6: 2021/02/05(金) 23:21:24.63 ID:A+yXoyfA
「ねえ、宮下さんってモテるでしょ?告白されたりとかメチャクチャ多そう!」
愛「んー、前はスクールアイドルやってたから」
「恋人とかいないの?」
愛「今はいいかな~」
「ええ、もったいないよ!?」
愛「はは……」
大学一年の秋。
愛(あれ)
愛(愛さん、今日お酒飲んだっけ……?)
サークルの飲み会が終わった後の居酒屋。
その真ん前で、アタシはフリーズしていた。
愛「んー、前はスクールアイドルやってたから」
「恋人とかいないの?」
愛「今はいいかな~」
「ええ、もったいないよ!?」
愛「はは……」
大学一年の秋。
愛(あれ)
愛(愛さん、今日お酒飲んだっけ……?)
サークルの飲み会が終わった後の居酒屋。
その真ん前で、アタシはフリーズしていた。
7: 2021/02/05(金) 23:22:44.77 ID:A+yXoyfA
愛(いやいや……それはないって、別人でしょ)
原因は向かいの居酒屋の前で、ぐったりしている人影。
愛(でもあの黒髪、チラッと見えた顔……身長も)
愛(やっぱりどう見てもせっつーだよね?)
優木せつ菜が未成年飲酒 = ありえない
彼女を知っている人なら、全員同意してくれると思う。
「せっつーが酔っ払ってたよ!」なんて同好会グループに送ったら、通知が鳴りやまないに違いない。
愛(みんな意外と過保護だからねぇ……)
友1「愛、さっきからどうしたの?」
愛「あー、ゴメン…。あそこで酔い潰れてるあの子、アタシの元同級生っぽくてさ」
原因は向かいの居酒屋の前で、ぐったりしている人影。
愛(でもあの黒髪、チラッと見えた顔……身長も)
愛(やっぱりどう見てもせっつーだよね?)
優木せつ菜が未成年飲酒 = ありえない
彼女を知っている人なら、全員同意してくれると思う。
「せっつーが酔っ払ってたよ!」なんて同好会グループに送ったら、通知が鳴りやまないに違いない。
愛(みんな意外と過保護だからねぇ……)
友1「愛、さっきからどうしたの?」
愛「あー、ゴメン…。あそこで酔い潰れてるあの子、アタシの元同級生っぽくてさ」
8: 2021/02/05(金) 23:24:34.21 ID:A+yXoyfA
友2「ありゃ。ギリ未成年飲酒?」
愛「でも絶対そういうのしない子なんだよなー。生真面目っていうか」
友1「まずいんじゃないの?飲まされてお持ち帰りされてない?」
愛「えー?いや、それは……」
愛(いや、正直せっつーならあり得る……)
友2「でもさあ、連れて帰る人が恋人かもよ?ずっと同じ人が支えてるもん」
愛「……!」
友2「なら割って入るのも野暮かなー」
愛「恋人、かぁ……」
ーーー
ーー
せつ菜「私は……誰かの特別には……」
ー
愛(……)
愛「でも絶対そういうのしない子なんだよなー。生真面目っていうか」
友1「まずいんじゃないの?飲まされてお持ち帰りされてない?」
愛「えー?いや、それは……」
愛(いや、正直せっつーならあり得る……)
友2「でもさあ、連れて帰る人が恋人かもよ?ずっと同じ人が支えてるもん」
愛「……!」
友2「なら割って入るのも野暮かなー」
愛「恋人、かぁ……」
ーーー
ーー
せつ菜「私は……誰かの特別には……」
ー
愛(……)
9: 2021/02/05(金) 23:27:07.24 ID:A+yXoyfA
友2「あ、もうタクシー来てるよ?」
愛「え!?ごめん、アタシやっぱり帰る!」
友1「おー?頑張れヒーロー宮下!」
愛「そのあだ名やめて!」
友人達の声を背にしつつ、タクシーへ。
愛「すみません、この子あたしの友達なんで、連れて帰りまーす!」
愛(いや……これじゃ不審者だよね)
愛「いきなりゴメンね!アタシはこの子の友達で元同級生で……」
ザワザワ…
「えっ!?ニジガクの……」
「うっそ!?宮下愛じゃない??」
愛「おー、まだ知名度あったんだ!良かったよ。ね、この子連れて帰ってもいーい?」
愛「え!?ごめん、アタシやっぱり帰る!」
友1「おー?頑張れヒーロー宮下!」
愛「そのあだ名やめて!」
友人達の声を背にしつつ、タクシーへ。
愛「すみません、この子あたしの友達なんで、連れて帰りまーす!」
愛(いや……これじゃ不審者だよね)
愛「いきなりゴメンね!アタシはこの子の友達で元同級生で……」
ザワザワ…
「えっ!?ニジガクの……」
「うっそ!?宮下愛じゃない??」
愛「おー、まだ知名度あったんだ!良かったよ。ね、この子連れて帰ってもいーい?」
10: 2021/02/05(金) 23:29:50.39 ID:A+yXoyfA
「えっ、えっと……」
「「……」」
せっつーを支えてた子達に声をかける。
愛(これは、危なかったな)
愛「連れて帰るね、荷物くれる?…すいません、出してください」
愛「とりあえずこの先を…」
ひとまず運転手に自分のマンションへの道を伝える。
愛(さて……)
愛「せっつー起きれる?っていうか意識ある?」
せつ菜「うー……」
愛(ダメだこりゃ)
彼女の家の正確な住所は分からない。
本人から聞き出すのは無理。
愛「あ、行き先そのままで!この子も降ります」
「「……」」
せっつーを支えてた子達に声をかける。
愛(これは、危なかったな)
愛「連れて帰るね、荷物くれる?…すいません、出してください」
愛「とりあえずこの先を…」
ひとまず運転手に自分のマンションへの道を伝える。
愛(さて……)
愛「せっつー起きれる?っていうか意識ある?」
せつ菜「うー……」
愛(ダメだこりゃ)
彼女の家の正確な住所は分からない。
本人から聞き出すのは無理。
愛「あ、行き先そのままで!この子も降ります」
14: 2021/02/05(金) 23:34:19.70 ID:A+yXoyfA
ーーー
ーー
ー
愛「せっつー軽いなー、ちゃんと食べてる??」
マンションのエレベーターから降りても、せっつーの意識ははっきりしなかった。
長い髪が顔に当たってくすぐったい。
愛(髪下ろして眼鏡だと、なんか新鮮だなー)
愛「ほい、愛さんの部屋にご案内!」
マンション3階。1LDK。
愛さんの自慢の部屋に到着!
とりあえず部屋に入ってカーペットの上へ。
何だかぐにゃぐにゃしてるし、イスは落ちそうで怖いし。
愛「はいお水、飲めるー?」
ーー
ー
愛「せっつー軽いなー、ちゃんと食べてる??」
マンションのエレベーターから降りても、せっつーの意識ははっきりしなかった。
長い髪が顔に当たってくすぐったい。
愛(髪下ろして眼鏡だと、なんか新鮮だなー)
愛「ほい、愛さんの部屋にご案内!」
マンション3階。1LDK。
愛さんの自慢の部屋に到着!
とりあえず部屋に入ってカーペットの上へ。
何だかぐにゃぐにゃしてるし、イスは落ちそうで怖いし。
愛「はいお水、飲めるー?」
15: 2021/02/05(金) 23:36:21.98 ID:A+yXoyfA
せつ菜「ん……」
愛「はいベット行こうねー、よいしょっと」
せつ菜「ふふ……」
愛(結構飲んだのかなぁ、全然気づかないや)
愛「まあ、事情は明日聞けばいいか……」
愛「おやすみ、せっつー」
~翌朝~
バタン!ガタッ!
愛「ん……?」
愛「はいベット行こうねー、よいしょっと」
せつ菜「ふふ……」
愛(結構飲んだのかなぁ、全然気づかないや)
愛「まあ、事情は明日聞けばいいか……」
愛「おやすみ、せっつー」
~翌朝~
バタン!ガタッ!
愛「ん……?」
17: 2021/02/05(金) 23:39:38.73 ID:A+yXoyfA
せつ菜「えっ。あれ、え、……???」
愛「あ…せっつーだ~。おはよ~」
せつ菜「あ、愛さん…?な、なんで私ここに」
愛「あー、昨日のこと覚えてる?」
せつ菜「昨日?サークルの飲み会で…。あれ?途中から記憶が……」
愛「愛さんは隣の居酒屋にいてね……」
明らかに混乱しているせっつーに、昨日のくだりを説明する。
~~~~~
せつ菜「本っ当にすみませんでした!!」
愛「もういいってば、そんなに謝らなくても」
せつ菜「ですが…ご迷惑をおかけして」
愛「それはいいけど、気をつけなよー?お酒だって、自分から飲んだわけじゃないでしょ」
愛「昨日の人達はアイドルサークル?」
愛「あ…せっつーだ~。おはよ~」
せつ菜「あ、愛さん…?な、なんで私ここに」
愛「あー、昨日のこと覚えてる?」
せつ菜「昨日?サークルの飲み会で…。あれ?途中から記憶が……」
愛「愛さんは隣の居酒屋にいてね……」
明らかに混乱しているせっつーに、昨日のくだりを説明する。
~~~~~
せつ菜「本っ当にすみませんでした!!」
愛「もういいってば、そんなに謝らなくても」
せつ菜「ですが…ご迷惑をおかけして」
愛「それはいいけど、気をつけなよー?お酒だって、自分から飲んだわけじゃないでしょ」
愛「昨日の人達はアイドルサークル?」
18: 2021/02/05(金) 23:41:23.84 ID:A+yXoyfA
せつ菜「ええ、私はたまにしか顔を出せてないんですが……」
愛「アイドルファンの集まりなんて、危ないよ?せっつーは今も現役なんだからさ」
せつ菜「……注意が足りませんでした。気をつけてはいたんですが」
愛(お説教する気は無かったんだけど……)
愛「あ、お腹空かない?今うち、あんまり食べ物ないんだけど……」
せつ菜「でしたら、コンビニでも行きましょう。昨日のお詫びにおごりますよ」
愛「えー、悪いよー」
ーーー
ーー
ー
せつ菜「久しぶりですね、こうして愛さんとゆっくり話すのも」
愛「だね。お互いバタバタしてたし……大学入ってすぐ会った以来?」
愛「アイドルファンの集まりなんて、危ないよ?せっつーは今も現役なんだからさ」
せつ菜「……注意が足りませんでした。気をつけてはいたんですが」
愛(お説教する気は無かったんだけど……)
愛「あ、お腹空かない?今うち、あんまり食べ物ないんだけど……」
せつ菜「でしたら、コンビニでも行きましょう。昨日のお詫びにおごりますよ」
愛「えー、悪いよー」
ーーー
ーー
ー
せつ菜「久しぶりですね、こうして愛さんとゆっくり話すのも」
愛「だね。お互いバタバタしてたし……大学入ってすぐ会った以来?」
19: 2021/02/05(金) 23:46:24.50 ID:A+yXoyfA
せつ菜「はい。愛さんは大学どうですか?情報学科でしたよね、理系は忙しそうです」
愛「一年だからそうでもないかなぁ。法学部の方が忙しいでしょ?」
愛「でも最近、うちの店手伝ってたら経営も勉強したいなって思ってさ。たまに商学部の授業に潜ってるんだー」
せつ菜「……相変わらず行動力がありますね」
愛「むしろ忙しいのはせっつーの方でしょ。アイドル活動、順調そうで愛さんも嬉しいよ」
せつ菜「ありがとうございます。最近は仕事も増えてきて……毎日が新鮮ですよ」
そう。
現役アイドル「優木せつ菜」は今、ちょっとした有名人だ。
大学入学と同時にソロ活動を本格化させて、若者中心に人気も高まっている。
愛「昨日は部屋に連れてきちゃったけど……スキャンダルとか大丈夫??」
愛「一年だからそうでもないかなぁ。法学部の方が忙しいでしょ?」
愛「でも最近、うちの店手伝ってたら経営も勉強したいなって思ってさ。たまに商学部の授業に潜ってるんだー」
せつ菜「……相変わらず行動力がありますね」
愛「むしろ忙しいのはせっつーの方でしょ。アイドル活動、順調そうで愛さんも嬉しいよ」
せつ菜「ありがとうございます。最近は仕事も増えてきて……毎日が新鮮ですよ」
そう。
現役アイドル「優木せつ菜」は今、ちょっとした有名人だ。
大学入学と同時にソロ活動を本格化させて、若者中心に人気も高まっている。
愛「昨日は部屋に連れてきちゃったけど……スキャンダルとか大丈夫??」
20: 2021/02/05(金) 23:52:25.14 ID:A+yXoyfA
せつ菜「友達の家にお泊まりしただけですからね全然平気ですよ。…愛さんこそいいんですか?」
愛「ん?何が?」
せつ菜「恋人とか……誤解されて困る人はいないんですか?」
愛「んー、居ないかな」
せつ菜「そうですか、なら良かった。……私もまだ、いえ」
愛「……」
愛「そういえばせっつー。朝帰りだけど連絡しなくて平気?」
せつ菜「連絡?」
愛「あれ、そっか。一人暮らしだったね」
せつ菜「ええ。…あ!でもそろそろ帰らないと」
せつ菜「ごめんなさい、バイトがあるので!また今度お礼しますね」
愛「おごってくれたし充分だよー!?」
愛「ん?何が?」
せつ菜「恋人とか……誤解されて困る人はいないんですか?」
愛「んー、居ないかな」
せつ菜「そうですか、なら良かった。……私もまだ、いえ」
愛「……」
愛「そういえばせっつー。朝帰りだけど連絡しなくて平気?」
せつ菜「連絡?」
愛「あれ、そっか。一人暮らしだったね」
せつ菜「ええ。…あ!でもそろそろ帰らないと」
せつ菜「ごめんなさい、バイトがあるので!また今度お礼しますね」
愛「おごってくれたし充分だよー!?」
23: 2021/02/05(金) 23:59:45.40 ID:A+yXoyfA
愛「はぁ……」
せっつーが帰った後。
愛(久しぶりに会ったから、思い出しちゃったなー)
同好会の仲間として過ごした二年間。
全然タイプの違う私達だけど、せっつーとだっていろんな思い出を積み重ねてきた。
その中でも、たまに思い出す記憶がある。
せっつーが帰った後。
愛(久しぶりに会ったから、思い出しちゃったなー)
同好会の仲間として過ごした二年間。
全然タイプの違う私達だけど、せっつーとだっていろんな思い出を積み重ねてきた。
その中でも、たまに思い出す記憶がある。
24: 2021/02/06(土) 00:00:59.83 ID:+AsshhDx
~高3春~
後輩「宮下先輩、入学した時から好きでした!」
愛「ありがとう、すっごく嬉しいよ。でも……」
後輩「分かってます。ただ、先輩の卒業前に伝えておきたくて……!聞いてくださって、ありがとうございましたっ!」
愛「……行っちゃった」
せつ菜「愛さん?」
愛「うわっ、せっつー!どしたのこんな所で」
せつ菜「愛さんこそ……いや、あのごめんなさい実は聞こえてしまって」
愛「あ~、聞こえちゃったかぁ」
愛(ん、せっつーが持ってるのって…手紙?)
愛「もしかして、理由一緒?」
後輩「宮下先輩、入学した時から好きでした!」
愛「ありがとう、すっごく嬉しいよ。でも……」
後輩「分かってます。ただ、先輩の卒業前に伝えておきたくて……!聞いてくださって、ありがとうございましたっ!」
愛「……行っちゃった」
せつ菜「愛さん?」
愛「うわっ、せっつー!どしたのこんな所で」
せつ菜「愛さんこそ……いや、あのごめんなさい実は聞こえてしまって」
愛「あ~、聞こえちゃったかぁ」
愛(ん、せっつーが持ってるのって…手紙?)
愛「もしかして、理由一緒?」
25: 2021/02/06(土) 00:03:04.33 ID:+AsshhDx
せつ菜「……多分」
愛「最近多いねぇ」
せつ菜「卒業が近いですから。…歩夢さんも人気がある筈なんですが、呼ばれているのを見かけませんね」
愛「いや…まあ理由はね、なんとなく分かるよ」
せつ菜「でも呼ばれる回数なら、愛さんが一番では?部室棟のヒーローには、助けられた人がたくさん居ますから」
愛「いやいや!生徒会長兼スクールアイドルには負けるって」
愛「最近多いねぇ」
せつ菜「卒業が近いですから。…歩夢さんも人気がある筈なんですが、呼ばれているのを見かけませんね」
愛「いや…まあ理由はね、なんとなく分かるよ」
せつ菜「でも呼ばれる回数なら、愛さんが一番では?部室棟のヒーローには、助けられた人がたくさん居ますから」
愛「いやいや!生徒会長兼スクールアイドルには負けるって」
26: 2021/02/06(土) 00:10:21.76 ID:+AsshhDx
去年、中川菜々=優木せつ菜という事実はひょんなことから全校生徒にバレた。
一部の生徒には激震が走ったらしい。
いつの間にか存在していた「優木せつ菜ファンクラブ」と「中川会長を見守る会」は統廃合の危機に陥ったとか、どうとか。
愛(本人は存在自体知らないみたいだけど……)
せつ菜「そう、でしょうか」
愛「浮かない顔だねー」
せつ菜「…愛さんは。告白を受け入れたりとか、しないんですか?」
愛「んー。しないかな」
せつ菜「それは他に、好きな人がいるとか?」
愛「……ううん。それの逆、かな?」
一部の生徒には激震が走ったらしい。
いつの間にか存在していた「優木せつ菜ファンクラブ」と「中川会長を見守る会」は統廃合の危機に陥ったとか、どうとか。
愛(本人は存在自体知らないみたいだけど……)
せつ菜「そう、でしょうか」
愛「浮かない顔だねー」
せつ菜「…愛さんは。告白を受け入れたりとか、しないんですか?」
愛「んー。しないかな」
せつ菜「それは他に、好きな人がいるとか?」
愛「……ううん。それの逆、かな?」
27: 2021/02/06(土) 00:12:48.72 ID:+AsshhDx
せつ菜「逆ですか?」
愛「誰か一人を恋人にするってさ。愛さんにはよく分からないんだ」
愛「恋の歌とか歌っといて、何をいまさらー!って感じなんだけどね」
愛「今まで楽しい事もたくさんあって、面白い人にもいっぱい会ってさ。何かを一つに絞るっていうのは多分苦手なんだよね、アタシ」
愛「同好会に入って、特別な人達は増えたけど…一人を大事にする!ってのはまだハードルがね」
せつ菜「愛さん……」
愛「これ、告白してくれる子には酷いこと言ってるかな」
せつ菜「それでいいと思いますよ」
愛「せっつー……」
せつ菜「愛さんは皆を楽しませようとしているだけでしょう?」
愛「えっ?」
愛「誰か一人を恋人にするってさ。愛さんにはよく分からないんだ」
愛「恋の歌とか歌っといて、何をいまさらー!って感じなんだけどね」
愛「今まで楽しい事もたくさんあって、面白い人にもいっぱい会ってさ。何かを一つに絞るっていうのは多分苦手なんだよね、アタシ」
愛「同好会に入って、特別な人達は増えたけど…一人を大事にする!ってのはまだハードルがね」
せつ菜「愛さん……」
愛「これ、告白してくれる子には酷いこと言ってるかな」
せつ菜「それでいいと思いますよ」
愛「せっつー……」
せつ菜「愛さんは皆を楽しませようとしているだけでしょう?」
愛「えっ?」
28: 2021/02/06(土) 00:15:42.63 ID:+AsshhDx
せつ菜「愛さんは相手の事を考えて、いつも真剣に向き合っているじゃないですか」
せつ菜「愛さんを好きになる人は、その分の思いをお返しているだけですよ」
せつ菜「だから…愛さんが気に病むことではないと思います」
せつ菜「それに愛さんなら、いつか心から大切にしたいと思える人に出会えますよ」
せつ菜「って、私が言っても説得力ないですね」
愛「ううん。なんか…スッキリしたかも。ありがとね、慰めてくれて」
せつ菜「……それに、私も一緒なんです」
愛「え?」
せつ菜「私はきっと、誰かの特別にはならないと思うんです」
愛「せっつー、それって」
せつ菜「……さてと。早めに同好会に行かないと、二年生に怒られてしまいますね」
愛「……」
愛「そう、だね。行こっか」
せつ菜「愛さんを好きになる人は、その分の思いをお返しているだけですよ」
せつ菜「だから…愛さんが気に病むことではないと思います」
せつ菜「それに愛さんなら、いつか心から大切にしたいと思える人に出会えますよ」
せつ菜「って、私が言っても説得力ないですね」
愛「ううん。なんか…スッキリしたかも。ありがとね、慰めてくれて」
せつ菜「……それに、私も一緒なんです」
愛「え?」
せつ菜「私はきっと、誰かの特別にはならないと思うんです」
愛「せっつー、それって」
せつ菜「……さてと。早めに同好会に行かないと、二年生に怒られてしまいますね」
愛「……」
愛「そう、だね。行こっか」
30: 2021/02/06(土) 00:18:59.45 ID:+AsshhDx
ーーー
ーー
ー
愛(あの時踏みこんでたら、せっつーの本音が聞けたのかもしれない。なんて)
愛「今さらかなぁ……」
愛「それにしてもバイトまであるとは。本当に忙しそうだなー」
愛「あれ、ベットの傍に落ちてるの……」
愛「せっつーの眼鏡!?うわ、掛けないで帰って大丈夫なのかな」
愛「うーん……住所は知ってるんだよね」
ーー
ー
愛(あの時踏みこんでたら、せっつーの本音が聞けたのかもしれない。なんて)
愛「今さらかなぁ……」
愛「それにしてもバイトまであるとは。本当に忙しそうだなー」
愛「あれ、ベットの傍に落ちてるの……」
愛「せっつーの眼鏡!?うわ、掛けないで帰って大丈夫なのかな」
愛「うーん……住所は知ってるんだよね」
32: 2021/02/06(土) 00:20:55.61 ID:+AsshhDx
愛「来てしまった」
愛(ここがあのせっつーの家ね~)
愛「……セキュリティ大丈夫?」
別に古い訳じゃないけど、女子が一人で住むには少し心配なアパート。
せつ菜「愛さん!?」
愛「あ、帰ってきた」
せつ菜「どうしたんですか!?」
愛「いやー、近くを通りかかったからさ。眼鏡を届けようと思って」
愛「LINEしたんだけど、バイト中だったかな」
せつ菜「あ、眼鏡……無くて困ってたんです。助かりました」
愛「いいって。近くに有名なケーキ屋があるから買って帰るよ」
せつ菜「えっ」
せつ菜「愛さん!上がっていってください。ケーキはありませんが……。コーヒーくらいなら出せますから」
愛(ここがあのせっつーの家ね~)
愛「……セキュリティ大丈夫?」
別に古い訳じゃないけど、女子が一人で住むには少し心配なアパート。
せつ菜「愛さん!?」
愛「あ、帰ってきた」
せつ菜「どうしたんですか!?」
愛「いやー、近くを通りかかったからさ。眼鏡を届けようと思って」
愛「LINEしたんだけど、バイト中だったかな」
せつ菜「あ、眼鏡……無くて困ってたんです。助かりました」
愛「いいって。近くに有名なケーキ屋があるから買って帰るよ」
せつ菜「えっ」
せつ菜「愛さん!上がっていってください。ケーキはありませんが……。コーヒーくらいなら出せますから」
33: 2021/02/06(土) 00:24:02.79 ID:+AsshhDx
愛「お邪魔しまーす」
せつ菜「散らかってますがどうぞ」
愛「いや、全然散らかってないけど……」
愛(というか……物がない。机と布団と棚しかない)
せつ菜「狭いですが座ってください。コーヒー入れますね、えっとカップ……」ガチャガチャ
愛(キッチンも使ってなさそうだなぁ)
せつ菜「お待たせしました」
愛「アニメグッズは置いてないの?」キョロキョロ
せつ菜「本とグッズはそこの棚の中です」
愛(随分減ってる……)
愛「そういえば今日、何のバイトだったの?」
せつ菜「家庭教師です。週に3回、受験勉強を教えてるんです」
愛「へー、週3なんだ」
せつ菜「散らかってますがどうぞ」
愛「いや、全然散らかってないけど……」
愛(というか……物がない。机と布団と棚しかない)
せつ菜「狭いですが座ってください。コーヒー入れますね、えっとカップ……」ガチャガチャ
愛(キッチンも使ってなさそうだなぁ)
せつ菜「お待たせしました」
愛「アニメグッズは置いてないの?」キョロキョロ
せつ菜「本とグッズはそこの棚の中です」
愛(随分減ってる……)
愛「そういえば今日、何のバイトだったの?」
せつ菜「家庭教師です。週に3回、受験勉強を教えてるんです」
愛「へー、週3なんだ」
34: 2021/02/06(土) 00:27:55.81 ID:+AsshhDx
せつ菜「ところで愛さん、今日は泊まっていきますか?」
愛「へっ?悪いよ、押しかけたのに」
せつ菜「ですが予報だと、確かこの後…」
ザアアァ…… ピカッ!!
せつ菜「朝まで雨がひどいと」
愛「ひゃっ!……泊まらせてください」
せつ菜「ふふっ。狭いですがどうぞ」
せつ菜「…あのすみません、食べ物はカップラーメンしかないんですが」
愛「いいよ?」
愛「へっ?悪いよ、押しかけたのに」
せつ菜「ですが予報だと、確かこの後…」
ザアアァ…… ピカッ!!
せつ菜「朝まで雨がひどいと」
愛「ひゃっ!……泊まらせてください」
せつ菜「ふふっ。狭いですがどうぞ」
せつ菜「…あのすみません、食べ物はカップラーメンしかないんですが」
愛「いいよ?」
36: 2021/02/06(土) 00:32:43.67 ID:+AsshhDx
~翌朝~
愛「おはよー、どこか行ってた?」
せつ菜「おはようございます愛さん!ちょっとランニングに出てました」
愛「今日は菜々モードなんだね?」
せつ菜「大学なので……。私はもう少しで出ますが、ゆっくりしていて下さいね。鍵は外のロッカーにでも入れておいてください」
愛「えっ!?いや、危ないって。アタシ今日は講義ないし待ってるよ?」
せつ菜「一限から講義なんですが、その後ダンスのレッスンがあるので帰りは遅いんです」
愛「何時くらい?」
せつ菜「……21時くらいまで」
愛「……」
せつ菜「鍵は無理しないで置いていってくださいね。眼鏡、助かりました!」
愛「うん、いってらっしゃい……」
愛「えっ、ウソまだ7時半!?せっつー本当に大学生か?」
愛「うーん……あ、カレンダーがある」
愛(うわ、予定ビッシリ……。ダンスレッスン、講義、試験勉強、バイト、歌のレッスン、ミニライブの打ち合わせ、またバイト)
愛「いつ寝てるんだろ……」
ガチャッ
愛「冷蔵庫空じゃん…ゼリーとお茶しかないし」
愛「……よし!」
愛「おはよー、どこか行ってた?」
せつ菜「おはようございます愛さん!ちょっとランニングに出てました」
愛「今日は菜々モードなんだね?」
せつ菜「大学なので……。私はもう少しで出ますが、ゆっくりしていて下さいね。鍵は外のロッカーにでも入れておいてください」
愛「えっ!?いや、危ないって。アタシ今日は講義ないし待ってるよ?」
せつ菜「一限から講義なんですが、その後ダンスのレッスンがあるので帰りは遅いんです」
愛「何時くらい?」
せつ菜「……21時くらいまで」
愛「……」
せつ菜「鍵は無理しないで置いていってくださいね。眼鏡、助かりました!」
愛「うん、いってらっしゃい……」
愛「えっ、ウソまだ7時半!?せっつー本当に大学生か?」
愛「うーん……あ、カレンダーがある」
愛(うわ、予定ビッシリ……。ダンスレッスン、講義、試験勉強、バイト、歌のレッスン、ミニライブの打ち合わせ、またバイト)
愛「いつ寝てるんだろ……」
ガチャッ
愛「冷蔵庫空じゃん…ゼリーとお茶しかないし」
愛「……よし!」
38: 2021/02/06(土) 00:35:18.32 ID:+AsshhDx
一旦ここまでで。
続きは多分夜に投稿します。
続きは多分夜に投稿します。
56: 2021/02/06(土) 20:00:17.60 ID:+AsshhDx
~その日の夜~
せつ菜「あれ、鍵が……愛さん?」
愛「せっつーおかえり!」
せつ菜「待っててくれたんですか!?」
愛「フッ……それだけじゃないよ~?じゃーん!」
せつ菜「あれ、いい匂い……」
愛「簡単な炒め物と味噌汁だけど作ったんだ。勝手に買い物行ってごめんね?」
せつ菜「そんなことは全然!」
せつ菜「でもこんな遅くまで…いいんですか?」
愛「一宿一飯の恩って奴だよ。召しあがれ?」
せつ菜「……い、いただきます」
せつ菜「あれ、鍵が……愛さん?」
愛「せっつーおかえり!」
せつ菜「待っててくれたんですか!?」
愛「フッ……それだけじゃないよ~?じゃーん!」
せつ菜「あれ、いい匂い……」
愛「簡単な炒め物と味噌汁だけど作ったんだ。勝手に買い物行ってごめんね?」
せつ菜「そんなことは全然!」
せつ菜「でもこんな遅くまで…いいんですか?」
愛「一宿一飯の恩って奴だよ。召しあがれ?」
せつ菜「……い、いただきます」
57: 2021/02/06(土) 20:01:08.80 ID:+AsshhDx
せつ菜「おいしいです!」ペカー
愛「そんなに喜んでくれると愛さんも嬉しいよ」
せつ菜「最近食事を適当に済ませていたので、本当に助かりました!お味噌汁が温かいです……」
愛(可愛いなー)
愛「でもせっつー。炊飯器くらいは買った方がいいと思うな~」
せつ菜「うっ。そのですね、料理する時間が無くて」
愛「…バイトとかって、減らせないの?」
せつ菜「……家賃も学費もありますし。奨学金はあるんですが」
愛(奨学金か……)
愛「やっぱりその…アイドルは認めてもらえない感じなの?」
愛「そんなに喜んでくれると愛さんも嬉しいよ」
せつ菜「最近食事を適当に済ませていたので、本当に助かりました!お味噌汁が温かいです……」
愛(可愛いなー)
愛「でもせっつー。炊飯器くらいは買った方がいいと思うな~」
せつ菜「うっ。そのですね、料理する時間が無くて」
愛「…バイトとかって、減らせないの?」
せつ菜「……家賃も学費もありますし。奨学金はあるんですが」
愛(奨学金か……)
愛「やっぱりその…アイドルは認めてもらえない感じなの?」
58: 2021/02/06(土) 20:09:26.85 ID:+AsshhDx
せつ菜「……愛さんも知っている通り、スクールアイドル活動は色々あって認めてもらったのですが」
愛「うん」
せつ菜「大学までとなれば話が変わってきます」
愛「大学と学部をちゃんとすればオッケーだ、って前に言ってなかった?」
せつ菜「高校三年生の時に、今の事務所からお話がありました」
愛「そうだね。みんなでお祝いしたもんね」
せつ菜「迷いましたが……私はまだ、アイドルを続けたかった」
せつ菜「もっとたくさんの人を笑顔にすることに未練があったんです」
愛「うん」
せつ菜「大学までとなれば話が変わってきます」
愛「大学と学部をちゃんとすればオッケーだ、って前に言ってなかった?」
せつ菜「高校三年生の時に、今の事務所からお話がありました」
愛「そうだね。みんなでお祝いしたもんね」
せつ菜「迷いましたが……私はまだ、アイドルを続けたかった」
せつ菜「もっとたくさんの人を笑顔にすることに未練があったんです」
59: 2021/02/06(土) 20:10:59.81 ID:+AsshhDx
せつ菜「両親は私が本格的にアイドルをするのに猛反対でしたから。…結局卒業式の後まで話し合いは続けたんですが、平行線で」
せつ菜「最後は私が飛び出してしまいました」
愛「そっか……」
せつ菜「ですが…私ももう大学生です。自分の好きなことをするんですから、大変なんて言っていられません」
せつ菜「わがままを通した私が、親に頼る訳にはいきませんから」
せつ菜「でも……心配してくれてありがとうございます。愛さん」
愛(そう言って笑ったせっつーの顔はとても可愛かったけど)
愛(何だろう、見ていると少し不安になった)
せつ菜「最後は私が飛び出してしまいました」
愛「そっか……」
せつ菜「ですが…私ももう大学生です。自分の好きなことをするんですから、大変なんて言っていられません」
せつ菜「わがままを通した私が、親に頼る訳にはいきませんから」
せつ菜「でも……心配してくれてありがとうございます。愛さん」
愛(そう言って笑ったせっつーの顔はとても可愛かったけど)
愛(何だろう、見ていると少し不安になった)
60: 2021/02/06(土) 20:19:49.20 ID:+AsshhDx
愛(それからアタシは時々、せっつーの家に行くようになった)
愛(たまにご飯を作ったり、泊まっていったりとそれだけ)
愛(多分アタシは確認したいんだと思う。せっつーがちゃんと家にいて、生活していることを)
愛「せっつーは明日も早い?土日だから仕事?」
愛(せっつーは朝早く出て、夜遅く帰ってくる。ほとんど家に居ない)
せつ菜「事務所で打ち合わせですね、愛さんはお店の手伝いですか?」
愛「そだよー。お客さん多くて大変!」
せつ菜「いいことじゃないですか」ピロリン
愛(たまにご飯を作ったり、泊まっていったりとそれだけ)
愛(多分アタシは確認したいんだと思う。せっつーがちゃんと家にいて、生活していることを)
愛「せっつーは明日も早い?土日だから仕事?」
愛(せっつーは朝早く出て、夜遅く帰ってくる。ほとんど家に居ない)
せつ菜「事務所で打ち合わせですね、愛さんはお店の手伝いですか?」
愛「そだよー。お客さん多くて大変!」
せつ菜「いいことじゃないですか」ピロリン
61: 2021/02/06(土) 20:21:01.41 ID:+AsshhDx
愛(だからかな。最近アタシには一つ、考えてることがある)
せつ菜「あ!歩夢さんからです」
愛「お、なんて?」
せっつーの隣に行って画面を覗きこむ。
歩夢さん『菜々ちゃん、久しぶりだけど元気かな?今度愛ちゃんも入れて4人で集まらない?』
『 @cメ*˶ˆ ᴗ ˆ˵リ
>?< 』
愛「歩夢ってせっつーのこと、菜々って読んでたっけ?」
せつ菜「まあ色々ありまして……」
せつ菜「あ!歩夢さんからです」
愛「お、なんて?」
せっつーの隣に行って画面を覗きこむ。
歩夢さん『菜々ちゃん、久しぶりだけど元気かな?今度愛ちゃんも入れて4人で集まらない?』
『 @cメ*˶ˆ ᴗ ˆ˵リ
>?< 』
愛「歩夢ってせっつーのこと、菜々って読んでたっけ?」
せつ菜「まあ色々ありまして……」
62: 2021/02/06(土) 20:23:27.85 ID:+AsshhDx
愛「へー気になるなー?愛さんにも教えてよ!」
せつ菜「そこは秘密です……!予定、いつ空いてますか?」
愛「そこはせっつーに合わせる方が良いでしょ。次の休みいつ?」
せつ菜「えっと、……うーん」
愛「……」
せつ菜「ちょっと保留で……」
せつ菜「そこは秘密です……!予定、いつ空いてますか?」
愛「そこはせっつーに合わせる方が良いでしょ。次の休みいつ?」
せつ菜「えっと、……うーん」
愛「……」
せつ菜「ちょっと保留で……」
63: 2021/02/06(土) 20:27:11.04 ID:+AsshhDx
ーーー
ーー
ー
愛「うー、さむ~!さすがに上着なしだとキツかったかぁ」
愛(一週間ぶりだけど、行くってメッセージに返信来ないんだよね)
愛「おーい、せっつー?」
愛(いないのかなー?って……)ガチャッ
愛「開いてる!?」
愛「ちょっと、入るよっ!?」
ドアを開けてすぐ、倒れている人影があった。
すぐそばには落ちたレジ袋も。
愛(……っ!!)
ーー
ー
愛「うー、さむ~!さすがに上着なしだとキツかったかぁ」
愛(一週間ぶりだけど、行くってメッセージに返信来ないんだよね)
愛「おーい、せっつー?」
愛(いないのかなー?って……)ガチャッ
愛「開いてる!?」
愛「ちょっと、入るよっ!?」
ドアを開けてすぐ、倒れている人影があった。
すぐそばには落ちたレジ袋も。
愛(……っ!!)
64: 2021/02/06(土) 20:31:40.70 ID:+AsshhDx
せつ菜「……あれ、あい…さん?」
愛「どうしたの、ねぇ大丈夫!?って熱っ!」
せつ菜「ちょっと昨日から具合が悪くて……熱が上がったみたいで」
愛「布団広げるから寝て!」
せつ菜「ありがとうございます…」
愛「立たなくていいから!肩貸すって!」
愛「えっと後は……」
せつ菜「薬と体温計、ゴホッ!そこのレジ袋に入ってるので」
愛「なんで自分で買ってきちゃうかな、言ってくれれば……!」
愛「水持ってくるからね、寝てるんだよ!」
せつ菜「ふぁい……」
愛「どうしたの、ねぇ大丈夫!?って熱っ!」
せつ菜「ちょっと昨日から具合が悪くて……熱が上がったみたいで」
愛「布団広げるから寝て!」
せつ菜「ありがとうございます…」
愛「立たなくていいから!肩貸すって!」
愛「えっと後は……」
せつ菜「薬と体温計、ゴホッ!そこのレジ袋に入ってるので」
愛「なんで自分で買ってきちゃうかな、言ってくれれば……!」
愛「水持ってくるからね、寝てるんだよ!」
せつ菜「ふぁい……」
65: 2021/02/06(土) 20:36:10.63 ID:+AsshhDx
ピピピッ……
愛「うーん……ハッ!」
せつ菜「おはようございます、愛さん」
愛「おはよう……?えっ、もう起きて大丈夫なの!?」
せつ菜「熱は下がりましたよ!愛さんの看病のおかげです」
せつ菜「愛さんには助けられてばかりですね」
愛「全然いいよ、これくらい」
せつ菜「あ!今コーヒー入れますね……」
愛「うーん……ハッ!」
せつ菜「おはようございます、愛さん」
愛「おはよう……?えっ、もう起きて大丈夫なの!?」
せつ菜「熱は下がりましたよ!愛さんの看病のおかげです」
せつ菜「愛さんには助けられてばかりですね」
愛「全然いいよ、これくらい」
せつ菜「あ!今コーヒー入れますね……」
66: 2021/02/06(土) 20:37:30.16 ID:+AsshhDx
キッチンに立つせっつーを見つめる。
もう着替えてるから、今日は出かける気なんだろうな。
愛(メガネだから大学かな……)
愛(……)
愛「ねぇ、せっつー」
せつ菜「はい?」
愛「愛さんとルームシェア、しない?」
もう着替えてるから、今日は出かける気なんだろうな。
愛(メガネだから大学かな……)
愛(……)
愛「ねぇ、せっつー」
せつ菜「はい?」
愛「愛さんとルームシェア、しない?」
70: 2021/02/06(土) 21:17:37.72 ID:+AsshhDx
せつ菜「ルームシェア?」
愛「ほら、愛さんの部屋1LDKで、おばあちゃんの知り合いが借りてるとこだから家賃も安いし」
せつ菜「……」
せつ菜「それは…私が危なっかしいからでしょうか?」
愛「え?」
せつ菜「私が倒れたりしたから、愛さんに心配をかけてしまったんでしょう?」
愛「いや、それだけじゃ……」
せつ菜「あ…違います、ごめんなさい!愛さんの提案は本当に嬉しいんです」
愛「ほら、愛さんの部屋1LDKで、おばあちゃんの知り合いが借りてるとこだから家賃も安いし」
せつ菜「……」
せつ菜「それは…私が危なっかしいからでしょうか?」
愛「え?」
せつ菜「私が倒れたりしたから、愛さんに心配をかけてしまったんでしょう?」
愛「いや、それだけじゃ……」
せつ菜「あ…違います、ごめんなさい!愛さんの提案は本当に嬉しいんです」
71: 2021/02/06(土) 21:18:40.61 ID:+AsshhDx
せつ菜「でもルームシェアなんてしたら、きっと愛さんの負担になってしまいます」
愛「そんなことないよ!」
せつ菜「愛さんも知ってるでしょう?私はあまり家に居られませんし…家事だって極力やりますが、出来る時間も多くないんです」
愛「家賃が半額になるよ!お得じゃん」
せつ菜「でもさっき家賃安いって」
愛「あー、もう!」
愛(ああ言えばこう言う!)
愛「そんなことないよ!」
せつ菜「愛さんも知ってるでしょう?私はあまり家に居られませんし…家事だって極力やりますが、出来る時間も多くないんです」
愛「家賃が半額になるよ!お得じゃん」
せつ菜「でもさっき家賃安いって」
愛「あー、もう!」
愛(ああ言えばこう言う!)
72: 2021/02/06(土) 21:21:34.67 ID:+AsshhDx
愛「せっつーは!愛さんと暮らすのが嫌なの?」
せつ菜「エッ」
愛「アタシといるのは楽しくないの!?」
せつ菜「そ、それは…楽しいですよ」
愛「ならいいでしょ!」
せつ菜「でも!この話、愛さんにメリットがないでしょう?」
愛「メリットならある!」
せつ菜「なんですか!」
愛「家にせっつーがいる」
せつ菜「……」
せつ菜「エッ」
愛「アタシといるのは楽しくないの!?」
せつ菜「そ、それは…楽しいですよ」
愛「ならいいでしょ!」
せつ菜「でも!この話、愛さんにメリットがないでしょう?」
愛「メリットならある!」
せつ菜「なんですか!」
愛「家にせっつーがいる」
せつ菜「……」
73: 2021/02/06(土) 21:27:43.32 ID:+AsshhDx
せつ菜「…なっ、」
せつ菜「……えっと///」
せつ菜「それは、良いことなんですか…?」
愛「あ、当たり前じゃん……」
愛「……なんか不安なんだよ、せっつーがちゃんと居てくれないと。このままだと何にも言わないで、どっか行っちゃいそうで」
せつ菜「そ、そんなこと」
愛「ねえ、せっつー」
愛「愛さんの安心のために、一緒にいて?」
せつ菜「……ずるい」
せつ菜「そんなこと言われたら、断れない……」
せつ菜「……えっと///」
せつ菜「それは、良いことなんですか…?」
愛「あ、当たり前じゃん……」
愛「……なんか不安なんだよ、せっつーがちゃんと居てくれないと。このままだと何にも言わないで、どっか行っちゃいそうで」
せつ菜「そ、そんなこと」
愛「ねえ、せっつー」
愛「愛さんの安心のために、一緒にいて?」
せつ菜「……ずるい」
せつ菜「そんなこと言われたら、断れない……」
74: 2021/02/06(土) 21:28:46.97 ID:+AsshhDx
愛「!じゃあ……」
せつ菜「はい。お願いします、愛さん」
せつ菜「はい。お願いします、愛さん」
76: 2021/02/06(土) 21:35:07.62 ID:+AsshhDx
愛「せっつー!!」
せつ菜「でも一つだけ、いいですか?」
愛「うん?」
せつ菜「愛さんが私と住むのを辞めたくなったら、すぐに言ってください」
愛「もう、まだ……」
せつ菜「うじうじ言ってごめんなさい。でもこれだけは、はっきりしておきたいんです」
せつ菜「今の私は貰ってばかりなんです。助けてもらっても、ちっとも返せない」
愛「……」
せつ菜「自分でも薄々気づいているんです。夢を追いかけると決めてからの私は…特に危なっかしいんだろうって」
せつ菜「夏に彼方さんが来たときも、その後心配して料理を届けてくれましたし」
愛「そうだったの!?」
せつ菜「でも一つだけ、いいですか?」
愛「うん?」
せつ菜「愛さんが私と住むのを辞めたくなったら、すぐに言ってください」
愛「もう、まだ……」
せつ菜「うじうじ言ってごめんなさい。でもこれだけは、はっきりしておきたいんです」
せつ菜「今の私は貰ってばかりなんです。助けてもらっても、ちっとも返せない」
愛「……」
せつ菜「自分でも薄々気づいているんです。夢を追いかけると決めてからの私は…特に危なっかしいんだろうって」
せつ菜「夏に彼方さんが来たときも、その後心配して料理を届けてくれましたし」
愛「そうだったの!?」
77: 2021/02/06(土) 21:41:22.99 ID:+AsshhDx
せつ菜「明らかに忙しい筈なのに申し訳なくて、断ってしまいましたが……」
せつ菜「前に果林さんにダイエット食の相談をした時だって、絶対に止めなさいと怒られてしまいました」
愛「ええ!?」
愛(これ以上食べ物減らそうとしてたの?)
せつ菜「それに……」
せつ菜「私はアイドル「優木せつ菜」ですから。誰か一人の特別にはなれない」
せつ菜「そんな私が自分の事で手一杯になって、愛さんがやりたいことを潰してしまうのが怖いんです」
愛「……そっか」
せつ菜「だから…愛さんが良いと言ってくれるうちは、お世話になります」
こうして始まったルームシェア。
条件付きではあるけど、二人の生活は楽しい。
唯一の不満は、アタシの同居人が相変わらず気を使いまくっていること!
一限からせつ菜「明らかに忙しい筈なのに申し訳なくて、断ってしまいましたが……」
せつ菜「前に果林さんにダイエット食の相談をした時だって、絶対に止めなさいと怒られてしまいました」
愛「ええ……」
愛(これ以上食べ物減らそうとしてたの?)
せつ菜「それに……」
せつ菜「私はアイドル「優木せつ菜」ですから。誰か一人の特別になることはないでしょう」
せつ菜「そんな私が自分の事で手一杯になって、愛さんがやりたいことを潰してしまうのが怖いんです」
愛「……そっか」
せつ菜「だから…愛さんが良いと言ってくれるうちは、お世話になります」
こうして、せっつーとのルームシェアが始まった。
条件付きではあるけど、二人の生活は楽しい。
唯一の不満は、アタシの同居人が相変わらず気を使いまくっている事!
一限からなのに家事をこなしていこうとしたり、
自主練をわざわざ外でやって来たりして
…休んで欲しいんだけど。
せつ菜「前に果林さんにダイエット食の相談をした時だって、絶対に止めなさいと怒られてしまいました」
愛「ええ!?」
愛(これ以上食べ物減らそうとしてたの?)
せつ菜「それに……」
せつ菜「私はアイドル「優木せつ菜」ですから。誰か一人の特別にはなれない」
せつ菜「そんな私が自分の事で手一杯になって、愛さんがやりたいことを潰してしまうのが怖いんです」
愛「……そっか」
せつ菜「だから…愛さんが良いと言ってくれるうちは、お世話になります」
こうして始まったルームシェア。
条件付きではあるけど、二人の生活は楽しい。
唯一の不満は、アタシの同居人が相変わらず気を使いまくっていること!
一限からせつ菜「明らかに忙しい筈なのに申し訳なくて、断ってしまいましたが……」
せつ菜「前に果林さんにダイエット食の相談をした時だって、絶対に止めなさいと怒られてしまいました」
愛「ええ……」
愛(これ以上食べ物減らそうとしてたの?)
せつ菜「それに……」
せつ菜「私はアイドル「優木せつ菜」ですから。誰か一人の特別になることはないでしょう」
せつ菜「そんな私が自分の事で手一杯になって、愛さんがやりたいことを潰してしまうのが怖いんです」
愛「……そっか」
せつ菜「だから…愛さんが良いと言ってくれるうちは、お世話になります」
こうして、せっつーとのルームシェアが始まった。
条件付きではあるけど、二人の生活は楽しい。
唯一の不満は、アタシの同居人が相変わらず気を使いまくっている事!
一限からなのに家事をこなしていこうとしたり、
自主練をわざわざ外でやって来たりして
…休んで欲しいんだけど。
79: 2021/02/06(土) 21:45:56.54 ID:+AsshhDx
~ 一カ月後 ~
愛「せっつーってもう、なんであんなに頑固なんだろ!」
それにも慣れてきて、ついに今年も終わる頃。
彼方「ふだりとも~~!!よがったねぇ~!」
愛さんの文句まじりの思い出話は、完全に聞き流されていた。
愛「せっつーってもう、なんであんなに頑固なんだろ!」
それにも慣れてきて、ついに今年も終わる頃。
彼方「ふだりとも~~!!よがったねぇ~!」
愛さんの文句まじりの思い出話は、完全に聞き流されていた。
83: 2021/02/06(土) 23:23:57.43 ID:+AsshhDx
愛「カナちゃん絶対聞いてないよね……なんで泣いてるのさ?」
目の前には早くも酔い潰れた、一人の先輩。
果林「ほら、彼方もまだお酒は慣れてないんだから。こっちにしときなさい」
もう一人の先輩がさりげなく水を飲ませても、泣き止む気配がない。
愛「それにしても、カナちゃんがこんな泣き上戸だったとは……」
果林「彼方もせつ菜のこと心配してたのよ。大目に見てあげなさい?」
エマ『うんうん。二人ともしっかりしてるけど、私達にとっては可愛い後輩だからね!』
愛「エマっち……ありがとう」
目の前には早くも酔い潰れた、一人の先輩。
果林「ほら、彼方もまだお酒は慣れてないんだから。こっちにしときなさい」
もう一人の先輩がさりげなく水を飲ませても、泣き止む気配がない。
愛「それにしても、カナちゃんがこんな泣き上戸だったとは……」
果林「彼方もせつ菜のこと心配してたのよ。大目に見てあげなさい?」
エマ『うんうん。二人ともしっかりしてるけど、私達にとっては可愛い後輩だからね!』
愛「エマっち……ありがとう」
84: 2021/02/06(土) 23:26:12.89 ID:+AsshhDx
果林「それにしても、集まれたのがこのメンバーだけっていうのも少し寂しいわね……」
彼方「ゔわああん、遥ちゃーん、しずくちゃーん!」
愛「ちょっ、カリン…!ようやく落ち着きかけたのに」
果林「あ、ごめんなさい……」
エマ『現三年生はお勉強会なんだっけ?』
愛「センターもすぐそこだからねー、元一年組はしずくの家で合宿だってさ」
果林「遥ちゃんもそこに行っちゃったのね。あの子達、随分仲良くなったわね?」
彼方「しずくちゃん、よく家に遊びに来てくれてたし。あの子達は三年間ライバルみたいなものだしね~」
彼方「今日みんなで集まるって行ったら、私達の事は気にしないで!って…寂しいよ~!」
彼方「ゔあぁ、もう彼方ちゃんも鎌倉行く!!」
彼方「ゔわああん、遥ちゃーん、しずくちゃーん!」
愛「ちょっ、カリン…!ようやく落ち着きかけたのに」
果林「あ、ごめんなさい……」
エマ『現三年生はお勉強会なんだっけ?』
愛「センターもすぐそこだからねー、元一年組はしずくの家で合宿だってさ」
果林「遥ちゃんもそこに行っちゃったのね。あの子達、随分仲良くなったわね?」
彼方「しずくちゃん、よく家に遊びに来てくれてたし。あの子達は三年間ライバルみたいなものだしね~」
彼方「今日みんなで集まるって行ったら、私達の事は気にしないで!って…寂しいよ~!」
彼方「ゔあぁ、もう彼方ちゃんも鎌倉行く!!」
92: 2021/02/07(日) 21:18:50.25 ID:rVTBWbWi
果林「彼方もそろそろ妹離れしなくちゃ、ね?」
エマ『あらら……』
果林「でも…良かったわ、本当に。愛とせつ菜が一緒にいる事になって、ホッとしたんだから」
愛「カリン?」
果林「私はあの子のことを心配もしてるけど…多分それ以上に、信頼しているから」
愛「せっつーのことを?」
果林「あの子が「優木せつ菜」を続けると決めたんですもの。なら絶対折れないだろうと思った」
果林「……私はその姿が好きなのよ。だから……せつ菜が仮にアイドルを続けて苦しんでいても、きっと諦めきれない気がするの」
果林「でも…ふふっ。その点、愛なら安心かなって」
愛「?」
果林「つまりね……」
彼方「愛ちゃんなら、せつ菜ちゃんが無理してたら絶対止めるでしょ~?」
彼方「愛ちゃんもせつ菜ちゃんも、どっちも同じくらいに頑固だからね」
エマ『あらら……』
果林「でも…良かったわ、本当に。愛とせつ菜が一緒にいる事になって、ホッとしたんだから」
愛「カリン?」
果林「私はあの子のことを心配もしてるけど…多分それ以上に、信頼しているから」
愛「せっつーのことを?」
果林「あの子が「優木せつ菜」を続けると決めたんですもの。なら絶対折れないだろうと思った」
果林「……私はその姿が好きなのよ。だから……せつ菜が仮にアイドルを続けて苦しんでいても、きっと諦めきれない気がするの」
果林「でも…ふふっ。その点、愛なら安心かなって」
愛「?」
果林「つまりね……」
彼方「愛ちゃんなら、せつ菜ちゃんが無理してたら絶対止めるでしょ~?」
彼方「愛ちゃんもせつ菜ちゃんも、どっちも同じくらいに頑固だからね」
93: 2021/02/07(日) 21:21:05.31 ID:rVTBWbWi
果林「ちょっと彼方、急に割り込んでこないでくれる?あなた鎌倉はどうしたのよ?」
エマ『でも果林ちゃんも、言いたいことは同じでしょう?』
果林「……!もう、二人して……」
愛「みんな愛さんを買い被りすぎだって…」
彼方「大丈夫だよ。今はちょっとお疲れだけど…せつ菜ちゃんもきっと愛ちゃんを助けてくれるから」
愛「でも。うん、これからも二人で…頑張る」
エマ『うん!私二人の家に色々送るね、何キロがいい?』
果林「エマ…太らせないようにね……」
彼方「お~?彼方ちゃんもお惣菜送るよ~」
愛「えー、いいの~?」
愛「でも最近はせっつーも元気になってきたからね!」
愛「料理を習得します!って、エプロンして頑張ってるんだ~」
彼方「……料理本もおくるね~」
エマ『でも果林ちゃんも、言いたいことは同じでしょう?』
果林「……!もう、二人して……」
愛「みんな愛さんを買い被りすぎだって…」
彼方「大丈夫だよ。今はちょっとお疲れだけど…せつ菜ちゃんもきっと愛ちゃんを助けてくれるから」
愛「でも。うん、これからも二人で…頑張る」
エマ『うん!私二人の家に色々送るね、何キロがいい?』
果林「エマ…太らせないようにね……」
彼方「お~?彼方ちゃんもお惣菜送るよ~」
愛「えー、いいの~?」
愛「でも最近はせっつーも元気になってきたからね!」
愛「料理を習得します!って、エプロンして頑張ってるんだ~」
彼方「……料理本もおくるね~」
96: 2021/02/07(日) 21:27:38.86 ID:rVTBWbWi
愛「ただいまー!」
せつ菜「愛さん!おかえりなさい」
愛「うー、寒かった~。手もこんなだよー」
せつ菜「ひゃっ、冷たいです!?もう、こたつが温まってますよ。どうぞ?」
愛「おー!あったかい…一日中ここにいたい…」
せつ菜「愛さんでも、こたつに入るとそうなるんですよね。もう慣れたけど少し意外です」
愛「こたつから出られる日本人なんていないよぉ……」
せつ菜「ふふっ、愛さんは年末ずっとお休みなんですから、明日はずっとこたつにいても良いんですよ?」
愛「せっつーは大晦日、何時に帰ってくるの?
せつ菜「愛さん!おかえりなさい」
愛「うー、寒かった~。手もこんなだよー」
せつ菜「ひゃっ、冷たいです!?もう、こたつが温まってますよ。どうぞ?」
愛「おー!あったかい…一日中ここにいたい…」
せつ菜「愛さんでも、こたつに入るとそうなるんですよね。もう慣れたけど少し意外です」
愛「こたつから出られる日本人なんていないよぉ……」
せつ菜「ふふっ、愛さんは年末ずっとお休みなんですから、明日はずっとこたつにいても良いんですよ?」
愛「せっつーは大晦日、何時に帰ってくるの?
97: 2021/02/07(日) 21:29:59.92 ID:rVTBWbWi
せつ菜「流石に夕方には終わるのでお蕎麦を買ってきますね。プロデューサーさんが美味しいお店を教えてくれたんです!」
愛「おお、楽しみ!」
せつ菜「その後は初詣でかすみさん達の合格祈願もしましょうね」
愛「うん!うちの店にも寄ろうね」
せつ菜「楽しみですね。ところで、皆さん元気でしたか?」
愛「うん!いやー、カナちゃんが最後に大泣きして大変だったよ~、ほらコレ、写真!」
せつ菜「ええ!?号泣してますけど何があったんですか……」
愛「お酒は人を変えるんだよ……」
せつ菜「でもちょっと見てみたいような…。次こそ私も行きたいです」
愛「おお、楽しみ!」
せつ菜「その後は初詣でかすみさん達の合格祈願もしましょうね」
愛「うん!うちの店にも寄ろうね」
せつ菜「楽しみですね。ところで、皆さん元気でしたか?」
愛「うん!いやー、カナちゃんが最後に大泣きして大変だったよ~、ほらコレ、写真!」
せつ菜「ええ!?号泣してますけど何があったんですか……」
愛「お酒は人を変えるんだよ……」
せつ菜「でもちょっと見てみたいような…。次こそ私も行きたいです」
98: 2021/02/07(日) 21:35:01.39 ID:rVTBWbWi
愛「結局……ゆうゆ達とも、会えてないしね~」
せつ菜「二月の長期休みには会えるといいんですが……」
愛「うーん、そう、だね……」
せつ菜「愛さん?……寝てる!ダメです、ここで寝たら火傷しちゃいますよ!」
愛「うーん……」ムニャムニャ
せつ菜「起きてくださーい……!」
そんなこんなで、年末年始はゆったり過ごせたんだけど……。
結局、二月には皆で集まれなかった。
忙しくて時間がなかったから……なんだけどね。
せっつーじゃなくて、愛さんの方が。
せつ菜「二月の長期休みには会えるといいんですが……」
愛「うーん、そう、だね……」
せつ菜「愛さん?……寝てる!ダメです、ここで寝たら火傷しちゃいますよ!」
愛「うーん……」ムニャムニャ
せつ菜「起きてくださーい……!」
そんなこんなで、年末年始はゆったり過ごせたんだけど……。
結局、二月には皆で集まれなかった。
忙しくて時間がなかったから……なんだけどね。
せっつーじゃなくて、愛さんの方が。
100: 2021/02/07(日) 22:47:45.74 ID:rVTBWbWi
せつ菜「新入生向けの交流会?」
愛「ウチに新しく入る人達のために、色々相談に乗ろうっていう企画なんだ~。去年愛さんも行ったんだけどね」
せつ菜「愛さんの大学だと……かなり大規模なのでは?」
愛「そう!凄いたくさん人が来るからさ、運営も大変なんだよねー」
せつ菜「それでお手伝いを頼まれたと」
愛「前から実行委員の子と仲良くてね、去年から手伝いはやってたんだけど。本格的にメンバーになってくれないかって、頼まれたんだ」
せつ菜「サポートですか、愛さんらしいです」
愛「ちょっと忙しくなるけど……」
せつ菜「気なんて使わないで頑張ってください。私のバイトも減ったことですし、大丈夫ですよ」
せつ菜「それにしても……」
愛「ん?」
愛「ウチに新しく入る人達のために、色々相談に乗ろうっていう企画なんだ~。去年愛さんも行ったんだけどね」
せつ菜「愛さんの大学だと……かなり大規模なのでは?」
愛「そう!凄いたくさん人が来るからさ、運営も大変なんだよねー」
せつ菜「それでお手伝いを頼まれたと」
愛「前から実行委員の子と仲良くてね、去年から手伝いはやってたんだけど。本格的にメンバーになってくれないかって、頼まれたんだ」
せつ菜「サポートですか、愛さんらしいです」
愛「ちょっと忙しくなるけど……」
せつ菜「気なんて使わないで頑張ってください。私のバイトも減ったことですし、大丈夫ですよ」
せつ菜「それにしても……」
愛「ん?」
101: 2021/02/07(日) 22:55:45.57 ID:rVTBWbWi
せつ菜「いや、愛さんに相談に乗ってもらえるなんて百人力だなと思って」
愛「大げさじゃない?」
せつ菜「そんな事ないです!後輩さん達は幸せ者ですね」
愛「……せっつーってさぁ。たまに恥ずかしいこと真顔で言うよね」
せつ菜「それは愛さんの方では?」
愛(イベントの準備は意外と大変で、2月はずっとバタバタしてた気がする)
愛(せっつーも心配してくれたけど、3月に入ってやっと落ち着いてきた)
愛「さて、本番までもうひと頑張り……!」
愛「やっとチョコ生活も終わったし……ん?」
プルルル…
愛「何お母さんどうしたの……えっ?」
愛「大げさじゃない?」
せつ菜「そんな事ないです!後輩さん達は幸せ者ですね」
愛「……せっつーってさぁ。たまに恥ずかしいこと真顔で言うよね」
せつ菜「それは愛さんの方では?」
愛(イベントの準備は意外と大変で、2月はずっとバタバタしてた気がする)
愛(せっつーも心配してくれたけど、3月に入ってやっと落ち着いてきた)
愛「さて、本番までもうひと頑張り……!」
愛「やっとチョコ生活も終わったし……ん?」
プルルル…
愛「何お母さんどうしたの……えっ?」
102: 2021/02/07(日) 23:06:35.40 ID:rVTBWbWi
せつ菜「お父様が怪我?」
愛「うん、そうみたい……。」
せつ菜「大丈夫なんですか!?お加減は」
愛「骨折だから安静にしてれば良いんだけど…。お店がね」
愛「お婆ちゃんは身体もきついだろうし、お母さんだけだと大変だし……」
愛「バイトも増やすの大変だからさ、アタシも、しばらくお店手伝うね」
せつ菜「そうですか……。でも無理はしないで下さいね、私もサポートしますから」
愛「せっつー……ありがと」
愛「うん、そうみたい……。」
せつ菜「大丈夫なんですか!?お加減は」
愛「骨折だから安静にしてれば良いんだけど…。お店がね」
愛「お婆ちゃんは身体もきついだろうし、お母さんだけだと大変だし……」
愛「バイトも増やすの大変だからさ、アタシも、しばらくお店手伝うね」
せつ菜「そうですか……。でも無理はしないで下さいね、私もサポートしますから」
愛「せっつー……ありがと」
104: 2021/02/07(日) 23:10:43.45 ID:rVTBWbWi
それから予定は増えたけど、まだアタシには何とかなる範囲だと思う。
愛(アタシもやる事が増えたけど、期待されるのは嫌いじゃないしね)
愛(さて、今日は一日、店の手伝いと……)
愛(ん……?せっつーのベット空だ。リビングも明るいし…)
せつ菜「うーん……」
愛(何してるんだろ)
せつ菜「……よし!」
愛「早いね、おはよー?」
せつ菜「愛さん、おはようございます!」
せつ菜「朝ごはん一緒に食べましょう。簡単なものですけど」
愛(目玉焼きにお味噌汁……)
せつ菜「お味噌汁はレトルトですが…目玉焼きも大丈夫なはずです!彼方さんのレシピ通りに作りました」
愛(アタシもやる事が増えたけど、期待されるのは嫌いじゃないしね)
愛(さて、今日は一日、店の手伝いと……)
愛(ん……?せっつーのベット空だ。リビングも明るいし…)
せつ菜「うーん……」
愛(何してるんだろ)
せつ菜「……よし!」
愛「早いね、おはよー?」
せつ菜「愛さん、おはようございます!」
せつ菜「朝ごはん一緒に食べましょう。簡単なものですけど」
愛(目玉焼きにお味噌汁……)
せつ菜「お味噌汁はレトルトですが…目玉焼きも大丈夫なはずです!彼方さんのレシピ通りに作りました」
105: 2021/02/07(日) 23:20:54.17 ID:rVTBWbWi
愛「いただきます!うん、ちゃんと美味しいよ」
せつ菜「よかったです……」
愛「よしっ!これで今日も頑張れるよ~」
せつ菜「もう、大げさですよ」フフッ
~数日後~
母「愛、ありがとう!今日はお終いでいいわよ」
愛「あー、終わったぁ~」
母「もう遅いし疲れたでしょ?今日は泊まっていきなさいよ」
愛「うーん、そうだね……」
愛(でも今日は、早いって言ってた……)
愛「やっぱアタシ帰る!また!」
母「あらそう?気をつけなさいねー!」
せつ菜「よかったです……」
愛「よしっ!これで今日も頑張れるよ~」
せつ菜「もう、大げさですよ」フフッ
~数日後~
母「愛、ありがとう!今日はお終いでいいわよ」
愛「あー、終わったぁ~」
母「もう遅いし疲れたでしょ?今日は泊まっていきなさいよ」
愛「うーん、そうだね……」
愛(でも今日は、早いって言ってた……)
愛「やっぱアタシ帰る!また!」
母「あらそう?気をつけなさいねー!」
106: 2021/02/07(日) 23:26:33.91 ID:rVTBWbWi
せつ菜「すー……」
愛「もう寝ちゃったかぁ」
せつ菜「ん、あいさん……?おかえりなさい」
愛「起こした?ごめんね、朝早いのに」
せつ菜「いえ、顔が見れてよかったです」フニャッ
布団から顔だけ出したせっつーの、安心しきった顔。
せつ菜「今日も一日、お疲れ様でした」
愛(ああ、あの時一緒に住んで……)
愛「……うん。ただいま、せっつー」
愛(良かったなあ……)
愛「もう寝ちゃったかぁ」
せつ菜「ん、あいさん……?おかえりなさい」
愛「起こした?ごめんね、朝早いのに」
せつ菜「いえ、顔が見れてよかったです」フニャッ
布団から顔だけ出したせっつーの、安心しきった顔。
せつ菜「今日も一日、お疲れ様でした」
愛(ああ、あの時一緒に住んで……)
愛「……うん。ただいま、せっつー」
愛(良かったなあ……)
121: 2021/02/09(火) 22:56:15.85 ID:TPBXdb3H
愛「よしっ!本番までもうちょい、頑張ろう!」
実行委員「愛、いつもありがとね~!でもなんか最近疲れてない?ちょっとくらい休んでも……」
愛「平気だって~。10代の体力なめないでよ?」
「愛ちゃーん、ここのシフトなんだけどさ……」
愛「おー、ここはね……」
愛「あっ、セット運ぶの?愛さんも手伝うよ~!!」
実行委員「う~ん……」
ーーー
ーー
ー
愛「ただいま~」
せつ菜「遅かったですね……お帰りなさい」
愛「うーむ、せっつーより遅い日が続くのはまずいかもねぇ」
実行委員「愛、いつもありがとね~!でもなんか最近疲れてない?ちょっとくらい休んでも……」
愛「平気だって~。10代の体力なめないでよ?」
「愛ちゃーん、ここのシフトなんだけどさ……」
愛「おー、ここはね……」
愛「あっ、セット運ぶの?愛さんも手伝うよ~!!」
実行委員「う~ん……」
ーーー
ーー
ー
愛「ただいま~」
せつ菜「遅かったですね……お帰りなさい」
愛「うーむ、せっつーより遅い日が続くのはまずいかもねぇ」
122: 2021/02/09(火) 23:00:36.94 ID:TPBXdb3H
せつ菜「最近は余裕も出来ましたよ!今は丸一日オフの日もたまにあるんですから」
愛「大学生は人生の夏休みなんだよ?せっつーはずっと平日だけど……」
せつ菜「今の愛さんも休んでませんからね?」
愛「まあでもさ、交流会の方は明日までだから!もうお風呂入っちゃうね~」
せつ菜「私は明日レコーディングなので朝は入れ違いになると思いますけど、気をつけてくださいね?」
愛「えー、気をつけるのはせっつーだよ?相変わらず忙しいんだからさ~」
せつ菜「…うーん……」
せつ菜(目の下、くまができてましたね……)
愛「うわっ、冷たっ!?シャワー水だった…!」
せつ菜「大丈夫じゃなさそう……」ウーン
愛「大学生は人生の夏休みなんだよ?せっつーはずっと平日だけど……」
せつ菜「今の愛さんも休んでませんからね?」
愛「まあでもさ、交流会の方は明日までだから!もうお風呂入っちゃうね~」
せつ菜「私は明日レコーディングなので朝は入れ違いになると思いますけど、気をつけてくださいね?」
愛「えー、気をつけるのはせっつーだよ?相変わらず忙しいんだからさ~」
せつ菜「…うーん……」
せつ菜(目の下、くまができてましたね……)
愛「うわっ、冷たっ!?シャワー水だった…!」
せつ菜「大丈夫じゃなさそう……」ウーン
124: 2021/02/09(火) 23:09:41.27 ID:TPBXdb3H
~朝~
愛「ふあぁ…ねむっ……」
愛「よし!当日だから気合い入れて……」
愛(ちょっと体が重いなぁ、熱は無いんだけど)
愛「よし、ここは……」ガサゴソ
愛「あったー、せっつーが冷蔵庫に隠してるエナドリ!一本もらって行くね……」
実行委員「新入生の皆さま~~!今日は一日楽しみましょう!!」
「「ワ~~!!」」
愛「おっ、新入生?相談会はあっちだよ~!」
愛「へー、東京初めて来たんだ!どこから来たの?えっ八丈島?」
愛「ふあぁ…ねむっ……」
愛「よし!当日だから気合い入れて……」
愛(ちょっと体が重いなぁ、熱は無いんだけど)
愛「よし、ここは……」ガサゴソ
愛「あったー、せっつーが冷蔵庫に隠してるエナドリ!一本もらって行くね……」
実行委員「新入生の皆さま~~!今日は一日楽しみましょう!!」
「「ワ~~!!」」
愛「おっ、新入生?相談会はあっちだよ~!」
愛「へー、東京初めて来たんだ!どこから来たの?えっ八丈島?」
125: 2021/02/09(火) 23:11:49.71 ID:TPBXdb3H
~~~~~
実行委員「愛、休憩入っちゃって!」
愛「ほーい」
愛「ふぅ……」
「この大学広いねー、迷っちゃいそう……」
「そのうち慣れるって!それよりさぁ、さっきすごい綺麗な人いなかった?」
愛「?」
実行委員「後1時間で終了です!最後に来てくれた皆さんに歓迎動画を……」
愛(ん……?)クラッ
愛「ヤバい。メチャクチャ眠い……!」
愛「でも、後ちょっと……」
実行委員「愛、休憩入っちゃって!」
愛「ほーい」
愛「ふぅ……」
「この大学広いねー、迷っちゃいそう……」
「そのうち慣れるって!それよりさぁ、さっきすごい綺麗な人いなかった?」
愛「?」
実行委員「後1時間で終了です!最後に来てくれた皆さんに歓迎動画を……」
愛(ん……?)クラッ
愛「ヤバい。メチャクチャ眠い……!」
愛「でも、後ちょっと……」
126: 2021/02/09(火) 23:15:03.26 ID:TPBXdb3H
ザワザワ……
「あれ!?」
「何、どしたの??」
「いや、今通った人…あのっす、すいません!」
「!」
「えっ、嘘この大学じゃ無いよね……!?」
「ゆうk……」
「……」シーっ
「ごめんなさい、お忍びなんです。気づいてくれてありがたいんですが、ヒミツにしてくれると……」
「嬉しいかな、って」
「「……」」コクコク
「ふふっ、ありがとうございます♪」
「「……」」ボー
「あれ!?」
「何、どしたの??」
「いや、今通った人…あのっす、すいません!」
「!」
「えっ、嘘この大学じゃ無いよね……!?」
「ゆうk……」
「……」シーっ
「ごめんなさい、お忍びなんです。気づいてくれてありがたいんですが、ヒミツにしてくれると……」
「嬉しいかな、って」
「「……」」コクコク
「ふふっ、ありがとうございます♪」
「「……」」ボー
127: 2021/02/09(火) 23:21:12.09 ID:TPBXdb3H
実行委員「…それでは皆さん、良い大学生活を~~~」
パチパチパチ……
「終わったー」
「あ、愛ちゃんもお疲れ様ー!」
愛「うん、お疲れさま……ッ!」フラッ
「えっ、ちょっと大丈夫……」
愛(ヤバい、倒れる……!)
パシッ
愛「……?」
愛(誰かが支えてくれてる)
愛(誰か?でも、この温かさは…)
愛「せっつー……?」
せつ菜「良かった…間に合った」
せつ菜「大丈夫ですか、愛さん?」
パチパチパチ……
「終わったー」
「あ、愛ちゃんもお疲れ様ー!」
愛「うん、お疲れさま……ッ!」フラッ
「えっ、ちょっと大丈夫……」
愛(ヤバい、倒れる……!)
パシッ
愛「……?」
愛(誰かが支えてくれてる)
愛(誰か?でも、この温かさは…)
愛「せっつー……?」
せつ菜「良かった…間に合った」
せつ菜「大丈夫ですか、愛さん?」
128: 2021/02/09(火) 23:27:16.34 ID:TPBXdb3H
「あの、愛ちゃん平気ですか!?」
せつ菜「熱は…ないみたいですね、多分寝不足でしょう」
「よかった~」
「……えっ!?貴方もしかして」
せつ菜「すみません、この人の荷物を持ってきて頂いてもいいですか?」
「そ、それは…もちろん。タクシーとか呼びますか?」
「ありがとうございます。でも車は私が呼ぶので…。あとこの椅子…使っても?」
「それは全然……荷物取ってきます!」タタタ…!
せつ菜「熱は…ないみたいですね、多分寝不足でしょう」
「よかった~」
「……えっ!?貴方もしかして」
せつ菜「すみません、この人の荷物を持ってきて頂いてもいいですか?」
「そ、それは…もちろん。タクシーとか呼びますか?」
「ありがとうございます。でも車は私が呼ぶので…。あとこの椅子…使っても?」
「それは全然……荷物取ってきます!」タタタ…!
129: 2021/02/09(火) 23:28:19.34 ID:TPBXdb3H
愛「どうしてここに?」
せつ菜「レコーディングが一発で終わったので」
愛「…もしかして、結構前からいた?」
せつ菜「まあ、1時間前くらいから……」
愛「ずっと待っててくれたの?」
せつ菜「見かけた時に体調が悪そうだなとは思ったんですけどね」
せつ菜「でも、最後まで見て欲しかったから」
愛「?」
せつ菜「ほら、見て」
せつ菜「レコーディングが一発で終わったので」
愛「…もしかして、結構前からいた?」
せつ菜「まあ、1時間前くらいから……」
愛「ずっと待っててくれたの?」
せつ菜「見かけた時に体調が悪そうだなとは思ったんですけどね」
せつ菜「でも、最後まで見て欲しかったから」
愛「?」
せつ菜「ほら、見て」
130: 2021/02/09(火) 23:29:53.53 ID:TPBXdb3H
ガヤガヤ……
「楽しかったね~~!」
「ねっ!!今日まではちょっと不安だったけど……」
愛「!」
愛「……よかった」
せつ菜「愛さんが今日まで頑張ってきたのはこの為でしょう?なら途中で帰るのはもったいないです」
「お待たせしましたー!」
愛「そっかぁ」
愛「ありがとね、せっつー」
せつ菜「いいえ、私はなにも」
せつ菜「さぁ愛さん。家に帰りましょう!」
「楽しかったね~~!」
「ねっ!!今日まではちょっと不安だったけど……」
愛「!」
愛「……よかった」
せつ菜「愛さんが今日まで頑張ってきたのはこの為でしょう?なら途中で帰るのはもったいないです」
「お待たせしましたー!」
愛「そっかぁ」
愛「ありがとね、せっつー」
せつ菜「いいえ、私はなにも」
せつ菜「さぁ愛さん。家に帰りましょう!」
132: 2021/02/09(火) 23:44:02.34 ID:TPBXdb3H
せつ菜「じゃあ愛さんはすぐ寝てくださいね!」
愛「はーい……」
せつ菜「私は着替え持ってきますから」
愛「うん……ごめんねせっつー」
せつ菜「…愛さんは謝る事なんてないでしょう?」
愛「せっつーが無理するのを見たくなくてルームシェアしたのに、今度は愛さんがやり過ぎちゃったよ」
愛「前にカナちゃんに『2人は似たもの同士だ』って言われた時はピンと来なかったけどさぁ」
愛「せっつーにかっこ悪いところ見せちゃったかなって……」
せつ菜「……っ」
せつ菜「……」ポスッ
愛「あの…せっつー?ベットに座られると愛さん寝れないかなーって……」
愛「はーい……」
せつ菜「私は着替え持ってきますから」
愛「うん……ごめんねせっつー」
せつ菜「…愛さんは謝る事なんてないでしょう?」
愛「せっつーが無理するのを見たくなくてルームシェアしたのに、今度は愛さんがやり過ぎちゃったよ」
愛「前にカナちゃんに『2人は似たもの同士だ』って言われた時はピンと来なかったけどさぁ」
愛「せっつーにかっこ悪いところ見せちゃったかなって……」
せつ菜「……っ」
せつ菜「……」ポスッ
愛「あの…せっつー?ベットに座られると愛さん寝れないかなーって……」
134: 2021/02/10(水) 00:06:26.23 ID:nFTRzHXN
せつ菜「……」ドサッ
愛「うわっ!?」
愛(頭が何か……柔らかいところに)
愛「あの、せつ菜さん?なんでひざ枕を」
せつ菜「……うぅ」
愛(それに、こういうのは苦手だったんじゃ……)
せつ菜「ちょっと今顔上げないでください……」
グググ……
愛「分かった、分かったから!」
愛「で、どうしちゃったの?」
せつ菜「愛さんはかっこいいですよ!昔から、周りに頼りにされても涼しい顔で引き受けて」
愛「あ、ありがとう?」
愛「うわっ!?」
愛(頭が何か……柔らかいところに)
愛「あの、せつ菜さん?なんでひざ枕を」
せつ菜「……うぅ」
愛(それに、こういうのは苦手だったんじゃ……)
せつ菜「ちょっと今顔上げないでください……」
グググ……
愛「分かった、分かったから!」
愛「で、どうしちゃったの?」
せつ菜「愛さんはかっこいいですよ!昔から、周りに頼りにされても涼しい顔で引き受けて」
愛「あ、ありがとう?」
135: 2021/02/10(水) 00:13:13.21 ID:nFTRzHXN
せつ菜「私はそんな愛さんが…いや、えっと。……どんなになっても、私にとって貴方はかっこいい人ですから!」
愛「!」
せつ菜「あの……だから、」
せつ菜「愛さんが落ち込んだり、弱気になったりした時は!これからも私には、隠さないでくれると…嬉しいです」
愛「せっつー……」
せつ菜「あ、う…言いたかったことはそれだけ、です…から」
せつ菜「……寝てください」
愛「いや、今ので眠気があんまり」
せつ菜「いえ、眠いはずです!私ずっと膝枕してますから、寝てください……///」ナデナデ
愛(撫でられたらもっと寝れないよ……!いや、ちょっと眠いけど寝たくないってば!)
愛「…今日、せっつーが居てくれてよかったよ。おやすみ」
せつ菜「……はい、おやすみなさい」
愛「!」
せつ菜「あの……だから、」
せつ菜「愛さんが落ち込んだり、弱気になったりした時は!これからも私には、隠さないでくれると…嬉しいです」
愛「せっつー……」
せつ菜「あ、う…言いたかったことはそれだけ、です…から」
せつ菜「……寝てください」
愛「いや、今ので眠気があんまり」
せつ菜「いえ、眠いはずです!私ずっと膝枕してますから、寝てください……///」ナデナデ
愛(撫でられたらもっと寝れないよ……!いや、ちょっと眠いけど寝たくないってば!)
愛「…今日、せっつーが居てくれてよかったよ。おやすみ」
せつ菜「……はい、おやすみなさい」
137: 2021/02/10(水) 01:09:34.15 ID:nFTRzHXN
ーーー
ーー
ー
せつ菜「……愛さん?寝てますか?」
愛「……zzz」
せつ菜「…大丈夫そうですね」
顔を覗きこんでみたらよく寝ていた。これなら、私の真っ赤な顔を見られる事もないでしょうか。
せつ菜(居てくれてよかった、か……)
さっきの言葉は嬉しかった。
助けてもらってばかりの自分がこの人の役に立てたのなら、本当に良かった。
せつ菜(今の私がいるのは、愛さんのおかげですから)
高校生の終わりに、私はずっと守ってきた「中川菜々」への期待を切り捨てて、アイドルの「優木せつ菜」を選んだ。
そのくせ大学には通い続けて、何もかも中途半端のままで。
周りに心配されていると分かっていても、自分の道を貫くことに焦ってばかりで拒絶して、受け取れなくて。
ーー
ー
せつ菜「……愛さん?寝てますか?」
愛「……zzz」
せつ菜「…大丈夫そうですね」
顔を覗きこんでみたらよく寝ていた。これなら、私の真っ赤な顔を見られる事もないでしょうか。
せつ菜(居てくれてよかった、か……)
さっきの言葉は嬉しかった。
助けてもらってばかりの自分がこの人の役に立てたのなら、本当に良かった。
せつ菜(今の私がいるのは、愛さんのおかげですから)
高校生の終わりに、私はずっと守ってきた「中川菜々」への期待を切り捨てて、アイドルの「優木せつ菜」を選んだ。
そのくせ大学には通い続けて、何もかも中途半端のままで。
周りに心配されていると分かっていても、自分の道を貫くことに焦ってばかりで拒絶して、受け取れなくて。
138: 2021/02/10(水) 01:12:33.22 ID:nFTRzHXN
そんな時、愛さんにこの部屋に誘われた。
せつ菜(愛さんは優しいから、私の惨状を見ていられなかっただけだろうけど)
一緒にご飯を食べたり、寝る前にくつろいだり……。
そんな時間を過ごすだけで、私の焦りは段々と消えていってしまった。
その中で生まれた自分の気持ちに、私はもう気づいている。
せつ菜(さっきは少し危なかったですが、今ならいいですよね……?)
せつ菜(「優木せつ菜」がそれを伝えることはないけれど)
せつ菜「……」
愛『誰か一人を特別にするっていうのはさ、まだよく分からないんだ』
高校生の頃、愛さんが言っていた。
もしそれが、もう少しだけ続くなら。
せつ菜「好きですよ、愛さん」
せつ菜「だから……貴方が大切にしたい一人を見つけるまでは、側に居させてくださいね」
せつ菜(愛さんは優しいから、私の惨状を見ていられなかっただけだろうけど)
一緒にご飯を食べたり、寝る前にくつろいだり……。
そんな時間を過ごすだけで、私の焦りは段々と消えていってしまった。
その中で生まれた自分の気持ちに、私はもう気づいている。
せつ菜(さっきは少し危なかったですが、今ならいいですよね……?)
せつ菜(「優木せつ菜」がそれを伝えることはないけれど)
せつ菜「……」
愛『誰か一人を特別にするっていうのはさ、まだよく分からないんだ』
高校生の頃、愛さんが言っていた。
もしそれが、もう少しだけ続くなら。
せつ菜「好きですよ、愛さん」
せつ菜「だから……貴方が大切にしたい一人を見つけるまでは、側に居させてくださいね」
139: 2021/02/10(水) 01:32:54.36 ID:nFTRzHXN
チュンチュン…(・8・)…
愛「……はっ!」
愛「寝てた…って、もう朝か。ん?」
メモ
『愛さん
新しいライブの打ち合わせが入ったので出掛け てきます。朝ごはん食べてくださいね せつ菜』
愛「ライブかー。順調そうで良かった……」
愛「昨日のお礼も、もう一度言わないとね!」
『これからも私には、隠さないでくれると…嬉しいです』
愛「これから、かぁ……」
愛「せっつーって、いつまでこの部屋に居てくれるんだろ?」
愛(アイドルは順調みたいだし、このまま行けば2人で住む必要もなくなるかも。
愛(そうしたら出て行くのを止める理由も無い)
愛「あれ」
愛「愛さん……せっつーが出て行くの、嫌かも」
愛「……はっ!」
愛「寝てた…って、もう朝か。ん?」
メモ
『愛さん
新しいライブの打ち合わせが入ったので出掛け てきます。朝ごはん食べてくださいね せつ菜』
愛「ライブかー。順調そうで良かった……」
愛「昨日のお礼も、もう一度言わないとね!」
『これからも私には、隠さないでくれると…嬉しいです』
愛「これから、かぁ……」
愛「せっつーって、いつまでこの部屋に居てくれるんだろ?」
愛(アイドルは順調みたいだし、このまま行けば2人で住む必要もなくなるかも。
愛(そうしたら出て行くのを止める理由も無い)
愛「あれ」
愛「愛さん……せっつーが出て行くの、嫌かも」
148: 2021/02/11(木) 23:20:30.25 ID:uPP+zCoP
短いですが更新します
149: 2021/02/11(木) 23:24:06.11 ID:uPP+zCoP
愛「誕生日ライブ!?」
せつ菜「はい!先日出したCDの売り上げが伸びていて、お話を頂いたんです」
愛「そうだ、新曲も良かったよ~!何かこう……元気が出る感じでさ」
せつ菜「そう言ってもらえると嬉しいですね!今度の曲は自信作で、歌詞もこれまでのファンのみんなへの……」ペカー
愛(可愛いなぁ)
せつ菜「…愛さん、聞いてますか?」
愛「へっ!?聞いてる聞いてる!!」
せつ菜「…そうですか?」
愛(あぶないあぶない)
あのひざ枕の日から、せっつーの笑顔をぼーっと見ていることが増えた。
愛(そろそろ怪しまれそうだしね、理由は自分でも分かんないけど)
愛「じゃあ愛さんもライブのチケット買おうっと!」
せつ菜「愛さんには関係者席を空けておきますよ?」
愛「えっ、いいの?」
せつ菜「同好会の皆さんの分は全員分取ってありますから!」
せつ菜「はい!先日出したCDの売り上げが伸びていて、お話を頂いたんです」
愛「そうだ、新曲も良かったよ~!何かこう……元気が出る感じでさ」
せつ菜「そう言ってもらえると嬉しいですね!今度の曲は自信作で、歌詞もこれまでのファンのみんなへの……」ペカー
愛(可愛いなぁ)
せつ菜「…愛さん、聞いてますか?」
愛「へっ!?聞いてる聞いてる!!」
せつ菜「…そうですか?」
愛(あぶないあぶない)
あのひざ枕の日から、せっつーの笑顔をぼーっと見ていることが増えた。
愛(そろそろ怪しまれそうだしね、理由は自分でも分かんないけど)
愛「じゃあ愛さんもライブのチケット買おうっと!」
せつ菜「愛さんには関係者席を空けておきますよ?」
愛「えっ、いいの?」
せつ菜「同好会の皆さんの分は全員分取ってありますから!」
150: 2021/02/11(木) 23:27:02.40 ID:uPP+zCoP
愛「嬉しいけどさ、でも自分でゲットしたいかな…」
せつ菜「ふふっ、愛さんまで侑さんと同じことを」
愛「ゆうゆもチケット要らないって?」
せつ菜「そうなんですよ、いつも断られて。この前なんてCDを買うためにに店を梯子して、結局講義に遅れたと歩夢さんが怒っていました」
愛「あはは!ゆうゆも相変わらずだねー」
愛「あれ、あの二人って大学違うよね?」
せつ菜「えっと…そこは歩夢さんだからというか……一緒に住んでいればそういう事もあるのでは?」
愛「あの二人は年季入ってるからね~。……アタシ達もお互いの予定がバッチリ!っていう感じになれるといいねぇ」
せつ菜「……あそこまでは無理でも、出来たらいいですね。あ、四月に入ってすぐミニライブと握手会をやるんですよ!」
愛「へー、握手会……」
せつ菜「ふふっ、愛さんまで侑さんと同じことを」
愛「ゆうゆもチケット要らないって?」
せつ菜「そうなんですよ、いつも断られて。この前なんてCDを買うためにに店を梯子して、結局講義に遅れたと歩夢さんが怒っていました」
愛「あはは!ゆうゆも相変わらずだねー」
愛「あれ、あの二人って大学違うよね?」
せつ菜「えっと…そこは歩夢さんだからというか……一緒に住んでいればそういう事もあるのでは?」
愛「あの二人は年季入ってるからね~。……アタシ達もお互いの予定がバッチリ!っていう感じになれるといいねぇ」
せつ菜「……あそこまでは無理でも、出来たらいいですね。あ、四月に入ってすぐミニライブと握手会をやるんですよ!」
愛「へー、握手会……」
151: 2021/02/11(木) 23:29:29.66 ID:uPP+zCoP
せつ菜「良ければ愛さんも来ます?なんて…」
愛「え?いいの!?行きたい!」
せつ菜「えっ」
愛「えっ、ダメなの?」
せつ菜「いや、え……でも握手ならいつでもしますよ、今ここでも」
愛「違うよ、愛さんはアイドルのせっつーと話してみたいかな~って。絶対行くから!」
せつ菜「半分冗談だったのに……分かりました、ならファンの一人として精一杯お話しますね!」
愛「やった、楽しみ!」
愛「え?いいの!?行きたい!」
せつ菜「えっ」
愛「えっ、ダメなの?」
せつ菜「いや、え……でも握手ならいつでもしますよ、今ここでも」
愛「違うよ、愛さんはアイドルのせっつーと話してみたいかな~って。絶対行くから!」
せつ菜「半分冗談だったのに……分かりました、ならファンの一人として精一杯お話しますね!」
愛「やった、楽しみ!」
152: 2021/02/11(木) 23:34:46.92 ID:uPP+zCoP
~数週間後、ミニライブ会場~
せつ菜「今日は来てくれてありがとう!これからたくさん燃え上がってっ!笑顔で帰りましょうね!!」
ウワァァァ!!
愛「すごい熱気…!ああいう所は昔のままだね」
せつ菜「今日はいつもリクエストが多かった、スクールアイドル時代の曲も歌っちゃいますよ~~!!」
ヤッターー!!!ホントーーー!?
??「うおおおぉ!!せつ菜ちゃーん、最高にときめいてるよ~~、可愛いよ~~~!!!」ピョンピョン
愛「……最前列に見覚えある子がいるような」
愛(まぁいっか!今日は愛さんもお客さんだもんね!)
愛「頑張れせっつ……」
「「せつ菜ちゃーん!!」」
愛「……せつ菜ちゃーん……!」
せつ菜「今日は来てくれてありがとう!これからたくさん燃え上がってっ!笑顔で帰りましょうね!!」
ウワァァァ!!
愛「すごい熱気…!ああいう所は昔のままだね」
せつ菜「今日はいつもリクエストが多かった、スクールアイドル時代の曲も歌っちゃいますよ~~!!」
ヤッターー!!!ホントーーー!?
??「うおおおぉ!!せつ菜ちゃーん、最高にときめいてるよ~~、可愛いよ~~~!!!」ピョンピョン
愛「……最前列に見覚えある子がいるような」
愛(まぁいっか!今日は愛さんもお客さんだもんね!)
愛「頑張れせっつ……」
「「せつ菜ちゃーん!!」」
愛「……せつ菜ちゃーん……!」
153: 2021/02/11(木) 23:42:43.60 ID:uPP+zCoP
「握手会こちらでーす!」
愛「よし!」
せつ菜「次の方どうぞ!あっ。」
愛「えーっと…」
愛(あれ!?何話すんだっけ、)
せつ菜「今日は…ライブから見てくれたんですか?」
愛「…!うん。いや、はい?」
せつ菜「嬉しいです!どの曲が好きでした?」
愛「えーっと、やっぱりスクールアイドルの時の曲かな。昔よりも上手くなっててびっくりしたよ!」
せつ菜「それは良かったです!私が上手くなっているなら、それはずっと応援してくれる人達のおかげですね」
せつ菜「だから……これから先も、ずっと私を見続けてくれたら嬉しいです」
せつ菜「……なんて。今日は、ありがとう」ニコッ
愛(おお……)
愛「よし!」
せつ菜「次の方どうぞ!あっ。」
愛「えーっと…」
愛(あれ!?何話すんだっけ、)
せつ菜「今日は…ライブから見てくれたんですか?」
愛「…!うん。いや、はい?」
せつ菜「嬉しいです!どの曲が好きでした?」
愛「えーっと、やっぱりスクールアイドルの時の曲かな。昔よりも上手くなっててびっくりしたよ!」
せつ菜「それは良かったです!私が上手くなっているなら、それはずっと応援してくれる人達のおかげですね」
せつ菜「だから……これから先も、ずっと私を見続けてくれたら嬉しいです」
せつ菜「……なんて。今日は、ありがとう」ニコッ
愛(おお……)
154: 2021/02/11(木) 23:46:21.13 ID:uPP+zCoP
愛「あっという間に終わった……」
愛(あれがアイドル。アタシの知らない今のせっつー)
愛(せっつーの曲は相変わらずビリビリ来て、こっまで燃やしてくるような情熱があって、前よりずっと凄くなっていた)
家でよく見るふにゃっとしたせっつーは見る影もない。
愛(まあ、あのせっつーはアタシ限定だから大丈夫、なんて……)
愛「何考えてるのかな……愛さんは」
間違いなく凄いライブだったのに、楽しかったのに。
何かモヤモヤしたものは消えてくれなかった。
だから、
ゴソゴソ……
愛(ん、帰ってきた?)
夜中に帰ってきたせっつーにすぐ声をかけなかったのは、昼間のモヤモヤが残っていたのかも。
愛(あれがアイドル。アタシの知らない今のせっつー)
愛(せっつーの曲は相変わらずビリビリ来て、こっまで燃やしてくるような情熱があって、前よりずっと凄くなっていた)
家でよく見るふにゃっとしたせっつーは見る影もない。
愛(まあ、あのせっつーはアタシ限定だから大丈夫、なんて……)
愛「何考えてるのかな……愛さんは」
間違いなく凄いライブだったのに、楽しかったのに。
何かモヤモヤしたものは消えてくれなかった。
だから、
ゴソゴソ……
愛(ん、帰ってきた?)
夜中に帰ってきたせっつーにすぐ声をかけなかったのは、昼間のモヤモヤが残っていたのかも。
155: 2021/02/12(金) 00:00:40.49 ID:+fCNolMj
リビングに大荷物を抱えたせっつーが来て、一つ一つ開けていく。
愛(ファンレターかプレゼントかな)
せつ菜「……あ」
愛「?」
せっつーが取り出したのは一通のファンレター。
せつ菜「……」
せつ菜「……っ」ギュッ
その便箋を見てそっと撫でたせっつーは。
今まで見たことないくらいの笑顔で、それを抱きしめた。
それを見た瞬間、
今日のモヤモヤが塊に変わった。
愛(いや、モヤモヤなんかじゃない。)
この気持ちが何かなんて、とっくにアタシは気づいてた筈だった。
愛(ファンレターかプレゼントかな)
せつ菜「……あ」
愛「?」
せっつーが取り出したのは一通のファンレター。
せつ菜「……」
せつ菜「……っ」ギュッ
その便箋を見てそっと撫でたせっつーは。
今まで見たことないくらいの笑顔で、それを抱きしめた。
それを見た瞬間、
今日のモヤモヤが塊に変わった。
愛(いや、モヤモヤなんかじゃない。)
この気持ちが何かなんて、とっくにアタシは気づいてた筈だった。
169: 2021/02/14(日) 00:24:17.14 ID:WdMu1val
愛「あの手紙って、誰から?」
なんて聞けるわけもなく。
せっつーの様子はいつも通りのまま、時間は過ぎて行った。
せつ菜「5月になれば愛さんもお酒デビューですね!」
愛「大分最後の方だけど。酔って変なことしないように気をつけないとね~」
愛「あ!愛さんの誕生日、せっつーも一緒に飲む?」
せつ菜「ダメですよ。夏まで待ちます」
愛「もー、真面目だなー」
せつ菜「愛さんは酔いやすいんですか?」
愛「えー?まだ分かんないよ、飲み会ではちゃんとノンアル飲んでるし」
せつ菜「愛さんも意外と真面目ですよね」フフッ
なんて聞けるわけもなく。
せっつーの様子はいつも通りのまま、時間は過ぎて行った。
せつ菜「5月になれば愛さんもお酒デビューですね!」
愛「大分最後の方だけど。酔って変なことしないように気をつけないとね~」
愛「あ!愛さんの誕生日、せっつーも一緒に飲む?」
せつ菜「ダメですよ。夏まで待ちます」
愛「もー、真面目だなー」
せつ菜「愛さんは酔いやすいんですか?」
愛「えー?まだ分かんないよ、飲み会ではちゃんとノンアル飲んでるし」
せつ菜「愛さんも意外と真面目ですよね」フフッ
170: 2021/02/14(日) 00:26:25.52 ID:WdMu1val
愛「でもせっつーの誕生日は飲めないか…。ライブだもんね」
せつ菜「ファンの方々にお祝いしてもらえるなんて最高の誕生日です!」
愛「せっつーが頑張って来たからでしょ~」
愛(ファン、かぁ……)
愛「プレゼントとか手紙とか、色々届いてるよね」
せつ菜「……!そうなんですよ、私も出来るだけ手紙をお返ししてるんですけど……」
話し始めたせっつーは楽しそうだけど、やっぱりあの夜見た笑顔は特別だった気がする。
愛(でも)
せつ菜『私はアイドルです。誰かの特別には…』
愛(だから、大丈夫なはず……)
愛(もし特別な人が居たとして、愛さんに責める権利なんか無い)
せつ菜「ファンの方々にお祝いしてもらえるなんて最高の誕生日です!」
愛「せっつーが頑張って来たからでしょ~」
愛(ファン、かぁ……)
愛「プレゼントとか手紙とか、色々届いてるよね」
せつ菜「……!そうなんですよ、私も出来るだけ手紙をお返ししてるんですけど……」
話し始めたせっつーは楽しそうだけど、やっぱりあの夜見た笑顔は特別だった気がする。
愛(でも)
せつ菜『私はアイドルです。誰かの特別には…』
愛(だから、大丈夫なはず……)
愛(もし特別な人が居たとして、愛さんに責める権利なんか無い)
171: 2021/02/14(日) 00:29:10.41 ID:WdMu1val
せつ菜「愛さん……?」
愛「うん!?聞いてるよ?」
せつ菜「……」
愛(こんな事、今までの付き合いでは無かったのに)
後から考えたら、
気持ちを溜め込んだのが良くなかったんだと思う。
こんなズルい自分を見られたくなくて、柄にもなく我慢していた。
愛『お酒は人を変えるんだよ……』
先輩に言った言葉がそのまま返ってくるなんて気づかなかった。20歳になるまで。
愛「うん!?聞いてるよ?」
せつ菜「……」
愛(こんな事、今までの付き合いでは無かったのに)
後から考えたら、
気持ちを溜め込んだのが良くなかったんだと思う。
こんなズルい自分を見られたくなくて、柄にもなく我慢していた。
愛『お酒は人を変えるんだよ……』
先輩に言った言葉がそのまま返ってくるなんて気づかなかった。20歳になるまで。
172: 2021/02/14(日) 00:35:27.56 ID:WdMu1val
~5月30日~
「「ハタチおめでと~」」
直接、またはメッセージで。
祝ってもらった日も終わり、後は二人で家飲みするだけ。
愛(片方はジュースだけど)
「「かんぱ~い!!」」
せつ菜「おめでとうございます!」
愛「ありがとせっつー!ケーキも買ってきてくれたし、メチャクチャ美味しいよコレ!」
せつ菜「ですよね!ここはどれも美味しくて…」
せつ菜「あっそうだ、もう一個渡すものがあるんです」
愛「さっきのマグカップだけじゃなくて?」
せつ菜「愛さんのお家から、ぬか床を分けてもらいました!」
愛「え!?いつの間にうちに?」
せつ菜「まぁ、正月にもご挨拶にお邪魔したので。これからは色々漬けていきましょうね」
愛「これから…やった~、たのしみー!!」
せつ菜「でも良かったです。これからライブに向けて忙しくなる前に、ちゃんと愛さんのお祝いが出来て」
愛「さびしいね~!」
せつ菜「愛さん…酔ってますね」
「「ハタチおめでと~」」
直接、またはメッセージで。
祝ってもらった日も終わり、後は二人で家飲みするだけ。
愛(片方はジュースだけど)
「「かんぱ~い!!」」
せつ菜「おめでとうございます!」
愛「ありがとせっつー!ケーキも買ってきてくれたし、メチャクチャ美味しいよコレ!」
せつ菜「ですよね!ここはどれも美味しくて…」
せつ菜「あっそうだ、もう一個渡すものがあるんです」
愛「さっきのマグカップだけじゃなくて?」
せつ菜「愛さんのお家から、ぬか床を分けてもらいました!」
愛「え!?いつの間にうちに?」
せつ菜「まぁ、正月にもご挨拶にお邪魔したので。これからは色々漬けていきましょうね」
愛「これから…やった~、たのしみー!!」
せつ菜「でも良かったです。これからライブに向けて忙しくなる前に、ちゃんと愛さんのお祝いが出来て」
愛「さびしいね~!」
せつ菜「愛さん…酔ってますね」
173: 2021/02/14(日) 00:41:37.66 ID:WdMu1val
~~~~~
せつ菜「愛さーん??もうベット行きましょう、ね!」
愛「う~ん……」
せつ菜「飲ませすぎました……?」ウーン
せつ菜「ほら、肩貸しますから。着きますよ?」
愛「あれ……?せっつー、香水かえた?」
せつ菜「……!あ、これはその、贈り物なんです」
せつ菜「すごく良い香りなんですよ?」ニコッ
愛(……あ)
愛(あの時の、笑顔だ)
ドサッ
せつ菜「え、…あい…さん?」
せつ菜「愛さーん??もうベット行きましょう、ね!」
愛「う~ん……」
せつ菜「飲ませすぎました……?」ウーン
せつ菜「ほら、肩貸しますから。着きますよ?」
愛「あれ……?せっつー、香水かえた?」
せつ菜「……!あ、これはその、贈り物なんです」
せつ菜「すごく良い香りなんですよ?」ニコッ
愛(……あ)
愛(あの時の、笑顔だ)
ドサッ
せつ菜「え、…あい…さん?」
175: 2021/02/14(日) 00:50:01.67 ID:WdMu1val
気づいたら、視界にはせっつーしか居なかった。
せつ菜「あの……酔ってますか?今寝られると」
愛「ねぇ、せっつー」
せつ菜「……?」
愛「せっつーは…いつまでここにいる?」
せつ菜「……え?」
愛「仕事がもっと増えるまで、それとも卒業まで?」
せつ菜「あの、急にどうして」
愛「それとも……大事な人と住めるまで?」
せつ菜「大事な…?あの愛さん、さっきから何を」
愛「もし…せっつーに特別な人がいて、それでもアタシと住むっていうなら……愛さん、もう無理かも」
せつ菜「……無理?」
愛(あれ、ちゃんと隠しておくつもりだったのに)
愛(一回言ったら、もう止まれないじゃん)
愛「このまま愛さんと暮らしてたら、せっつーが困るってこと」
せつ菜「困るって……私はそんな、んっ!?」
頭がグルグルして、混乱して。
愛「……ッ」
せつ菜「ん、うぅ……!?」
色々言いたそうな口を、思いっきり塞いだ。
せつ菜「あの……酔ってますか?今寝られると」
愛「ねぇ、せっつー」
せつ菜「……?」
愛「せっつーは…いつまでここにいる?」
せつ菜「……え?」
愛「仕事がもっと増えるまで、それとも卒業まで?」
せつ菜「あの、急にどうして」
愛「それとも……大事な人と住めるまで?」
せつ菜「大事な…?あの愛さん、さっきから何を」
愛「もし…せっつーに特別な人がいて、それでもアタシと住むっていうなら……愛さん、もう無理かも」
せつ菜「……無理?」
愛(あれ、ちゃんと隠しておくつもりだったのに)
愛(一回言ったら、もう止まれないじゃん)
愛「このまま愛さんと暮らしてたら、せっつーが困るってこと」
せつ菜「困るって……私はそんな、んっ!?」
頭がグルグルして、混乱して。
愛「……ッ」
せつ菜「ん、うぅ……!?」
色々言いたそうな口を、思いっきり塞いだ。
176: 2021/02/14(日) 00:56:45.00 ID:WdMu1val
愛「……はっ、ぁ、分かった?これで…」
せつ菜「…ちょっと、まって……愛さん…」
愛(……あ、れ?)
せつ菜「ちゃんと、はなしを」
真っ赤な顔に、潤んだ瞳。
愛「……あ、」
息を整えようと、必死に呼吸している姿を見て、
ぼうっとしていた頭がすーっと冷えた。
愛「っ、ごめん!すぐにどくから」
愛(何してるんだアタシ!)
愛(勝手に怒って、こんな事して……)
せつ菜「愛さん…ちょっと、待ってくださ」
愛「今日はっ、出て行くね……!」
後ろで何か言っているせっつーに構わずに、家を飛び出した。
その日から、アタシは部屋には戻らなかった。
せつ菜「…ちょっと、まって……愛さん…」
愛(……あ、れ?)
せつ菜「ちゃんと、はなしを」
真っ赤な顔に、潤んだ瞳。
愛「……あ、」
息を整えようと、必死に呼吸している姿を見て、
ぼうっとしていた頭がすーっと冷えた。
愛「っ、ごめん!すぐにどくから」
愛(何してるんだアタシ!)
愛(勝手に怒って、こんな事して……)
せつ菜「愛さん…ちょっと、待ってくださ」
愛「今日はっ、出て行くね……!」
後ろで何か言っているせっつーに構わずに、家を飛び出した。
その日から、アタシは部屋には戻らなかった。
177: 2021/02/14(日) 01:00:32.98 ID:WdMu1val
友1「ねぇ愛~!?聞いてる??」
愛「あ、うんー、聞いてるよ」
友2「ここ一か月、ずーっとそんな感じじゃない?」
愛「そうかも……」
友1「はっ、もしや恋?」
愛「……」ピクッ
友2「…嘘、ホントに!?あっ、まさか失恋!?」
愛「あぁ……!!」パタン
友1「おお、マジかぁ…」
愛「してない……」
「「ん?」」
愛「告白、ちゃんとしてない……」
愛(あれから、せっつーからは何度も連絡が来てる。その度に何を言われるのか怖くて出られない)
愛「あ、うんー、聞いてるよ」
友2「ここ一か月、ずーっとそんな感じじゃない?」
愛「そうかも……」
友1「はっ、もしや恋?」
愛「……」ピクッ
友2「…嘘、ホントに!?あっ、まさか失恋!?」
愛「あぁ……!!」パタン
友1「おお、マジかぁ…」
愛「してない……」
「「ん?」」
愛「告白、ちゃんとしてない……」
愛(あれから、せっつーからは何度も連絡が来てる。その度に何を言われるのか怖くて出られない)
178: 2021/02/14(日) 01:02:58.47 ID:WdMu1val
愛(メッセージが来る時間もバラバラで、忙しい中こまめに連絡してくれてるのは分かってる)
友1「いや、それはダメでしょ」
愛「はい……」
友2「今度連絡来たら出なよ、スマホ出して」
愛「いや、それは……」
友2「愛って意外とめんどくさいねー」
愛「自分でも意外なんだよ……ん?」プルル…
友1「あっ!来たんじゃない?ほら!!」
愛「……歩夢?」
友1「いや、それはダメでしょ」
愛「はい……」
友2「今度連絡来たら出なよ、スマホ出して」
愛「いや、それは……」
友2「愛って意外とめんどくさいねー」
愛「自分でも意外なんだよ……ん?」プルル…
友1「あっ!来たんじゃない?ほら!!」
愛「……歩夢?」
179: 2021/02/14(日) 01:06:11.30 ID:WdMu1val
愛「もしもし!?珍しいね、どうしたの?」
歩夢『愛ちゃんに話したいことがあるの、出来れば直接会って』
愛「……そっか。いつが良い?」
歩夢『今からじゃ駄目かな?』
愛「えっ、今?いいけど、どこに行けば……」
歩夢「愛ちゃんの大学の最寄り駅にいるんだけど、時間ある?」
歩夢『愛ちゃんに話したいことがあるの、出来れば直接会って』
愛「……そっか。いつが良い?」
歩夢『今からじゃ駄目かな?』
愛「えっ、今?いいけど、どこに行けば……」
歩夢「愛ちゃんの大学の最寄り駅にいるんだけど、時間ある?」
184: 2021/02/14(日) 23:04:28.77 ID:WdMu1val
愛「歩夢~~!!」
歩夢「愛ちゃん、急にごめんね」
歩夢は意外とにこやかに、アタシを待っていた。
愛「…なんか歩夢って、会うたびに大人っぽくなってるよね」
歩夢「そう?照れちゃうな」
愛「でも急にびっくりしたよ~?」
歩夢「迷惑かなって思ったけど。どうしても話がしたかったから」
愛「……うん。せっつーの事、だよね?」
歩夢「……」コクリ
愛「あれは愛さんが悪かったんだよ、…今だって」
歩夢「それだけじゃないよ」
歩夢「だってこれは、二人の問題だもん」
歩夢「愛ちゃん、急にごめんね」
歩夢は意外とにこやかに、アタシを待っていた。
愛「…なんか歩夢って、会うたびに大人っぽくなってるよね」
歩夢「そう?照れちゃうな」
愛「でも急にびっくりしたよ~?」
歩夢「迷惑かなって思ったけど。どうしても話がしたかったから」
愛「……うん。せっつーの事、だよね?」
歩夢「……」コクリ
愛「あれは愛さんが悪かったんだよ、…今だって」
歩夢「それだけじゃないよ」
歩夢「だってこれは、二人の問題だもん」
185: 2021/02/14(日) 23:09:06.37 ID:WdMu1val
~数日前~
せつ菜「……やっぱり、見てませんよね」ハァ
「せつ菜せんぱ~い!!」
「せつ菜さん、久しぶりに会えて嬉しい」
せつ菜「…お久しぶりです。かすみさん、璃奈さん」
~~~~
璃奈「今日を逃したらライブまで大忙しって聞いたけど、付き合ってもらって良かった?」
せつ菜「二人と会う方が大事ですよ」
かすみ「本当に久しぶりですよねぇ~、先輩達みんな忙しすぎなんですよ」
璃奈「せつ菜さん、変装しなくて大丈夫なの?」
せつ菜「意外と眼鏡くらいで平気なんですよ、その…やり過ぎると逆に目立っちゃいますから」
璃奈「だってよ、かすみちゃん」
かすみ「ギクッ」
せつ菜「街中ではマスクとサングラスは取った方がいいかと…」
璃奈「何でそんなに重装備なの?」
せつ菜「……やっぱり、見てませんよね」ハァ
「せつ菜せんぱ~い!!」
「せつ菜さん、久しぶりに会えて嬉しい」
せつ菜「…お久しぶりです。かすみさん、璃奈さん」
~~~~
璃奈「今日を逃したらライブまで大忙しって聞いたけど、付き合ってもらって良かった?」
せつ菜「二人と会う方が大事ですよ」
かすみ「本当に久しぶりですよねぇ~、先輩達みんな忙しすぎなんですよ」
璃奈「せつ菜さん、変装しなくて大丈夫なの?」
せつ菜「意外と眼鏡くらいで平気なんですよ、その…やり過ぎると逆に目立っちゃいますから」
璃奈「だってよ、かすみちゃん」
かすみ「ギクッ」
せつ菜「街中ではマスクとサングラスは取った方がいいかと…」
璃奈「何でそんなに重装備なの?」
187: 2021/02/14(日) 23:13:51.38 ID:WdMu1val
かすみ「うぐっ、だって!かすみんだってアイドルへの道を踏み出したんですから、常に周りの目を意識しないと…!」
璃奈「でも、まだ知名度はそんなに」
かすみ「いいの!気持ちが大事なの!」
せつ菜「……ふふっ」
璃奈「この三人だけなのは寂しいけど、今日はたくさんお喋りしよう」
かすみ「全く、早速演劇サークルに入り浸ってるなんてしず子は……」
璃奈「愛さんも用事できたって来ないし…」
せつ菜「あっ!そうですね……」
「「……」」
かすみ「もう、相変わらず分かりやすいですね~」
璃奈「愛さんと、何かあった?」
せつ菜「えっ!?えっと……そうなんですけど、後輩に話すのはちょっと」
璃奈「でも、まだ知名度はそんなに」
かすみ「いいの!気持ちが大事なの!」
せつ菜「……ふふっ」
璃奈「この三人だけなのは寂しいけど、今日はたくさんお喋りしよう」
かすみ「全く、早速演劇サークルに入り浸ってるなんてしず子は……」
璃奈「愛さんも用事できたって来ないし…」
せつ菜「あっ!そうですね……」
「「……」」
かすみ「もう、相変わらず分かりやすいですね~」
璃奈「愛さんと、何かあった?」
せつ菜「えっ!?えっと……そうなんですけど、後輩に話すのはちょっと」
188: 2021/02/14(日) 23:20:30.42 ID:WdMu1val
かすみ「せつ菜先輩が一人で悩むとかそっちの方が心配ですから。話してみてください」
璃奈「むう…、私達も、もう大学生だから」
せつ菜「二人とも…。その、ファンの人に思いを告げられたとして」
璃奈「ファン……うん」
せつ菜「私はそれに答えを返せないまま、会えなくなってしまって…」
璃奈「せつ菜さんはその人の事、どう思ってるの?」
せつ菜「その人は私にとって、とても大切な人です!だからこのままでは絶対に駄目で、でもどうすればいいか……」
かすみ「もうっ、じれったいですね!」
せつ菜「か、かすみさん」
かすみ「あ…相手の人だって、先輩が本気で追いかければ話を聞いてくれますよ!」
かすみ「それもしないで諦めるとか、それでも優木せつ菜なんですか!?」
璃奈「むう…、私達も、もう大学生だから」
せつ菜「二人とも…。その、ファンの人に思いを告げられたとして」
璃奈「ファン……うん」
せつ菜「私はそれに答えを返せないまま、会えなくなってしまって…」
璃奈「せつ菜さんはその人の事、どう思ってるの?」
せつ菜「その人は私にとって、とても大切な人です!だからこのままでは絶対に駄目で、でもどうすればいいか……」
かすみ「もうっ、じれったいですね!」
せつ菜「か、かすみさん」
かすみ「あ…相手の人だって、先輩が本気で追いかければ話を聞いてくれますよ!」
かすみ「それもしないで諦めるとか、それでも優木せつ菜なんですか!?」
189: 2021/02/14(日) 23:26:10.50 ID:WdMu1val
せつ菜「……!」
璃奈「私からも、お願い。愛さんのこと」
せつ菜「璃奈さん…」
璃奈「愛さんが逃げてるところなんて、私見たことないよ。きっとそれだけ戸惑ってるんじゃないかな」
璃奈「それって凄く珍しいことだから……受け止めてあげて欲しいって、思う」
せつ菜「戸惑ってる…愛さんが」
愛『……もう無理かも』
せつ菜「……」グッ
せつ菜「ありがとうございます。そうです、もう一度向き合ってみるしかないですよね!」
せつ菜「お二人にも負けていられませんね!」
かすみ「でもでも、かすみんだって負けませんからね、せつ菜先輩!」
せつ菜「……えぇ、楽しみにしてますよ!」フフッ
せつ菜(私が声を届けるには、私なりのやり方がある)
せつ菜(待っててください、愛さん……!)
璃奈「私からも、お願い。愛さんのこと」
せつ菜「璃奈さん…」
璃奈「愛さんが逃げてるところなんて、私見たことないよ。きっとそれだけ戸惑ってるんじゃないかな」
璃奈「それって凄く珍しいことだから……受け止めてあげて欲しいって、思う」
せつ菜「戸惑ってる…愛さんが」
愛『……もう無理かも』
せつ菜「……」グッ
せつ菜「ありがとうございます。そうです、もう一度向き合ってみるしかないですよね!」
せつ菜「お二人にも負けていられませんね!」
かすみ「でもでも、かすみんだって負けませんからね、せつ菜先輩!」
せつ菜「……えぇ、楽しみにしてますよ!」フフッ
せつ菜(私が声を届けるには、私なりのやり方がある)
せつ菜(待っててください、愛さん……!)
201: 2021/02/18(木) 22:10:32.51 ID:ypjASC+b
だいぶ時間が経ってすみません
保守ありがとうございます……!
保守ありがとうございます……!
202: 2021/02/18(木) 22:15:31.83 ID:ypjASC+b
今日最後まで投稿する予定です
203: 2021/02/18(木) 22:16:28.48 ID:ypjASC+b
歩夢「愛ちゃん、チケット届いた?」
愛「え、何の?」
歩夢「あれ?まだ見てないんだ、菜々ちゃんの誕生日ライブのチケット」
愛「…見てないかな」
歩夢「実家に送ったって言ってたから、見てあげて欲しいな」
愛「歩夢、聞いてると思うけど、アタシは…」
歩夢「菜々ちゃんには会えない?」
愛「酷いことしたんだよ、会えない」
歩夢「うーん…でも菜々ちゃんは会いたがってるんじゃないかな?連絡、来てるでしょ?」
愛「……歩夢はさ、せっつーから話聞いてるんでしょ?だったら」
歩夢「私、詳しい話は知らないよ。聞いたんだけど教えてもらえなかったの」
歩夢「愛ちゃんと話がしたいけど連絡が取れない、部屋にも帰ってこないってだけ」
愛「え、何の?」
歩夢「あれ?まだ見てないんだ、菜々ちゃんの誕生日ライブのチケット」
愛「…見てないかな」
歩夢「実家に送ったって言ってたから、見てあげて欲しいな」
愛「歩夢、聞いてると思うけど、アタシは…」
歩夢「菜々ちゃんには会えない?」
愛「酷いことしたんだよ、会えない」
歩夢「うーん…でも菜々ちゃんは会いたがってるんじゃないかな?連絡、来てるでしょ?」
愛「……歩夢はさ、せっつーから話聞いてるんでしょ?だったら」
歩夢「私、詳しい話は知らないよ。聞いたんだけど教えてもらえなかったの」
歩夢「愛ちゃんと話がしたいけど連絡が取れない、部屋にも帰ってこないってだけ」
204: 2021/02/18(木) 22:21:37.29 ID:ypjASC+b
愛(確かに、せっつーはあの夜のこと話す性格じゃないか……)
愛「でも何があったか何となく気づいてるんじゃない?」
歩夢「…うん、会って分かった。さっきから愛ちゃん…凄く迷ってる顔だもん」
歩夢「少しでいいから話してみて?その気持ち、私は多分分かると思うんだ」
~~~~~
近くのカフェに入って数分。
歩夢「珍しいね、愛ちゃんと居てこんなに黙ってるの」
愛「あはは…ごめん、来てくれたのに。それで…せっつーの事なんだけど」
歩夢「愛ちゃんは菜々ちゃんのことが好きなんでしょ?」
愛「……うん」
歩夢「それを伝えられないのは、アイドルだから?」
愛「でも何があったか何となく気づいてるんじゃない?」
歩夢「…うん、会って分かった。さっきから愛ちゃん…凄く迷ってる顔だもん」
歩夢「少しでいいから話してみて?その気持ち、私は多分分かると思うんだ」
~~~~~
近くのカフェに入って数分。
歩夢「珍しいね、愛ちゃんと居てこんなに黙ってるの」
愛「あはは…ごめん、来てくれたのに。それで…せっつーの事なんだけど」
歩夢「愛ちゃんは菜々ちゃんのことが好きなんでしょ?」
愛「……うん」
歩夢「それを伝えられないのは、アイドルだから?」
205: 2021/02/18(木) 22:25:37.74 ID:ypjASC+b
愛「それもあるけど…ううん、一番はアタシが逃げてるだけかな。怖がってるだけ」
歩夢「怖い?」
愛「気づいたら、せっつーの気持ちがアタシ一人に向いてたら…なんて考えてた」
歩夢「独占したい、ってこと?」
愛「……歩夢って、高校の頃はせっつーのこと「せつ菜ちゃん」って読んでたよね」
歩夢「うん?そうだね」
愛「いつから?理由とか聞いてもいい?」
歩夢「えっ、えーっと、卒業した後かな。理由は…うーん…内緒」
愛「もう一つ、せっつーに香水あげたのって歩夢?」
歩夢「…香水?ううん、プレゼントはしてないよ」
愛「そっか……ゴメン、変なこと聞いた」
歩夢「う、ううん……」
愛「歩夢がせっつーのこと、よく知ってるなーって思ったら凄い気になってさ……」
愛「こんな事、愛さん今まで無かったんだけどなぁ」
歩夢「怖い?」
愛「気づいたら、せっつーの気持ちがアタシ一人に向いてたら…なんて考えてた」
歩夢「独占したい、ってこと?」
愛「……歩夢って、高校の頃はせっつーのこと「せつ菜ちゃん」って読んでたよね」
歩夢「うん?そうだね」
愛「いつから?理由とか聞いてもいい?」
歩夢「えっ、えーっと、卒業した後かな。理由は…うーん…内緒」
愛「もう一つ、せっつーに香水あげたのって歩夢?」
歩夢「…香水?ううん、プレゼントはしてないよ」
愛「そっか……ゴメン、変なこと聞いた」
歩夢「う、ううん……」
愛「歩夢がせっつーのこと、よく知ってるなーって思ったら凄い気になってさ……」
愛「こんな事、愛さん今まで無かったんだけどなぁ」
206: 2021/02/18(木) 22:31:16.67 ID:ypjASC+b
愛「一人だけにこんな大きな気持ちが向くのが怖いんだ、そのせいで…せっつーも傷つけちゃった」
歩夢「傷つけたって、そんなことは…」
愛「あるよ!せっつー、あの時困ってた……!」
歩夢「愛ちゃん……」
愛「好きとも言ってないのに押し倒すとか、普通に犯罪だよ…」
歩夢「そ、そんなことは…ないんじゃないかな……」
歩夢「……多分」
愛「相談に乗ってもらってゴメンだけど、歩夢にはこの気持ち、馴染みがないかも」
歩夢「ううん、分かるよ」
愛「え?」
歩夢「私も同じこと、昔悩んでたから分かる」
愛「でも歩夢は…その、ゆうゆに」
歩夢「正確には今の愛ちゃんと逆、かな」
歩夢「傷つけたって、そんなことは…」
愛「あるよ!せっつー、あの時困ってた……!」
歩夢「愛ちゃん……」
愛「好きとも言ってないのに押し倒すとか、普通に犯罪だよ…」
歩夢「そ、そんなことは…ないんじゃないかな……」
歩夢「……多分」
愛「相談に乗ってもらってゴメンだけど、歩夢にはこの気持ち、馴染みがないかも」
歩夢「ううん、分かるよ」
愛「え?」
歩夢「私も同じこと、昔悩んでたから分かる」
愛「でも歩夢は…その、ゆうゆに」
歩夢「正確には今の愛ちゃんと逆、かな」
207: 2021/02/18(木) 22:39:53.62 ID:ypjASC+b
歩夢「ずっと同じ人に向けてると思ってた気持ちが、たくさんの人に広がってる気がして……自分が変わっていくのが、凄く怖かった」
愛「あ……」
愛(今のアタシと同じ……?)
歩夢「それでも、進まなきゃいけない」
愛「っ、どうやって?」
歩夢「一人で悩んじゃ、駄目なんだと思う。誰かに背中を押して貰えばいいんだよ」
愛「それだけでいいの?」
歩夢「愛ちゃん、二人でちゃんと話して?」
歩夢「そしたら意外と、気持ちは通じるかもよ」
愛「……!」
愛(あの夜から、せっつーとは話してない)
愛「アタシ一人で悩んでても、ダメってことか……」
歩夢「……うん。言葉にしちゃうと、簡単だけどね」
愛「あ……」
愛(今のアタシと同じ……?)
歩夢「それでも、進まなきゃいけない」
愛「っ、どうやって?」
歩夢「一人で悩んじゃ、駄目なんだと思う。誰かに背中を押して貰えばいいんだよ」
愛「それだけでいいの?」
歩夢「愛ちゃん、二人でちゃんと話して?」
歩夢「そしたら意外と、気持ちは通じるかもよ」
愛「……!」
愛(あの夜から、せっつーとは話してない)
愛「アタシ一人で悩んでても、ダメってことか……」
歩夢「……うん。言葉にしちゃうと、簡単だけどね」
209: 2021/02/18(木) 22:53:08.93 ID:ypjASC+b
愛「それでも、愛さんは出来てなかったよ」
歩夢「あ、そうだ。私が呼び方を変えたのはね」
愛「え、教えてくれるの?」
歩夢「せつ菜ちゃんはかっこいいアイドルだったけど」
歩夢「私にとっては「中川菜々ちゃん」も親友だから。…卒業して呼ぶ人がいなくなるのは、寂しいから」
愛「そっか……。色々ありがとう、歩夢」
歩夢「二人とも私にとっての親友だもん、当たり前だよ」
歩夢「それに…今度は私が背中を押す番だから」
歩夢と別れた後。
ずっと開けなかった画面を開く。
愛「……よし!」
『ずっと無視して、ごめん』
『チケットありがとう!誕生日ライブ、絶対見に行くから!!』
歩夢「あ、そうだ。私が呼び方を変えたのはね」
愛「え、教えてくれるの?」
歩夢「せつ菜ちゃんはかっこいいアイドルだったけど」
歩夢「私にとっては「中川菜々ちゃん」も親友だから。…卒業して呼ぶ人がいなくなるのは、寂しいから」
愛「そっか……。色々ありがとう、歩夢」
歩夢「二人とも私にとっての親友だもん、当たり前だよ」
歩夢「それに…今度は私が背中を押す番だから」
歩夢と別れた後。
ずっと開けなかった画面を開く。
愛「……よし!」
『ずっと無視して、ごめん』
『チケットありがとう!誕生日ライブ、絶対見に行くから!!』
211: 2021/02/18(木) 23:25:52.80 ID:ypjASC+b
~8月8日 ライブ当日~
愛「……会場、大きいなぁ」
侑「おーい、愛ちゃーん!!」
愛「ゆうゆ!来てたんだねー!」
歩夢「愛ちゃん!良かった……久しぶり」
愛「うん!」
侑「じゃあ歩夢、終わったら入口でね!」ダダッ
愛「あれ、ゆうゆは席違うの?」
歩夢「侑ちゃんは自分で取った席で見るって…」
愛「こだわってるね~、じゃあ行こっか!」
\ワーワー!/ \ザワザワ……/
始まる前から、ライブの熱気が伝わってくる。
愛(ここの皆が優木せつ菜を待ってるんだ……)
愛「頑張れ、せっつー」
愛「……会場、大きいなぁ」
侑「おーい、愛ちゃーん!!」
愛「ゆうゆ!来てたんだねー!」
歩夢「愛ちゃん!良かった……久しぶり」
愛「うん!」
侑「じゃあ歩夢、終わったら入口でね!」ダダッ
愛「あれ、ゆうゆは席違うの?」
歩夢「侑ちゃんは自分で取った席で見るって…」
愛「こだわってるね~、じゃあ行こっか!」
\ワーワー!/ \ザワザワ……/
始まる前から、ライブの熱気が伝わってくる。
愛(ここの皆が優木せつ菜を待ってるんだ……)
愛「頑張れ、せっつー」
212: 2021/02/18(木) 23:34:04.09 ID:ypjASC+b
歩夢「あ、暗くなって……」
幕が上がる。
せつ菜「ここに来てくれたみなさんっ!」
せつ菜「今日は私の誕生日に集まってくれて、ありがとーー!!」
\ワーー!!/
愛「……!」
この日のライブは盛りだくさんで、大歓声の中進んだ。
アタシはせっつーの姿をたくさん目に焼きつけたはず、なんだけど。
実は、覚えているのはライブの最後だけなんだ。
何時間も叫んだ後、それでもアンコールの声が止まない中で、愛さんも隣の歩夢も、ずっとずっと叫んでいた。
愛「アンコール!アンコール!!アンコール……あっ」
せつ菜「……」
せつ菜「アンコールありがとう!最後に、今日のために作った新曲を歌いたいと思います!!」
幕が上がる。
せつ菜「ここに来てくれたみなさんっ!」
せつ菜「今日は私の誕生日に集まってくれて、ありがとーー!!」
\ワーー!!/
愛「……!」
この日のライブは盛りだくさんで、大歓声の中進んだ。
アタシはせっつーの姿をたくさん目に焼きつけたはず、なんだけど。
実は、覚えているのはライブの最後だけなんだ。
何時間も叫んだ後、それでもアンコールの声が止まない中で、愛さんも隣の歩夢も、ずっとずっと叫んでいた。
愛「アンコール!アンコール!!アンコール……あっ」
せつ菜「……」
せつ菜「アンコールありがとう!最後に、今日のために作った新曲を歌いたいと思います!!」
213: 2021/02/18(木) 23:40:56.13 ID:ypjASC+b
せつ菜「……その前に」
せつ菜「この曲は私を支えてくれた人達への、感謝を込めた曲です」
せつ菜「これまで…私は夢を追いかけて、数えきれない人達に助けられてきて」
せつ菜「危なっかしい私ですが、暖かい場所を皆がくれた……私は本当に幸せ者です」
愛「……」
せつ菜「今度は私が、誰かを支える側になりたい。……そんな決意も込めました!」
せつ菜「……」フッ
愛(……笑った?)
せつ菜「それでは!」
せつ菜「悲しい時も切ない時も、皆に安心できる場所が出来ますように!…愛を込めて!」
せつ菜「聴いてください、『I'm home!』」
ーーー
ーー
せつ菜「この曲は私を支えてくれた人達への、感謝を込めた曲です」
せつ菜「これまで…私は夢を追いかけて、数えきれない人達に助けられてきて」
せつ菜「危なっかしい私ですが、暖かい場所を皆がくれた……私は本当に幸せ者です」
愛「……」
せつ菜「今度は私が、誰かを支える側になりたい。……そんな決意も込めました!」
せつ菜「……」フッ
愛(……笑った?)
せつ菜「それでは!」
せつ菜「悲しい時も切ない時も、皆に安心できる場所が出来ますように!…愛を込めて!」
せつ菜「聴いてください、『I'm home!』」
ーーー
ーー
216: 2021/02/18(木) 23:54:28.70 ID:ypjASC+b
ー
『ライブはこれにて終了となります、ご来場のお客様は足元に注意して……』
愛「……」
歩夢「ふぅ、すごかったね……愛ちゃん?」
愛「……っ」プルプル
歩夢「な、泣いてるの!?タオル使う……って」
愛「っ、あははっ!!」
歩夢「え、ええっ……?」
愛「最後、曲の前のアレ!切ない、って…愛を込めてとI'm homeって……急にダジャレ入れてくるなんて……」
歩夢「えぇ……?」
愛「自分の名前と掛けてくるとか流石せっつー!ホントにど直球!!」
歩夢「うーん……?」
歩夢(愛を込めて、が掛かってるのは多分……)
歩夢(愛ちゃんも意外と鈍感?)
愛「……っ、はぁもう、本当に直球……///」
歩夢(伝わってる、かな?)クスッ
『ライブはこれにて終了となります、ご来場のお客様は足元に注意して……』
愛「……」
歩夢「ふぅ、すごかったね……愛ちゃん?」
愛「……っ」プルプル
歩夢「な、泣いてるの!?タオル使う……って」
愛「っ、あははっ!!」
歩夢「え、ええっ……?」
愛「最後、曲の前のアレ!切ない、って…愛を込めてとI'm homeって……急にダジャレ入れてくるなんて……」
歩夢「えぇ……?」
愛「自分の名前と掛けてくるとか流石せっつー!ホントにど直球!!」
歩夢「うーん……?」
歩夢(愛を込めて、が掛かってるのは多分……)
歩夢(愛ちゃんも意外と鈍感?)
愛「……っ、はぁもう、本当に直球……///」
歩夢(伝わってる、かな?)クスッ
217: 2021/02/19(金) 00:06:27.40 ID:I5m0JfnF
侑「いた~!二人とも~~!!」オーイ
歩夢「あ、侑ちゃん」
歩夢「私はこの後、楽屋に寄ってみようかな。愛ちゃんはどうする?」
愛「へ、うーん、愛さんは……」
愛「楽屋には行かないかな。ちゃんと待ってる」
歩夢「……うん、分かった」
愛「じゃあまた今度、四人で…」
歩夢「あの、愛ちゃん!」
愛「ん?」
歩夢「……もう、大丈夫?」
愛「うん。まだ少しまとまってないけど…自分の気持ちは、ちゃんと伝えなきゃね」
歩夢「愛ちゃんはもう、自分の想いに気づいてるもん。それをぶつければ、きっと大丈夫」
歩夢「……昔ね、悩んでる時に言われた言葉なんだけど。夢でも、多分恋でも…」
歩夢「始まったのなら…貫くのみ、だよ!」
歩夢「あ、侑ちゃん」
歩夢「私はこの後、楽屋に寄ってみようかな。愛ちゃんはどうする?」
愛「へ、うーん、愛さんは……」
愛「楽屋には行かないかな。ちゃんと待ってる」
歩夢「……うん、分かった」
愛「じゃあまた今度、四人で…」
歩夢「あの、愛ちゃん!」
愛「ん?」
歩夢「……もう、大丈夫?」
愛「うん。まだ少しまとまってないけど…自分の気持ちは、ちゃんと伝えなきゃね」
歩夢「愛ちゃんはもう、自分の想いに気づいてるもん。それをぶつければ、きっと大丈夫」
歩夢「……昔ね、悩んでる時に言われた言葉なんだけど。夢でも、多分恋でも…」
歩夢「始まったのなら…貫くのみ、だよ!」
219: 2021/02/19(金) 00:26:25.76 ID:I5m0JfnF
愛「歩夢……。ありがとう!次はみんなで会おうね!」ダッ
歩夢「うん!って、もう行っちゃった」
歩夢「これで…少しはお返しできたかな?」
侑「歩夢~!あっちで写真…って、大丈夫?」
歩夢「ゆ、侑ちゃん」
侑「顔真っ赤だけど……どうしたの!?」
歩夢「ち、違うの…冷静になって急に恥ずかしくなったとかそういうのじゃないの……///」
侑「なにを?」
歩夢(うう…さっきの言葉、愛ちゃんが菜々ちゃんに言いませんように……!)
『ライブ、すごい良かったよ!』
『せっつーに言いたいことはたくさんあるんだけど』
『家で待ってます!』
愛「うん、これでよし」
ラインを送って、一旦終わり。
何時かは分からないけど、帰りを待とう。
その間にも、会場からは、観客がどんどん出てくる。
愛(ん……?)
愛「今すれ違った人、あの香水……!」
歩夢「うん!って、もう行っちゃった」
歩夢「これで…少しはお返しできたかな?」
侑「歩夢~!あっちで写真…って、大丈夫?」
歩夢「ゆ、侑ちゃん」
侑「顔真っ赤だけど……どうしたの!?」
歩夢「ち、違うの…冷静になって急に恥ずかしくなったとかそういうのじゃないの……///」
侑「なにを?」
歩夢(うう…さっきの言葉、愛ちゃんが菜々ちゃんに言いませんように……!)
『ライブ、すごい良かったよ!』
『せっつーに言いたいことはたくさんあるんだけど』
『家で待ってます!』
愛「うん、これでよし」
ラインを送って、一旦終わり。
何時かは分からないけど、帰りを待とう。
その間にも、会場からは、観客がどんどん出てくる。
愛(ん……?)
愛「今すれ違った人、あの香水……!」
220: 2021/02/19(金) 00:47:43.61 ID:I5m0JfnF
愛「あの、すみません!」
「はい……?」
愛(しまった、つい声かけちゃったけど!?)
「あの、何か……?」
愛「あ、えっと……その、香水がですね」
愛(これじゃ不審者だよ…!よく見たらウチのお母さんくらいの人だし!)
「あら、貴女……!菜々の」
愛「え?」
「いいえ、なんでも……。急いでいるので失礼していいかしら?」
愛「は、はい!呼び止めてすみませんでした…」
「……」
「この香水、いい香りでしょう?」
愛「ええ、とっても!」
「娘も好きでね、昔あげるって約束してたのよ。……それじゃあね」
愛「そりゃあ、好きな香りだよねぇ。せっつー」
「はい……?」
愛(しまった、つい声かけちゃったけど!?)
「あの、何か……?」
愛「あ、えっと……その、香水がですね」
愛(これじゃ不審者だよ…!よく見たらウチのお母さんくらいの人だし!)
「あら、貴女……!菜々の」
愛「え?」
「いいえ、なんでも……。急いでいるので失礼していいかしら?」
愛「は、はい!呼び止めてすみませんでした…」
「……」
「この香水、いい香りでしょう?」
愛「ええ、とっても!」
「娘も好きでね、昔あげるって約束してたのよ。……それじゃあね」
愛「そりゃあ、好きな香りだよねぇ。せっつー」
227: 2021/02/19(金) 23:10:09.91 ID:I5m0JfnF
ガチャッ
「ただいま」
何ヶ月かぶりに、この部屋に戻ってきた。
アタシがいない間も、せっつーはここで暮らしてたらしい。
愛「ホントに久しぶりだな~…あ、」ピロリン
せつ菜『今から帰ります』
それだけのメッセージが、何だか嬉しい。
愛「……えへへ」
愛「次は愛さんの番っと」
その後は部屋を歩き回ったり、キッチンでぬか床の様子を見たり、ぐるぐると時間が過ぎるのを待った。
愛「なんかソワソワしてない?……自分の家なのに」
愛「冷たい物でも飲も……」
ガチャッ
愛「!」
「ただいま」
何ヶ月かぶりに、この部屋に戻ってきた。
アタシがいない間も、せっつーはここで暮らしてたらしい。
愛「ホントに久しぶりだな~…あ、」ピロリン
せつ菜『今から帰ります』
それだけのメッセージが、何だか嬉しい。
愛「……えへへ」
愛「次は愛さんの番っと」
その後は部屋を歩き回ったり、キッチンでぬか床の様子を見たり、ぐるぐると時間が過ぎるのを待った。
愛「なんかソワソワしてない?……自分の家なのに」
愛「冷たい物でも飲も……」
ガチャッ
愛「!」
228: 2021/02/19(金) 23:16:30.87 ID:I5m0JfnF
愛「あ、」
ドアが開いて、彼女が入ってきた。
せつ菜「…ただいま帰りました、愛さん」
愛「…おかえり、せっつー!」
せつ菜「良かった、ちゃんと居てくれて」
愛「ハハ…ごめんね。こんな久しぶりになって」
せつ菜「いいんです、私も会いに行けませんでしたから」
せつ菜「おかえりなさい、愛さん」
愛「うん、ただいま!」
愛「……疲れてると思うけど、せっつーに言いたいことがあるんだ」
せつ菜「はい」
愛「まず、この前のこと謝らせて。勘違いで色々して逃げてごめん!」
ドアが開いて、彼女が入ってきた。
せつ菜「…ただいま帰りました、愛さん」
愛「…おかえり、せっつー!」
せつ菜「良かった、ちゃんと居てくれて」
愛「ハハ…ごめんね。こんな久しぶりになって」
せつ菜「いいんです、私も会いに行けませんでしたから」
せつ菜「おかえりなさい、愛さん」
愛「うん、ただいま!」
愛「……疲れてると思うけど、せっつーに言いたいことがあるんだ」
せつ菜「はい」
愛「まず、この前のこと謝らせて。勘違いで色々して逃げてごめん!」
229: 2021/02/19(金) 23:20:09.08 ID:I5m0JfnF
せつ菜「勘違い…あの、愛さん。この前の香水は」
愛「あ、大丈夫。それはもう解決したから!」
せつ菜「えっ!?何でですか?」
愛「とにかく、アタシがあんな事したのは…結局ただの嫉妬だったんだ」
せつ菜「は、はい」
愛「その、つまり……アタシはせっつーのこと」
せつ菜「待ってください!」
愛「えっ、ここで止められると愛さん傷つくんだけど……」
せつ菜「私から言わせて欲しいんです!」
愛「え~、ダメ!愛さんから言う!」
せつ菜「いえ!ルームシェアに誘ってくれたのも愛さんなんですよ、ここは私が……」
愛「あ、大丈夫。それはもう解決したから!」
せつ菜「えっ!?何でですか?」
愛「とにかく、アタシがあんな事したのは…結局ただの嫉妬だったんだ」
せつ菜「は、はい」
愛「その、つまり……アタシはせっつーのこと」
せつ菜「待ってください!」
愛「えっ、ここで止められると愛さん傷つくんだけど……」
せつ菜「私から言わせて欲しいんです!」
愛「え~、ダメ!愛さんから言う!」
せつ菜「いえ!ルームシェアに誘ってくれたのも愛さんなんですよ、ここは私が……」
230: 2021/02/19(金) 23:31:23.06 ID:I5m0JfnF
愛「せっつーはライブで色々言ってくれたでしょ!愛さんだって色々考えて……」
「「む……」」
せつ菜「……っ、ふふ。もう言っているのと同じですね」
せつ菜「大好きですよ、愛さん」
愛「あ、っ、せっつーずるい!先に……もう!」
せつ菜「ちょ、急に抱きつかないで」
愛「愛さんだって!愛してるよ。せっつー」
せつ菜「……っ///」
愛「だから……これからも、一緒にいてくれる?」
せつ菜「……はい、喜んで」
「「む……」」
せつ菜「……っ、ふふ。もう言っているのと同じですね」
せつ菜「大好きですよ、愛さん」
愛「あ、っ、せっつーずるい!先に……もう!」
せつ菜「ちょ、急に抱きつかないで」
愛「愛さんだって!愛してるよ。せっつー」
せつ菜「……っ///」
愛「だから……これからも、一緒にいてくれる?」
せつ菜「……はい、喜んで」
231: 2021/02/19(金) 23:48:39.57 ID:I5m0JfnF
愛「……ふぅ、やっと言えた~~、やっぱり緊張した~」
せつ菜「私もです……」
せつ菜「ライブの後にこんな事を言うのは、ファンに怒られてしまいますね」
せつ菜「あの、愛さん」
愛「ん~?」
せつ菜「あの…私達、外でデートとか…ちゃんと出来ないかもしれません」
せっつーが離れようとするから、もう一回抱きしめる。
愛「アイドルだもんね……でも大丈夫!」
愛「愛さん今、優木せつ菜と付き合う気はないから!」
せつ菜「……はい?」
せつ菜「私もです……」
せつ菜「ライブの後にこんな事を言うのは、ファンに怒られてしまいますね」
せつ菜「あの、愛さん」
愛「ん~?」
せつ菜「あの…私達、外でデートとか…ちゃんと出来ないかもしれません」
せっつーが離れようとするから、もう一回抱きしめる。
愛「アイドルだもんね……でも大丈夫!」
愛「愛さん今、優木せつ菜と付き合う気はないから!」
せつ菜「……はい?」
233: 2021/02/19(金) 23:52:25.29 ID:I5m0JfnF
せつ菜「え、ちょっと待ってくださいね?私なんだか混乱して……」
愛「あー。待ってせっつー、ちゃんと説明するね」
愛「ずっと考えてたんだ。せっつーがファンを大事にしてるのは知ってる」
愛(これからもっと、この子のファンは増える)
愛「だからね、アイドルと恋人になるのは保留!」
せつ菜「ほりゅ、え、それでいいんですか?」
愛「それで……」ギューッ
愛「中川菜々はアタシの恋人ってことで!」
せつ菜「え?」
愛「もう、せっつー…。さっきから、え?ばっかりだよ~」
せつ菜「う、だって……愛さんが考えてくれたのは嬉しいですけど、それは屁理屈というのでは」
愛「でも良い屁理屈でしょ?」
せつ菜「そう……ですね」
愛「あー。待ってせっつー、ちゃんと説明するね」
愛「ずっと考えてたんだ。せっつーがファンを大事にしてるのは知ってる」
愛(これからもっと、この子のファンは増える)
愛「だからね、アイドルと恋人になるのは保留!」
せつ菜「ほりゅ、え、それでいいんですか?」
愛「それで……」ギューッ
愛「中川菜々はアタシの恋人ってことで!」
せつ菜「え?」
愛「もう、せっつー…。さっきから、え?ばっかりだよ~」
せつ菜「う、だって……愛さんが考えてくれたのは嬉しいですけど、それは屁理屈というのでは」
愛「でも良い屁理屈でしょ?」
せつ菜「そう……ですね」
234: 2021/02/19(金) 23:59:57.58 ID:I5m0JfnF
愛「それに愛さんが好きなのは、真面目で頑張り屋で…でも家ではぼーっとしてる時もあって……そんなせっつーだから、ね?」
愛「だから大丈夫!」
せつ菜「愛さん……」
せつ菜「嬉しいです、けど急にそんなに言わないでください……!」
愛「えー、先に言われたからお返し!」
せつ菜「もう…じゃあ……恋人として、ずっとよろしく」ギュッ
愛「!……うん、ずっとね」
愛「だから大丈夫!」
せつ菜「愛さん……」
せつ菜「嬉しいです、けど急にそんなに言わないでください……!」
愛「えー、先に言われたからお返し!」
せつ菜「もう…じゃあ……恋人として、ずっとよろしく」ギュッ
愛「!……うん、ずっとね」
235: 2021/02/20(土) 00:05:11.73 ID:FCX0/dxw
愛「なんかずっと立ったまま喋ってたねー」
せつ菜「早く話したかったんですよ」
愛「せっつーは今日疲れてるもんね、お風呂入って寝ないと……って、ああ!」
せつ菜「な、何ですか!?」
愛「今日からお酒飲めるじゃん!誕生日おめでとう
!」
せつ菜「あ、ありがとう……?」
愛「直接言おうと思って忘れてたよ~。言いたいことを溜めすぎたなぁ」
愛「せっかくだから、お酒飲む?」
せつ菜「今からですか?また今度にしましょうよ」
愛「え~、でも最初は愛さんの前で飲んでね?せっつーが外で飲むとか不安だよー」
せつ菜「だ、大丈夫ですよ!」
せつ菜「早く話したかったんですよ」
愛「せっつーは今日疲れてるもんね、お風呂入って寝ないと……って、ああ!」
せつ菜「な、何ですか!?」
愛「今日からお酒飲めるじゃん!誕生日おめでとう
!」
せつ菜「あ、ありがとう……?」
愛「直接言おうと思って忘れてたよ~。言いたいことを溜めすぎたなぁ」
愛「せっかくだから、お酒飲む?」
せつ菜「今からですか?また今度にしましょうよ」
愛「え~、でも最初は愛さんの前で飲んでね?せっつーが外で飲むとか不安だよー」
せつ菜「だ、大丈夫ですよ!」
236: 2021/02/20(土) 00:12:14.59 ID:FCX0/dxw
愛「ホントかな~。前にお持ち帰りされかけてたしなぁ……」
せつ菜「あれは…、もう平気です。あんな無茶はもうしませんから」
せつ菜「その、」
せつ菜「それより愛さん、私も一つ言い忘れたことがあるんです」
愛「なに?」
せつ菜「その……えっと、……じゃ、なかったですから」
愛「ん?」
せつ菜「だから、あの時の、き、キス!私だって嫌じゃなかったって事です!」
愛「……へ!?」
せつ菜「う、私だって愛さんが好きだったんですよ?嫌な訳ないじゃないですか」
愛「だって、せ、せっつーが大声で変なこと言うから……!」
せつ菜「変なことってなんですかぁ……///」
愛(あ、せっつーがお酒飲んだみたいに真っ赤に)
せつ菜「あれは…、もう平気です。あんな無茶はもうしませんから」
せつ菜「その、」
せつ菜「それより愛さん、私も一つ言い忘れたことがあるんです」
愛「なに?」
せつ菜「その……えっと、……じゃ、なかったですから」
愛「ん?」
せつ菜「だから、あの時の、き、キス!私だって嫌じゃなかったって事です!」
愛「……へ!?」
せつ菜「う、私だって愛さんが好きだったんですよ?嫌な訳ないじゃないですか」
愛「だって、せ、せっつーが大声で変なこと言うから……!」
せつ菜「変なことってなんですかぁ……///」
愛(あ、せっつーがお酒飲んだみたいに真っ赤に)
238: 2021/02/20(土) 00:34:39.46 ID:FCX0/dxw
愛(まあそれは、愛さんも一緒…かな)
愛「じゃあする?もう一回」
せつ菜「ふぇっ!?」
愛(もっと真っ赤に)
愛「ま、せっつーが嫌なら……ん、」
せつ菜「っ、」
愛「!」
せつ菜「……っ、はぁ、嫌じゃないです」
愛「……ぅ、うん」
せつ菜「……やっぱり、もう少し背が高かったらよかったです」
愛「じゃあする?もう一回」
せつ菜「ふぇっ!?」
愛(もっと真っ赤に)
愛「ま、せっつーが嫌なら……ん、」
せつ菜「っ、」
愛「!」
せつ菜「……っ、はぁ、嫌じゃないです」
愛「……ぅ、うん」
せつ菜「……やっぱり、もう少し背が高かったらよかったです」
239: 2021/02/20(土) 00:48:09.79 ID:FCX0/dxw
せつ菜「不意打ちしづらい、んぅ!?」
愛「……は、愛さんは小さいせっつーも好きだよ?抱きつくのにちょうどいいし」
せつ菜「……やっぱり、高い方がいいです」ギュッ
愛「……もう一回、する?」
せつ菜「はい」
愛(しまった、またせっつーの顔が見えない)
愛「ねぇせっつー、続きしても…いい?」
せつ菜「……はい」
顔を上げた真っ赤なせっつーは、とっても可愛かった。
せつ菜「わっ、愛さん!?」
愛「せっつーって軽いよね。前も布団に運んだし」
リビングからせっつーを抱えて出ていこうとした瞬間、恋人が暴れ出した。
愛「……は、愛さんは小さいせっつーも好きだよ?抱きつくのにちょうどいいし」
せつ菜「……やっぱり、高い方がいいです」ギュッ
愛「……もう一回、する?」
せつ菜「はい」
愛(しまった、またせっつーの顔が見えない)
愛「ねぇせっつー、続きしても…いい?」
せつ菜「……はい」
顔を上げた真っ赤なせっつーは、とっても可愛かった。
せつ菜「わっ、愛さん!?」
愛「せっつーって軽いよね。前も布団に運んだし」
リビングからせっつーを抱えて出ていこうとした瞬間、恋人が暴れ出した。
240: 2021/02/20(土) 00:53:35.99 ID:FCX0/dxw
せつ菜「待って、お風呂!」
愛「後でいいんじゃない?」
せつ菜「駄目です!ライブの後汗拭いただけなんですよ、流石にダメです!」
愛「えー、愛さん待てないよ」
せつ菜「すぐ戻りますから……!」
愛「……うー、しょうがないなぁ、気持ちは分かるけどさ…」
本当に嫌々、ゆっくりせっつーを床に降ろす。
せつ菜「待たせてごめんなさい。でも……これからずっと、一緒にいますから」タタッ
愛「……///」
愛(相変わらず、せっつーは反則……!)
愛「後でいいんじゃない?」
せつ菜「駄目です!ライブの後汗拭いただけなんですよ、流石にダメです!」
愛「えー、愛さん待てないよ」
せつ菜「すぐ戻りますから……!」
愛「……うー、しょうがないなぁ、気持ちは分かるけどさ…」
本当に嫌々、ゆっくりせっつーを床に降ろす。
せつ菜「待たせてごめんなさい。でも……これからずっと、一緒にいますから」タタッ
愛「……///」
愛(相変わらず、せっつーは反則……!)
241: 2021/02/20(土) 00:57:02.73 ID:FCX0/dxw
それからも、まあ色々あって。
アタシとせっつーとの生活は、ずっと続いている。
ピリリリリ……
愛「ん……?」
せつ菜「……」スヤスヤ
愛「せっつーおはよ……って、まだ寝てるか」
愛「……クシュっ、さむっ!?ちょっとせっつー、布団独り占めしないで愛さんにも貸して!」
せつ菜「ん……、あれ、愛さん?」
愛「おはようせっつー、とりあえず隣入れて」
せつ菜「愛さん冷たい……」
愛「昨日せっつーが色々蹴り飛ばすから……」
せつ菜「私のせいなんですか?今日は二人とも休みだからゆっくり寝ようって言ったのに……」
愛「と、とにかく!愛さんが暖かくなるまでこのまま!せっつーまだ眠いでしょ?」
せつ菜「そうですね、じゃあもう少し寝る…」
アタシとせっつーとの生活は、ずっと続いている。
ピリリリリ……
愛「ん……?」
せつ菜「……」スヤスヤ
愛「せっつーおはよ……って、まだ寝てるか」
愛「……クシュっ、さむっ!?ちょっとせっつー、布団独り占めしないで愛さんにも貸して!」
せつ菜「ん……、あれ、愛さん?」
愛「おはようせっつー、とりあえず隣入れて」
せつ菜「愛さん冷たい……」
愛「昨日せっつーが色々蹴り飛ばすから……」
せつ菜「私のせいなんですか?今日は二人とも休みだからゆっくり寝ようって言ったのに……」
愛「と、とにかく!愛さんが暖かくなるまでこのまま!せっつーまだ眠いでしょ?」
せつ菜「そうですね、じゃあもう少し寝る…」
242: 2021/02/20(土) 01:05:54.80 ID:FCX0/dxw
愛「……せっつーってさ、意識がふわふわしてると敬語消えるよね」
せつ菜「……?そう?」
愛「消えてるよー。今とか、覚えてない?昨日の夜だって……いた、痛い、枕は痛いって!」
せつ菜「やっぱり起きる…起きます!」
~~~~~~
せつ菜「コーヒーどうぞ」
愛「ありがと」
せつ菜「そういえば、休みなのになんで目覚ましセットしたんでしょう……」
愛「まだ寝ぼけてるね~。今日は前から楽しみにしてたでしょ?」
せつ菜「あ、そうでした!同好会、全員集まれるなんてすごいですよね」
愛「アタシ達がだいぶ遅くしちゃったからねー」
せつ菜「愛さんも頼られることが多くて、結局忙しいですからね……」
せつ菜「……?そう?」
愛「消えてるよー。今とか、覚えてない?昨日の夜だって……いた、痛い、枕は痛いって!」
せつ菜「やっぱり起きる…起きます!」
~~~~~~
せつ菜「コーヒーどうぞ」
愛「ありがと」
せつ菜「そういえば、休みなのになんで目覚ましセットしたんでしょう……」
愛「まだ寝ぼけてるね~。今日は前から楽しみにしてたでしょ?」
せつ菜「あ、そうでした!同好会、全員集まれるなんてすごいですよね」
愛「アタシ達がだいぶ遅くしちゃったからねー」
せつ菜「愛さんも頼られることが多くて、結局忙しいですからね……」
243: 2021/02/20(土) 01:12:13.53 ID:FCX0/dxw
愛「エマっちが来てる間に会えて良かったよー」
せつ菜「はい!支度しないとですね」
愛(相変わらず忙しいし、いつも一緒に居られる訳じゃないけれど)
愛「せっつー、朝パンでいい?」
せつ菜「お願いします!」
愛(同じところに帰って来るって分かってるから、いつも頑張れる)
愛(きっとせっつーも……)チラッ
せつ菜「どうかしました?」ニコッ
愛「いや?こんな朝もいいなーって」
せつ菜「いきなり…?でも……そうですね、私も好きですよ。この時間」
愛「……うん!」
愛「はい、愛さん特製トースト!食べよう!」
せつ菜「ふふ、美味しそうです!じゃあ……」
「「いただきます!」」
せつ菜「はい!支度しないとですね」
愛(相変わらず忙しいし、いつも一緒に居られる訳じゃないけれど)
愛「せっつー、朝パンでいい?」
せつ菜「お願いします!」
愛(同じところに帰って来るって分かってるから、いつも頑張れる)
愛(きっとせっつーも……)チラッ
せつ菜「どうかしました?」ニコッ
愛「いや?こんな朝もいいなーって」
せつ菜「いきなり…?でも……そうですね、私も好きですよ。この時間」
愛「……うん!」
愛「はい、愛さん特製トースト!食べよう!」
せつ菜「ふふ、美味しそうです!じゃあ……」
「「いただきます!」」
244: 2021/02/20(土) 01:15:07.26 ID:FCX0/dxw
おしまい
長々続けてしまいましたが、読んでくださってありがとうございました!
長々続けてしまいましたが、読んでくださってありがとうございました!
245: 2021/02/20(土) 01:15:50.44 ID:6aDGBy+L
おつ
良いあいせつだった
良いあいせつだった
246: 2021/02/20(土) 01:21:23.94 ID:46EL9KkZ
素晴らしい
おつです
おつです
248: 2021/02/20(土) 01:24:18.71 ID:wJ+B25fC
良いあいせつだった
おつ!
おつ!
250: 2021/02/20(土) 01:42:00.31 ID:Zg6zxji0
おつでした。菜々ちゃんの恋人になったけど、やっぱりせっつー呼びなんだね
251: 2021/02/20(土) 02:00:53.97 ID:f0ENlS0V
おつ
252: 2021/02/20(土) 03:22:58.64 ID:5aAtwu9B
最高でした
253: 2021/02/20(土) 09:53:16.50 ID:bXWiJtur
あいせつは脳に良い
254: 2021/02/20(土) 10:11:47.51 ID:uVmHZMT3
良いあいせつでした
また書いていただけると嬉しいです
また書いていただけると嬉しいです
257: 2021/02/20(土) 14:31:16.67 ID:Japo/TuK
256: 2021/02/20(土) 10:56:26.48 ID:haF8qYim
お疲れ様!最後まで書いてくれてありがとう
引用元: https://nozomi.2ch.sc/test/read.cgi/lovelive/1612534604/