【SS】穂乃果「入れ替わり立ち替わり」

海未「まったく。あなたと言う人は毎度毎度。私だってこんなガミガミ言いたくないんですよ。だと言うのに…」ｶﾞﾐｶﾞﾐ

穂乃果「はい…はい…」

海未「分かってるんですか？」

穂乃果「はい…」

ガチャ

真姫「海未～ちょっといい？」

海未「なんでしょう？」

真姫「曲の事で相談が」

海未「わかりました。では、音楽室で。穂乃果！すぐ帰って来ますから反省してて下さい」

穂乃果「はい……」

ガチャ

海未「真姫、今行きます」

バタン

穂乃果「………」

穂乃果「え？私これ戻って来るまで待ってるの？」

凛「そうみたいだね」ヌルッ

穂乃果「わっ！！？凛ちゃん！！？いつから居たの？」

凛「驚きすぎだにゃ～今来た所だよ」

穂乃果「だってヌルッと生える様に現れるから」

凛「怒られてたね」

穂乃果「うん。怒られてたの。可哀想でしょ？」

凛「そんな穂乃果ちゃんにはこれあげるよ」

穂乃果「え？何？」

凛「チョコレートだよ」

穂乃果「いいの？」

凛「うん。一つだけね」

穂乃果「じゃあ一つ！いただきます。パクッ」

凛「どうぞどうぞ」

穂乃果「うん。これは美味い」

凛「でしょ？」

穂乃果「でも珍しいね！凛ちゃんがお菓子持って来るなんて」

凛「凛が持ってきた訳じゃないよ」

穂乃果「そうなの？」

凛「うん。机の上に置いてあった」

穂乃果「え！！？それ食べて平気なの？」

凛「賞味期限は切れてないよ」

穂乃果「そうじゃなくてさ。勝手に食べていいの？」

凛「多分これ絵里ちゃんのだと思う」

穂乃果「え…勝手に食べちゃダメじゃん」

凛「凛もにこちゃんにハメられたんだよ」

穂乃果「それをなんで勧めたの？」

凛「責任は分散した方が精神的にも楽かな～と思ったんだ～」

穂乃果「思ったんだ～じゃないよ！！！なに巻き込んでくれてるのさ！！！ただでさえ今海未ちゃんに怒られてるのに」

凛「大丈夫だにゃ」

穂乃果「何が大丈夫なの？」

凛「そんな事もあろうかと」

穂乃果「そんな事もあろうかと？」

凛「はい！これ」

穂乃果「……何これ？」

凛「This is a pen！まさかこれを使う日が来るとは思わなかったにゃ」

穂乃果「それは見れば分かるよ」

凛「じゃあこっちは！」

穂乃果「何？」

凛「これは凛の反省の気持ちを書いた反省文！」

穂乃果「絵里ちゃんに書かされたの？」

凛「違うよ！絵里ちゃんはまだ知らないし。自発的に書いたんだよ」

穂乃果「自発的に？」

凛「うん。言われる前に書いておけば反省の意が伝わるかなと思って」

穂乃果「どうだろう？予め反省文を用意してるのもなんだかなぁ」

凛「まあ…でも書かないよりマシじゃない？」

穂乃果「マシかなぁ…」

凛「取り敢えず穂乃果ちゃんも書いておきなよ。海未ちゃんと絵里ちゃんに」

穂乃果「なんで絵里ちゃんにまで…」

凛「と言う事で凛は絵里ちゃんに提出しに行って来るね！」

穂乃果「うん」

ガチャ　バタン

穂乃果「……黙ってチョコを戻しておくって考えはないのかな？バレるかぁ…」

ガチャ

絵里「あれ？穂乃果だけ？」

穂乃果「げっ…」

絵里「げっとは何よ？」

穂乃果「いやぁ…」

絵里「私が来たらまずいの？」

穂乃果「全然。ぜんぜんぜんぜんぜ」

絵里「ぜが一個多くない？」

穂乃果「えへへ」

絵里「他の皆んなは？」

穂乃果「え……さあ？」

絵里「なによそれ」

穂乃果「絵里ちゃんどこ行ってたの？」

絵里「私？日直の仕事をしてたの」

穂乃果「へ～…」

絵里「うん。………ねえ？なんか隠してない？」

穂乃果「え？か、隠してないよ？」

絵里「……別にいいけど」

穂乃果「あの～…私…今からちょっと宿題やるから」

絵里「宿題？穂乃果が？」

穂乃果「そうだよ？なんか変？」

絵里「うん…」

穂乃果「宿題をやるって言うだけで疑問を持たれるなんて…」

絵里「普段が普段だから」

穂乃果「そこまで酷くないと思うんだけど」

絵里「まあいいわ。じゃあ見てあげようか？」

穂乃果「見る？」

絵里「いや宿題を」

穂乃果「…なんで？」

絵里「せっかく二人なんだし」

穂乃果「…いいよ。悪いし」

絵里「別に遠慮しなくていいわよ」

穂乃果「いや本当に」

絵里「なんで？」

穂乃果「なんでって…宿題はほら…自分の力でやるもんだし」

絵里「別に答えを教えるとは言ってないんだけど？」

穂乃果「過程も含めて自分でやらないと意味がないと思うの」

絵里「そうかしら」

穂乃果「そうだよ。だって…教えて貰ってその時はいいけどいつも一緒にいて教えてくれる訳じゃないでしょ？」

絵里「そりゃあね。何が言いたいのよ？」

穂乃果「…つまり…自分で考える癖をつけないと絵里ちゃんが卒業してから困るじゃん？だから…私の為を思うなら突き放して！」

絵里「昨日までことりに教えて貰ってた人間のセリフとは思えないんだけど…」

穂乃果「え？あ～成長したんだよ！」

絵里「成長？」

穂乃果「そう。成長！」

絵里「へ～…ならいいけど」

穂乃果「と言う事で私は今から宿題やるから」

絵里「そっ。じゃあ私は一人で読書でもしてるわ」

穂乃果「うん」

絵里「…せっかく教えてあげようと思ったのに」ﾌﾞﾂﾌﾞﾂ

穂乃果「……さて。それじゃ…」

　　



絵里「……」ﾍﾟﾗ

穂乃果「……」ｶｷｶｷ

絵里「……」ﾍﾟﾗ

穂乃果「……あれ？猛省ってどう言う字だっけ？」

絵里「……」ﾍﾟﾗ

穂乃果「ね～絵里ちゃん」

絵里「……」ﾍﾟﾗ

穂乃果「猛省ってどう言う字を書くんだっけ？」

絵里「……」ﾍﾟﾗ

穂乃果「絵里ちゃん？」

絵里「自分の力でやるんでしょ？」

穂乃果「…そうだけど。字くらいは…」

絵里「辞書でも引けばいいじゃない」

穂乃果「辞書なんて持ってないもん」

絵里「図書室にあるわよ～」

穂乃果「そこまで行って来いと？」

絵里「私もいつまでも力になれる訳じゃないからね～」

穂乃果「くっ…根に持ってるなぁ…分かったよ。図書室に行って調べて来るよ」

絵里「はい。いってらっしゃい」

穂乃果「もう。…あっ、でも海未ちゃんにここで待ってろって…どうしよう」

絵里「……」ﾍﾟﾗ

穂乃果「あの～」

絵里「なに？」

穂乃果「もし図書室に行ってる間に海未ちゃんが来たら…すぐに戻るって伝えといてくれない？」

絵里「海未に？」

穂乃果「うん。頼んだよ」

ガチャ

絵里「あっ、ちょっと」

バタン

絵里「行っちゃった…。何よ～もう。海未が来たらって…」

絵里「はあ…まあいいや。そうだ！部室に備蓄しておいたチョコレートを食べようかな。チョッコレイトチョッコレイト～っと」

ガチャ

にこ「いや～…」

絵里「チョコレートはめ…」

にこ「……ご機嫌ね」

絵里「まあね」

にこ「あっ、用事思い出した」

バタン

絵里「……一番見られたくない人物に見られた」カァァァァ

ガチャ

希「今ここにウチが来なかった？」

絵里「あっ…希…にこは来たけど…」

希「バカヤロー！そいつがルパンだ！にこっちに化けてもぐりこんだんだ！でっかい胸して変装も見破れんのかー！！」

バタン

絵里「え…何今の…なんの遊び？」

ガチャ

真姫「ねえ？」

絵里「あ、今度は真姫…」

真姫「あれ絵里？」

絵里「え？」

真姫「まあいいわ。希来なかった？」

絵里「ルパンを追っかけてったけど…」

真姫「………何を言ってるの？」

絵里「本当にね」

真姫「まあいっか。で？絵里は一人で何をしてたの？」

絵里「海未が来るのを」

真姫「え？なに？じゃあ反省中のおバカさんってまさかの絵里の事だったの？」

絵里「へ？」

真姫「私てっきり穂乃果かと。だってさっきまで穂乃果と一緒にいたし。完全に勘違いしてたわ」

絵里「えっと…あの…」

真姫「そっか。絵里でもそう言う時もあるんだ。なんだか意外」

絵里「真姫…ごめん、あの…」

真姫「別に私に謝らなくてもいいわよ。私は怒ってないし。それより希を追いかけなくちゃ。どっちの方に行った？」

絵里「部室に来たのは一瞬だったから…」

真姫「そっ？まっ、校内にはいるだろうし。探すわ。すぐに戻るから。絵里もほどほどにね」

ガチャ

絵里「ちょっと…」

バタン

絵里「何をほどほどになのよ？」

ガチャ

穂乃果「ただいま～」

絵里「あっ！帰って来た！ちょっと穂乃果！！！」

穂乃果「な、何？」

絵里「どう言う事かしら？」

穂乃果「どう言うって……え？バレた？」

絵里「やっぱり何か隠してた」

穂乃果「あっ…まずっ…違うよ」

絵里「何が違うのよ？」

穂乃果「あのね。私は絵里ちゃんのチョコレートって知らなくて…」

絵里「なんの話？」

穂乃果「だから…絵里ちゃんのチョコレートを食べたのはわざとじゃなく…」

絵里「食べたの…？私のチョコレートを…？」

穂乃果「え？」

絵里「どうして…隠しといたのに…」

穂乃果「そうなの？」

絵里「そうなのって…あなた…」

ガチャ

凛「あっ！絵里ちゃんみっけた！」

絵里「え？」

穂乃果「あっ！！？凛ちゃん！！！」

ことり「絵里ちゃん見たかった～？」

凛「うん。ことりちゃんのおかげだよ」

ことり「私何もしてないけど」

絵里「何なの？次から次へと」

穂乃果「ちょっと凛ちゃん！」

凛「穂乃果ちゃん待って先に絵里ちゃんとお話しさせて」

穂乃果「先に私がチョコレートを食べたと言う誤解を解いて欲しいんだけど」

凛「え～食べたじゃん」

穂乃果「食べたけども」

絵里「食べてるんじゃない…で凛？私に話って？」

凛「絵里ちゃんにこれ読んで欲しいんだ」

絵里「何かしら。なになに…大好き絵里ちゃんへ。絵里ちゃんいつもありがとう。私は優しい絵里ちゃんが大好きです……ちょっと…何よ…急に…」

凛「えへへ」

ことり「絵里ちゃんにお手紙を渡したかったんだね」

穂乃果「お手紙…お手紙なのかな？」

絵里「…絵里ちゃんはいつも私達の為に優しく時には厳しく指導してくれてありがとう。本当に感謝しています。そんな事…もう…凛たら」

凛「だって本当の事だもん」

絵里「ここで絵里ちゃんに一つ……謝らなければならない事があります………ん？」

凛「あっ、そこから本題なんだ」

ことり「今までの本題じゃないんだ」

絵里「私、星空凛は知らなかったとは言え絢瀬絵里さんのチョコレートを勝手に食べてしまい傷つけてしまった事を真摯に受け止め反省したいと思います……」

凛「ごめんね絵里ちゃん。凛も絵里ちゃんのチョコレート食べちゃったの」

穂乃果「もって…」

絵里「なに？二人は共犯者って訳？」

凛「正解には二人じゃないよ」

穂乃果「そう！私は無罪」

絵里「何が無罪よ。食べたんでしょ？」

穂乃果「食べたけど…」

絵里「あのね…私がなんで怒ってるか分かる？」

穂乃果「チョコレート無くなったから……」

凛「絵里ちゃんチョコレート大好きだもんね。そりゃあ怒るよね」

絵里「違うわよ！！！」

穂乃果「え？違うの？じゃあなんで？」

凛「お腹空いてるとか…」

穂乃果「それだったらチョコレート無くなったからって事じゃないの？」

凛「なんかこんがらがって来たにゃ…」

絵里「チョコレートがどうとかじゃないの！！！言い逃れをしようとしたからよ！！！」

穂乃果「違うの！言い逃れとかじゃなくて…」

絵里「じゃあ何？」

穂乃果「私はここで海未ちゃんを待ってたら凛ちゃんが…」

絵里「凛が何？」

凛「穂乃果ちゃん…」

穂乃果「凛ちゃん…うぅ…」

絵里「話はおわり？」

穂乃果「いや…私は本当に知らなかったの。凛ちゃんがくれるって言うから貰ったら絵里ちゃんので」

凛「穂乃果ちゃん…」

絵里「じゃあ悪いのは凛で穂乃果は被害者と？」

穂乃果「うんうん」

絵里「へ～ふ～ん」

凛「あのね。もっと言うと本当は凛だって騙されたんだよ」

絵里「誰に？」

穂乃果「そうなの？」

凛「にこちゃんに」

絵里「なるほど。全ての元凶はにこって訳か」

穂乃果「それでなんで私を巻き込んだの？」

凛「なんか落ち込んでたから。取り敢えずチョコあげとこうと思って」

絵里「そう。もういいわ」

穂乃果「許してくれるの？」

絵里「にこをここに連れて来なさい。話はそれからよ」

穂乃果「で、でも私…」

絵里「私のチョコレートはもう元には戻らない…」

穂乃果「…分かった。凛ちゃん行こう」

凛「え？やっぱり？」

穂乃果「あたりまえじゃん！！」

ガチャ　バタン

絵里「………」

ことり「………」

絵里「ごめんね。変な空気にして」

ことり「ううん。大丈夫…慣れてるし…」

絵里「それも困ったもんね」

ことり「あはは…」

絵里「ねえ」

ことり「うん」

絵里「ふふ…穂乃果も凛もあんな感じだと怒りのやり場がないわね。やっぱりにこか」

ことり「なるべく理性的にね」

絵里「分かってるわよ。本当言うとそんなに怒ってないもの」　

ガチャ

海未「戻りましたよ。穂乃果…は居ないのですか？」

ことり「海未ちゃん…」

絵里「穂乃果ならにこを捜しに行ったわ」

海未「にこを？なぜ？」

絵里「まあ…色々あって」

海未「まったく。穂乃果は本当に反省してるんですかね」

絵里「なんか…あったの？」

海未「この頃寝坊が多いので注意したんです。優しくですよ？」

絵里「そうは見えないけど…」

海未「最初は優しく注意したんです。なのに減らず口ばっかりたたくので」

ことり「導火線に火が付いちゃったんだ…」

海未「そう言う事です」

絵里「穂乃果にも困ったわね」

海未「そうでしょう？普段からだらしないんですよ。今朝なんて遅れて来たと思えばシャツがスカートからはみ出してるし体操服を雪穂の物と間違えて持って来るしで…」

絵里「雪穂ちゃん体育の授業がなければいいけど…」

海未「とにかくガサツでお気楽なんですよ」

ことり「ふふふ」

海未「なんで笑うんです？」

ことり「いつも穂乃果ちゃんの話を楽しそうにするな～って」

海未「……怒っているんですよ？」

ことり「楽しそうだよ？絵里ちゃんもそう思うよね？」

絵里「そうね～海未は穂乃果が大好きなのね」

海未「なぜそうなるのです！」

絵里「だって」

ことり「ね～」

海未「もう。全部穂乃果のせいです」

絵里「そうね。穂乃果のせいね」

ガチャ

海未「どこ行くのですか？」

絵里「ちょっとお手洗いに行くだけよ」

海未「そうですか」

絵里「もうそろそろ穂乃果達も帰ってくると思うわよ」

バタン

海未「結局穂乃果は何をしてるんですか？」

ことり「えっと…絵里ちゃんのチョコレートを…」

ガチャ

花陽「あれ？海未ちゃんとことりちゃんだけ？」

海未「花陽。遅かったですね」

花陽「うん。アルパカさんの所に行ってて。凛ちゃんと真姫ちゃんは先に来てると思ったんだけど…」

ことり「凛ちゃんはにこちゃんを探しに」

花陽「にこちゃんを？にこちゃんならここに来る時に会ったよ。チョコレートをくれたんだ！」

ことり「チョコレート？それって…」

花陽「え？」

海未「それで…花陽が手に持っているのは…チョコレートのには見えませんが？」

花陽「これ？牛丼だよ」

海未「なぜ牛丼を…」

花陽「これも貰ったの」

ことり「にこちゃんに？」

花陽「ううん。これは料理研究部の人達に」

海未「料理研究部？そんな部が」

花陽「匂いにつられて歩いてたら」

ことり「歩いてたら」

花陽「にこちゃんに会って」

ことり「そこでにこちゃんに」

花陽「うん。にこちゃんが料理研究部で牛丼の作り方をレクチャーしてるって言うから」

海未「にこが？牛丼を？なぜ？」

花陽「にこちゃん料理得意だから」

ことり「確かに上手だもんね」

花陽「卵なんて…ないよね？」

海未「ないに決まってるでしょう。今食べる気ですか？」

花陽「え？そうだよ」

ことり「え～凄い…お昼だって食べたんだよね」

花陽「うん。最近穂乃果ちゃんと美味しいご飯屋さんの情報交換を夜な夜なしててね。そのせいか分からないけど食欲旺盛なんだ」

ことり「食欲旺盛なのはいつも…じゃないのかな？」

海未「あなた達は何をしてるのです…」

花陽「最初は…GoHAN-YAの情報交換をしてただけなんだけどね。ほら、今ってネットに色んな情報が溢れてるからつい盛り上がっちゃって。気付くと夜中になっちゃってるの。あ～思い出したらお腹空いて来たよ～。牛丼食べて良いよね？食べるね」

ことり「うん」

花陽「じゃあ。頂きま～す」

海未「……嬉しそうですね」

花陽「うん。すっごく幸せ」

ことり「なんか…花陽ちゃんを見てるとこっちまで幸せにな気持ちになるね」

海未「…そうですね」

花陽「はあ～牛丼美味しいよぉ。日本に生まれて良かったよぉ」

海未「そこまで！！？」

ガチャ

にこ「あっ牛丼食べてる」

海未「にこ…」

ことり「にこちゃん！！？」

にこ「んあ？何よ？」

花陽「にこちゃん！この牛丼美味しいよ！」

にこ「え？まあね。この私がレクチャーしたんだから当たり前っちゃ当たり前だけどね」

ことり「そんな事よりにこちゃん…」

にこ「そんな事？」

ことり「あっ、違うの。えっと…絵里ちゃんや穂乃果ちゃんに会わなかった？」

にこ「会ってないけど？なんで？」

ことり「にこちゃんの事探してるの。あの…にこちゃん絵里ちゃんのチョコレート勝手に食べちゃったでし？」

にこ「絵里のチョコ？」

花陽「え？じゃあさっき貰ったチョコレートって…」

にこ「いやいや。違う違う。絵里の好きなチョコレートを貰ったから絵里にあげようと思ったのよ。どこでどう話がねじ曲がったのよ？」

ことり「穂乃果ちゃんと凛ちゃんが…」

にこ「あ～…じゃあ元凶は凛ね」

ことり「凛ちゃんが？」

にこ「私は料理研究部に顔出すからチョコを持って行く様に言ったのよ。凛も食べていいけど絵里の好きなチョコだから全部食べちゃダメよって言っといたのに」

ことり「えっと…じゃあ…絵里ちゃんのチョコレートは…」

にこ「だから絵里のチョコレートって何よ？」

ことり「絵里ちゃんが部室に備蓄してたチョコレート」

にこ「いや…それは知らない」

海未「絵里…そんな事してたんですか」

花陽「……」モグモグ

ことり「と言う事は絵里ちゃんのチョコレートは誰も食べてないって事…だよね？」

にこ「知らないけど。そうなんじゃない？確認してみればいいじゃない」

ことり「そうなんだけど。どこにあるんだろう？」

にこ「そんなの知らないわよ。って言うか絵里は確認しなかったの？」

ことり「しなかったって言うかタイミングが…」

にこ「何よそれ」

海未「絵里ならもうじき帰って来るのでは？」

にこ「どこに行ってるのよ？」

海未「お手洗いに」

にこ「ふ～ん」

ガチャ

絵里「本当にいるの？」

希「たぶんね～」

にこ「あっ…噂をすれば」

絵里「にこ！！」

希「ほらね？言った通りやん？」

絵里「そうね」

にこ「ちょっとえ…」

絵里「にこ！！あなた、私のチョコレートを勝手に食べたらしいじゃない！！どうやって見つけたのか知らないけど人の物を勝手に食べるってどう言うつもりなのかしら？」

にこ「いやそれは」

希「まあまあえりち。そう怒らないで。にこっちも素直に謝った方がええよ」

にこ「いやよ。なんでにこが謝らなきゃいけないのよ」

絵里「人の物を勝手に食べたからよ！！！」

にこ「勝手には食べてない！」

絵里「私は一言も食べていいなんて言ってないわ」

にこ「そう言う事を言ってんじゃないわよ」

絵里「じゃあどう言う事よ」

海未「どうやら絵里は勘違いをしてる様ですよ」

絵里「え？勘違い？」

ことり「正確に言うと絵里ちゃんが勘違いしたと言うか…凛ちゃんが勘違いしてると言うか…」

絵里「どう言う事？」

にこ「だから誰もあんたのチョコレートは食べてないのよ」

絵里「…………え？」

にこ「私は絵里の好きなチョコレートがあるから一緒に食べなって凛に渡したの」

絵里「えっと…と言う事は…私のチョコは無事なの？それどころか…にこは私にチョコレートを分けてくれようとしてたと？」

海未「そう言う事みたいですね。にこは普段の言動から疑われても仕方ないですが絵里が喜ぶと思ってチョコレートを凛に渡した様です」

絵里「そうだったの…それなのに…私…疑ってごめんなさい」

にこ「待って。絵里より海未に怒りが湧きそうなんだけど」

希「ウチはそれより花陽ちゃんが持ってるそのどんぶりの方が気になるんやけど…何か食べてたん？」

花陽「牛丼食べてたんだぁ。ごちそうさまでした」

希「学校で牛丼？」

海未「もう食べ終わったんですか？」

花陽「うん」

ことり「皆んなが喋ってる間も黙々と食べてたもんね」

絵里「え～って言う事は私のチョコレートは無事なのね」

にこ「どこに隠してたのよ？」

絵里「普通に…そこの箱の中に」

海未「そんな所に？」

希「ウチは知ってたけどね」

絵里「あれ？ない？」

海未「え？」

ことり「ないの？」

絵里「うん。あれ？なんで？」

にこ「食べたんじゃないの？」

絵里「食べてないわよ」

海未「じゃあやっぱりにこが？」

にこ「なんでよ！！！」

希「本当にそこにしまったの？」

絵里「と思うんだけど…」

ガチャ

真姫「あっ！ここに居たのね希！」

希「あっ見つかっちゃった～」

真姫「見つかっちゃったじゃないわよ…皆んなの前であんな事…ってなんかあったの？」

ことり「あはは…なんかって言うか」

真姫「何？もしかして絵里？」

絵里「え？まあ……あっ！そうだ！違うわよ？別に私が海未に反省させられている訳じゃないのよ」

真姫「え？」

海未「なんの話です？」

絵里「反省中なのは穂乃果なの！私は穂乃果と入れ違いになっただけだから」

真姫「やっぱりそうだったのね。そうよね。絵里が何かやらかす訳ないもんね」

絵里「そ、そうね」

海未「話が見えないのですが」

絵里「大丈夫。今誤解が全て解けたから」

にこ「全てじゃないでしょ。チョコの件はまだなんだから」

真姫「チョコの件？」

ことり「絵里ちゃんのチョコレートを誰かが勝手に食べてしまったらしくて」

真姫「あ～あれってやっぱり絵里のだったの？」

絵里「え？知ってるの？」

海未「もしかして真姫が？」

真姫「にこちゃんが凛に食べていいって言ったんじゃない」

にこ「え？私が？」

絵里「ちょっと！どう言う事よ！」

真姫「昨日にこちゃんが…」

にこ『あれ？ない…ない…』

真姫『何探してるの？』

にこ『DVD。花陽に貸す約束したのよ』

真姫『ふ～ん』

にこ『ちょっと手伝って』

真姫『いいけど』

にこ『なんでこんな所にチョコなんか仕舞ってあるのよ』

ポイッ

真姫『チョコ？』

ガチャ

凛『にゃ～到着！』

にこ『ない…ない…』

凛『なにしてる？』

真姫『DVD探してるんだって』

凛『へ～…このチョコレート何？食べていいの？』

にこ『勝手にしなさいよ』

凛『わ～い。頂きま～す』

パクッ

凛『美味し～にゃ～。これどうしたの？』

にこ『ん？知らない。絵里あたりが持って来たんじゃないの？』

凛『え？絵里ちゃんなの？』

にこ『知らないわよ。も～どこにやったっけ～』

真姫「って事があったじゃない」

にこ「え？私がそんな事言ったの？」

真姫「そうよ」

絵里「何？結局にこなの？」

ことり「なんか…だんだん頭がこんがらがって来ちゃった」

海未「話が二転三転してますからね」　

真姫「で？穂乃果と凛はどこに行ったの？」

絵里「そう言えばまだ帰って来ないわね」

ことり「にこちゃんを見つけるまでずっと探してるのかも」

希「部室に居るともしらずに探してるんや」

ガチャ

穂乃果「にこちゃん見つからないんですけど…」

凛「もうリタイアにゃ～」

海未「穂乃果」

穂乃果「げっ…海未ちゃん…皆んなも…」

海未「げっとはなんですか！」

穂乃果「いや～…あはは…」

凛「そう言えば真姫ちゃんと希ちゃんなんか知らないけど噂になってたよ？」

希「え～そうなん？」

真姫「全く。だから言ったのに」

ことり「噂って？」

穂乃果「料理研究部の部室の前でイチャイチャしてたんでしょ？」

希「バレちゃった？困るな～」

にこ「イチャイチャって何してたのよ？」

海未「全然困ってる様に見えませんが」

真姫「違うのよ！廊下を歩いてたら希が急に後ろから人の胸を」

希「愛情表現やん」

絵里「なるほどね」

穂乃果「にこちゃんが探して料理研究部行ったら二人の事聞かれるからビックリしちゃったよ」

真姫「ちゃんと誤解は解いてくれたんでしょうね？」

希「誤解なんて真姫ちゃん照れ屋さんやなぁ」

真姫「いや本気で」

穂乃果「誤解を解くも何も事情を知らなかったし」

凛「ね～」

真姫「もう。後で誤解だって言いに行かなきゃ」

穂乃果「放っておけばいいのに。人の噂も七十日なんだからさ」

ことり「五日足りないね」

絵里「本題に入るけど…凛！」

凛「はい！」

絵里「にこから何か預からなかった？」

凛「え？」

にこ「チョコレート渡したでしょ？」

凛「あっ！うん！お詫びのチョコレートだよね！」

穂乃果「え？何それ？」

海未「穂乃果。あなたは私とお話をしましょうか？」

穂乃果「あっ……そうだ！海未ちゃんにあの…プレゼントがあるの！」

海未「なんとなく先程からチラチラと視界に入って来ているのですが…牛丼じゃないですよね？」

穂乃果「何で分かったの！！？」

希「海未ちゃんはウチの後継者やから」

穂乃果「スピリチュアルの！！？」

海未「話をややこしくしないで下さい。先に花陽が貰って来てたんです」

穂乃果「そうだったの？」

花陽「うん」グゥゥゥゥ

ことり「えっ…まだお腹空いてるの？」

穂乃果「それで…あの…海未ちゃん…牛丼食べる？」

海未「結構です。こんな時間に食べれる訳ないでしょう」

穂乃果「え…じゃあ私食べちゃうよ？」

海未「あなた本当に反省してますか？」

穂乃果「えぇ…」

グゥゥゥゥ

花陽「あっ…」

ことり「流石にやめた方が。心配になって来ちゃうよ」

絵里「で！結局チョコレートの行方はどうなったの？凛が持ってるの？」

凛「だから食べちゃったの」

にこ「今日渡したやつよ？」

凛「穂乃果ちゃんが食べた」

絵里「え？なに？穂乃果が食べたのはにこに貰ったやつなの？」

凛「うん…」

穂乃果「話が見えないんだけどさ。私が食べたのはなんか違うやつなの？」

凛「違うと言えば違うけど違くないと言えば違くないみたい」

穂乃果「みたいって…だって机に置いてあったやつを勝手に食べちゃったって言ってたじゃん。それじゃないの？」

凛「それは凛が食べたやつ。でも凛はにこちゃんに騙されたんだよ！」

にこ「だ、騙してないから」

穂乃果「全然分からない。皆んな分かってるの？」

絵里「ごめんなさい。私ももうなんか混乱して来たわ。最早何で怒ってたのかも…」

穂乃果「なに？じゃあ私は濡れ衣だった訳？」

絵里「えっと…そうなのかしら？」

穂乃果「そんな～そんな事ってある？じゃあ私はなんで反省させられてたの？」

海未「寝坊ばっかりしてるからですよ」

穂乃果「………そうだった」　

グゥゥゥゥ

花陽「あっ…」

完

このとっ散らかり方μ'sというよりμ'sキャストっぽい感じがして面白い

おつでした。面白かったｗ
かよちん牛丼食べていいよ

おつ、このグダグダ感がμ'sらしくてよかった

このグダグダ感ととっ散らかった感じ好き
買ってきた牛丼はかよちんにあげる方向で……！