごめんなさい」ウツムキ

しずく「泣いてもいいんだよ? 今日は愛さんのご家族もいないって言ってたから」

璃奈「何があっても侑さんの前じゃ泣かないって決めてた」

しずく「うん・・・・・・」

璃奈「でも、あの時も今も涙が出てこない。不思議」ボーッ

しずく「それはきっと・・・・・・」

愛「へい! チーズもんじゃお待ち!」

しずく「注文してませんけど」

愛「え? 粉チーズかける?」

璃奈「愛さんもごめん。私、フられちゃった」

愛「なんで謝るの?」

しずく「そうだよ」

66: 2021/01/23(土) 00:49:12.75 ID:lRxa4jX+

璃奈「だって、私の為にいろいろ協力してくれて、休みの日に家まで来てくれて」

愛「そんなの当たり前っしょ! だってアタシら友達じゃん」

しずく「2人のデートに割り込む作戦会議も、お弁当の献立のアイディアも、璃奈さんの家にお泊りしたのも――」
しずく「全部楽しかったよ」ニッコリ

璃奈「ありがと」ボソッ

愛「そーそー。結果がついて来ない事なんてなんにでもあるからね」
愛「どんなにテスト勉強頑張っても点数とれない時とか、どんなに練習しても本番でシュート決められなかったり」

しずく「愛さんにもそんな事があるんですね」

愛「あるある。いーーーっぱいあるから」

璃奈「そういう時はどうしてるの?」

愛「お腹いっぱい食べる! それからまた練習する!」

しずく「それでよくそのスタイルを保てますね」

愛「食べた分は、ちゃんと消費してるからね」キリッ

67: 2021/01/23(土) 00:51:47.91 ID:lRxa4jX+
 
璃奈「じゃあ、私もそうする」

愛「そーそー! はい、口あけてねー」

スッ

 
侑『はい、あーん』

 
璃奈「・・・・・・」

愛「りなりー?」

 
侑『それ絶対璃奈ちゃんに似合うよ!』

侑『こういうのはどう? お揃いで買う?』

侑『あっ! 私、このおかず好きなんだよねー』

一緒に出掛ける事も、お弁当を食べる事も、もう・・・・・・もう・・・・・・――――。

68: 2021/01/23(土) 00:54:22.46 ID:lRxa4jX+

璃奈「ごめん・・・・・・ごめんなさい・・・・・・」ウルウル

愛「謝らないでよ」

コテを皿に戻し、正面から優しく抱きしめる。

璃奈「わ、たし・・・・・・」

愛「ちゃんと好きって伝えられた?」

璃奈「う、ん」

愛「ちゃんとゆうゆの顔みれた?」

璃奈「う゛、ん」

愛「今まで泣かなかったよね?」

璃奈「ん゛っ」コクン

愛「それなら上出来だって。誰でも初めては失敗するもんっしょ?」

ナデナデ

璃奈「んっ、ん、んぅっ~~――ッ」ポロポロ

 
しずく「あっ、意外と食べられますね」モグモグ

69: 2021/01/23(土) 00:57:36.88 ID:lRxa4jX+
 
―虹ヶ咲学園 部室棟屋上―

 
侑「・・・・・・」

ガチャ

歩夢「侑ちゃん」

侑「歩夢・・・・・・」

空を仰いだまま答える侑に、歩夢はゆっくりと近づいていく。

歩夢「全然戻って来ないから心配したよ」

侑「私ってさ、酷い女だよね」

歩夢「そんな事ないよ」

侑「ごめん」

歩夢「どうして謝るの?」

侑「私達のこと、璃奈ちゃんに話しちゃったから」

歩夢「侑ちゃんは間違ってないよ」

侑「ねえ、歩夢」クルッ

歩夢「ん?」

侑「少しだけ、抱きしめさせて」

歩夢「学校ではそういう事はし――」

侑「少しだけだから」

歩夢「・・・・・・分かった。おいで」

ギュッ

71: 2021/01/23(土) 01:00:51.52 ID:lRxa4jX+

―1時間後―

 
愛「改めて! りなりー慰め会はじめーっ!」

璃奈「わー」パチパチ

しずく「あの、私はもうお腹いっぱいなんですけど」

愛「しずくって意外と食べるよね~」

しずく「むっ」(2人が抱き合ってる間、もんじゃを食べる事しか出来なかったんですよ!)

璃奈「愛さん、私にも焼いてほしい」

愛「あいよ!」

ジューッ

74: 2021/01/23(土) 01:04:59.87 ID:lRxa4jX+

璃奈「愛さん、しずくちゃん」

しずく「うん?」

璃奈「私、これからも頑張る」

ジューッ

愛「え? なんだって?」

しずく「侑さんの事?」

璃奈「うん。1回じゃ諦め切れない」

しずく「その意気だよ! 私も愛さんも何度でも応援するからね」

璃奈「ありがとう」

愛「お待たせ! これで粘り勝てる! 特製モチ入りもんじゃだよ!」

ジュー

 
おわり

78: 2021/01/23(土) 01:13:50.80 ID:7xy4ZHRA
乙 乙女りなりーかわいい
愛さんとしずくちゃんが清涼剤になっててサラッと読めたのがよかった
所々笑わせてくれた愛さんマジ愛さん

81: 2021/01/23(土) 01:20:36.77 ID:Bhvf2rFu
おおこれはなんとも………乙でした

82: 2021/01/23(土) 01:39:04.90 ID:nb3W89Ti
上手く行かないこともあるよね

86: 2021/01/23(土) 03:15:31.16 ID:lkpT9R7t
これはこれでいいな

89: 2021/01/23(土) 09:59:36.84 ID:s63idrrj
俺ちゃんボード『乙』

引用元: https://nozomi.2ch.sc/test/read.cgi/lovelive/1611324353/

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