1: 2021/02/22(月) 20:57:16.19 ID:2DB0yFje
*スクスタの世界線です。色々思うところはある作風だけど見逃して。
あなた(刹那の一瞬でもいい、そこに享楽があるなら、それでいい)
あなた(刹那的快楽主義者、そんな風に例えるならば自分というものを当てはめるべきか、もしくは好き放題しているを「楽しい」に変換し続ける行為を繰り返して生きる、そんな感じか)
あなた(高校二年生新学期最初の一日ですら、そんな感じだ)
あなた(なにかに潜むびっくりに会いたいお年頃でなにがきたってへのへのかっぱ。多言語的に言うなら無問題がよく似合う)
あなた(誰もが同じスピードじゃ生きられない、そういうのを良く知っているからこそ、夜を越えて朝を迎えるときに朝目覚めた自分に安堵してしまう、たとえ頭が割れそうな程痛んでも)
あなた(胸の七つの傷跡が痛んでもって具合に。愛と勇気が友達なのか北斗神拳の伝承者なのか、あるいは俺より強い奴に会いに行ったのかはっきりしたい夢を見て明けた朝がこれだ)
アナウンサー『訃報をお伝えいたします。昨夜、世界的に知られる天才少女画家、鍾■■さんが、カフカ・ぺチャック症候群による多臓器不全で亡くなりました。13歳でした』
あなた「うわーお。朝の頭痛によく効く嫌なニュースだよ、訃報ってさ…あー、頭痛い…ガンガンする」
アナウンサー『9歳でカフカ・ぺチャック症候群を発症後、大好きな絵を描き続けたいと筆を執り、キャンパス全てに色を置く力強い絵が多くの人たちに評価され、日本でも三船グループ後援の元、五度目の個展開催を一週間後に控え…』
あなた「こんな頭痛じゃ、バイクは無理か。トホホ、我が愛車よ、お前が校門をくぐるのは翌日だぁ~」
あなた(今年の頭に買ったばかりのハンターカブCT125だが、なかなか通学に使えないのが難点ある。バイクというものは何度も乗り回したいものなのだが。休日の遠征や帰宅後のツーリングにしか使ってない)
ぴんぽーん
あなた「あ…歩夢ちゃんもう来たのかな…今出るよ」
かちゃり
あなた「おはよー、歩夢ちゃん」
歩夢「おはよう、あなた。ふふっ、今日もまた眼鏡とサングラス、間違えてるよ。学校に行くときは眼鏡じゃないとダメだよ?」
あなた「はーい…昨日届いたばかりのモデル見せたかったんだけどなぁ」
歩夢「朝ごはん…はまだみたいだね。卵焼きでいいかな? 今日の焼き加減は?」
あなた「中身がとろりとした感じのスクランブルエッグを頼もうかな。ちょっと朝から嫌なニュース見てた」
歩夢「ああ……そういえば、前に日本で個展あった時に、一緒に行ったよね」
あなた「うん。五度目の個展、開かれるといいけどな」
あなた(こんな風に刹那的快楽主義で過ごす日々。その日々がまったく変わらない筈だった)
あなた(刹那の一瞬でもいい、そこに享楽があるなら、それでいい)
あなた(刹那的快楽主義者、そんな風に例えるならば自分というものを当てはめるべきか、もしくは好き放題しているを「楽しい」に変換し続ける行為を繰り返して生きる、そんな感じか)
あなた(高校二年生新学期最初の一日ですら、そんな感じだ)
あなた(なにかに潜むびっくりに会いたいお年頃でなにがきたってへのへのかっぱ。多言語的に言うなら無問題がよく似合う)
あなた(誰もが同じスピードじゃ生きられない、そういうのを良く知っているからこそ、夜を越えて朝を迎えるときに朝目覚めた自分に安堵してしまう、たとえ頭が割れそうな程痛んでも)
あなた(胸の七つの傷跡が痛んでもって具合に。愛と勇気が友達なのか北斗神拳の伝承者なのか、あるいは俺より強い奴に会いに行ったのかはっきりしたい夢を見て明けた朝がこれだ)
アナウンサー『訃報をお伝えいたします。昨夜、世界的に知られる天才少女画家、鍾■■さんが、カフカ・ぺチャック症候群による多臓器不全で亡くなりました。13歳でした』
あなた「うわーお。朝の頭痛によく効く嫌なニュースだよ、訃報ってさ…あー、頭痛い…ガンガンする」
アナウンサー『9歳でカフカ・ぺチャック症候群を発症後、大好きな絵を描き続けたいと筆を執り、キャンパス全てに色を置く力強い絵が多くの人たちに評価され、日本でも三船グループ後援の元、五度目の個展開催を一週間後に控え…』
あなた「こんな頭痛じゃ、バイクは無理か。トホホ、我が愛車よ、お前が校門をくぐるのは翌日だぁ~」
あなた(今年の頭に買ったばかりのハンターカブCT125だが、なかなか通学に使えないのが難点ある。バイクというものは何度も乗り回したいものなのだが。休日の遠征や帰宅後のツーリングにしか使ってない)
ぴんぽーん
あなた「あ…歩夢ちゃんもう来たのかな…今出るよ」
かちゃり
あなた「おはよー、歩夢ちゃん」
歩夢「おはよう、あなた。ふふっ、今日もまた眼鏡とサングラス、間違えてるよ。学校に行くときは眼鏡じゃないとダメだよ?」
あなた「はーい…昨日届いたばかりのモデル見せたかったんだけどなぁ」
歩夢「朝ごはん…はまだみたいだね。卵焼きでいいかな? 今日の焼き加減は?」
あなた「中身がとろりとした感じのスクランブルエッグを頼もうかな。ちょっと朝から嫌なニュース見てた」
歩夢「ああ……そういえば、前に日本で個展あった時に、一緒に行ったよね」
あなた「うん。五度目の個展、開かれるといいけどな」
あなた(こんな風に刹那的快楽主義で過ごす日々。その日々がまったく変わらない筈だった)
4: 2021/02/22(月) 20:59:49.48 ID:2DB0yFje
初夏 スクールアイドル同好会 部室
あなた(人間、一日あれば変わるというが今年も暮れまで世界中の快楽に身を委ねて過ごすつもりがそうもしてられず、なんの因果かスクールアイドルのサポーターというものを始めた)
あなた(理由なんてやりたくなったからしょうがないだろ、好きになったらそれはもう好きである。邪魔する奴には立てた中指か逆Vサインでもかましてやればいい)
愛「かすかすー、悪いんだけどそっちのペン取って~」
かすみ「だからかすみんそんな頭すかすかなあだ名じゃないですよー」
愛「とは言っても少しは勉強しない事にはねー。果林も勉強してる事だし」
あなた「まあ、確かに愛ちゃんの言う通りだね、かすみちゃん。勉強しなきゃ」
かすみ「でも先輩さっきからサイコロタワー建設してますよね…?」
あなた「かすみちゃんが一問解く間に二個重ねるが目標さ」
かすみ「あ、ペンが飛んでっちゃいましたー!」
あなた「おうふっ!? なんてこった、記録五十二段、まだまだ行けるぜ五ミリサイコロタワー」
愛「ちょっと待って、地味にすごいね部長さんそれ」
愛「だってサングラスして手元見えづらい筈なんだよ?」
かすみ「あ、かすみんも思ってました。なんで部活中はサングラスしてるんです?」
あなた「知りたい? それは、そうしたいからさ!」
あなた(魅力的なスクールアイドルたち、彼女たちのサポーターとして頑張る事は、私をどこか彩った)
かすみ「お昼ご飯食べる時とかは、眼鏡してるじゃないですか」
愛「あ~、愛さんが初めて会った時も眼鏡かけてたもんね」
あなた「ああ、ホントはサングラスかけたいんだけど授業中はうるさいからねー。だから伊達メガネで我慢してるんだ。目はむしろいい方かな」
かすみ「ただの筋金入りのサングラス好き!?」
愛「ああ、だから毎日サングラスのデザイン違うんだ」
あなた「お? 愛ちゃんわかっちゃう? そうなんだよ、サングラスの形も色々だからそれもまた魅力なんだよね~」
あなた「愛ちゃんやかすみちゃんに似合いそうなのも持ってるからね、そのうち持ってきたいけど歩夢ちゃんに怒られるからなぁ」
かすみ「……あ、そういえば歩夢先輩よくサングラス外してって言ってますね」
あなた「威圧感でもあるのかなぁ? でも、私には威圧感もへったくれもないぞ。璃奈ちゃんマイナス1センチ、されど1センチだもんなぁ」
愛「でも部長は部長だから可愛いよー」
あなた(人間、一日あれば変わるというが今年も暮れまで世界中の快楽に身を委ねて過ごすつもりがそうもしてられず、なんの因果かスクールアイドルのサポーターというものを始めた)
あなた(理由なんてやりたくなったからしょうがないだろ、好きになったらそれはもう好きである。邪魔する奴には立てた中指か逆Vサインでもかましてやればいい)
愛「かすかすー、悪いんだけどそっちのペン取って~」
かすみ「だからかすみんそんな頭すかすかなあだ名じゃないですよー」
愛「とは言っても少しは勉強しない事にはねー。果林も勉強してる事だし」
あなた「まあ、確かに愛ちゃんの言う通りだね、かすみちゃん。勉強しなきゃ」
かすみ「でも先輩さっきからサイコロタワー建設してますよね…?」
あなた「かすみちゃんが一問解く間に二個重ねるが目標さ」
かすみ「あ、ペンが飛んでっちゃいましたー!」
あなた「おうふっ!? なんてこった、記録五十二段、まだまだ行けるぜ五ミリサイコロタワー」
愛「ちょっと待って、地味にすごいね部長さんそれ」
愛「だってサングラスして手元見えづらい筈なんだよ?」
かすみ「あ、かすみんも思ってました。なんで部活中はサングラスしてるんです?」
あなた「知りたい? それは、そうしたいからさ!」
あなた(魅力的なスクールアイドルたち、彼女たちのサポーターとして頑張る事は、私をどこか彩った)
かすみ「お昼ご飯食べる時とかは、眼鏡してるじゃないですか」
愛「あ~、愛さんが初めて会った時も眼鏡かけてたもんね」
あなた「ああ、ホントはサングラスかけたいんだけど授業中はうるさいからねー。だから伊達メガネで我慢してるんだ。目はむしろいい方かな」
かすみ「ただの筋金入りのサングラス好き!?」
愛「ああ、だから毎日サングラスのデザイン違うんだ」
あなた「お? 愛ちゃんわかっちゃう? そうなんだよ、サングラスの形も色々だからそれもまた魅力なんだよね~」
あなた「愛ちゃんやかすみちゃんに似合いそうなのも持ってるからね、そのうち持ってきたいけど歩夢ちゃんに怒られるからなぁ」
かすみ「……あ、そういえば歩夢先輩よくサングラス外してって言ってますね」
あなた「威圧感でもあるのかなぁ? でも、私には威圧感もへったくれもないぞ。璃奈ちゃんマイナス1センチ、されど1センチだもんなぁ」
愛「でも部長は部長だから可愛いよー」
5: 2021/02/22(月) 21:01:14.89 ID:2DB0yFje
かすみ「愛先輩、かすみんも可愛いって言ってくださいよー!」
愛「かすかすも可愛いよ」
かすみ「だからかすみんですって!」
ワイワイ ガチャリ
せつ菜「生徒会が…また紛糾…」青い顔
しずく「演劇部の練習が早めに終わったので…」
あなた「やぁせつ菜ちゃん、しずくちゃん」
あなた「例の一年生役員ちゃんか、再選挙だなんて、穏やかじゃないね」
せつ菜「ええ、まあ……」
あなた「気分でも変えようか、せつ菜ちゃん。背中に乗ってくかい? ツーリングに行こうぜ、川崎の工業地帯とか、多摩川沿いを走るとかさ」
せつ菜「その部長のバイクの事でも今日三船さんに突っ込まれたのですが…」
あなた「昨日の帰りにバイク使ってるの見られて追い回されたからかな」
しずく「思いっきりそれじゃないですか…先輩、ただでさえ目立ちますからね」
しずく「でも、その朝の雪みたいな色の髪、すごく素敵です」
愛「うん。愛さんも好きだよ…なんか、まっさらで、なんでも包んでくれるような、それでいて小さいのがまたギャップで」
あなた「あっはっはっは。ありがと、二人とも」
せつ菜「ところで部長、バイクはどこに隠しているのです? 三船さん、あの様子だとローラー作戦でもやりかねないですよ」
あなた「ああ、大丈夫。フツーにバレない所さ」
あなた「まあ、それに歩夢ちゃんが日直とか委員会とかで先に登校する日でもないと使えないしね。歩夢ちゃんは私がバイク乗るの嫌がるから」
がちゃり
歩夢「もう! また今日もバイクで来たでしょ!」
エマ「日本は道の狭さに加えて車が多いから…」まあまあ
あなた「やあ、歩夢ちゃん。エマさん。いやー、うっかりね? 歩夢ちゃんがいないとさ、寝過ごす前まで寝たくてね?」
彼方「…歩夢ちゃんは事故とか心配してるからだと思うなー」むくり
せつ菜「うわぁっ!? 彼方さんいたんですか!?」
彼方「最初からずっとすやぴだよー……目が覚めたら顔にサングラスが五本かかってたよ」サングラスだらけ
歩夢「また彼方さんをサングラスだらけにして! この前かすみちゃんだよーとか言ってたけどあなたでしょ!?」
あなた「えへっ」
歩夢「えへって何なのもう!」ぷんすか
愛「かすかすも可愛いよ」
かすみ「だからかすみんですって!」
ワイワイ ガチャリ
せつ菜「生徒会が…また紛糾…」青い顔
しずく「演劇部の練習が早めに終わったので…」
あなた「やぁせつ菜ちゃん、しずくちゃん」
あなた「例の一年生役員ちゃんか、再選挙だなんて、穏やかじゃないね」
せつ菜「ええ、まあ……」
あなた「気分でも変えようか、せつ菜ちゃん。背中に乗ってくかい? ツーリングに行こうぜ、川崎の工業地帯とか、多摩川沿いを走るとかさ」
せつ菜「その部長のバイクの事でも今日三船さんに突っ込まれたのですが…」
あなた「昨日の帰りにバイク使ってるの見られて追い回されたからかな」
しずく「思いっきりそれじゃないですか…先輩、ただでさえ目立ちますからね」
しずく「でも、その朝の雪みたいな色の髪、すごく素敵です」
愛「うん。愛さんも好きだよ…なんか、まっさらで、なんでも包んでくれるような、それでいて小さいのがまたギャップで」
あなた「あっはっはっは。ありがと、二人とも」
せつ菜「ところで部長、バイクはどこに隠しているのです? 三船さん、あの様子だとローラー作戦でもやりかねないですよ」
あなた「ああ、大丈夫。フツーにバレない所さ」
あなた「まあ、それに歩夢ちゃんが日直とか委員会とかで先に登校する日でもないと使えないしね。歩夢ちゃんは私がバイク乗るの嫌がるから」
がちゃり
歩夢「もう! また今日もバイクで来たでしょ!」
エマ「日本は道の狭さに加えて車が多いから…」まあまあ
あなた「やあ、歩夢ちゃん。エマさん。いやー、うっかりね? 歩夢ちゃんがいないとさ、寝過ごす前まで寝たくてね?」
彼方「…歩夢ちゃんは事故とか心配してるからだと思うなー」むくり
せつ菜「うわぁっ!? 彼方さんいたんですか!?」
彼方「最初からずっとすやぴだよー……目が覚めたら顔にサングラスが五本かかってたよ」サングラスだらけ
歩夢「また彼方さんをサングラスだらけにして! この前かすみちゃんだよーとか言ってたけどあなたでしょ!?」
あなた「えへっ」
歩夢「えへって何なのもう!」ぷんすか
6: 2021/02/22(月) 21:02:21.20 ID:2DB0yFje
璃奈「ただいま。それと、果林さん、ようやく見付けた」
果林「違うのよ璃奈、これはそう、人生という旅路に迷っていたのよ。だからたまたま、よ。たまたま。部室へなんて目をつむっていても行けるわ」
あなた「果林さんは写輪眼持ってないから道に迷うのも無理はないね」
果林「も、もう部長ったら……あ! 待って、そのサングラス!」キラキラ
果林「もしかしてイタリアの―――――――」
あなた「おおう、流石果林さん。昨日届いたんだよねー。かけてみ、かけてみ?」
あなた「幸い他のサングラスもあるしね。彼方さんごめんねー」ヒョイ
彼方「彼方ちゃんはサングラス置き場じゃないんだけどね…そこで雫型のサングラスを選ぶのが部長さんらしいや」
あなた「彼方ちゃんストックと名付けよう」
せつ菜「石川ストックじゃないんですから」
果林「ど、どうかしら」
あなた「やっぱ果林さんには勝てないや…世界で一番似合ってる」
果林「あなたもすごく似合ってると思うけど」
あなた「あはは、どうだろう。私はあんがい背伸びしてええかっこしい事したいだけかも知れないよ?」
歩夢「じゃあ、かっこつけるのを止めたら案外気が抜けるかも知れないよ?」
あなた「歩夢ちゃんが辛辣だぁ! この悲しみを癒してくれるのはしずくちゃんだけだぁ~」だきっ
しずく「わわっ!? も、もう先輩やめてくださいスリスリしないでくださいよ…」
あなた「しずくちゃんが可愛いからさ」
かすみ「あ、しず子ずるい! かすみんも! かすみんも可愛いですよね!?」
あなた「もちろんさ、かすみちゃんの可愛さは世界を照らして、愛ちゃんの可愛さは楽しさを分け与えてくれて」
あなた「せつ菜ちゃんだってエマさんだって、彼方さんも果林さんも璃奈ちゃんも歩夢ちゃんも皆それぞれの可愛さがあって、大好きだよ」
あなた(そんな彼女たちのサポーターでいられる、その輝かせる背中を押していけるのが、何よりも楽しくてそうやって輝いてくれるのを、見るのが好きなんだ)
あなた(大好きはそこにある、明日はどんな風になるかを楽しみになれるように)
しずく「も、もう……」
果林「違うのよ璃奈、これはそう、人生という旅路に迷っていたのよ。だからたまたま、よ。たまたま。部室へなんて目をつむっていても行けるわ」
あなた「果林さんは写輪眼持ってないから道に迷うのも無理はないね」
果林「も、もう部長ったら……あ! 待って、そのサングラス!」キラキラ
果林「もしかしてイタリアの―――――――」
あなた「おおう、流石果林さん。昨日届いたんだよねー。かけてみ、かけてみ?」
あなた「幸い他のサングラスもあるしね。彼方さんごめんねー」ヒョイ
彼方「彼方ちゃんはサングラス置き場じゃないんだけどね…そこで雫型のサングラスを選ぶのが部長さんらしいや」
あなた「彼方ちゃんストックと名付けよう」
せつ菜「石川ストックじゃないんですから」
果林「ど、どうかしら」
あなた「やっぱ果林さんには勝てないや…世界で一番似合ってる」
果林「あなたもすごく似合ってると思うけど」
あなた「あはは、どうだろう。私はあんがい背伸びしてええかっこしい事したいだけかも知れないよ?」
歩夢「じゃあ、かっこつけるのを止めたら案外気が抜けるかも知れないよ?」
あなた「歩夢ちゃんが辛辣だぁ! この悲しみを癒してくれるのはしずくちゃんだけだぁ~」だきっ
しずく「わわっ!? も、もう先輩やめてくださいスリスリしないでくださいよ…」
あなた「しずくちゃんが可愛いからさ」
かすみ「あ、しず子ずるい! かすみんも! かすみんも可愛いですよね!?」
あなた「もちろんさ、かすみちゃんの可愛さは世界を照らして、愛ちゃんの可愛さは楽しさを分け与えてくれて」
あなた「せつ菜ちゃんだってエマさんだって、彼方さんも果林さんも璃奈ちゃんも歩夢ちゃんも皆それぞれの可愛さがあって、大好きだよ」
あなた(そんな彼女たちのサポーターでいられる、その輝かせる背中を押していけるのが、何よりも楽しくてそうやって輝いてくれるのを、見るのが好きなんだ)
あなた(大好きはそこにある、明日はどんな風になるかを楽しみになれるように)
しずく「も、もう……」
7: 2021/02/22(月) 21:04:38.58 ID:2DB0yFje
あなた「あはは、悪かったよ、しずくちゃん」
せつ菜「しかし部長、どこにバイクを隠したのです? 流石に三船さんにローラー作戦されたのでは」
あなた「それは言えないかな」
歩夢「だーめ。バイク通学はそもそも禁止だよ」
あなた「………」
歩夢「………」
あなた「マルセイユ・ルーレット!」逃亡
歩夢「あ、こら!」リコーダー取り出しー
歩夢「サスケ、出ておいで。♪~♪♪」
サスケ\やぁ/
あなた「ひぃっ!」急ブレーキ
あなた「歩夢ちゃん、いきなり蛇使いはやめて」
歩夢「♪♪♪」
あなた「だからサスケをけしかけないで怖いから! 私の身長並みに長いんだからさ、サスケ!」
かすみ「そもそもマルセイユ・ルーレットって、サッカーのフェイントじゃないですか……」
しずく「この前もそれで逃げてましたけどすぐ捕まってましたものね」
璃奈「先輩、私より体力ない」
あなた「それは言わないお約束だよ、璃奈ちゃん。いやぁ、まぁ、貧弱貧弱なのは認めるけどさ」
エマ「本当に体力ないもんね…サスケ、ほら、大人しくしないとダメだよ?」
歩夢「♪ー♪♪♪ー♪」
あなた「いいからもうサスケをしまいなよ」
しずく「体力ない、かぁ…うーん……」
あなた「おや、しずくちゃん。もしかしたら今度は病人の人を演じるのかな?」
しずく「え、ええ…」
しずく「カフカ・ぺチャック症候群の患者役だそうなんですけど…」
あなた「ああー」
せつ菜「しかし部長、どこにバイクを隠したのです? 流石に三船さんにローラー作戦されたのでは」
あなた「それは言えないかな」
歩夢「だーめ。バイク通学はそもそも禁止だよ」
あなた「………」
歩夢「………」
あなた「マルセイユ・ルーレット!」逃亡
歩夢「あ、こら!」リコーダー取り出しー
歩夢「サスケ、出ておいで。♪~♪♪」
サスケ\やぁ/
あなた「ひぃっ!」急ブレーキ
あなた「歩夢ちゃん、いきなり蛇使いはやめて」
歩夢「♪♪♪」
あなた「だからサスケをけしかけないで怖いから! 私の身長並みに長いんだからさ、サスケ!」
かすみ「そもそもマルセイユ・ルーレットって、サッカーのフェイントじゃないですか……」
しずく「この前もそれで逃げてましたけどすぐ捕まってましたものね」
璃奈「先輩、私より体力ない」
あなた「それは言わないお約束だよ、璃奈ちゃん。いやぁ、まぁ、貧弱貧弱なのは認めるけどさ」
エマ「本当に体力ないもんね…サスケ、ほら、大人しくしないとダメだよ?」
歩夢「♪ー♪♪♪ー♪」
あなた「いいからもうサスケをしまいなよ」
しずく「体力ない、かぁ…うーん……」
あなた「おや、しずくちゃん。もしかしたら今度は病人の人を演じるのかな?」
しずく「え、ええ…」
しずく「カフカ・ぺチャック症候群の患者役だそうなんですけど…」
あなた「ああー」
8: 2021/02/22(月) 21:06:19.37 ID:2DB0yFje
かすみ「……」
歩夢「……」
あなた「なかなか変わった病気の一つではあるよね」
果林「…聞いた事のない病気ね。どんな病気なの?」
せつ菜「最近どこかで聞いた事があるようなないような…」
あなた「若年者に多い、患者の七割以上が20歳以下、二十代の患者は大半が十代後半に発症した人」
あなた「ガンのように細胞が増殖していくという疾患だけどその進行速度は様々、予後は極めて悪く明確な治療法は殆どない、進行が様々なので余命は年単位になる事も多い、5年生存率は一桁。進行を遅らせる方法は不明だが強いストレスなどが進行を早める事もあり。高熱や苦痛を伴う症状が出た際に対症療法はあるけど、その症状が出る頃にはガンに例えるとステージ3か4レベル」
あなた「自分の中で何かに変わっていくという感覚からカフカの変身に、身体がいう事を聞かないロボットのように変わっていくということからカフカ・ぺチャック症候群なんて名付けられた説もあるね」
しずく「先輩、ずいぶん詳しいんですね」
あなた「まあね。毎日のネットサーフィンは変な事にも詳しくなるよ。ウィキペディアのコピペ程度さ」
あなた「確かに難しいな、こういう役目は…うーん、時限爆弾を仕掛けられながら日常を送る人みたいなイメージかも知れないね」
しずく「わかるようなわからないような……」
かすみ「まあまあしず子。案外、しず子みたいに、夢があって、それを追いかける為に一生懸命日々を生きてる、そういう人たちかも知れないよ?」
しずく「…なるほど」
コンコン
エマ「どうぞー?」
栞子「見付けましたよ…今朝もバイクで登校していたと…」ゆらー
あなた「あっ、妖怪廃部姫!」
栞子「誰が妖怪ですか!」
あなた「マルセイユ・ルーレット!」インターセプト
栞子「あっ! ま、待ちなさい! 廊下は走らない! そこは理事長室です!」
歩夢「……」
あなた「なかなか変わった病気の一つではあるよね」
果林「…聞いた事のない病気ね。どんな病気なの?」
せつ菜「最近どこかで聞いた事があるようなないような…」
あなた「若年者に多い、患者の七割以上が20歳以下、二十代の患者は大半が十代後半に発症した人」
あなた「ガンのように細胞が増殖していくという疾患だけどその進行速度は様々、予後は極めて悪く明確な治療法は殆どない、進行が様々なので余命は年単位になる事も多い、5年生存率は一桁。進行を遅らせる方法は不明だが強いストレスなどが進行を早める事もあり。高熱や苦痛を伴う症状が出た際に対症療法はあるけど、その症状が出る頃にはガンに例えるとステージ3か4レベル」
あなた「自分の中で何かに変わっていくという感覚からカフカの変身に、身体がいう事を聞かないロボットのように変わっていくということからカフカ・ぺチャック症候群なんて名付けられた説もあるね」
しずく「先輩、ずいぶん詳しいんですね」
あなた「まあね。毎日のネットサーフィンは変な事にも詳しくなるよ。ウィキペディアのコピペ程度さ」
あなた「確かに難しいな、こういう役目は…うーん、時限爆弾を仕掛けられながら日常を送る人みたいなイメージかも知れないね」
しずく「わかるようなわからないような……」
かすみ「まあまあしず子。案外、しず子みたいに、夢があって、それを追いかける為に一生懸命日々を生きてる、そういう人たちかも知れないよ?」
しずく「…なるほど」
コンコン
エマ「どうぞー?」
栞子「見付けましたよ…今朝もバイクで登校していたと…」ゆらー
あなた「あっ、妖怪廃部姫!」
栞子「誰が妖怪ですか!」
あなた「マルセイユ・ルーレット!」インターセプト
栞子「あっ! ま、待ちなさい! 廊下は走らない! そこは理事長室です!」
9: 2021/02/22(月) 21:07:12.90 ID:2DB0yFje
果林「あれ、何の音?」
せつ菜「バイクのエンジン音…ですね」
あなた「残念無念また来週~!」ヘルメット装備
栞子「だからバイク通学は禁止ですと何度言ったら! 待ちなさい!」
かすみ「先輩理事長室にバイク隠してたんですか!?」
あなた「せつ菜ちゃんゴメン! ツーリングの予定はまた今度で! 今は明日に向かってバカヤローを叫びに、果てしなく続く男坂を登ってくるんだ!」
あなた「バイバイさよならまーたーねー!」
ぶぅぅぅぅぅうん!
愛「部長さんハンターカブCT125乗ってるのかぁ……確かに原付二種二人乗り出来るけど…」
*原付二種こと小型自動二輪での二人乗りは条件があります。
璃奈「確か高速走れないって、この前乗せてもらった時に」
愛「りなりー、部長の背中乗ったんだ?」
璃奈「ゲームセンターの遠征に行こうよって誘われて、埼玉の方まで。半日過ごせたけど帰るのも時間かかった」
果林「…璃奈ならまだいいけど、私たちが後ろに乗ったら部長さん大変じゃないかしら?」
エマ「部長、小さいからね」
しずく「しがみつくのも大変ですよね…高速走れないってのもありますし。あ、でも…二週間ぐらい前の土曜日に、鎌倉で見かけましたよ。早朝から江の島見たくなったから来ちゃったとか言ってて。美味しいパスタの店聞いてましたけど、なんでパスタなんでしょう?」
歩夢「この前の土曜日一日いないと思えば…」
かすみ「うわー、しお子まだ走ってる先輩追いかけてる。あ、へばった」
せつ菜「無謀な挑戦でしたね、三船さん…」
彼方「やれやれ、部長さんめ。サングラスは彼方ちゃんが責任を持って預かっておくとしよう」
果林「あ、私も返すの忘れてたわ…彼方ごめん、預かっててくれるかしら?」
彼方「いいよー」
『サングラスと彼方ちゃんストック』
せつ菜「バイクのエンジン音…ですね」
あなた「残念無念また来週~!」ヘルメット装備
栞子「だからバイク通学は禁止ですと何度言ったら! 待ちなさい!」
かすみ「先輩理事長室にバイク隠してたんですか!?」
あなた「せつ菜ちゃんゴメン! ツーリングの予定はまた今度で! 今は明日に向かってバカヤローを叫びに、果てしなく続く男坂を登ってくるんだ!」
あなた「バイバイさよならまーたーねー!」
ぶぅぅぅぅぅうん!
愛「部長さんハンターカブCT125乗ってるのかぁ……確かに原付二種二人乗り出来るけど…」
*原付二種こと小型自動二輪での二人乗りは条件があります。
璃奈「確か高速走れないって、この前乗せてもらった時に」
愛「りなりー、部長の背中乗ったんだ?」
璃奈「ゲームセンターの遠征に行こうよって誘われて、埼玉の方まで。半日過ごせたけど帰るのも時間かかった」
果林「…璃奈ならまだいいけど、私たちが後ろに乗ったら部長さん大変じゃないかしら?」
エマ「部長、小さいからね」
しずく「しがみつくのも大変ですよね…高速走れないってのもありますし。あ、でも…二週間ぐらい前の土曜日に、鎌倉で見かけましたよ。早朝から江の島見たくなったから来ちゃったとか言ってて。美味しいパスタの店聞いてましたけど、なんでパスタなんでしょう?」
歩夢「この前の土曜日一日いないと思えば…」
かすみ「うわー、しお子まだ走ってる先輩追いかけてる。あ、へばった」
せつ菜「無謀な挑戦でしたね、三船さん…」
彼方「やれやれ、部長さんめ。サングラスは彼方ちゃんが責任を持って預かっておくとしよう」
果林「あ、私も返すの忘れてたわ…彼方ごめん、預かっててくれるかしら?」
彼方「いいよー」
『サングラスと彼方ちゃんストック』
10: 2021/02/22(月) 21:08:52.49 ID:2DB0yFje
あなた「スクールアイドルフェスティバル目指して、こうも働きづめ練習漬けというのは疲れる訳だよ」
せつ菜「ええ、まあ…」
果林「そうね、確かに」
愛「ああー」
かすみ「で、先輩。なんでわざわざお台場に?」
あなた「おいおい、決まってるだろ、もうすぐ夏だぜ? 夏と言えばビーチの女の子さ!」
あなた「ナンパに行こうぜ」
かすみ「それならせめてせつ菜先輩の服なんとかしましょう」
果林「そうね、一人だけ小学生が混じってるわ」
せつ菜「小学生!?」
愛「いくらなんでも小学生はいいすぎだよー、中一にしてあげなよ」
せつ菜「フォローになってませんよ愛さん! それなら部長も見栄っ張り系女子小学生ですよ!」
果林「ほら、馬子にも衣裳って言うから…」
あなた「果林さんひでぇ」
せつ菜「璃奈さんマイナス1センチ! サングラスで無理に大人風にしてても誤魔化せませんよ!」
果林「まあ同好会で一番小さいものね、部長さん」
あなた「ぐぬぬぬ~!」
かすみ「で、どんなプランで行くんです?」
あなた「なに、うまく食事に誘えばいい。愛ちゃんのお店に誘って愛ちゃんのお客さんも増える、一石二鳥」
愛「だからお台場でやるんだね。考えたよ」
あなた「大丈夫、かすみちゃんとせつ菜ちゃんと愛ちゃんの可愛さと果林さんの溢れ出るエ スがあれば問題ない」
果林「ちょっと待ちなさい、溢れ出るエ スってなによ」
あなた「かすみちゃんが可愛い系、愛ちゃんがスマイル系、せつ菜ちゃんがカッコ可愛い系、果林さんいやらし系って分類さ」
果林「一文字! せめて一文字抜いて! ら抜き言葉にしなさいよ!」
愛「あっはっは、果林、さっきのお返しされたねー」
せつ菜「ええ、まあ…」
果林「そうね、確かに」
愛「ああー」
かすみ「で、先輩。なんでわざわざお台場に?」
あなた「おいおい、決まってるだろ、もうすぐ夏だぜ? 夏と言えばビーチの女の子さ!」
あなた「ナンパに行こうぜ」
かすみ「それならせめてせつ菜先輩の服なんとかしましょう」
果林「そうね、一人だけ小学生が混じってるわ」
せつ菜「小学生!?」
愛「いくらなんでも小学生はいいすぎだよー、中一にしてあげなよ」
せつ菜「フォローになってませんよ愛さん! それなら部長も見栄っ張り系女子小学生ですよ!」
果林「ほら、馬子にも衣裳って言うから…」
あなた「果林さんひでぇ」
せつ菜「璃奈さんマイナス1センチ! サングラスで無理に大人風にしてても誤魔化せませんよ!」
果林「まあ同好会で一番小さいものね、部長さん」
あなた「ぐぬぬぬ~!」
かすみ「で、どんなプランで行くんです?」
あなた「なに、うまく食事に誘えばいい。愛ちゃんのお店に誘って愛ちゃんのお客さんも増える、一石二鳥」
愛「だからお台場でやるんだね。考えたよ」
あなた「大丈夫、かすみちゃんとせつ菜ちゃんと愛ちゃんの可愛さと果林さんの溢れ出るエ スがあれば問題ない」
果林「ちょっと待ちなさい、溢れ出るエ スってなによ」
あなた「かすみちゃんが可愛い系、愛ちゃんがスマイル系、せつ菜ちゃんがカッコ可愛い系、果林さんいやらし系って分類さ」
果林「一文字! せめて一文字抜いて! ら抜き言葉にしなさいよ!」
愛「あっはっは、果林、さっきのお返しされたねー」
11: 2021/02/22(月) 21:10:04.53 ID:2DB0yFje
せつ菜「部長、それを言うなら部長さんはどうなんでしょう?」
あなた「もちろん、決まってるだろ?」
あなた「無邪気系って奴さ。おっと、あの子はどうだい? 後ろ姿がいい」
せつ菜「どれどれ……むむっ、あの人はいけませんね。胸囲の戦闘力ですよ」
あなた「戦闘力53万だね…胸囲だ」
千鶴子「………?」
あなた「おお、人妻みたいなアンニュイな顔がいいな」
果林「少したれ眼なのがミステリアスな感じがするわね」
かすみ「それでいてあの大きさですよ…」
愛「いやいや、お尻の方もだね…」
せつ菜「部長、ここは誰が行きます?」
「おい」
あなた「はい?」
仁美「俺の連れ合いに何か用か?」ポキポキ
五人「「「「「すいませんでしたぁ!」」」」
仁美「いや、そこの白いチビは特に反省してない顔だな、ちょっと顔貸せ」
あなた「すみません、そこの服装女子小学生が言い出しました!」
せつ菜「いや誘ったの部長ですよね!?」
仁美「とりあえず全員来やがれ」
五人「「「「「」」」」」
あなた「もちろん、決まってるだろ?」
あなた「無邪気系って奴さ。おっと、あの子はどうだい? 後ろ姿がいい」
せつ菜「どれどれ……むむっ、あの人はいけませんね。胸囲の戦闘力ですよ」
あなた「戦闘力53万だね…胸囲だ」
千鶴子「………?」
あなた「おお、人妻みたいなアンニュイな顔がいいな」
果林「少したれ眼なのがミステリアスな感じがするわね」
かすみ「それでいてあの大きさですよ…」
愛「いやいや、お尻の方もだね…」
せつ菜「部長、ここは誰が行きます?」
「おい」
あなた「はい?」
仁美「俺の連れ合いに何か用か?」ポキポキ
五人「「「「「すいませんでしたぁ!」」」」
仁美「いや、そこの白いチビは特に反省してない顔だな、ちょっと顔貸せ」
あなた「すみません、そこの服装女子小学生が言い出しました!」
せつ菜「いや誘ったの部長ですよね!?」
仁美「とりあえず全員来やがれ」
五人「「「「「」」」」」
12: 2021/02/22(月) 21:11:51.19 ID:2DB0yFje
あなた「…ひどい目にあった。畜生、気を取り直してもう一度だ」
果林「滅茶苦茶怖かったわ…なんで本物の不良がやってくるのよ」
せつ菜「今時あんな番長いるんですね」
愛「……あの子とかどう? 少し背が高い、りなりーみたいな髪の色の」
かすみ「クール系みたいですからね、なしのつぶてですよきっと」
優理「……」スマホポチポチ
あなた「待って…おお! すごい可愛い子が近寄ってきて、あの子に!」
愛「うん! すごい可愛いよねあのツインテールの子!」
せつ菜「チャンスですね!」
果林「チャンスの前髪は離さないわよ!」
かすみ「先輩、ここは一つ見本を!」
あなた「任せろ。Hey、そこのお二人さん。お姉さんたちと一緒にお昼ご飯食べに行かない?」
優理「んー?」
ココ「あ、あの…友達と待ち合わせしてますから」
あなた「その子も良いって言うならどうだい?」
「優理ちゃん、ココちゃん、お待たせ~…あれ?」
遥「虹ヶ咲の…こんにちは、皆さん」
あなた「あれ? 遥ちゃん?」
遥「はい、友達と買い物に…皆さん、どうして恥ずかしそうな顔してるんです?」
あなた「いやぁ、まぁ運命論とアガスティアの葉の因果関係について考えてたのさ」
遥「?」
果林「滅茶苦茶怖かったわ…なんで本物の不良がやってくるのよ」
せつ菜「今時あんな番長いるんですね」
愛「……あの子とかどう? 少し背が高い、りなりーみたいな髪の色の」
かすみ「クール系みたいですからね、なしのつぶてですよきっと」
優理「……」スマホポチポチ
あなた「待って…おお! すごい可愛い子が近寄ってきて、あの子に!」
愛「うん! すごい可愛いよねあのツインテールの子!」
せつ菜「チャンスですね!」
果林「チャンスの前髪は離さないわよ!」
かすみ「先輩、ここは一つ見本を!」
あなた「任せろ。Hey、そこのお二人さん。お姉さんたちと一緒にお昼ご飯食べに行かない?」
優理「んー?」
ココ「あ、あの…友達と待ち合わせしてますから」
あなた「その子も良いって言うならどうだい?」
「優理ちゃん、ココちゃん、お待たせ~…あれ?」
遥「虹ヶ咲の…こんにちは、皆さん」
あなた「あれ? 遥ちゃん?」
遥「はい、友達と買い物に…皆さん、どうして恥ずかしそうな顔してるんです?」
あなた「いやぁ、まぁ運命論とアガスティアの葉の因果関係について考えてたのさ」
遥「?」
13: 2021/02/22(月) 21:13:14.23 ID:2DB0yFje
あなた「まさかの二連敗、まだまだ行くぜ」
果林「二連敗どころか不戦敗よ不戦敗」
せつ菜「しかしまだ諦めないですね、部長」
あなた「仕方ない、この前まで付き合ってた子に振られちゃったんだ。ここで彼女をゲットできなきゃ夏は悲しい事になるぞ」
かすみ「振られたって何があったんです?」
あなた「なに。栞子ちゃんを背中に乗せて秋葉原を爆走したのを見られてたらしくて『ツーリングに付き合ってくれるような子が良いのでしょう?』って笑顔でビンタ食らったよ」
果林「あらあら、残念」
あなた「畜生、カムバック姫乃ちゃんと言いたいけれどここは新しい恋に…よし、あの子に決めた! Hey、そこの素敵な長い髪の…」
姫乃「あら、この前、後ろに乗せてた子はどうしたのでしょう?」くるっ
あなた「………」ダラダラ
かすみ「部長、本日三敗目ですね」
バシーン
あなた「でも負けない、女の子だもん…」ヒリヒリ
愛「そもそもなんでしおってぃーを背中に乗せて秋葉原に行ったのさ?」
あなた「この前μ’sの皆がスクールアイドルフェスティバルの打ち合わせに来た時に忘れ物をしたんだけど、栞子ちゃんが届けたいって言ってたから」
かすみ「タイミングが悪いというかなんというか先輩目立ちますからね…」
あなた「やれやれ、サングラスやっと拾えた…」サングラス装着
せつ菜「で、どうします? 大人しく愛さんの所でもんじゃ焼き食べにいきます?」
あなた「いいや、わんちゃんだ。セカンドチャンスは必ず…お」
果林「あら、どうしたの?」
あなた「あの子、どう?」
愛「あの子…すごいね、あの身長で胸が大きい。花丸ちゃんにも負けないよ」
あなた「でしょ? それでいて、少し落ち着いた服装…地方の子かも知れない」
あなた「たぶん中学生だな、よし、君に決めた!」
果林「二連敗どころか不戦敗よ不戦敗」
せつ菜「しかしまだ諦めないですね、部長」
あなた「仕方ない、この前まで付き合ってた子に振られちゃったんだ。ここで彼女をゲットできなきゃ夏は悲しい事になるぞ」
かすみ「振られたって何があったんです?」
あなた「なに。栞子ちゃんを背中に乗せて秋葉原を爆走したのを見られてたらしくて『ツーリングに付き合ってくれるような子が良いのでしょう?』って笑顔でビンタ食らったよ」
果林「あらあら、残念」
あなた「畜生、カムバック姫乃ちゃんと言いたいけれどここは新しい恋に…よし、あの子に決めた! Hey、そこの素敵な長い髪の…」
姫乃「あら、この前、後ろに乗せてた子はどうしたのでしょう?」くるっ
あなた「………」ダラダラ
かすみ「部長、本日三敗目ですね」
バシーン
あなた「でも負けない、女の子だもん…」ヒリヒリ
愛「そもそもなんでしおってぃーを背中に乗せて秋葉原に行ったのさ?」
あなた「この前μ’sの皆がスクールアイドルフェスティバルの打ち合わせに来た時に忘れ物をしたんだけど、栞子ちゃんが届けたいって言ってたから」
かすみ「タイミングが悪いというかなんというか先輩目立ちますからね…」
あなた「やれやれ、サングラスやっと拾えた…」サングラス装着
せつ菜「で、どうします? 大人しく愛さんの所でもんじゃ焼き食べにいきます?」
あなた「いいや、わんちゃんだ。セカンドチャンスは必ず…お」
果林「あら、どうしたの?」
あなた「あの子、どう?」
愛「あの子…すごいね、あの身長で胸が大きい。花丸ちゃんにも負けないよ」
あなた「でしょ? それでいて、少し落ち着いた服装…地方の子かも知れない」
あなた「たぶん中学生だな、よし、君に決めた!」
14: 2021/02/22(月) 21:14:29.15 ID:2DB0yFje
千歌ママ「……(まいったなぁ、千歌たちどこにいったのかなぁ。三姉妹揃って昔から迷子になりやすいからねぇ)」キョロキョロ
あなた「Hey、そこの可愛い人よ。迷子かい?」
千歌ママ「へ?」
あなた「どうだい、お姉さんたちが一緒に保護者を探してあげるよ?」
千歌ママ「(うわぁ、この子サングラスしてるけど背伸びしたがりの女子中学生よね…? 女子中学生に年下扱いされるぐらいに見えるって私もまだまだ捨てたもんじゃないなぁ)」
千歌ママ「いいの? ありがと~!」がしっ
あなた「うんうん、大船に乗った気持ちで任せると良いのだ。お腹空いてないかな? それならごちそうして…」
「おかあさーん…あ、いた」
愛「あれ? 千歌っち?」
千歌「あ、愛ちゃん! あれ? お母さん、同好会の部長さんに抱き着いて何してるの?」
あなた「…へ?」
果林「…千歌の……お母さん?」指さし指さし
千歌「果林さんに、せつ菜ちゃん…かすみちゃんも。うん、お母さん」
あなた「」真っ白
千歌「……部長さんはなんで真っ白になってるの?」
せつ菜「そうですね、部長のナンパ成功率は壊滅的という事ですね」
千歌「まあ、部長さん私と同い年に見えないから…」
千歌ママ「あはは……え? この子、千歌と同い年なの!? てっきり一人だけ中学生かって思ってた」
あなた「」
かすみ「先輩、頑張りましょうよ。明日は必ず来ますって。スクールアイドルフェスティバルを成功に導けば彼女もできますよ!」
あなた「そうだなぁ、世界一かわいいかすみちゃんがいてくれると嬉しいなぁ」
かすみ「います! いますからー! かすみんは先輩の傍にいますよー!」
あなた「あはは、そうだね。ようし、かすみちゃん! デートしようぜ」
愛「いいなーいいなー、かすかすー、愛さんも混ぜてよー」
せつ菜「ああっ! ずるいですよかすみさん! 私! 私もです!」
あなた「よしきた。午後は四人でいやらし系な果林さんを眺めるとしよう」
果林「だから一文字! 一文字多いわよ!」
せつ菜「しかし果林さんはえちえち、これは譲れません」
果林「せつ菜ぁ!」
千歌ママ「うーん、若いっていいなぁ」
『苦いナンパな女の子』
あなた「Hey、そこの可愛い人よ。迷子かい?」
千歌ママ「へ?」
あなた「どうだい、お姉さんたちが一緒に保護者を探してあげるよ?」
千歌ママ「(うわぁ、この子サングラスしてるけど背伸びしたがりの女子中学生よね…? 女子中学生に年下扱いされるぐらいに見えるって私もまだまだ捨てたもんじゃないなぁ)」
千歌ママ「いいの? ありがと~!」がしっ
あなた「うんうん、大船に乗った気持ちで任せると良いのだ。お腹空いてないかな? それならごちそうして…」
「おかあさーん…あ、いた」
愛「あれ? 千歌っち?」
千歌「あ、愛ちゃん! あれ? お母さん、同好会の部長さんに抱き着いて何してるの?」
あなた「…へ?」
果林「…千歌の……お母さん?」指さし指さし
千歌「果林さんに、せつ菜ちゃん…かすみちゃんも。うん、お母さん」
あなた「」真っ白
千歌「……部長さんはなんで真っ白になってるの?」
せつ菜「そうですね、部長のナンパ成功率は壊滅的という事ですね」
千歌「まあ、部長さん私と同い年に見えないから…」
千歌ママ「あはは……え? この子、千歌と同い年なの!? てっきり一人だけ中学生かって思ってた」
あなた「」
かすみ「先輩、頑張りましょうよ。明日は必ず来ますって。スクールアイドルフェスティバルを成功に導けば彼女もできますよ!」
あなた「そうだなぁ、世界一かわいいかすみちゃんがいてくれると嬉しいなぁ」
かすみ「います! いますからー! かすみんは先輩の傍にいますよー!」
あなた「あはは、そうだね。ようし、かすみちゃん! デートしようぜ」
愛「いいなーいいなー、かすかすー、愛さんも混ぜてよー」
せつ菜「ああっ! ずるいですよかすみさん! 私! 私もです!」
あなた「よしきた。午後は四人でいやらし系な果林さんを眺めるとしよう」
果林「だから一文字! 一文字多いわよ!」
せつ菜「しかし果林さんはえちえち、これは譲れません」
果林「せつ菜ぁ!」
千歌ママ「うーん、若いっていいなぁ」
『苦いナンパな女の子』
15: 2021/02/22(月) 21:16:18.01 ID:2DB0yFje
あなた「福引チケットたくさんかぁ…何回分だ、これ?」
あなた「……少し遠いけど、よし。日曜日だしな、そういう日もいい。えーと」スマホスマホ
一時間後
彼方「わざわざ迎えに来てもらっちゃって悪いねー」
あなた「いやいや、気にしない気にしない」
彼方「それにしても彼方さんでいいの? 部長がもらった福引チケットなんでしょ」
あなた「グルメで有名な商店街の福引チケットだからさ、うまいもの当たれば美味いものを作ってくれる人を誘うって寸法よ。おー、やってるやってる」
あなた「ブレーキ、ブレーキっと」
彼方「二人乗り、大変じゃない?」
あなた「慣れれば簡単さ」
愛「あれ? 部長にカナちゃん」
あなた「やぁ、愛ちゃん」
彼方「愛ちゃんもこの商店街に買い物?」
愛「ああ、この商店街業務用の道具売ってるとこもあるから、それを見に来たんだよ。まあ、頼まれたわけじゃないから、値段と品ぞろえ見にきたのかな」
あなた「へへっ、さすが愛ちゃん。よっ、若女将」
彼方「よっ、日本一」
愛「褒めても何も出ないぞー?」
あなた「では、福引チケットはどうだろう? こんなにあるのさ」
愛「うわ、すごっ!? どうしたのさ、そんなに」
あなた「私立の学童クラブに寄付をした返礼品」
愛「へー、そうなんだ」
愛「…部長ってさ」ヒソヒソ
彼方「時々、ミステリーだよね…彼方ちゃんも思うよ」ヒソヒソ
あなた「?」
あなた「……少し遠いけど、よし。日曜日だしな、そういう日もいい。えーと」スマホスマホ
一時間後
彼方「わざわざ迎えに来てもらっちゃって悪いねー」
あなた「いやいや、気にしない気にしない」
彼方「それにしても彼方さんでいいの? 部長がもらった福引チケットなんでしょ」
あなた「グルメで有名な商店街の福引チケットだからさ、うまいもの当たれば美味いものを作ってくれる人を誘うって寸法よ。おー、やってるやってる」
あなた「ブレーキ、ブレーキっと」
彼方「二人乗り、大変じゃない?」
あなた「慣れれば簡単さ」
愛「あれ? 部長にカナちゃん」
あなた「やぁ、愛ちゃん」
彼方「愛ちゃんもこの商店街に買い物?」
愛「ああ、この商店街業務用の道具売ってるとこもあるから、それを見に来たんだよ。まあ、頼まれたわけじゃないから、値段と品ぞろえ見にきたのかな」
あなた「へへっ、さすが愛ちゃん。よっ、若女将」
彼方「よっ、日本一」
愛「褒めても何も出ないぞー?」
あなた「では、福引チケットはどうだろう? こんなにあるのさ」
愛「うわ、すごっ!? どうしたのさ、そんなに」
あなた「私立の学童クラブに寄付をした返礼品」
愛「へー、そうなんだ」
愛「…部長ってさ」ヒソヒソ
彼方「時々、ミステリーだよね…彼方ちゃんも思うよ」ヒソヒソ
あなた「?」
16: 2021/02/22(月) 21:17:27.68 ID:2DB0yFje
商店街の人「福引やってまーす!」
あなた「よーし、回そうぜ。三人でチケット分割してーの」
愛「えーと……この枚数だと、合計50回分だから…部長さん、二十回分にしよう。はい」
彼方「トップバッターは部長さんだね、任せるよー」
あなた「いや、残り十回は二人の後に回そう。何が出るかはお楽しみ方式だ」
あなた「十回分だね」ガラガラ
あなた「なにが出るかな♪ なにが出るかな♪」
コロコロ
彼方「透明なのが出たよ」
あなた「おおっ、これは?」
商店街の人「おめでとうございます! 7.5等のいわし水です!」
愛「7.5等!?」
あなた「その0.5に何の格差があるんだ…いわし水か…なんでひらがなでいわし水? ま、いいや。愛ちゃんどうぞ」
愛「ありがと……なんか成分表にイワシって書いてあるんだけど?」
あなた「なぜ作ったそんなもん」ガラガラ
コロコロ
愛「白い球に何か書いてあるね」
商店街の人「えーと…スカですね」
あなた「」ずるっ
あなた「残り八回もスカだった、愛ちゃん十五回分よろしく」
あなた「よーし、回そうぜ。三人でチケット分割してーの」
愛「えーと……この枚数だと、合計50回分だから…部長さん、二十回分にしよう。はい」
彼方「トップバッターは部長さんだね、任せるよー」
あなた「いや、残り十回は二人の後に回そう。何が出るかはお楽しみ方式だ」
あなた「十回分だね」ガラガラ
あなた「なにが出るかな♪ なにが出るかな♪」
コロコロ
彼方「透明なのが出たよ」
あなた「おおっ、これは?」
商店街の人「おめでとうございます! 7.5等のいわし水です!」
愛「7.5等!?」
あなた「その0.5に何の格差があるんだ…いわし水か…なんでひらがなでいわし水? ま、いいや。愛ちゃんどうぞ」
愛「ありがと……なんか成分表にイワシって書いてあるんだけど?」
あなた「なぜ作ったそんなもん」ガラガラ
コロコロ
愛「白い球に何か書いてあるね」
商店街の人「えーと…スカですね」
あなた「」ずるっ
あなた「残り八回もスカだった、愛ちゃん十五回分よろしく」
17: 2021/02/22(月) 21:18:43.05 ID:2DB0yFje
愛「はいよー」ガラガラ
彼方「深緑が出たね」
商店街の人「おめでとうございます! 6と2/1等のヘチマです!」
あなた「6.5等じゃないのかよ!?」
愛「もはや何がなんだか」ガラガラ
愛「その後、愛さん、二回もヘチマが出たよ…」
彼方「いいのが当たると良いねー」ガラガラ
コロコロ
彼方「緑色に黒い縞々が…これはまさか!」
商店街の人「おめでとうございます! 4等のスイカ柄ウクレレです!」
彼方「目立つねぇ」
あなた「いつの時代のアイドルグループだよ」
愛「?」
あなた「すいかの名産地ー♪」
彼方「まあ、まだ少しは役に立つかもね」ガラガラ
商店街の人「おめでとうございます! 4等のスイカ柄ウクレレです!」
あなた「しかもまた当てた!?」
愛「もう何も突っ込まないよ、愛さん」
彼方「だろうね」ガラガラ
商店街の人「おめでとうございます! 4と3/1等のスイカ柄マラカスです!」
あなた「もうわざとだろこの景品ラインナップ」
彼方「その後は大したものは出なかったよ、いわし水が三本増えた」
あなた「残り十回が怖いな」ガラガラ
コロコロ
商店街の人「お、おめでとうございまーす!」
商店街の人「特等、神戸牛・松坂牛・近江牛・米沢牛・但馬牛ブロック肉各1キロ詰め合わせです!」
あなた「え」
あなた・愛・彼方「「「ええええええええっ!!!!!」」」
彼方「深緑が出たね」
商店街の人「おめでとうございます! 6と2/1等のヘチマです!」
あなた「6.5等じゃないのかよ!?」
愛「もはや何がなんだか」ガラガラ
愛「その後、愛さん、二回もヘチマが出たよ…」
彼方「いいのが当たると良いねー」ガラガラ
コロコロ
彼方「緑色に黒い縞々が…これはまさか!」
商店街の人「おめでとうございます! 4等のスイカ柄ウクレレです!」
彼方「目立つねぇ」
あなた「いつの時代のアイドルグループだよ」
愛「?」
あなた「すいかの名産地ー♪」
彼方「まあ、まだ少しは役に立つかもね」ガラガラ
商店街の人「おめでとうございます! 4等のスイカ柄ウクレレです!」
あなた「しかもまた当てた!?」
愛「もう何も突っ込まないよ、愛さん」
彼方「だろうね」ガラガラ
商店街の人「おめでとうございます! 4と3/1等のスイカ柄マラカスです!」
あなた「もうわざとだろこの景品ラインナップ」
彼方「その後は大したものは出なかったよ、いわし水が三本増えた」
あなた「残り十回が怖いな」ガラガラ
コロコロ
商店街の人「お、おめでとうございまーす!」
商店街の人「特等、神戸牛・松坂牛・近江牛・米沢牛・但馬牛ブロック肉各1キロ詰め合わせです!」
あなた「え」
あなた・愛・彼方「「「ええええええええっ!!!!!」」」
18: 2021/02/22(月) 21:20:12.93 ID:2DB0yFje
あなたちゃん宅 キッチン
彼方「ブロック肉だよ、塊だよ…」
愛「だよね…見た事ないよ…」
あなた「……この大きさがあれば、あれが出来るかも知れない」
彼方「あれって?」
あなた「タテだかヨコだかわからんビフテキ。いわゆるマンガ肉の一種だね」
彼方「彼方ちゃんもラーメンライスは好きだけどさ、本当に部長そんな古いマンガをよく知ってるね」
愛「ラーメンライスと言えば愛さんはラーメンライス食法かな」
あなた「いや、あれ最後の食べ方は乱れ食いしてるだけでしょ」
彼方「ビフテキというぐらいだから、普通に焼いてみようか」
愛「しかしこの厚さだからねぇ」
あなた「頑張れ火力…ファイヤー」
彼方「強火にすると外だけ焦げそう」
愛「確かに」
あなた「フランベでもしてみる? ウォッカしかないけど。まあ、唐辛子漬けこんでる奴だから、風味もつくけどさ」
彼方「辛そうだね、コーレーグースみたいだよ」
愛「匂いだけで辛そうだよ」
あなた「じゃあ、最後の手段にでも取っておくか」
あなた「暇潰しにギターでも弾いちゃうかな」
愛「おおー、いいねいいね」
彼方「ノリノリな奴を頼もうかなー」
~♪ Hit in the USA/Beat crusaders
彼方「ブロック肉だよ、塊だよ…」
愛「だよね…見た事ないよ…」
あなた「……この大きさがあれば、あれが出来るかも知れない」
彼方「あれって?」
あなた「タテだかヨコだかわからんビフテキ。いわゆるマンガ肉の一種だね」
彼方「彼方ちゃんもラーメンライスは好きだけどさ、本当に部長そんな古いマンガをよく知ってるね」
愛「ラーメンライスと言えば愛さんはラーメンライス食法かな」
あなた「いや、あれ最後の食べ方は乱れ食いしてるだけでしょ」
彼方「ビフテキというぐらいだから、普通に焼いてみようか」
愛「しかしこの厚さだからねぇ」
あなた「頑張れ火力…ファイヤー」
彼方「強火にすると外だけ焦げそう」
愛「確かに」
あなた「フランベでもしてみる? ウォッカしかないけど。まあ、唐辛子漬けこんでる奴だから、風味もつくけどさ」
彼方「辛そうだね、コーレーグースみたいだよ」
愛「匂いだけで辛そうだよ」
あなた「じゃあ、最後の手段にでも取っておくか」
あなた「暇潰しにギターでも弾いちゃうかな」
愛「おおー、いいねいいね」
彼方「ノリノリな奴を頼もうかなー」
~♪ Hit in the USA/Beat crusaders
19: 2021/02/22(月) 21:21:48.79 ID:2DB0yFje
愛「しかし焼けないね…」
彼方「中まで焼ける気がしない」
あなた「マンガ肉は回転させて焼くお約束だからねぇ。上手に焼けました~♪」
愛「なんでサビに合わせた」
彼方「うーん……なんてこった、頑張れ神戸牛」
あなた「もっと熱くなれよ、神戸牛! コービー・ブライアントがお前を誇ってるぞ!」
愛「……コービー・ブライアントって誰さ?」
彼方「なんか有名なスポーツ選手」
あなた「神戸牛が名前の由来なんだってさ」
彼方「なんだか焦げ付いてきたね」
あなた「最終兵器だ。ファイアーしようぜ」
彼方「行けるかな?」
ぶわっ
彼方「わわわっ!?」
愛「やっぱこうなるよねー」
彼方「……とりあえず切ろうか」
サクサク
あなた「…レアですらないな」
彼方「この大きさ、やはり無理だったか」
あなた「一朝一夕でうまくいくはずもない、か」
愛「上手に焼けませんでした、だね」
あなた「あ、残った四キロ分の肉は二人で分けていいよー」
『タテでもヨコでもないからどうしようもない』
彼方「中まで焼ける気がしない」
あなた「マンガ肉は回転させて焼くお約束だからねぇ。上手に焼けました~♪」
愛「なんでサビに合わせた」
彼方「うーん……なんてこった、頑張れ神戸牛」
あなた「もっと熱くなれよ、神戸牛! コービー・ブライアントがお前を誇ってるぞ!」
愛「……コービー・ブライアントって誰さ?」
彼方「なんか有名なスポーツ選手」
あなた「神戸牛が名前の由来なんだってさ」
彼方「なんだか焦げ付いてきたね」
あなた「最終兵器だ。ファイアーしようぜ」
彼方「行けるかな?」
ぶわっ
彼方「わわわっ!?」
愛「やっぱこうなるよねー」
彼方「……とりあえず切ろうか」
サクサク
あなた「…レアですらないな」
彼方「この大きさ、やはり無理だったか」
あなた「一朝一夕でうまくいくはずもない、か」
愛「上手に焼けませんでした、だね」
あなた「あ、残った四キロ分の肉は二人で分けていいよー」
『タテでもヨコでもないからどうしようもない』
20: 2021/02/22(月) 21:23:13.46 ID:2DB0yFje
果林「あら、そこにいるのって部長じゃない?」
エマ「本当だね。なにかに並んでるよ?」
果林「ファッションの店ね、今日何かの発売日だったかしら…?」
果林「読者モデルとして知らないのはまずいわね、ちょっと見てみましょう」スタスタ
記者「すみません、そこのサングラスの子、ちょっと取材いいですかー?」
あなた「んー? なんの取材? テレビ、ラジオ?」
記者「あ、ネットラジオの取材です。首都短波放送チャンネルの『深夜のテンションと賢者タイム』って…」
あなた「ああー。聞いてます聞いてます。水曜日の全力で突っ走るミュージック天国のコーナーとか好き」
記者「え、こんなに小さいリスナーさんいるの? 午前0時からのライブ放送だけどお母さん大丈夫?」
あなた「面白いからいいじゃん」
記者「それで、金曜日の名前のないファッションショーってコーナーで……」
あなた「あ、だから発売日に取材に来たんだ。あれ聞いて買いに来たからさ」
果林「…ずいぶんマニアックな番組というかなんというか…」
エマ「果林ちゃんが知らないのも無理はないね」
記者「はい。当番組の働きかけで、ジンバブエ発、アフリカのブランドなのにアロハ風シャツブランド、日本初上陸! こんなところにファンがいるとは、心境はどうですか?」
あなた「乗るしかない、このビッグウェーブに!」
記者「ありがとうございましたー」スタスタ
あなた「どうもー」
果林「どんなシャツなのよ、逆に気になるわ…こんにちは、部長」
エマ「こんにちは」
あなた「おお、果林さんにエマさん」
エマ「それにしても素敵な返事だったね。乗るしかない、このビッグウェーブにって」
果林「例のI Phoneおじさんのコメントじゃない…エマに変な日本語を覚えさせないで頂戴」
あなた「あはは、悪かったよ」
エマ「本当だね。なにかに並んでるよ?」
果林「ファッションの店ね、今日何かの発売日だったかしら…?」
果林「読者モデルとして知らないのはまずいわね、ちょっと見てみましょう」スタスタ
記者「すみません、そこのサングラスの子、ちょっと取材いいですかー?」
あなた「んー? なんの取材? テレビ、ラジオ?」
記者「あ、ネットラジオの取材です。首都短波放送チャンネルの『深夜のテンションと賢者タイム』って…」
あなた「ああー。聞いてます聞いてます。水曜日の全力で突っ走るミュージック天国のコーナーとか好き」
記者「え、こんなに小さいリスナーさんいるの? 午前0時からのライブ放送だけどお母さん大丈夫?」
あなた「面白いからいいじゃん」
記者「それで、金曜日の名前のないファッションショーってコーナーで……」
あなた「あ、だから発売日に取材に来たんだ。あれ聞いて買いに来たからさ」
果林「…ずいぶんマニアックな番組というかなんというか…」
エマ「果林ちゃんが知らないのも無理はないね」
記者「はい。当番組の働きかけで、ジンバブエ発、アフリカのブランドなのにアロハ風シャツブランド、日本初上陸! こんなところにファンがいるとは、心境はどうですか?」
あなた「乗るしかない、このビッグウェーブに!」
記者「ありがとうございましたー」スタスタ
あなた「どうもー」
果林「どんなシャツなのよ、逆に気になるわ…こんにちは、部長」
エマ「こんにちは」
あなた「おお、果林さんにエマさん」
エマ「それにしても素敵な返事だったね。乗るしかない、このビッグウェーブにって」
果林「例のI Phoneおじさんのコメントじゃない…エマに変な日本語を覚えさせないで頂戴」
あなた「あはは、悪かったよ」
21: 2021/02/22(月) 21:24:26.55 ID:2DB0yFje
果林「ところで、さっきのブランドってどんなシャツなの?」
あなた「ああ、見てみる? ステージ衣装のベース用にいいかなって、皆の分も買うつもりで来たんだ」
果林・エマ「「え」」
果林(何を買う気だったのよこの子…)
あなた「ちょうど皆のイメージカラーもあったしね。ああ、見本が出てきた。あれとかせつ菜ちゃんカラーだよ」
エマ「……あれ、柄、何?」
あなた「ダイオウグソクムシだね。赤ベースにダークブルーのダイオウグソクムシが乱舞する柄。ラジオによると職人が一匹一匹ミシンで縫ってるってさ」
果林「どんな柄なのよ、これ他が怖くなったわ…」ヒソヒソ
エマ「でもせつ菜ちゃん…意外と喜びそう」ヒソヒソ
果林「…イメージできるのが怖いわ」ヒソヒソ
あなた「ありゃ、ブルーがベースカラーの奴、サイズがないなぁ…なんだよ、2Lしかないって」
果林「(良かった、私のは回避出来たわね…)どんな柄なの?」
あなた「背中にでかでかとイセエビ。デザイナーが三重県に取材したってさ」
エマ「イセエビだけ妙にリアルだね」
あなた「むーん…サイズにいいのがない、しずくちゃん用とせつ菜ちゃん用はあるけど…あ、エマさんの奴は別の柄になるけどあるか」
エマ「え、あるんだ」
あなた「タツノオトシゴ柄はSサイズしかなかったからね、当初のイメージとは変わるけど」
あなた「タコの柄。足を広げるタコ、タコ、タコ」
果林「……古来より、日本の女体とタコは切っても切り離せないわね」
エマ「もーっ!!」プンプン
あなた「…諦めてせつ菜ちゃん用としずくちゃん用を買うとしよう」
エマ「しずくちゃんはどんな柄なの? 水色ベースなのは分かるけど」
あなた「四方八方から顔を出すチンアナゴ」
果林・エマ「「………」」
後日 同好会部室
せつ菜「しずくさんもなかなか可愛らしいですね。イメージカラーがこうもあると」ウキウキ
しずく「あはは…せ、せつ菜さんはすごく独特ですよね…あれ、先輩は?」
かすみ「しず子とせつ菜先輩が着替えてる間に果林先輩たちから話を聞いた歩夢先輩に追い回されてどっか行っちゃった」
『ビッグウェーブに乗っていこうぜ、または作っていこうぜ』
あなた「ああ、見てみる? ステージ衣装のベース用にいいかなって、皆の分も買うつもりで来たんだ」
果林・エマ「「え」」
果林(何を買う気だったのよこの子…)
あなた「ちょうど皆のイメージカラーもあったしね。ああ、見本が出てきた。あれとかせつ菜ちゃんカラーだよ」
エマ「……あれ、柄、何?」
あなた「ダイオウグソクムシだね。赤ベースにダークブルーのダイオウグソクムシが乱舞する柄。ラジオによると職人が一匹一匹ミシンで縫ってるってさ」
果林「どんな柄なのよ、これ他が怖くなったわ…」ヒソヒソ
エマ「でもせつ菜ちゃん…意外と喜びそう」ヒソヒソ
果林「…イメージできるのが怖いわ」ヒソヒソ
あなた「ありゃ、ブルーがベースカラーの奴、サイズがないなぁ…なんだよ、2Lしかないって」
果林「(良かった、私のは回避出来たわね…)どんな柄なの?」
あなた「背中にでかでかとイセエビ。デザイナーが三重県に取材したってさ」
エマ「イセエビだけ妙にリアルだね」
あなた「むーん…サイズにいいのがない、しずくちゃん用とせつ菜ちゃん用はあるけど…あ、エマさんの奴は別の柄になるけどあるか」
エマ「え、あるんだ」
あなた「タツノオトシゴ柄はSサイズしかなかったからね、当初のイメージとは変わるけど」
あなた「タコの柄。足を広げるタコ、タコ、タコ」
果林「……古来より、日本の女体とタコは切っても切り離せないわね」
エマ「もーっ!!」プンプン
あなた「…諦めてせつ菜ちゃん用としずくちゃん用を買うとしよう」
エマ「しずくちゃんはどんな柄なの? 水色ベースなのは分かるけど」
あなた「四方八方から顔を出すチンアナゴ」
果林・エマ「「………」」
後日 同好会部室
せつ菜「しずくさんもなかなか可愛らしいですね。イメージカラーがこうもあると」ウキウキ
しずく「あはは…せ、せつ菜さんはすごく独特ですよね…あれ、先輩は?」
かすみ「しず子とせつ菜先輩が着替えてる間に果林先輩たちから話を聞いた歩夢先輩に追い回されてどっか行っちゃった」
『ビッグウェーブに乗っていこうぜ、または作っていこうぜ』
22: 2021/02/22(月) 21:26:43.15 ID:2DB0yFje
かすみ「海岸沿いはもうやめましょうよ~、先輩。かすみんごと吹き飛びそうでしたよ~」
あなた「まさかあんなに風が強いとは思わなかったんだよ…おっと、見なよ、かすみちゃん、横浜ランドマークタワーだ」
かすみ「こうして見るとなかなか大きいですよね」
あなた「そりゃ関東で一番でかいビルだもんね。璃奈ちゃんとしずくちゃんはもう着てるかな?」
かすみ「まあ、りな子は昨日しず子の家に泊まってますからね」
あなた「今日はかすみちゃんも泊まる訳だ。明日は日曜日、楽しい女子会トークを楽しめよ」
かすみ「先輩はいいんですか?」
あなた「いいんだよ、かすみちゃんを背中に乗せてのツーリングもしたかったからね。妖怪廃部姫も載せてるのにかすみんは乗せてくれないんですかーなんてね」
かすみ「地味に似てないです」
かすみ「あとちょっとですけど、少し休憩してきましょうよ。かすみん腕が痺れそうです。先輩に掴まり過ぎると前のめりで転びそうでして」
あなた「ふーんだ。かすみちゃんは私よりデカいですからね」
かすみ「先輩怒らないでくださいよー。飲み物奢りますからー」
あなた「おお、よろしく」
かすみ「先輩、こんな日々もきちんと思い出にしてくれますか? 忘れないでいてくれますか?」
あなた「もちろんだよ、かすみちゃん」
あなた「こんな日々も、会話一つ一つも、全部立派な思い出として魂にも残してる」
あなた(そしていつか屍者の帝国に送られても、その魂が朽ちないように残してくれる命綱であるんだ)
あなた(輝いていく、かすみちゃん達は知るべきではない、ぼくだけに残った――――――だからぼくが屍者の帝国でいずれ朽ち果て無数に転がる灰の一部になっても、かすみちゃん達も覚えていて欲しい)
かすみ「ありがとうございます、一番かわいいかすみんを、ずっと覚えていてくださいよ?」
あなた「もちろんだよ。ようし、そう言っているかすみちゃんにご褒美だ」
あなた「璃奈ちゃんとしずくちゃんには悪いけど、もうちょっとツーリングだ! 日産スタジアムでも見に行こうか?」
かすみ「ちょっとちょっと! 二人を待たせてますから~! そこまで先輩独り占めしちゃ悪いですよー!」
あなた「まさかあんなに風が強いとは思わなかったんだよ…おっと、見なよ、かすみちゃん、横浜ランドマークタワーだ」
かすみ「こうして見るとなかなか大きいですよね」
あなた「そりゃ関東で一番でかいビルだもんね。璃奈ちゃんとしずくちゃんはもう着てるかな?」
かすみ「まあ、りな子は昨日しず子の家に泊まってますからね」
あなた「今日はかすみちゃんも泊まる訳だ。明日は日曜日、楽しい女子会トークを楽しめよ」
かすみ「先輩はいいんですか?」
あなた「いいんだよ、かすみちゃんを背中に乗せてのツーリングもしたかったからね。妖怪廃部姫も載せてるのにかすみんは乗せてくれないんですかーなんてね」
かすみ「地味に似てないです」
かすみ「あとちょっとですけど、少し休憩してきましょうよ。かすみん腕が痺れそうです。先輩に掴まり過ぎると前のめりで転びそうでして」
あなた「ふーんだ。かすみちゃんは私よりデカいですからね」
かすみ「先輩怒らないでくださいよー。飲み物奢りますからー」
あなた「おお、よろしく」
かすみ「先輩、こんな日々もきちんと思い出にしてくれますか? 忘れないでいてくれますか?」
あなた「もちろんだよ、かすみちゃん」
あなた「こんな日々も、会話一つ一つも、全部立派な思い出として魂にも残してる」
あなた(そしていつか屍者の帝国に送られても、その魂が朽ちないように残してくれる命綱であるんだ)
あなた(輝いていく、かすみちゃん達は知るべきではない、ぼくだけに残った――――――だからぼくが屍者の帝国でいずれ朽ち果て無数に転がる灰の一部になっても、かすみちゃん達も覚えていて欲しい)
かすみ「ありがとうございます、一番かわいいかすみんを、ずっと覚えていてくださいよ?」
あなた「もちろんだよ。ようし、そう言っているかすみちゃんにご褒美だ」
あなた「璃奈ちゃんとしずくちゃんには悪いけど、もうちょっとツーリングだ! 日産スタジアムでも見に行こうか?」
かすみ「ちょっとちょっと! 二人を待たせてますから~! そこまで先輩独り占めしちゃ悪いですよー!」
23: 2021/02/22(月) 21:27:55.64 ID:2DB0yFje
かすみ「お陰でこっちの駐車場に向かわせるのが大変だったよ」
璃奈「おつかれ」
しずく「で、駐車場にバイクを置きに行った先輩は…」
しずく「本屋で立ち読みしてる…」
璃奈「部長、もう」
あなた「あ、ごめんごめん…つい、ね。これを買いに行こうっと」
しずく「何を夢中になって読んでたんです?」
あなた「伊藤計劃の虐〇器官。電子書籍版は持ってるんだけど、紙で読んでるとやはりいいね」
璃奈「映画は見たことある、ハーモニーとかと一緒に」
あなた「ハーモニーの映画はただでさえ難解な原作を詰め込んで余計に解らなくなったからなぁ」
『今日のことを思い出すいつかを思う』
璃奈「おつかれ」
しずく「で、駐車場にバイクを置きに行った先輩は…」
しずく「本屋で立ち読みしてる…」
璃奈「部長、もう」
あなた「あ、ごめんごめん…つい、ね。これを買いに行こうっと」
しずく「何を夢中になって読んでたんです?」
あなた「伊藤計劃の虐〇器官。電子書籍版は持ってるんだけど、紙で読んでるとやはりいいね」
璃奈「映画は見たことある、ハーモニーとかと一緒に」
あなた「ハーモニーの映画はただでさえ難解な原作を詰め込んで余計に解らなくなったからなぁ」
『今日のことを思い出すいつかを思う』
24: 2021/02/22(月) 21:29:17.66 ID:2DB0yFje
同好会部室
せつ菜「難しいですね」
あなた「難しいよね」
愛「他の奴と違って全体が見えないから明らかに難易度が上がってるんじゃない?」
璃奈「そもそも、お助けアイテムがないのが間違い」
あなた「そういうゲームだし、しょうがない」
ガチャリ
栞子「話は聞かせてもらいました! 廃部にしますよ!」
あなた「出たな、妖怪廃部姫!」
璃奈「悪霊退散」つお札
栞子「誰が妖怪ですか! まったく、学校にゲーム機を持ち込んではいけませんよ!」
あなた「それはどうかな」
栞子「どういう意味です?」
あなた「カフェテリアに突如現れたインベーダー筐体、100円タワーを積み上げてプレイする栞子ちゃんの写真がこちらになります」
栞子「こ、これは何かの嘘で……あの、大きなリボンが髪の毛の中からはみ出ているようですが」
愛「やっぱしずくをしおってぃーにするコラージュは無理だって」
璃奈「いいや、愛さん。私なら問題なく出来る。部長が下手なだけ。璃奈ちゃんボード『ふふん』」
栞子「やっぱり桜坂さんではないですか!」
あなた「やべぇ、バレた!」
栞子「決して気になっているわけではありませんがあれは何者かが勝手に持ち込んだのできちんと生徒会で預かりは致しますが……ところでさっきから何をしていたのです?」
あなた「メガドライブ版ソニックスピンボール。昔の洋ゲーならではで難しいよ、これ」
栞子「は、はぁ……なかなか雰囲気がありますね。ピンボールはよく大人の遊びというイメージはあります」
あなた「そうなんだよね、子供向けとは思えない難易度だぞ、これ。本格的ピンボールをそのままソニックに落とし込むとこうなるね」
せつ菜「正直、私でもまったく…」
栞子「ピンボール同好会の力でも借りてみるというのは?」
あなた「そりゃあ、いいね。相談してみようか」
せつ菜「難しいですね」
あなた「難しいよね」
愛「他の奴と違って全体が見えないから明らかに難易度が上がってるんじゃない?」
璃奈「そもそも、お助けアイテムがないのが間違い」
あなた「そういうゲームだし、しょうがない」
ガチャリ
栞子「話は聞かせてもらいました! 廃部にしますよ!」
あなた「出たな、妖怪廃部姫!」
璃奈「悪霊退散」つお札
栞子「誰が妖怪ですか! まったく、学校にゲーム機を持ち込んではいけませんよ!」
あなた「それはどうかな」
栞子「どういう意味です?」
あなた「カフェテリアに突如現れたインベーダー筐体、100円タワーを積み上げてプレイする栞子ちゃんの写真がこちらになります」
栞子「こ、これは何かの嘘で……あの、大きなリボンが髪の毛の中からはみ出ているようですが」
愛「やっぱしずくをしおってぃーにするコラージュは無理だって」
璃奈「いいや、愛さん。私なら問題なく出来る。部長が下手なだけ。璃奈ちゃんボード『ふふん』」
栞子「やっぱり桜坂さんではないですか!」
あなた「やべぇ、バレた!」
栞子「決して気になっているわけではありませんがあれは何者かが勝手に持ち込んだのできちんと生徒会で預かりは致しますが……ところでさっきから何をしていたのです?」
あなた「メガドライブ版ソニックスピンボール。昔の洋ゲーならではで難しいよ、これ」
栞子「は、はぁ……なかなか雰囲気がありますね。ピンボールはよく大人の遊びというイメージはあります」
あなた「そうなんだよね、子供向けとは思えない難易度だぞ、これ。本格的ピンボールをそのままソニックに落とし込むとこうなるね」
せつ菜「正直、私でもまったく…」
栞子「ピンボール同好会の力でも借りてみるというのは?」
あなた「そりゃあ、いいね。相談してみようか」
26: 2021/02/22(月) 21:30:32.82 ID:2DB0yFje
あなた「くっそ、あのピンボール同好会め!」
璃奈「どうしたの?」
あなた「『その程度もクリアできないとか、ソニックスピンボールがクリアできないのは小学生までだよねーwww』とか言って来やがった! 畜生、意地でもクリアだ!」
栞子「ピンボールの腕前でコケにされたのは初めてです…」
あなた「こうなったら意地でもクリアしてやる! 愛ちゃん、コーラよろしく!」
愛「あいよー」
せつ菜「ポテチトングは?」
あなた「欲しい」
璃奈「味はどうする?」
あなた「のり塩で」
「カフェテリアのインベーダー筐体は?」
あなた「エマさんに名古屋撃ち伝授するまで置いておく」
歩夢「…家でやろうか?」ニコニコ
あなた「げぇっ!」
あなた「マルセイユ・ルーレット!」
歩夢「♪」リコーダー吹き
サスケ\やぁ/
あなた「ひぎゃあああああ!!!」
あなた「栞子ちゃん、ここに! 蛇を持ち込んでる奴がいまーす!」
栞子「蛇を持ち込まれたのは初めてです…」
あなた「取り締まれよー!」
『ピンボールとインベーダー』
璃奈「どうしたの?」
あなた「『その程度もクリアできないとか、ソニックスピンボールがクリアできないのは小学生までだよねーwww』とか言って来やがった! 畜生、意地でもクリアだ!」
栞子「ピンボールの腕前でコケにされたのは初めてです…」
あなた「こうなったら意地でもクリアしてやる! 愛ちゃん、コーラよろしく!」
愛「あいよー」
せつ菜「ポテチトングは?」
あなた「欲しい」
璃奈「味はどうする?」
あなた「のり塩で」
「カフェテリアのインベーダー筐体は?」
あなた「エマさんに名古屋撃ち伝授するまで置いておく」
歩夢「…家でやろうか?」ニコニコ
あなた「げぇっ!」
あなた「マルセイユ・ルーレット!」
歩夢「♪」リコーダー吹き
サスケ\やぁ/
あなた「ひぎゃあああああ!!!」
あなた「栞子ちゃん、ここに! 蛇を持ち込んでる奴がいまーす!」
栞子「蛇を持ち込まれたのは初めてです…」
あなた「取り締まれよー!」
『ピンボールとインベーダー』
27: 2021/02/22(月) 21:32:16.84 ID:2DB0yFje
愛「ごめんね、こんな時間に」
あなた「気にしないでいいさ、美里さんに大事無くて良かった」
あなた(午前四時半、明るくなりだした空が照らす道路を、バイクで走っていく)
あなた(愛ちゃん家に泊まる日に訪ねてきた美里さんがまさか倒れるとは誰が予想したか、そんなの予想できるか)
愛「おおー、太陽が昇ってきたよ」
あなた「このまま、もうちょい足を延ばしてみようか。そうだな、日曜日の学校というのも面白いかもね」
愛「朝練する部活の人だってまだ来てない位の時間だよー」
あなた「だろうね。だから愛ちゃん、二人きりの学校を眺めるデートだぜ」
愛「あはははっ! とても部長さんの方が彼氏役には見えないなぁ」
あなた「小さいのは気にしてるんだけどねぇ」
愛「りなりーよりも小さいからね…お陰で掴まるのは大変」
あなた「おっと、それじゃもう少ししたら休憩しよう」
あなた「気にしないでいいさ、美里さんに大事無くて良かった」
あなた(午前四時半、明るくなりだした空が照らす道路を、バイクで走っていく)
あなた(愛ちゃん家に泊まる日に訪ねてきた美里さんがまさか倒れるとは誰が予想したか、そんなの予想できるか)
愛「おおー、太陽が昇ってきたよ」
あなた「このまま、もうちょい足を延ばしてみようか。そうだな、日曜日の学校というのも面白いかもね」
愛「朝練する部活の人だってまだ来てない位の時間だよー」
あなた「だろうね。だから愛ちゃん、二人きりの学校を眺めるデートだぜ」
愛「あはははっ! とても部長さんの方が彼氏役には見えないなぁ」
あなた「小さいのは気にしてるんだけどねぇ」
愛「りなりーよりも小さいからね…お陰で掴まるのは大変」
あなた「おっと、それじゃもう少ししたら休憩しよう」
28: 2021/02/22(月) 21:33:19.43 ID:2DB0yFje
愛「いやー、ここから見ても虹ヶ咲学園、よく見えるねぇ」
あなた「東京都内でも有数の大きさだからね。ビル型校舎とはよくいったもの。それでいてグラウンドも整備されてるからさ」
愛「あ、夜明け」
あなた「綺麗だね」
愛「うん…明けない夜は無いよ」
あなた「確かに。祭りが終わった翌日の朝は寂しく思えるけれど、それでもその朝を迎える価値があるから祭りが終わるのさ」
愛「ああー、わかるわかる。愛さんも、楽しい時間は終わりがあるから楽しいって思う。楽しい時間が長く続くのはいいけれど、永遠だったら一つの楽しいは飽きちゃうよ」
あなた「だろうね。意外とその事に、気付かない時もあるかもね」
愛「?」
あなた「アイスマテ茶は旨い」
愛「だよね! 脂っこい食事にも合うんだってさ」
あなた「マジか、常飲するわ。私、そういう食生活してる時あるから」
愛「部長さん、健康に気を遣おう」
『昨日を変えられない今日の価値』
あなた「東京都内でも有数の大きさだからね。ビル型校舎とはよくいったもの。それでいてグラウンドも整備されてるからさ」
愛「あ、夜明け」
あなた「綺麗だね」
愛「うん…明けない夜は無いよ」
あなた「確かに。祭りが終わった翌日の朝は寂しく思えるけれど、それでもその朝を迎える価値があるから祭りが終わるのさ」
愛「ああー、わかるわかる。愛さんも、楽しい時間は終わりがあるから楽しいって思う。楽しい時間が長く続くのはいいけれど、永遠だったら一つの楽しいは飽きちゃうよ」
あなた「だろうね。意外とその事に、気付かない時もあるかもね」
愛「?」
あなた「アイスマテ茶は旨い」
愛「だよね! 脂っこい食事にも合うんだってさ」
あなた「マジか、常飲するわ。私、そういう食生活してる時あるから」
愛「部長さん、健康に気を遣おう」
『昨日を変えられない今日の価値』
29: 2021/02/22(月) 21:36:20.02 ID:2DB0yFje
同好会 部室
果林「スイカが食べたくなってきたわね」
あなた「おや、それはスイカTシャツのせいかな?」
果林「そうね。例のブランドの柄独創的だわ。青地に黄色いスイカって鮮やかだけど」
愛「まあ、アロハシャツ着てると夏って気分になるよね。たださ、部長さん。この柄すごくない? オレンジベースに、なにこの柄? ウニ?」
あなた「ドリアンだよ」
かすみ「わかる気がします。夏らしい事したいですよね…でも、先輩。このシャツは派手過ぎです。なんですか、ワニだらけはかすみんの可愛いイメージには似合いませんー!」
せつ菜「しかしですね、スイカと言えば…スイカ割だと思うんですよ!」
あなた「いいね、スイカ割。スイカ買ってくるよ」
愛「いいのー? 部長、悪いね」
あなた「なに、今日もバイクで着てるしね」
果林「……ねぇ、背中に乗っけってもらっていいかしら?」
あなた「おお、果林さんは初だ」
ガチャリ
果林「スイカが食べたくなってきたわね」
あなた「おや、それはスイカTシャツのせいかな?」
果林「そうね。例のブランドの柄独創的だわ。青地に黄色いスイカって鮮やかだけど」
愛「まあ、アロハシャツ着てると夏って気分になるよね。たださ、部長さん。この柄すごくない? オレンジベースに、なにこの柄? ウニ?」
あなた「ドリアンだよ」
かすみ「わかる気がします。夏らしい事したいですよね…でも、先輩。このシャツは派手過ぎです。なんですか、ワニだらけはかすみんの可愛いイメージには似合いませんー!」
せつ菜「しかしですね、スイカと言えば…スイカ割だと思うんですよ!」
あなた「いいね、スイカ割。スイカ買ってくるよ」
愛「いいのー? 部長、悪いね」
あなた「なに、今日もバイクで着てるしね」
果林「……ねぇ、背中に乗っけってもらっていいかしら?」
あなた「おお、果林さんは初だ」
ガチャリ
30: 2021/02/22(月) 21:37:35.80 ID:2DB0yFje
かすみ「そういえば先輩の背中に乗っけってもらって横浜に行ったときは風が強くて飛ぶかと思いましたよー」
せつ菜「部長さん小さいですからね……私も秋葉原まで一緒に乗った時に何度かカーブで持っていかれそうに…」
愛「まあ、果林私たちの中でも大きいほうだし、大変だろうねぇ…愛さんの時も乗るのが大変だった」うんうん
果林「バイクだとあっという間ね。もう虹ヶ咲に帰ってこれたわ」よいしょよいしょ
愛「おおー、おかえりー。部長は?」
果林「栞子にまた追い回されてたわよ。だからまたバイクで逃げてったわ」
かすみ「しお子、バイクを追いかけるのがもはや定番だ…」
せつ菜「まあ、それはさておき割る棒…棒…?」キョロキョロ
かすみ「無さそうですね」
愛「ソフトボール部からバット借りる?」
果林「果汁でべたべたになりそうだからやめた方がいいかも」
せつ菜「では棒でも探しに行きますか」
かすみ「ついでに先輩も迎えに行きましょう」
せつ菜「部長さん小さいですからね……私も秋葉原まで一緒に乗った時に何度かカーブで持っていかれそうに…」
愛「まあ、果林私たちの中でも大きいほうだし、大変だろうねぇ…愛さんの時も乗るのが大変だった」うんうん
果林「バイクだとあっという間ね。もう虹ヶ咲に帰ってこれたわ」よいしょよいしょ
愛「おおー、おかえりー。部長は?」
果林「栞子にまた追い回されてたわよ。だからまたバイクで逃げてったわ」
かすみ「しお子、バイクを追いかけるのがもはや定番だ…」
せつ菜「まあ、それはさておき割る棒…棒…?」キョロキョロ
かすみ「無さそうですね」
愛「ソフトボール部からバット借りる?」
果林「果汁でべたべたになりそうだからやめた方がいいかも」
せつ菜「では棒でも探しに行きますか」
かすみ「ついでに先輩も迎えに行きましょう」
31: 2021/02/22(月) 21:38:43.28 ID:2DB0yFje
果林「スクールアイドルフェスティバルも、もうすぐね」
愛「そうだねぇ」
かすみ「……しっかり、いいステージをやりましょう。だいじょうぶ、私達ならできます」
せつ菜「もちろんですよ!」
愛「お、部長いた…」
あなた「くそう、妖怪廃部姫め…ひどい目にあったぞ」
果林「あら、どうしたの?」
あなた「理事長のベンツの前に出る羽目になっちゃったよ」
かすみ「大丈夫だったんですか?」
あなた「大丈夫もクソもなくてね、栞子ちゃんが理事長のベンツの後部座席に乗ってそのまま追跡してきたんだよ。理事長もノリノリで拡声器まで使ってきて…ジャック・ベイカーと殴り合いしている気分だった」
せつ菜「そんなに運転荒いんですか?」
あなた「たぶん、今回だけだと信じたいさ…理事長は今度からファミパンおばさんと呼ぶ事にする」
かすみ「フレーズだけ聞くといやらしい言葉に聞こえますよ…」
せつ菜「でも実際はファミリーパンチの略ですし」
理事長(拡声器)『あなたは既に包囲されているわ、大人しく出てきなさい。ほら、故郷のお母さんも君を思って泣いているのよ』
あなた「まだやってるぞ…もうこっちに逃げてるっての」
愛「そうだねぇ」
かすみ「……しっかり、いいステージをやりましょう。だいじょうぶ、私達ならできます」
せつ菜「もちろんですよ!」
愛「お、部長いた…」
あなた「くそう、妖怪廃部姫め…ひどい目にあったぞ」
果林「あら、どうしたの?」
あなた「理事長のベンツの前に出る羽目になっちゃったよ」
かすみ「大丈夫だったんですか?」
あなた「大丈夫もクソもなくてね、栞子ちゃんが理事長のベンツの後部座席に乗ってそのまま追跡してきたんだよ。理事長もノリノリで拡声器まで使ってきて…ジャック・ベイカーと殴り合いしている気分だった」
せつ菜「そんなに運転荒いんですか?」
あなた「たぶん、今回だけだと信じたいさ…理事長は今度からファミパンおばさんと呼ぶ事にする」
かすみ「フレーズだけ聞くといやらしい言葉に聞こえますよ…」
せつ菜「でも実際はファミリーパンチの略ですし」
理事長(拡声器)『あなたは既に包囲されているわ、大人しく出てきなさい。ほら、故郷のお母さんも君を思って泣いているのよ』
あなた「まだやってるぞ…もうこっちに逃げてるっての」
32: 2021/02/22(月) 21:40:14.20 ID:2DB0yFje
理事長(拡声器)『そんな歳で白髪になってる程苦労しているんでしょう? わかってるわ、けど非行に走っても決して満たされることはないのよ』
あなた「染めてんだけど!!!?」
かすみ「え、地毛じゃなかったんですか?!」
果林「ちょっと意外ね」
かすみ「すごく自然に白いですもんね」
あなた「そんなことはさておき、スイカ割をしよう、スイカ割を」
かすみ「棒が無くて…」
あなた「棒か…あ、そうだ。確かあれがあるぞ」ゴソゴソ
あなた「歩夢がロッカーにスポーツチャンバラ用の棒を隠してたな」
せつ菜「ああ、ありましたね! 歩夢さんが部長さんを制裁する時に使う!」
あなた「乱用、ダメ、絶対」
かすみ「いや、正しい使い方をする分には問題ないでしょう、スポーツチャンバラの棒」
あなた「と、いうことで究極のずばずばばっさり感で頼むよ。私はギターを弾いてる」
愛「相も変わらず気分屋だねぇ」
~♪ みらいいろ/Plastic Tree
あなた「染めてんだけど!!!?」
かすみ「え、地毛じゃなかったんですか?!」
果林「ちょっと意外ね」
かすみ「すごく自然に白いですもんね」
あなた「そんなことはさておき、スイカ割をしよう、スイカ割を」
かすみ「棒が無くて…」
あなた「棒か…あ、そうだ。確かあれがあるぞ」ゴソゴソ
あなた「歩夢がロッカーにスポーツチャンバラ用の棒を隠してたな」
せつ菜「ああ、ありましたね! 歩夢さんが部長さんを制裁する時に使う!」
あなた「乱用、ダメ、絶対」
かすみ「いや、正しい使い方をする分には問題ないでしょう、スポーツチャンバラの棒」
あなた「と、いうことで究極のずばずばばっさり感で頼むよ。私はギターを弾いてる」
愛「相も変わらず気分屋だねぇ」
~♪ みらいいろ/Plastic Tree
33: 2021/02/22(月) 21:41:12.15 ID:2DB0yFje
かすみ「ここは一つせつ菜先輩にお手本を」
せつ菜「いやいや、かわいい後輩かすみさんにお譲りしますよ」
愛「まあまあ、落ち着きなよ。こういう時は大岡裁きをするんだよ」
愛「はい、果林」
せつ菜「なるほど、さすが愛さん!」
かすみ「うんうん!」
果林「もう…えーと、目隠しして」
果林「ぐるぐる回って」
あなた「飛んで飛んで飛んで飛んで…」ボソッ
せつ菜「ん?」
愛「回って回って回ってまわーるー♪」
せつ菜「おおっ、そういえばこんな曲ありましたね!」
あなた「よっしゃ、ノリノリで行くかい?」
愛「ばっちこい」
かすみ「よしきた、ですね」
~♪ 夢想花/円広志
せつ菜「いやいや、かわいい後輩かすみさんにお譲りしますよ」
愛「まあまあ、落ち着きなよ。こういう時は大岡裁きをするんだよ」
愛「はい、果林」
せつ菜「なるほど、さすが愛さん!」
かすみ「うんうん!」
果林「もう…えーと、目隠しして」
果林「ぐるぐる回って」
あなた「飛んで飛んで飛んで飛んで…」ボソッ
せつ菜「ん?」
愛「回って回って回ってまわーるー♪」
せつ菜「おおっ、そういえばこんな曲ありましたね!」
あなた「よっしゃ、ノリノリで行くかい?」
愛「ばっちこい」
かすみ「よしきた、ですね」
~♪ 夢想花/円広志
34: 2021/02/22(月) 21:42:18.63 ID:2DB0yFje
栞子「あ、ようやく見付けましたよ…いいですか、バイク通学は…って何してるんです?」
果林「す、少し回り過ぎたわ…」フラフラ
かすみ「果林先輩、右ですよ、右」
果林「わかったわ、右ね!」←しかし左へ向かう
せつ菜「逆です、逆。果林さん、逆ですよ」
果林「さすがせつ菜ね」←バックしてくる
あなた「前、前! 果林さん、前!」
果林「わかったわ、前ね!」←更に左へと寄っていく
愛「果林、もうちょい右だよ、逆だって」
果林「わかったわ、愛。もう大丈夫よ、ここね!」←左へ向かって半回転している
ぶんっ ガイン
果林「あらっ?」
理事長「私の車のドアミラーに恨みでもあるのかしら?」ニコニコ
五人「「「「「すみませんでしたぁ!」」」」」
理事長「それとそこの白髪の子は栞子ちゃんに廃部姫なんてあだ名をつけたようね?」ニコニコ
あなた「」
果林「す、少し回り過ぎたわ…」フラフラ
かすみ「果林先輩、右ですよ、右」
果林「わかったわ、右ね!」←しかし左へ向かう
せつ菜「逆です、逆。果林さん、逆ですよ」
果林「さすがせつ菜ね」←バックしてくる
あなた「前、前! 果林さん、前!」
果林「わかったわ、前ね!」←更に左へと寄っていく
愛「果林、もうちょい右だよ、逆だって」
果林「わかったわ、愛。もう大丈夫よ、ここね!」←左へ向かって半回転している
ぶんっ ガイン
果林「あらっ?」
理事長「私の車のドアミラーに恨みでもあるのかしら?」ニコニコ
五人「「「「「すみませんでしたぁ!」」」」」
理事長「それとそこの白髪の子は栞子ちゃんに廃部姫なんてあだ名をつけたようね?」ニコニコ
あなた「」
35: 2021/02/22(月) 21:43:16.97 ID:2DB0yFje
彼方「いやー、みんなごめんね補講が多くて…って、なんで額にバカって書いてあるのさ?」
あなた「全部廃部姫のせいだ」
かすみ「全然落ちないですよー…せんぱぁい」
せつ菜「かすみさん、泣いてはいけませんよ、こういうのは根気よくこすって…」
果林「明日までに消えるかしら、明日撮影なんだけど」
愛「愛さん今日も手伝いあるんだけどなー」
『スイカが好きな花たちへ』
あなた「全部廃部姫のせいだ」
かすみ「全然落ちないですよー…せんぱぁい」
せつ菜「かすみさん、泣いてはいけませんよ、こういうのは根気よくこすって…」
果林「明日までに消えるかしら、明日撮影なんだけど」
愛「愛さん今日も手伝いあるんだけどなー」
『スイカが好きな花たちへ』
36: 2021/02/22(月) 21:44:59.54 ID:2DB0yFje
しずく「あ、結ヶ丘女子の制服…」
あなた「結ヶ丘女子だね」
せつ菜「今年開校した学校でしたっけ…開校一年目の生徒会長は大変そうですね」遠い目
あなた「せつ菜ちゃん、元気出せ。新会長妖怪廃部姫の右腕として頑張るのだ」
エマ「部長、フォローになってない。それにしてもあの子たち、仲良しそうだね」
あなた「そうだね」
あなた「……」
あなた「『ねぇねぇ、見てこれ。昨日通販でポチッちゃった』」
せつ菜「アテレコ始めた…」
しずく「『わー、すごいねー』」
エマ「そして乗っかるんだ、しずくちゃん」
あなた「『うん、君にプレゼントしたくて』」
しずく「『ありがとうありがとう! いつ届くの?』」
あなた「『輸送に時間かかるみたいだから、もう少し時間がかかるかも。この画像見て楽しみにしてて?』」
しずく「『うん、いつもいつもありがとう……私を、大事にしてくれるよね』」
あなた「結ヶ丘女子だね」
せつ菜「今年開校した学校でしたっけ…開校一年目の生徒会長は大変そうですね」遠い目
あなた「せつ菜ちゃん、元気出せ。新会長妖怪廃部姫の右腕として頑張るのだ」
エマ「部長、フォローになってない。それにしてもあの子たち、仲良しそうだね」
あなた「そうだね」
あなた「……」
あなた「『ねぇねぇ、見てこれ。昨日通販でポチッちゃった』」
せつ菜「アテレコ始めた…」
しずく「『わー、すごいねー』」
エマ「そして乗っかるんだ、しずくちゃん」
あなた「『うん、君にプレゼントしたくて』」
しずく「『ありがとうありがとう! いつ届くの?』」
あなた「『輸送に時間かかるみたいだから、もう少し時間がかかるかも。この画像見て楽しみにしてて?』」
しずく「『うん、いつもいつもありがとう……私を、大事にしてくれるよね』」
37: 2021/02/22(月) 21:46:18.29 ID:2DB0yFje
あなた「『もちろん。だって大事にしてくれるんだもん…だからさ。その……』」
せつ菜「おおっ、これはこれは…」
エマ「まさか…これは、伝説の桜の木の下的な…」
しずく「『だけど、お母さんにも相談しなくちゃ。どこに置けばいいかな…』」
しずく「『アイルランド国鉄8500系』」
エマ「なんでそんなもん通販で売ってるの!?」
せつ菜「そもそも一両幾らなんですか!? 通販で買える金額じゃないでしょ!?」
あなた「『どこでもいいさ、君が大事にしてくれるなら』」
せつ菜「まだ続けるんですね…」
しずく「『あなたがくれるなら、なんでも大事にする』」
あなた「『この電車は、私のお父さんの従妹の再婚相手の弟の親友の叔父さんがプロポーズを申し込んだ思い出の電車なんだ』」
せつ菜「誰です!?」
エマ「それ、日本語じゃなくても他人って言わない?」
せつ菜「おおっ、これはこれは…」
エマ「まさか…これは、伝説の桜の木の下的な…」
しずく「『だけど、お母さんにも相談しなくちゃ。どこに置けばいいかな…』」
しずく「『アイルランド国鉄8500系』」
エマ「なんでそんなもん通販で売ってるの!?」
せつ菜「そもそも一両幾らなんですか!? 通販で買える金額じゃないでしょ!?」
あなた「『どこでもいいさ、君が大事にしてくれるなら』」
せつ菜「まだ続けるんですね…」
しずく「『あなたがくれるなら、なんでも大事にする』」
あなた「『この電車は、私のお父さんの従妹の再婚相手の弟の親友の叔父さんがプロポーズを申し込んだ思い出の電車なんだ』」
せつ菜「誰です!?」
エマ「それ、日本語じゃなくても他人って言わない?」
38: 2021/02/22(月) 21:47:45.17 ID:2DB0yFje
かのん「…あのー」
あなた・しずく・せつ菜・エマ「「「「あ」」」」
かのん「私、スペインとのクォーターで、特にアイルランドにゆかりはないんだけど…」
千砂都「…かのんちゃん、突っ込むところそこ?」
かのん「まあ、後輩が可愛いのは分かるけど、声の大きさは注意しないとね? リボンが素敵な先輩さん」
しずく「あの、実は私の方が後輩でして…」
かのん「え?」
千砂都「うっそだぁ、一人だけ女子中学生が混じってるんでしょー?」
せつ菜「すいません、この子これでも高二なんです」
かのん「え? だって、サングラスして大人っぽく見せてるけど、明らかに中学せ…」
あなた「ちくしょー!!!」
あなた「…クーポン貰っちゃったよ、今度タコ焼き食べに行こうぜ」
エマ「タコ焼き、いいね。あの子が作るの、絶対美味しいよ!」
『タコ焼きが結ぶもの』
あなた・しずく・せつ菜・エマ「「「「あ」」」」
かのん「私、スペインとのクォーターで、特にアイルランドにゆかりはないんだけど…」
千砂都「…かのんちゃん、突っ込むところそこ?」
かのん「まあ、後輩が可愛いのは分かるけど、声の大きさは注意しないとね? リボンが素敵な先輩さん」
しずく「あの、実は私の方が後輩でして…」
かのん「え?」
千砂都「うっそだぁ、一人だけ女子中学生が混じってるんでしょー?」
せつ菜「すいません、この子これでも高二なんです」
かのん「え? だって、サングラスして大人っぽく見せてるけど、明らかに中学せ…」
あなた「ちくしょー!!!」
あなた「…クーポン貰っちゃったよ、今度タコ焼き食べに行こうぜ」
エマ「タコ焼き、いいね。あの子が作るの、絶対美味しいよ!」
『タコ焼きが結ぶもの』
40: 2021/02/22(月) 21:53:58.16 ID:2DB0yFje
夕暮れ 部室
あなた「皆はまだ…練習中だよな……少し休憩だ」
あなた「………気分転換、だな」ギター取り出し
~♪ 夜に駆ける/YOASOBI
~♪ フルカラープログラム/UNISON SQUARE GARDEN
あなた「なんかテンション上がってきたぞ…もう一曲行くか」
~♪ Zips/T.M.Revolution
パチパチ
彼方「本当に歌上手いねぇ」
エマ「うん、とても」
あなた「おや、まさかのギャラリーがいたよ」
璃奈「ギター好きなのは知ってたけど、これはびっくり。璃奈ちゃんボード『羨望』」
かすみ「意外と最新の曲とかも聞いてるんですね」
あなた「皆はまだ…練習中だよな……少し休憩だ」
あなた「………気分転換、だな」ギター取り出し
~♪ 夜に駆ける/YOASOBI
~♪ フルカラープログラム/UNISON SQUARE GARDEN
あなた「なんかテンション上がってきたぞ…もう一曲行くか」
~♪ Zips/T.M.Revolution
パチパチ
彼方「本当に歌上手いねぇ」
エマ「うん、とても」
あなた「おや、まさかのギャラリーがいたよ」
璃奈「ギター好きなのは知ってたけど、これはびっくり。璃奈ちゃんボード『羨望』」
かすみ「意外と最新の曲とかも聞いてるんですね」
41: 2021/02/22(月) 21:57:24.83 ID:2DB0yFje
あなた「…璃奈ちゃん、良かったらギター弾いてみるかい?」
璃奈「いい、の?」
あなた「家にもう一本あるしね」
彼方「本当に部長って時々ミステリーだよね」
璃奈「璃奈ちゃんボード『こんな事もあろうかと』がよく似合う人」
エマ「ああー……ファッションセンスは謎だけどね…今してるサングラス、何それ?」
あなた「ああ、これ? 角度と見方で見える色が変わるサングラス。レインボーにね。スクールアイドルフェスティバルには、よく似合う」
璃奈「璃奈ちゃんボード『まるで意味がわからんぞ』」
あなた「くうっ! だが理解してもらえるまで頑張るぜ、歩夢ちゃんは無理だったけどさ…」
あなた「さて、璃奈ちゃん。こう持って、こうして」
璃奈「う、うん」
あなた「そして、輝くッ! ウ■トラソウッ! ハァイ!」
かすみ「そして何でそれなんですかっ!?」
彼方「~~~!」腹筋崩壊中
エマ「???」←なんのことかわかってない
璃奈「いい、の?」
あなた「家にもう一本あるしね」
彼方「本当に部長って時々ミステリーだよね」
璃奈「璃奈ちゃんボード『こんな事もあろうかと』がよく似合う人」
エマ「ああー……ファッションセンスは謎だけどね…今してるサングラス、何それ?」
あなた「ああ、これ? 角度と見方で見える色が変わるサングラス。レインボーにね。スクールアイドルフェスティバルには、よく似合う」
璃奈「璃奈ちゃんボード『まるで意味がわからんぞ』」
あなた「くうっ! だが理解してもらえるまで頑張るぜ、歩夢ちゃんは無理だったけどさ…」
あなた「さて、璃奈ちゃん。こう持って、こうして」
璃奈「う、うん」
あなた「そして、輝くッ! ウ■トラソウッ! ハァイ!」
かすみ「そして何でそれなんですかっ!?」
彼方「~~~!」腹筋崩壊中
エマ「???」←なんのことかわかってない
42: 2021/02/22(月) 21:58:39.71 ID:2DB0yFje
あなた「まあ、冗談はさておいて」
璃奈「こう…?」ぽろん、ぽろん
あなた「上手、上手。今はミキサーやDTMソフトも色々あるけど、実際の楽器弾けると広がるからね」
璃奈「う、うん。頑張ってみる」
あなた「大丈夫、璃奈ちゃんなら大丈夫さ」
エマ「部長さんが持ってても大きく見えるけど、璃奈ちゃんが持っても大きく見えるね、ギター」
あなた「家ではたまにギター抱いたまま寝るときもあるからさ」
エマ「そうなの?」
あなた「これぐらいの重さの方が途中で気づいて目覚めるからさ。寝るときの姿勢はちゃんとしないと疲れは取れないさ。でも、何かをやりかけながら眠りにつくのもまた色々さ」
あなた「永遠じゃないんだ。高校生活だって、約1100回分の夜を迎えることを『もう一度』と繰り返すようなもので、有限でしかない。時間は決まってる、時間でしか、片が付かないものもあるしそうでないものだってあるよ」
あなた「いつか璃奈ちゃんが、ギターで作った曲を聞いてみたいかな」
璃奈「……うん」
かすみ「かすみん、ちょっと飲み物を買いに…」
あなた「ああ、そういえば飲み物ないな…一緒に行くよ」
ガチャリ
璃奈「こう…?」ぽろん、ぽろん
あなた「上手、上手。今はミキサーやDTMソフトも色々あるけど、実際の楽器弾けると広がるからね」
璃奈「う、うん。頑張ってみる」
あなた「大丈夫、璃奈ちゃんなら大丈夫さ」
エマ「部長さんが持ってても大きく見えるけど、璃奈ちゃんが持っても大きく見えるね、ギター」
あなた「家ではたまにギター抱いたまま寝るときもあるからさ」
エマ「そうなの?」
あなた「これぐらいの重さの方が途中で気づいて目覚めるからさ。寝るときの姿勢はちゃんとしないと疲れは取れないさ。でも、何かをやりかけながら眠りにつくのもまた色々さ」
あなた「永遠じゃないんだ。高校生活だって、約1100回分の夜を迎えることを『もう一度』と繰り返すようなもので、有限でしかない。時間は決まってる、時間でしか、片が付かないものもあるしそうでないものだってあるよ」
あなた「いつか璃奈ちゃんが、ギターで作った曲を聞いてみたいかな」
璃奈「……うん」
かすみ「かすみん、ちょっと飲み物を買いに…」
あなた「ああ、そういえば飲み物ないな…一緒に行くよ」
ガチャリ
43: 2021/02/22(月) 22:00:10.57 ID:2DB0yFje
かすみ「そうですよね、先輩。永遠なんて、ないですよね」
あなた「そうだね。有限だから、輝けるし、尊い。過ぎていく毎日毎日も、終わりはある。だけど」
あなた「同好会の皆といる、日々がとても輝いていて、幸せなんだ。空っぽでも透明でもない、その重みも、その色も、全部大切な宝物だ」
かすみ「いつまでも、そうしていてくれますか? 人生最後の日になっても、そう思っていてくれますか?」
あなた「かすみちゃん?」
かすみ「……二か月の時間…パワーアップかも知れない、だけど、その二か月、大きいですよ」
あなた「ああ。大きいよ。六十の夜も、一炊の夢なんかにはならない」
かすみ「ずっと、黙ってたんです…こんな、かすみん、可愛くない。けど、先輩には…伝えたいんです」
あなた「そうだね。有限だから、輝けるし、尊い。過ぎていく毎日毎日も、終わりはある。だけど」
あなた「同好会の皆といる、日々がとても輝いていて、幸せなんだ。空っぽでも透明でもない、その重みも、その色も、全部大切な宝物だ」
かすみ「いつまでも、そうしていてくれますか? 人生最後の日になっても、そう思っていてくれますか?」
あなた「かすみちゃん?」
かすみ「……二か月の時間…パワーアップかも知れない、だけど、その二か月、大きいですよ」
あなた「ああ。大きいよ。六十の夜も、一炊の夢なんかにはならない」
かすみ「ずっと、黙ってたんです…こんな、かすみん、可愛くない。けど、先輩には…伝えたいんです」
44: 2021/02/22(月) 22:01:59.07 ID:2DB0yFje
かすみ「春休みに……カフカ・ぺチャック症候群A型って診断されて……その時…余命、二年って」
かすみ「先輩が、卒業するころに……かすみんは……」
あなた(必死に涙をこらえるつもりなのか、もうオレンジを通り越して青紫に変わっていく空の方を向いて、かすみちゃんは最後の言葉を言えなかった)
あなた(その頃に、かすみちゃんの命が尽きてしまう)
あなた(それは偶然か、或いは運命か。いいや、運命であってほしい)
あなた(それがよりによって、スクールアイドル同好会のかけがえのない仲間で、そして時間までドンピシャだなんてそんなの運命以外ありえない)
あなた(神様、もしかしてぼくにそれを下したのは――――――――――)
あなた「ああ、そうか……きみもだね」
あなた(ぼくにこの言葉を、彼女に告げる為ですか)
あなた(それは残酷にも思える、だけど、勇気を振り絞ったかすみちゃんに告げなければいけない)
あなた(約1100回の一夜物語を繰り返し続けるぼくに、世界が無色で空っぽになっていたぼくにもう一度色と重さをくれた、彼女たちには言えなくても、それでもかすみちゃんに言わなければならない)
かすみ「先輩が、卒業するころに……かすみんは……」
あなた(必死に涙をこらえるつもりなのか、もうオレンジを通り越して青紫に変わっていく空の方を向いて、かすみちゃんは最後の言葉を言えなかった)
あなた(その頃に、かすみちゃんの命が尽きてしまう)
あなた(それは偶然か、或いは運命か。いいや、運命であってほしい)
あなた(それがよりによって、スクールアイドル同好会のかけがえのない仲間で、そして時間までドンピシャだなんてそんなの運命以外ありえない)
あなた(神様、もしかしてぼくにそれを下したのは――――――――――)
あなた「ああ、そうか……きみもだね」
あなた(ぼくにこの言葉を、彼女に告げる為ですか)
あなた(それは残酷にも思える、だけど、勇気を振り絞ったかすみちゃんに告げなければいけない)
あなた(約1100回の一夜物語を繰り返し続けるぼくに、世界が無色で空っぽになっていたぼくにもう一度色と重さをくれた、彼女たちには言えなくても、それでもかすみちゃんに言わなければならない)
45: 2021/02/22(月) 22:03:18.51 ID:2DB0yFje
あなた「かすみちゃん。私も大きな秘密があるんだ」
あなた「入学式前日に、余命三年って言われたんだよ」
あなた「入学式前日に、余命三年って言われたんだよ」
46: 2021/02/22(月) 22:05:42.07 ID:2DB0yFje
あなた(君と一緒に死ぬなら、ぼくは一人ぼっちでカーテンの向こう側に行かなくていい。君を一人ぼっちでカーテンの向こう側に送り出さなくていい)
あなた(スクールアイドルとして今を輝き、明日もっと可愛くなるかすみちゃんが旅立つ楽園への水先案内人を務めよう。その入り口で別れて、屍者の帝国へ行くぼくとは違って)
あなた(そんな君の明日を輝かせる為に、二か月の時間は、無駄になんかならないんだ)
かすみ「先輩…」
あなた「カフカ・ぺチャック症候群X型でね。進行が遅めだとは言われてたけど……いつか自分が死ぬって解るのは、怖いよ…一緒だ」
かすみ「……先輩、かすみんと一緒に…進んで、くれますか…?」
あなた「うん。世界で一番かわいいかすみちゃんを、世界で一番かわいくしたい」
あなた「だから二か月かけて、頑張ってくる」
あなた(二か月後の君たちを、もっと輝かせて可愛くするために)
あなた「これは、二人だけの秘密」
かすみ「はい…!」
『前夜の秘密』
あなた(スクールアイドルとして今を輝き、明日もっと可愛くなるかすみちゃんが旅立つ楽園への水先案内人を務めよう。その入り口で別れて、屍者の帝国へ行くぼくとは違って)
あなた(そんな君の明日を輝かせる為に、二か月の時間は、無駄になんかならないんだ)
かすみ「先輩…」
あなた「カフカ・ぺチャック症候群X型でね。進行が遅めだとは言われてたけど……いつか自分が死ぬって解るのは、怖いよ…一緒だ」
かすみ「……先輩、かすみんと一緒に…進んで、くれますか…?」
あなた「うん。世界で一番かわいいかすみちゃんを、世界で一番かわいくしたい」
あなた「だから二か月かけて、頑張ってくる」
あなた(二か月後の君たちを、もっと輝かせて可愛くするために)
あなた「これは、二人だけの秘密」
かすみ「はい…!」
『前夜の秘密』
47: 2021/02/22(月) 22:08:36.81 ID:2DB0yFje
しずく「……カフカ・ぺチャック症候群……うーん、やっぱり難しい…」
しずく「もうちょっと調べてみよう」
しずく「進行は様々で、人によって判明時の余命は様々」
しずく「高熱や苦痛を伴う劇症症状に対する対症療法である注射はある、けど劇症症状が出ている時点でガンで例えるならステージ3か4」
しずく「進行が進めば進むほど、毎日劇症が出る為…患者自身か近しい人が注射をする事も…」
しずく「……強いストレスは進行を早める症例が報告されている」
『強いストレスは進行を早める症例が報告されている』
しずく「もうちょっと調べてみよう」
しずく「進行は様々で、人によって判明時の余命は様々」
しずく「高熱や苦痛を伴う劇症症状に対する対症療法である注射はある、けど劇症症状が出ている時点でガンで例えるならステージ3か4」
しずく「進行が進めば進むほど、毎日劇症が出る為…患者自身か近しい人が注射をする事も…」
しずく「……強いストレスは進行を早める症例が報告されている」
『強いストレスは進行を早める症例が報告されている』
48: 2021/02/22(月) 22:10:39.93 ID:2DB0yFje
あなた「嘘だろ」
ランジュ「私、あなたは要らないわ」
あなた(それまでは笑顔を張り付けていた彼女の顔が変わったのは、その直後だ)
ランジュ「ううん……あなたみたいな人が、一番嫌いよ」
あなた(その素敵な顔を歪めて、はっきりとした軽蔑と憎しみを込めた瞳が、サングラスごしでも解る)
あなた(やはりそう見えるか、いや、今までの話を聞いてたらそうなるか。栞子ちゃんからどんな話を聞いていたかは知らないだろうけれど、きっと鍾嵐珠はこちらを憎んでいるレベルで嫌いになりそうな事だけは解り切ったことだった)
あなた「……だろうね。そんな顔してるや」
ランジュ「私、あなたは要らないわ」
あなた(それまでは笑顔を張り付けていた彼女の顔が変わったのは、その直後だ)
ランジュ「ううん……あなたみたいな人が、一番嫌いよ」
あなた(その素敵な顔を歪めて、はっきりとした軽蔑と憎しみを込めた瞳が、サングラスごしでも解る)
あなた(やはりそう見えるか、いや、今までの話を聞いてたらそうなるか。栞子ちゃんからどんな話を聞いていたかは知らないだろうけれど、きっと鍾嵐珠はこちらを憎んでいるレベルで嫌いになりそうな事だけは解り切ったことだった)
あなた「……だろうね。そんな顔してるや」
49: 2021/02/22(月) 22:11:36.37 ID:2DB0yFje
スタスタ
あなた「ぐぬぬぬ、しかし監視委員会か」
あなた「………しかしよりによって、あの鍾嵐珠か、鍾嵐珠なんだよなぁ…」むむむ
あなた「かすみちゃん…」
あなた(屋上の片隅に、いた。震える足が折れないように、体重を背中にかけて、震える手が取りだした注射器)
あなた(かすみちゃんはこちらに気付くと、目をそらそうとした。見て欲しくないのは解ってる、だけどいつかそうなる自分を思うと、それから目をそらせなかった)
あなた(ぷしゅ、という音。苦痛を堪える瞳。そして、同時に悟る。自己注射しなければならない、それを)
あなた(スクールアイドル部の存在が、この子の症状を急速に悪化させてしまった)
あなた「……ごめん」
あなた(そっと抱きしめた。透明で空っぽになっていたから、また明日が楽しみになってきた。だからその明日の為に二か月という時間は惜しくなかった)
あなた(でもそうじゃない。君と一緒に死んでいく、筈なのに。それが出来なくなってしまった)
あなた(それでも、恨み言一つも言えないのは、尊厳を守る為だ。それはぼくが屍者の帝国まで連れていくものだ。だって、その尊厳を守らなきゃもっと多くの希望が潰えるんだ)
あなた(シンデレラに、魔法をかけなくちゃ)
『かぼちゃの馬車はどこに消えた?』
あなた「ぐぬぬぬ、しかし監視委員会か」
あなた「………しかしよりによって、あの鍾嵐珠か、鍾嵐珠なんだよなぁ…」むむむ
あなた「かすみちゃん…」
あなた(屋上の片隅に、いた。震える足が折れないように、体重を背中にかけて、震える手が取りだした注射器)
あなた(かすみちゃんはこちらに気付くと、目をそらそうとした。見て欲しくないのは解ってる、だけどいつかそうなる自分を思うと、それから目をそらせなかった)
あなた(ぷしゅ、という音。苦痛を堪える瞳。そして、同時に悟る。自己注射しなければならない、それを)
あなた(スクールアイドル部の存在が、この子の症状を急速に悪化させてしまった)
あなた「……ごめん」
あなた(そっと抱きしめた。透明で空っぽになっていたから、また明日が楽しみになってきた。だからその明日の為に二か月という時間は惜しくなかった)
あなた(でもそうじゃない。君と一緒に死んでいく、筈なのに。それが出来なくなってしまった)
あなた(それでも、恨み言一つも言えないのは、尊厳を守る為だ。それはぼくが屍者の帝国まで連れていくものだ。だって、その尊厳を守らなきゃもっと多くの希望が潰えるんだ)
あなた(シンデレラに、魔法をかけなくちゃ)
『かぼちゃの馬車はどこに消えた?』
50: 2021/02/22(月) 22:13:37.76 ID:2DB0yFje
ランジュ「しずく、なんで同好会の方がいいっていうのよ、だってあの子の元よりずっと…他の子だって……」
キャーッ!
ランジュ「ん?」
あなた「ぐへへ、助けなんかこねぇよお嬢ちゃん」モヒカンヅラ&トゲ付き肩パッド装備
彼方「大人しくしてれば命までは取らんぞ」アメフトヘルメット&野球用プロテクター装備
せつ菜「さあ、大人しく部室を明け渡してついでに生徒会長の座を中川菜々に返せと親友の三船さんにいうのです!」赤べスト&麦わら帽子
しずく(ランジュ風かつらとランジュのステージ衣装)「そ、そんなぁ! ランジュをいじめないで欲しいのラ! 誰か助けてラーッ!」
ランジュ「」
「そこまでよ!」
ランジュ「この声は…」
果林「見付けたわよ狼藉もの! 大人しくその子を離すのよ!」黒いスーツ風隊服&模造刀装備
愛「お台場警察24時だね」黒いスーツ風隊服&模造刀装備
ランジュ「なんでアニメに出てきそうなコスプレしてるのよ二人とも」
キャーッ!
ランジュ「ん?」
あなた「ぐへへ、助けなんかこねぇよお嬢ちゃん」モヒカンヅラ&トゲ付き肩パッド装備
彼方「大人しくしてれば命までは取らんぞ」アメフトヘルメット&野球用プロテクター装備
せつ菜「さあ、大人しく部室を明け渡してついでに生徒会長の座を中川菜々に返せと親友の三船さんにいうのです!」赤べスト&麦わら帽子
しずく(ランジュ風かつらとランジュのステージ衣装)「そ、そんなぁ! ランジュをいじめないで欲しいのラ! 誰か助けてラーッ!」
ランジュ「」
「そこまでよ!」
ランジュ「この声は…」
果林「見付けたわよ狼藉もの! 大人しくその子を離すのよ!」黒いスーツ風隊服&模造刀装備
愛「お台場警察24時だね」黒いスーツ風隊服&模造刀装備
ランジュ「なんでアニメに出てきそうなコスプレしてるのよ二人とも」
51: 2021/02/22(月) 22:15:17.31 ID:2DB0yFje
あなた「出たな、チンピラ警察24時!」
せつ菜「おらぁ! こっちには人質がいるんだぞ、大人しくしやがれ!」
彼方「大人しく道を開けろ、人質〇されたくなかったらな!」
果林「人質とは卑怯ね」
愛「うーん、こりゃ手が出せないねぇ」
しずく「ラぁーっ! 助けてぇ!」
ランジュ「少しは妨害しなさいよ! てか、しずくはやめなさい、似てない!」
「ウーウーウーウー」←サイレンのつもり
ミア「そこの三人組止まりなさーい。公道で武器を振り回してはいけませーん」黒いスーツ風隊服&模造刀装備
ランジュ「ミアまでなにやってんのよぉぉぉぉぉぉ!!!!」
あなた「おおっと、そういう訳にはいかねぇなぁ!」
彼方「虹ヶ咲学園を守るために致し方無い事なのさ」
せつ菜「チンピラ警察24時は引っ込め」
ランジュ「せつ菜はまだわかるわ、けど彼方はどんな恰好してるのよ!?」
せつ菜「おらぁ! こっちには人質がいるんだぞ、大人しくしやがれ!」
彼方「大人しく道を開けろ、人質〇されたくなかったらな!」
果林「人質とは卑怯ね」
愛「うーん、こりゃ手が出せないねぇ」
しずく「ラぁーっ! 助けてぇ!」
ランジュ「少しは妨害しなさいよ! てか、しずくはやめなさい、似てない!」
「ウーウーウーウー」←サイレンのつもり
ミア「そこの三人組止まりなさーい。公道で武器を振り回してはいけませーん」黒いスーツ風隊服&模造刀装備
ランジュ「ミアまでなにやってんのよぉぉぉぉぉぉ!!!!」
あなた「おおっと、そういう訳にはいかねぇなぁ!」
彼方「虹ヶ咲学園を守るために致し方無い事なのさ」
せつ菜「チンピラ警察24時は引っ込め」
ランジュ「せつ菜はまだわかるわ、けど彼方はどんな恰好してるのよ!?」
52: 2021/02/22(月) 22:16:45.44 ID:2DB0yFje
ミア「はーい、公務執行妨害。おまわりさんの心を傷つけたー」バズーカ装備
ランジュ「ちょっ!? ミア、そのバズーカなんで後ろ向きに構えてるのよ!! こっちに向いてるでしょうが!!」
ボーン
ランジュ「なにこれぇ……」クリームだらけ
愛「ミア、ミア。パイ投げ用パイ発射バズーカが逆だよ」
ミア「あれ? 気付かなかった」
しずく「ミアーっ! 助けてラーッ!」
ミア「ランジュ! 今助けるよ!」バズーカ二本目
ランジュ「だからなんでバズーカ構えるのよ! あと私! 本物私!」
ボーン
ランジュ「そしてなんでまた逆に向けてんのよ…!」
ミア「大変だ、果林、愛。バズーカが品切れだ」
果林「なんてこと。こうなったら白兵戦よ、けど敵は手強いわ」
愛「頑張ろう、そうしよう」
ランジュ「ちょっ!? ミア、そのバズーカなんで後ろ向きに構えてるのよ!! こっちに向いてるでしょうが!!」
ボーン
ランジュ「なにこれぇ……」クリームだらけ
愛「ミア、ミア。パイ投げ用パイ発射バズーカが逆だよ」
ミア「あれ? 気付かなかった」
しずく「ミアーっ! 助けてラーッ!」
ミア「ランジュ! 今助けるよ!」バズーカ二本目
ランジュ「だからなんでバズーカ構えるのよ! あと私! 本物私!」
ボーン
ランジュ「そしてなんでまた逆に向けてんのよ…!」
ミア「大変だ、果林、愛。バズーカが品切れだ」
果林「なんてこと。こうなったら白兵戦よ、けど敵は手強いわ」
愛「頑張ろう、そうしよう」
53: 2021/02/22(月) 22:19:17.85 ID:2DB0yFje
「ミアの危機、助太刀」
ミア「璃奈!」
愛「りなりー!」
璃奈「とうっ」スパイダーマン柄パーカーを着ている
璃奈「地獄からの使者、天王寺璃奈」
しずく「璃奈! 助けてラー! ついでにこの入部届にもサインするのラーっ!」
璃奈「大丈夫、ランジュさん。ミアは助ける。ミアは」
ランジュ「いや、ランジュは!? というか、誰か助けてぇ……」
ランジュ「あと、私はここよランジュはここ!」
果林「あら、ミア。バズーカを二発とも誤射しちゃってるわよ」
愛「するとこの…あれ?」
愛「えーと…整理しようか」
あなた「そうだね」
あなた「まず、スクールアイドル部の人が、果林さん、愛ちゃん。ミアちゃんと…そこで彼方さんとせつ菜ちゃんが抱えてるランジュさん」
ランジュ「ちょっとぉっ! ランジュは私よ! それはしずくでしょ!?」
ミア「璃奈!」
愛「りなりー!」
璃奈「とうっ」スパイダーマン柄パーカーを着ている
璃奈「地獄からの使者、天王寺璃奈」
しずく「璃奈! 助けてラー! ついでにこの入部届にもサインするのラーっ!」
璃奈「大丈夫、ランジュさん。ミアは助ける。ミアは」
ランジュ「いや、ランジュは!? というか、誰か助けてぇ……」
ランジュ「あと、私はここよランジュはここ!」
果林「あら、ミア。バズーカを二発とも誤射しちゃってるわよ」
愛「するとこの…あれ?」
愛「えーと…整理しようか」
あなた「そうだね」
あなた「まず、スクールアイドル部の人が、果林さん、愛ちゃん。ミアちゃんと…そこで彼方さんとせつ菜ちゃんが抱えてるランジュさん」
ランジュ「ちょっとぉっ! ランジュは私よ! それはしずくでしょ!?」
54: 2021/02/22(月) 22:20:59.41 ID:2DB0yFje
しずく「いーや、ランジュこそ本物ラ! その証拠はこの衣装ラ!」
ミア「確かに本物のランジュだね、ボクが言うから間違いないよ」
ランジュ「よく見たらその衣装本当にランジュのじゃない! 微妙にしずくだとサイズあってない!」
あなた「で、同好会のメンバーが私と、彼方さんと、せつ菜ちゃんと、璃奈ちゃん」
彼方「間違いないね」
あなた「…って、事はえーと…君、誰?」
あなた「ああ、もしかして大串君? あらら、すっかり立派になっちゃって。あの金魚まだでっかくなってるの?」
ランジュ「誰が大串君よ! てか、人をこんなにクリームまみれにさせておいて少しは謝りなさいって!」
あなた「だってミアの誤射だし、私が撃ってないし」
ランジュ「絶対あなたの脚本でしょ、だってあなたこういう自由奔放且つスラップスティックなの大好きでしょ、果林や愛から聞いて知ってるのよ!」
ミア「確かに本物のランジュだね、ボクが言うから間違いないよ」
ランジュ「よく見たらその衣装本当にランジュのじゃない! 微妙にしずくだとサイズあってない!」
あなた「で、同好会のメンバーが私と、彼方さんと、せつ菜ちゃんと、璃奈ちゃん」
彼方「間違いないね」
あなた「…って、事はえーと…君、誰?」
あなた「ああ、もしかして大串君? あらら、すっかり立派になっちゃって。あの金魚まだでっかくなってるの?」
ランジュ「誰が大串君よ! てか、人をこんなにクリームまみれにさせておいて少しは謝りなさいって!」
あなた「だってミアの誤射だし、私が撃ってないし」
ランジュ「絶対あなたの脚本でしょ、だってあなたこういう自由奔放且つスラップスティックなの大好きでしょ、果林や愛から聞いて知ってるのよ!」
55: 2021/02/22(月) 22:21:55.80 ID:2DB0yFje
あなた「まあまあ落ち着きなよ。それに、こんな風にもめてたらそろそろ撤収しないとやばいぜ。妖怪制裁ウサギがやってきそうだ」
ランジュ「制裁ウサギって誰よ…あ、わかった。歩夢ね。あなた幼馴染をそんな呼び方しちゃダメでしょうに」
あなた「あっはっは、今を全力で楽しむことも私のモットーの一つだ。2000のモットーを持つ女と呼んでくれ」
せつ菜「五代雄介みたいなものですね」
璃奈「あれ? なにか……」
愛「なに、あれ」
歩夢「……」甲冑+ウサギ型変わり兜装備(三船グループ博物館所蔵)
エマ「……」←西洋甲冑装備(三船グループ博物館所蔵)
栞子「……」←兵馬俑的な鎧装備(三船グループ博物館所蔵)
ドドド
ランジュ「制裁ウサギって誰よ…あ、わかった。歩夢ね。あなた幼馴染をそんな呼び方しちゃダメでしょうに」
あなた「あっはっは、今を全力で楽しむことも私のモットーの一つだ。2000のモットーを持つ女と呼んでくれ」
せつ菜「五代雄介みたいなものですね」
璃奈「あれ? なにか……」
愛「なに、あれ」
歩夢「……」甲冑+ウサギ型変わり兜装備(三船グループ博物館所蔵)
エマ「……」←西洋甲冑装備(三船グループ博物館所蔵)
栞子「……」←兵馬俑的な鎧装備(三船グループ博物館所蔵)
ドドド
56: 2021/02/22(月) 22:23:06.85 ID:2DB0yFje
あなた「うわぁぁぁぁぁぁあぁ!!!!?」
せつ菜「なにか来ましたよ!?」
果林「逃げましょう!」
ミア「璃奈、逃げよう!」
璃奈「うん」
愛「てか、何で三人とも無言!?」
あなた「なんか怖い! すごく怖い!」
ランジュ「なんでランジュまで一緒に逃げてるの!?」
しずく「そんな事より逃げれば無問題ラ」
彼方「ここは一つどっかでバラバラに逃げようか」
歩夢・エマ・栞子「「「…」」」←無言且つニコニコ顔で追跡してくる三人
ドゴン
あなた「いでっ、なんだよなにかにぶつかったぞ!」
ぼごっ ガイン どさどさっ
せつ菜「いたた…人は急に止まれませんよ」
果林「もう、なによこの障害ぶ……」
理事長「……あなた達、私の車にそんなに恨みでもあるのかしら?」ニコニコ
ランジュ「あ、ママ!」
理事長「ランジュも可愛いけどすこーしおいたが過ぎるわね」ニコニコ
ランジュ「」
せつ菜「なにか来ましたよ!?」
果林「逃げましょう!」
ミア「璃奈、逃げよう!」
璃奈「うん」
愛「てか、何で三人とも無言!?」
あなた「なんか怖い! すごく怖い!」
ランジュ「なんでランジュまで一緒に逃げてるの!?」
しずく「そんな事より逃げれば無問題ラ」
彼方「ここは一つどっかでバラバラに逃げようか」
歩夢・エマ・栞子「「「…」」」←無言且つニコニコ顔で追跡してくる三人
ドゴン
あなた「いでっ、なんだよなにかにぶつかったぞ!」
ぼごっ ガイン どさどさっ
せつ菜「いたた…人は急に止まれませんよ」
果林「もう、なによこの障害ぶ……」
理事長「……あなた達、私の車にそんなに恨みでもあるのかしら?」ニコニコ
ランジュ「あ、ママ!」
理事長「ランジュも可愛いけどすこーしおいたが過ぎるわね」ニコニコ
ランジュ「」
58: 2021/02/22(月) 22:24:37.94 ID:2DB0yFje
右月「何の苦行ですか、生徒会長…」ゼェゼェ
栞子「業務です」
左月「もう肩痛いですよ…何個パイを作っては投げればいいんですか…?」
歩夢「もうそろそろいいかな。反省したと思う」
エマ「うん、二人ともありがとう」
右月「は、はい…」
左月「それにしても……」
右月・左月「「あのクリームパイの海に埋もれてあの人たち大丈夫かな…」」
もぞもぞ
あなた「やっと飛んでこなくなったぞ…八個目から先は覚えてないや」
果林「真っ白じゃない…璃奈、大丈夫? 埋もれてるわよ?」
璃奈「せつ菜さんが、守ってくれた。問題ない」
せつ菜「お陰で私も埋もれましたけど」
しずく「ふぅ、ランジュさんは盾にもなりませんね」
ミア「ランジュは逃げ回るから仕方ないさ、しずく」
愛「彼方さん、大丈夫? 何個食べたの?」
彼方「三個が限界だよ、パイが大きいんだ」
ランジュ「うぅ……ひどい目に遭った……」
『仁義なきパイ投げ』
栞子「業務です」
左月「もう肩痛いですよ…何個パイを作っては投げればいいんですか…?」
歩夢「もうそろそろいいかな。反省したと思う」
エマ「うん、二人ともありがとう」
右月「は、はい…」
左月「それにしても……」
右月・左月「「あのクリームパイの海に埋もれてあの人たち大丈夫かな…」」
もぞもぞ
あなた「やっと飛んでこなくなったぞ…八個目から先は覚えてないや」
果林「真っ白じゃない…璃奈、大丈夫? 埋もれてるわよ?」
璃奈「せつ菜さんが、守ってくれた。問題ない」
せつ菜「お陰で私も埋もれましたけど」
しずく「ふぅ、ランジュさんは盾にもなりませんね」
ミア「ランジュは逃げ回るから仕方ないさ、しずく」
愛「彼方さん、大丈夫? 何個食べたの?」
彼方「三個が限界だよ、パイが大きいんだ」
ランジュ「うぅ……ひどい目に遭った……」
『仁義なきパイ投げ』
59: 2021/02/22(月) 22:26:55.99 ID:2DB0yFje
理事長「あら、桜坂さん」
しずく「あ、理事長。そういえばランジュさんなんですけどね、少し元気がないようなので…」
理事長「そうね、仕事が忙しいからかしら」
しずく「はい、なので…ひそひそ」
理事長「なるほど、スクールアイドル部の部室のロッカーに隠れてバァするのね。名案だわ」
しずく「ふふっ、善は急げです」
ランジュ「火災予防ウィーク…そんなのもあるのね。日本は色々だわ」フムフム
栞子「ええ。なので、虹ヶ咲学園では、消火器の他、廊下の各所に放水ホースと水道を設置しています」
ランジュ「それにしてもあの白い悪魔はいないわよね?」キョロキョロ
栞子「おや、どうしたのです?」
しずく「あ、理事長。そういえばランジュさんなんですけどね、少し元気がないようなので…」
理事長「そうね、仕事が忙しいからかしら」
しずく「はい、なので…ひそひそ」
理事長「なるほど、スクールアイドル部の部室のロッカーに隠れてバァするのね。名案だわ」
しずく「ふふっ、善は急げです」
ランジュ「火災予防ウィーク…そんなのもあるのね。日本は色々だわ」フムフム
栞子「ええ。なので、虹ヶ咲学園では、消火器の他、廊下の各所に放水ホースと水道を設置しています」
ランジュ「それにしてもあの白い悪魔はいないわよね?」キョロキョロ
栞子「おや、どうしたのです?」
60: 2021/02/22(月) 22:27:48.05 ID:2DB0yFje
ランジュ「例のスクールアイドル同好会部長の事よ! ママに怒られたのもそうだけど、先週は部室に入った瞬間にインク入り水風船が飛んできたし、四日前は愛と果林に声かけて何してるかと思えば練習中に窓から新聞が飛んできてインストラクターが『恐怖新聞だ!』って逃げ出すし!」
ランジュ「その前に至っては施設のスタジオをロックバンド同好会とか軽音楽部に解放してたわね…てか、いつの間にランジュの認可スタンプを複製してたのよ、あの子」
栞子「案外協力者でもいたんじゃないですか? 意外と近くに」
ランジュ「昨日だってエマに勧誘に行ったら璃奈とせつ菜を連れて輪ゴムを次々と撃ってくるし…なんで同好会の子たちはあの子に付き合ってるのよ…あんなの今日が楽しければそれでいいやしか考えられない刹那的快楽主義者じゃない。一番スクールアイドルってものも考えてない気がするわ」
栞子「……その真偽は本人のみぞ知る、かも知れませんね」ぼそり
ランジュ「?」
はんぺん「にゃー」
ランジュ「あら…猫ちゃんだわ。かわいい。おいでおいで」
ランジュ「同じ白でもこの子はこんなに可愛いのに…」ナデナデ
ぷすっ
ランジュ「その前に至っては施設のスタジオをロックバンド同好会とか軽音楽部に解放してたわね…てか、いつの間にランジュの認可スタンプを複製してたのよ、あの子」
栞子「案外協力者でもいたんじゃないですか? 意外と近くに」
ランジュ「昨日だってエマに勧誘に行ったら璃奈とせつ菜を連れて輪ゴムを次々と撃ってくるし…なんで同好会の子たちはあの子に付き合ってるのよ…あんなの今日が楽しければそれでいいやしか考えられない刹那的快楽主義者じゃない。一番スクールアイドルってものも考えてない気がするわ」
栞子「……その真偽は本人のみぞ知る、かも知れませんね」ぼそり
ランジュ「?」
はんぺん「にゃー」
ランジュ「あら…猫ちゃんだわ。かわいい。おいでおいで」
ランジュ「同じ白でもこの子はこんなに可愛いのに…」ナデナデ
ぷすっ
62: 2021/02/22(月) 22:29:13.92 ID:2DB0yFje
ランジュ「痛ぁ!? な、なにもう…」
あなた「さすがケツ吹き矢、よく効くぜ」
はんぺん「にゃー」たたたっ
ランジュ「またアンタって人はランジュに…許さないわよ!」
あなた「マルセイユ・ルーレット!」逃亡
ランジュ「待ちなさぁぁぁぁい!」
栞子「こんな同好会の危機でも先輩は楽しそうですね……果林さん愛さん相手にもフツーに接しているようですし……」
栞子「かすみさんの事を相談すべきでしょうか…いや」
栞子「私や、愛さん達がかすみさんに裏切者って言われるのは…私の過ちです…」
ランジュ「どこに行ったのかしら、あの白い悪魔。あ、璃奈。しずくも」
璃奈「ん?」はんぺんナデナデ
しずく「あ、ランジュさん」
あなた「さすがケツ吹き矢、よく効くぜ」
はんぺん「にゃー」たたたっ
ランジュ「またアンタって人はランジュに…許さないわよ!」
あなた「マルセイユ・ルーレット!」逃亡
ランジュ「待ちなさぁぁぁぁい!」
栞子「こんな同好会の危機でも先輩は楽しそうですね……果林さん愛さん相手にもフツーに接しているようですし……」
栞子「かすみさんの事を相談すべきでしょうか…いや」
栞子「私や、愛さん達がかすみさんに裏切者って言われるのは…私の過ちです…」
ランジュ「どこに行ったのかしら、あの白い悪魔。あ、璃奈。しずくも」
璃奈「ん?」はんぺんナデナデ
しずく「あ、ランジュさん」
63: 2021/02/22(月) 22:30:15.21 ID:2DB0yFje
ランジュ「スクールアイドル同好会の部長見てないかしら?」
しずく「今、そこのスクールアイドル部の部室に入りましたよ」
璃奈「ロッカーが開く音がした」
ランジュ「なるほど、ロッカーに隠れているのね。把握したわ」
ランジュ「そういうことならこっちにも考えがある。そろそろ寒い季節よ、ずぶ濡れになるのは最悪だわ」廊下から放水用ホースを持ってくる
ランジュ「しずく、璃奈。今って言ったら水道全開よ」
しずく「はい、ランジュさん◯」
璃奈「わかった」
ランジュ「こういう時なんて言えばいいのかしら。えーと、年…年…なんだったっけ? まぁ、いいわ。借金払え! 今よ!」
しずく「全開、とな」キュっ
びしゃああああああああ!!!
理事長「ちょっと…ランジュっ! やめなさい!」ずぶ濡れ
ランジュ「えっ!? ママ!? な、なんでロッカーの中に…しずく、璃奈!」
璃奈「璃奈ちゃんボード『大成功』」
しずく「これは一本取られましたね」
あなた「大成功、やったぜ」グッ
ランジュ「あんの性悪白ピクミン~!!!」
しずく「今、そこのスクールアイドル部の部室に入りましたよ」
璃奈「ロッカーが開く音がした」
ランジュ「なるほど、ロッカーに隠れているのね。把握したわ」
ランジュ「そういうことならこっちにも考えがある。そろそろ寒い季節よ、ずぶ濡れになるのは最悪だわ」廊下から放水用ホースを持ってくる
ランジュ「しずく、璃奈。今って言ったら水道全開よ」
しずく「はい、ランジュさん◯」
璃奈「わかった」
ランジュ「こういう時なんて言えばいいのかしら。えーと、年…年…なんだったっけ? まぁ、いいわ。借金払え! 今よ!」
しずく「全開、とな」キュっ
びしゃああああああああ!!!
理事長「ちょっと…ランジュっ! やめなさい!」ずぶ濡れ
ランジュ「えっ!? ママ!? な、なんでロッカーの中に…しずく、璃奈!」
璃奈「璃奈ちゃんボード『大成功』」
しずく「これは一本取られましたね」
あなた「大成功、やったぜ」グッ
ランジュ「あんの性悪白ピクミン~!!!」
64: 2021/02/22(月) 22:31:15.84 ID:2DB0yFje
理事長「ランジュ、ちょっとママと大事な話しましょう?」ニコニコ
ランジュ「ち、違うのよママ! あいつが! あの白チビが悪いのよ!」
ランジュ「うわあああああん!」ガチ泣き
エマ「うわ、ホースが出しっぱなし」
歩夢「もう、水道も出しっぱなしダメ…って、ランジュさん? なんで泣いてるの?」
ランジュ「同好会の部長が…」グスッ
歩夢「まーた、悪戯したんだね?」
エマ「…溜飲は下がるけど、ランジュちゃんすっかり部長のおもちゃにされてるね…」
歩夢「で、今日はなにがあったの?」
ランジュ「かくかくしかじか…」グスン
歩夢「……」くるっ
あなた「よし、しずくちゃん、璃奈ちゃん逃げるぞ!」
しずく「はいっ」
璃奈「璃奈ちゃんボード『合点承知の助』」
歩夢「逃がさないよ」だだだっ
ランジュ「ち、違うのよママ! あいつが! あの白チビが悪いのよ!」
ランジュ「うわあああああん!」ガチ泣き
エマ「うわ、ホースが出しっぱなし」
歩夢「もう、水道も出しっぱなしダメ…って、ランジュさん? なんで泣いてるの?」
ランジュ「同好会の部長が…」グスッ
歩夢「まーた、悪戯したんだね?」
エマ「…溜飲は下がるけど、ランジュちゃんすっかり部長のおもちゃにされてるね…」
歩夢「で、今日はなにがあったの?」
ランジュ「かくかくしかじか…」グスン
歩夢「……」くるっ
あなた「よし、しずくちゃん、璃奈ちゃん逃げるぞ!」
しずく「はいっ」
璃奈「璃奈ちゃんボード『合点承知の助』」
歩夢「逃がさないよ」だだだっ
65: 2021/02/22(月) 22:32:18.01 ID:2DB0yFje
ある小学校
教師「みなさーん、火事はとても危険です。今日はボランティアのお姉さんたちが私たちで出来る消防活動を実演してくれます」
子供たち「「「「「はーい」」」」」
歩夢(消防服装備)「火事はとても危険。燃え広がる前に消せればそれにこしたことはないね」
エマ(消防服装備)「それは万国共通だね」
しずく「ぼーっ! ぼーっ!」(赤い服着て赤い帽子を被り、火を熱演中)
璃奈「めらめら」(赤い服着て赤い帽子を被り、火を真似っ子中)
あなた「全集中、炎の呼吸!」(赤い服着て赤い帽子をかぶってるけど火を演じる気なし)
歩夢「つまり、この段階で消せれば問題ありません。エマさん、放水」
エマ「うん」
あなた「冷たっ! ちょっと歩夢ちゃん! 水は出さない筈じゃなかった…冷たい冷たいてか水圧痛い!」
しずく「ひゃああああああ!!!!」
璃奈「なんで私まで」
『火災予防は突然に』
教師「みなさーん、火事はとても危険です。今日はボランティアのお姉さんたちが私たちで出来る消防活動を実演してくれます」
子供たち「「「「「はーい」」」」」
歩夢(消防服装備)「火事はとても危険。燃え広がる前に消せればそれにこしたことはないね」
エマ(消防服装備)「それは万国共通だね」
しずく「ぼーっ! ぼーっ!」(赤い服着て赤い帽子を被り、火を熱演中)
璃奈「めらめら」(赤い服着て赤い帽子を被り、火を真似っ子中)
あなた「全集中、炎の呼吸!」(赤い服着て赤い帽子をかぶってるけど火を演じる気なし)
歩夢「つまり、この段階で消せれば問題ありません。エマさん、放水」
エマ「うん」
あなた「冷たっ! ちょっと歩夢ちゃん! 水は出さない筈じゃなかった…冷たい冷たいてか水圧痛い!」
しずく「ひゃああああああ!!!!」
璃奈「なんで私まで」
『火災予防は突然に』
66: 2021/02/22(月) 22:33:42.50 ID:2DB0yFje
かすみ「……うくっ…はぁっ…はぁっ……」
あなた(荒い息を付きながら、その注射器を首元から離したかすみちゃんは、ゆっくりと壁に寄り掛かる)
あなた(手を貸す事だけは、かすみちゃんは嫌がった。それはかすみちゃんのプライドなのだ。ぼくと同じ時に死ねないかすみちゃん自身が縛った鎖か、または二か月という時間離れていた間に、開いてしまった距離か)
かすみ「先輩…すみません、せっかくのデートなのに……」
あなた「いいんだ。それより、もう少し休んでいこう」
かすみ「はい…そしたら、この痛いのも…治まり、ますから……」
あなた(涙を目に一杯溜めながら、少し悪くなった顔色でも、振り絞る力。燃え上がる、生きるという炎)
あなた(だから知っていて欲しいのだ。きみと同じように振り絞って煌々と明るく燃えた、きみが知らない炎の話を)
かすみ「すごい色遣いだ……鮮やかで、とても力いっぱい」
あなた「かすみちゃんが気に入ってくれて、良かった」
かすみ「このひまわりの絵、すごいですよ。草原の中に一本だけなのに、全部にきちんと色があって、ひまわりなんか特に」
あなた「ああ、この絵の実物すごいな。初めて見るや。画集なんかと全然違う」
かすみ「ところで、どんな画家さんなんです?」
あなた(荒い息を付きながら、その注射器を首元から離したかすみちゃんは、ゆっくりと壁に寄り掛かる)
あなた(手を貸す事だけは、かすみちゃんは嫌がった。それはかすみちゃんのプライドなのだ。ぼくと同じ時に死ねないかすみちゃん自身が縛った鎖か、または二か月という時間離れていた間に、開いてしまった距離か)
かすみ「先輩…すみません、せっかくのデートなのに……」
あなた「いいんだ。それより、もう少し休んでいこう」
かすみ「はい…そしたら、この痛いのも…治まり、ますから……」
あなた(涙を目に一杯溜めながら、少し悪くなった顔色でも、振り絞る力。燃え上がる、生きるという炎)
あなた(だから知っていて欲しいのだ。きみと同じように振り絞って煌々と明るく燃えた、きみが知らない炎の話を)
かすみ「すごい色遣いだ……鮮やかで、とても力いっぱい」
あなた「かすみちゃんが気に入ってくれて、良かった」
かすみ「このひまわりの絵、すごいですよ。草原の中に一本だけなのに、全部にきちんと色があって、ひまわりなんか特に」
あなた「ああ、この絵の実物すごいな。初めて見るや。画集なんかと全然違う」
かすみ「ところで、どんな画家さんなんです?」
67: 2021/02/22(月) 22:35:06.18 ID:2DB0yFje
あなた「今年の春にカフカ・ぺチャック症候群で亡くなった子だよ。13歳でね。彼女の絵が、とても好きなんだ」
かすみ「そんなニュースを見たような見てないような…あれ?」
あなた「ん?」
かすみ「薫子さん、ですよね…」
薫子「公開すべきじゃない」
支配人「しかし……」
薫子「故人がそうすべきじゃないと思ってる」
ランジュ「でも、最期の作品なのよ。あの子の…あの子が、ベッドから這い出て…」
薫子「それでも、これは見せるべきじゃない」
かすみ「うわ、ランジュだ。なんでここに?」
あなた「……この画家はね。ランジュさんの従妹なんだよ」
かすみ「え?」
かすみ「ホントだ…写真も、確かに面影、ありますね…」
あなた「大好きな絵を描き続けたくて、それで死に物狂いで絵を描いて、こうして世界中の人たちが褒める位の輝きを残していった」
あなた「…そういう、輝きを残していったんだ。その行き先は、安らぎある楽園であるべきなんだ」
かすみ「そんなニュースを見たような見てないような…あれ?」
あなた「ん?」
かすみ「薫子さん、ですよね…」
薫子「公開すべきじゃない」
支配人「しかし……」
薫子「故人がそうすべきじゃないと思ってる」
ランジュ「でも、最期の作品なのよ。あの子の…あの子が、ベッドから這い出て…」
薫子「それでも、これは見せるべきじゃない」
かすみ「うわ、ランジュだ。なんでここに?」
あなた「……この画家はね。ランジュさんの従妹なんだよ」
かすみ「え?」
かすみ「ホントだ…写真も、確かに面影、ありますね…」
あなた「大好きな絵を描き続けたくて、それで死に物狂いで絵を描いて、こうして世界中の人たちが褒める位の輝きを残していった」
あなた「…そういう、輝きを残していったんだ。その行き先は、安らぎある楽園であるべきなんだ」
68: 2021/02/22(月) 22:36:17.40 ID:2DB0yFje
かすみ「先輩……かすみんは、そんな輝きを」
あなた「スクールアイドル、中須かすみの輝きは誰もが知ってるさ。世界で一番かわいいかすみんってね」
あなた「そしてまだまだ、これからも輝かなくちゃ」
薫子「公開すべきじゃないんだ。あの子の為にも」
ランジュ「見てもらわなきゃ! あの子の最期の最後なのよ、それを伝えなきゃ…」
薫子「本当にあの子の意志がわかるなら、公開すべきじゃない」
あなた「…穏やかじゃないな」
ランジュ「げ、性悪白ピクミン。なんでこんな所に…」
あなた「おや、彼女の絵のファンだからに決まってるだろ」
ランジュ「かすみ、こんなのに付き合ってたらダメよ。ついでに入部届にサインを…」
薫子「おい、部長。覗き見しようとするんじゃない」
あなた「スクールアイドル、中須かすみの輝きは誰もが知ってるさ。世界で一番かわいいかすみんってね」
あなた「そしてまだまだ、これからも輝かなくちゃ」
薫子「公開すべきじゃないんだ。あの子の為にも」
ランジュ「見てもらわなきゃ! あの子の最期の最後なのよ、それを伝えなきゃ…」
薫子「本当にあの子の意志がわかるなら、公開すべきじゃない」
あなた「…穏やかじゃないな」
ランジュ「げ、性悪白ピクミン。なんでこんな所に…」
あなた「おや、彼女の絵のファンだからに決まってるだろ」
ランジュ「かすみ、こんなのに付き合ってたらダメよ。ついでに入部届にサインを…」
薫子「おい、部長。覗き見しようとするんじゃない」
69: 2021/02/22(月) 22:37:26.55 ID:2DB0yFje
あなた「ちょっとだけでもダメー?」
薫子「ダメ」
あなた「そこをなんとか」
薫子「NO」
あなた「お礼にサングラスコレクションから好きなのあげますから」
薫子「ダメと言ったらダメだ。欲しいのは幾つかあるけど」
ランジュ「そんなに見たいなら…見せてあげるわよ。ちょっとだけカーテンめくるから」
薫子「ランジュ!」
ランジュ「…ファンなら、どう?」
あなた「……なるほど」
あなた「薫子さん、ごめん」
あなた「薫子さんの言う通りだった。見るべきじゃないものを見てしまった」
薫子「ダメ」
あなた「そこをなんとか」
薫子「NO」
あなた「お礼にサングラスコレクションから好きなのあげますから」
薫子「ダメと言ったらダメだ。欲しいのは幾つかあるけど」
ランジュ「そんなに見たいなら…見せてあげるわよ。ちょっとだけカーテンめくるから」
薫子「ランジュ!」
ランジュ「…ファンなら、どう?」
あなた「……なるほど」
あなた「薫子さん、ごめん」
あなた「薫子さんの言う通りだった。見るべきじゃないものを見てしまった」
70: 2021/02/22(月) 22:38:36.52 ID:2DB0yFje
薫子「君のそれを聞いて安心した。ランジュ、これは公開すべきじゃない。引っ込めるんだ」
ランジュ「………わかったわ」
ランジュ「かすみ、いつでも部室で待ってるわ。無問題ラ、あなたならもっと輝ける!」
かすみ「…行きましょう、先輩」
あなた「ああ」
喫茶店
かすみ「すいません、また発作出ちゃって…」
あなた「気にしなくていいよ、かすみちゃん。すいませーん、注文を」
かのん「はーい……あれ? もしかして…」
ランジュ「………わかったわ」
ランジュ「かすみ、いつでも部室で待ってるわ。無問題ラ、あなたならもっと輝ける!」
かすみ「…行きましょう、先輩」
あなた「ああ」
喫茶店
かすみ「すいません、また発作出ちゃって…」
あなた「気にしなくていいよ、かすみちゃん。すいませーん、注文を」
かのん「はーい……あれ? もしかして…」
71: 2021/02/22(月) 22:39:26.62 ID:2DB0yFje
あなた「そうそう。虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会、スクールアイドルの中須かすみちゃんだよ」
あなた「かすみちゃん、この子は澁谷かのんちゃん。結ヶ丘女子のスクールアイドル、Liella!のメンバーで歌を歌うのがすごく上手い」
かすみ「初めまして、かすみんですっ」
あなた(やはり、かすみちゃんはすぐに笑顔になった)
かのん「初めまして。あ、注文だよね」
あなた「カフェラテを二つ貰おう」
かすみ「先輩、この子とどうやって…まさかまたナンパを」
あなた「たまたま、だよ。たまたま」
かのん「でもすみれちゃんナンパしてたの知ってますからね、私」
あなた「な、なんで知ってるんだ!?」
かのん「すみれちゃんから聞いたので」
かすみ「へぇー、先輩どんな口説きを?」
あなた「かすみちゃん、この子は澁谷かのんちゃん。結ヶ丘女子のスクールアイドル、Liella!のメンバーで歌を歌うのがすごく上手い」
かすみ「初めまして、かすみんですっ」
あなた(やはり、かすみちゃんはすぐに笑顔になった)
かのん「初めまして。あ、注文だよね」
あなた「カフェラテを二つ貰おう」
かすみ「先輩、この子とどうやって…まさかまたナンパを」
あなた「たまたま、だよ。たまたま」
かのん「でもすみれちゃんナンパしてたの知ってますからね、私」
あなた「な、なんで知ってるんだ!?」
かのん「すみれちゃんから聞いたので」
かすみ「へぇー、先輩どんな口説きを?」
72: 2021/02/22(月) 22:41:04.54 ID:2DB0yFje
かのん「『君、スクールアイドルに興味ない? ライブ一緒に見に行きませんか?』だって」
あなた「その後、Liella!のライブに逆に連れてってもらったよ」
かすみ「見たい! 先輩、かすみん、Liella!の皆のライブみたいですよー」
かのん「私たちは一緒にステージに立ちたいかな」
かすみ「虹ヶ咲の皆と…うん!」グスッ
あなた「ああ、そうだね」
あなた「その日を、楽しみにしよう」
かのん「あのね、私たちこんな感じに…」
かすみ「うんうん。かすみん達はこうして…」
あなた「………ライブ、か……」
『光の届かない場所を覗いた日のこと』
あなた「その後、Liella!のライブに逆に連れてってもらったよ」
かすみ「見たい! 先輩、かすみん、Liella!の皆のライブみたいですよー」
かのん「私たちは一緒にステージに立ちたいかな」
かすみ「虹ヶ咲の皆と…うん!」グスッ
あなた「ああ、そうだね」
あなた「その日を、楽しみにしよう」
かのん「あのね、私たちこんな感じに…」
かすみ「うんうん。かすみん達はこうして…」
あなた「………ライブ、か……」
『光の届かない場所を覗いた日のこと』
73: 2021/02/22(月) 22:42:14.69 ID:2DB0yFje
ランジュ「仕掛けておいた紙が落ちている…と、いうことはあの白チビ、また部室に不法侵入したわね!」プンスカ
愛「白チビって酷いあだ名だね」
果林「無理もないわね。この前も廊下でランジュに獅子舞がタックルしてたけど、どう見ても部長とせつ菜と彼方だったもの」
果林「後はこの前せつ菜と璃奈を連れて輪ゴム鉄砲ガトリング作ってたわね」
愛「そういえば一昨日は部長とせっつーに誘われて折り紙手裏剣たくさん作ったけど、どうするんだろうね?」
果林「それは昨日だわ。ダンスのレッスン直後に忍者になったあの子とせつ菜としずくと璃奈が襲撃してきたのよ。もー、インストラクターの皆さん大混乱よ。その様子がもうおかしくっておかしくって。途中でミアも一緒に混じって手裏剣投げてたぐらいよ」
愛「うわ、愛さんお店の手伝いなければ混じりたかった!」
果林「私と栞子も一緒に遊んでたら、そこへ顔を白塗りした歩夢が模造刀手に現れてまとめて逃げ回る羽目になったわ」
愛「部長さん、ランジュさんが来てからめっちゃ楽しそうだよね。実際楽しいけど」
果林「すごくわかるわ」
ランジュ「愛、果林。先入って怪しいのがないか見てきて」
愛「白チビって酷いあだ名だね」
果林「無理もないわね。この前も廊下でランジュに獅子舞がタックルしてたけど、どう見ても部長とせつ菜と彼方だったもの」
果林「後はこの前せつ菜と璃奈を連れて輪ゴム鉄砲ガトリング作ってたわね」
愛「そういえば一昨日は部長とせっつーに誘われて折り紙手裏剣たくさん作ったけど、どうするんだろうね?」
果林「それは昨日だわ。ダンスのレッスン直後に忍者になったあの子とせつ菜としずくと璃奈が襲撃してきたのよ。もー、インストラクターの皆さん大混乱よ。その様子がもうおかしくっておかしくって。途中でミアも一緒に混じって手裏剣投げてたぐらいよ」
愛「うわ、愛さんお店の手伝いなければ混じりたかった!」
果林「私と栞子も一緒に遊んでたら、そこへ顔を白塗りした歩夢が模造刀手に現れてまとめて逃げ回る羽目になったわ」
愛「部長さん、ランジュさんが来てからめっちゃ楽しそうだよね。実際楽しいけど」
果林「すごくわかるわ」
ランジュ「愛、果林。先入って怪しいのがないか見てきて」
74: 2021/02/22(月) 22:43:23.09 ID:2DB0yFje
愛「はいはーい」
果林「どれどれ」ガチャリ
果林「なにもないわね」
愛「なにもないね」
ランジュ「本当に?」
果林「ええ、本当よ」
愛「本当になにもないね」
ランジュ「それなら…」
ランジュ「って本当になにもないじゃない!!! 部室がからっぽ!?」
ランジュ「あんの最終鬼畜ハツカネズミ~! 今日という今日は汚名挽回ラ!」
栞子「汚名を挽回してどうするんです…騒がしいですよ、ランジュ。生徒会室まで聞こえましたよ」
ランジュ「栞子! 部室の中身が!」
栞子「ああ、だから生徒会室に荷物が届いたんですね」
ランジュ「?」
果林「どれどれ」ガチャリ
果林「なにもないわね」
愛「なにもないね」
ランジュ「本当に?」
果林「ええ、本当よ」
愛「本当になにもないね」
ランジュ「それなら…」
ランジュ「って本当になにもないじゃない!!! 部室がからっぽ!?」
ランジュ「あんの最終鬼畜ハツカネズミ~! 今日という今日は汚名挽回ラ!」
栞子「汚名を挽回してどうするんです…騒がしいですよ、ランジュ。生徒会室まで聞こえましたよ」
ランジュ「栞子! 部室の中身が!」
栞子「ああ、だから生徒会室に荷物が届いたんですね」
ランジュ「?」
75: 2021/02/22(月) 22:45:04.60 ID:2DB0yFje
栞子「生徒会室に拾得物として荷物が山ほどきたんですが…道理で見覚えのある中身だったんですね」
ランジュ「もーっ! 今日こそとっちめてやるんラ!」
栞子「監視委員会に同好会の活動を妨害させてるから、やる事ないんじゃないですか? 監視委員会を廃止すれば練習するかも知れませんよ」
ミア「なんとなくわかる気はするけどね…ランジュ、こっちまで聞こえてる。うるさい」ガチャリ
ランジュ「むきーっ! 同好会のアジトに行ってやる!」
ドタドタ
ランジュ「今日という今日は許さないわよ! 人の部室に侵入して!」
彼方「ニーハオ。私、成都のカナタ・チャンあるよ」中華服装備
璃奈「……」←ライブ用璃奈ちゃんボードにゴ〇ゴ13の顔を映している
彼方「そしてこっちは伝説のゲーマー、リナリー13」
璃奈「用件を聞こう」
ランジュ「いや、あんた達なにやってんのよ。てか、同好会の部長どこに行ったか知らない?」
璃奈「依頼を果たすのは私にゲームで勝ってからだ」
ランジュ「なんか嫌な予感がするけどいいわ、受けて立つわよ。果林、愛、栞子、ミア。一緒に」
ランジュ「もーっ! 今日こそとっちめてやるんラ!」
栞子「監視委員会に同好会の活動を妨害させてるから、やる事ないんじゃないですか? 監視委員会を廃止すれば練習するかも知れませんよ」
ミア「なんとなくわかる気はするけどね…ランジュ、こっちまで聞こえてる。うるさい」ガチャリ
ランジュ「むきーっ! 同好会のアジトに行ってやる!」
ドタドタ
ランジュ「今日という今日は許さないわよ! 人の部室に侵入して!」
彼方「ニーハオ。私、成都のカナタ・チャンあるよ」中華服装備
璃奈「……」←ライブ用璃奈ちゃんボードにゴ〇ゴ13の顔を映している
彼方「そしてこっちは伝説のゲーマー、リナリー13」
璃奈「用件を聞こう」
ランジュ「いや、あんた達なにやってんのよ。てか、同好会の部長どこに行ったか知らない?」
璃奈「依頼を果たすのは私にゲームで勝ってからだ」
ランジュ「なんか嫌な予感がするけどいいわ、受けて立つわよ。果林、愛、栞子、ミア。一緒に」
76: 2021/02/22(月) 22:46:31.85 ID:2DB0yFje
璃奈「マスター、ゲームの方を」
彼方「おまかせーある」ゴソゴソ
栞子「ボードゲーム?」
彼方「堕天使ヨハネの地獄生活ゲーム。難易度は高いあるよ」
彼方「ルールは人生ゲームのようなものあるね」
果林「なるほどね。わかったわ」
愛「よーし、それじゃ愛さんはオレンジで、果林が青で、りなりーは白。しおってぃーは緑、ランジュさんは赤でミアは黄色だね」
栞子「人生ゲームの割にはルーレットがついてないようですが」
彼方「ここに最新型のルーレットタブレットコントローラ。タッチして回すある。六人分あるあるよ」
ランジュ「彼方のその喋り方、まるで似合わないわね。じゃあ、順番は愛、果林、璃奈、栞子、ランジュ、ミアの順番ね」
彼方「プレイヤーはそれぞれ初期の所持金として十万リリー貰えるある」
栞子「リリーって単位だったんですか?」
彼方「ちなみにマイナスになると借金生活になるある」
彼方「おまかせーある」ゴソゴソ
栞子「ボードゲーム?」
彼方「堕天使ヨハネの地獄生活ゲーム。難易度は高いあるよ」
彼方「ルールは人生ゲームのようなものあるね」
果林「なるほどね。わかったわ」
愛「よーし、それじゃ愛さんはオレンジで、果林が青で、りなりーは白。しおってぃーは緑、ランジュさんは赤でミアは黄色だね」
栞子「人生ゲームの割にはルーレットがついてないようですが」
彼方「ここに最新型のルーレットタブレットコントローラ。タッチして回すある。六人分あるあるよ」
ランジュ「彼方のその喋り方、まるで似合わないわね。じゃあ、順番は愛、果林、璃奈、栞子、ランジュ、ミアの順番ね」
彼方「プレイヤーはそれぞれ初期の所持金として十万リリー貰えるある」
栞子「リリーって単位だったんですか?」
彼方「ちなみにマイナスになると借金生活になるある」
77: 2021/02/22(月) 22:47:46.04 ID:2DB0yFje
愛「それじゃ、愛さんからね。行くよー」ぽん
愛「えーと、6だね。6マス進むと…」
『散歩中にしずくまに襲われ、メロン畑に逃亡。逃げ切れたがメロン畑が台無し、三十万リリーのお支払い』
愛「いきなり借金…」
果林「頑張りなさい、愛。私は……3、まあまあね。3マスっと」
『キャプテン曜にカキをもらって食べたが、大当たり。二回休み』
果林「二回休みって…」
璃奈「私の番。むんっ…15」
ランジュ「え? 15? このルーレット10までしかないように見えるんだけど」
璃奈「一万リリーを支払うと、ルーレットの数字に10を足すことが出来る」
璃奈「15マスっと」
『サイボーグPKエリーチカに襲われた! 五万支払うか一回休んで次のプレイヤーに五万負担してもらうかを選ぼう』
璃奈「一回休んで次のプレイヤー、すなわち栞子に五万支払ってもらう」
栞子「始まる前から資産が減りました…」
愛「えーと、6だね。6マス進むと…」
『散歩中にしずくまに襲われ、メロン畑に逃亡。逃げ切れたがメロン畑が台無し、三十万リリーのお支払い』
愛「いきなり借金…」
果林「頑張りなさい、愛。私は……3、まあまあね。3マスっと」
『キャプテン曜にカキをもらって食べたが、大当たり。二回休み』
果林「二回休みって…」
璃奈「私の番。むんっ…15」
ランジュ「え? 15? このルーレット10までしかないように見えるんだけど」
璃奈「一万リリーを支払うと、ルーレットの数字に10を足すことが出来る」
璃奈「15マスっと」
『サイボーグPKエリーチカに襲われた! 五万支払うか一回休んで次のプレイヤーに五万負担してもらうかを選ぼう』
璃奈「一回休んで次のプレイヤー、すなわち栞子に五万支払ってもらう」
栞子「始まる前から資産が減りました…」
78: 2021/02/22(月) 22:49:06.00 ID:2DB0yFje
栞子「ふむふむ…一万リリーを支払うごとにルーレットの数字に10プラス、ですね。では、残り五万リリーを全て支払うので50を足してもらいましょう」
栞子「さあ、回れ回れルーレット! 55ですね、55マスっと……」
『職業マス:総統に就任。給料200万リリーが給料日マスに入ってくるぞ! 総統は他のプレイヤーに命令を下すことが出来る職業だ!』
栞子「総統ですか…総統になるのは初めてです…」
彼方「ぽちっとな」
ランジュ「なにかしら、この軍歌風な曲?」
栞子「私が地獄の総統、三船栞子です!」
栞子「さあ、回れ回れルーレット! 55ですね、55マスっと……」
『職業マス:総統に就任。給料200万リリーが給料日マスに入ってくるぞ! 総統は他のプレイヤーに命令を下すことが出来る職業だ!』
栞子「総統ですか…総統になるのは初めてです…」
彼方「ぽちっとな」
ランジュ「なにかしら、この軍歌風な曲?」
栞子「私が地獄の総統、三船栞子です!」
79: 2021/02/22(月) 22:50:14.96 ID:2DB0yFje
ガラっ
あなた・せつ菜・しずく・璃奈「「「「総統! 総統! 総統!」」」」
栞子「みなさん! 地獄で一番偉いのは?」
あなた・せつ菜・しずく・璃奈「「「「しおりん! しおりん! しおりん総統!」」」」
栞子「そうです、私がしおりん総統です!」
あなた・せつ菜・しずく・璃奈「「「「しおりん! しおりん! しおりん総統!」」」」
栞子「逆らう相手に?」
あなた「廃部宣告!」
栞子「そうでなければ?」
せつ菜「停学通知!」
栞子「そんな私は?」
しずく「生徒会長!」
栞子「学校で一番?」
璃奈「偉いぜ総統!」
あなた・せつ菜・しずく・璃奈・彼方・果林・愛・ミア「「「「「「「「しおりん! しおりん! しおりん総統!」」」」」」」」
ランジュ「あんた達までなんで加わってるのよ! てかうるさい!」
あなた・せつ菜・しずく・璃奈「「「「総統! 総統! 総統!」」」」
栞子「みなさん! 地獄で一番偉いのは?」
あなた・せつ菜・しずく・璃奈「「「「しおりん! しおりん! しおりん総統!」」」」
栞子「そうです、私がしおりん総統です!」
あなた・せつ菜・しずく・璃奈「「「「しおりん! しおりん! しおりん総統!」」」」
栞子「逆らう相手に?」
あなた「廃部宣告!」
栞子「そうでなければ?」
せつ菜「停学通知!」
栞子「そんな私は?」
しずく「生徒会長!」
栞子「学校で一番?」
璃奈「偉いぜ総統!」
あなた・せつ菜・しずく・璃奈・彼方・果林・愛・ミア「「「「「「「「しおりん! しおりん! しおりん総統!」」」」」」」」
ランジュ「あんた達までなんで加わってるのよ! てかうるさい!」
80: 2021/02/22(月) 22:51:57.85 ID:2DB0yFje
栞子「スクールアイドル部は廃部にします!」
ランジュ「ぬわぁんでよっ!!!!」
ランジュ「てか、とうとう見付けたわよ最終鬼畜ハツカネズミ! 覚悟なさい!」
あなた「マルセイユ・ルーレット!」ひょいっ
ランジュ「あ! 後ろに!」
あなた「からのホック外し!」ぷつっ
ランジュ「きゃあ!!!!!!!」赤面
あなた「あーんど、わしわしMAX!」わしわしMAX
ランジュ「いやああああああああああああああ!!! やめっ、ちょっ、やめなさっ…ぁんっ…」
せつ菜「うーん、えちえちですね」
愛「学園の風紀が乱れるね、みだらなランジュさんのお陰で。みだれてるだけに…ぷくくっ」
しずく「これは…逸材ですね、やらしい系スクールアイドルでしょうか」
栞子「ランジュにはやらしさの適性があります」キリッ
果林「部長、ランジュをわしわしMAXした感想は?」
あなた「ご立派ぁ!」
ランジュ「ぬわぁんでよっ!!!!」
ランジュ「てか、とうとう見付けたわよ最終鬼畜ハツカネズミ! 覚悟なさい!」
あなた「マルセイユ・ルーレット!」ひょいっ
ランジュ「あ! 後ろに!」
あなた「からのホック外し!」ぷつっ
ランジュ「きゃあ!!!!!!!」赤面
あなた「あーんど、わしわしMAX!」わしわしMAX
ランジュ「いやああああああああああああああ!!! やめっ、ちょっ、やめなさっ…ぁんっ…」
せつ菜「うーん、えちえちですね」
愛「学園の風紀が乱れるね、みだらなランジュさんのお陰で。みだれてるだけに…ぷくくっ」
しずく「これは…逸材ですね、やらしい系スクールアイドルでしょうか」
栞子「ランジュにはやらしさの適性があります」キリッ
果林「部長、ランジュをわしわしMAXした感想は?」
あなた「ご立派ぁ!」
81: 2021/02/22(月) 22:53:07.72 ID:2DB0yFje
璃奈「そんなにすごいの」
ミア「ランジュはすごいよ、ほら」ふにふに
璃奈「おお、これは…」ふにふに
ランジュ「ミアも璃奈もやめなさっ…まだ下着直してなっ…許さないわよ!」
あなた「バイバイさよならまーたーねー!」ぴゅーん
ランジュ「もーっ! もーっ!」顔真っ赤
ランジュ「ぜぇぜぇ…」よいしょよいしょ
ランジュ「生徒会室と何往復したのよ…やっと全部運び終わったわ…皆も手伝ってくれてありがとう」
せつ菜「いえいえ、運び出したのをまた元に戻すだけですし」
エマ「せつ菜ちゃん、運び出すのもやったんだね?」
璃奈「愛さん達と一緒、問題、ない」
愛「そうそう。どこにどこを入れれば把握できるからね」
ランジュ「」ずるっ
ミア「ランジュはすごいよ、ほら」ふにふに
璃奈「おお、これは…」ふにふに
ランジュ「ミアも璃奈もやめなさっ…まだ下着直してなっ…許さないわよ!」
あなた「バイバイさよならまーたーねー!」ぴゅーん
ランジュ「もーっ! もーっ!」顔真っ赤
ランジュ「ぜぇぜぇ…」よいしょよいしょ
ランジュ「生徒会室と何往復したのよ…やっと全部運び終わったわ…皆も手伝ってくれてありがとう」
せつ菜「いえいえ、運び出したのをまた元に戻すだけですし」
エマ「せつ菜ちゃん、運び出すのもやったんだね?」
璃奈「愛さん達と一緒、問題、ない」
愛「そうそう。どこにどこを入れれば把握できるからね」
ランジュ「」ずるっ
83: 2021/02/22(月) 22:54:10.31 ID:2DB0yFje
歩夢「まったく、あの子は…」
ランジュ「あの最終鬼畜ハツカネズミどこに逃げたのかしら?」
歩夢「今朝バイクのカギは隠したから逃げ足は速くないと思うよ」
カチャカチャ ガチャリ
愛「おー、部長さん、どうしたのさ?」
あなた「愛ちゃん、工具箱見てない? 工具箱?」
愛「そこの棚だよー」
あなた「いやー、ハンターカブのキー隠されちゃって…だから、今日はサブのクロスカブ50で来たんだけど」
歩夢「なんでいつの間に二台目のバイクも持ってるのあの子は…!」
エマ「まあまあ」
あなた「あんまり乗ってないからすねちゃったみたいでね。少し直さないと」
愛「あ、手伝うよー」
果林「原付よね? ちょっと見てみたいわ」
璃奈「私も、手伝う」
彼方「原付かぁ、興味あるなぁ」
ランジュ「…ちょっと? その工具箱スクールアイドル部の備品よね!? てか、なんでナチュラルに鍵開けて入ってきてるのあの子!?」
ランジュ「あの最終鬼畜ハツカネズミどこに逃げたのかしら?」
歩夢「今朝バイクのカギは隠したから逃げ足は速くないと思うよ」
カチャカチャ ガチャリ
愛「おー、部長さん、どうしたのさ?」
あなた「愛ちゃん、工具箱見てない? 工具箱?」
愛「そこの棚だよー」
あなた「いやー、ハンターカブのキー隠されちゃって…だから、今日はサブのクロスカブ50で来たんだけど」
歩夢「なんでいつの間に二台目のバイクも持ってるのあの子は…!」
エマ「まあまあ」
あなた「あんまり乗ってないからすねちゃったみたいでね。少し直さないと」
愛「あ、手伝うよー」
果林「原付よね? ちょっと見てみたいわ」
璃奈「私も、手伝う」
彼方「原付かぁ、興味あるなぁ」
ランジュ「…ちょっと? その工具箱スクールアイドル部の備品よね!? てか、なんでナチュラルに鍵開けて入ってきてるのあの子!?」
84: 2021/02/22(月) 22:55:08.43 ID:2DB0yFje
ゾロゾロ
ランジュ「最早突っ込みどころが追い付かない…」ぜぇぜぇ
ランジュ「本当に手伝ってくれてありがとう」
エマ「…え、あ、うん。頼まれたから」
エマ(なんでだろう、部長に振り回されるランジュちゃん)
エマ(普通の女の子みたいに見える)
璃奈「もう少し、手入れしないと」
あなた「あちゃー…そっか」
璃奈「こっちのパーツを変えよう」
璃奈「そういえば、あのボードゲーム、テストプレイでもなかなか面白かった」
あなた「それはなによりだ。共同考案者のルビィちゃんと花丸ちゃんにも伝えておくよ。次はμ’sやAqoursも誘ってやろう」
ランジュ「最早突っ込みどころが追い付かない…」ぜぇぜぇ
ランジュ「本当に手伝ってくれてありがとう」
エマ「…え、あ、うん。頼まれたから」
エマ(なんでだろう、部長に振り回されるランジュちゃん)
エマ(普通の女の子みたいに見える)
璃奈「もう少し、手入れしないと」
あなた「あちゃー…そっか」
璃奈「こっちのパーツを変えよう」
璃奈「そういえば、あのボードゲーム、テストプレイでもなかなか面白かった」
あなた「それはなによりだ。共同考案者のルビィちゃんと花丸ちゃんにも伝えておくよ。次はμ’sやAqoursも誘ってやろう」
85: 2021/02/22(月) 22:56:26.64 ID:2DB0yFje
果林「…彼方」
彼方「んー?」
果林「かすみ、どうしてるかしら?」
彼方「ゲリラライブも練習も一生懸命だねー」
果林「……部の部室からもの運ぶときもそうだったけど。あの子、私にも愛にも、栞子にも…ずっと裏切者って呼んでた。でも」
彼方「でも?」
果林「あの子、裏切者って言う度に。目を合わせないで、本当はそんな事を思ってなくてすまなそうな目をしてるのよ」
彼方「……」
果林「部長は、かすみはデリケートな所があるからって言ってたけど」
彼方「かすみちゃんは、プライドが高いからね。にこちゃんみたいにさ」
愛「…それは、愛さんも思ってた。なんだろう、何か不安になるよ……まるで」
愛「わざと私たちに嫌われる事言ってるようで」
あなた「……」
あなた「シンデレラの魔法は、十二時の鐘が鳴り響くまでだ」
『地獄の総統へ挨拶しに、チャリで来た』
彼方「んー?」
果林「かすみ、どうしてるかしら?」
彼方「ゲリラライブも練習も一生懸命だねー」
果林「……部の部室からもの運ぶときもそうだったけど。あの子、私にも愛にも、栞子にも…ずっと裏切者って呼んでた。でも」
彼方「でも?」
果林「あの子、裏切者って言う度に。目を合わせないで、本当はそんな事を思ってなくてすまなそうな目をしてるのよ」
彼方「……」
果林「部長は、かすみはデリケートな所があるからって言ってたけど」
彼方「かすみちゃんは、プライドが高いからね。にこちゃんみたいにさ」
愛「…それは、愛さんも思ってた。なんだろう、何か不安になるよ……まるで」
愛「わざと私たちに嫌われる事言ってるようで」
あなた「……」
あなた「シンデレラの魔法は、十二時の鐘が鳴り響くまでだ」
『地獄の総統へ挨拶しに、チャリで来た』
86: 2021/02/22(月) 22:59:42.31 ID:2DB0yFje
ランジュ「栞子、悪いわね。せっかくの休日に」
栞子「ランジュ、気にしないでください。あなたが日本に来る前から、私もやっていましたから」
栞子「でも、児童館や老人ホームは多いですが、小児病棟は初めてですね」
ランジュ「あら、意外」
栞子「しかし、しっかり元気を届けましょう?」
ランジュ「ええ、そうね。必死に生きようとしている子の背中を押して、輝かせること。そして、元気づける事。それも大事な事よ」
ランジュ「だからスクールアイドルを初めて良かったと思う。そんな子たちを直接元気づけられるものが、ランジュにも出来たんだもの」
ランジュ「愛や果林や…今は同好会にいる子たちだって、誘いたいけどそれは高望みね。皆用事があるわ」
歩夢「あれ?」
エマ「……ん?」
せつ菜「おや、奇遇ですね!」
かすみ「あ…」
栞子「皆さん…珍しいところで会いますね」しれっ
歩夢「うん、まあね。スクールアイドル活動の一環で、小児病棟へのボランティアに」
ランジュ「良かった! 私たちもよ! 一緒に行きましょう!」
栞子「ランジュ、気にしないでください。あなたが日本に来る前から、私もやっていましたから」
栞子「でも、児童館や老人ホームは多いですが、小児病棟は初めてですね」
ランジュ「あら、意外」
栞子「しかし、しっかり元気を届けましょう?」
ランジュ「ええ、そうね。必死に生きようとしている子の背中を押して、輝かせること。そして、元気づける事。それも大事な事よ」
ランジュ「だからスクールアイドルを初めて良かったと思う。そんな子たちを直接元気づけられるものが、ランジュにも出来たんだもの」
ランジュ「愛や果林や…今は同好会にいる子たちだって、誘いたいけどそれは高望みね。皆用事があるわ」
歩夢「あれ?」
エマ「……ん?」
せつ菜「おや、奇遇ですね!」
かすみ「あ…」
栞子「皆さん…珍しいところで会いますね」しれっ
歩夢「うん、まあね。スクールアイドル活動の一環で、小児病棟へのボランティアに」
ランジュ「良かった! 私たちもよ! 一緒に行きましょう!」
87: 2021/02/22(月) 23:01:06.18 ID:2DB0yFje
歩夢(栞子ちゃん、もしかして…)ヒソヒソ
栞子(ええ、部長から皆さんに連絡するようにと。それでランジュもうまく合わせるようにと)ひそひそ
歩夢(まったく、あの子は…)ヒソヒソ
ランジュ「?」
せつ菜「今日行く小児病棟はどれぐらいの子がいるのでしょう!」
ランジュ「確か、色々な子がいるわ…」キョロキョロ
せつ菜「どうしました?」
ランジュ「いや、あの白い悪魔がいないかと…」
歩夢「どうせまたツーリングだよ」
ランジュ「歩夢は、同好会の部長がバイクに乗るの、嫌なの?」
歩夢「危ないしね。だって、あんなに小さいからよく風に流されてそうだし、スピードだってすぐ出しちゃうし」
ランジュ「ああー…イメージできるわ」
病院職員「おや、二か所から話があったのですが…お知り合い同志でしたか」
ランジュ「虹ヶ咲学園のスクールアイドルとして来たのよ。みんな、ね」
かすみ「よろしくお願いします」ぺこり
栞子(ええ、部長から皆さんに連絡するようにと。それでランジュもうまく合わせるようにと)ひそひそ
歩夢(まったく、あの子は…)ヒソヒソ
ランジュ「?」
せつ菜「今日行く小児病棟はどれぐらいの子がいるのでしょう!」
ランジュ「確か、色々な子がいるわ…」キョロキョロ
せつ菜「どうしました?」
ランジュ「いや、あの白い悪魔がいないかと…」
歩夢「どうせまたツーリングだよ」
ランジュ「歩夢は、同好会の部長がバイクに乗るの、嫌なの?」
歩夢「危ないしね。だって、あんなに小さいからよく風に流されてそうだし、スピードだってすぐ出しちゃうし」
ランジュ「ああー…イメージできるわ」
病院職員「おや、二か所から話があったのですが…お知り合い同志でしたか」
ランジュ「虹ヶ咲学園のスクールアイドルとして来たのよ。みんな、ね」
かすみ「よろしくお願いします」ぺこり
88: 2021/02/22(月) 23:02:12.22 ID:2DB0yFje
せつ菜「いいものですね、しかし三船さんはそうですが、ランジュさんは意外でした」
ランジュ「そうかしら?」
ランジュ「………ああ、そうかもね。その…小さくても、色々な病気とか怪我とかで、学校にも通えない、外にも出れない子は出てくるわ。でも、そんな子たちでも、精一杯生きてる。そう、精一杯生きてるのよ」
ランジュ「そしてそれぞれ夢がある。だったら、その背中を押す事が、いわゆる持ってる人の役割じゃないかしら?」
ランジュ「ランジュは家族でそろってご飯を食べる時間も少ないけれど、それはこの子たちも同じ。でも、この子たちと違って、ものはたくさん持ってる」
ランジュ「だから、ランジュが出来る事はせめて、この子たちが輝ける時間を過ごせるように、手を差し伸べる。それぐらいよ」
エマ「……そうなんだ」
ランジュ「皆だって、誰かを元気づける為に、ステージに立ってる。そうじゃないかしら?」
ランジュ「…………でも、やっぱり理解できない部分もあるわ。あの子の事」
歩夢「そうかもね」
ランジュ「今、この一瞬を笑う為に全力で突き進む、あの子ってそう見える。そこに明日は映ってない。未来も映ってない。遠くから見ればきれいだけど、近くにいれば大暴れして過ぎ去っていく台風のようにも見えるわ」
ランジュ「刹那的快楽主義者、そんなあの子は、良くも悪くも命の価値を知らないわ」
ランジュ「そうかしら?」
ランジュ「………ああ、そうかもね。その…小さくても、色々な病気とか怪我とかで、学校にも通えない、外にも出れない子は出てくるわ。でも、そんな子たちでも、精一杯生きてる。そう、精一杯生きてるのよ」
ランジュ「そしてそれぞれ夢がある。だったら、その背中を押す事が、いわゆる持ってる人の役割じゃないかしら?」
ランジュ「ランジュは家族でそろってご飯を食べる時間も少ないけれど、それはこの子たちも同じ。でも、この子たちと違って、ものはたくさん持ってる」
ランジュ「だから、ランジュが出来る事はせめて、この子たちが輝ける時間を過ごせるように、手を差し伸べる。それぐらいよ」
エマ「……そうなんだ」
ランジュ「皆だって、誰かを元気づける為に、ステージに立ってる。そうじゃないかしら?」
ランジュ「…………でも、やっぱり理解できない部分もあるわ。あの子の事」
歩夢「そうかもね」
ランジュ「今、この一瞬を笑う為に全力で突き進む、あの子ってそう見える。そこに明日は映ってない。未来も映ってない。遠くから見ればきれいだけど、近くにいれば大暴れして過ぎ去っていく台風のようにも見えるわ」
ランジュ「刹那的快楽主義者、そんなあの子は、良くも悪くも命の価値を知らないわ」
89: 2021/02/22(月) 23:03:43.49 ID:2DB0yFje
かすみ「……どうでしょうかね」
歩夢「刹那的快楽主義者、そうだね。あの子は、そればっかりだよ」
エマ「……それでも、あの子は私たちの背中を押してくれる。それだけだよ」
男の子A「あ、サングラスのおねーちゃんだ」
女の子A「ホントだー。また何かプレゼント持ってきたのかなー?」
ランジュ「噂をすれば影!?」
病院職員「おや、いつかの」
あなた「いやー、ちょいとお届け物で来てね。福引で当たっちゃったんだ。鬼滅の刃全巻セットと銀魂全巻セット」
病院職員「おお、あなたは本当に運がいいですね」
あなた「なんでだろうね? 何故かよく特等出るんだよねー」
ランジュ「学校ではあんな悪童なのにフツーにいい事してるのがむかつく…!」
男の子B「ねぇ、あけていい?」
あなた「いいともー♪」
男の子C「またギター弾いてー」
ランジュ「しかも滅茶苦茶懐かれてる!?」
栞子(だからこの小児病棟指定したんですね、まったくあの人の魔法は恐ろしい)
かすみ「こらこら、先輩困るでしょー。かすみんがちゃんと順番を誘導するから」
あなた「ありがとう、かすみちゃん。さてさて、最初の子は?」
歩夢「刹那的快楽主義者、そうだね。あの子は、そればっかりだよ」
エマ「……それでも、あの子は私たちの背中を押してくれる。それだけだよ」
男の子A「あ、サングラスのおねーちゃんだ」
女の子A「ホントだー。また何かプレゼント持ってきたのかなー?」
ランジュ「噂をすれば影!?」
病院職員「おや、いつかの」
あなた「いやー、ちょいとお届け物で来てね。福引で当たっちゃったんだ。鬼滅の刃全巻セットと銀魂全巻セット」
病院職員「おお、あなたは本当に運がいいですね」
あなた「なんでだろうね? 何故かよく特等出るんだよねー」
ランジュ「学校ではあんな悪童なのにフツーにいい事してるのがむかつく…!」
男の子B「ねぇ、あけていい?」
あなた「いいともー♪」
男の子C「またギター弾いてー」
ランジュ「しかも滅茶苦茶懐かれてる!?」
栞子(だからこの小児病棟指定したんですね、まったくあの人の魔法は恐ろしい)
かすみ「こらこら、先輩困るでしょー。かすみんがちゃんと順番を誘導するから」
あなた「ありがとう、かすみちゃん。さてさて、最初の子は?」
90: 2021/02/22(月) 23:05:10.98 ID:2DB0yFje
女の子B「また、あれして欲しい…マンガ読みながら」
あなた「ああ、あれか…今日はどれがいいかな?」
女の子B「これ」
あなた「よしきた、ジョジョの5部だね? えーと…こほん」
エマ「あれって何だろう?」
せつ菜「ジョジョの5部を選ぶとはセンスがいい」
ランジュ(直後)
ランジュ(小児病棟の片隅がイタリアになったと思う位に、そこに見えないジョルノがいて、彼女は、ブチャラティ)
ランジュ(ブチャラティの言葉を紡ぐ彼女は、驚く程、いや、その姿にブチャラティが重なる程に)
ランジュ「あの子…あんなに演技が上手いんだ……」
エマ「…歌も上手いよ」
ランジュ「冴えない子だって、思ってた」
ランジュ(なんでスクールアイドルそのものをやらないのかと思ってしまう程に、いや。それほどまでに。凄まじい逸材だ)
かすみ「そうか、先輩………私たちに…」
あなた「ああ、あれか…今日はどれがいいかな?」
女の子B「これ」
あなた「よしきた、ジョジョの5部だね? えーと…こほん」
エマ「あれって何だろう?」
せつ菜「ジョジョの5部を選ぶとはセンスがいい」
ランジュ(直後)
ランジュ(小児病棟の片隅がイタリアになったと思う位に、そこに見えないジョルノがいて、彼女は、ブチャラティ)
ランジュ(ブチャラティの言葉を紡ぐ彼女は、驚く程、いや、その姿にブチャラティが重なる程に)
ランジュ「あの子…あんなに演技が上手いんだ……」
エマ「…歌も上手いよ」
ランジュ「冴えない子だって、思ってた」
ランジュ(なんでスクールアイドルそのものをやらないのかと思ってしまう程に、いや。それほどまでに。凄まじい逸材だ)
かすみ「そうか、先輩………私たちに…」
91: 2021/02/22(月) 23:06:17.74 ID:2DB0yFje
あなた「リクエストはギターだったね? 何が聞きたい?」
男の子C「銀さんの奴!」
あなた「よしきた」
~♪ サムライハート(Some Like It Hot!!)/SPYAIR
ランジュ「才能の無駄遣いって言葉をあの子は知ってるのかしら…」
栞子「部長さんは多趣味ですので…私がゲームを嗜むのは部長のお陰です」
栞子「お陰でせつ菜さんと仲良くなりました」ふふん
ランジュ「ぐぬぬ…」
歩夢「…ランジュちゃんは、どうしてボランティアを始めようと思ったの?」
ランジュ「それは……従妹が、難病で、すごく早くに、亡くなったの」
ランジュ「絵を描くのが好きで、そんな絵が…世界でも評価されて、あの子は嬉しそうだった。だから最後まで…ベッドから這い出てキャンパスの前で、筆を持ってた」
ランジュ「あの子の絵がまだ評価される限り、その輝きは消えない。でも、新しい輝きは、あの子が死んでしまった今では、できない」
ランジュ「生きている間は、輝き続けなくちゃ。それはどんな人でも、一緒よ」
歩夢「……」
あなた(知ってる。だからお金やらプロの指導員やらで、揃えるんだ。そういう事しか、出来ないからね)
『流星じゃなくて恒星で』
男の子C「銀さんの奴!」
あなた「よしきた」
~♪ サムライハート(Some Like It Hot!!)/SPYAIR
ランジュ「才能の無駄遣いって言葉をあの子は知ってるのかしら…」
栞子「部長さんは多趣味ですので…私がゲームを嗜むのは部長のお陰です」
栞子「お陰でせつ菜さんと仲良くなりました」ふふん
ランジュ「ぐぬぬ…」
歩夢「…ランジュちゃんは、どうしてボランティアを始めようと思ったの?」
ランジュ「それは……従妹が、難病で、すごく早くに、亡くなったの」
ランジュ「絵を描くのが好きで、そんな絵が…世界でも評価されて、あの子は嬉しそうだった。だから最後まで…ベッドから這い出てキャンパスの前で、筆を持ってた」
ランジュ「あの子の絵がまだ評価される限り、その輝きは消えない。でも、新しい輝きは、あの子が死んでしまった今では、できない」
ランジュ「生きている間は、輝き続けなくちゃ。それはどんな人でも、一緒よ」
歩夢「……」
あなた(知ってる。だからお金やらプロの指導員やらで、揃えるんだ。そういう事しか、出来ないからね)
『流星じゃなくて恒星で』
92: 2021/02/22(月) 23:31:45.21 ID:2DB0yFje
かすみ「…ごめんなさい…ごめんなさい……大丈夫、大丈夫だから…」
真姫「けど、ひどい顔色よ…かすみ」
しずく「かすみさん、こっちはなんとかしますから」
あなた「……ごめん、宜しく。かすみちゃんはちゃんと連れて帰るさ。穂乃果ちゃん達も、ごめんね」
穂乃果「ううん、気にしないで。無茶はしないでね」
海未「ええ、かすみ。お大事に」
真姫(かすみ……ずっとあの顔色だったわ。それに…だいぶこけてるように見える)
かすみ「先輩……」
あなた「かすみちゃん、今、注射を…」
かすみ「……ライブ…したいんです…こんな時でも」
かすみ「Liella!の子たちと、同じステージに…立ちたい」
あなた(それがラストステージになるかも知れない、そう言葉には出さずともかすみちゃんは悟っている)
あなた(どうすればいい、なにが出来る?)
あなた(その背中を押すために、その願いをかなえる為に)
かすみ「練習、しなきゃ…まだ……まだ…」
あなた「かすみちゃん…」
真姫「けど、ひどい顔色よ…かすみ」
しずく「かすみさん、こっちはなんとかしますから」
あなた「……ごめん、宜しく。かすみちゃんはちゃんと連れて帰るさ。穂乃果ちゃん達も、ごめんね」
穂乃果「ううん、気にしないで。無茶はしないでね」
海未「ええ、かすみ。お大事に」
真姫(かすみ……ずっとあの顔色だったわ。それに…だいぶこけてるように見える)
かすみ「先輩……」
あなた「かすみちゃん、今、注射を…」
かすみ「……ライブ…したいんです…こんな時でも」
かすみ「Liella!の子たちと、同じステージに…立ちたい」
あなた(それがラストステージになるかも知れない、そう言葉には出さずともかすみちゃんは悟っている)
あなた(どうすればいい、なにが出来る?)
あなた(その背中を押すために、その願いをかなえる為に)
かすみ「練習、しなきゃ…まだ……まだ…」
あなた「かすみちゃん…」
93: 2021/02/22(月) 23:34:09.89 ID:2DB0yFje
虹ヶ咲学園 中庭
彼方「いやー……お昼休みのお昼寝はいいね…」
あなた「頭痛によく効く……」
せつ菜「朝から治りませんか、その頭痛」
あなた「きついよ……うげー…きぼぢわるい…」
果林「あらあら、そんな酔っ払いみたいな事言って」
愛「やっほー」
彼方「やぁ、お二人さん」
せつ菜「こんにちは」
愛「大丈夫? 完全にうつ伏せじゃん…」
彼方「ベンチに来た時からこの有様でね」
あなた(昨日、音ノ木坂で練習中にかすみちゃんが嘔吐するのを見てしまったからか)
あなた(それで荒みかけた気持ちを引っ張り上げる為に刺激物の塊みたいな特製カクテルを夜に何杯も重ねたせいか、しばらくぶりの酷い二日酔いだ。こんなに酷い二日酔いは初めて酒を飲んだ翌朝ぶりぐらいにも思える)
果林「栞子から、かすみが今日休んでるって聞いたわ」
せつ菜「昨日、体調が悪かったようで…練習中に早退してました」
愛「昨日、昼休みに食堂で会った時も顔色悪そうだったよ」
彼方「いやー……お昼休みのお昼寝はいいね…」
あなた「頭痛によく効く……」
せつ菜「朝から治りませんか、その頭痛」
あなた「きついよ……うげー…きぼぢわるい…」
果林「あらあら、そんな酔っ払いみたいな事言って」
愛「やっほー」
彼方「やぁ、お二人さん」
せつ菜「こんにちは」
愛「大丈夫? 完全にうつ伏せじゃん…」
彼方「ベンチに来た時からこの有様でね」
あなた(昨日、音ノ木坂で練習中にかすみちゃんが嘔吐するのを見てしまったからか)
あなた(それで荒みかけた気持ちを引っ張り上げる為に刺激物の塊みたいな特製カクテルを夜に何杯も重ねたせいか、しばらくぶりの酷い二日酔いだ。こんなに酷い二日酔いは初めて酒を飲んだ翌朝ぶりぐらいにも思える)
果林「栞子から、かすみが今日休んでるって聞いたわ」
せつ菜「昨日、体調が悪かったようで…練習中に早退してました」
愛「昨日、昼休みに食堂で会った時も顔色悪そうだったよ」
94: 2021/02/22(月) 23:35:40.09 ID:2DB0yFje
果林「………ねぇ、部長」
あなた「………」
あなた「かすみちゃんに効く薬はあるさ」
あなた「ライブだよ。同好会が活動出来ない今じゃ、無理だけどさ!」
愛「……!」
あなた「……悪い。忘れてくれ。ちょっと寝る」
彼方「彼方ちゃんは目が覚めたからねー……行こうか」スタスタ
せつ菜「え、ええ…」
愛「うん」
果林「そ、そうね……」
せつ菜「部長があんな風に声を荒げたの、初めてです」
彼方「うん……何か、抱えてる」
愛「それが何かは解らないけど…ライブか」
愛「……ふむ」
あなた「………」
あなた「かすみちゃんに効く薬はあるさ」
あなた「ライブだよ。同好会が活動出来ない今じゃ、無理だけどさ!」
愛「……!」
あなた「……悪い。忘れてくれ。ちょっと寝る」
彼方「彼方ちゃんは目が覚めたからねー……行こうか」スタスタ
せつ菜「え、ええ…」
愛「うん」
果林「そ、そうね……」
せつ菜「部長があんな風に声を荒げたの、初めてです」
彼方「うん……何か、抱えてる」
愛「それが何かは解らないけど…ライブか」
愛「……ふむ」
95: 2021/02/22(月) 23:36:44.81 ID:2DB0yFje
しばらくした後
エマ「……ランジュちゃんと同じステージを共有できる気がしないから、私は出ない」
エマ(そんな風に言った時、部長はサングラス越しでも解る、少しだけ目を悲しそうに細めた。だけど)
あなた「他の皆は?」
かすみ「………あの」
かすみ「トーナメントだと、お互いにぶつかる事もあります。だから、かすみん、少し個人で、練習したい」
しずく「かすみさん……」
歩夢「…どう思う?」
あなた「ああ、いいよ。他の皆もそうしてしいいさ」
かすみ「ありがとうございます、部長」
あなた「さて!」
あなた(ちょいと魔法を使うか)
あなた(シンデレラ城での舞踏会だ、楽しめるだけ楽しんでもらおう。天使とダンスだ)
あなた「本当は、エマさん達にも出て欲しい」
エマ「…部長?」
あなた「だから、もう少し考えて欲しいかな。なに、状況がでっかく変わる事もあるかもね…」
あなた「あ、せつ菜ちゃん。ちょっと秘密話があってだね」
せつ菜「へ?」
エマ「……ランジュちゃんと同じステージを共有できる気がしないから、私は出ない」
エマ(そんな風に言った時、部長はサングラス越しでも解る、少しだけ目を悲しそうに細めた。だけど)
あなた「他の皆は?」
かすみ「………あの」
かすみ「トーナメントだと、お互いにぶつかる事もあります。だから、かすみん、少し個人で、練習したい」
しずく「かすみさん……」
歩夢「…どう思う?」
あなた「ああ、いいよ。他の皆もそうしてしいいさ」
かすみ「ありがとうございます、部長」
あなた「さて!」
あなた(ちょいと魔法を使うか)
あなた(シンデレラ城での舞踏会だ、楽しめるだけ楽しんでもらおう。天使とダンスだ)
あなた「本当は、エマさん達にも出て欲しい」
エマ「…部長?」
あなた「だから、もう少し考えて欲しいかな。なに、状況がでっかく変わる事もあるかもね…」
あなた「あ、せつ菜ちゃん。ちょっと秘密話があってだね」
せつ菜「へ?」
96: 2021/02/22(月) 23:38:17.69 ID:2DB0yFje
数日後 スクールアイドル部 部室
ランジュ「あの性悪白ピクミンをぎゃふんと言わせてやる為にも、きちんとレッスンしないと…」
ランジュ「トーナメントがあるってのに、愛も果林もなんで用事が多発するのよ…まあ、しょうがないけど今日は出るっていうし」
栞子「ランジュ、お届け物です」
ランジュ「なにかしら? ビデオレター?」
栞子「ええ。音ノ木坂学院アイドル研究部から…μ’sの皆さんから?」
愛「やっほー」
果林「悪いわね、補修があって」
ミア「眠い…栞子、なにそれ?」
ランジュ「音ノ木坂学院からビデオレターですって。見ましょう」
ピッ
ランジュ「あの性悪白ピクミンをぎゃふんと言わせてやる為にも、きちんとレッスンしないと…」
ランジュ「トーナメントがあるってのに、愛も果林もなんで用事が多発するのよ…まあ、しょうがないけど今日は出るっていうし」
栞子「ランジュ、お届け物です」
ランジュ「なにかしら? ビデオレター?」
栞子「ええ。音ノ木坂学院アイドル研究部から…μ’sの皆さんから?」
愛「やっほー」
果林「悪いわね、補修があって」
ミア「眠い…栞子、なにそれ?」
ランジュ「音ノ木坂学院からビデオレターですって。見ましょう」
ピッ
97: 2021/02/22(月) 23:39:47.66 ID:2DB0yFje
にこ『宇宙ナンバーワンスクールアイドル、矢澤にこにこ!』
穂乃果『にこちゃん、にこちゃん。果たし状への返礼なんだから』
にこ『ダメ?』
あなた『ダメ。もうちょい気合入れて。スーパーアイドルにこにーなら問題ない』
にこ『えーと、それじゃ』
絵里『ダメダメよ。こういうのはね…』
絵里『スクールアイドル部の部長ってのは見てるかしら? よくも私たちをアマチュアに毛が生えた素人だのポンコツ集団だのリーダーが暴走特急だのメンバーにお米星人だの色々言ってくれたわね!?』
真姫『ええ、そうね、久々にブチ切れたわ。トーナメントライブの観覧を招待してあげるですって? 冗談じゃないわ、こっちが出てやるわよ!』
海未『ふふふ、こうなっては戦争ですよ。あ、例の果たし状ですが誤字だらけですので赤ペンを入れておきましたよ。もう少し勉強しましょう』
希『この果たし状の筆跡、同好会の部長さんっぽいんやけど…』
凛『希ちゃん、そういうのは禁句にゃ』
ことり『というわけで当日首を洗って待っていて欲しいねー、ランジュちゃん』生えてくることり
穂乃果『悪いけど、虹ヶ咲の皆どころか私たちまで素人呼ばわりは…穂乃果は怒ったよ!』
花陽『お米を悪く言う人だけは許しません! お米のすごさをきちんと見せます!』
にこ『聞こえたわね!? 首を洗って待っていなさい! あんたの頭を優勝カップ置き場にしてやるわ!』
あなた『はーい、それじゃ皆さん一斉に決め台詞を…』
穂乃果『あれ、決めてたっけ?』
海未『穂乃果、こういうのは思い付きでも良いのです』
プツッ
穂乃果『にこちゃん、にこちゃん。果たし状への返礼なんだから』
にこ『ダメ?』
あなた『ダメ。もうちょい気合入れて。スーパーアイドルにこにーなら問題ない』
にこ『えーと、それじゃ』
絵里『ダメダメよ。こういうのはね…』
絵里『スクールアイドル部の部長ってのは見てるかしら? よくも私たちをアマチュアに毛が生えた素人だのポンコツ集団だのリーダーが暴走特急だのメンバーにお米星人だの色々言ってくれたわね!?』
真姫『ええ、そうね、久々にブチ切れたわ。トーナメントライブの観覧を招待してあげるですって? 冗談じゃないわ、こっちが出てやるわよ!』
海未『ふふふ、こうなっては戦争ですよ。あ、例の果たし状ですが誤字だらけですので赤ペンを入れておきましたよ。もう少し勉強しましょう』
希『この果たし状の筆跡、同好会の部長さんっぽいんやけど…』
凛『希ちゃん、そういうのは禁句にゃ』
ことり『というわけで当日首を洗って待っていて欲しいねー、ランジュちゃん』生えてくることり
穂乃果『悪いけど、虹ヶ咲の皆どころか私たちまで素人呼ばわりは…穂乃果は怒ったよ!』
花陽『お米を悪く言う人だけは許しません! お米のすごさをきちんと見せます!』
にこ『聞こえたわね!? 首を洗って待っていなさい! あんたの頭を優勝カップ置き場にしてやるわ!』
あなた『はーい、それじゃ皆さん一斉に決め台詞を…』
穂乃果『あれ、決めてたっけ?』
海未『穂乃果、こういうのは思い付きでも良いのです』
プツッ
98: 2021/02/22(月) 23:40:38.09 ID:2DB0yFje
ランジュ「あ、果たし状ってこれね…書いた覚えないんだけど、この悪口の羅列…こんな悪戯したの誰よ…」
愛(部長、本当に楽しそうだったもんなぁ、これ撮影してる時…)
果林(あの果たし状もノリノリで書いてたものね…せつ菜と二人で色々な文句考案してたのはもう)
愛(そういえばさっきメール来たけどA-RISEには丁重に断られたって。流石に悪ふざけがすぎたのかも)
果林(でしょうね)
栞子「あ、もう一通ビデオレターが着てますね」
ランジュ「なんか怖くなってきたわ…」
栞子「…Aqours&Saint Snowと書いてますね…」
ピッ
ランジュ顔ニワトリ(CV:あなたちゃん)『ライブ対決~? ランジュはSaint Snowが怖いのラ~!』
ランジュ「」
栞子「ぷっ…!」←出落ちで早くも笑いそう
ランジュ顔ニワトリ『Saint Snowから逃げるのラ~! あ、あそこは浦女!』
千歌『出たね、悪い中国産ニワトリ! 太陽拳なのだ!』太陽拳ポーズ
ランジュ顔ニワトリ『目が~! 目が~!』
鞠莉『そんな事よりお腹が空いたのデース。ダイヤー、チキンまだー?』チンチン
理亞『ダイヤさん、アップルパイはデザート用に切りますから、もうチキン揚げましょう』
ダイヤ『そうですわね。曜さん、油の温度は?』
曜『ばっちりであります!』
梨子『ニワトリ元気だね』
ランジュ顔ニワトリ『ラーっ! 栞子、助けてラーっ! 揚げられるー!』
善子『てか、このビデオどう考えてもアイシールド21のアレじゃない…』
果南『善子。そういうものさ』
善子『本当に同好会の部長楽しそうね…』
曜『いざ、投入!』
ランジュ顔ニワトリ『ラーっ!!!』断末魔
聖良『わあ、美味しそう! 綺麗に揚がりましたね! あ、付け合わせのブロッコリーはいりませんのでどうぞ』ひょいひょいっ
ルビィ『ど、どうも…ルビィ、がんばルビィ!』
花丸『負けないずら! いただきまーす!』
ランジュ顔ニワトリの声『ぎゃああああ!!! Aqoursも怖いラーっ! ライブより前に完敗したのラーっ!』
愛(部長、本当に楽しそうだったもんなぁ、これ撮影してる時…)
果林(あの果たし状もノリノリで書いてたものね…せつ菜と二人で色々な文句考案してたのはもう)
愛(そういえばさっきメール来たけどA-RISEには丁重に断られたって。流石に悪ふざけがすぎたのかも)
果林(でしょうね)
栞子「あ、もう一通ビデオレターが着てますね」
ランジュ「なんか怖くなってきたわ…」
栞子「…Aqours&Saint Snowと書いてますね…」
ピッ
ランジュ顔ニワトリ(CV:あなたちゃん)『ライブ対決~? ランジュはSaint Snowが怖いのラ~!』
ランジュ「」
栞子「ぷっ…!」←出落ちで早くも笑いそう
ランジュ顔ニワトリ『Saint Snowから逃げるのラ~! あ、あそこは浦女!』
千歌『出たね、悪い中国産ニワトリ! 太陽拳なのだ!』太陽拳ポーズ
ランジュ顔ニワトリ『目が~! 目が~!』
鞠莉『そんな事よりお腹が空いたのデース。ダイヤー、チキンまだー?』チンチン
理亞『ダイヤさん、アップルパイはデザート用に切りますから、もうチキン揚げましょう』
ダイヤ『そうですわね。曜さん、油の温度は?』
曜『ばっちりであります!』
梨子『ニワトリ元気だね』
ランジュ顔ニワトリ『ラーっ! 栞子、助けてラーっ! 揚げられるー!』
善子『てか、このビデオどう考えてもアイシールド21のアレじゃない…』
果南『善子。そういうものさ』
善子『本当に同好会の部長楽しそうね…』
曜『いざ、投入!』
ランジュ顔ニワトリ『ラーっ!!!』断末魔
聖良『わあ、美味しそう! 綺麗に揚がりましたね! あ、付け合わせのブロッコリーはいりませんのでどうぞ』ひょいひょいっ
ルビィ『ど、どうも…ルビィ、がんばルビィ!』
花丸『負けないずら! いただきまーす!』
ランジュ顔ニワトリの声『ぎゃああああ!!! Aqoursも怖いラーっ! ライブより前に完敗したのラーっ!』
99: 2021/02/22(月) 23:42:43.00 ID:2DB0yFje
千歌『んんっ、美味しいね揚げたて』
梨子『久しぶりに食べるといいね』
千歌『もぐもぐ…えーと。なんて言うんだっけ?』
あなた『あ、愛ちゃん、果林さん。カンペ広げてカンペ』
愛『はーい』
果林『わかったわ。これね』
せつ菜『え、そんな時間でしたっけ!?』モグモグ
愛『せっつー、もも肉独り占めしないでよー』
千歌『えーと…よくも私たちをローカルなスクールアイドルごっこ呼ばわりしてくれたものだね。Saint Snowは全国区で活躍するスクールアイドルだよ!』
聖良『Aqoursも知名度高いですから!』
千歌『後は字が小さくて読めないのだ!』
あなた『じゃあ、最後の行だけでも』
Aqours+Saint Snow『『『『『『『『『『『ステージで、ぶっ倒しに行くよ! Ya-ha-!!!』』』』』』』』』』』
善子『だからなんでデビルバッツなのよ…』
あなた『いやぁ、ノリがよくてつい』
善子『ついってアンタね。あと、このスクールアイドル部からって言う果たし状の筆跡どう見てもアンタでしょ』
あなた『えへっ』
善子『えへって何なのよ!?』
プツッ
愛・果林・ミア「「「ぶわっはっはっはっはっは!!!!!!」」」大爆笑
栞子「~~~~~~~~~!!!!」笑いをこらえきれずに悶絶中
ランジュ「今、ナチュラルに愛と果林も撮影手伝ってんじゃないの! てか、あんの最終鬼畜ハツカネズミめ~!!!」
ランジュ「ふふっ…いいわ、やってやろうじゃない。μ’sもAqoursもSaint Snowもランジュがすごいって事を見せてやるわよー!」
梨子『久しぶりに食べるといいね』
千歌『もぐもぐ…えーと。なんて言うんだっけ?』
あなた『あ、愛ちゃん、果林さん。カンペ広げてカンペ』
愛『はーい』
果林『わかったわ。これね』
せつ菜『え、そんな時間でしたっけ!?』モグモグ
愛『せっつー、もも肉独り占めしないでよー』
千歌『えーと…よくも私たちをローカルなスクールアイドルごっこ呼ばわりしてくれたものだね。Saint Snowは全国区で活躍するスクールアイドルだよ!』
聖良『Aqoursも知名度高いですから!』
千歌『後は字が小さくて読めないのだ!』
あなた『じゃあ、最後の行だけでも』
Aqours+Saint Snow『『『『『『『『『『『ステージで、ぶっ倒しに行くよ! Ya-ha-!!!』』』』』』』』』』』
善子『だからなんでデビルバッツなのよ…』
あなた『いやぁ、ノリがよくてつい』
善子『ついってアンタね。あと、このスクールアイドル部からって言う果たし状の筆跡どう見てもアンタでしょ』
あなた『えへっ』
善子『えへって何なのよ!?』
プツッ
愛・果林・ミア「「「ぶわっはっはっはっはっは!!!!!!」」」大爆笑
栞子「~~~~~~~~~!!!!」笑いをこらえきれずに悶絶中
ランジュ「今、ナチュラルに愛と果林も撮影手伝ってんじゃないの! てか、あんの最終鬼畜ハツカネズミめ~!!!」
ランジュ「ふふっ…いいわ、やってやろうじゃない。μ’sもAqoursもSaint Snowもランジュがすごいって事を見せてやるわよー!」
100: 2021/02/22(月) 23:44:58.50 ID:2DB0yFje
歩夢「μ’sやAqours…Saint Snowも出場する?」
ランジュ「ええ……どうやら同好会の部長、ランジュの果たし状を勝手に作って送ったみたい」
歩夢「またあの子は勝手な事を…」
彼方「それはそれは、こちらも最大限でお出迎えしよう」
エマ「そうだね……わかった。トーナメントライブ、出るよ」
ランジュ「ありがとう。きっといいライブになるわ」
せつ菜「まさかあれで本当に参加を決意するとは…うーむ」
彼方「せつ菜ちゃん、何か言った?」
せつ菜「いいえ? それより部長はどこに?」
しずく「さっきバイクに乗って学校出てくのは見ましたけど」
彼方「ああー、なんか原宿だか青山だかの方に用事があるって言ってたねー」
ランジュ「ええ……どうやら同好会の部長、ランジュの果たし状を勝手に作って送ったみたい」
歩夢「またあの子は勝手な事を…」
彼方「それはそれは、こちらも最大限でお出迎えしよう」
エマ「そうだね……わかった。トーナメントライブ、出るよ」
ランジュ「ありがとう。きっといいライブになるわ」
せつ菜「まさかあれで本当に参加を決意するとは…うーむ」
彼方「せつ菜ちゃん、何か言った?」
せつ菜「いいえ? それより部長はどこに?」
しずく「さっきバイクに乗って学校出てくのは見ましたけど」
彼方「ああー、なんか原宿だか青山だかの方に用事があるって言ってたねー」
101: 2021/02/22(月) 23:49:38.61 ID:2DB0yFje
数日後 西木野総合病院
梨子「おばあちゃんったら、うっかりおせんべいを喉に詰まらせるなんて…でも、大事なくて良かった」
梨子「まだ入れ歯じゃないのが自慢って言うけど、しっかり噛んで過ごしてもらいたいものね」うんうん
梨子「あれ……? ベンチにいるの、かすみちゃん…?」
かすみ「……いやだよ…先輩と…一緒に…行きたい。一緒に行くって、約束したんだ……」
かすみ「なんでなのっ…」ポロポロ
梨子「………え?」
かすみ「死にたくないよ…かすみん、まだまだ、先輩とやりたい事が…」
梨子(いたたまれなくなって、身を隠した。かすみちゃんに気付かれてほしくなかった)
梨子(だが、トーナメントライブの日は近い。μ’sやAqoursも出る)
かすみ「ううん……たとえ、ラストになってもいい」
かすみ「最後まで、立つんだ…最後まで…」
『ライブは全力で、炎のように』
梨子「おばあちゃんったら、うっかりおせんべいを喉に詰まらせるなんて…でも、大事なくて良かった」
梨子「まだ入れ歯じゃないのが自慢って言うけど、しっかり噛んで過ごしてもらいたいものね」うんうん
梨子「あれ……? ベンチにいるの、かすみちゃん…?」
かすみ「……いやだよ…先輩と…一緒に…行きたい。一緒に行くって、約束したんだ……」
かすみ「なんでなのっ…」ポロポロ
梨子「………え?」
かすみ「死にたくないよ…かすみん、まだまだ、先輩とやりたい事が…」
梨子(いたたまれなくなって、身を隠した。かすみちゃんに気付かれてほしくなかった)
梨子(だが、トーナメントライブの日は近い。μ’sやAqoursも出る)
かすみ「ううん……たとえ、ラストになってもいい」
かすみ「最後まで、立つんだ…最後まで…」
『ライブは全力で、炎のように』
102: 2021/02/22(月) 23:53:01.97 ID:2DB0yFje
あなた「えー……あー…」ポンポン
あなた「マイクテス、マイクテス」ポンポン
あなた「そして! 輝くッ! ウルト■ソーっ! ハァイ!」
愛「マイクテストそれなんだ…」
あなた「よし、マイク問題ないね」
あなた「えー……観客の皆様、本日は虹ヶ咲学園、そしてスクールアイドルトーナメントライブにお集まりいただき、ありがとうございます。盛り上がってるかーっ!」
やーっ!
あなた「準備はできたー!?」
やーっ!
あなた「ダイヤッホー?」
\ダイヤッホー!/
あなた「ダレカタスケテー」
\チョットマッテテー/
あなた「それじゃ、今日の…愉快な審査員の皆様方! 左から! UTX学園芸能科の先生方が三人、そしてラブライブでも審査員を務める方! そして、審査委員長」
あなた「結ヶ丘女子高校理事長先生! 公正かつ中立な目線でジャッジを下すぞ!」
ランジュ「完全に司会乗っ取ってるわね…」
しずく「いつもの事ですから」
あなた「準備は出来たか? 君の推しメン勝ち抜ける? あの子が勝たなきゃ決勝で応援できないぜ? 皆の声援準備中!」
あなた「虹ヶ咲学園から十一人、音ノ木坂学院から九人、浦の星女学院から九人、函館聖泉女子高等学院から二人、合計三十一人! 勝ち抜くのは……一人、かな?」
歩夢「なんで疑問形なの」
あなた「マイクテス、マイクテス」ポンポン
あなた「そして! 輝くッ! ウルト■ソーっ! ハァイ!」
愛「マイクテストそれなんだ…」
あなた「よし、マイク問題ないね」
あなた「えー……観客の皆様、本日は虹ヶ咲学園、そしてスクールアイドルトーナメントライブにお集まりいただき、ありがとうございます。盛り上がってるかーっ!」
やーっ!
あなた「準備はできたー!?」
やーっ!
あなた「ダイヤッホー?」
\ダイヤッホー!/
あなた「ダレカタスケテー」
\チョットマッテテー/
あなた「それじゃ、今日の…愉快な審査員の皆様方! 左から! UTX学園芸能科の先生方が三人、そしてラブライブでも審査員を務める方! そして、審査委員長」
あなた「結ヶ丘女子高校理事長先生! 公正かつ中立な目線でジャッジを下すぞ!」
ランジュ「完全に司会乗っ取ってるわね…」
しずく「いつもの事ですから」
あなた「準備は出来たか? 君の推しメン勝ち抜ける? あの子が勝たなきゃ決勝で応援できないぜ? 皆の声援準備中!」
あなた「虹ヶ咲学園から十一人、音ノ木坂学院から九人、浦の星女学院から九人、函館聖泉女子高等学院から二人、合計三十一人! 勝ち抜くのは……一人、かな?」
歩夢「なんで疑問形なの」
103: 2021/02/22(月) 23:54:37.69 ID:2DB0yFje
本来の司会「あのー…プログラムだとそろそろ開始の合図しないと」
あなた「あ、そうか。もうそんな時間か。オッケー、やるか」
あなた「よーし、屋上班。開幕の合図を派手に鳴らせ! 打ち上げろ、灯火! 燃やせ魂!」
バーン!!!
栞子「うわっ、屋上で爆発が…」
果林「花火でも鳴らしたの?」
あなた「一度でいいからでかい花火やってみたかったんだ。てへぺろ」
梨子「ふっー、ふっー…心臓に悪いよ、もう…」
あなた「ライブ開始ぃぃぃぃ!」
ランジュ「三十一人で、人数が中途半端だから、ランジュは一回戦はシードで二回戦からね。ふふ、ディフェンディングチャンピオンみたいなものよ」
あなた「ああーっと、まさかのダブルスコア! スクールアイドル部の部長、鍾嵐珠。二回戦負けで実質初戦敗退! いや、まあ、鞠莉さん相手じゃ無理ないよね…」
ランジュ「」
あなた「えーと……うん、ほら、鞠莉さんだしね? 鞠莉さん相手じゃしょうがないよ、うん」
ランジュ「」真っ白
果林「部長。フォローになってないわ」
ランジュ「」てくてく…
ランジュ(ランジュのパフォーマンスは完璧だった。今日の為の新曲。振り付けも、曲も、プロが考案した間違いなく評価されるべきもの。それでも)
ランジュ(完敗。文句のつけようがない位に、点数は物語る)
あなた「二回戦が終わったからね、しばしの休憩!」
あなた「あ、そうか。もうそんな時間か。オッケー、やるか」
あなた「よーし、屋上班。開幕の合図を派手に鳴らせ! 打ち上げろ、灯火! 燃やせ魂!」
バーン!!!
栞子「うわっ、屋上で爆発が…」
果林「花火でも鳴らしたの?」
あなた「一度でいいからでかい花火やってみたかったんだ。てへぺろ」
梨子「ふっー、ふっー…心臓に悪いよ、もう…」
あなた「ライブ開始ぃぃぃぃ!」
ランジュ「三十一人で、人数が中途半端だから、ランジュは一回戦はシードで二回戦からね。ふふ、ディフェンディングチャンピオンみたいなものよ」
あなた「ああーっと、まさかのダブルスコア! スクールアイドル部の部長、鍾嵐珠。二回戦負けで実質初戦敗退! いや、まあ、鞠莉さん相手じゃ無理ないよね…」
ランジュ「」
あなた「えーと……うん、ほら、鞠莉さんだしね? 鞠莉さん相手じゃしょうがないよ、うん」
ランジュ「」真っ白
果林「部長。フォローになってないわ」
ランジュ「」てくてく…
ランジュ(ランジュのパフォーマンスは完璧だった。今日の為の新曲。振り付けも、曲も、プロが考案した間違いなく評価されるべきもの。それでも)
ランジュ(完敗。文句のつけようがない位に、点数は物語る)
あなた「二回戦が終わったからね、しばしの休憩!」
104: 2021/02/22(月) 23:56:38.26 ID:2DB0yFje
テクテク
ミア「ハンバーガー四ダースかぁ…まあ、いいけど。後で買いに行くよ」
あなた「言った通り、せつ菜ちゃんが愛ちゃんに勝った。賭けは私の勝ちさ」
ミア「あ、ランジュ…」
栞子「……ランジュ」
愛「たはは…せっつー強いね。愛さんも負けちゃった」
あなた「おっと、邪魔するわけにはいかないな。そこのシンセサイザーを借りるよ」
~♪ Big Brother/核P-MODEL
ランジュ「……なんでかしら。輝くためなら、努力は必要よ。練習は裏切らない。でも、そのベースは…よりよいものから」
栞子「それだけでは、ないからですよ」
ランジュ「栞子…」
栞子「姉さんもきっと、ここにいたら同じことを言うでしょう」
栞子「アマチュアの手作り、確かにそうかも知れません。ダンスだって、自分たちで考えて、曲も、こういう曲、こういう歌詞で歌いたい、スクールアイドルの意志があって、初めて作れる」
栞子「μ’sも、Aqoursも…同好会の子たちも、Saint SnowもA-RISEだって、皆そう」
ランジュ「……!」
栞子「だから、同好会の子たちは、そうして一緒に寄り添ってくれる部長に、信頼を寄せた。いえ…」
栞子「愛さんや果林さんを見ていれば、わかるでしょう? インストラクターに、意見を申し立てた回数は両手どころじゃないですよ」
愛「そういう栞子も言うけれどね」
ランジュ「ミアも、納得できる曲が出来るまで何曲も没にするわ…」
栞子「自分にしかできない事、自分だから出来る事。それを表現するのが、スクールアイドル」
栞子「ランジュ、あなたが歌った曲は、歌いたい曲ですか? 踊りたかったダンスですか? パフォーマンスは完璧、でもそれは、何のために?」
ランジュ「誰かの、背中を、押すためにも…ステージに……私…」
ランジュ「人の目を集めるダンス、人の目を集めるだけの演出、人に聞かれるだけの曲であって、それを演じるパフォーマンスは出来ても…そこの中身はない」
ランジュ「人に見られる、人に聞かれる、でもそれは…私自身を…見ていない…」
あなた「……」演奏停止
ミア「ハンバーガー四ダースかぁ…まあ、いいけど。後で買いに行くよ」
あなた「言った通り、せつ菜ちゃんが愛ちゃんに勝った。賭けは私の勝ちさ」
ミア「あ、ランジュ…」
栞子「……ランジュ」
愛「たはは…せっつー強いね。愛さんも負けちゃった」
あなた「おっと、邪魔するわけにはいかないな。そこのシンセサイザーを借りるよ」
~♪ Big Brother/核P-MODEL
ランジュ「……なんでかしら。輝くためなら、努力は必要よ。練習は裏切らない。でも、そのベースは…よりよいものから」
栞子「それだけでは、ないからですよ」
ランジュ「栞子…」
栞子「姉さんもきっと、ここにいたら同じことを言うでしょう」
栞子「アマチュアの手作り、確かにそうかも知れません。ダンスだって、自分たちで考えて、曲も、こういう曲、こういう歌詞で歌いたい、スクールアイドルの意志があって、初めて作れる」
栞子「μ’sも、Aqoursも…同好会の子たちも、Saint SnowもA-RISEだって、皆そう」
ランジュ「……!」
栞子「だから、同好会の子たちは、そうして一緒に寄り添ってくれる部長に、信頼を寄せた。いえ…」
栞子「愛さんや果林さんを見ていれば、わかるでしょう? インストラクターに、意見を申し立てた回数は両手どころじゃないですよ」
愛「そういう栞子も言うけれどね」
ランジュ「ミアも、納得できる曲が出来るまで何曲も没にするわ…」
栞子「自分にしかできない事、自分だから出来る事。それを表現するのが、スクールアイドル」
栞子「ランジュ、あなたが歌った曲は、歌いたい曲ですか? 踊りたかったダンスですか? パフォーマンスは完璧、でもそれは、何のために?」
ランジュ「誰かの、背中を、押すためにも…ステージに……私…」
ランジュ「人の目を集めるダンス、人の目を集めるだけの演出、人に聞かれるだけの曲であって、それを演じるパフォーマンスは出来ても…そこの中身はない」
ランジュ「人に見られる、人に聞かれる、でもそれは…私自身を…見ていない…」
あなた「……」演奏停止
105: 2021/02/22(月) 23:58:11.21 ID:2DB0yFje
あなた「よっと」ギター取り出し
~♪ Can Do/GRANRODEO
ランジュ「全身全霊で…自分に見せられることを…」
ランジュ「……私。ものとかお金とかだけで、何とかできるものしか…」
栞子「さあ、まだライブは続きますよ。見に行きましょう」
愛「まだ休憩中だけど」
あなた「おっと、こんな時間か。時間にはまた司会に戻るよー」
果林「ストレッチ完了、と…きちんとケアしないと」
果林「あら? ここ、どこかしら?」キョロキョロ
果林「……あら? かすみと部長?」
かすみ「……すみません、部長…」
あなた「いや、大丈夫だよ。ここなら目立たない」
かすみ「はい…」ポーチガサゴソ
ぷしゅっ
果林「え……」
かすみ「くぅっ…うぅっ……!」
あなた(注射の回数が明らかに増えている。毎日どころじゃない、一日に二回、三回。それ以上か)
あなた(震える手で注射器を首から離したかすみちゃんは、ゆっくりと息を吐いた)
かすみ「……まだ……まだ、出番は…終わってない」
あなた「かすみちゃん…無理は」
かすみ「無理なんかじゃないんです」
かすみ「かすみんは……かすみんが出来る最後まで、立っていたい」
かすみ「今日がラストステージになるかも知れない、それでも。ステージにいる間は世界で一番最高にかわいいかすみんだけを、見せていたい」
かすみ「先輩が悲しみも憎しみも全部背負うって言うなら」
かすみ「せめてこのかすみんの可愛さだけでも刻み付けていてください…!」
あなた「ああ……そろそろ、戻らないと」
かすみ「はい…」
あなた「手を、引くよ。ほら」
~♪ Can Do/GRANRODEO
ランジュ「全身全霊で…自分に見せられることを…」
ランジュ「……私。ものとかお金とかだけで、何とかできるものしか…」
栞子「さあ、まだライブは続きますよ。見に行きましょう」
愛「まだ休憩中だけど」
あなた「おっと、こんな時間か。時間にはまた司会に戻るよー」
果林「ストレッチ完了、と…きちんとケアしないと」
果林「あら? ここ、どこかしら?」キョロキョロ
果林「……あら? かすみと部長?」
かすみ「……すみません、部長…」
あなた「いや、大丈夫だよ。ここなら目立たない」
かすみ「はい…」ポーチガサゴソ
ぷしゅっ
果林「え……」
かすみ「くぅっ…うぅっ……!」
あなた(注射の回数が明らかに増えている。毎日どころじゃない、一日に二回、三回。それ以上か)
あなた(震える手で注射器を首から離したかすみちゃんは、ゆっくりと息を吐いた)
かすみ「……まだ……まだ、出番は…終わってない」
あなた「かすみちゃん…無理は」
かすみ「無理なんかじゃないんです」
かすみ「かすみんは……かすみんが出来る最後まで、立っていたい」
かすみ「今日がラストステージになるかも知れない、それでも。ステージにいる間は世界で一番最高にかわいいかすみんだけを、見せていたい」
かすみ「先輩が悲しみも憎しみも全部背負うって言うなら」
かすみ「せめてこのかすみんの可愛さだけでも刻み付けていてください…!」
あなた「ああ……そろそろ、戻らないと」
かすみ「はい…」
あなた「手を、引くよ。ほら」
106: 2021/02/23(火) 00:01:37.43 ID:XrhBMYeE
ぽてん、ころり
スタスタ
果林「……いなくなったわね」キョロキョロ
果林「……注射器、よね……」拾い上げー
果林「そうだ、真姫なら分かるかも知れないわ」
あなた「…僅差。これは僅差! 三回戦第一試合…鹿角聖良さん、準決勝進出おめでとうございます! 残念ながら、敗れてしまった我らが虹ヶ咲学園の中須かすみちゃんも僅差で、全国区スクールアイドルに大健闘!」
聖良「本当にかすみちゃんはすごいパフォーマンスでした! 次は観客として見てみたいですよ!」
かすみ「聖良さん……ありがとう、ございます」
かすみ(涙でにじむ視界、今にも折れそうな足。ここまで、ここまでだ。でも)
かすみ(μ’sに、Aqoursに、Saint Snowまで。同じステージに引っ張り込んだのは)
かすみ(先輩なりの、かすみんへの心ばかりの贈り物。相も変わらずにサングラスをかけて好き放題なおしゃべりをマイクに向けてるけれど)
かすみ(一緒に死ねなくなったかすみんへの愛情で、そして、ランジュに本当にスクールアイドルの意味を教える為の)
かすみ(そして彼女たちにかすみんを〇させないために、シンデレラの魔法をかけたんだ)
かすみ(シンデレラ城の舞踏会はまだまだ続く、続くんだ)
かすみ「…先輩、ありがとう」
あなた「Hey、かすみちゃん」
あなた「天使が羽をたたむのは、ラストダンスを終えてからさ」
スタスタ
果林「……いなくなったわね」キョロキョロ
果林「……注射器、よね……」拾い上げー
果林「そうだ、真姫なら分かるかも知れないわ」
あなた「…僅差。これは僅差! 三回戦第一試合…鹿角聖良さん、準決勝進出おめでとうございます! 残念ながら、敗れてしまった我らが虹ヶ咲学園の中須かすみちゃんも僅差で、全国区スクールアイドルに大健闘!」
聖良「本当にかすみちゃんはすごいパフォーマンスでした! 次は観客として見てみたいですよ!」
かすみ「聖良さん……ありがとう、ございます」
かすみ(涙でにじむ視界、今にも折れそうな足。ここまで、ここまでだ。でも)
かすみ(μ’sに、Aqoursに、Saint Snowまで。同じステージに引っ張り込んだのは)
かすみ(先輩なりの、かすみんへの心ばかりの贈り物。相も変わらずにサングラスをかけて好き放題なおしゃべりをマイクに向けてるけれど)
かすみ(一緒に死ねなくなったかすみんへの愛情で、そして、ランジュに本当にスクールアイドルの意味を教える為の)
かすみ(そして彼女たちにかすみんを〇させないために、シンデレラの魔法をかけたんだ)
かすみ(シンデレラ城の舞踏会はまだまだ続く、続くんだ)
かすみ「…先輩、ありがとう」
あなた「Hey、かすみちゃん」
あなた「天使が羽をたたむのは、ラストダンスを終えてからさ」
107: 2021/02/23(火) 00:03:50.44 ID:XrhBMYeE
果林「ああ、真姫やっといたわ。少しいいかしら?」
真姫「なに?」
果林「…見てもらいたいものがあるの。その……これ、なんだけど」
果林(注射器を見せた時、真姫の表情は一瞬で変わった)
真姫「これ、どうしたの?」
果林「……さっき。かすみが、これを打っていた。部長は、それを知ってるみたい」
果林「……これって、何の薬なの?」
真姫「違法な薬ではないわ……患者の自己注射も出来る薬よ」
果林(だが、その声のトーンは異様なものだ。信じられないという驚愕と、震える声が、深刻さを感じさせた)
真姫「かすみが、打っていたのね?」
「かすみちゃんの事?」
真姫「梨子…」
梨子「……かすみちゃんの事で、真姫ちゃんに少し話したい事があって…」
梨子「実は昨日…」
果林(梨子が昨日、西木野総合病院でかすみを見たという。その際のかすみの言葉そのものは、よく聞こえなかったが、それでも真姫の顔は真っ青になりつつあった)
真姫「……果林、部長はかすみがこの注射を打ってるのを知ってるって?」
果林「ええ。傍で見てたわ…確実に、その事を」
真姫「話を聞く必要があるわ。後で…いや、手遅れにならないうちに聞くべきか…」
真姫「なに?」
果林「…見てもらいたいものがあるの。その……これ、なんだけど」
果林(注射器を見せた時、真姫の表情は一瞬で変わった)
真姫「これ、どうしたの?」
果林「……さっき。かすみが、これを打っていた。部長は、それを知ってるみたい」
果林「……これって、何の薬なの?」
真姫「違法な薬ではないわ……患者の自己注射も出来る薬よ」
果林(だが、その声のトーンは異様なものだ。信じられないという驚愕と、震える声が、深刻さを感じさせた)
真姫「かすみが、打っていたのね?」
「かすみちゃんの事?」
真姫「梨子…」
梨子「……かすみちゃんの事で、真姫ちゃんに少し話したい事があって…」
梨子「実は昨日…」
果林(梨子が昨日、西木野総合病院でかすみを見たという。その際のかすみの言葉そのものは、よく聞こえなかったが、それでも真姫の顔は真っ青になりつつあった)
真姫「……果林、部長はかすみがこの注射を打ってるのを知ってるって?」
果林「ええ。傍で見てたわ…確実に、その事を」
真姫「話を聞く必要があるわ。後で…いや、手遅れにならないうちに聞くべきか…」
108: 2021/02/23(火) 00:05:16.20 ID:XrhBMYeE
あなた「準決勝、第一試合は! 星空凛と、鹿角聖良! 第二試合は! 高坂穂乃果と、小原鞠莉!」
あなた「…………」
本来の司会「どうしました?」
あなた「Hey、放送委員会よ、聞いてくれないかい?」
本来の司会「まあ、聞きますけど。なんです?」
あなた「ここは虹ヶ咲学園だぜ。まさかの三回戦で虹ヶ咲メンバー全員敗退ときたもんだ」
本来の司会「しかしジャッジは絶対ですので」
あなた「だよね。しかし、残念だ。出来れば虹ヶ咲学園の…」
「「「「「そのトーナメント、ちょっと待ったーッ!」」」」」
歩夢「え、なに?」
栞子「何事です?」
愛「今度は何だろ」
穂乃果「あれれ、あそこにいるのは…?」
かのん「私たちはLiella!」
千砂都「結ヶ丘女子高等学校のスクールアイドル!」
可可「デス! 今回、らんじゅサンノ挑戦状を拝見シマシタ!」
すみれ「ギャラクシーカリスマたる私を差し置いてナンバーワンスクールアイドルを決めるとは、見過ごせませんわ!」
恋「本当にいいんでしょうか、こんな事して…」
しずく「あの子たち、いつかの…まさかの飛び入り参戦!?」
かすみ「……先輩」
あなた「…………」
本来の司会「どうしました?」
あなた「Hey、放送委員会よ、聞いてくれないかい?」
本来の司会「まあ、聞きますけど。なんです?」
あなた「ここは虹ヶ咲学園だぜ。まさかの三回戦で虹ヶ咲メンバー全員敗退ときたもんだ」
本来の司会「しかしジャッジは絶対ですので」
あなた「だよね。しかし、残念だ。出来れば虹ヶ咲学園の…」
「「「「「そのトーナメント、ちょっと待ったーッ!」」」」」
歩夢「え、なに?」
栞子「何事です?」
愛「今度は何だろ」
穂乃果「あれれ、あそこにいるのは…?」
かのん「私たちはLiella!」
千砂都「結ヶ丘女子高等学校のスクールアイドル!」
可可「デス! 今回、らんじゅサンノ挑戦状を拝見シマシタ!」
すみれ「ギャラクシーカリスマたる私を差し置いてナンバーワンスクールアイドルを決めるとは、見過ごせませんわ!」
恋「本当にいいんでしょうか、こんな事して…」
しずく「あの子たち、いつかの…まさかの飛び入り参戦!?」
かすみ「……先輩」
109: 2021/02/23(火) 00:07:21.99 ID:XrhBMYeE
凛「受けて立つにゃ!」
穂乃果「面白そうだよね!」
鞠莉「イエス! 全力をあげて迎撃よ!」
聖良「待って、こっちに一人メンバーが足りないわ」
かすみ(先輩、これが最後の贈り物ですか―――――私は、Liella!の子たちと、同じステージに立てる)
かすみ(天使が羽をたたむのは、ラストダンスを終えてから――――――――世界一かわいい中須かすみの、一世一代のラストステージ。全身全霊、全てを燃やしてでも立つんだ)
かすみ「五人目? それはもちろん世界一かわいいかすみんですっ☆」ステージにあがりー
せつ菜「ああっ! そこは私ですよかすみさん!」ステージに駆けあがりー
かすみ「いくらせつ菜先輩でも譲れませんー」
エマ「間を取って私が出るよ、ほら、私三年生だし」ステージにあがりー
ランジュ「まーた、あの同好会の部長がなんか悪戯したわね! もう、飛び入りなんて何のためのトーナメントよ」ヤレヤレ
歩夢「あの子はどこに?」
しずく「観客席の音ノ木坂の生徒の前で煽ってますね」
あなた「穂乃果! 穂乃果! 穂乃果! 穂乃果!」
\穂乃果! 穂乃果! 穂乃果! 穂乃果!/
千歌「むむっ、これは見過ごせないよ! こっちもコールで対抗するのだ!」
曜「でも千歌ちゃん、どんなコールで対抗するの?」
善子「くくく、堕天使ヨハネの本気を見せるときが来たわ! さあ、リトルデーモンたち! 叫びなさい、己の支配者、その名を!」
\ルビィ! ルビィ! ルビィ! ルビィ!/
善子「ずこーっ!?」ずるっ
穂乃果「面白そうだよね!」
鞠莉「イエス! 全力をあげて迎撃よ!」
聖良「待って、こっちに一人メンバーが足りないわ」
かすみ(先輩、これが最後の贈り物ですか―――――私は、Liella!の子たちと、同じステージに立てる)
かすみ(天使が羽をたたむのは、ラストダンスを終えてから――――――――世界一かわいい中須かすみの、一世一代のラストステージ。全身全霊、全てを燃やしてでも立つんだ)
かすみ「五人目? それはもちろん世界一かわいいかすみんですっ☆」ステージにあがりー
せつ菜「ああっ! そこは私ですよかすみさん!」ステージに駆けあがりー
かすみ「いくらせつ菜先輩でも譲れませんー」
エマ「間を取って私が出るよ、ほら、私三年生だし」ステージにあがりー
ランジュ「まーた、あの同好会の部長がなんか悪戯したわね! もう、飛び入りなんて何のためのトーナメントよ」ヤレヤレ
歩夢「あの子はどこに?」
しずく「観客席の音ノ木坂の生徒の前で煽ってますね」
あなた「穂乃果! 穂乃果! 穂乃果! 穂乃果!」
\穂乃果! 穂乃果! 穂乃果! 穂乃果!/
千歌「むむっ、これは見過ごせないよ! こっちもコールで対抗するのだ!」
曜「でも千歌ちゃん、どんなコールで対抗するの?」
善子「くくく、堕天使ヨハネの本気を見せるときが来たわ! さあ、リトルデーモンたち! 叫びなさい、己の支配者、その名を!」
\ルビィ! ルビィ! ルビィ! ルビィ!/
善子「ずこーっ!?」ずるっ
110: 2021/02/23(火) 00:10:25.12 ID:XrhBMYeE
あなた「ルビィ! ルビィ! ルビィ!」
善子「そしてなんでアンタはこっちも煽ってるのよ! 虹ヶ咲のコールしなさいよ!」
せつ菜「こうなったら本気でステージで見せるまで! さあ、皆さん! 行きましょう!」
せつ菜「ランジュさん、いつまでも関係者席でぼんやりしてない! あなたも行きましょう、全員で対抗です!」
理亞「あ、ずるい! 私も行くからね!」
絵里「ちょっと、人数少ないこっちが不利じゃない! 私たちも行くわよ!」
可可「一番人数少ないノハ我々デス」
すみれ「相手にとって不足なし、これは武者震いですわ」ガタガタ
かのん「大丈夫、大丈夫だって!」
「それならば、義によって結ヶ丘女子に助太刀します!」
かのん「!?」
遥「えーと……ごめん、お姉ちゃん。字が遠くてカンペが…」
遥「ええい、もういいや! ステージで見せますよ!」
歩夢「もしかして審査委員長が結ヶ丘女子の理事長って……」
愛「あ、審査員の皆さんがなんか書いてる」
「ノーサイド:勝敗よりも大事なものがある」
せつ菜「ミアさんも早く! それならこっちが有利ですよ!」
ミア「今着替えてるんだって!」あわあわ
璃奈「大丈夫、ミア、落ち着いて」
かすみ「みんなーっ! 行きますよーっ!」
善子「そしてなんでアンタはこっちも煽ってるのよ! 虹ヶ咲のコールしなさいよ!」
せつ菜「こうなったら本気でステージで見せるまで! さあ、皆さん! 行きましょう!」
せつ菜「ランジュさん、いつまでも関係者席でぼんやりしてない! あなたも行きましょう、全員で対抗です!」
理亞「あ、ずるい! 私も行くからね!」
絵里「ちょっと、人数少ないこっちが不利じゃない! 私たちも行くわよ!」
可可「一番人数少ないノハ我々デス」
すみれ「相手にとって不足なし、これは武者震いですわ」ガタガタ
かのん「大丈夫、大丈夫だって!」
「それならば、義によって結ヶ丘女子に助太刀します!」
かのん「!?」
遥「えーと……ごめん、お姉ちゃん。字が遠くてカンペが…」
遥「ええい、もういいや! ステージで見せますよ!」
歩夢「もしかして審査委員長が結ヶ丘女子の理事長って……」
愛「あ、審査員の皆さんがなんか書いてる」
「ノーサイド:勝敗よりも大事なものがある」
せつ菜「ミアさんも早く! それならこっちが有利ですよ!」
ミア「今着替えてるんだって!」あわあわ
璃奈「大丈夫、ミア、落ち着いて」
かすみ「みんなーっ! 行きますよーっ!」
111: 2021/02/23(火) 00:12:35.88 ID:XrhBMYeE
愛(当たり前だけどトーナメントに優勝者なんていない。でも、そうしてくれた事に感謝してる)
愛(だってあんなに楽しい時間そうそうないよね?)
愛(そしていつか言ったように、祭りには終わりが来る。でも、終わるからこそ、意味があるんだ)
ランジュ「ずっと誤解してた…本当に、ごめんなさい」
歩夢(そして後片付けが終わりかけた頃に、ランジュさんはそうやって皆に頭を下げた。そして)
穂乃果「え? この果たし状って」
せつ菜「いやぁ、すみません。私と部長で書きました」
希「いや筆跡でわかるやん」
にこ「嘘」
穂乃果「気付かなかった…」
海未「穂乃果はともかくなんでにこも気付かなかったのです…」
穂乃果「いや、だって話聞いてるとそういう事言いそうだったし…」
ランジュ「なんかもうごめんなさい…」
栞子「それで、これからどうします?」
ランジュ「スクールアイドル部は終わりにするわ。でも…その後は、これから考えようと思う」
ランジュ「どうしたいかを、これから、考えたい」
歩夢「……」
歩夢「同好会に、来ない?」
ランジュ「けど」
歩夢「こっちに入って、見えてくるものもあるもの」
しずく「ええ。私がスクールアイドル部でわかったものがあるように」
しずく「ランジュさんも、きっと見付けますよ」
ランジュ「…ありがとう。お願い」
あなた「入部届、受け取りました」ニッ
あなた「ようこそ、ランジュさん」
あなた(十二時にはなってない、これで、いい。これで)
愛(だってあんなに楽しい時間そうそうないよね?)
愛(そしていつか言ったように、祭りには終わりが来る。でも、終わるからこそ、意味があるんだ)
ランジュ「ずっと誤解してた…本当に、ごめんなさい」
歩夢(そして後片付けが終わりかけた頃に、ランジュさんはそうやって皆に頭を下げた。そして)
穂乃果「え? この果たし状って」
せつ菜「いやぁ、すみません。私と部長で書きました」
希「いや筆跡でわかるやん」
にこ「嘘」
穂乃果「気付かなかった…」
海未「穂乃果はともかくなんでにこも気付かなかったのです…」
穂乃果「いや、だって話聞いてるとそういう事言いそうだったし…」
ランジュ「なんかもうごめんなさい…」
栞子「それで、これからどうします?」
ランジュ「スクールアイドル部は終わりにするわ。でも…その後は、これから考えようと思う」
ランジュ「どうしたいかを、これから、考えたい」
歩夢「……」
歩夢「同好会に、来ない?」
ランジュ「けど」
歩夢「こっちに入って、見えてくるものもあるもの」
しずく「ええ。私がスクールアイドル部でわかったものがあるように」
しずく「ランジュさんも、きっと見付けますよ」
ランジュ「…ありがとう。お願い」
あなた「入部届、受け取りました」ニッ
あなた「ようこそ、ランジュさん」
あなた(十二時にはなってない、これで、いい。これで)
112: 2021/02/23(火) 00:14:29.72 ID:XrhBMYeE
「そろそろ話してくれてもいいんじゃない?」
あなた(その時になって、全てを切り裂く声が響いた)
あなた(くるりと向きをそちらに向ける。真姫ちゃんだった)
真姫「私たちに、トーナメントに出場して欲しかった本当の理由よ」
あなた「決まってるだろ。盛り上げる為、それと」
真姫「ランジュにスクールアイドルというものを教える為…というのは言われなくても分かる事よ。もう一つ、あるでしょ?」
真姫「これ。あなたはこれの意味、わかるんじゃない?」
あなた(虹ヶ咲の子たちも、μ’sも、AqoursやSaint Snow、Liella!も、遥ちゃんまで、今、ぼくと真姫ちゃんに注目している。そして真姫ちゃんが手にしているもの、それは)
かすみ「あ……!」
あなた(かすみちゃんが慌ててポーチに手を伸ばす。そして、顔を青くする。ない、ないと)
真姫「答えられない? そうね、答えづらいでしょうね…私も、今とてもそう思ってるわ」
あなた「シンデレラの魔法は、十二時の鐘が鳴るまでだ。今は、まだ、その時じゃない」
真姫「それが本当に魔法ならね、でも、あなたに魔法は使えない。それはかりそめの魔法。化けの皮がはがれるわ」
真姫「果林が、かすみがこれを打っているのを見た、と言ったわ。あなたがそこにいた事もね。そしてもう一つ」
真姫「昨日、梨子が、かすみが、西木野総合病院にいたのを、見てる」
あなた(シンデレラの魔法は、十二時になる前に解けました。それは、本物の魔法じゃないから)
かすみ「まき子、それは…!」
あなた「かすみちゃん…ごめん」
あなた「シンデレラにかけた魔法は、解けてしまった。尊厳を、守る為の」
真姫「……やっぱりね。だけど、所詮かりそめの魔法よ。いつかは解ける」
真姫「ランジュにシンデレラの魔法をかけたのね、部長。かすみと、ランジュの魂を守る為に」
『まほうつかいやめました』
あなた(その時になって、全てを切り裂く声が響いた)
あなた(くるりと向きをそちらに向ける。真姫ちゃんだった)
真姫「私たちに、トーナメントに出場して欲しかった本当の理由よ」
あなた「決まってるだろ。盛り上げる為、それと」
真姫「ランジュにスクールアイドルというものを教える為…というのは言われなくても分かる事よ。もう一つ、あるでしょ?」
真姫「これ。あなたはこれの意味、わかるんじゃない?」
あなた(虹ヶ咲の子たちも、μ’sも、AqoursやSaint Snow、Liella!も、遥ちゃんまで、今、ぼくと真姫ちゃんに注目している。そして真姫ちゃんが手にしているもの、それは)
かすみ「あ……!」
あなた(かすみちゃんが慌ててポーチに手を伸ばす。そして、顔を青くする。ない、ないと)
真姫「答えられない? そうね、答えづらいでしょうね…私も、今とてもそう思ってるわ」
あなた「シンデレラの魔法は、十二時の鐘が鳴るまでだ。今は、まだ、その時じゃない」
真姫「それが本当に魔法ならね、でも、あなたに魔法は使えない。それはかりそめの魔法。化けの皮がはがれるわ」
真姫「果林が、かすみがこれを打っているのを見た、と言ったわ。あなたがそこにいた事もね。そしてもう一つ」
真姫「昨日、梨子が、かすみが、西木野総合病院にいたのを、見てる」
あなた(シンデレラの魔法は、十二時になる前に解けました。それは、本物の魔法じゃないから)
かすみ「まき子、それは…!」
あなた「かすみちゃん…ごめん」
あなた「シンデレラにかけた魔法は、解けてしまった。尊厳を、守る為の」
真姫「……やっぱりね。だけど、所詮かりそめの魔法よ。いつかは解ける」
真姫「ランジュにシンデレラの魔法をかけたのね、部長。かすみと、ランジュの魂を守る為に」
『まほうつかいやめました』
113: 2021/02/23(火) 00:16:07.24 ID:XrhBMYeE
しばしの休憩
よろしく
よろしく
116: 2021/02/23(火) 07:25:52.03 ID:XrhBMYeE
あなた「かすみちゃんは、カフカ・ぺチャック症候群A型だ」
あなた「入学式前の時点で、余命二年だったと聞いたよ」
あなた(この直後、ランジュさんの顔から血の気が引いて、少し離れていても分かる程震え出した)
真姫「…やはりね。だから、余計に言えなくなった」
花陽「…真姫ちゃん、どういう、こと?」
真姫「この病気は強いストレスが病状を進行させる症例が多く報告されている。進行速度自体は様々で余命が年単位になる事が多くても、宣告された事そのもの、或いは宣告後の生活で強いストレスがかかってそれより早く病状が悪化するわ」
真姫「あなたの留学とスクールアイドル部の存在が、かすみの病状を悪化させた。一年以上残っていた筈の余命が、劇症症状が出てしまうまでに」
真姫「だから言えなかった。言ってしまったら、果林も愛も…栞子も。自分たちがかすみを〇した事になる」
真姫「いえ、それだけではないわね」
真姫「ランジュの全てを否定してしまう事になる。カフカ・ぺチャック症候群で天才画家である従妹を無くした彼女が、難病の子たちへの支援をしてきた事。スクールアイドル活動を始めたのもそれの一環。しかし、そのスクールアイドル活動がよりによってカフカ・ぺチャック症候群の患者であったかすみを〇す事になるなんて、彼女にとって最悪すぎる真実よ」
ランジュ「わたしの…わたしの…せいで…」
あなた「君のせいじゃない。君のせいじゃないんだ…」
あなた「君にそんな顔をさせたくなくて、隠し通してたんだ」
あなた「君が従妹を失った事も、だからそうして手を差し伸べる事も、かすみちゃんに教えた」
ランジュ「だけど……」
あなた「どうして自分が、という思いで自暴自棄になる、或いは希望を全て失って心の死を迎えて朽ちていく子供たちに、何が出来るかどうやって輝けるかを、そうして手を差し伸べるランジュさんの存在は、そういった子たちへの希望なんだ。それを失わせる訳にはいかなかった」
あなた「かすみちゃんや、ランジュさんの従妹は強い心で、それでも諦めずにいる」
あなた「入学式前の時点で、余命二年だったと聞いたよ」
あなた(この直後、ランジュさんの顔から血の気が引いて、少し離れていても分かる程震え出した)
真姫「…やはりね。だから、余計に言えなくなった」
花陽「…真姫ちゃん、どういう、こと?」
真姫「この病気は強いストレスが病状を進行させる症例が多く報告されている。進行速度自体は様々で余命が年単位になる事が多くても、宣告された事そのもの、或いは宣告後の生活で強いストレスがかかってそれより早く病状が悪化するわ」
真姫「あなたの留学とスクールアイドル部の存在が、かすみの病状を悪化させた。一年以上残っていた筈の余命が、劇症症状が出てしまうまでに」
真姫「だから言えなかった。言ってしまったら、果林も愛も…栞子も。自分たちがかすみを〇した事になる」
真姫「いえ、それだけではないわね」
真姫「ランジュの全てを否定してしまう事になる。カフカ・ぺチャック症候群で天才画家である従妹を無くした彼女が、難病の子たちへの支援をしてきた事。スクールアイドル活動を始めたのもそれの一環。しかし、そのスクールアイドル活動がよりによってカフカ・ぺチャック症候群の患者であったかすみを〇す事になるなんて、彼女にとって最悪すぎる真実よ」
ランジュ「わたしの…わたしの…せいで…」
あなた「君のせいじゃない。君のせいじゃないんだ…」
あなた「君にそんな顔をさせたくなくて、隠し通してたんだ」
あなた「君が従妹を失った事も、だからそうして手を差し伸べる事も、かすみちゃんに教えた」
ランジュ「だけど……」
あなた「どうして自分が、という思いで自暴自棄になる、或いは希望を全て失って心の死を迎えて朽ちていく子供たちに、何が出来るかどうやって輝けるかを、そうして手を差し伸べるランジュさんの存在は、そういった子たちへの希望なんだ。それを失わせる訳にはいかなかった」
あなた「かすみちゃんや、ランジュさんの従妹は強い心で、それでも諦めずにいる」
117: 2021/02/23(火) 07:27:52.18 ID:XrhBMYeE
あなた「飛べ、飛べ、ジョナサン・リヴィングストン。空を飛べない、ぼくの代わりに。血果て羽根尽きるまで。どこまでも高く、誰よりも早く。命燃え尽きる、その日まで」
あなた「鍾嵐珠じゃなかったなら、ふざけんな仲間返せ、で済むだろうけど、そうはいかない」
あなた「入学式の時点で、余命二年。ちょうど卒業する頃。だから、かすみちゃんを一人ぼっちで送り出さなくていい、私も一人ぼっちで向こう側に行かなくていい」
あなた「一緒に進んで、一緒に死んでいく。そんなゴールが見えた時、色も重さもなくなっていた、心にもう一度彩が見えてきた。明日への、希望が、持てたんだ」
穂乃果「…待って」
穂乃果「今、一緒に死んでいく…って。言わなかった…?」
あなた「うん」
あなた「私もなんだよ、入学式の前日に。カフカ・ぺチャック症候群で、余命三年って言われたんだ」
ランジュ「……!!!」
あなた「鍾嵐珠じゃなかったなら、ふざけんな仲間返せ、で済むだろうけど、そうはいかない」
あなた「入学式の時点で、余命二年。ちょうど卒業する頃。だから、かすみちゃんを一人ぼっちで送り出さなくていい、私も一人ぼっちで向こう側に行かなくていい」
あなた「一緒に進んで、一緒に死んでいく。そんなゴールが見えた時、色も重さもなくなっていた、心にもう一度彩が見えてきた。明日への、希望が、持てたんだ」
穂乃果「…待って」
穂乃果「今、一緒に死んでいく…って。言わなかった…?」
あなた「うん」
あなた「私もなんだよ、入学式の前日に。カフカ・ぺチャック症候群で、余命三年って言われたんだ」
ランジュ「……!!!」
118: 2021/02/23(火) 07:29:37.53 ID:XrhBMYeE
あなた(この瞬間、息をのむ音、心臓が早くなる音、足が震え出す音、歯が鳴り出す音、色々聞こえた)
あなた「歩夢ちゃんにも、話せずにいた、かすみちゃんだけが知ってる秘密だ」
せつ菜「……冗談……じゃ…ない…ですよ…ね………」
愛「嘘だ……嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ…!」ガタガタ
しずく「かすみさん…だけじゃなくて、先輩、も…」
あなた「本当だよ。嘘じゃない」
あなた「受け止められる筈もないさ。三年後に死ぬなんてね。将来の夢だってあったし、やりたい事なんて星の数程考えても止まらないぐらい、一年かけて好きなことばっかりやった。それでも」
あなた「日に日にカウントする度に、心が少しずつ死んでいくみたいだった。どこか空っぽで、色もなくて。日常の素晴らしさすらもグロテスクなものへと変わっていくような、本来ぼく達誰もが忘れるべきでないものが消えて行ってしまうような、そんな感覚だ。そして、そんなぼくはもう、楽園へ行く資格を失ってしまった」
あなた「行き先は屍者の帝国でしかない。やがて朽ちて、灰の中の一部になっていく。安らぎも何もない、朽ちるまで屍者の帝国を往くだけの」
あなた「輝く資格も、輝けるものもないぼくにはお似合いの行き先だよ」
あなた「そんな中で、スクールアイドルに出会った。同好会の皆との日々、μ’sやAqoursの結んだ絆、そして増えていく新たな絆、色も重さも失った日々に、色合いと重さが戻ってきた。無色でも空っぽでもない日々、そう、皆が、私を、よみがえらせてくれたんだ」
あなた「二人は輝いた、輝き続けた。だから輝いたまま、楽園へ向かわないと。その為に、かすみちゃんの憎しみも、未練も、ぼくが一緒に屍者の帝国に連れて行けばいい」
あなた「それが一緒に死ねなくなってしまった。私への罰だ。こんなに胸が張り裂けそうな程悲しいのににさ」
あなた「ランジュさんはこうして泣いてるのに、ご覧の通り、誰かの為に泣く涙すらも亡くしてしまったんだ」
ランジュ「あなたは…知ってたのね…」
あなた「歩夢ちゃんにも、話せずにいた、かすみちゃんだけが知ってる秘密だ」
せつ菜「……冗談……じゃ…ない…ですよ…ね………」
愛「嘘だ……嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ…!」ガタガタ
しずく「かすみさん…だけじゃなくて、先輩、も…」
あなた「本当だよ。嘘じゃない」
あなた「受け止められる筈もないさ。三年後に死ぬなんてね。将来の夢だってあったし、やりたい事なんて星の数程考えても止まらないぐらい、一年かけて好きなことばっかりやった。それでも」
あなた「日に日にカウントする度に、心が少しずつ死んでいくみたいだった。どこか空っぽで、色もなくて。日常の素晴らしさすらもグロテスクなものへと変わっていくような、本来ぼく達誰もが忘れるべきでないものが消えて行ってしまうような、そんな感覚だ。そして、そんなぼくはもう、楽園へ行く資格を失ってしまった」
あなた「行き先は屍者の帝国でしかない。やがて朽ちて、灰の中の一部になっていく。安らぎも何もない、朽ちるまで屍者の帝国を往くだけの」
あなた「輝く資格も、輝けるものもないぼくにはお似合いの行き先だよ」
あなた「そんな中で、スクールアイドルに出会った。同好会の皆との日々、μ’sやAqoursの結んだ絆、そして増えていく新たな絆、色も重さも失った日々に、色合いと重さが戻ってきた。無色でも空っぽでもない日々、そう、皆が、私を、よみがえらせてくれたんだ」
あなた「二人は輝いた、輝き続けた。だから輝いたまま、楽園へ向かわないと。その為に、かすみちゃんの憎しみも、未練も、ぼくが一緒に屍者の帝国に連れて行けばいい」
あなた「それが一緒に死ねなくなってしまった。私への罰だ。こんなに胸が張り裂けそうな程悲しいのににさ」
あなた「ランジュさんはこうして泣いてるのに、ご覧の通り、誰かの為に泣く涙すらも亡くしてしまったんだ」
ランジュ「あなたは…知ってたのね…」
119: 2021/02/23(火) 07:31:43.34 ID:XrhBMYeE
ランジュ「命というものに、向き合って、そうするしかなかった……強くなかったから、刹那的な快楽に逃げるしかなかった…でも」
ランジュ「それでもスクールアイドルを支える者として、誰かを思える…!」
あなた「弱いんだよ。誰もが皆、強くない。私は、弱虫でしかないよ」
歩夢「……」
エマ「…歩夢ちゃん?」
ガシッ
ブンっ バキッ
あなた「ぶべらっ!?」
あなた「歩夢ちゃん…」
歩夢「これは……彼方さんの分ッ!」バキッ
歩夢「しずくちゃんの分ッ!」バキッ
しずく「あ、歩夢さん!」
果林「歩夢!」
歩夢「せつ菜ちゃんの分っ! エマさんの分っ! 果林さんの…」バキッ ベキッ バキッ
千歌「歩夢ちゃん!」
果南「やめなって!」
曜「落ち着いて、歩夢ちゃん!」
せつ菜(千歌さん達によって引き離された歩夢ちゃんの前で、部長は崩れ落ちる)
ランジュ「それでもスクールアイドルを支える者として、誰かを思える…!」
あなた「弱いんだよ。誰もが皆、強くない。私は、弱虫でしかないよ」
歩夢「……」
エマ「…歩夢ちゃん?」
ガシッ
ブンっ バキッ
あなた「ぶべらっ!?」
あなた「歩夢ちゃん…」
歩夢「これは……彼方さんの分ッ!」バキッ
歩夢「しずくちゃんの分ッ!」バキッ
しずく「あ、歩夢さん!」
果林「歩夢!」
歩夢「せつ菜ちゃんの分っ! エマさんの分っ! 果林さんの…」バキッ ベキッ バキッ
千歌「歩夢ちゃん!」
果南「やめなって!」
曜「落ち着いて、歩夢ちゃん!」
せつ菜(千歌さん達によって引き離された歩夢ちゃんの前で、部長は崩れ落ちる)
120: 2021/02/23(火) 07:33:06.82 ID:XrhBMYeE
海未「大丈夫ですか? 鼻血が…」
あなた「歩夢ちゃ…」ヒューヒュー
歩夢「あなたはいいよ…そうして全部秘密にしてれば、死人は口無し、言わなきゃいいものね…だけど、真姫ちゃんの言う通り、いずれ解る」
歩夢「その時の果林さん達の気持ちを考えた事ある?」
歩夢「それに……あなたはかすみちゃんの秘密を守って死んでも、その理由も意味も知らない皆の気持ちはどうなるの!?」
あなた「歩夢…」
歩夢「一年以上…一年以上だよ。ずっと待ってて、その結末が…かすみちゃんの方が死ぬだなんて…ふざけないでよ! どこまであなたは私たちをバカにしたら気が済むの!? 勇気がないなんてレベルじゃないよ。しずくちゃん達はどうなるの!? ランジュさんの気持ちだって踏みにじって!」
果林「歩夢…もしかして」
歩夢「おじさんとおばさんが、話してくれた。でも私は…あなたの口から聞きたかった。でもあなたは、話してくれなかった」
あなた「……」
歩夢「白髪が増えていくのを見たくないから、全部白くしてしまえば、ほら目立たない。見たくないものを見たくないから、サングラスをかけて誤魔化してしまえばほら見えない。近いうちにどうあがいても死ぬなら今日死んだって変わらないみたいな感じで、バイクに乗って無茶苦茶な運転だって平気でしちゃう」
歩夢「そりゃランジュさんから見れば大嫌いだよ。命の事よりも、今楽しければそれでいい。誰かが生きたかった今日であるはずなのに、やりたい事だけやってる今日をひたすら繰り返し続けるだけで、ね」
歩夢「スクールアイドルはじめようって時も、本当に続くのかって、思ってた。私は半信半疑だった」
歩夢「でも違った…あなたは確かに、スクールアイドルとは真剣に向き合った。私も、こんなに一杯の、絆を結べた。あなたがスクールアイドルを誘ったから。それでもあなたは、そんな仲間たちにも、隠していた」
歩夢「そうやって一人で抱え込むだけで満足なら」
あなた「歩夢ちゃ…」ヒューヒュー
歩夢「あなたはいいよ…そうして全部秘密にしてれば、死人は口無し、言わなきゃいいものね…だけど、真姫ちゃんの言う通り、いずれ解る」
歩夢「その時の果林さん達の気持ちを考えた事ある?」
歩夢「それに……あなたはかすみちゃんの秘密を守って死んでも、その理由も意味も知らない皆の気持ちはどうなるの!?」
あなた「歩夢…」
歩夢「一年以上…一年以上だよ。ずっと待ってて、その結末が…かすみちゃんの方が死ぬだなんて…ふざけないでよ! どこまであなたは私たちをバカにしたら気が済むの!? 勇気がないなんてレベルじゃないよ。しずくちゃん達はどうなるの!? ランジュさんの気持ちだって踏みにじって!」
果林「歩夢…もしかして」
歩夢「おじさんとおばさんが、話してくれた。でも私は…あなたの口から聞きたかった。でもあなたは、話してくれなかった」
あなた「……」
歩夢「白髪が増えていくのを見たくないから、全部白くしてしまえば、ほら目立たない。見たくないものを見たくないから、サングラスをかけて誤魔化してしまえばほら見えない。近いうちにどうあがいても死ぬなら今日死んだって変わらないみたいな感じで、バイクに乗って無茶苦茶な運転だって平気でしちゃう」
歩夢「そりゃランジュさんから見れば大嫌いだよ。命の事よりも、今楽しければそれでいい。誰かが生きたかった今日であるはずなのに、やりたい事だけやってる今日をひたすら繰り返し続けるだけで、ね」
歩夢「スクールアイドルはじめようって時も、本当に続くのかって、思ってた。私は半信半疑だった」
歩夢「でも違った…あなたは確かに、スクールアイドルとは真剣に向き合った。私も、こんなに一杯の、絆を結べた。あなたがスクールアイドルを誘ったから。それでもあなたは、そんな仲間たちにも、隠していた」
歩夢「そうやって一人で抱え込むだけで満足なら」
121: 2021/02/23(火) 07:35:31.31 ID:XrhBMYeE
歩夢「一人で全部抱えたまんま一人で死んでいけばいい…!」
エマ「歩夢ちゃん…!」
スタスタ
あなた「………」
彼方「……部長…」
あなた「…片付け、悪いね…」
スタスタ
愛「あぁ………」
かすみ「あ…果林、先輩。愛先輩も…しお子も……ランジュ…先輩も」
かすみ「色々、酷い事を言って…ごめんなさい」ぺこり
ランジュ「そ、その……」
かすみ「先輩が、教えてくれなければあなたを憎んだままでいた」
かすみ「だから、いいんです。そうでないと…先輩…必死に、守ろうとしてたんです」
かすみ「私が憎まないように。あなたが積み重ねたものが無駄にならないように」
ランジュ「うん……私……」
ランジュ「追いかけてくる…あの子を…」
エマ「歩夢ちゃん…!」
スタスタ
あなた「………」
彼方「……部長…」
あなた「…片付け、悪いね…」
スタスタ
愛「あぁ………」
かすみ「あ…果林、先輩。愛先輩も…しお子も……ランジュ…先輩も」
かすみ「色々、酷い事を言って…ごめんなさい」ぺこり
ランジュ「そ、その……」
かすみ「先輩が、教えてくれなければあなたを憎んだままでいた」
かすみ「だから、いいんです。そうでないと…先輩…必死に、守ろうとしてたんです」
かすみ「私が憎まないように。あなたが積み重ねたものが無駄にならないように」
ランジュ「うん……私……」
ランジュ「追いかけてくる…あの子を…」
122: 2021/02/23(火) 07:37:11.21 ID:XrhBMYeE
タタタッ
愛「かすみん……」
かすみ「だから、大丈夫…大丈夫…」フラフラ
果林「ごめんなさい……かすみ…ごめん…なさいっ…」
かすみ「いいんですよ、果林先輩…いい、んですって…」フラッ
真姫「!」
真姫「誰か救急車! それと、連絡先知らない!?」
しずく「は、はい!」
愛「ぁ…ぁぁ……」ガタガタ
愛「っ!」ダっ
璃奈「愛さん……」
かのん「かすみちゃん! かすみちゃん!」
スタスタスタ
スクールアイドル同好会 部室
あなた「…いてぇ」
あなた(鼻血が止まるまで大変だ。それにしても)
あなた(歩夢ちゃんは、知っていたのか。でも、どうしようもないんだ。人間誰だって、強くはない。一年かけて飲み込んで、それでもどうしようもなくて、そこで)
あなた(スクールアイドルなんて希望を持ってしまったんだもの)
あなた「……鼻血、止まったかな…」
あなた(腫れてそうだ。本気で殴られたなんて、いつぐらいぶりだろう)
あなた「よいしょっと」ギター取り出し
愛「かすみん……」
かすみ「だから、大丈夫…大丈夫…」フラフラ
果林「ごめんなさい……かすみ…ごめん…なさいっ…」
かすみ「いいんですよ、果林先輩…いい、んですって…」フラッ
真姫「!」
真姫「誰か救急車! それと、連絡先知らない!?」
しずく「は、はい!」
愛「ぁ…ぁぁ……」ガタガタ
愛「っ!」ダっ
璃奈「愛さん……」
かのん「かすみちゃん! かすみちゃん!」
スタスタスタ
スクールアイドル同好会 部室
あなた「…いてぇ」
あなた(鼻血が止まるまで大変だ。それにしても)
あなた(歩夢ちゃんは、知っていたのか。でも、どうしようもないんだ。人間誰だって、強くはない。一年かけて飲み込んで、それでもどうしようもなくて、そこで)
あなた(スクールアイドルなんて希望を持ってしまったんだもの)
あなた「……鼻血、止まったかな…」
あなた(腫れてそうだ。本気で殴られたなんて、いつぐらいぶりだろう)
あなた「よいしょっと」ギター取り出し
123: 2021/02/23(火) 07:39:20.79 ID:XrhBMYeE
ランジュ(足取りを、追っていた。彼女も、背負っていたのだ。だからこそ、小児病棟でボランティアをした時も、いや、それだけじゃない。あの子の個展の時だって、薫子が正しいと言っていた)
ランジュ(スクールアイドル同好会の部室、思えば、足を踏み入れるのは、何度目だろうか。スクールアイドル部の部室に比べれば、ものも殆どない部室。しかし)
~♪ LOSER/米津玄師
ランジュ(開いていた扉から、彼女の歌声とギターの音だけが響いていた)
ランジュ(一人、儚んだ世界を見上げる夜は、どれだけ寂しいのだろう。ほぼ太陽が西に沈んだ部室で、彼女はその寂しさを思うのだろうか)
あなた「…やあ。意外なギャラリーだ」
ランジュ「……上手ね、本当に。いつ、聞いても」
あなた「ありがとう。ランジュさんに認めてもらえると、なおさら嬉しい」
ランジュ(腫れあがった頬と、目元に出来た痣は青くなりつつある。そうして力なく笑った)
ランジュ(その距離の近さだと、びっくりするほど、この子の線は細くて、華奢な身体であることに気づいた。いや、璃奈よりも背が低くて可愛いと愛はよく言っていた。だけど、検めてみると)
ランジュ(こんな華奢で脆い身体に、命の重さと、それでも誰かの背中を押し続ける強さを持ちづけてきたんだ)
ランジュ(スクールアイドル同好会の部室、思えば、足を踏み入れるのは、何度目だろうか。スクールアイドル部の部室に比べれば、ものも殆どない部室。しかし)
~♪ LOSER/米津玄師
ランジュ(開いていた扉から、彼女の歌声とギターの音だけが響いていた)
ランジュ(一人、儚んだ世界を見上げる夜は、どれだけ寂しいのだろう。ほぼ太陽が西に沈んだ部室で、彼女はその寂しさを思うのだろうか)
あなた「…やあ。意外なギャラリーだ」
ランジュ「……上手ね、本当に。いつ、聞いても」
あなた「ありがとう。ランジュさんに認めてもらえると、なおさら嬉しい」
ランジュ(腫れあがった頬と、目元に出来た痣は青くなりつつある。そうして力なく笑った)
ランジュ(その距離の近さだと、びっくりするほど、この子の線は細くて、華奢な身体であることに気づいた。いや、璃奈よりも背が低くて可愛いと愛はよく言っていた。だけど、検めてみると)
ランジュ(こんな華奢で脆い身体に、命の重さと、それでも誰かの背中を押し続ける強さを持ちづけてきたんだ)
124: 2021/02/23(火) 07:41:20.61 ID:XrhBMYeE
ランジュ「一つ、教えて欲しい事があるの」
あなた「なんだい?」
ランジュ「あの子の個展で。ランジュがあの子の最後の絵を見せた時、薫子は嫌がっていた。そしてあなたはそれを見て『薫子さんの言う通りだった』って言ったわ」
あなた「ああ…」
ランジュ「その理由を、聞かせて欲しいの」
あなた「ここに、画集がある。例えば、この絵と見比べてみよう」
ランジュ「うーん……」
あなた「次の絵。次の絵……全部のページを見ても、わかるさ」
あなた「あの絵にはキャンパスに塗られてない部分があった。いわば、彼女から見れば未完成だよ。何故なら。今まで描いてきた絵は全部、キャンパス全てに色を載せてる」
あなた「だから薫子さんは見せたくなかったし、ファンである私にとってみてはいけないものだった」
ランジュ「あ……」
ランジュ「そっか…ランジュは…あれは、あの子が最後の最後まで頑張り続けた証に見えた、でも」
ランジュ「あの子としては、未完成。だから、出すべきではなかったのね…最後まで、筆を持っていた」
あなた「ああ…」
~♪ さよならエレジー/菅田将暉
ランジュ「やっぱり、あなたは優しいわ」
ランジュ「涙を無くしちゃったんじゃないわ、忘れてしまったのよ……また思い出せるはずよ…」
あなた「…サイレン? まさか…」
ランジュ「そんな…! え……い、行きましょう」
あなた「なんだい?」
ランジュ「あの子の個展で。ランジュがあの子の最後の絵を見せた時、薫子は嫌がっていた。そしてあなたはそれを見て『薫子さんの言う通りだった』って言ったわ」
あなた「ああ…」
ランジュ「その理由を、聞かせて欲しいの」
あなた「ここに、画集がある。例えば、この絵と見比べてみよう」
ランジュ「うーん……」
あなた「次の絵。次の絵……全部のページを見ても、わかるさ」
あなた「あの絵にはキャンパスに塗られてない部分があった。いわば、彼女から見れば未完成だよ。何故なら。今まで描いてきた絵は全部、キャンパス全てに色を載せてる」
あなた「だから薫子さんは見せたくなかったし、ファンである私にとってみてはいけないものだった」
ランジュ「あ……」
ランジュ「そっか…ランジュは…あれは、あの子が最後の最後まで頑張り続けた証に見えた、でも」
ランジュ「あの子としては、未完成。だから、出すべきではなかったのね…最後まで、筆を持っていた」
あなた「ああ…」
~♪ さよならエレジー/菅田将暉
ランジュ「やっぱり、あなたは優しいわ」
ランジュ「涙を無くしちゃったんじゃないわ、忘れてしまったのよ……また思い出せるはずよ…」
あなた「…サイレン? まさか…」
ランジュ「そんな…! え……い、行きましょう」
125: 2021/02/23(火) 07:43:05.40 ID:XrhBMYeE
しずく(その後、かすみさんは西木野総合病院に搬送された。劇症症状がひどく出たとの事だった)
しずく(幸い、命に別状はまだ無い、という返事を聞いた部長は腫れた顔のまま、足早に病院を後にした)
しずく(そのまま、何をするべきもなく、病院を少し出たタクシー乗り場に、私達は集っていた)
璃奈「…歩夢さんと、愛さんにLINEはした」
栞子「ありがとうございます…璃奈さん」
せつ菜「部長も…いずれ、そうなるんですよね」
せつ菜「歩夢さんに、話す勇気が出なかったのも、理解はできます。ですが…」
真姫「そうね。確かに、身近にいるからこそ、言えない。けど」
真姫「あの子はランジュだから伝えるべきじゃないと言っていた。けど、そうじゃない。そうであったからこそ、余計に彼女は知るべきだった」
ランジュ「……」
真姫「それを受け止められないような中途半端な覚悟でやられる方が困るもの」
しずく「真姫さん……」
真姫「もう冷えるわ…私は帰る」
栞子「ランジュ…」
ランジュ「ごめん…今は、一人になりたいの……ランジュも、帰るわ」
しずく(幸い、命に別状はまだ無い、という返事を聞いた部長は腫れた顔のまま、足早に病院を後にした)
しずく(そのまま、何をするべきもなく、病院を少し出たタクシー乗り場に、私達は集っていた)
璃奈「…歩夢さんと、愛さんにLINEはした」
栞子「ありがとうございます…璃奈さん」
せつ菜「部長も…いずれ、そうなるんですよね」
せつ菜「歩夢さんに、話す勇気が出なかったのも、理解はできます。ですが…」
真姫「そうね。確かに、身近にいるからこそ、言えない。けど」
真姫「あの子はランジュだから伝えるべきじゃないと言っていた。けど、そうじゃない。そうであったからこそ、余計に彼女は知るべきだった」
ランジュ「……」
真姫「それを受け止められないような中途半端な覚悟でやられる方が困るもの」
しずく「真姫さん……」
真姫「もう冷えるわ…私は帰る」
栞子「ランジュ…」
ランジュ「ごめん…今は、一人になりたいの……ランジュも、帰るわ」
126: 2021/02/23(火) 07:47:15.60 ID:XrhBMYeE
鞠莉「私たちもホテルに戻るわ…あなた達は、どうするの?」
かのん「私たちも…帰りますね」
恋「はい……あの、今日は…なんて言えばいいんでしょう」
せつ菜「ライブは、とても楽しかったですよ。皆さんと、一緒に出来て!」
穂乃果「うん。とても、楽しかった」
千歌「また、いつか会おう、ね?」
かのん「…はい!」
しずく(ランジュさんと、AqoursとSaint Snow、Liella!の子たちが帰っていき、真姫さん、凛さん、花陽さんもまた帰っていく。μ’sのにこさんが、ふと口を開いた)
にこ「……だからどうしても、トーナメントに私たちを呼び出したかった。そうすれば、Liella!の子たちや遥ちゃんが来ても、盛り上がる」
にこ「同好会の部長、私たちに土下座したのよ。どうしても出てくれって。さっき聞いたら、Aqoursにもしてたって」
しずく「え……」
彼方「そうなの? 部長……」
穂乃果「うん。果林ちゃんと愛ちゃんとせつ菜ちゃんが一緒に来て、ビデオレターを撮る前に一人で来てね」
穂乃果「にこちゃんも、私も、花陽ちゃんも。ランジュちゃんの行動はどうも好きになれなかったからね」
にこ「だから突っぱねたら、土下座よ。どうしてもお願い、悪いようにはさせないって」
にこ「果林や愛達の事も悪く言わないでくれってね。何度も何度も頭下げてくるから流石に根負けしたわ」
にこ「けど、その抱えてた事情は想像以上にデカかったけど…」
かのん「私たちも…帰りますね」
恋「はい……あの、今日は…なんて言えばいいんでしょう」
せつ菜「ライブは、とても楽しかったですよ。皆さんと、一緒に出来て!」
穂乃果「うん。とても、楽しかった」
千歌「また、いつか会おう、ね?」
かのん「…はい!」
しずく(ランジュさんと、AqoursとSaint Snow、Liella!の子たちが帰っていき、真姫さん、凛さん、花陽さんもまた帰っていく。μ’sのにこさんが、ふと口を開いた)
にこ「……だからどうしても、トーナメントに私たちを呼び出したかった。そうすれば、Liella!の子たちや遥ちゃんが来ても、盛り上がる」
にこ「同好会の部長、私たちに土下座したのよ。どうしても出てくれって。さっき聞いたら、Aqoursにもしてたって」
しずく「え……」
彼方「そうなの? 部長……」
穂乃果「うん。果林ちゃんと愛ちゃんとせつ菜ちゃんが一緒に来て、ビデオレターを撮る前に一人で来てね」
穂乃果「にこちゃんも、私も、花陽ちゃんも。ランジュちゃんの行動はどうも好きになれなかったからね」
にこ「だから突っぱねたら、土下座よ。どうしてもお願い、悪いようにはさせないって」
にこ「果林や愛達の事も悪く言わないでくれってね。何度も何度も頭下げてくるから流石に根負けしたわ」
にこ「けど、その抱えてた事情は想像以上にデカかったけど…」
127: 2021/02/23(火) 07:48:56.94 ID:XrhBMYeE
海未「ええ……」
海未「しかし、歩夢…あの様子では…」
璃奈「うん……」
ことり「時間じゃどうにもならないものもあるからね」
穂乃果「海未ちゃん、ことりちゃん…にこちゃん達も、もう帰ろう」
にこ「穂乃果、私は後で帰るわ。もう少し、一人でいさせて…」
穂乃果「わかった……虹ヶ咲の皆も、早く帰ろう。寒いよ」
彼方「遥ちゃん…先、帰ってて」
遥「お姉ちゃん…どっか行くの?」
彼方「……部長さんの所、だね」
果林「……彼方。一緒に、ついていっても?」
エマ「私も、いいかな」
せつ菜「わ、私も行きます。三船さん」
栞子「は、はい…部長の家に行くのは初めてです」
しずく「璃奈さん」
璃奈「…うん。ミア」
ミア「璃奈…うん」
しずく(私たちは、歩き出す)
しずく(今にも落ちてきそうな冬の空の下を)
『長い夜を迎える夜』
海未「しかし、歩夢…あの様子では…」
璃奈「うん……」
ことり「時間じゃどうにもならないものもあるからね」
穂乃果「海未ちゃん、ことりちゃん…にこちゃん達も、もう帰ろう」
にこ「穂乃果、私は後で帰るわ。もう少し、一人でいさせて…」
穂乃果「わかった……虹ヶ咲の皆も、早く帰ろう。寒いよ」
彼方「遥ちゃん…先、帰ってて」
遥「お姉ちゃん…どっか行くの?」
彼方「……部長さんの所、だね」
果林「……彼方。一緒に、ついていっても?」
エマ「私も、いいかな」
せつ菜「わ、私も行きます。三船さん」
栞子「は、はい…部長の家に行くのは初めてです」
しずく「璃奈さん」
璃奈「…うん。ミア」
ミア「璃奈…うん」
しずく(私たちは、歩き出す)
しずく(今にも落ちてきそうな冬の空の下を)
『長い夜を迎える夜』
128: 2021/02/23(火) 07:52:15.64 ID:XrhBMYeE
愛「ハァッ…ハァッ…!」
愛「……おねーちゃん……」
美里「どうしたの? 今日のライブはとても盛り上がったわね。ふふっ、司会の部長さんはいつも以上にノリノリで本当に楽しそうだったわ」
愛「……部長…そうだよ、部長さんが……」
愛(溢れそうになる涙で邪魔されながらも、今日の事、いや)
愛(今日わかった事を、次々に話した。おねーちゃんが訪ねてきて、倒れた時にすぐに手を貸してくれた、あんなに元気で、いつも楽しそうで、愛さんのダジャレもいつも笑ってくれて)
愛(それで愛さん同様に楽しいを振りまいてくれる、あの子が、抱えていたもの。自分の死期を悟っていた事、そして愛さん達のせいで、かすみんの死期が早まってしまった事、かすみんが恨まないように、愛さん達に罪の意識を抱かせないように、色々な思いで隠していた事)
あなた『飛べ、飛べ、ジョナサン・リヴィングストン。空を飛べない、ぼくの代わりに。血果て羽根尽きるまで。どこまでも高く、誰よりも早く。命燃え尽きる、その日まで』
美里「あの部長さんが…それに、かすみちゃんも」
愛「……おねーちゃん……」
美里「どうしたの? 今日のライブはとても盛り上がったわね。ふふっ、司会の部長さんはいつも以上にノリノリで本当に楽しそうだったわ」
愛「……部長…そうだよ、部長さんが……」
愛(溢れそうになる涙で邪魔されながらも、今日の事、いや)
愛(今日わかった事を、次々に話した。おねーちゃんが訪ねてきて、倒れた時にすぐに手を貸してくれた、あんなに元気で、いつも楽しそうで、愛さんのダジャレもいつも笑ってくれて)
愛(それで愛さん同様に楽しいを振りまいてくれる、あの子が、抱えていたもの。自分の死期を悟っていた事、そして愛さん達のせいで、かすみんの死期が早まってしまった事、かすみんが恨まないように、愛さん達に罪の意識を抱かせないように、色々な思いで隠していた事)
あなた『飛べ、飛べ、ジョナサン・リヴィングストン。空を飛べない、ぼくの代わりに。血果て羽根尽きるまで。どこまでも高く、誰よりも早く。命燃え尽きる、その日まで』
美里「あの部長さんが…それに、かすみちゃんも」
129: 2021/02/23(火) 07:54:41.89 ID:XrhBMYeE
愛「私…自分が情けないよ……なんであんな呑気に考えてたんだろ」
愛(部に移ったことで、かすみんが裏切者と呼んできた時だって、その目が心底そう思ってるわけじゃないと訴えてるのに気付いていた。ミアが困った時にも、りなりー達と一緒に部長は手を貸してくれた、なによりせっつーやカナちゃん、しずく達と一緒に部長は色々な事を誘ってくれた)
愛(部活を移っただけで、あまり変わってない――――――そう思っていたのは、愛さんだけだった)
美里「なるほど……」
美里「だからなのね。部長さんの死生観は、とても愛ちゃんと同い年とは思えなかったわ」
愛「え……」
美里「輝いて生きる子が、部長さんには眩しかった。同じ運命を背負っても、なおも輝こうとするかすみちゃんは猶更、綺麗だったでしょうね。そして、同じ運命でなくても、愛ちゃんをはじめ、スクールアイドルという精一杯輝く星たち。その背中を押す事は、部長さんの生活に、再びの命を与えた」
美里「高校生活始まった矢先に、卒業式の頃に死ぬなんて宣告。受け止められる筈もないわ、誰だって。だから一年かけて、遊びに遊んで、飲み込もうとした。その代償として、ゆっくりと部長さんの心は死んでいった。色も、重さも、なくなっていく。少しずつ死んでいく絶望。ただ身体を動かして身体だけが生きている、いわば肉体だけに囚われた奴隷のようだわ」
美里「けれども、輝いていく子たちに出会った。その子の背中を押す事で、自分の心は色と重さを取り戻した。だから残りの時間をそう彩れば、死んでいっても、その子たちの輝きの中に残る―――――――それでも死が怖い。一人ぼっちで行きたくない。そんな矢先に、かすみちゃんの告白。複雑だったでしょうね。でも」
美里「同じ運命を背負った子がいて、それなら、二人で一緒に行くことができる。一人ぼっちにはさせない。一人ぼっちにはならない。だからその為に、残りの時間を精一杯輝かせようと、二か月という時間を使う事を選ぶことができた。明確なゴールがある。それまでに何ができるかという事を」
愛(部に移ったことで、かすみんが裏切者と呼んできた時だって、その目が心底そう思ってるわけじゃないと訴えてるのに気付いていた。ミアが困った時にも、りなりー達と一緒に部長は手を貸してくれた、なによりせっつーやカナちゃん、しずく達と一緒に部長は色々な事を誘ってくれた)
愛(部活を移っただけで、あまり変わってない――――――そう思っていたのは、愛さんだけだった)
美里「なるほど……」
美里「だからなのね。部長さんの死生観は、とても愛ちゃんと同い年とは思えなかったわ」
愛「え……」
美里「輝いて生きる子が、部長さんには眩しかった。同じ運命を背負っても、なおも輝こうとするかすみちゃんは猶更、綺麗だったでしょうね。そして、同じ運命でなくても、愛ちゃんをはじめ、スクールアイドルという精一杯輝く星たち。その背中を押す事は、部長さんの生活に、再びの命を与えた」
美里「高校生活始まった矢先に、卒業式の頃に死ぬなんて宣告。受け止められる筈もないわ、誰だって。だから一年かけて、遊びに遊んで、飲み込もうとした。その代償として、ゆっくりと部長さんの心は死んでいった。色も、重さも、なくなっていく。少しずつ死んでいく絶望。ただ身体を動かして身体だけが生きている、いわば肉体だけに囚われた奴隷のようだわ」
美里「けれども、輝いていく子たちに出会った。その子の背中を押す事で、自分の心は色と重さを取り戻した。だから残りの時間をそう彩れば、死んでいっても、その子たちの輝きの中に残る―――――――それでも死が怖い。一人ぼっちで行きたくない。そんな矢先に、かすみちゃんの告白。複雑だったでしょうね。でも」
美里「同じ運命を背負った子がいて、それなら、二人で一緒に行くことができる。一人ぼっちにはさせない。一人ぼっちにはならない。だからその為に、残りの時間を精一杯輝かせようと、二か月という時間を使う事を選ぶことができた。明確なゴールがある。それまでに何ができるかという事を」
130: 2021/02/23(火) 07:57:36.71 ID:XrhBMYeE
愛「でも…それは…!」
美里「そう、それは潰えた。部長さんにとって、信じられない絶望だったでしょうね。一度手にした筈の心が、もう一度打ち砕かれる事を」
愛「死んじゃったら…もう、何もできないんだよ…笑う事だって…バカをやる事だって…」
愛「それでも、その秘密を抱えたまんま…勝手に、死んでくなんて…そうだよ、歩夢だって、怒るよ…」
愛(それでも恨み言一つ言えなかったのは、部長さんが言ったように、ランジュがそういった人に手を差し伸べる人であったから。そして同時に)
愛(自分が一年間もの間遊び惚けて、輝いて楽園に行ける人物ではなくなってると思い込んでるから)
美里「部長さんほど」
美里「自分がしてきた事を、自分自身で評価していない人はいない。それほどまでに、あの子は明日を見れなくなってしまった」
美里「あの子を、救ってあげて。でないと」
美里「本当に、あの子に安らぎは訪れないわ。きっと、かすみちゃんもその事を気にし続けてしまう」
愛「……!」
美里「さあ」
愛「うん…!」ダっ
美里「そう、それは潰えた。部長さんにとって、信じられない絶望だったでしょうね。一度手にした筈の心が、もう一度打ち砕かれる事を」
愛「死んじゃったら…もう、何もできないんだよ…笑う事だって…バカをやる事だって…」
愛「それでも、その秘密を抱えたまんま…勝手に、死んでくなんて…そうだよ、歩夢だって、怒るよ…」
愛(それでも恨み言一つ言えなかったのは、部長さんが言ったように、ランジュがそういった人に手を差し伸べる人であったから。そして同時に)
愛(自分が一年間もの間遊び惚けて、輝いて楽園に行ける人物ではなくなってると思い込んでるから)
美里「部長さんほど」
美里「自分がしてきた事を、自分自身で評価していない人はいない。それほどまでに、あの子は明日を見れなくなってしまった」
美里「あの子を、救ってあげて。でないと」
美里「本当に、あの子に安らぎは訪れないわ。きっと、かすみちゃんもその事を気にし続けてしまう」
愛「……!」
美里「さあ」
愛「うん…!」ダっ
131: 2021/02/23(火) 08:01:13.71 ID:XrhBMYeE
彼方「えーと、確か前に来たときは…」
せつ菜「歩夢さん家の隣でしたよね」
しずく「えーと…あ」
璃奈「愛さん……」
愛「皆……か、かすみんは?」
璃奈「LINE、した」
愛「あ…」
愛(LINEを見る余裕すらなくなっていたのか)
愛「命に別状はない…良かった」
璃奈「幸い」
彼方「見付けた。この部屋だよ。しずくちゃんは果林ちゃん離さないようにねー」
エマ「こっちだね」
ミア「きれいな場所だね…海が近くて、夜景がすごい」
彼方「ああ、この部屋だ…愛ちゃん、いつか来たよね。あのでっかいビフテキ焼いた時」
愛「ああ…そういえばあったね。福引で、当てたんだよね」
せつ菜「歩夢さん家の隣でしたよね」
しずく「えーと…あ」
璃奈「愛さん……」
愛「皆……か、かすみんは?」
璃奈「LINE、した」
愛「あ…」
愛(LINEを見る余裕すらなくなっていたのか)
愛「命に別状はない…良かった」
璃奈「幸い」
彼方「見付けた。この部屋だよ。しずくちゃんは果林ちゃん離さないようにねー」
エマ「こっちだね」
ミア「きれいな場所だね…海が近くて、夜景がすごい」
彼方「ああ、この部屋だ…愛ちゃん、いつか来たよね。あのでっかいビフテキ焼いた時」
愛「ああ…そういえばあったね。福引で、当てたんだよね」
132: 2021/02/23(火) 08:02:33.18 ID:XrhBMYeE
ぴんぽーん
彼方「……」
あなた『…どちらさま?』
彼方「彼方ちゃんだよ…夜遅くにごめんね…いいかな?」
あなた『今開ける』
どたっ ばたっ ガチャガチャ
彼方「……うっわ。やっぱ部長さん、お酒飲む人なんだね…匂うよ」
あなた「……まあね。上がりなよ」
果林「おじゃましまーす…あの、家族」
あなた「……歩夢ちゃん家を挟んだ隣の家。まあ、もともと、同じフロアで二部屋持ってるから…そっちに住んでる」
エマ「そうなんだ……」
せつ菜「お邪魔します…色々ありますね」キョロキョロ
せつ菜「サングラスだらけの部屋に、ゲームに溢れた部屋、あ、ラノベとマンガで埋め尽くされた部屋もあるし…」
璃奈「おお…色々ある…ボードゲームに…」
あなた「たはは、色々さ」よいしょっと
彼方「……」
あなた『…どちらさま?』
彼方「彼方ちゃんだよ…夜遅くにごめんね…いいかな?」
あなた『今開ける』
どたっ ばたっ ガチャガチャ
彼方「……うっわ。やっぱ部長さん、お酒飲む人なんだね…匂うよ」
あなた「……まあね。上がりなよ」
果林「おじゃましまーす…あの、家族」
あなた「……歩夢ちゃん家を挟んだ隣の家。まあ、もともと、同じフロアで二部屋持ってるから…そっちに住んでる」
エマ「そうなんだ……」
せつ菜「お邪魔します…色々ありますね」キョロキョロ
せつ菜「サングラスだらけの部屋に、ゲームに溢れた部屋、あ、ラノベとマンガで埋め尽くされた部屋もあるし…」
璃奈「おお…色々ある…ボードゲームに…」
あなた「たはは、色々さ」よいしょっと
133: 2021/02/23(火) 08:05:13.76 ID:XrhBMYeE
エマ「何飲んでたの、これ」
あなた「白ワインのジンジャエール割に、唐辛子漬けウォッカを注いだ特製カクテルかな」
エマ「どれ」ごく
エマ「これ強すぎだよ…もう、こんなの飲んでたらダメだよ?」
彼方「どれどれ…うーん、確かに好みは解れそう」
愛「そうだね…」
愛「結構、飲んでたりもする?」
あなた「一学期の間は、どんどん減ってったんだけどね…留学後、また増えたよ。お陰で二日酔いがひどい」
愛「……そうなんだ」
果林「……にこから聞いたわ」
果林「にこ達に、土下座したって。トーナメントに出てくれって、私や、愛を悪く言わないでっても」
あなた「ああ」
果林「ありがとう」
あなた「お礼を言われることじゃない。果林さん達は――――――」
果林「ううん、それでも言わせてほしい。あなたは、変わらずに接してくれた。かすみにだって…」
あなた「……黙ってた事…ごめん。真姫ちゃんの言う通りだった。いずれ、解ってたんだ…」
あなた「白ワインのジンジャエール割に、唐辛子漬けウォッカを注いだ特製カクテルかな」
エマ「どれ」ごく
エマ「これ強すぎだよ…もう、こんなの飲んでたらダメだよ?」
彼方「どれどれ…うーん、確かに好みは解れそう」
愛「そうだね…」
愛「結構、飲んでたりもする?」
あなた「一学期の間は、どんどん減ってったんだけどね…留学後、また増えたよ。お陰で二日酔いがひどい」
愛「……そうなんだ」
果林「……にこから聞いたわ」
果林「にこ達に、土下座したって。トーナメントに出てくれって、私や、愛を悪く言わないでっても」
あなた「ああ」
果林「ありがとう」
あなた「お礼を言われることじゃない。果林さん達は――――――」
果林「ううん、それでも言わせてほしい。あなたは、変わらずに接してくれた。かすみにだって…」
あなた「……黙ってた事…ごめん。真姫ちゃんの言う通りだった。いずれ、解ってたんだ…」
134: 2021/02/23(火) 08:06:57.20 ID:XrhBMYeE
愛「部長さん」
愛「部長さんは…どうして自分が楽園に行けないと思うの?」
あなた「私は、輝けないんだ。こんな大事な事を、歩夢にいう勇気もない」
あなた「それでも、かすみちゃんが病気の事を言ってくれて、余命の事も言ってくれた時、ある意味ぴったりだった。かすみちゃんと二人で死んでいくことが、初めて意味あるものだって、その為に、病まで得たって。でも、それは叶わなくなった」
あなた「輝かせるために。かすみちゃんも含めた皆が輝くこと、それが幸せだから、その為に二か月を費やしたのに…その間に」
あなた「他の誰かなら、幾らでも取り返せた。憎しみをぶつけれた、恨み言を言えた、呪う事も出来ただろう」
あなた「でも、彼女だけは…そうじゃない。命というものに、誰よりも、生きる事の輝きを知っているランジュさんを悪くなんか言えない」
エマ「だからだね」
エマ「ランジュちゃんを、一度も悪く言わないのは。ランジュちゃんからどれだけ嫌われても」
エマ「だけど……あなたはずっと、私たちの背中を押してくれた」
エマ「そして、殆ど誤魔化しとはいえ、ランジュちゃんの心を守ろうとした。かすみちゃんに憎しみを抱かせないようにした」
栞子「ええ……」
栞子「部長……すみませんでした」
愛「部長さんは…どうして自分が楽園に行けないと思うの?」
あなた「私は、輝けないんだ。こんな大事な事を、歩夢にいう勇気もない」
あなた「それでも、かすみちゃんが病気の事を言ってくれて、余命の事も言ってくれた時、ある意味ぴったりだった。かすみちゃんと二人で死んでいくことが、初めて意味あるものだって、その為に、病まで得たって。でも、それは叶わなくなった」
あなた「輝かせるために。かすみちゃんも含めた皆が輝くこと、それが幸せだから、その為に二か月を費やしたのに…その間に」
あなた「他の誰かなら、幾らでも取り返せた。憎しみをぶつけれた、恨み言を言えた、呪う事も出来ただろう」
あなた「でも、彼女だけは…そうじゃない。命というものに、誰よりも、生きる事の輝きを知っているランジュさんを悪くなんか言えない」
エマ「だからだね」
エマ「ランジュちゃんを、一度も悪く言わないのは。ランジュちゃんからどれだけ嫌われても」
エマ「だけど……あなたはずっと、私たちの背中を押してくれた」
エマ「そして、殆ど誤魔化しとはいえ、ランジュちゃんの心を守ろうとした。かすみちゃんに憎しみを抱かせないようにした」
栞子「ええ……」
栞子「部長……すみませんでした」
135: 2021/02/23(火) 08:08:41.36 ID:XrhBMYeE
あなた「栞子ちゃん…」
栞子「ランジュの良い所を、私が言うより先に、知っていたのですね」
あなた「まあね」
栞子「だから、ああして、皆を巻き込んで、からかう事で、少しでもランジュが、歩夢さんやエマさん達とも会話を持てるようにした。果林さんや愛さんとも仲良くやれるように、色々やった」
あなた「ああするぐらいしか、私は知らなくてね」
あなた「んくっ…ごくっ…」
果林「だめよ。お姉さんが没収」ごくっ
果林「…!!!」
果林「痛い痛い痛い!」
あなた「あーもう…ほら、貸しなって」
あなた「はい、ヤクルト割り」
果林「ありがとう…思うけど、どんな飲み物飲んでるのよ!?」
栞子「…そんなに酷い飲み物なんですか?」
あなた「まあね。自分でもやばいと思う」
あなた「安白ワイン1にウィルキンソンのジンジャエールを3でだね」
愛「しょうががきつい方だよね。ドライって奴」
あなた「それに唐辛子漬けのウォッカを1」
愛「そりゃ強い」
栞子「ごく、ごく」
栞子「ランジュの良い所を、私が言うより先に、知っていたのですね」
あなた「まあね」
栞子「だから、ああして、皆を巻き込んで、からかう事で、少しでもランジュが、歩夢さんやエマさん達とも会話を持てるようにした。果林さんや愛さんとも仲良くやれるように、色々やった」
あなた「ああするぐらいしか、私は知らなくてね」
あなた「んくっ…ごくっ…」
果林「だめよ。お姉さんが没収」ごくっ
果林「…!!!」
果林「痛い痛い痛い!」
あなた「あーもう…ほら、貸しなって」
あなた「はい、ヤクルト割り」
果林「ありがとう…思うけど、どんな飲み物飲んでるのよ!?」
栞子「…そんなに酷い飲み物なんですか?」
あなた「まあね。自分でもやばいと思う」
あなた「安白ワイン1にウィルキンソンのジンジャエールを3でだね」
愛「しょうががきつい方だよね。ドライって奴」
あなた「それに唐辛子漬けのウォッカを1」
愛「そりゃ強い」
栞子「ごく、ごく」
136: 2021/02/23(火) 08:10:22.71 ID:XrhBMYeE
せつ菜「み、三船さん」
栞子「美味しいですね」
あなた「だよね。刺激がたまらない」
栞子「ええ、とても!」
しずく「お酒って…うーん」
璃奈「試してみる」
しずく・璃奈「「痛い痛い痛い!」」
あなた「二人にゃまだ早いさ。私も初めて酒を飲んだ翌日はひどい二日酔いになったよ」あはは
愛「まったく、ほらりなりー。お水お水」
璃奈「ありがとう」
愛(ソファによりかかる部長は、ひどく小さく見えた。こんなハチャメチャなアルコールにだって逃げるぐらいに。いつも笑っていて、楽しいを振りまいて、それで皆の背中を押して、μ’sやAqoursの皆からも好かれる。今日来たLiella!の子たちにも、もう信頼を得ている)
あなた「Liella!の皆には悪い事をしちゃったな…せっかくのライブだったのに」
しずく「あの子たちもスクールアイドルだったんですね」
あなた「たこ焼きを食べに行った後、表参道で『一緒にスクールアイドルのライブ行きません?』なーんて声を掛けたら『私がスクールアイドルですわ!』って返事をされて連れていかれたライブ会場で再開って訳さ」
せつ菜「珍しい! 部長のナンパが成功している、だと!?」
果林「嘘っ、まさかそんな事が起こるだなんて!?」
愛「あの部長だもんねぇ」
彼方「なんとなく解る…」
ミア「彼女、まさか…」
璃奈「女性好き、ひどい」
あなた「璃奈ちゃんにまでそう思われていた!?」
栞子「美味しいですね」
あなた「だよね。刺激がたまらない」
栞子「ええ、とても!」
しずく「お酒って…うーん」
璃奈「試してみる」
しずく・璃奈「「痛い痛い痛い!」」
あなた「二人にゃまだ早いさ。私も初めて酒を飲んだ翌日はひどい二日酔いになったよ」あはは
愛「まったく、ほらりなりー。お水お水」
璃奈「ありがとう」
愛(ソファによりかかる部長は、ひどく小さく見えた。こんなハチャメチャなアルコールにだって逃げるぐらいに。いつも笑っていて、楽しいを振りまいて、それで皆の背中を押して、μ’sやAqoursの皆からも好かれる。今日来たLiella!の子たちにも、もう信頼を得ている)
あなた「Liella!の皆には悪い事をしちゃったな…せっかくのライブだったのに」
しずく「あの子たちもスクールアイドルだったんですね」
あなた「たこ焼きを食べに行った後、表参道で『一緒にスクールアイドルのライブ行きません?』なーんて声を掛けたら『私がスクールアイドルですわ!』って返事をされて連れていかれたライブ会場で再開って訳さ」
せつ菜「珍しい! 部長のナンパが成功している、だと!?」
果林「嘘っ、まさかそんな事が起こるだなんて!?」
愛「あの部長だもんねぇ」
彼方「なんとなく解る…」
ミア「彼女、まさか…」
璃奈「女性好き、ひどい」
あなた「璃奈ちゃんにまでそう思われていた!?」
137: 2021/02/23(火) 08:11:53.17 ID:XrhBMYeE
果林「確か一学期にいた彼女は栞子を背中に乗せて秋葉原をバイクで走ったことが理由で振られたのよね」
あなた「姫乃ちゃんの事を思い出したぜ」
果林「その後はどうだったのかしら?」
あなた「…留学直前に、新しい彼女が出来たんだけど…」
果林「…だけど?」
あなた「留学の事を話して…そしたらその子のお姉さんとその友人が心配したらしくて、彼女と共に来たんだけどさ…それが…」
果林「それが?」
あなた「なんと、穂乃果ちゃんと海未ちゃんとことりちゃんだったんだよね。穂乃果ちゃんの妹だったよ…。海未ちゃんと穂乃果ちゃんに『雪穂に手を出すとはいい度胸だね!』って火星までぶっ飛ばされるかと思ったよ」
あなた「おまけに雪穂ちゃんも私の事を中学生だと思ってたみたい」
あなた「今となれば、いい思い出だ」
愛「部長……」
愛「……死ぬのは、怖い?」
あなた「……とても、怖い。とても……一年どころか、それ以上かかっても」
あなた「全然飲み込めない。でも、誰だってそうだ。今まで生まれて死んで来た人類すべてが、その怖さを目の当たりにしてきた。だからどうこう出来る事じゃない」
あなた「だけど、一人で死んでいくのは…すごい怖いよ。明けない、夜を過ごすようなんだ」
あなた「姫乃ちゃんの事を思い出したぜ」
果林「その後はどうだったのかしら?」
あなた「…留学直前に、新しい彼女が出来たんだけど…」
果林「…だけど?」
あなた「留学の事を話して…そしたらその子のお姉さんとその友人が心配したらしくて、彼女と共に来たんだけどさ…それが…」
果林「それが?」
あなた「なんと、穂乃果ちゃんと海未ちゃんとことりちゃんだったんだよね。穂乃果ちゃんの妹だったよ…。海未ちゃんと穂乃果ちゃんに『雪穂に手を出すとはいい度胸だね!』って火星までぶっ飛ばされるかと思ったよ」
あなた「おまけに雪穂ちゃんも私の事を中学生だと思ってたみたい」
あなた「今となれば、いい思い出だ」
愛「部長……」
愛「……死ぬのは、怖い?」
あなた「……とても、怖い。とても……一年どころか、それ以上かかっても」
あなた「全然飲み込めない。でも、誰だってそうだ。今まで生まれて死んで来た人類すべてが、その怖さを目の当たりにしてきた。だからどうこう出来る事じゃない」
あなた「だけど、一人で死んでいくのは…すごい怖いよ。明けない、夜を過ごすようなんだ」
138: 2021/02/23(火) 08:13:20.84 ID:XrhBMYeE
あなた「……愛ちゃん?」
愛(気が付けば、抱きしめていた)
愛「…部長さん……」
愛「部長さんは天国に行くべきだよ。もう泣けないし、勇気もないなんて言ってるけど」
愛「それでも、私たちにとっても、大切な一人なんだよ」
あなた「愛ちゃんは、優しいね」
愛「それに、きっと。かすみんだって思ってるよ。部長さんは天国に行くべきだって」
愛「隠してたことだって、私たちの事を大切に思ってたからだもん…一人だけ安らぎのない所に、一人ぼっちで行くなんて…」
愛「私は耐え切れないよ。いつだって、楽しいを振りまいて、皆を笑わせようとして、いつも背中を押して、応援してくれる」
愛「そんな人が、死んじゃうって事そのものが嫌だよ…死んじゃったら何もできないんだよ? バカをやる事も、ダジャレで笑いあう事も…」
愛「でも、その先は、安らぎであるべきだよ」
エマ「うん……」
エマ「天国であるべきだよ。あなたの行き先。その為に」
エマ「かすみちゃんが天国に行けなくならないように、ランジュちゃんを憎まないでって。ランジュちゃんの思いを教えた」
愛(気が付けば、抱きしめていた)
愛「…部長さん……」
愛「部長さんは天国に行くべきだよ。もう泣けないし、勇気もないなんて言ってるけど」
愛「それでも、私たちにとっても、大切な一人なんだよ」
あなた「愛ちゃんは、優しいね」
愛「それに、きっと。かすみんだって思ってるよ。部長さんは天国に行くべきだって」
愛「隠してたことだって、私たちの事を大切に思ってたからだもん…一人だけ安らぎのない所に、一人ぼっちで行くなんて…」
愛「私は耐え切れないよ。いつだって、楽しいを振りまいて、皆を笑わせようとして、いつも背中を押して、応援してくれる」
愛「そんな人が、死んじゃうって事そのものが嫌だよ…死んじゃったら何もできないんだよ? バカをやる事も、ダジャレで笑いあう事も…」
愛「でも、その先は、安らぎであるべきだよ」
エマ「うん……」
エマ「天国であるべきだよ。あなたの行き先。その為に」
エマ「かすみちゃんが天国に行けなくならないように、ランジュちゃんを憎まないでって。ランジュちゃんの思いを教えた」
139: 2021/02/23(火) 08:15:18.46 ID:XrhBMYeE
しずく「先輩は…諦めて、しまったんですね。明日に希望を持つ事を。一度」
しずく「だけどそんな日々に、私たちと出会った」
しずく「出会った事で、その背中を押す事で、明日を生きようと思った」
あなた「……ああ」
しずく「一年間、ずっとそんな目をしていたんですか」
しずく「生きる事をあきらめてしまった、目が。そんな自分を鏡で見るのが嫌だから、サングラスをかけるようになった」
しずく(部長は力なく頭を垂れて、もう一度滅茶苦茶なアルコールを煽っていた)
愛(サングラスを外したその目は、暗いトーンを落とした半開き。諦めと悲しみを抱えても、それでも顔だけは微笑みだった。その涙すらも亡くした、と彼女は呟く)
あなた「なんで自分がなんて、やけくそで拗ねた子供。大人になれずに死んでいくなんてそういうものさってぼくは思っていたけれど。それでも、カモメのジョナサンに憧れる、そんな風に空を飛ぶ事だけに命をかけられる命ならって」
あなた「だから余計に眩しくて、綺麗なままでいて欲しかった。歩夢ちゃんに罵られるぐらいに、臆病で、弱虫で。こんな輝きが永遠である筈ないって解っているから、余計にそういうものは閉じ込めておけばいいなんて思ってた」
しずく「だけどそんな日々に、私たちと出会った」
しずく「出会った事で、その背中を押す事で、明日を生きようと思った」
あなた「……ああ」
しずく「一年間、ずっとそんな目をしていたんですか」
しずく「生きる事をあきらめてしまった、目が。そんな自分を鏡で見るのが嫌だから、サングラスをかけるようになった」
しずく(部長は力なく頭を垂れて、もう一度滅茶苦茶なアルコールを煽っていた)
愛(サングラスを外したその目は、暗いトーンを落とした半開き。諦めと悲しみを抱えても、それでも顔だけは微笑みだった。その涙すらも亡くした、と彼女は呟く)
あなた「なんで自分がなんて、やけくそで拗ねた子供。大人になれずに死んでいくなんてそういうものさってぼくは思っていたけれど。それでも、カモメのジョナサンに憧れる、そんな風に空を飛ぶ事だけに命をかけられる命ならって」
あなた「だから余計に眩しくて、綺麗なままでいて欲しかった。歩夢ちゃんに罵られるぐらいに、臆病で、弱虫で。こんな輝きが永遠である筈ないって解っているから、余計にそういうものは閉じ込めておけばいいなんて思ってた」
140: 2021/02/23(火) 08:17:14.32 ID:XrhBMYeE
璃奈「先輩…」
あなた「そうさ、魔法使いなんかじゃない。真姫ちゃんだって言ってたさ、いずれバレてしまうんだ」
あなた「それでも今日であって欲しくなかった」
あなた「いや、今日であるべきなのが運命だったのかも知れない」
あなた「空を飛べないから、お似合いの結末か」
璃奈「ううん、違う」
璃奈「知ってる。先輩のお陰で、ここまで来れた」
エマ「私たちがここまで走ってきたのは、あなたがいたからだよ」
せつ菜「ええ、その事はあなたの誇りであるはず」
あなた「でも、それは」
果林「あなたの力が、あったからよ。それだけは、嘘じゃない」
果林「信じて」
あなた「……ありがとう」
あなた「……楽園に行く、方法、か……」
あなた「もう遅いさ。泊まってくといいよ」
あなた「そうさ、魔法使いなんかじゃない。真姫ちゃんだって言ってたさ、いずれバレてしまうんだ」
あなた「それでも今日であって欲しくなかった」
あなた「いや、今日であるべきなのが運命だったのかも知れない」
あなた「空を飛べないから、お似合いの結末か」
璃奈「ううん、違う」
璃奈「知ってる。先輩のお陰で、ここまで来れた」
エマ「私たちがここまで走ってきたのは、あなたがいたからだよ」
せつ菜「ええ、その事はあなたの誇りであるはず」
あなた「でも、それは」
果林「あなたの力が、あったからよ。それだけは、嘘じゃない」
果林「信じて」
あなた「……ありがとう」
あなた「……楽園に行く、方法、か……」
あなた「もう遅いさ。泊まってくといいよ」
141: 2021/02/23(火) 08:18:54.54 ID:XrhBMYeE
エマ「……しずくちゃん達、寝ちゃったね」
せつ菜「ええ…」
彼方「せつ菜ちゃん、大丈夫? 涙目だよ?」
せつ菜「やはりアルコールは私には早いです…今、思えば…部長が朝に頭痛が酷いってのは」
愛「どう考えても二日酔いだよね。こんな滅茶苦茶なの飲めばそうなるって」
果林(しずく、璃奈、栞子とミアはもう床の毛布で寝息を立てている。部長は部長でソファでうつ伏せで寝ている。彼方がいうには、部長が昼寝をしている時もうつ伏せらしい)
彼方「部長さんは、脆いけど、強い人だよ」
果林「彼方…」
彼方「もしも彼方ちゃんがそうだったら、耐え切れないよ。遥ちゃんにも話せないかも知れない。だから歩夢ちゃんに話すのが怖かった。きっと、かすみちゃんが話してくれたことに返すのだって、すごい怖かったと思う。かすみちゃんから見れば、部長さんはかすみちゃんを覚えていて欲しい人だから」
彼方「それでもかすみちゃんと同じ時に死ねるならって思って、二か月を使うこと選んだ」
果林「……その重さを解ってたのは、あの子とかすみだけだったのね」
エマ「話してくれなかった。でも、話す勇気が出なかった」
せつ菜「ええ…」
彼方「せつ菜ちゃん、大丈夫? 涙目だよ?」
せつ菜「やはりアルコールは私には早いです…今、思えば…部長が朝に頭痛が酷いってのは」
愛「どう考えても二日酔いだよね。こんな滅茶苦茶なの飲めばそうなるって」
果林(しずく、璃奈、栞子とミアはもう床の毛布で寝息を立てている。部長は部長でソファでうつ伏せで寝ている。彼方がいうには、部長が昼寝をしている時もうつ伏せらしい)
彼方「部長さんは、脆いけど、強い人だよ」
果林「彼方…」
彼方「もしも彼方ちゃんがそうだったら、耐え切れないよ。遥ちゃんにも話せないかも知れない。だから歩夢ちゃんに話すのが怖かった。きっと、かすみちゃんが話してくれたことに返すのだって、すごい怖かったと思う。かすみちゃんから見れば、部長さんはかすみちゃんを覚えていて欲しい人だから」
彼方「それでもかすみちゃんと同じ時に死ねるならって思って、二か月を使うこと選んだ」
果林「……その重さを解ってたのは、あの子とかすみだけだったのね」
エマ「話してくれなかった。でも、話す勇気が出なかった」
142: 2021/02/23(火) 08:20:26.24 ID:XrhBMYeE
せつ菜「仕方ないで片付けられるものではありませんが……どうにも」
愛「………いつも」
愛「話題に、してた気がする。ランジュさん、部長につけたあだ名は何個だっけ?」
果林「白チビ、白い悪魔、性悪白ピクミン、最終鬼畜ハツカネズミ…」
エマ「すっかりランジュちゃんおもちゃにされてたよね。忍者の格好して折り紙手裏剣飛ばした時とか、果林ちゃんまで混ざってくるんだもん」
彼方「彼方ちゃんもバイトが無ければ…」
せつ菜「ピタゴラ装置で恐怖新聞を発射した事もありましたね」
愛「あれでインストラクターさんが逃げ出しちゃったんだよ、一人」
果林「すごい勢いだったものね。ランジュが追いかけだしたところに二個目が来て全力疾走よ」
エマ「歩夢ちゃんと二人で部長さん達怒ったはいいけど、なんで新聞が窓からくると怖いんだろう?」
せつ菜「恐怖新聞という有名なホラーマンガがありまして…」
エマ「ふむふむ」
果林「段ボールを被ってだるまさんが転んだ方式で練習中のランジュに近づいてきた事があったわね」
せつ菜「段ボールは潜入の基本ですから」
果林「ランジュが防犯トウガラシスプレーを上から噴射したら中にいたのは実は栞子だったのには驚いたわ。いつの間に入れ替わってたのかしら?」
愛「とうの本人はその後ろからスライムバケツをランジュさんにぶちまけて逃げてったからねぇ」
彼方「そういえば部の部室の清掃に何回も業者さん来たそうだね。スライムの掃除が大変とかで」
果林「何回スライムが来たか覚えてないわね…私たちもスライムの被害はたまにあったわ」
せつ菜「ああー…三船さんが言ってましたね」
愛「………いつも」
愛「話題に、してた気がする。ランジュさん、部長につけたあだ名は何個だっけ?」
果林「白チビ、白い悪魔、性悪白ピクミン、最終鬼畜ハツカネズミ…」
エマ「すっかりランジュちゃんおもちゃにされてたよね。忍者の格好して折り紙手裏剣飛ばした時とか、果林ちゃんまで混ざってくるんだもん」
彼方「彼方ちゃんもバイトが無ければ…」
せつ菜「ピタゴラ装置で恐怖新聞を発射した事もありましたね」
愛「あれでインストラクターさんが逃げ出しちゃったんだよ、一人」
果林「すごい勢いだったものね。ランジュが追いかけだしたところに二個目が来て全力疾走よ」
エマ「歩夢ちゃんと二人で部長さん達怒ったはいいけど、なんで新聞が窓からくると怖いんだろう?」
せつ菜「恐怖新聞という有名なホラーマンガがありまして…」
エマ「ふむふむ」
果林「段ボールを被ってだるまさんが転んだ方式で練習中のランジュに近づいてきた事があったわね」
せつ菜「段ボールは潜入の基本ですから」
果林「ランジュが防犯トウガラシスプレーを上から噴射したら中にいたのは実は栞子だったのには驚いたわ。いつの間に入れ替わってたのかしら?」
愛「とうの本人はその後ろからスライムバケツをランジュさんにぶちまけて逃げてったからねぇ」
彼方「そういえば部の部室の清掃に何回も業者さん来たそうだね。スライムの掃除が大変とかで」
果林「何回スライムが来たか覚えてないわね…私たちもスライムの被害はたまにあったわ」
せつ菜「ああー…三船さんが言ってましたね」
143: 2021/02/23(火) 08:21:50.41 ID:XrhBMYeE
せつ菜「…あれ? 部長もしかして、意外と荒れてる時は荒れてる?」
愛「そうかも。私や果林に声をかけて色々やろうって言ってくる前は過激だった気がする…」
果林「待って、音ノ木坂で皆の練習をしてて…」
彼方「ついでに悪戯の仕込みもやって…」
エマ「その合間に色々駆けまわって…、μ’sの皆にライブを打診したのはせつ菜ちゃんも言ってたけど」
せつ菜「Aqoursの皆さんを誘う為に沼津にも行ってきましたね、愛さんや果林さんも一緒に」
愛「……部長さん」
果林「そりゃ荒れる時は荒れるわね…」
愛「うん……」
愛「ナンパとかしちゃうのも、本当は寂しいからだと思う。自分の事を少しでも覚えていてくれる人が欲しくて」
愛「サングラスだって、歩夢が言うように目を逸らしたかったから。でも、いやでも注目は浴びる。バイクに乗るのに、皆を背中に乗せたがるのも少しでも一緒に過ごしたいから」
愛「色々バカをやるのだって、皆と楽しい事を少しでも…」グスッ
せつ菜「愛さん」
果林「ハンカチ」
愛「ありがと……」
愛「もっと一緒にいたいよ…もっと一緒に笑いたいし、笑わせて欲しいし、作って欲しい曲もあるし、聞いてほしい曲とか、見て欲しいダンスとか…!」
愛「優しいから秘密にしてたけど、それでも黙って悲しい場所に、一人で行っちゃうなんてやだよ…!」ボロボロ
エマ(嗚咽をこぼす愛ちゃんは、いつもとはものすごく正反対で)
エマ(それが今日見た、明日を夢見る事を諦めてしまった部長のようにも見えた)
エマ(気が付くと、誰のものでもない)
エマ(涙だけが、その部屋を支配していた)
『あのほしになったきもちをもういちど』
愛「そうかも。私や果林に声をかけて色々やろうって言ってくる前は過激だった気がする…」
果林「待って、音ノ木坂で皆の練習をしてて…」
彼方「ついでに悪戯の仕込みもやって…」
エマ「その合間に色々駆けまわって…、μ’sの皆にライブを打診したのはせつ菜ちゃんも言ってたけど」
せつ菜「Aqoursの皆さんを誘う為に沼津にも行ってきましたね、愛さんや果林さんも一緒に」
愛「……部長さん」
果林「そりゃ荒れる時は荒れるわね…」
愛「うん……」
愛「ナンパとかしちゃうのも、本当は寂しいからだと思う。自分の事を少しでも覚えていてくれる人が欲しくて」
愛「サングラスだって、歩夢が言うように目を逸らしたかったから。でも、いやでも注目は浴びる。バイクに乗るのに、皆を背中に乗せたがるのも少しでも一緒に過ごしたいから」
愛「色々バカをやるのだって、皆と楽しい事を少しでも…」グスッ
せつ菜「愛さん」
果林「ハンカチ」
愛「ありがと……」
愛「もっと一緒にいたいよ…もっと一緒に笑いたいし、笑わせて欲しいし、作って欲しい曲もあるし、聞いてほしい曲とか、見て欲しいダンスとか…!」
愛「優しいから秘密にしてたけど、それでも黙って悲しい場所に、一人で行っちゃうなんてやだよ…!」ボロボロ
エマ(嗚咽をこぼす愛ちゃんは、いつもとはものすごく正反対で)
エマ(それが今日見た、明日を夢見る事を諦めてしまった部長のようにも見えた)
エマ(気が付くと、誰のものでもない)
エマ(涙だけが、その部屋を支配していた)
『あのほしになったきもちをもういちど』
147: 2021/02/23(火) 14:10:06.23 ID:XrhBMYeE
あなた(翌朝を迎えた。意外にも二日酔いにはならなかったのは幸運だった)
あなた(まずやるべき事はμ’sとAqoursとLiella!の皆に詫びの一つでも入れる事だ。とんだ重たい秘密が明らかになってしまったのだから)
あなた「璃奈ちゃん大丈夫?」
璃奈「頭が割れる…璃奈ちゃんボード『群発頭痛』」
璃奈「ミアにだけは飲ませないの、わかる」
あなた「中学生は洒落にならん」
ミア「…体格はボクと変わらんだろうに」ぼそっ
栞子「胸の適性はミアの方が上ですよ」
あなた「チクショー! 栞子ちゃんは酒抜けてんだよな、ホントに!?」
しずく「昨日すごい量飲んでましたから」
あなた「とにかくえーと…まず鞠莉ちゃんたちのホテルに行くとして、次に音ノ木坂行って最後にかのんちゃん所の喫茶店だな」
栞子「あの、部長」
あなた「あー、一人でいい。真姫ちゃんには嫌な事言わせちゃったし」
あなた「……果林さんも、ごめん」
あなた「怖いもの、見せちゃって」
果林「ううん、そんな事……」
あなた「………」サングラスジー
あなた「こっちだな」授業中用眼鏡装着
あなた(まずやるべき事はμ’sとAqoursとLiella!の皆に詫びの一つでも入れる事だ。とんだ重たい秘密が明らかになってしまったのだから)
あなた「璃奈ちゃん大丈夫?」
璃奈「頭が割れる…璃奈ちゃんボード『群発頭痛』」
璃奈「ミアにだけは飲ませないの、わかる」
あなた「中学生は洒落にならん」
ミア「…体格はボクと変わらんだろうに」ぼそっ
栞子「胸の適性はミアの方が上ですよ」
あなた「チクショー! 栞子ちゃんは酒抜けてんだよな、ホントに!?」
しずく「昨日すごい量飲んでましたから」
あなた「とにかくえーと…まず鞠莉ちゃんたちのホテルに行くとして、次に音ノ木坂行って最後にかのんちゃん所の喫茶店だな」
栞子「あの、部長」
あなた「あー、一人でいい。真姫ちゃんには嫌な事言わせちゃったし」
あなた「……果林さんも、ごめん」
あなた「怖いもの、見せちゃって」
果林「ううん、そんな事……」
あなた「………」サングラスジー
あなた「こっちだな」授業中用眼鏡装着
148: 2021/02/23(火) 14:11:10.77 ID:XrhBMYeE
果林「似合ってるわよ」
果林「あなたの目の色って、とても綺麗な色してるのよ。火星みたいに」
あなた「果林さんに眼鏡を褒められたのは初めてだ」
果林「あんまり見る機会がなかったのよ。あなたって部活の間中は必ずサングラスしてたもの」
栞子「…あ、そう言えば…」
せつ菜「確かに。私も、その色は好きですね。髪の色と、合わさって」
彼方「肌の色素も薄いからアルビノっぽいよね」
あなた「でも実は染めてるんだよ」
あなた「気持ちの整理がついたら地毛の色の話でもするさ」アハハ
ゾロゾロ
愛「ほんとに、一人で大丈夫?」
あなた「大丈夫さ。ありがと、愛ちゃん」
あなた「愛ちゃんのそういう所が、私は好きだな」
愛「……!」顔真っ赤
彼方「おやおや」
果林「ふふっ、確かに。愛とは波長が合うのかしら、ダジャレ的な意味で」
愛「もーっ!」顔真っ赤
愛「……生まれ変わろうと、好きだって、言ってくれるなら」
あなた「もちろん」
あなた「同好会の皆を例えるなら、愛ちゃんは恋人ポジだしな」
愛「…実はモテるんじゃないの、部長さん?」
果林「あなたの目の色って、とても綺麗な色してるのよ。火星みたいに」
あなた「果林さんに眼鏡を褒められたのは初めてだ」
果林「あんまり見る機会がなかったのよ。あなたって部活の間中は必ずサングラスしてたもの」
栞子「…あ、そう言えば…」
せつ菜「確かに。私も、その色は好きですね。髪の色と、合わさって」
彼方「肌の色素も薄いからアルビノっぽいよね」
あなた「でも実は染めてるんだよ」
あなた「気持ちの整理がついたら地毛の色の話でもするさ」アハハ
ゾロゾロ
愛「ほんとに、一人で大丈夫?」
あなた「大丈夫さ。ありがと、愛ちゃん」
あなた「愛ちゃんのそういう所が、私は好きだな」
愛「……!」顔真っ赤
彼方「おやおや」
果林「ふふっ、確かに。愛とは波長が合うのかしら、ダジャレ的な意味で」
愛「もーっ!」顔真っ赤
愛「……生まれ変わろうと、好きだって、言ってくれるなら」
あなた「もちろん」
あなた「同好会の皆を例えるなら、愛ちゃんは恋人ポジだしな」
愛「…実はモテるんじゃないの、部長さん?」
149: 2021/02/23(火) 14:12:55.63 ID:XrhBMYeE
あなた「この前のライブの為に恋ちゃんのお母さんとデートしたぐらいにはね」
彼方「こら」スパァン
あなた「いてっ」
彼方「そんなにほいほい女子とデートなど、彼方ちゃん許しませんよ」
あなた「悪かったよ、彼方さんママ」
果林「彼方ママ…ぷくく…」
エマ「あれ、それなら私は?」
あなた「家にホームステイしてる憧れのお姉さんだね。果林さんは下宿してる浪人生」
彼方「ラーメンが好きそうだね」
果林「私は勉三さんなの!?」
アハハハ
愛「…そんな部長さんだから、大好きだよ」ぼそり
彼方「こら」スパァン
あなた「いてっ」
彼方「そんなにほいほい女子とデートなど、彼方ちゃん許しませんよ」
あなた「悪かったよ、彼方さんママ」
果林「彼方ママ…ぷくく…」
エマ「あれ、それなら私は?」
あなた「家にホームステイしてる憧れのお姉さんだね。果林さんは下宿してる浪人生」
彼方「ラーメンが好きそうだね」
果林「私は勉三さんなの!?」
アハハハ
愛「…そんな部長さんだから、大好きだよ」ぼそり
150: 2021/02/23(火) 14:14:44.75 ID:XrhBMYeE
音ノ木坂学院 アイドル研究部 部室
海未「……」ぼーっ
真姫「あ、海未が一番乗りね…おはよう」
海未「ああ、おはようございます。真姫」
真姫「穂乃果やことりより早くって珍しいわね。日曜日でも、練習ある時は一緒だと思ってたわ」
海未「ええ、まあ…そういう日だったんです」
ガチャリ
絵里「あら……海未に、真姫。おはよう」
海未「絵里、おはようございます」
真姫「おはよう…絵里、顔」
絵里「……今朝、亜里沙にも言われたわ…やりきれないわよ」
真姫「ええ……あの、かすみと、同好会の部長が、ね」
真姫「果林からあれを見せられた時は背筋が凍ったし、同好会の部長を問い詰めるようなことはしたくなかったけど…」
真姫「……五年生存率は一桁。あの注射は劇症症状が出た時に対症療法として使うものだけど…あれを使う頃には、ガンで言うならステージ3か4クラス、末期同然」
海未「……明確な治療法などは、ないのですね」
真姫「進行を遅くする方法はある。けど、主流じゃない、いえ」
真姫「どうあがいても主流になれない方法しか見つかってない」
絵里「…どんな方法?」
真姫「カフカ・ぺチャック症候群は大別してA型・B型・C型・複合型…そしてX型の五種類に分類される」
真姫「患者の割合としてはA型が最も多く、次いで複合型が多いわ。複合型はA・B・Cそれぞれの組み合わせ。稀に三種全部があるわ」
海未「……」ぼーっ
真姫「あ、海未が一番乗りね…おはよう」
海未「ああ、おはようございます。真姫」
真姫「穂乃果やことりより早くって珍しいわね。日曜日でも、練習ある時は一緒だと思ってたわ」
海未「ええ、まあ…そういう日だったんです」
ガチャリ
絵里「あら……海未に、真姫。おはよう」
海未「絵里、おはようございます」
真姫「おはよう…絵里、顔」
絵里「……今朝、亜里沙にも言われたわ…やりきれないわよ」
真姫「ええ……あの、かすみと、同好会の部長が、ね」
真姫「果林からあれを見せられた時は背筋が凍ったし、同好会の部長を問い詰めるようなことはしたくなかったけど…」
真姫「……五年生存率は一桁。あの注射は劇症症状が出た時に対症療法として使うものだけど…あれを使う頃には、ガンで言うならステージ3か4クラス、末期同然」
海未「……明確な治療法などは、ないのですね」
真姫「進行を遅くする方法はある。けど、主流じゃない、いえ」
真姫「どうあがいても主流になれない方法しか見つかってない」
絵里「…どんな方法?」
真姫「カフカ・ぺチャック症候群は大別してA型・B型・C型・複合型…そしてX型の五種類に分類される」
真姫「患者の割合としてはA型が最も多く、次いで複合型が多いわ。複合型はA・B・Cそれぞれの組み合わせ。稀に三種全部があるわ」
151: 2021/02/23(火) 14:15:45.61 ID:XrhBMYeE
海未「X型は?」
真姫「複合型としては出ないの。このX型は少し特殊なのよ、患者数がもっとも少ないわ、患者全体の3%前後しかいない。でも」
真姫「そのX型だけが、進行を遅くする方法を持ってる。カフカ・ぺチャック症候群は特殊な細胞が増えていく病だけど…型の違いは症状の出方のみならず、細胞の強弱関係というのがあるの」
絵里「強弱関係?」
真姫「X型の細胞が他の型の細胞と遭遇すると、他の型の細胞を駆逐してしまうぐらい強いのよ」
真姫「多くの患者の検体や実験同様の治験を経て、解った事。どの型にも病巣の根源たるコア細胞なるものが存在する。そして、X型のコア細胞を他の型の患者のコア細胞がいた場所に移植すると…それまでの型の病巣細胞を殆ど駆逐してしまい、結果として進行を遅らせる…いえ、進んでいても、ある程度の病状まで持ち直せることが出来る」
海未「それは…すごい方法ですね。でも、患者の3%のX型患者、ですか」
真姫「患者の希少性もある…それに、コア細胞を除去したX型の患者がどうなるかというと」
真姫「その患者の中に残ったX型の病巣細胞たちは自分がコア細胞になるべくそこら中で自己強化を始める。おまけにX型同士だから駆逐し合うというより合併し合うが正しい事になる。急速に病状が進んで、長くは生きられない」
絵里「そんな…!」
真姫「コア細胞移植手術は、実質X型の患者を〇すようなものよ。そしてそれでも根本的治療ではなく進行を遅らせるだけ。そりゃどうあがいても主流になんかなれっこない」
海未「不治の病、なのですね」
真姫「……必ず、打ち勝つわ…私…」
真姫「かすみや同好会の部長の為にも、私は絶対医者になって、この病気に打ち勝って見せる」
真姫「だって……」
真姫「今振り返るだけでも、無数の思い出がよみがえってくるのよ…! それなのに、それがもう残り少ないなんて…!」
絵里(真姫が啜り泣きを始めた時、私も昨夜同様に涙が溢れた)
海未(突然の別れが確定した事。それを回避する方法を、誰も持っていない。奇跡を起こす方法を知らないのだから)
真姫「複合型としては出ないの。このX型は少し特殊なのよ、患者数がもっとも少ないわ、患者全体の3%前後しかいない。でも」
真姫「そのX型だけが、進行を遅くする方法を持ってる。カフカ・ぺチャック症候群は特殊な細胞が増えていく病だけど…型の違いは症状の出方のみならず、細胞の強弱関係というのがあるの」
絵里「強弱関係?」
真姫「X型の細胞が他の型の細胞と遭遇すると、他の型の細胞を駆逐してしまうぐらい強いのよ」
真姫「多くの患者の検体や実験同様の治験を経て、解った事。どの型にも病巣の根源たるコア細胞なるものが存在する。そして、X型のコア細胞を他の型の患者のコア細胞がいた場所に移植すると…それまでの型の病巣細胞を殆ど駆逐してしまい、結果として進行を遅らせる…いえ、進んでいても、ある程度の病状まで持ち直せることが出来る」
海未「それは…すごい方法ですね。でも、患者の3%のX型患者、ですか」
真姫「患者の希少性もある…それに、コア細胞を除去したX型の患者がどうなるかというと」
真姫「その患者の中に残ったX型の病巣細胞たちは自分がコア細胞になるべくそこら中で自己強化を始める。おまけにX型同士だから駆逐し合うというより合併し合うが正しい事になる。急速に病状が進んで、長くは生きられない」
絵里「そんな…!」
真姫「コア細胞移植手術は、実質X型の患者を〇すようなものよ。そしてそれでも根本的治療ではなく進行を遅らせるだけ。そりゃどうあがいても主流になんかなれっこない」
海未「不治の病、なのですね」
真姫「……必ず、打ち勝つわ…私…」
真姫「かすみや同好会の部長の為にも、私は絶対医者になって、この病気に打ち勝って見せる」
真姫「だって……」
真姫「今振り返るだけでも、無数の思い出がよみがえってくるのよ…! それなのに、それがもう残り少ないなんて…!」
絵里(真姫が啜り泣きを始めた時、私も昨夜同様に涙が溢れた)
海未(突然の別れが確定した事。それを回避する方法を、誰も持っていない。奇跡を起こす方法を知らないのだから)
152: 2021/02/23(火) 14:17:11.73 ID:XrhBMYeE
ホテル・グランドオハラトーキョー 上層
あなた「こういう所に来ると場違い感が半端ないな…」
梨子「あ、おはよう」
あなた「あ、梨子ちゃん…おはよう」
梨子「相変わらず私服が独創的だよね…なに、その柄?」
あなた「サイケデリック迷彩パーカー。冬場ではなかなかお気に入りのブランドなんだ」
あなた「えと、皆は…どうかな?」
梨子「……」
あなた(梨子ちゃんは少し考えてから、口を開いた)
梨子「ルビィちゃんは、あなたにとても怒ってる」
あなた「…や、やっぱし?」
梨子「千歌ちゃんと曜ちゃんと善子ちゃんと花丸ちゃん、果南さんと鞠莉さん、聖良さんと理亞ちゃんは朝ごはんを食べに下に行ったよ。ダイヤさんはルビィちゃんと一緒かな」
あなた「梨子ちゃんは?」
梨子「あんまり食欲わかなくて…」
あなた「そっか」
梨子「ついてきて」
あなた「こういう所に来ると場違い感が半端ないな…」
梨子「あ、おはよう」
あなた「あ、梨子ちゃん…おはよう」
梨子「相変わらず私服が独創的だよね…なに、その柄?」
あなた「サイケデリック迷彩パーカー。冬場ではなかなかお気に入りのブランドなんだ」
あなた「えと、皆は…どうかな?」
梨子「……」
あなた(梨子ちゃんは少し考えてから、口を開いた)
梨子「ルビィちゃんは、あなたにとても怒ってる」
あなた「…や、やっぱし?」
梨子「千歌ちゃんと曜ちゃんと善子ちゃんと花丸ちゃん、果南さんと鞠莉さん、聖良さんと理亞ちゃんは朝ごはんを食べに下に行ったよ。ダイヤさんはルビィちゃんと一緒かな」
あなた「梨子ちゃんは?」
梨子「あんまり食欲わかなくて…」
あなた「そっか」
梨子「ついてきて」
153: 2021/02/23(火) 14:19:35.27 ID:XrhBMYeE
梨子「ダイヤさん、ルビィちゃん」コンコン
「どうしましたの?」
梨子「お客さんだよ。入ってもいいかな?」
ダイヤ「あら、お客さんですか…どちらさ…」
あなた「ダイヤさん、おはよう」
ダイヤ「ルビィ。同好会の部長さん」
ルビィ「……」
あなた「ルビィちゃん。おはよう」
あなた(ダイヤさんに促される形で、窓脇の椅子に座った)
ルビィ「……歩夢さん、かすみちゃんの事まで話してくれなかったのが、すごく怒った理由だと思う」
あなた「うん……」
ルビィ「真姫ちゃんが言ってたように、いずれ解ってた事…だから。その時になって、果林さん達をすごく傷付けた。その時にもう、部長さんはいないんだもの。それは、とても怒る。ううん」
ルビィ「ルビィも怒るし、梨子ちゃんでも……絵里さんだってことりさんだって…誰だって怒る。話す勇気がわかないは、解る。けど……」
ルビィ「お姉ちゃん達がライブの事を突っぱねた時、土下座までした。何度も何度も頭を下げて。果林さんや愛さんや、栞子ちゃんの弁護をして。どうしても出て欲しい、三年生にとっては残り少ないライブだから、皆に悪い思いはさせないからって、必死に言ってたよね。私たちの前で」
ルビィ「更には聖良さんと理亞ちゃんにも声をかけて、そっちにも頭を下げて」
ルビィ「悪い思いはさせないってのは、嘘だったね。その時にせめてかすみちゃんの事を話してくれれば」
ルビィ「私たちの口から、果林さん達にも言えることは出来た。いいや、μ’sの皆さんから言えることも出来たかも…果林さん達にとって知らせるのが辛い事、そうだね、昨日のランジュさん見ればわかるよ。ランジュさんだってそう。ルビィ、調べたよ」
ルビィ「カフカ・ぺチャック症候群で亡くなった従妹の話。それがあるから、手を差し伸べる為の一つとしてスクールアイドル活動も始めたんだね」
ルビィ「あなたはそれを知っていた。だからこそ余計に言えなくなった、と真姫ちゃんは言ってた。でも、言うべきだった」
「どうしましたの?」
梨子「お客さんだよ。入ってもいいかな?」
ダイヤ「あら、お客さんですか…どちらさ…」
あなた「ダイヤさん、おはよう」
ダイヤ「ルビィ。同好会の部長さん」
ルビィ「……」
あなた「ルビィちゃん。おはよう」
あなた(ダイヤさんに促される形で、窓脇の椅子に座った)
ルビィ「……歩夢さん、かすみちゃんの事まで話してくれなかったのが、すごく怒った理由だと思う」
あなた「うん……」
ルビィ「真姫ちゃんが言ってたように、いずれ解ってた事…だから。その時になって、果林さん達をすごく傷付けた。その時にもう、部長さんはいないんだもの。それは、とても怒る。ううん」
ルビィ「ルビィも怒るし、梨子ちゃんでも……絵里さんだってことりさんだって…誰だって怒る。話す勇気がわかないは、解る。けど……」
ルビィ「お姉ちゃん達がライブの事を突っぱねた時、土下座までした。何度も何度も頭を下げて。果林さんや愛さんや、栞子ちゃんの弁護をして。どうしても出て欲しい、三年生にとっては残り少ないライブだから、皆に悪い思いはさせないからって、必死に言ってたよね。私たちの前で」
ルビィ「更には聖良さんと理亞ちゃんにも声をかけて、そっちにも頭を下げて」
ルビィ「悪い思いはさせないってのは、嘘だったね。その時にせめてかすみちゃんの事を話してくれれば」
ルビィ「私たちの口から、果林さん達にも言えることは出来た。いいや、μ’sの皆さんから言えることも出来たかも…果林さん達にとって知らせるのが辛い事、そうだね、昨日のランジュさん見ればわかるよ。ランジュさんだってそう。ルビィ、調べたよ」
ルビィ「カフカ・ぺチャック症候群で亡くなった従妹の話。それがあるから、手を差し伸べる為の一つとしてスクールアイドル活動も始めたんだね」
ルビィ「あなたはそれを知っていた。だからこそ余計に言えなくなった、と真姫ちゃんは言ってた。でも、言うべきだった」
154: 2021/02/23(火) 14:20:58.79 ID:XrhBMYeE
ルビィ「あなたは! 虹ヶ咲学園のスクールアイドル同好会の部長なんだよ!?」がしっ
ルビィ「あなただけじゃないんだよ、背負ってるもの! そうだよ、その重みに押し潰されそうになる事もあるし、皆に余計な心配をかけたくない、自由に羽ばたいてほしい、そんな風に優しいから黙っちゃう、だけど。自分だけで秘密を抱えて落ちていくことで!」
ルビィ「壊れていっちゃうもの、自分の後の事を考えてよ! だって!」
ルビィ「…こんなにいっぱいの、絆を結んだのはあなたなんだよ…? 一年にも満たないのに…ルビィにとってもこんなにあなたの存在が苦しくなるぐらいに」
ルビィ「死んでほしくないよ…もっともっと色々…一緒に…!」
あなた(怒りと悲しみがまぜこぜになったルビィちゃんの叫びが、深く突き刺さる)
あなた「わかってた…わかってたんだ……わたしは…誤魔化してた、だけだった」
あなた「みんな…ほんとうに…ごめん。私が、間違ってた」
ダイヤ「……それで、この後は、どうしますの?」
あなた「精一杯、生きる。皆にも、私の事を、覚えていて欲しい。私が、生きてた証を、残しておきたいんだ」
ダイヤ「……」
梨子「……」
梨子「その答えが出るなら、大丈夫だね。もしまた弱音を吐いたら。今度は果南さんにげんこつしてもらってたよ」
あなた「梨子ちゃんじゃなくて果南さんなの!? 私のカラダがバラバラになりそうだ」
ダイヤ「あら、あなたは大丈夫でしょう? 私のようにポンコツ系破廉恥アイドルではないでしょうに」
ルビィ「あなただけじゃないんだよ、背負ってるもの! そうだよ、その重みに押し潰されそうになる事もあるし、皆に余計な心配をかけたくない、自由に羽ばたいてほしい、そんな風に優しいから黙っちゃう、だけど。自分だけで秘密を抱えて落ちていくことで!」
ルビィ「壊れていっちゃうもの、自分の後の事を考えてよ! だって!」
ルビィ「…こんなにいっぱいの、絆を結んだのはあなたなんだよ…? 一年にも満たないのに…ルビィにとってもこんなにあなたの存在が苦しくなるぐらいに」
ルビィ「死んでほしくないよ…もっともっと色々…一緒に…!」
あなた(怒りと悲しみがまぜこぜになったルビィちゃんの叫びが、深く突き刺さる)
あなた「わかってた…わかってたんだ……わたしは…誤魔化してた、だけだった」
あなた「みんな…ほんとうに…ごめん。私が、間違ってた」
ダイヤ「……それで、この後は、どうしますの?」
あなた「精一杯、生きる。皆にも、私の事を、覚えていて欲しい。私が、生きてた証を、残しておきたいんだ」
ダイヤ「……」
梨子「……」
梨子「その答えが出るなら、大丈夫だね。もしまた弱音を吐いたら。今度は果南さんにげんこつしてもらってたよ」
あなた「梨子ちゃんじゃなくて果南さんなの!? 私のカラダがバラバラになりそうだ」
ダイヤ「あら、あなたは大丈夫でしょう? 私のようにポンコツ系破廉恥アイドルではないでしょうに」
155: 2021/02/23(火) 14:22:20.68 ID:XrhBMYeE
ダイヤ「昨日せつ菜さんから聞きましたよ? あの果たし状の文面考えたの、あなたとせつ菜さんなんですってね?」ゴゴゴゴゴ
あなた「ぎくっ! ぬ、沼津に行く電車の中で、シンカンセンスゴイカタイアイス齧りながら慌てて書いたんだよ! 用意するの忘れてたから!」
ガチャリ
果南「そうだね、言い訳になってないね? 誰がキン肉星の半魚人だって?」ゴゴゴ
千歌「確かに。普通怪獣みかん魔人とはよく言ったのだ」ゴゴゴ
曜「そうだねぇ、ちょっとお仕置きが必要だよね」ゴゴゴ
鞠莉「たまにはフリーダムも自重するのでーす」ゴゴゴ
あなた「やべぇ、Aqoursのフィジカルメンバーズが! マルセイユ・ルーレット!」逃亡
梨子「しかしまわりこまれてしまった」行く手塞ぎー
あなた「ちょっと待って、まさかどっちにしろ果南さんのゲンコツはあるの?」
梨子「うん」
あなた「ひ、ひとおもいに右でやってくれ」
千歌「NO~!」
あなた「ひ、左…?」
曜「NO~!」
あなた「りょ、両方なの…?」
鞠莉「YES! YES! YES!」
あなた「もしかしてオラオラですかーッ!?」
千歌・曜・果南・鞠莉「「「「その通りでございます(のだ)(だよ)!」」」」
あなた「一応私も病人なんだけ――――――ヤッダーバァアァァァァアアアッ!!!?」
あなた「ぎくっ! ぬ、沼津に行く電車の中で、シンカンセンスゴイカタイアイス齧りながら慌てて書いたんだよ! 用意するの忘れてたから!」
ガチャリ
果南「そうだね、言い訳になってないね? 誰がキン肉星の半魚人だって?」ゴゴゴ
千歌「確かに。普通怪獣みかん魔人とはよく言ったのだ」ゴゴゴ
曜「そうだねぇ、ちょっとお仕置きが必要だよね」ゴゴゴ
鞠莉「たまにはフリーダムも自重するのでーす」ゴゴゴ
あなた「やべぇ、Aqoursのフィジカルメンバーズが! マルセイユ・ルーレット!」逃亡
梨子「しかしまわりこまれてしまった」行く手塞ぎー
あなた「ちょっと待って、まさかどっちにしろ果南さんのゲンコツはあるの?」
梨子「うん」
あなた「ひ、ひとおもいに右でやってくれ」
千歌「NO~!」
あなた「ひ、左…?」
曜「NO~!」
あなた「りょ、両方なの…?」
鞠莉「YES! YES! YES!」
あなた「もしかしてオラオラですかーッ!?」
千歌・曜・果南・鞠莉「「「「その通りでございます(のだ)(だよ)!」」」」
あなた「一応私も病人なんだけ――――――ヤッダーバァアァァァァアアアッ!!!?」
156: 2021/02/23(火) 14:23:42.97 ID:XrhBMYeE
音ノ木坂学院 アイドル研究部部室
あなた「お邪魔します…」
穂乃果「あ、おはよう。タンコブが増えてるね?」
あなた「Aqoursのフィジカルメンバーズ四人のラッシュをついさっき食らった。お陰で頭を冷やせた」
穂乃果「それは大変だったね。ことりちゃん、お茶~」
ことり「うん」
あなた「ありがとう」
あなた「まずはその、真姫ちゃん」
真姫「なに」
あなた「言い辛い事を言わせちゃった。ごめん」
真姫「…そうね。今でも、手が震えてる」
真姫「あなたもね」
あなた「……ああ」
にこ「本当に、余命一年ちょっとなのね。あなたも」
あなた(にこさんが、寂しそうにつぶやいた)
あなた「もしかしたらもうちょい短いかも。留学から戻ってきて、かすみちゃんを見た時にだいぶ荒れた。昨日だって、病院から戻った後酒飲んで寝てたら同好会の皆が訪ねてきたぐらいさ」
希「未成年やで? まさかとは思うけどしずくちゃん達に…」
絵里「こら、こっち向きなさい。目そらししない」
穂乃果「死ぬのは、怖いよね」
あなた「うん」
あなた「お邪魔します…」
穂乃果「あ、おはよう。タンコブが増えてるね?」
あなた「Aqoursのフィジカルメンバーズ四人のラッシュをついさっき食らった。お陰で頭を冷やせた」
穂乃果「それは大変だったね。ことりちゃん、お茶~」
ことり「うん」
あなた「ありがとう」
あなた「まずはその、真姫ちゃん」
真姫「なに」
あなた「言い辛い事を言わせちゃった。ごめん」
真姫「…そうね。今でも、手が震えてる」
真姫「あなたもね」
あなた「……ああ」
にこ「本当に、余命一年ちょっとなのね。あなたも」
あなた(にこさんが、寂しそうにつぶやいた)
あなた「もしかしたらもうちょい短いかも。留学から戻ってきて、かすみちゃんを見た時にだいぶ荒れた。昨日だって、病院から戻った後酒飲んで寝てたら同好会の皆が訪ねてきたぐらいさ」
希「未成年やで? まさかとは思うけどしずくちゃん達に…」
絵里「こら、こっち向きなさい。目そらししない」
穂乃果「死ぬのは、怖いよね」
あなた「うん」
157: 2021/02/23(火) 14:25:10.66 ID:XrhBMYeE
穂乃果「かすみちゃんと一緒に死ねれば、まだ良かった? それなら、満足だった?」
あなた(穂乃果ちゃんの言葉が、妙に鋭かった)
あなた「今は……生きていきたい。昨日、同好会の皆と、話したんだ」
あなた「皆、私がいたから、ここまで来れたって」
あなた(それはぼくが生きた証の一つなのかも知れない。その輝きの一つに、ぼくが加わっていけるなら)
あなた「だからもう…明日を夢見る事を、諦めたりしない」
あなた「精一杯を、生きようと思う。どうするかは、今、考えてる…」
穂乃果「その答えが聞けたなら、充分だよ」
にこ「ええ。あんたの事だから、まーたハデな事やりそうだけど」
あなた「ははっ、文句はアラン・ウェイクにでも伝えておいてくれ」
海未「なんでホラーゲームの登場人物に…」
あなた「イーサン・ウィンターズによろしくの方が良かった?」
海未「…アラン・ウェイクの方がマシです」
海未「……」
海未「この後、どちらに?」
あなた「渋谷の方に。Liella!の皆にも、ごめんって言わないといけないしね」
凛「ねぇ」
凛「今、言うべきことじゃないかも知れないけど…凛、最近好みのラーメンのお店、見付けたんだ」
あなた「おお、いいねぇ! 今度誘ってよ、食べに行こう」
穂乃果「今度行く時はナンパしないように」
あなた「な、なんで穂乃果ちゃんが知ってるんだ!?」
あなた(穂乃果ちゃんの言葉が、妙に鋭かった)
あなた「今は……生きていきたい。昨日、同好会の皆と、話したんだ」
あなた「皆、私がいたから、ここまで来れたって」
あなた(それはぼくが生きた証の一つなのかも知れない。その輝きの一つに、ぼくが加わっていけるなら)
あなた「だからもう…明日を夢見る事を、諦めたりしない」
あなた「精一杯を、生きようと思う。どうするかは、今、考えてる…」
穂乃果「その答えが聞けたなら、充分だよ」
にこ「ええ。あんたの事だから、まーたハデな事やりそうだけど」
あなた「ははっ、文句はアラン・ウェイクにでも伝えておいてくれ」
海未「なんでホラーゲームの登場人物に…」
あなた「イーサン・ウィンターズによろしくの方が良かった?」
海未「…アラン・ウェイクの方がマシです」
海未「……」
海未「この後、どちらに?」
あなた「渋谷の方に。Liella!の皆にも、ごめんって言わないといけないしね」
凛「ねぇ」
凛「今、言うべきことじゃないかも知れないけど…凛、最近好みのラーメンのお店、見付けたんだ」
あなた「おお、いいねぇ! 今度誘ってよ、食べに行こう」
穂乃果「今度行く時はナンパしないように」
あなた「な、なんで穂乃果ちゃんが知ってるんだ!?」
158: 2021/02/23(火) 14:27:15.62 ID:XrhBMYeE
海未「私もその店にいたので」
あなた「ぎくぅ!」
海未「今、思い出しましたがその時は雪穂と付き合っている時期でしたね?」ゴゴゴ
あなた「ぎくぎくぅ!」
絵里「…は? なに、この子あの雪穂に手を出していたの?」
穂乃果「雪穂は同じ中学生だって思ってたみたいだけど、デートはしてたみたい」
花陽「寂しいからかも知れないけど、誰彼構わずナンパするのは良くないよ?」
あなた「反省してます」
穂乃果「今、思い出したらまた腹立ってきたよ」ゴゴゴ
あなた「待って! 穂乃果ちゃん! 今日既に果南さん達にラッシュされてるんだって!」
穂乃果「大丈夫だよ。はい、剣道用お面。手加減して竹刀で面にするから」
あなた「あの? 穂乃果さん? たしかあなた剣道で優勝した経験がございましたよね?」
穂乃果「一回! 一回だけだから!」
あなた「その一回でもやべーようにしか見えませんぞ!? しかもなんで最上段!?」
あなた「待って、まさか示現流の一太刀じゃないよね、そんな斬るか斬られるかレベルの…」
穂乃果「大丈夫、穂乃果が剣道で一番得意なのはね」
穂乃果「三段突きだから」
あなた「高校生って喉突きアウトじゃなかったっけ!? あと三段突きできんのなんて新撰組の沖田さんぐらいじゃ―――――――――――」
あなた(穂乃果ちゃんの猿叫と共に放たれたのは一撃必〇どころか一撃滅〇レベルの一撃であった)
あなた「いつつ……もう行かないと」
真姫「ねぇ」
あなた「ん?」
真姫「…あなたは、何型だったの?」
あなた「ああ……」
あなた「多分、真姫ちゃんが想像する一番あってほしくない型だと思うよ」
真姫「!」
あなた「…またね」
あなた「ぎくぅ!」
海未「今、思い出しましたがその時は雪穂と付き合っている時期でしたね?」ゴゴゴ
あなた「ぎくぎくぅ!」
絵里「…は? なに、この子あの雪穂に手を出していたの?」
穂乃果「雪穂は同じ中学生だって思ってたみたいだけど、デートはしてたみたい」
花陽「寂しいからかも知れないけど、誰彼構わずナンパするのは良くないよ?」
あなた「反省してます」
穂乃果「今、思い出したらまた腹立ってきたよ」ゴゴゴ
あなた「待って! 穂乃果ちゃん! 今日既に果南さん達にラッシュされてるんだって!」
穂乃果「大丈夫だよ。はい、剣道用お面。手加減して竹刀で面にするから」
あなた「あの? 穂乃果さん? たしかあなた剣道で優勝した経験がございましたよね?」
穂乃果「一回! 一回だけだから!」
あなた「その一回でもやべーようにしか見えませんぞ!? しかもなんで最上段!?」
あなた「待って、まさか示現流の一太刀じゃないよね、そんな斬るか斬られるかレベルの…」
穂乃果「大丈夫、穂乃果が剣道で一番得意なのはね」
穂乃果「三段突きだから」
あなた「高校生って喉突きアウトじゃなかったっけ!? あと三段突きできんのなんて新撰組の沖田さんぐらいじゃ―――――――――――」
あなた(穂乃果ちゃんの猿叫と共に放たれたのは一撃必〇どころか一撃滅〇レベルの一撃であった)
あなた「いつつ……もう行かないと」
真姫「ねぇ」
あなた「ん?」
真姫「…あなたは、何型だったの?」
あなた「ああ……」
あなた「多分、真姫ちゃんが想像する一番あってほしくない型だと思うよ」
真姫「!」
あなた「…またね」
159: 2021/02/23(火) 14:28:48.21 ID:XrhBMYeE
渋谷 喫茶店
あなた「やっと着いた…タンコブが更に増えたぞ、いつつ」
かのん「いらっしゃい…なんでこぶと痣が増えてるんです?」
あなた「Aqoursとμ’sの挨拶だからさ。カフェラテを頼もう」
かのん「どんな挨拶ですか…」
あなた(かのんちゃんは苦笑しつつカフェラテの準備である。そこへ)
すみれ「あら、昨日ぶ……すごい事になってますわよ」
恋「大丈夫ですか?」
可可「マサニコブトリジョンさん、デスネ」
恋「…こぶとりじーさんです」
あなた「だろうね。皆にごめんなさいをするとこうなるのさ」アハハ
千砂都「みんな、チーズたこ焼きでき…おや、いつの間に」
あなた「やぁ。皆、昨日はごめんね」
かのん「ああ、いや、そんな…ライブ、楽しかったです」
恋「はい。その……」
恋「あなたは、大丈夫なのですか?」
あなた「やっと着いた…タンコブが更に増えたぞ、いつつ」
かのん「いらっしゃい…なんでこぶと痣が増えてるんです?」
あなた「Aqoursとμ’sの挨拶だからさ。カフェラテを頼もう」
かのん「どんな挨拶ですか…」
あなた(かのんちゃんは苦笑しつつカフェラテの準備である。そこへ)
すみれ「あら、昨日ぶ……すごい事になってますわよ」
恋「大丈夫ですか?」
可可「マサニコブトリジョンさん、デスネ」
恋「…こぶとりじーさんです」
あなた「だろうね。皆にごめんなさいをするとこうなるのさ」アハハ
千砂都「みんな、チーズたこ焼きでき…おや、いつの間に」
あなた「やぁ。皆、昨日はごめんね」
かのん「ああ、いや、そんな…ライブ、楽しかったです」
恋「はい。その……」
恋「あなたは、大丈夫なのですか?」
160: 2021/02/23(火) 14:30:31.55 ID:XrhBMYeE
あなた「昨日一晩かけて、同好会の皆と話して、自分でも色々考えて、Aqoursやμ’sとも話して、それで」
あなた「今Liella!の皆と話して、答えを出すべきだと思うよ。でも」
あなた「明日を夢見る事だけは、もう諦めない。今日は…誰かが生きたかった今日で、それを精一杯生きて、また、明日」
あなた「そんなもう一回を繰り返しながら生きるよ」
かのん「カフェラテ、お待たせしました」
あなた「ありがとう」
かのん「………」腰掛け
かのん「昨日のライブ、かすみちゃんもそうだけど、皆すごい、眩しくて、凄かったです。Saint Snowの皆さんも、μ’sも、Aqoursの人たちも…」
かのん「一生懸命を詰めた、ステージ……その為には、準備も、練習も、必要です。そんな背中を、押してくれる人がいるって、すごく、心強いです」
すみれ「あなたのような人が傍にいればって、思いますわ」
可可「ハイ、私達はある意味、一年生だけ、イワバ、結ヶ丘女子のPioneerなのデス!」
あなた「確かに」
あなた「…皆さえよければ、私に出来る範囲で手伝いたい。昨日の皆は、それぐらいに。輝いていた」
恋「本当ですか?! ありがと…って、他の皆さんはどうするんです!?」
あなた「いやぁ、今まで何回沼津行ったか覚えてないぐらいだし…」
すみれ「実は二か月留学ではなくて沼津に行っていたのでは?」
あなた「今Liella!の皆と話して、答えを出すべきだと思うよ。でも」
あなた「明日を夢見る事だけは、もう諦めない。今日は…誰かが生きたかった今日で、それを精一杯生きて、また、明日」
あなた「そんなもう一回を繰り返しながら生きるよ」
かのん「カフェラテ、お待たせしました」
あなた「ありがとう」
かのん「………」腰掛け
かのん「昨日のライブ、かすみちゃんもそうだけど、皆すごい、眩しくて、凄かったです。Saint Snowの皆さんも、μ’sも、Aqoursの人たちも…」
かのん「一生懸命を詰めた、ステージ……その為には、準備も、練習も、必要です。そんな背中を、押してくれる人がいるって、すごく、心強いです」
すみれ「あなたのような人が傍にいればって、思いますわ」
可可「ハイ、私達はある意味、一年生だけ、イワバ、結ヶ丘女子のPioneerなのデス!」
あなた「確かに」
あなた「…皆さえよければ、私に出来る範囲で手伝いたい。昨日の皆は、それぐらいに。輝いていた」
恋「本当ですか?! ありがと…って、他の皆さんはどうするんです!?」
あなた「いやぁ、今まで何回沼津行ったか覚えてないぐらいだし…」
すみれ「実は二か月留学ではなくて沼津に行っていたのでは?」
161: 2021/02/23(火) 14:32:22.63 ID:XrhBMYeE
あなた「ちゃんと留学してたよ。また、生きる理由が出来た」
かのん「かすみちゃんの事は…どうするんです」
あなた「…ああ」
あなた(カフェラテに浮かぶラテアートは、ハートマークだった)
あなた「少しずつまとまりつつあるさ。ねぇ、Liella!の皆。昨日のステージは最高だっただろ?」
かのん・千砂都・可可・すみれ・恋「「「「「ハイ!」」」」」
あなた「だったら、それを一度じゃ終わらせないさ。もう一回やろうぜ」
あなた「今度は対決なんかじゃなくて、合同ライブで」
あなた「病気に、よく効くんだ。輝きは、ね」
かのん「また…かすみちゃんと同じステージに立てますか」
あなた「立てるさ。あの子はもう一度、立てる」
あなた(今になってようやく決めたんだ。だけどその前に、歩夢ちゃんにこそ伝えなくちゃ)
あなた(ぼくがこれから生きる道。冷酷だけど、それでも歩夢ちゃんが怒らなければ、ぼくは道を歩んで明日を夢見る事をずっと忘れていたんだ)
あなた「ごちそう様。また、会おうね!」
かのん「ええ! 道こんでるんで、気を付けてくださいねー!」
かのん「あ……しずくちゃんからだ。かすみちゃん、退院できたって…今は、だけど…」
千砂都「また、一緒に、ライブ…したいよね」
恋「ええ」
かのん「かすみちゃんの事は…どうするんです」
あなた「…ああ」
あなた(カフェラテに浮かぶラテアートは、ハートマークだった)
あなた「少しずつまとまりつつあるさ。ねぇ、Liella!の皆。昨日のステージは最高だっただろ?」
かのん・千砂都・可可・すみれ・恋「「「「「ハイ!」」」」」
あなた「だったら、それを一度じゃ終わらせないさ。もう一回やろうぜ」
あなた「今度は対決なんかじゃなくて、合同ライブで」
あなた「病気に、よく効くんだ。輝きは、ね」
かのん「また…かすみちゃんと同じステージに立てますか」
あなた「立てるさ。あの子はもう一度、立てる」
あなた(今になってようやく決めたんだ。だけどその前に、歩夢ちゃんにこそ伝えなくちゃ)
あなた(ぼくがこれから生きる道。冷酷だけど、それでも歩夢ちゃんが怒らなければ、ぼくは道を歩んで明日を夢見る事をずっと忘れていたんだ)
あなた「ごちそう様。また、会おうね!」
かのん「ええ! 道こんでるんで、気を付けてくださいねー!」
かのん「あ……しずくちゃんからだ。かすみちゃん、退院できたって…今は、だけど…」
千砂都「また、一緒に、ライブ…したいよね」
恋「ええ」
162: 2021/02/23(火) 14:34:27.18 ID:XrhBMYeE
虹ヶ咲学園 廊下
あなた「私服で来るとどうにも締まりがないが、そういう日でもある」
右月「あ、同好会の部長。もう、校則違反ですよ」
左月「珍しいですね、日曜日に」
あなた「まあね。たまには見逃して…って、二人とも何してるんだい?」
右月「学園は海に近いのもあるのですが、たまに不法投棄があって」
左月「特に海にものを捨てる心ない生徒もいる始末で…」
あなた「ひでぇ奴もいるもんだ。虹ヶ咲の風紀大丈夫か」
右月「その風紀を乱す最極北があなたなんですが…」
左月「髪の色、無許可サングラス、バイク通学、トラブル頻発、器物破損、器物汚損、教職員への悪質な悪戯…数え始めたらキリがないですよ? よく処分受けてないレベルですね」
あなた「髪の色は他に染めてる子も多いからいいだろ。およ、ギターか」
右月「ええ、ゴミと一緒にグラウンドに捨てられてました」
あなた「割と新しいのに…うわ、殆ど使われてないぞこれ!?」
左月「…どうするんです?」
あなた「少しチューニングしてきれいにすれば…使えるな。貰ってくよ、これ」
右月「ゴミが減りますから、良いですよ」
あなた「ありがとさん」
あなた「私服で来るとどうにも締まりがないが、そういう日でもある」
右月「あ、同好会の部長。もう、校則違反ですよ」
左月「珍しいですね、日曜日に」
あなた「まあね。たまには見逃して…って、二人とも何してるんだい?」
右月「学園は海に近いのもあるのですが、たまに不法投棄があって」
左月「特に海にものを捨てる心ない生徒もいる始末で…」
あなた「ひでぇ奴もいるもんだ。虹ヶ咲の風紀大丈夫か」
右月「その風紀を乱す最極北があなたなんですが…」
左月「髪の色、無許可サングラス、バイク通学、トラブル頻発、器物破損、器物汚損、教職員への悪質な悪戯…数え始めたらキリがないですよ? よく処分受けてないレベルですね」
あなた「髪の色は他に染めてる子も多いからいいだろ。およ、ギターか」
右月「ええ、ゴミと一緒にグラウンドに捨てられてました」
あなた「割と新しいのに…うわ、殆ど使われてないぞこれ!?」
左月「…どうするんです?」
あなた「少しチューニングしてきれいにすれば…使えるな。貰ってくよ、これ」
右月「ゴミが減りますから、良いですよ」
あなた「ありがとさん」
163: 2021/02/23(火) 14:36:14.23 ID:XrhBMYeE
スタスタ
あなた「どうしたんだい?」
左月「ああ、いえ…その」
右月「昨日の事……私たちも、関係者席で手伝いはしていましたから…」
あなた「ああー……君たちが気に病むことじゃないさ」
左月「ですが…」
あなた「そうやって重い顔をする方が、かすみちゃんには辛いさ。登校してきたら、一緒に笑ってやるぐらいがいい」
スクールアイドル同好会 部室
あなた「よっと…えーと」
あなた(ギターのメンテナンスを始めたぼくを放っておいて、元監視委員会の二人は物珍しそうにキョロキョロだ。まあ、普通の部活にはないものが多いわけだし)
あなた「ああ、喉かわいたら、そこにあるペットボトルは開けてくれ。期限近い」
左月「ありがとうございます」きゅっ
左月「ぶふぅ!? まずっ!?」
あなた「いつか彼方さん達と福引で当てたいわし水だ。誰も飲む人がいなくて」
左月「しまっといてくださいよそんなの…」
右月「鮮やか、ですね」
あなた「よしっ…こんなもんか」
あなた「どうしたんだい?」
左月「ああ、いえ…その」
右月「昨日の事……私たちも、関係者席で手伝いはしていましたから…」
あなた「ああー……君たちが気に病むことじゃないさ」
左月「ですが…」
あなた「そうやって重い顔をする方が、かすみちゃんには辛いさ。登校してきたら、一緒に笑ってやるぐらいがいい」
スクールアイドル同好会 部室
あなた「よっと…えーと」
あなた(ギターのメンテナンスを始めたぼくを放っておいて、元監視委員会の二人は物珍しそうにキョロキョロだ。まあ、普通の部活にはないものが多いわけだし)
あなた「ああ、喉かわいたら、そこにあるペットボトルは開けてくれ。期限近い」
左月「ありがとうございます」きゅっ
左月「ぶふぅ!? まずっ!?」
あなた「いつか彼方さん達と福引で当てたいわし水だ。誰も飲む人がいなくて」
左月「しまっといてくださいよそんなの…」
右月「鮮やか、ですね」
あなた「よしっ…こんなもんか」
164: 2021/02/23(火) 14:37:44.66 ID:XrhBMYeE
あなた「ギターは好きでね。何かリクエストはある? 知ってる曲なら」
右月「そうですね…」
左月「うーん…あ」
右月「なにか?」
左月「あの曲は?」
右月「ああ……知ってそうな曲ですし」
左月「あの」
あなた「うん」
右月・左月「「UVERwordの『ゼロの答』を…」」
あなた「おお、あれはいいね。シングル曲じゃないってのがまたいいな」
右月「私は真・三国無双が好きなのですが」
左月「私は戦国無双の方が好きでして」
あなた「…無双OROCHIなら二人とも好きって事かい? まあ、私も好きだ」
~♪ ゼロの答/UVERword
右月・左月「「わぁ…」」
右月「そうですね…」
左月「うーん…あ」
右月「なにか?」
左月「あの曲は?」
右月「ああ……知ってそうな曲ですし」
左月「あの」
あなた「うん」
右月・左月「「UVERwordの『ゼロの答』を…」」
あなた「おお、あれはいいね。シングル曲じゃないってのがまたいいな」
右月「私は真・三国無双が好きなのですが」
左月「私は戦国無双の方が好きでして」
あなた「…無双OROCHIなら二人とも好きって事かい? まあ、私も好きだ」
~♪ ゼロの答/UVERword
右月・左月「「わぁ…」」
165: 2021/02/23(火) 14:38:48.86 ID:XrhBMYeE
あなた(ああくそ、笑っちゃうぐらいにぴったりだ)
あなた(そうだ、ぼくはぼくだけの光を放ち続けるんだ、生きている限り)
あなた(そこに時間の長さなんて関係ない―――――――こんなに結んだ絆を思い出して、傷付いた事も思い出す)
あなた「いい音だ。気に入った」
右月「ええ…良い、演奏でした」
左月「歌も上手でしたし…スクールアイドルになってみるべきでは?」
あなた「あはは、それはいいかな」
あなた「……やあ、歩夢ちゃん、それに…」
あなた「かすみちゃん」
あなた(歩夢ちゃんに支えられるようにしていたかすみちゃんは少しばつが悪そうだ。だけど、顔色はだいぶ良くなった)
右月「あ、あれ? いつの間に?」
左月「ど、どうも」
右月「わ、私たちはこれで」
左月「失礼します」
あなた「うん、またね」
『僅かな光を放つ最期に夢見ること』
あなた(そうだ、ぼくはぼくだけの光を放ち続けるんだ、生きている限り)
あなた(そこに時間の長さなんて関係ない―――――――こんなに結んだ絆を思い出して、傷付いた事も思い出す)
あなた「いい音だ。気に入った」
右月「ええ…良い、演奏でした」
左月「歌も上手でしたし…スクールアイドルになってみるべきでは?」
あなた「あはは、それはいいかな」
あなた「……やあ、歩夢ちゃん、それに…」
あなた「かすみちゃん」
あなた(歩夢ちゃんに支えられるようにしていたかすみちゃんは少しばつが悪そうだ。だけど、顔色はだいぶ良くなった)
右月「あ、あれ? いつの間に?」
左月「ど、どうも」
右月「わ、私たちはこれで」
左月「失礼します」
あなた「うん、またね」
『僅かな光を放つ最期に夢見ること』
166: 2021/02/23(火) 14:40:19.90 ID:XrhBMYeE
歩夢「そのギター、どうしたの?」
あなた「あの二人が言うには、廃棄物として不法投棄されたんだと。使えそうだから、拾った」
歩夢「もう…また、ものを増やして」
あなた「かすみちゃん、調子は…どうかな?」
かすみ「心配、かけました。もうしばらくは、大丈夫です」
あなた「それは良かった」
かすみ「先輩に、色々貰い過ぎてバチが当たったのかも知れませんね」
あなた「いや」
あなた「さっき、Liella!の皆とも話した。今度は対決じゃなくて、合同ライブでってね」
かすみ「…先輩…!」
歩夢「……」
あなた「歩夢ちゃん。昨日一晩かけて、同好会の皆とか、Aqoursも、μ’sとも、Liella!の子たちとも、話して、考えた」
あなた「もう、明日を夢見る事を、諦めたりしない。私は、私だけの輝きを放って、残りの時間を生きていきたい。精一杯、最後まで」
かすみ「先輩……良かった…」
かすみ「それなら先輩も、かすみんと同じところに行くことができます…だって一人ぼっちにしないって、言ってくれたじゃないですか…」
あなた「ああ」
あなた「あの二人が言うには、廃棄物として不法投棄されたんだと。使えそうだから、拾った」
歩夢「もう…また、ものを増やして」
あなた「かすみちゃん、調子は…どうかな?」
かすみ「心配、かけました。もうしばらくは、大丈夫です」
あなた「それは良かった」
かすみ「先輩に、色々貰い過ぎてバチが当たったのかも知れませんね」
あなた「いや」
あなた「さっき、Liella!の皆とも話した。今度は対決じゃなくて、合同ライブでってね」
かすみ「…先輩…!」
歩夢「……」
あなた「歩夢ちゃん。昨日一晩かけて、同好会の皆とか、Aqoursも、μ’sとも、Liella!の子たちとも、話して、考えた」
あなた「もう、明日を夢見る事を、諦めたりしない。私は、私だけの輝きを放って、残りの時間を生きていきたい。精一杯、最後まで」
かすみ「先輩……良かった…」
かすみ「それなら先輩も、かすみんと同じところに行くことができます…だって一人ぼっちにしないって、言ってくれたじゃないですか…」
あなた「ああ」
167: 2021/02/23(火) 14:41:57.14 ID:XrhBMYeE
あなた「愛ちゃんも、せつ菜ちゃんも…他の皆も言ってくれたんだ。私がいたからここまで来れたって」
かすみ「もちろんです、かすみんも…歩夢先輩だって」
あなた「ああ。だから残りの時間、もっと輝かせるまでさ」
歩夢「良かった」
歩夢「あなたがそうして、寂しい笑顔じゃなくて、輝いた笑顔を浮かべてるのが、私、一番好きだよ」
歩夢「だって、私が一番大好きな笑顔だもん」
あなた「……歩夢ちゃん。ありがとう」
あなた(涙を浮かべた歩夢ちゃんに、ぼくは言わなければならない)
あなた(遊び惚けて明日を諦め続けていたぼくが、楽園に向かう為の、一つを)
あなた「歩夢ちゃん。だから、一つだけ決めた事がある。それだけは、怒ってもいい。だけど…」
歩夢「ううん……大丈夫。あなたが残りを、精一杯生きる、皆と一緒に生きるって、決めたことだもの」
あなた「ありがとう」
あなた「かすみちゃん」
あなた「私は、カフカ・ぺチャック症候群X型だ」
かすみ「……はい」
あなた(カフカ・ぺチャック症候群の患者は必ずその方法を一度は告げられる。今の医学で、たった一つだけある、やり方だから。X型である私には、逆の意味になる。だけれど)
あなた「時計の針を、巻き戻せるのは一つだけ。だけど、それでも立派な、シンデレラの魔法さ」
かすみ「先輩…!」
かすみ「もちろんです、かすみんも…歩夢先輩だって」
あなた「ああ。だから残りの時間、もっと輝かせるまでさ」
歩夢「良かった」
歩夢「あなたがそうして、寂しい笑顔じゃなくて、輝いた笑顔を浮かべてるのが、私、一番好きだよ」
歩夢「だって、私が一番大好きな笑顔だもん」
あなた「……歩夢ちゃん。ありがとう」
あなた(涙を浮かべた歩夢ちゃんに、ぼくは言わなければならない)
あなた(遊び惚けて明日を諦め続けていたぼくが、楽園に向かう為の、一つを)
あなた「歩夢ちゃん。だから、一つだけ決めた事がある。それだけは、怒ってもいい。だけど…」
歩夢「ううん……大丈夫。あなたが残りを、精一杯生きる、皆と一緒に生きるって、決めたことだもの」
あなた「ありがとう」
あなた「かすみちゃん」
あなた「私は、カフカ・ぺチャック症候群X型だ」
かすみ「……はい」
あなた(カフカ・ぺチャック症候群の患者は必ずその方法を一度は告げられる。今の医学で、たった一つだけある、やり方だから。X型である私には、逆の意味になる。だけれど)
あなた「時計の針を、巻き戻せるのは一つだけ。だけど、それでも立派な、シンデレラの魔法さ」
かすみ「先輩…!」
168: 2021/02/23(火) 14:43:52.24 ID:XrhBMYeE
「ぼくのいのちを、きみにあげる」
あなた「残りを、輝いていくんだ。しずくちゃんや、璃奈ちゃんや、栞子ちゃん達と一緒に」
あなた(両目から涙を溢れさせたかすみちゃん。歩夢ちゃんもまた、同じように泣き出した)
あなた(だからぼくはそう決めた。それがぼくに出来る、ぼくが光を放つための、楽園へ行く方法)
~♪ そら/ウルフルズ
あなた(夕暮れが、窓の外からよく見える。その美しさを知ってるぼく達は、今日を生きて、明日を夢見る)
『Happy Birthday Dear Me』
あなた「残りを、輝いていくんだ。しずくちゃんや、璃奈ちゃんや、栞子ちゃん達と一緒に」
あなた(両目から涙を溢れさせたかすみちゃん。歩夢ちゃんもまた、同じように泣き出した)
あなた(だからぼくはそう決めた。それがぼくに出来る、ぼくが光を放つための、楽園へ行く方法)
~♪ そら/ウルフルズ
あなた(夕暮れが、窓の外からよく見える。その美しさを知ってるぼく達は、今日を生きて、明日を夢見る)
『Happy Birthday Dear Me』
169: 2021/02/23(火) 14:45:47.83 ID:XrhBMYeE
あなた(その事を決めた三日後に、西木野総合病院にて手術があった)
あなた(両親、歩夢ちゃんの両親、かすみちゃんの両親の次に話した相手が真姫ちゃんで、かすみちゃんが既に担ぎ込まれていたのもあってか、話はすぐに進んだ)
あなた(いや、それ程までにかすみちゃんは進行していたのだ)
あなた(手術そのものは問題なく終わった。技術的に難しい手術ではないらしい―――――だが、麻酔から醒めた時はいやという程気分が悪かったし、その日の夜は気持ち悪さと高熱でろくに眠れもしなかった)
あなた(お陰で手術後二日間、まるっと入院し、土曜日に退院。家に戻った日曜日を迎えた。一週間が異様に早く感じたのも、感覚が変わったからか)
歩夢「おはよう。体調はどう?」
あなた「少し体が重いかも…でも、よくある事さ」
あなた(朝、目を覚ますと歩夢ちゃんが来ていた。よくある事だ。それに、体調も良くなって良かった)
あなた「いい加減、掃除をしないと行けないしね」
あなた(あの日までの自分に、さよならを告げる為の儀式みたいなものだ。しかしこの量だ。私と歩夢ちゃんだけでどうにかなるものではない)
ぴんぽーん
あなた「およ、誰だろう。早…くもないな」
あなた(途中で目覚まし時計を見て、少しだけ言葉を失った感覚を覚えてる。そりゃそうだ、朝七時ぐらいの感覚が朝十時なんて信じられるか?)
ガチャリ
あなた(両親、歩夢ちゃんの両親、かすみちゃんの両親の次に話した相手が真姫ちゃんで、かすみちゃんが既に担ぎ込まれていたのもあってか、話はすぐに進んだ)
あなた(いや、それ程までにかすみちゃんは進行していたのだ)
あなた(手術そのものは問題なく終わった。技術的に難しい手術ではないらしい―――――だが、麻酔から醒めた時はいやという程気分が悪かったし、その日の夜は気持ち悪さと高熱でろくに眠れもしなかった)
あなた(お陰で手術後二日間、まるっと入院し、土曜日に退院。家に戻った日曜日を迎えた。一週間が異様に早く感じたのも、感覚が変わったからか)
歩夢「おはよう。体調はどう?」
あなた「少し体が重いかも…でも、よくある事さ」
あなた(朝、目を覚ますと歩夢ちゃんが来ていた。よくある事だ。それに、体調も良くなって良かった)
あなた「いい加減、掃除をしないと行けないしね」
あなた(あの日までの自分に、さよならを告げる為の儀式みたいなものだ。しかしこの量だ。私と歩夢ちゃんだけでどうにかなるものではない)
ぴんぽーん
あなた「およ、誰だろう。早…くもないな」
あなた(途中で目覚まし時計を見て、少しだけ言葉を失った感覚を覚えてる。そりゃそうだ、朝七時ぐらいの感覚が朝十時なんて信じられるか?)
ガチャリ
170: 2021/02/23(火) 14:47:11.74 ID:XrhBMYeE
愛「おー、部長さんおはよう」
せつ菜「おはようございます!」
あなた「やぁ、愛ちゃん、せつ菜ちゃんもおはよう。悪いね、せっかくの休日に」
愛「ううん、いいよ。それより…」
あなた「体調はすこぶる良いさ。大丈夫」
あなた「ほら、愛ちゃん暗い顔しなーい」
せつ菜「お邪魔します」
あなた「ま、あがってあがって…およ、そこにいるのは…栞子ちゃん達か」
栞子「おはようございます」
ランジュ「おはよう」
あなた「やあ、おはよう、二人とも」
栞子「…寝起きでしたか?」
あなた「寝相が悪いせいで寝癖が頑固だったのさ」アハハ
あなた「まあひとまず、あの部屋からやるか。数多いからなぁ…」
ランジュ「どの部屋からかしら?」
あなた「サングラスコレクション。ひとまず全部薫子さんの所に送る」
栞子「姉さんに?」
あなた「幾つか欲しいのあるって言ってたけどどれか解らないから好きなの選んでって言っといた。残りはチャリティに出してくれるってさ」
歩夢「本当に山ほど集めたね…」
ぴんぽーん
せつ菜「おはようございます!」
あなた「やぁ、愛ちゃん、せつ菜ちゃんもおはよう。悪いね、せっかくの休日に」
愛「ううん、いいよ。それより…」
あなた「体調はすこぶる良いさ。大丈夫」
あなた「ほら、愛ちゃん暗い顔しなーい」
せつ菜「お邪魔します」
あなた「ま、あがってあがって…およ、そこにいるのは…栞子ちゃん達か」
栞子「おはようございます」
ランジュ「おはよう」
あなた「やあ、おはよう、二人とも」
栞子「…寝起きでしたか?」
あなた「寝相が悪いせいで寝癖が頑固だったのさ」アハハ
あなた「まあひとまず、あの部屋からやるか。数多いからなぁ…」
ランジュ「どの部屋からかしら?」
あなた「サングラスコレクション。ひとまず全部薫子さんの所に送る」
栞子「姉さんに?」
あなた「幾つか欲しいのあるって言ってたけどどれか解らないから好きなの選んでって言っといた。残りはチャリティに出してくれるってさ」
歩夢「本当に山ほど集めたね…」
ぴんぽーん
171: 2021/02/23(火) 14:48:55.77 ID:XrhBMYeE
彼方「やっほー、部長さん」
果林「おはよう。よく眠れたかしら?」
エマ「おはよう、部長」
あなた「やあ、彼方さん。エマさんと果林さんも」
彼方「サングラスから片付けるのかい? それなら、こいつを返さないとねー」
あなた「ん? あれ? サングラス? こんなに?」
歩夢「…あなたが彼方さんをしょっちゅうサングラス置き場にしてる間に何かと帰っちゃうからだよ」
あなた「マジか! 彼方ちゃんストックこんなにあったのか!?」
彼方「うん、予想外にあった」
ランジュ「よくよく見たらブランド物がちらほら…」
果林「ええ、それを見る目はあるのよね、部長」
ランジュ「才能の無駄遣いって」
エマ「部長の事だからね、慣れるしかないよ」
あなた「果林さんとランジュさんも2、3個欲しいのあれば持ってくといいさ。なにせこんなにある訳だし」
果林「おはよう。よく眠れたかしら?」
エマ「おはよう、部長」
あなた「やあ、彼方さん。エマさんと果林さんも」
彼方「サングラスから片付けるのかい? それなら、こいつを返さないとねー」
あなた「ん? あれ? サングラス? こんなに?」
歩夢「…あなたが彼方さんをしょっちゅうサングラス置き場にしてる間に何かと帰っちゃうからだよ」
あなた「マジか! 彼方ちゃんストックこんなにあったのか!?」
彼方「うん、予想外にあった」
ランジュ「よくよく見たらブランド物がちらほら…」
果林「ええ、それを見る目はあるのよね、部長」
ランジュ「才能の無駄遣いって」
エマ「部長の事だからね、慣れるしかないよ」
あなた「果林さんとランジュさんも2、3個欲しいのあれば持ってくといいさ。なにせこんなにある訳だし」
172: 2021/02/23(火) 14:50:30.45 ID:XrhBMYeE
璃奈「本当に、いいの? このギター…」
あなた「新しいギターが手に入ったからね。大事にしてくれ」
あなた(サングラスを片付けている間にやってきた一年生組とミアも交えて、色々片付けだ。学校で使っていたギターは璃奈ちゃんにプレゼントする事にした。家でも元々一本あるし、先日拾った一本を外用として充分に使えるものだった)
璃奈「ありがとう」
ミア「大丈夫、璃奈ならすぐ覚えられるさ」
あなた(ミアの指導なら璃奈ちゃんもすぐに覚えられるだろう。そして娯楽部屋を整理し始めた時である)
栞子「しかしゲーム機の類は多いですね…」
あなた「まあね」
せつ菜「これらはどうします?」
あなた「小児病棟と児童福祉施設に寄付する、だね。マンガとかと一緒に」
せつ菜「……」ちらっ
栞子「……」ちらっ
あなた「オーケイ、わかった。好きなの選ぶといい」
愛「部長、愛さんにも~」
あなた「いいとも」
あなた「……だいぶ片付いてきたな」
かすみ「そういえば先輩、バイクはどうするんです?」
あなた「ああ、それは行き先もう決まってる」
かすみ「そうですか……」
あなた「Aqoursに譲るよ。次の三連休に沼津に行ってくる。それに…」
あなた「新しいギターが手に入ったからね。大事にしてくれ」
あなた(サングラスを片付けている間にやってきた一年生組とミアも交えて、色々片付けだ。学校で使っていたギターは璃奈ちゃんにプレゼントする事にした。家でも元々一本あるし、先日拾った一本を外用として充分に使えるものだった)
璃奈「ありがとう」
ミア「大丈夫、璃奈ならすぐ覚えられるさ」
あなた(ミアの指導なら璃奈ちゃんもすぐに覚えられるだろう。そして娯楽部屋を整理し始めた時である)
栞子「しかしゲーム機の類は多いですね…」
あなた「まあね」
せつ菜「これらはどうします?」
あなた「小児病棟と児童福祉施設に寄付する、だね。マンガとかと一緒に」
せつ菜「……」ちらっ
栞子「……」ちらっ
あなた「オーケイ、わかった。好きなの選ぶといい」
愛「部長、愛さんにも~」
あなた「いいとも」
あなた「……だいぶ片付いてきたな」
かすみ「そういえば先輩、バイクはどうするんです?」
あなた「ああ、それは行き先もう決まってる」
かすみ「そうですか……」
あなた「Aqoursに譲るよ。次の三連休に沼津に行ってくる。それに…」
173: 2021/02/23(火) 14:52:01.45 ID:XrhBMYeE
かすみ「それに?」
あなた「Liella!の子たちの合宿も兼ねて、ね」
せつ菜「…部長」
エマ「休もう?」
ランジュ「言って聞く人なら苦労はしないわよ」
しずく「ランジュさんが遠い目に…」
歩夢「ぜんぜん変わってない…」
愛「変わらない方がいいものもあるよ」
あなた「そういうものさ」ギター取り出し
~♪ stereoman/ELLEGARDEN
栞子「部長は…ロックが案外好きなのですね」
せつ菜「クラシックばかり聞いてたと聞きますが」
あなた「一年間、好き放題してれば趣味は広がるさ」
『この前までにサヨナラを告げる日に』
あなた「Liella!の子たちの合宿も兼ねて、ね」
せつ菜「…部長」
エマ「休もう?」
ランジュ「言って聞く人なら苦労はしないわよ」
しずく「ランジュさんが遠い目に…」
歩夢「ぜんぜん変わってない…」
愛「変わらない方がいいものもあるよ」
あなた「そういうものさ」ギター取り出し
~♪ stereoman/ELLEGARDEN
栞子「部長は…ロックが案外好きなのですね」
せつ菜「クラシックばかり聞いてたと聞きますが」
あなた「一年間、好き放題してれば趣味は広がるさ」
『この前までにサヨナラを告げる日に』
174: 2021/02/23(火) 14:53:31.98 ID:XrhBMYeE
ランジュ「スクールアイドル部の部室、撤収しないと」
あなた「ああー、そりゃ必要だね…原状回復しないと」
ランジュ「こんなに材料いる?」
あなた「色々いじったからなぁ…あ、脚立抑えといて。天井は全部直さないといけないし」
ランジュ(苦笑しつつ、木材と金づちを手に、部長は天井を修理し始めた。荷物は他の皆が梱包している最中だ)
ランジュ「天井、そうなってたのね…」
あなた「ああ、まあね…ランジュさん、それに…愛ちゃんや果林さん、栞子ちゃんも」
あなた「色々ひどい事をしてごめんね」
歩夢「…正直に言おうか。何をどれだけしたの?」
あなた「水のボトルを、全部透明コーラにすり替えて。メントスを仕掛けた」
愛「あれ部長さんだったんだ…」
あなた「その、しずくちゃんがスクールアイドル部に行ったから…むしゃくしゃして、つい」
しずく「ああ、だから部長。飲み物はちゃんと持ち込んでねって…果林さんが大パニックでしたよ」
果林「しかもしずくにはちゃんと警告してる!?」
あなた「実はしずくちゃんにお願いしたのはそれだけじゃないんだ」
しずく「ぎくっ!」
愛「なにしたの?」
あなた「ああー、そりゃ必要だね…原状回復しないと」
ランジュ「こんなに材料いる?」
あなた「色々いじったからなぁ…あ、脚立抑えといて。天井は全部直さないといけないし」
ランジュ(苦笑しつつ、木材と金づちを手に、部長は天井を修理し始めた。荷物は他の皆が梱包している最中だ)
ランジュ「天井、そうなってたのね…」
あなた「ああ、まあね…ランジュさん、それに…愛ちゃんや果林さん、栞子ちゃんも」
あなた「色々ひどい事をしてごめんね」
歩夢「…正直に言おうか。何をどれだけしたの?」
あなた「水のボトルを、全部透明コーラにすり替えて。メントスを仕掛けた」
愛「あれ部長さんだったんだ…」
あなた「その、しずくちゃんがスクールアイドル部に行ったから…むしゃくしゃして、つい」
しずく「ああ、だから部長。飲み物はちゃんと持ち込んでねって…果林さんが大パニックでしたよ」
果林「しかもしずくにはちゃんと警告してる!?」
あなた「実はしずくちゃんにお願いしたのはそれだけじゃないんだ」
しずく「ぎくっ!」
愛「なにしたの?」
175: 2021/02/23(火) 14:55:37.35 ID:XrhBMYeE
あなた「蜂の巣模型を投げ入れて…事前に入り口を開けれないようにして」
愛「ああ、そういえば…」
あなた「しずくちゃんに壁に偽非常口を描いた騙し絵を…」
ランジュ「あれもあなたなの!? スタッフさんたちが偽非常口に〇到してみんな壁に激突よ」
あなた「反省してる」
あなた「あとは…天井にもかかわるけど」
あなた「Amazonでスライムの大特価セールをしてたんだけど…酔っぱらっててね。一桁間違えてバケツ100個届いたんだ」
果林「まさか…」
あなた「ああ、そのまさかさ。シェービングフォーム噴出トラップを仕掛けておいて、それを壊したら天井の底が抜けてスライムが山ほど降ってくる奴さ」
果林「あれは大変だったのよ!? 後片付けが」
あなた「スライムバケツ70個分は大変さ」
ランジュ「残り30個は?」
あなた「璃奈ちゃんに10個ほど分けたからそっちは知らないよ」
愛「りなりー…」
璃奈「スライムバズーカで使い切りました」
歩夢「残り20個は?」
あなた「背後からランジュさんにかけたりランジュさんが新聞部のインタビュー中に投下したり…」
エマ「悪ふざけにもほどがあるよ?」ゴゴゴ
あなた「反省してる」
愛「ああ、そういえば…」
あなた「しずくちゃんに壁に偽非常口を描いた騙し絵を…」
ランジュ「あれもあなたなの!? スタッフさんたちが偽非常口に〇到してみんな壁に激突よ」
あなた「反省してる」
あなた「あとは…天井にもかかわるけど」
あなた「Amazonでスライムの大特価セールをしてたんだけど…酔っぱらっててね。一桁間違えてバケツ100個届いたんだ」
果林「まさか…」
あなた「ああ、そのまさかさ。シェービングフォーム噴出トラップを仕掛けておいて、それを壊したら天井の底が抜けてスライムが山ほど降ってくる奴さ」
果林「あれは大変だったのよ!? 後片付けが」
あなた「スライムバケツ70個分は大変さ」
ランジュ「残り30個は?」
あなた「璃奈ちゃんに10個ほど分けたからそっちは知らないよ」
愛「りなりー…」
璃奈「スライムバズーカで使い切りました」
歩夢「残り20個は?」
あなた「背後からランジュさんにかけたりランジュさんが新聞部のインタビュー中に投下したり…」
エマ「悪ふざけにもほどがあるよ?」ゴゴゴ
あなた「反省してる」
176: 2021/02/23(火) 14:57:15.41 ID:XrhBMYeE
ランジュ「…それだけ気持ちの整理がつかないのも無理はなかったわ、許すわよ」
ランジュ「そう言えば、アルコールだけはもう止めなさいよ。洒落にならないわ」
あなた「この身体じゃ、もう無理さ。この前の掃除で、彼方さんと愛ちゃんに引き取ってもらったしね」
ランジュ「……いいんだか悪いんだか、わからないわ」
ランジュ「その他にも悪戯仕掛けてない? 銃撃音入り目覚まし時計とか」
あなた「それは私じゃない」
歩夢「え、誰?」
エマ「…ごめん。私。果林ちゃんにすごく怒ってて、つい…」
果林「エマなの!?」
愛「って事は、木工ボンド爆竹もエマっち?」
栞子「あの、愛さん……」
栞子「それ、私です…部長がスライムバケツをランジュにぶちまけたのを見て、部長のせいに出来るかなとつい出来心で…」
果林「まさかの身内!?」
あなた「ランジュさんは泣いていいぞ」
ランジュ「この前のダブルスコアの時点でめっさ泣いたわ」
ランジュ「かすみの、事でも」
かすみ「…もう、心配いらないですよ」
ランジュ「え」
かすみ「…手術後の検査で。病巣がだいぶ消えたって」
かすみ「先輩の、お陰で」
ランジュ「そう言えば、アルコールだけはもう止めなさいよ。洒落にならないわ」
あなた「この身体じゃ、もう無理さ。この前の掃除で、彼方さんと愛ちゃんに引き取ってもらったしね」
ランジュ「……いいんだか悪いんだか、わからないわ」
ランジュ「その他にも悪戯仕掛けてない? 銃撃音入り目覚まし時計とか」
あなた「それは私じゃない」
歩夢「え、誰?」
エマ「…ごめん。私。果林ちゃんにすごく怒ってて、つい…」
果林「エマなの!?」
愛「って事は、木工ボンド爆竹もエマっち?」
栞子「あの、愛さん……」
栞子「それ、私です…部長がスライムバケツをランジュにぶちまけたのを見て、部長のせいに出来るかなとつい出来心で…」
果林「まさかの身内!?」
あなた「ランジュさんは泣いていいぞ」
ランジュ「この前のダブルスコアの時点でめっさ泣いたわ」
ランジュ「かすみの、事でも」
かすみ「…もう、心配いらないですよ」
ランジュ「え」
かすみ「…手術後の検査で。病巣がだいぶ消えたって」
かすみ「先輩の、お陰で」
177: 2021/02/23(火) 14:58:21.22 ID:XrhBMYeE
あなた「………」
ランジュ「……ほら、板の追加」
あなた「ごめんね…ありがと」
璃奈「部長、こっちも板欲しい。壁直さないと」
愛「壁? あれ、その壁…」
愛「まさかりなりーだったの? ミーティング中にいきなり壁が崩れて巨大なお化け人形が出てきて呻きだしたの」
ランジュ「腰を抜かしたどころじゃなかったわよ…」
果林「あれは怖かったわよ…まさかの璃奈だったのね」
璃奈「『壁からネメシス』。実に、高威力」
あなた「ああ、だから1/1ネメシスフィギュアがゴミ捨て場にあったのか…」
璃奈「そう。例のうめき声をあげるように改造した」
「スタァァァァズ…」
ランジュ「なんでまだ聞こえるのよ!?」
あなた「ゴミ捨て場にあったのを何かに使えないかと思って天井裏に隠してたの忘れてた」ヒョイ
せつ菜「なんでそんなものが……1/1はデカすぎですよ…」
ランジュ「再利用計画があったのね…」
あなた「そうだ、今度鍋でもやろうぜ」
ランジュ「日本の鍋を食べたことは少ないわ…なんの鍋をやるのかしら?」
あなた「牛乳鍋とか? かのんちゃんは案外鍋奉行らしくてね。千砂都ちゃんが言ってた」
栞子「ほう、鍋奉行ですか…良いでしょう、至高の鍋を見せましょう」
あなた「出たな、妖怪鍋奉行!」
ランジュ「……ほら、板の追加」
あなた「ごめんね…ありがと」
璃奈「部長、こっちも板欲しい。壁直さないと」
愛「壁? あれ、その壁…」
愛「まさかりなりーだったの? ミーティング中にいきなり壁が崩れて巨大なお化け人形が出てきて呻きだしたの」
ランジュ「腰を抜かしたどころじゃなかったわよ…」
果林「あれは怖かったわよ…まさかの璃奈だったのね」
璃奈「『壁からネメシス』。実に、高威力」
あなた「ああ、だから1/1ネメシスフィギュアがゴミ捨て場にあったのか…」
璃奈「そう。例のうめき声をあげるように改造した」
「スタァァァァズ…」
ランジュ「なんでまだ聞こえるのよ!?」
あなた「ゴミ捨て場にあったのを何かに使えないかと思って天井裏に隠してたの忘れてた」ヒョイ
せつ菜「なんでそんなものが……1/1はデカすぎですよ…」
ランジュ「再利用計画があったのね…」
あなた「そうだ、今度鍋でもやろうぜ」
ランジュ「日本の鍋を食べたことは少ないわ…なんの鍋をやるのかしら?」
あなた「牛乳鍋とか? かのんちゃんは案外鍋奉行らしくてね。千砂都ちゃんが言ってた」
栞子「ほう、鍋奉行ですか…良いでしょう、至高の鍋を見せましょう」
あなた「出たな、妖怪鍋奉行!」
178: 2021/02/23(火) 14:59:14.22 ID:XrhBMYeE
栞子「鍋奉行は妖怪扱いなんですか!?」
せつ菜「妖怪廃部姫あらため妖怪鍋奉行ですね」
あなた「妖怪蝙蝠女もつけよう」
せつ菜「鬼太郎が苦労しそうですね」
栞子「流石に今のは傷付きますよ…」
あなた「ごめん、悪ふざけしすぎた」
ミア「妖怪廃部姫って何さ」
璃奈「栞子ちゃんは前に同好会を廃部にしますって言いまくってた、故に廃部姫」
果林「あら、なんか出てきたわよ」
エマ「なにかたくさんあるね…なんだろう、これ?」
あなた「げっ! 水風船爆弾まだあったのか!?」
かすみ「先輩、大量生産してましたからね」
果林「ああ、そう言えばよく投げてたわね」
愛「スリングショットの要領で部室のドアを開けた瞬間飛んできたのもあったねぇ」
ランジュ「何回インク水塗れに…いや、待って。他にもあったわね」
あなた「酢を混ぜたり墨汁だったり色々作ったな」シミジミ
歩夢「捨てようか?」ニコニコ
あなた「わかったよ…ちゃんと捨てる。水道で穴開けとくから、そこの籠にでも入れといて」
せつ菜「妖怪廃部姫あらため妖怪鍋奉行ですね」
あなた「妖怪蝙蝠女もつけよう」
せつ菜「鬼太郎が苦労しそうですね」
栞子「流石に今のは傷付きますよ…」
あなた「ごめん、悪ふざけしすぎた」
ミア「妖怪廃部姫って何さ」
璃奈「栞子ちゃんは前に同好会を廃部にしますって言いまくってた、故に廃部姫」
果林「あら、なんか出てきたわよ」
エマ「なにかたくさんあるね…なんだろう、これ?」
あなた「げっ! 水風船爆弾まだあったのか!?」
かすみ「先輩、大量生産してましたからね」
果林「ああ、そう言えばよく投げてたわね」
愛「スリングショットの要領で部室のドアを開けた瞬間飛んできたのもあったねぇ」
ランジュ「何回インク水塗れに…いや、待って。他にもあったわね」
あなた「酢を混ぜたり墨汁だったり色々作ったな」シミジミ
歩夢「捨てようか?」ニコニコ
あなた「わかったよ…ちゃんと捨てる。水道で穴開けとくから、そこの籠にでも入れといて」
179: 2021/02/23(火) 15:00:46.88 ID:XrhBMYeE
果林「なんか大きいのもあるわね」どーん
エマ「バスケットボール並みだよ…」
あなた「へ? そんなの作った覚え…」
かすみ「しず子、りな子、何故目をそらす?」
しずく「すみません、先輩が作ってるのを見て面白そうだったので…」
璃奈「限界まで詰めた」
あなた「…なにを?」
璃奈「色々」
果林「中何が入ってるのよ」
あなた「それなんか発酵でも進んでない?」
しずく「何を入れたんでしたっけ?」
璃奈「確か、色々買ってきて混ぜて…」
あなた「毒飲料でも作ってたのか君たち」
ミア「そんなにカリカリしないのさ、ベイビーちゃん。ボク、飲み物のボトルをたくさん見付けたよ。休憩して飲もう」
あなた「まあ、そうだね。ただの水でも労働の後は旨い」
彼方「そうだねー」
愛「確かに」
栞子「いただきます」
カシュ カシュ カシュ カシュ カシュ カシュ カシュ カシュ カシュ カシュ カシュ カシュ カシュ
ポチャ ポチャ ポチャ ポチャ ポチャ ポチャ ポチャ ポチャ ポチャ ポチャ ポチャ ポチャ ポチャ
エマ「バスケットボール並みだよ…」
あなた「へ? そんなの作った覚え…」
かすみ「しず子、りな子、何故目をそらす?」
しずく「すみません、先輩が作ってるのを見て面白そうだったので…」
璃奈「限界まで詰めた」
あなた「…なにを?」
璃奈「色々」
果林「中何が入ってるのよ」
あなた「それなんか発酵でも進んでない?」
しずく「何を入れたんでしたっけ?」
璃奈「確か、色々買ってきて混ぜて…」
あなた「毒飲料でも作ってたのか君たち」
ミア「そんなにカリカリしないのさ、ベイビーちゃん。ボク、飲み物のボトルをたくさん見付けたよ。休憩して飲もう」
あなた「まあ、そうだね。ただの水でも労働の後は旨い」
彼方「そうだねー」
愛「確かに」
栞子「いただきます」
カシュ カシュ カシュ カシュ カシュ カシュ カシュ カシュ カシュ カシュ カシュ カシュ カシュ
ポチャ ポチャ ポチャ ポチャ ポチャ ポチャ ポチャ ポチャ ポチャ ポチャ ポチャ ポチャ ポチャ
180: 2021/02/23(火) 15:02:18.76 ID:XrhBMYeE
ぶっしゅあああああああああああああああああああ!!!!
あなた「ってなんだよこれ!?」
かすみ「すごい勢いで吹き出し…ってまさかメントスコーラ!?」
あなた「まだボトル残ってたのかよ!?」
果林「ど、どうするのよこれ!?」アタフタ
しずく「果林さん、暴れないでください! そこに水爆弾が!」
果林「あ」
ばっちゃああああああああああああん!!!
ドタドタ
理事長「何事!? ランジュ、なにがあったのかしら?」
ランジュ「色々爆発して…きぼぢわるい……べたべた…」
果林「目が…目がぁ…!」
あなた「なんでまだ残ってるんだよ、透明コーラとメントス仕掛けた水ボトル」
ランジュ「そんなの仕掛けたあなたが具体的な本数言わなかったからでしょ!」
あなた「5ダースから先は覚えてない!」
歩夢「もう! 全部破裂して滅茶苦茶じゃない!」
あなた「ごめん、まだ残ってるとは思わなかった」
理事長「あなた達は部室を掃除しにきたの? それとも散らかしにきたの?」ピキピキ
理事長「全員反省しなさーい!」
ひえええ!
あなた「ってなんだよこれ!?」
かすみ「すごい勢いで吹き出し…ってまさかメントスコーラ!?」
あなた「まだボトル残ってたのかよ!?」
果林「ど、どうするのよこれ!?」アタフタ
しずく「果林さん、暴れないでください! そこに水爆弾が!」
果林「あ」
ばっちゃああああああああああああん!!!
ドタドタ
理事長「何事!? ランジュ、なにがあったのかしら?」
ランジュ「色々爆発して…きぼぢわるい……べたべた…」
果林「目が…目がぁ…!」
あなた「なんでまだ残ってるんだよ、透明コーラとメントス仕掛けた水ボトル」
ランジュ「そんなの仕掛けたあなたが具体的な本数言わなかったからでしょ!」
あなた「5ダースから先は覚えてない!」
歩夢「もう! 全部破裂して滅茶苦茶じゃない!」
あなた「ごめん、まだ残ってるとは思わなかった」
理事長「あなた達は部室を掃除しにきたの? それとも散らかしにきたの?」ピキピキ
理事長「全員反省しなさーい!」
ひえええ!
181: 2021/02/23(火) 15:03:36.46 ID:XrhBMYeE
あなた「くそ、ファミパンおばさんめ。ホワイトボードマーカーで書きやがった」
璃奈「落ちない…」
せつ菜「久しぶりですね、額にバカって書かれるの」
かすみ「そういえば…スイカ割してた時でしたっけ?」
愛「そうそう、かすかすとせっつーと、愛さんと果林と部長で五人まとめて」
果林「あの時はなんで書かれたんだっけ?」
あなた「果林さんが理事長のベンツのサイドミラーを壊したからさ」
彼方「そりゃ怒られるね」
ランジュ「なんで学校でスイカ割してママのベンツのサイドミラー壊すのよ」
果林「違うのよ、みんなの誘導が出鱈目だったのよ」
かすみ「果林先輩が言ったとおりに行かないからですって」
『ゾ口りへの道も一歩からと思うお年頃』
璃奈「落ちない…」
せつ菜「久しぶりですね、額にバカって書かれるの」
かすみ「そういえば…スイカ割してた時でしたっけ?」
愛「そうそう、かすかすとせっつーと、愛さんと果林と部長で五人まとめて」
果林「あの時はなんで書かれたんだっけ?」
あなた「果林さんが理事長のベンツのサイドミラーを壊したからさ」
彼方「そりゃ怒られるね」
ランジュ「なんで学校でスイカ割してママのベンツのサイドミラー壊すのよ」
果林「違うのよ、みんなの誘導が出鱈目だったのよ」
かすみ「果林先輩が言ったとおりに行かないからですって」
『ゾ口りへの道も一歩からと思うお年頃』
182: 2021/02/23(火) 15:08:11.13 ID:XrhBMYeE
あなた(どうしても夜風に当たりたくなって、愛車を持ち出して夜の街を走る)
あなた(寒さもそうだが体力的にしんどいのもあってか、ここ数日は殆ど乗っていなかった。一年弱の間、色々な場所に付き合ってくれたこの相棒と離れ離れになる日も近いから、たまにはいい)
あなた(ちょっと休んでいくべきだろう、無理をしない程度に)
あなた(夜の学校も寂しいもんだな…ここからだと、学校がよく見える)
あなた(そうして止まった場所の事を思い出した――――――いつか、早朝に愛ちゃんを背中に乗せてツーリングした時の事。ここで、早朝の虹ヶ咲学園を二人で見た。そんな思い出も懐かしかった)
あなた「…あれ?」
愛「…部長さん?」
あなた(びっくりだった。もう夜の九時ぐらいだというのに)
あなた「こんな時間に…どうしたのさ?」
愛「部長さんこそ」
あなた「少し夜風に、当たりたくなって。歩夢ちゃんには怒られるけど、夜のツーリング」
愛「もー…」
あなた「たはは……」
愛「…しんどそうだよね、バイク乗るのも、体力いるし」
あなた「ああ。けど…、もうすぐ離れ離れになるからね。もう少しだけ、乗っておきたいんだ」
愛「そっか。大事にしてたもんね」
あなた「うん」
あなた「……愛ちゃん、もしかしてだけどさ」
あなた(寒さもそうだが体力的にしんどいのもあってか、ここ数日は殆ど乗っていなかった。一年弱の間、色々な場所に付き合ってくれたこの相棒と離れ離れになる日も近いから、たまにはいい)
あなた(ちょっと休んでいくべきだろう、無理をしない程度に)
あなた(夜の学校も寂しいもんだな…ここからだと、学校がよく見える)
あなた(そうして止まった場所の事を思い出した――――――いつか、早朝に愛ちゃんを背中に乗せてツーリングした時の事。ここで、早朝の虹ヶ咲学園を二人で見た。そんな思い出も懐かしかった)
あなた「…あれ?」
愛「…部長さん?」
あなた(びっくりだった。もう夜の九時ぐらいだというのに)
あなた「こんな時間に…どうしたのさ?」
愛「部長さんこそ」
あなた「少し夜風に、当たりたくなって。歩夢ちゃんには怒られるけど、夜のツーリング」
愛「もー…」
あなた「たはは……」
愛「…しんどそうだよね、バイク乗るのも、体力いるし」
あなた「ああ。けど…、もうすぐ離れ離れになるからね。もう少しだけ、乗っておきたいんだ」
愛「そっか。大事にしてたもんね」
あなた「うん」
あなた「……愛ちゃん、もしかしてだけどさ」
183: 2021/02/23(火) 15:09:32.86 ID:XrhBMYeE
あなた「ここにいたのって…私のこと、考えてた?」
あなた(図星のような顔をしていた。愛ちゃんは、本当に時折、すごく純粋になる時がある。その行動力の源はある意味純粋な心なのかも知れない)
愛「うん……」
あなた「そっか」
愛「今更…もういうのは、遅いけど………部長さんには、生きていて欲しかった。もっと…」
愛「愛さんも含めた…皆と一緒に、歩んでほしかった」
あなた「……そうだね。ある意味、皆の前から、途中でいなくなる事になるし…愛ちゃんにとっては、だよね」
あなた「生まれ変わっても、好きって言ってくれるなんて、問いかけてくるぐらいには、さ」
愛「……気づいてたの?」
あなた「うん…その日に」
あなた「だけど、それでも……これだけ譲れなかった。死んだあと、皆と同じ場所に行きたい」
あなた「一人で先に行くのは嫌だけど、皆がいつかやってくるのを待っていれば、寂しくない。だから」
あなた「それまで、輝いていたい……一緒に、行きたい。その日まで」
あなた「愛ちゃんといれて、楽しかった。残りの時間も、一緒に、笑っていきたい」
愛「……うん」
あなた「…もう遅いよ。送ってく、背中、乗りなよ。久しぶりに」
あなた「運転中は背中は見れないからね」
愛「……お願い」
あなた(ぼくが気付いたのはあの日だった。だけど、本当はそれより前から気づくべきだったのだろう。でも、それでも残りの時間を精一杯生きる事を決めたぼくに)
あなた(こういうほろ苦さも時には必要だ。だからもっと、大事にしなくちゃ、残りを)
あなた(背中ごしに聞こえる嗚咽と、その体温が、それを物語っている)
あなた(そうとも、きみにありがとうを告げるのはもう少し後伸ばしにして置きたいんだ)
『この世界に残した忘れ物』
あなた(図星のような顔をしていた。愛ちゃんは、本当に時折、すごく純粋になる時がある。その行動力の源はある意味純粋な心なのかも知れない)
愛「うん……」
あなた「そっか」
愛「今更…もういうのは、遅いけど………部長さんには、生きていて欲しかった。もっと…」
愛「愛さんも含めた…皆と一緒に、歩んでほしかった」
あなた「……そうだね。ある意味、皆の前から、途中でいなくなる事になるし…愛ちゃんにとっては、だよね」
あなた「生まれ変わっても、好きって言ってくれるなんて、問いかけてくるぐらいには、さ」
愛「……気づいてたの?」
あなた「うん…その日に」
あなた「だけど、それでも……これだけ譲れなかった。死んだあと、皆と同じ場所に行きたい」
あなた「一人で先に行くのは嫌だけど、皆がいつかやってくるのを待っていれば、寂しくない。だから」
あなた「それまで、輝いていたい……一緒に、行きたい。その日まで」
あなた「愛ちゃんといれて、楽しかった。残りの時間も、一緒に、笑っていきたい」
愛「……うん」
あなた「…もう遅いよ。送ってく、背中、乗りなよ。久しぶりに」
あなた「運転中は背中は見れないからね」
愛「……お願い」
あなた(ぼくが気付いたのはあの日だった。だけど、本当はそれより前から気づくべきだったのだろう。でも、それでも残りの時間を精一杯生きる事を決めたぼくに)
あなた(こういうほろ苦さも時には必要だ。だからもっと、大事にしなくちゃ、残りを)
あなた(背中ごしに聞こえる嗚咽と、その体温が、それを物語っている)
あなた(そうとも、きみにありがとうを告げるのはもう少し後伸ばしにして置きたいんだ)
『この世界に残した忘れ物』
184: 2021/02/23(火) 15:10:51.05 ID:XrhBMYeE
音ノ木坂学院 家庭科室
かのん「ぐぬぬぬ…〆はうどんだという事は世の理であって…」
栞子「ふぬぬぬ…〆は雑炊、お米こそ究極であるというμ’sの小泉花陽さんの名言が…」
あなた「あの二人に膝カックンでもすれば止まるか?」
千砂都「かもねー」
かすみ「ああー…」
あなた「かすみちゃん、千砂都ちゃん、GO!」
にこ「あんたが止めなさい」スパァン
あなた「いでっ」
あなた「そこの二人、その辺にしておくように。わしわしMAXスペシャルをしますよ」
海未「おや、どの辺がスペシャルなのです?」
あなた「ホック外しをしてからわしわしMAXするのさ」
かのん・栞子「「やめます!」」
にこ「あんた一年相手になんてことしようとしているのよ!」スパァン
あなた「あだっ!」
彼方「すでにランジュちゃんに一回してたね」
あなた「あれはご立派だった…いでぇっ! にこさん、何するのさ!?」
にこ「あんたは少し自重ってものを覚えなさい」
あなた「悪かったって…よし、下ごしらえはこんなもんかな」
かのん「ぐぬぬぬ…〆はうどんだという事は世の理であって…」
栞子「ふぬぬぬ…〆は雑炊、お米こそ究極であるというμ’sの小泉花陽さんの名言が…」
あなた「あの二人に膝カックンでもすれば止まるか?」
千砂都「かもねー」
かすみ「ああー…」
あなた「かすみちゃん、千砂都ちゃん、GO!」
にこ「あんたが止めなさい」スパァン
あなた「いでっ」
あなた「そこの二人、その辺にしておくように。わしわしMAXスペシャルをしますよ」
海未「おや、どの辺がスペシャルなのです?」
あなた「ホック外しをしてからわしわしMAXするのさ」
かのん・栞子「「やめます!」」
にこ「あんた一年相手になんてことしようとしているのよ!」スパァン
あなた「あだっ!」
彼方「すでにランジュちゃんに一回してたね」
あなた「あれはご立派だった…いでぇっ! にこさん、何するのさ!?」
にこ「あんたは少し自重ってものを覚えなさい」
あなた「悪かったって…よし、下ごしらえはこんなもんかな」
185: 2021/02/23(火) 15:12:30.16 ID:XrhBMYeE
千砂都「肉団子ー、肉団子ー、おいしいおいしい肉団子ー♪」
彼方「餃子も山ほど、海未ちゃん上手だね」
海未「これでばっちりです。味付けですが…本当にカレーで行くんですか?」
あなた「大丈夫だ、問題ない」
にこ「じゃ、運びましょ」
かすみ「はーい」
千砂都「お鍋通りまーす」
音ノ木坂学院 アイドル研究部部室
穂乃果「おお、待ってたよ~」
海未「穂乃果は鍋の方が大事なのですね…」
凛「らしいと言えばらしいにゃ」
花陽「ちょうどお米も炊き上がったよ!」
果林「どう見ても業務用サイズよね、その炊飯器…」
絵里「花陽なら日常よ」
あなた「真姫ちゃんとしずくちゃんと璃奈ちゃんとミアと可可ちゃんとすみれちゃんと恋ちゃんはなんであんな所で落ち込んでるのさ?」
ことり「部長さんが持ってきたボードゲームだよ…みんなまともにゴールできないんだって」
愛「そもそも普通にゴールできないよね、堕天使ヨハネの地獄生活ゲーム…前とマス変わってない?」
あなた「この前花丸ちゃんとルビィちゃんが新バージョンを作ったっていうから…まさか更に難易度上がってたのか、あれ」
彼方「餃子も山ほど、海未ちゃん上手だね」
海未「これでばっちりです。味付けですが…本当にカレーで行くんですか?」
あなた「大丈夫だ、問題ない」
にこ「じゃ、運びましょ」
かすみ「はーい」
千砂都「お鍋通りまーす」
音ノ木坂学院 アイドル研究部部室
穂乃果「おお、待ってたよ~」
海未「穂乃果は鍋の方が大事なのですね…」
凛「らしいと言えばらしいにゃ」
花陽「ちょうどお米も炊き上がったよ!」
果林「どう見ても業務用サイズよね、その炊飯器…」
絵里「花陽なら日常よ」
あなた「真姫ちゃんとしずくちゃんと璃奈ちゃんとミアと可可ちゃんとすみれちゃんと恋ちゃんはなんであんな所で落ち込んでるのさ?」
ことり「部長さんが持ってきたボードゲームだよ…みんなまともにゴールできないんだって」
愛「そもそも普通にゴールできないよね、堕天使ヨハネの地獄生活ゲーム…前とマス変わってない?」
あなた「この前花丸ちゃんとルビィちゃんが新バージョンを作ったっていうから…まさか更に難易度上がってたのか、あれ」
186: 2021/02/23(火) 15:14:09.71 ID:XrhBMYeE
善子『ちょっとずら丸とルビィ! 聞きたいことがあるんだけど!?』
千歌『うぅ~、うらやましいのだ、鍋』
曜『こっちも結構寒いよー』
ダイヤ『確かに。なのでこちらはこちらで焼肉をしながら、ですね』
希「うらやましいなぁ」
かすみ「こっちにもお鍋がありますよ、希先輩」
歩夢「合同ライブのミーティングがまさか鍋をつつきながらって…あなたらしいね」
あなた「思いついたからさ…えー、さて皆さん。そろそろドリンクの方を…」
歩夢「はい、あなたの分」
あなた「ありがと」
あなた「それでは、かんぱーい」ごくっ
あなた「うぉぇっ!? まっず!?」
歩夢「ほら、ランジュちゃん。私から渡せば疑われないんだって」
ランジュ「確かに…ぷくくっ…」
愛「部長さん大丈夫? さんぴん茶に色々混ぜた不味いお茶だってさ」
あなた「あー、口苦…くっそ、まさかランジュさんに悪戯されるとは」
エマ「あれだけ仕掛けておいて反撃されないって思ってたんだ…」
あなた「こいつはお仕置きが必要だ」
あなた「マルセイユ・ルーレット!」
千歌『うぅ~、うらやましいのだ、鍋』
曜『こっちも結構寒いよー』
ダイヤ『確かに。なのでこちらはこちらで焼肉をしながら、ですね』
希「うらやましいなぁ」
かすみ「こっちにもお鍋がありますよ、希先輩」
歩夢「合同ライブのミーティングがまさか鍋をつつきながらって…あなたらしいね」
あなた「思いついたからさ…えー、さて皆さん。そろそろドリンクの方を…」
歩夢「はい、あなたの分」
あなた「ありがと」
あなた「それでは、かんぱーい」ごくっ
あなた「うぉぇっ!? まっず!?」
歩夢「ほら、ランジュちゃん。私から渡せば疑われないんだって」
ランジュ「確かに…ぷくくっ…」
愛「部長さん大丈夫? さんぴん茶に色々混ぜた不味いお茶だってさ」
あなた「あー、口苦…くっそ、まさかランジュさんに悪戯されるとは」
エマ「あれだけ仕掛けておいて反撃されないって思ってたんだ…」
あなた「こいつはお仕置きが必要だ」
あなた「マルセイユ・ルーレット!」
187: 2021/02/23(火) 15:15:58.47 ID:XrhBMYeE
ランジュ「後ろに回り込まれ…えっ!? 更に回り込んだ!?」
あなた「そして、ホック外し」ぷちっ
ランジュ「ちょっ!?」
あなた「あーんど、わしわしMAX!」
ランジュ「いやぁっ!? やめっ、ぁっ…あんっ…」顔真っ赤
可可「こ、コレハ…ココニキマシタワー案件デス」
かすみ「うわぁ、えっろ」
善子『なんで上級生の胸揉み眺める事になるのよ』
千歌・曜・梨子『『『おおー…』』』
ダイヤ『情操教育に悪いので、にこさん。お願いしますわ』
にこ「殆ど直揉みだからやめなさい」べしっ
あなた「たっ」
歩夢(今、マルセイユ・ルーレットで一周したのは)
歩夢(普段は半周で回り込むのに、足がもつれて転びそうだったから、無理やりもう半周追加した)
あなた「えーと、とにかく場所は…」
あなた(転びそうになったのは誤魔化せただろうか。誰か気づいてるかも)
『神様、仏様、鍋奉行様』
あなた「そして、ホック外し」ぷちっ
ランジュ「ちょっ!?」
あなた「あーんど、わしわしMAX!」
ランジュ「いやぁっ!? やめっ、ぁっ…あんっ…」顔真っ赤
可可「こ、コレハ…ココニキマシタワー案件デス」
かすみ「うわぁ、えっろ」
善子『なんで上級生の胸揉み眺める事になるのよ』
千歌・曜・梨子『『『おおー…』』』
ダイヤ『情操教育に悪いので、にこさん。お願いしますわ』
にこ「殆ど直揉みだからやめなさい」べしっ
あなた「たっ」
歩夢(今、マルセイユ・ルーレットで一周したのは)
歩夢(普段は半周で回り込むのに、足がもつれて転びそうだったから、無理やりもう半周追加した)
あなた「えーと、とにかく場所は…」
あなた(転びそうになったのは誤魔化せただろうか。誰か気づいてるかも)
『神様、仏様、鍋奉行様』
188: 2021/02/23(火) 15:17:11.79 ID:XrhBMYeE
虹ヶ咲学園 中庭
彼方「いやぁ…最近はベンチも寒いね」
あなた「確かに」
かすみ「もう冬ですから…」
せつ菜「寒いと思うから寒いのであって、寒くないと思えば」
愛「そんなせっつーの首筋に指を入れてみようよ、かすかす」
かすみ「だからそんな頭すかすかなあだなじゃないですよー」ひょい
果林「ひゃあんっ!? 私の方にやらないでよ、かすみ!」
あなた「かすみちゃん、すっかり果林さんの扱い方を覚えてるなぁ」
かすみ「先輩を見習いましたから」
果林「そんな所を見習わないで頂戴…」
彼方「あっはっは、面白いのが見れればいいさー」
びゅう~
せつ菜「やはり寒いですね」
あなた「高速掌返し。いや、寒いけどさ」
あなた「あったかくなる方法でも考えようぜ」
愛「なにか名案ある?」
あなた「知性溢れる美貌の持ち主、果林さん。一つ名案を」
果林「あらあら、褒めても何も出ないわよ。幾ら事実とはいえ」
彼方「いやぁ…最近はベンチも寒いね」
あなた「確かに」
かすみ「もう冬ですから…」
せつ菜「寒いと思うから寒いのであって、寒くないと思えば」
愛「そんなせっつーの首筋に指を入れてみようよ、かすかす」
かすみ「だからそんな頭すかすかなあだなじゃないですよー」ひょい
果林「ひゃあんっ!? 私の方にやらないでよ、かすみ!」
あなた「かすみちゃん、すっかり果林さんの扱い方を覚えてるなぁ」
かすみ「先輩を見習いましたから」
果林「そんな所を見習わないで頂戴…」
彼方「あっはっは、面白いのが見れればいいさー」
びゅう~
せつ菜「やはり寒いですね」
あなた「高速掌返し。いや、寒いけどさ」
あなた「あったかくなる方法でも考えようぜ」
愛「なにか名案ある?」
あなた「知性溢れる美貌の持ち主、果林さん。一つ名案を」
果林「あらあら、褒めても何も出ないわよ。幾ら事実とはいえ」
189: 2021/02/23(火) 15:18:32.76 ID:XrhBMYeE
彼方・愛・せつ菜・かすみ「「「「…」」」」
果林「今自分でも滑ったってわかったわよ、もう」
あなた「なんかないかなー…」
右月「あ、いたいた」
左月「同好会の部長。あなた宛に大きな荷物が…」
あなた「大きな荷物ぅ? どれ?」
右月「そこのトラック一台分なんですけど」
あなた「」
左月「そんなに重くないみたいなんですけど、なんです?」
あなた「なんだっけ、これ……あ」
せつ菜「どうしたのです?」
あなた「思い出した、ランジュさんをピタゴラドミノ倒しでからかう為にヘビージャンボジェンガを買ったんだった」
彼方「なんでそんなの買ったのさ」
果林「とりあえず組み立ててみる?」
あなた「そうだなぁ。なにせこれ、一つのブロック自体がでかいし…」よいしょよいしょ
せつ菜「脚立借りてきますね」
愛「やっと出来たね…これ、高さ何メートル?」
あなた「1ブロックの高さが20センチって書いてある」
彼方「3.6メートルか。結構大きいね」
果林「今自分でも滑ったってわかったわよ、もう」
あなた「なんかないかなー…」
右月「あ、いたいた」
左月「同好会の部長。あなた宛に大きな荷物が…」
あなた「大きな荷物ぅ? どれ?」
右月「そこのトラック一台分なんですけど」
あなた「」
左月「そんなに重くないみたいなんですけど、なんです?」
あなた「なんだっけ、これ……あ」
せつ菜「どうしたのです?」
あなた「思い出した、ランジュさんをピタゴラドミノ倒しでからかう為にヘビージャンボジェンガを買ったんだった」
彼方「なんでそんなの買ったのさ」
果林「とりあえず組み立ててみる?」
あなた「そうだなぁ。なにせこれ、一つのブロック自体がでかいし…」よいしょよいしょ
せつ菜「脚立借りてきますね」
愛「やっと出来たね…これ、高さ何メートル?」
あなた「1ブロックの高さが20センチって書いてある」
彼方「3.6メートルか。結構大きいね」
190: 2021/02/23(火) 15:19:12.34 ID:XrhBMYeE
かすみ「とりあえず遊んでみます?」
あなた「そうだな、やるか。暇だし」
果林「そうね。まずは部長からよ」
あなた「まあ、上から取っていくのが楽だよな」こんこん
あなた「木製じゃなくて良かったよ。見かけほど重くない」よいしょっと
あなた「どうよ?」
かすみ「でも真ん中を取らないあたり悪意がありますよ、先輩」こんこん
かすみ「こうして重ねて…セーフ」
せつ菜「むむっ、やりますね! しかし思ったより軽いですね…飛びそうです」
あなた「重いと危ないからじゃない?」
果林「確かにね…あら、風強くなってきたわ」
愛「そうみたいだね。飛ぶと危ないかも」
あなた「しゃーない、片付けるか。寒…」
びゅううううううううううううううううううううううううううう!!!
ガラガラ
あなた「あ」
かすみ「と、飛んでった!」
せつ菜「これはいけません! あっ、飛んでったジェンガが!」
あなた「やっべ、理事長室に刺さった」
せつ菜「今日は外出の予定だったので中には誰もいない筈ですが」
あなた「それなら今のうちに隠しとくか。バレなきゃいい」
あなた「そうだな、やるか。暇だし」
果林「そうね。まずは部長からよ」
あなた「まあ、上から取っていくのが楽だよな」こんこん
あなた「木製じゃなくて良かったよ。見かけほど重くない」よいしょっと
あなた「どうよ?」
かすみ「でも真ん中を取らないあたり悪意がありますよ、先輩」こんこん
かすみ「こうして重ねて…セーフ」
せつ菜「むむっ、やりますね! しかし思ったより軽いですね…飛びそうです」
あなた「重いと危ないからじゃない?」
果林「確かにね…あら、風強くなってきたわ」
愛「そうみたいだね。飛ぶと危ないかも」
あなた「しゃーない、片付けるか。寒…」
びゅううううううううううううううううううううううううううう!!!
ガラガラ
あなた「あ」
かすみ「と、飛んでった!」
せつ菜「これはいけません! あっ、飛んでったジェンガが!」
あなた「やっべ、理事長室に刺さった」
せつ菜「今日は外出の予定だったので中には誰もいない筈ですが」
あなた「それなら今のうちに隠しとくか。バレなきゃいい」
191: 2021/02/23(火) 15:20:29.70 ID:XrhBMYeE
「今帰ってきたんだけど?」
せつ菜「」
あなた「出たぁ! 妖怪ファミパンおばさんだぁ!」
愛「逃げるよ~!」
かすみ「あ、ずるい! かすみんも逃げます!」
彼方「すたこらさっさだね」
果林「こんな時は逃げるが上策ね」
せつ菜「すみません、わざとじゃないんです!」
理事長「あ・な・た達って子は~!!!」憤怒
理事長「待ちなさい! あ、逃げない! もう怒ったわよ! 絶対に逃がさないわ!」
びゅうううう ゴイン
理事長「ぶべらっ!?」悶絶
スクールアイドル同好会部室
理事長「あの最終鬼畜ハツカネズミどこいった!? 出てこい部長!」鎧武者スタイル
栞子「雨風を止める方法を学ぶと音ノ木坂に行きました!」
『宇宙の法則が乱れても物理法則には逆らえない』
せつ菜「」
あなた「出たぁ! 妖怪ファミパンおばさんだぁ!」
愛「逃げるよ~!」
かすみ「あ、ずるい! かすみんも逃げます!」
彼方「すたこらさっさだね」
果林「こんな時は逃げるが上策ね」
せつ菜「すみません、わざとじゃないんです!」
理事長「あ・な・た達って子は~!!!」憤怒
理事長「待ちなさい! あ、逃げない! もう怒ったわよ! 絶対に逃がさないわ!」
びゅうううう ゴイン
理事長「ぶべらっ!?」悶絶
スクールアイドル同好会部室
理事長「あの最終鬼畜ハツカネズミどこいった!? 出てこい部長!」鎧武者スタイル
栞子「雨風を止める方法を学ぶと音ノ木坂に行きました!」
『宇宙の法則が乱れても物理法則には逆らえない』
192: 2021/02/23(火) 15:22:28.93 ID:XrhBMYeE
旅館 十千万前
美渡「いいバイクだな…ホントにいいの? 千歌に譲ってくれて」
あなた「長く苦楽を共にした相棒のようなものだから、なおさら千歌ちゃんに」
あなた(我が愛車との別れの日。ハンターカブCT125の新たな主は、Aqoursの千歌ちゃんに決まった)
千歌「大事にするよ」
あなた(千歌ちゃんはヘルメットを被りつつ、大きく頷く)
あなた「うん、そうしてくれると嬉しい。それに…忙しい時期にすいません、急に」
志満「あら、新しいお客さんはいつでも歓迎よ? はい、部屋の鍵」
あなた「ありがとうございます。じゃ、かのんちゃん。旅館の間取りはこれ。荷物を置いた後は千歌ちゃんの誘導で浦女に向かうように。鞠莉さんから使用許可は下りてるから、大丈夫だよ」
かのん「はい、わかりました」
千歌「完全にLiella!のマネージャーにもなってるのだ…」
美渡「いつ休んでるんだ、あの子…」
志満「あなたはどうするの?」
あなた「もう片方のバイクの引き渡し式に。あっちもきちんと送ってやらないと」
千歌「乗ってく?」
あなた「千歌ちゃんはまだ自動二輪取り立てだから二人乗りできないって。気持ちだけ受け取っとくよ」
志満「それに千歌、Liella!の子たちを浦女に案内しないと」
千歌「そうだね…じゃあ、後で学校でね!」
あなた「うん、後でね」
美渡「いいバイクだな…ホントにいいの? 千歌に譲ってくれて」
あなた「長く苦楽を共にした相棒のようなものだから、なおさら千歌ちゃんに」
あなた(我が愛車との別れの日。ハンターカブCT125の新たな主は、Aqoursの千歌ちゃんに決まった)
千歌「大事にするよ」
あなた(千歌ちゃんはヘルメットを被りつつ、大きく頷く)
あなた「うん、そうしてくれると嬉しい。それに…忙しい時期にすいません、急に」
志満「あら、新しいお客さんはいつでも歓迎よ? はい、部屋の鍵」
あなた「ありがとうございます。じゃ、かのんちゃん。旅館の間取りはこれ。荷物を置いた後は千歌ちゃんの誘導で浦女に向かうように。鞠莉さんから使用許可は下りてるから、大丈夫だよ」
かのん「はい、わかりました」
千歌「完全にLiella!のマネージャーにもなってるのだ…」
美渡「いつ休んでるんだ、あの子…」
志満「あなたはどうするの?」
あなた「もう片方のバイクの引き渡し式に。あっちもきちんと送ってやらないと」
千歌「乗ってく?」
あなた「千歌ちゃんはまだ自動二輪取り立てだから二人乗りできないって。気持ちだけ受け取っとくよ」
志満「それに千歌、Liella!の子たちを浦女に案内しないと」
千歌「そうだね…じゃあ、後で学校でね!」
あなた「うん、後でね」
193: 2021/02/23(火) 15:23:56.67 ID:XrhBMYeE
あなた(内浦の道をしばし歩いていると)
曜「おお、もう来てたんだね」
あなた「曜ちゃん。今さっきね。千歌ちゃんには、もう引き渡したんだ」
曜「そっか。それじゃ、今は?」
あなた「ルビィちゃん所に、これからね」
曜「なるほど…付き合ってもいいかな?」
あなた「もちろんさ」
あなた「うひゅう、寒い…パーカーの上にも何か着ればよかった」
曜「そのパーカー、気に入ってるの? ターコイズ、紫、ディープピンク、ライトブルーにグレーの五色迷彩柄って」
あなた「目立つから、お気に入り。ちょっと薄いけど」
曜「この前東京のホテルに来た時も着てたよね」
あなた「ああ、そういえばそうだったな」
曜「……何回、沼津に来てくれたかな」
あなた「覚えてないや。二桁だとは思うけど」
曜「内浦、好き?」
あなた「うん。いい街だよ。それに、皆も…どっか、あったかくて」
曜「忘れないでいてくれるかな。私たちも、あなたの事を忘れないよ」
あなた「ああ」
曜「おお、もう来てたんだね」
あなた「曜ちゃん。今さっきね。千歌ちゃんには、もう引き渡したんだ」
曜「そっか。それじゃ、今は?」
あなた「ルビィちゃん所に、これからね」
曜「なるほど…付き合ってもいいかな?」
あなた「もちろんさ」
あなた「うひゅう、寒い…パーカーの上にも何か着ればよかった」
曜「そのパーカー、気に入ってるの? ターコイズ、紫、ディープピンク、ライトブルーにグレーの五色迷彩柄って」
あなた「目立つから、お気に入り。ちょっと薄いけど」
曜「この前東京のホテルに来た時も着てたよね」
あなた「ああ、そういえばそうだったな」
曜「……何回、沼津に来てくれたかな」
あなた「覚えてないや。二桁だとは思うけど」
曜「内浦、好き?」
あなた「うん。いい街だよ。それに、皆も…どっか、あったかくて」
曜「忘れないでいてくれるかな。私たちも、あなたの事を忘れないよ」
あなた「ああ」
194: 2021/02/23(火) 15:25:40.17 ID:XrhBMYeE
あなた「また来るよ。必ず。沼津で、また会おう」
曜「私と約束してくれるかな?」
あなた「もちろん」
曜「………」
あなた(曜ちゃんが、歩く速度を落とした。いや、私が――遅いのか)
あなた(忘れないようにしよう、この道も、ここで結んだ絆も。その輝きも、楽園へと繋がる道なんだ)
あなた「ああ、着いた」
ダイヤ「いらっしゃい…あら、曜さんも」
曜「そこで会ったのであります」
花丸「と、いうことはLiella!の皆も到着したようずら」
善子「ふふふ、ライブでは少し遅れを取ったわ。今日はヨハネが勝利するとき…!」
あなた「合同ライブに向けての練習さ…さて」
あなた「おお、鞠莉さんしっかり届けてくれてる」
あなた(黒澤家の庭に鎮座する、クロスカブ50。サブバイクとして買った原付なので、実は乗った回数はさほど無い。それでも、この内浦には似合ってるように見えた)
あなた(こいつの新しい主は――――――意外にもルビィちゃんだ。私が留学から帰ってきたころに原付免許を取ったとの事だ)
あなた「ルビィちゃん、こいつをよろしく頼むよ。少し乗らないとすぐつむじを曲げる子でね」
ルビィ「うん…大丈夫」
あなた「元気でな、クロスカブよ。あ、これは二人乗り出来ないからちゃんと覚えとくように」
ダイヤ「免許を取る時に散々指導しましたから大丈夫ですわよ」
あなた「それは良かった」
曜「私と約束してくれるかな?」
あなた「もちろん」
曜「………」
あなた(曜ちゃんが、歩く速度を落とした。いや、私が――遅いのか)
あなた(忘れないようにしよう、この道も、ここで結んだ絆も。その輝きも、楽園へと繋がる道なんだ)
あなた「ああ、着いた」
ダイヤ「いらっしゃい…あら、曜さんも」
曜「そこで会ったのであります」
花丸「と、いうことはLiella!の皆も到着したようずら」
善子「ふふふ、ライブでは少し遅れを取ったわ。今日はヨハネが勝利するとき…!」
あなた「合同ライブに向けての練習さ…さて」
あなた「おお、鞠莉さんしっかり届けてくれてる」
あなた(黒澤家の庭に鎮座する、クロスカブ50。サブバイクとして買った原付なので、実は乗った回数はさほど無い。それでも、この内浦には似合ってるように見えた)
あなた(こいつの新しい主は――――――意外にもルビィちゃんだ。私が留学から帰ってきたころに原付免許を取ったとの事だ)
あなた「ルビィちゃん、こいつをよろしく頼むよ。少し乗らないとすぐつむじを曲げる子でね」
ルビィ「うん…大丈夫」
あなた「元気でな、クロスカブよ。あ、これは二人乗り出来ないからちゃんと覚えとくように」
ダイヤ「免許を取る時に散々指導しましたから大丈夫ですわよ」
あなた「それは良かった」
195: 2021/02/23(火) 15:27:02.48 ID:XrhBMYeE
ルビィ「え、えーと…がんばルビィ」
花丸「おお、ちゃんと走ってるずらよ!」
善子「速度には気をつけなさいよ」
あなた「なるほど、確かに見てたらひやひやか…歩夢ちゃんが嫌がってたの、解る気がする」
ダイヤ「そう言えば、歩夢さんはあなたにやめて欲しい事はサングラスとバイクと言ってましたわね」
あなた「そんな相談してたんだ?」
ダイヤ「特に二人乗りは、とも」
あなた「うへぇ……あ、でも冷静に考えれば歩夢ちゃんとランジュさんだけかな、背中に乗せてなかったの」
ダイヤ「ミアさんは?」
あなた「この前のトーナメントライブの時、寝坊しかけたらしいから拾ってきた」
ダイヤ「なるほど」
ダイヤ「さて、そろそろ浦女に行きましょう。Liella!の皆さんが待ってますわ」
あなた「そうだね。行こうか」
『よう、相棒。達者で、な』
花丸「おお、ちゃんと走ってるずらよ!」
善子「速度には気をつけなさいよ」
あなた「なるほど、確かに見てたらひやひやか…歩夢ちゃんが嫌がってたの、解る気がする」
ダイヤ「そう言えば、歩夢さんはあなたにやめて欲しい事はサングラスとバイクと言ってましたわね」
あなた「そんな相談してたんだ?」
ダイヤ「特に二人乗りは、とも」
あなた「うへぇ……あ、でも冷静に考えれば歩夢ちゃんとランジュさんだけかな、背中に乗せてなかったの」
ダイヤ「ミアさんは?」
あなた「この前のトーナメントライブの時、寝坊しかけたらしいから拾ってきた」
ダイヤ「なるほど」
ダイヤ「さて、そろそろ浦女に行きましょう。Liella!の皆さんが待ってますわ」
あなた「そうだね。行こうか」
『よう、相棒。達者で、な』
196: 2021/02/23(火) 15:28:44.28 ID:XrhBMYeE
浦の星女学院 体育館
あなた「すみれちゃん。無理に千砂都ちゃんに張り合わない」
すみれ「は、はいっ」
あなた「可可ちゃんはこのダンスの時に…っ!」
可可「はい、アノ…」
あなた「大丈夫…ちょっとむせそうになっただけさ」
あなた「まあ、時間もちょうどいいし、休憩しようか」
スタスタ
ガチャリ
あなた「…どこにしまったっけ」
あなた「ああ、あった…ウェストポーチか…」
あなた(留学から帰ってきてから、幾度となくかすみちゃんが使うのを目にしてきたが、いざ自分でやると怖い、だが)
あなた(内側からひび割れていくこの激痛も咳も、止めるにはこれしかない)
あなた「くぁっ…!」
あなた(注射は、痛いもの。誰だってそうだ)
あなた「ああっ……ハァッ…ハァッ……」
あなた(トイレの鏡に映る自分の顔が、元々白いのに更に白くなってる)
あなた(それでも、まだ動ける。動かなくては。そうだ、約束した。また沼津に来るって)
あなた(皆の合同ライブだって、見るんだ。だから)
あなた(動け…動け…)
あなた「すみれちゃん。無理に千砂都ちゃんに張り合わない」
すみれ「は、はいっ」
あなた「可可ちゃんはこのダンスの時に…っ!」
可可「はい、アノ…」
あなた「大丈夫…ちょっとむせそうになっただけさ」
あなた「まあ、時間もちょうどいいし、休憩しようか」
スタスタ
ガチャリ
あなた「…どこにしまったっけ」
あなた「ああ、あった…ウェストポーチか…」
あなた(留学から帰ってきてから、幾度となくかすみちゃんが使うのを目にしてきたが、いざ自分でやると怖い、だが)
あなた(内側からひび割れていくこの激痛も咳も、止めるにはこれしかない)
あなた「くぁっ…!」
あなた(注射は、痛いもの。誰だってそうだ)
あなた「ああっ……ハァッ…ハァッ……」
あなた(トイレの鏡に映る自分の顔が、元々白いのに更に白くなってる)
あなた(それでも、まだ動ける。動かなくては。そうだ、約束した。また沼津に来るって)
あなた(皆の合同ライブだって、見るんだ。だから)
あなた(動け…動け…)
197: 2021/02/23(火) 15:30:37.01 ID:XrhBMYeE
ガチャリ
あなた「…鞠莉さん」
鞠莉「ちょっと、コーヒーでも飲まない?」
あなた「休憩終わるまでぐらいなら」
鞠莉「ダイヤと果南がいるわ、大丈夫よ」
あなた「どうも、鞠莉さん。ごちそうになるよ」
あなた(浦女の理事長室は、どうにも鞠莉さんの趣味が優先されやすいというべきか)
あなた(虹ヶ咲のファミパンおばさんもといランジュのママは見習うべきである。それぐらい砕けた方が話しやすいのだ。鞠莉さんが普段からくだけてる人だというのは禁句である)
鞠莉「……大丈夫? 無理してない?」
あなた「平気平気」
鞠莉「さっきから腕さすってるわ。注射を使ったんでしょ?」
あなた「…うん。めっさ痛い。かすみちゃん、毎日どころか…あのライブの時も、三回ぐらいは使ってたんだ。一日に」
鞠莉「あなたは?」
あなた「一日何回とまではいかないさ、でも、いずれそうなるだろうと思う」
鞠莉「……」
あなた(コーヒーに口をつける。苦くて、美味しい)
あなた「かのんちゃんの家、喫茶店で。かのんちゃんはラテアートがすごく上手い」
鞠莉「それはいつか、飲んでみたいわ」
あなた「ああ、きっとかのんちゃんも喜ぶさ」
あなた「…鞠莉さん」
鞠莉「ちょっと、コーヒーでも飲まない?」
あなた「休憩終わるまでぐらいなら」
鞠莉「ダイヤと果南がいるわ、大丈夫よ」
あなた「どうも、鞠莉さん。ごちそうになるよ」
あなた(浦女の理事長室は、どうにも鞠莉さんの趣味が優先されやすいというべきか)
あなた(虹ヶ咲のファミパンおばさんもといランジュのママは見習うべきである。それぐらい砕けた方が話しやすいのだ。鞠莉さんが普段からくだけてる人だというのは禁句である)
鞠莉「……大丈夫? 無理してない?」
あなた「平気平気」
鞠莉「さっきから腕さすってるわ。注射を使ったんでしょ?」
あなた「…うん。めっさ痛い。かすみちゃん、毎日どころか…あのライブの時も、三回ぐらいは使ってたんだ。一日に」
鞠莉「あなたは?」
あなた「一日何回とまではいかないさ、でも、いずれそうなるだろうと思う」
鞠莉「……」
あなた(コーヒーに口をつける。苦くて、美味しい)
あなた「かのんちゃんの家、喫茶店で。かのんちゃんはラテアートがすごく上手い」
鞠莉「それはいつか、飲んでみたいわ」
あなた「ああ、きっとかのんちゃんも喜ぶさ」
198: 2021/02/23(火) 15:32:01.86 ID:XrhBMYeE
鞠莉「トーナメントライブの時もそうだったけど、あの子たちも、とても賑やかで、それで、輝いてるわね」
あなた「鞠莉さん達と一緒でね」
あなた「……鞠莉さん?」
あなた(ふと、鞠莉さんが手を伸ばしてきた。それが触れるのは、首元)
鞠莉「……同じ、赤い血が流れて、同じ鼓動を立てるのに。神様はどうしてこうも残酷なのかしら。神は乗り越えられる試練しか与えないんじゃ、無かったの…?」
あなた「……私が南方先生ほど、割り切れなかったからかも知れないね」
あなた(有名な医療マンガを思い出しながら、そう返した)
あなた「死という名のブレードランナーに追われるのは、誰だって一緒だよ。ブレードランナー達は誰もがライアン・ゴズリングみたいに意志に目覚めたわけじゃない。それから死ぬ時まで、逃げ続けるだけさ。ぼくらはレプリカントじゃないけど、それでも彼らはいつか追いつく」
あなた「それが、たまたま時間が早かっただけだって……昔は思ってた」
鞠莉「…もう」
鞠莉「サングラスをかけてる時のあなたの眼の方が、力強い感じがするのは、死を見ていなかったからかしらね…」
あなた「目をそらしていたのさ。でも、今は…そうじゃない。まだ、やる事があるんだ」
鞠莉「うん……」ぎゅっ
鞠莉「本当に…あなた……死んじゃうのね…」
あなた「鞠莉さん…」
あなた(鞠莉さんが両肩を掴んだと思った時、その両目から涙が溢れ出してるのに気づいた)
あなた(言葉を失う――――――それぐらいに美して、それぐらいに苦しい光景。でも、それが現実だ。今、ある事だ)
鞠莉「死んでほしくない…」
鞠莉「まだ、あなたと…一緒にいたい事…たくさんあるの」
鞠莉「私だけじゃない、果南もダイヤも…千歌たちもルビィたちもきっと…」
あなた「うん…また、ここで会おうよ」
あなた「必ず、ね」
あなた「鞠莉さん達と一緒でね」
あなた「……鞠莉さん?」
あなた(ふと、鞠莉さんが手を伸ばしてきた。それが触れるのは、首元)
鞠莉「……同じ、赤い血が流れて、同じ鼓動を立てるのに。神様はどうしてこうも残酷なのかしら。神は乗り越えられる試練しか与えないんじゃ、無かったの…?」
あなた「……私が南方先生ほど、割り切れなかったからかも知れないね」
あなた(有名な医療マンガを思い出しながら、そう返した)
あなた「死という名のブレードランナーに追われるのは、誰だって一緒だよ。ブレードランナー達は誰もがライアン・ゴズリングみたいに意志に目覚めたわけじゃない。それから死ぬ時まで、逃げ続けるだけさ。ぼくらはレプリカントじゃないけど、それでも彼らはいつか追いつく」
あなた「それが、たまたま時間が早かっただけだって……昔は思ってた」
鞠莉「…もう」
鞠莉「サングラスをかけてる時のあなたの眼の方が、力強い感じがするのは、死を見ていなかったからかしらね…」
あなた「目をそらしていたのさ。でも、今は…そうじゃない。まだ、やる事があるんだ」
鞠莉「うん……」ぎゅっ
鞠莉「本当に…あなた……死んじゃうのね…」
あなた「鞠莉さん…」
あなた(鞠莉さんが両肩を掴んだと思った時、その両目から涙が溢れ出してるのに気づいた)
あなた(言葉を失う――――――それぐらいに美して、それぐらいに苦しい光景。でも、それが現実だ。今、ある事だ)
鞠莉「死んでほしくない…」
鞠莉「まだ、あなたと…一緒にいたい事…たくさんあるの」
鞠莉「私だけじゃない、果南もダイヤも…千歌たちもルビィたちもきっと…」
あなた「うん…また、ここで会おうよ」
あなた「必ず、ね」
199: 2021/02/23(火) 15:33:44.13 ID:XrhBMYeE
あなた(鞠莉さんの力強い手が、そっとソファへと押し倒してきた)
あなた「鞠莉、さん…?」
あなた(顔が真っ赤になるのがわかる程、それぐらいだ。まさかとは思うけれど、こんな好意を自覚して、いや、ぼくには愛ちゃんがって愛ちゃんだって割り切ろうと必死になろうとしているのにいや待って待って待って)
鞠莉「……本当に…ごめんね……バカ、なんで死んじゃうの……」
あなた(これほどまでの絆を結んでいて、その絆が死という隔たりを経る事が、重たい事である事は、自覚していたつもりだ)
あなた(それでも、こうして泣く鞠莉さんを見ていると、やはり胸が苦しくなる)
あなた「……ギター、借りるね」
あなた(ほんの少しだけギターを鳴らす)
~♪ Missing/ELLEGARDEN
果南「鞠莉の趣味じゃないね」
ダイヤ「ええ…これは、きっと…あの人でしょうか」
かのん「……力強い、ですね」
可可「ケド、ドコカ」
善子「儚さを感じるわ。祈りを込めたような、いえ」
善子「あの人はいつも、祈りを込めていたのね。今が最期でありませんようにって」
あなた「曜ちゃんとも約束したんだ。また、沼津で会おうってさ」
鞠莉「……うん」
あなた「そのパーカー、お気に入りでね。次に来るときに、返して」
鞠莉「…いいの? お気に入り、なんでしょ」
あなた「お気に入り、だからだよ。だから鞠莉さんに預けるんだ」
『昨日のぼくに伝えたい事を未来のぼくは知っていた』
あなた「鞠莉、さん…?」
あなた(顔が真っ赤になるのがわかる程、それぐらいだ。まさかとは思うけれど、こんな好意を自覚して、いや、ぼくには愛ちゃんがって愛ちゃんだって割り切ろうと必死になろうとしているのにいや待って待って待って)
鞠莉「……本当に…ごめんね……バカ、なんで死んじゃうの……」
あなた(これほどまでの絆を結んでいて、その絆が死という隔たりを経る事が、重たい事である事は、自覚していたつもりだ)
あなた(それでも、こうして泣く鞠莉さんを見ていると、やはり胸が苦しくなる)
あなた「……ギター、借りるね」
あなた(ほんの少しだけギターを鳴らす)
~♪ Missing/ELLEGARDEN
果南「鞠莉の趣味じゃないね」
ダイヤ「ええ…これは、きっと…あの人でしょうか」
かのん「……力強い、ですね」
可可「ケド、ドコカ」
善子「儚さを感じるわ。祈りを込めたような、いえ」
善子「あの人はいつも、祈りを込めていたのね。今が最期でありませんようにって」
あなた「曜ちゃんとも約束したんだ。また、沼津で会おうってさ」
鞠莉「……うん」
あなた「そのパーカー、お気に入りでね。次に来るときに、返して」
鞠莉「…いいの? お気に入り、なんでしょ」
あなた「お気に入り、だからだよ。だから鞠莉さんに預けるんだ」
『昨日のぼくに伝えたい事を未来のぼくは知っていた』
200: 2021/02/23(火) 15:35:18.27 ID:XrhBMYeE
旅館 十千万前
可可「オオ…」
恋「星が、よく見えますね…」
梨子「皆、お茶のお代わりはいるかな?」
千砂都「いただきます!」
千歌「梨子ちゃん、千歌にも欲しいのだ」
かのん「オリオン座が見える、そんな季節なんだ…」
あなた「そうだな…あ、梨子ちゃん、お茶頼めるかな?」
梨子「はい」
あなた「ありがとう」
すみれ「銀河にある無数の星々に負けない輝きを、私たちも放てるでしょうか」
あなた「放てるさ」
あなた「銀河鉄道に乗ったら、その星をツアーで行ってやるぐらいにはね」
すみれ「またそんな事を…宮沢賢治が好きなのですか?」
あなた「うんにゃ、松本零士」
千歌「それだと最終的にネジの身体になるんじゃ……」
あなた「カムパネルラには見えないだろ」
梨子「まあ、ジョバンニにも見えないからね…でも星野鉄郎でもなさそう」
あなた「そりゃそうさ。星野鉄郎との共通点なんて、ラーメン好きぐらいだぜ」
可可「???」←なんのことかわかってない
千歌「可可ちゃん、あの子の領域にたどり着くのは難しいのだ」
可可「オオ…」
恋「星が、よく見えますね…」
梨子「皆、お茶のお代わりはいるかな?」
千砂都「いただきます!」
千歌「梨子ちゃん、千歌にも欲しいのだ」
かのん「オリオン座が見える、そんな季節なんだ…」
あなた「そうだな…あ、梨子ちゃん、お茶頼めるかな?」
梨子「はい」
あなた「ありがとう」
すみれ「銀河にある無数の星々に負けない輝きを、私たちも放てるでしょうか」
あなた「放てるさ」
あなた「銀河鉄道に乗ったら、その星をツアーで行ってやるぐらいにはね」
すみれ「またそんな事を…宮沢賢治が好きなのですか?」
あなた「うんにゃ、松本零士」
千歌「それだと最終的にネジの身体になるんじゃ……」
あなた「カムパネルラには見えないだろ」
梨子「まあ、ジョバンニにも見えないからね…でも星野鉄郎でもなさそう」
あなた「そりゃそうさ。星野鉄郎との共通点なんて、ラーメン好きぐらいだぜ」
可可「???」←なんのことかわかってない
千歌「可可ちゃん、あの子の領域にたどり着くのは難しいのだ」
201: 2021/02/23(火) 15:36:24.12 ID:XrhBMYeE
あなた「…っ」
あなた(Liella!の子たちの前では、弱さを見せたくない。トイレと称して席を外すか)
かのん「………」
あなた「ちょっとお手洗いに…」
かのん「あ、私も…」
スタスタ
かのん「…ありがとうございます。無理して、私たちの…」
あなた「無理じゃないさ…」
あなた(片手でポーチの注射器を探す)
かのん「かすみちゃんからも、聞きました。もう自己注射するぐらいだって」
あなた「!?」
かのん「後輩だからとか関係ないですよ…たまには、弱さを見せてもいい」
かのん「あなたが、明日を迎える事が、色んな人の願いなんですから…」
あなた「…ごめん、かのんちゃん。そんな事も…」
かのん「私だけじゃないです」
かのん「かすみちゃんも、せつ菜さんも、千歌さんも穂乃果さんも、理亞ちゃんだって…!」
あなた「……」
あなた(少しだけ、肩が重くなった。だけど、それでも)
あなた「ああ…そうだね」
あなた「でもまだ、大丈夫な筈さ」
かのん「それなら、いいですけど」
かのん「でも、もう…あなただけじゃ、ないんですよ」
かのん「私たちの希望も、背負ってるんですから」
あなた「ああ。見てみたいんだ。君たちの、先を」
『星に祈ったから』
あなた(Liella!の子たちの前では、弱さを見せたくない。トイレと称して席を外すか)
かのん「………」
あなた「ちょっとお手洗いに…」
かのん「あ、私も…」
スタスタ
かのん「…ありがとうございます。無理して、私たちの…」
あなた「無理じゃないさ…」
あなた(片手でポーチの注射器を探す)
かのん「かすみちゃんからも、聞きました。もう自己注射するぐらいだって」
あなた「!?」
かのん「後輩だからとか関係ないですよ…たまには、弱さを見せてもいい」
かのん「あなたが、明日を迎える事が、色んな人の願いなんですから…」
あなた「…ごめん、かのんちゃん。そんな事も…」
かのん「私だけじゃないです」
かのん「かすみちゃんも、せつ菜さんも、千歌さんも穂乃果さんも、理亞ちゃんだって…!」
あなた「……」
あなた(少しだけ、肩が重くなった。だけど、それでも)
あなた「ああ…そうだね」
あなた「でもまだ、大丈夫な筈さ」
かのん「それなら、いいですけど」
かのん「でも、もう…あなただけじゃ、ないんですよ」
かのん「私たちの希望も、背負ってるんですから」
あなた「ああ。見てみたいんだ。君たちの、先を」
『星に祈ったから』
202: 2021/02/23(火) 15:37:38.54 ID:XrhBMYeE
ミア「やあ」
あなた「おお、珍しいね」
ミア「君が入院したとお見舞いに来たんだけど、病室を抜け出してるとは思わなかった」
あなた「そういうものさ…」
~♪ ピアノ協奏曲第1番"蠍火"/virkato
璃奈「体調は、どう?」
あなた「悪くないよ」
璃奈「……Liella!の皆には言ってない、から」
あなた「それはありがたいな。あの子たちの合宿から帰った日に搬送は洒落にならん」
ミア「病棟入り口のピアノを弾く元気があれば充分だね」
あなた「そういうこと」
璃奈「でも、真姫ちゃん、カンカン」
あなた「え」
真姫「…あなたは自重というものを学びなさい」
あなた「ひええ…」
真姫「気持ちは分かるけど、休むときは休む! パパも怒ってるからね!」
『どうあがいても八方ふさがりもあり』
あなた「おお、珍しいね」
ミア「君が入院したとお見舞いに来たんだけど、病室を抜け出してるとは思わなかった」
あなた「そういうものさ…」
~♪ ピアノ協奏曲第1番"蠍火"/virkato
璃奈「体調は、どう?」
あなた「悪くないよ」
璃奈「……Liella!の皆には言ってない、から」
あなた「それはありがたいな。あの子たちの合宿から帰った日に搬送は洒落にならん」
ミア「病棟入り口のピアノを弾く元気があれば充分だね」
あなた「そういうこと」
璃奈「でも、真姫ちゃん、カンカン」
あなた「え」
真姫「…あなたは自重というものを学びなさい」
あなた「ひええ…」
真姫「気持ちは分かるけど、休むときは休む! パパも怒ってるからね!」
『どうあがいても八方ふさがりもあり』
203: 2021/02/23(火) 15:39:04.99 ID:XrhBMYeE
栞子「…おや、あそこにいるのは部長では?」
かすみ「だね」
しずく「あれ、誰か近づいて来てますけど」
璃奈「気になる」
ミア「?」
記者「すみません、そこの白髪で眼鏡の子、ちょっと取材いいですかー?」
あなた「んー? なんの取材? テレビ、ラジオ?」
記者「あ、ネットラジオの取材です。首都短波放送チャンネルの『深夜のテンションと賢者タイム』って…」
あなた「あー、聞いてます聞いてます…って前にもこのやり取りしたような」
記者「もしかしていつかのサングラスJC?」
あなた「JKだよ!?」
あなた「で、今日は何の取材?」
記者「それはもちろん、当番組金曜日のコーナー、名前のないファッションショー、今回は特別版として!」
あなた「ああ」
記者「深夜に地上波で十分番組が放送されるのですが、その為のモデルを探してました!」
あなた「なんだって!?」
記者「今回は冬ものという事で、ボリビア発ブランドがとうとう日本初上陸しまして、そちらとのコラボレーションなんですけど…」
あなた「そう言えば言ってたね。よしきた、どんなん?」
かすみ「先輩のヘンテコブランド好きは筋金入りか…」
しずく「個性的だものね」
かすみ「だね」
しずく「あれ、誰か近づいて来てますけど」
璃奈「気になる」
ミア「?」
記者「すみません、そこの白髪で眼鏡の子、ちょっと取材いいですかー?」
あなた「んー? なんの取材? テレビ、ラジオ?」
記者「あ、ネットラジオの取材です。首都短波放送チャンネルの『深夜のテンションと賢者タイム』って…」
あなた「あー、聞いてます聞いてます…って前にもこのやり取りしたような」
記者「もしかしていつかのサングラスJC?」
あなた「JKだよ!?」
あなた「で、今日は何の取材?」
記者「それはもちろん、当番組金曜日のコーナー、名前のないファッションショー、今回は特別版として!」
あなた「ああ」
記者「深夜に地上波で十分番組が放送されるのですが、その為のモデルを探してました!」
あなた「なんだって!?」
記者「今回は冬ものという事で、ボリビア発ブランドがとうとう日本初上陸しまして、そちらとのコラボレーションなんですけど…」
あなた「そう言えば言ってたね。よしきた、どんなん?」
かすみ「先輩のヘンテコブランド好きは筋金入りか…」
しずく「個性的だものね」
204: 2021/02/23(火) 15:40:17.87 ID:XrhBMYeE
あなた「かすみちゃん、しずくちゃん。聞こえてるからね。君らも巻き込まれるかい?」
かすみ・しずく「「ぎくぅ!」」
璃奈「乗った」
ミア「璃奈!?」
あなた「栞子ちゃんも逃げない。まとめてやろうぜ」
記者「おお、可愛らしい子がこんなに。先輩ですか?」
あなた「私の方が先輩なんだよ!」
スクールアイドル同好会 部室
果林「ネットラジオのファッションコーナーの出張版があるっていうから、昨日見てたら部長たちが映ってたのよ」
エマ「どんな感じだったの?」
果林「冬物って事らしいんだけど、みーんなポンチョ着てて可愛らしかったわ。あ、録画したんだけど…」
愛「どれどれ…おお…りなりーとミアはどれさ?」
果林「サイズが合わなかったみたいで完全にテントになってるわね」
せつ菜「最早寝具同然ですね。そこで彼方さんが毛布の代わりにしてるぐらいには」
愛「一枚だけ足りないのは部長?」
栞子「…はい。一人だけ気に入って見せびらかしに行こうとして、生徒会役員の双子に追い回されてました」
ランジュ「栞子も取り締まる側でしょうが」
栞子「菜々さんだって部室にいるからいいじゃないですか」
せつ菜「あなたが今は会長でしょうに」
『テンションを上げ過ぎてはいけない』
かすみ・しずく「「ぎくぅ!」」
璃奈「乗った」
ミア「璃奈!?」
あなた「栞子ちゃんも逃げない。まとめてやろうぜ」
記者「おお、可愛らしい子がこんなに。先輩ですか?」
あなた「私の方が先輩なんだよ!」
スクールアイドル同好会 部室
果林「ネットラジオのファッションコーナーの出張版があるっていうから、昨日見てたら部長たちが映ってたのよ」
エマ「どんな感じだったの?」
果林「冬物って事らしいんだけど、みーんなポンチョ着てて可愛らしかったわ。あ、録画したんだけど…」
愛「どれどれ…おお…りなりーとミアはどれさ?」
果林「サイズが合わなかったみたいで完全にテントになってるわね」
せつ菜「最早寝具同然ですね。そこで彼方さんが毛布の代わりにしてるぐらいには」
愛「一枚だけ足りないのは部長?」
栞子「…はい。一人だけ気に入って見せびらかしに行こうとして、生徒会役員の双子に追い回されてました」
ランジュ「栞子も取り締まる側でしょうが」
栞子「菜々さんだって部室にいるからいいじゃないですか」
せつ菜「あなたが今は会長でしょうに」
『テンションを上げ過ぎてはいけない』
205: 2021/02/23(火) 15:41:30.50 ID:XrhBMYeE
虹ヶ咲学園 中庭
果林「焼き芋が食べたくなってきたわね」
あなた「それは焼き芋ポンチョのせいかな、果林さん」
彼方「なんだかどっかで見た事のある流れだね」
あなた「まあ、気分は解るよ。やるか、焼き芋」
せつ菜「しかし直焚火はまずいのでは?」
かすみ「そうですよ、火事の心配もありますし」
あなた「確かに。別のでやるか」
愛「家庭科室行く?」
あなた「いや、外の方が趣あるしね。ちょっとワンゲル部の部室行ってくる。芋とかの用意よろしく」
果林「?」
栞子「栗、ですか?」
理事長「そうなのよ。落ち葉と一緒に栗の実だらけ。あの量よ、中庭も大変ね」
栞子「たしか渋い種類なんでしたっけ」
理事長「ええ。でも栗は栗だもの」
栞子「では、掃除をお願いしますか」
右月「私たちは便利屋か」
左月「上司に恵まれなかったら電話すればいいかな」
理事長「どこのCMよ」
果林「焼き芋が食べたくなってきたわね」
あなた「それは焼き芋ポンチョのせいかな、果林さん」
彼方「なんだかどっかで見た事のある流れだね」
あなた「まあ、気分は解るよ。やるか、焼き芋」
せつ菜「しかし直焚火はまずいのでは?」
かすみ「そうですよ、火事の心配もありますし」
あなた「確かに。別のでやるか」
愛「家庭科室行く?」
あなた「いや、外の方が趣あるしね。ちょっとワンゲル部の部室行ってくる。芋とかの用意よろしく」
果林「?」
栞子「栗、ですか?」
理事長「そうなのよ。落ち葉と一緒に栗の実だらけ。あの量よ、中庭も大変ね」
栞子「たしか渋い種類なんでしたっけ」
理事長「ええ。でも栗は栗だもの」
栞子「では、掃除をお願いしますか」
右月「私たちは便利屋か」
左月「上司に恵まれなかったら電話すればいいかな」
理事長「どこのCMよ」
206: 2021/02/23(火) 15:43:21.61 ID:XrhBMYeE
あなた「ワンゲル部から焚火台借りてきた」
果林「なにか部室棟で悲鳴があがってるんだけど」
あなた「え? ああ、透明コーラ&メントスのボトルの不発弾が元スクールアイドル部の部室に残ってたって栞子ちゃんから聞いてね」
かすみ「投げたんですね?」
あなた「投げてないさ。お礼に水のボトルとしてプレゼントしてきただけだよ」
せつ菜「余計にタチが悪かった!?」
あなた「あまったこのボトルも後で捨てないと」
果林「まだあったのね…」
あなた「ひと箱分見つかったからね。部室棟に結構置いてきたけど」
彼方「じゃがいももあるよー。あと、ベーコンやソーセージとかもある」
かすみ「ついでにコッペパンも焼きましょう。あと、ナスとかししとうとかトウモロコシも持ってきました」
あなた「すばらしい」
果林「彼方、そのアルミホイルのは?」
彼方「鮭だよ。せつ菜ちゃんが買ってきてくれた」
せつ菜「奮発しました」むんっ
あなた「……あ。燃料がない」
かすみ「落ち葉でも集めてきます?」
あなた「そうだなぁ」
果林「あら、見て。あそこで落ち葉を袋に詰めてるわよ」
果林「なにか部室棟で悲鳴があがってるんだけど」
あなた「え? ああ、透明コーラ&メントスのボトルの不発弾が元スクールアイドル部の部室に残ってたって栞子ちゃんから聞いてね」
かすみ「投げたんですね?」
あなた「投げてないさ。お礼に水のボトルとしてプレゼントしてきただけだよ」
せつ菜「余計にタチが悪かった!?」
あなた「あまったこのボトルも後で捨てないと」
果林「まだあったのね…」
あなた「ひと箱分見つかったからね。部室棟に結構置いてきたけど」
彼方「じゃがいももあるよー。あと、ベーコンやソーセージとかもある」
かすみ「ついでにコッペパンも焼きましょう。あと、ナスとかししとうとかトウモロコシも持ってきました」
あなた「すばらしい」
果林「彼方、そのアルミホイルのは?」
彼方「鮭だよ。せつ菜ちゃんが買ってきてくれた」
せつ菜「奮発しました」むんっ
あなた「……あ。燃料がない」
かすみ「落ち葉でも集めてきます?」
あなた「そうだなぁ」
果林「あら、見て。あそこで落ち葉を袋に詰めてるわよ」
207: 2021/02/23(火) 15:44:58.32 ID:XrhBMYeE
右月「あれ、同好会の皆さん方」
左月「どうしたんです?」
あなた「その落ち葉、捨てるんなら引き取るよ」
右月「まあ、仕事が減るので助かります」
左月「はい、よろしくお願いします」
愛「燃料が出来たねー」
彼方「いざ、点火」
あなた「おおっ、燃え始めたぞ」
理事長「こら、あなた達。何いきなり焚火なんか始めてるのよ」
かすみ「ちゃんとバケツも用意してますよー」
愛「消火器もばっちりです」
理事長「まったく…あら、鮭があるじゃない。これにはポン酒が必要ね!」
せつ菜「学校で理事長が飲酒しないでくださいよ…」
理事長「冗談、冗談よ」アハハ
果林「しかしよく燃えるわね」
あなた「落ち葉追加、と」
愛「火力が弱いかな」
あなた「燃料投下だ」
右月「え?! その落ち葉、焚火に使うんですか!?」
理事長「あら、二人もご相伴に預かりましょう。色々あるのよ?」
左月「それ、落ちてた栗が入ってるんですけど」
左月「どうしたんです?」
あなた「その落ち葉、捨てるんなら引き取るよ」
右月「まあ、仕事が減るので助かります」
左月「はい、よろしくお願いします」
愛「燃料が出来たねー」
彼方「いざ、点火」
あなた「おおっ、燃え始めたぞ」
理事長「こら、あなた達。何いきなり焚火なんか始めてるのよ」
かすみ「ちゃんとバケツも用意してますよー」
愛「消火器もばっちりです」
理事長「まったく…あら、鮭があるじゃない。これにはポン酒が必要ね!」
せつ菜「学校で理事長が飲酒しないでくださいよ…」
理事長「冗談、冗談よ」アハハ
果林「しかしよく燃えるわね」
あなた「落ち葉追加、と」
愛「火力が弱いかな」
あなた「燃料投下だ」
右月「え?! その落ち葉、焚火に使うんですか!?」
理事長「あら、二人もご相伴に預かりましょう。色々あるのよ?」
左月「それ、落ちてた栗が入ってるんですけど」
208: 2021/02/23(火) 15:46:43.28 ID:XrhBMYeE
愛「いっ!?」
あなた「ちょっ!? あ、こら愛ちゃんと果林さん! かすみちゃんまで逃げるな!」
彼方「悪いねぇ、流石に怖いんだ」
せつ菜「ほら、私達スクールアイドルですから」
あなた「とりあえず爆発する前に消すしかないだろ!」
理事長「そうだわ、この水をかけて少しでも」カシュ
かすみ「あれ、それって」
ぶっしゃあああああああああああああああああああああ!!!
理事長「あ・な・た・たち~!!!」ピキピキ
理事長「今度という今度は許さないわよ!」
栞子「その前に火を消しましょう、理事長」
理事長「あ、はい」
栞子「あと部長。またメントスコーラ使いましたね? 部室棟のあちこちで爆発が起こってますよ」
あなた「あ、そうか。箱で見つかったんだっけ…」
栞子「はい。流石にひと箱は洒落にならないですね」ニッコリ
栞子「全員で、掃除」ニッコリ
あなた「ちょっ!? あ、こら愛ちゃんと果林さん! かすみちゃんまで逃げるな!」
彼方「悪いねぇ、流石に怖いんだ」
せつ菜「ほら、私達スクールアイドルですから」
あなた「とりあえず爆発する前に消すしかないだろ!」
理事長「そうだわ、この水をかけて少しでも」カシュ
かすみ「あれ、それって」
ぶっしゃあああああああああああああああああああああ!!!
理事長「あ・な・た・たち~!!!」ピキピキ
理事長「今度という今度は許さないわよ!」
栞子「その前に火を消しましょう、理事長」
理事長「あ、はい」
栞子「あと部長。またメントスコーラ使いましたね? 部室棟のあちこちで爆発が起こってますよ」
あなた「あ、そうか。箱で見つかったんだっけ…」
栞子「はい。流石にひと箱は洒落にならないですね」ニッコリ
栞子「全員で、掃除」ニッコリ
209: 2021/02/23(火) 15:48:17.88 ID:XrhBMYeE
ミア「おお、サツマイモにピーナッツバター…いい」
璃奈「おすすめ」
ランジュ「本当にいいのかしら、残さないで」
しずく「遠慮せずに」
エマ「うん。たまにはね」
歩夢「そうそう…あ、鮭も焼けそう」
栞子「ありがとうございます、歩夢さん」
栞子「またどっかでメントスコーラが爆発しましたね…」
ランジュ「何本仕掛けてたのよ、あの部長…」
ミア「おっと、火が弱まってきたよ」
璃奈「そこの落ち葉を投下」
ランジュ「焼くものと言えば、あっちの方にたくさん落ちてた栗の実って食べられるのかしら?」
栞子「渋い種類だから無理だそうですよ」
しずく「それに、栗を直火で焼くときは大きく傷をつけないと爆発しますし」
ミア「なんか凄い音言い出したんだけど」
璃奈「なんか、イガイガ混じってる」
しずく「え」
『MK5(マジで栗が爆発する5秒前)』
璃奈「おすすめ」
ランジュ「本当にいいのかしら、残さないで」
しずく「遠慮せずに」
エマ「うん。たまにはね」
歩夢「そうそう…あ、鮭も焼けそう」
栞子「ありがとうございます、歩夢さん」
栞子「またどっかでメントスコーラが爆発しましたね…」
ランジュ「何本仕掛けてたのよ、あの部長…」
ミア「おっと、火が弱まってきたよ」
璃奈「そこの落ち葉を投下」
ランジュ「焼くものと言えば、あっちの方にたくさん落ちてた栗の実って食べられるのかしら?」
栞子「渋い種類だから無理だそうですよ」
しずく「それに、栗を直火で焼くときは大きく傷をつけないと爆発しますし」
ミア「なんか凄い音言い出したんだけど」
璃奈「なんか、イガイガ混じってる」
しずく「え」
『MK5(マジで栗が爆発する5秒前)』
210: 2021/02/23(火) 15:49:20.64 ID:XrhBMYeE
かすみ「今は、入っちゃダメです」
果林(俯いたかすみの言葉、そして部室から響くのはせき込む音)
果林(愛の顔がひどく心配そうで、今にも飛び出しそうだった。だが、かすみはそれを止める)
果林(それはかすみだけが知っている事だ。見られたくないのだ)
果林(きっと、かすみが部長にそれを見られたくなかったように、部長もまた誰かに見られたくなかったのだろう)
せつ菜「かすみさん……」
せつ菜「部長は…どうですか?」
かすみ「……」
かすみ「すいません、せつ菜先輩。かすみんには」
かすみ「何も言えません…何も…」
果林(しずくの顔が凍り付き、愛が崩れ落ちた事を覚えている)
果林(そうだ、かすみに余命のほとんどを譲ったようなもの。わかりきっていた事だ)
果林(刻一刻と忍び寄る死から、逃れられない。それが一番つらいのは部長だ)
果林(それでもどうして涙が溢れるのか、その理由は、彼女と結んだ絆のせいか)
『time』
果林(俯いたかすみの言葉、そして部室から響くのはせき込む音)
果林(愛の顔がひどく心配そうで、今にも飛び出しそうだった。だが、かすみはそれを止める)
果林(それはかすみだけが知っている事だ。見られたくないのだ)
果林(きっと、かすみが部長にそれを見られたくなかったように、部長もまた誰かに見られたくなかったのだろう)
せつ菜「かすみさん……」
せつ菜「部長は…どうですか?」
かすみ「……」
かすみ「すいません、せつ菜先輩。かすみんには」
かすみ「何も言えません…何も…」
果林(しずくの顔が凍り付き、愛が崩れ落ちた事を覚えている)
果林(そうだ、かすみに余命のほとんどを譲ったようなもの。わかりきっていた事だ)
果林(刻一刻と忍び寄る死から、逃れられない。それが一番つらいのは部長だ)
果林(それでもどうして涙が溢れるのか、その理由は、彼女と結んだ絆のせいか)
『time』
211: 2021/02/23(火) 15:51:09.35 ID:XrhBMYeE
あなた「えーと…味噌バターラーメン小盛で」
ラーメン屋店員「はいー。味噌バターラーメン小盛ですね」
あなた「凛ちゃん、明太ごはんはつけるべきだったかな?」
凛「かよちんはつけると思うね」
あなた「失敗した」
凛「大丈夫、高菜ごはんも美味しいよ。少し分けてあげる」
あなた「ありがとさん」
ガラガラ
ラーメン屋店員「いらっしゃいませー!」
雪穂「アルティメット激辛タンメンとチーズおかかごはん」
亜里沙「味噌バターコーンラーメンと明太子ごはんを」
ラーメン屋店員「はいー」
雪穂「隣、失礼。先輩」
あなた「ああ、うん」
あなた「…久しぶり」
雪穂「確かに」
あなた「……その様子だと、知ってるんだね」
雪穂「お姉ちゃんや、海未さんからも」
雪穂「……お姉ちゃん達も、時々、悲しんでる」
あなた「そっか……」
雪穂「でも…」
ラーメン屋店員「はいー。味噌バターラーメン小盛ですね」
あなた「凛ちゃん、明太ごはんはつけるべきだったかな?」
凛「かよちんはつけると思うね」
あなた「失敗した」
凛「大丈夫、高菜ごはんも美味しいよ。少し分けてあげる」
あなた「ありがとさん」
ガラガラ
ラーメン屋店員「いらっしゃいませー!」
雪穂「アルティメット激辛タンメンとチーズおかかごはん」
亜里沙「味噌バターコーンラーメンと明太子ごはんを」
ラーメン屋店員「はいー」
雪穂「隣、失礼。先輩」
あなた「ああ、うん」
あなた「…久しぶり」
雪穂「確かに」
あなた「……その様子だと、知ってるんだね」
雪穂「お姉ちゃんや、海未さんからも」
雪穂「……お姉ちゃん達も、時々、悲しんでる」
あなた「そっか……」
雪穂「でも…」
212: 2021/02/23(火) 15:53:00.28 ID:XrhBMYeE
雪穂「私も、辛い。だって……」
あなた「……わかるさ」
あなた「私を好きになってくれたこと、忘れない」
雪穂「永遠に、忘れてくれないなら満足だけど、どうです?」
あなた「心配いらない」
あなた「私の行き先は、楽園だ。そこでまた、会える。その時まで、覚えてる」
雪穂「…もう」
あなた(苦笑した雪穂ちゃんが、ぴとっと近づいて)
あなた(気が付けば、唇に押し当てられた人差し指)
雪穂「あなただけは、ひとりじめ」
亜里沙「…ハラショー」
あなた「雪穂ちゃん…」
雪穂「私を口説いた事も、あなたの思い出として連れてってよ。一緒に過ごした時間も」
あなた「幸せだった。嘘じゃない」
雪穂「もう…だから、あなたはずるいんだ」
あなた「ズルい女と呼べ」
雪穂「ばいばいありがとうさようならって言います?」
あなた「多分、その時が来たらね」
凛「……雪穂ちゃん」
雪穂「凛さん、からかわないで」
雪穂「この人、本当にかわいい人なんですから」
あなた「雪穂ちゃんに言われると恥ずかしくなるなぁ…年上をからかうなよ」
雪穂「とてもそうは見えないから余計にかわいいんですけどね」
『本当にズルいのは君の方』
あなた「……わかるさ」
あなた「私を好きになってくれたこと、忘れない」
雪穂「永遠に、忘れてくれないなら満足だけど、どうです?」
あなた「心配いらない」
あなた「私の行き先は、楽園だ。そこでまた、会える。その時まで、覚えてる」
雪穂「…もう」
あなた(苦笑した雪穂ちゃんが、ぴとっと近づいて)
あなた(気が付けば、唇に押し当てられた人差し指)
雪穂「あなただけは、ひとりじめ」
亜里沙「…ハラショー」
あなた「雪穂ちゃん…」
雪穂「私を口説いた事も、あなたの思い出として連れてってよ。一緒に過ごした時間も」
あなた「幸せだった。嘘じゃない」
雪穂「もう…だから、あなたはずるいんだ」
あなた「ズルい女と呼べ」
雪穂「ばいばいありがとうさようならって言います?」
あなた「多分、その時が来たらね」
凛「……雪穂ちゃん」
雪穂「凛さん、からかわないで」
雪穂「この人、本当にかわいい人なんですから」
あなた「雪穂ちゃんに言われると恥ずかしくなるなぁ…年上をからかうなよ」
雪穂「とてもそうは見えないから余計にかわいいんですけどね」
『本当にズルいのは君の方』
213: 2021/02/23(火) 15:54:29.44 ID:XrhBMYeE
あなた「おお、よく似合ってるよ、かすみちゃん」
かすみ「でへへ……」
あなた(エプロンがよく似合うかすみちゃんはいそいそとコーヒーを運んでくる)
かのん「ぐぬぬ……負けていられない」
かすむ「パンの焼き方も教えられますよー? チーズトーストは、喫茶店の基本メニュー!」
かのん「負けるか!」
あなた「ピザトーストをもらおう」
歩夢「ふふっ、ありがとう。私の好きなの、覚えてくれてたんだ?」
あなた「忘れないさ、歩夢ちゃんの事だしね」
かのん「ピザトースト、ベーコンとウィンナー選べますけど、どうします?」
歩夢「……さあ、どっち?」
あなた「思い出すぞ…そうだ、ベーコンだ。歩夢ちゃん、昔のおままごとで」
歩夢「うん! パンとベーコンをたくさん食べたいってのが、あなただったもんね」
あなた「トムソーヤーの冒険には程遠い年頃だったのさ」アハハ
歩夢「気が付けば十五少年漂流記も追い抜かしてるね」
かのん「その手の文学だと宝島とか好きですね」
かのん「先輩、本当に歩夢先輩の旦那さんみたいですね」
あなた「そうだよ。言わなかったっけ?」
かすみ「え!?」
あなた「……昔、おままごとして旦那になるっていう話をしたのさ。お陰でそれ以降、時々男性口調が抜けないんだ」
かすみ「でへへ……」
あなた(エプロンがよく似合うかすみちゃんはいそいそとコーヒーを運んでくる)
かのん「ぐぬぬ……負けていられない」
かすむ「パンの焼き方も教えられますよー? チーズトーストは、喫茶店の基本メニュー!」
かのん「負けるか!」
あなた「ピザトーストをもらおう」
歩夢「ふふっ、ありがとう。私の好きなの、覚えてくれてたんだ?」
あなた「忘れないさ、歩夢ちゃんの事だしね」
かのん「ピザトースト、ベーコンとウィンナー選べますけど、どうします?」
歩夢「……さあ、どっち?」
あなた「思い出すぞ…そうだ、ベーコンだ。歩夢ちゃん、昔のおままごとで」
歩夢「うん! パンとベーコンをたくさん食べたいってのが、あなただったもんね」
あなた「トムソーヤーの冒険には程遠い年頃だったのさ」アハハ
歩夢「気が付けば十五少年漂流記も追い抜かしてるね」
かのん「その手の文学だと宝島とか好きですね」
かのん「先輩、本当に歩夢先輩の旦那さんみたいですね」
あなた「そうだよ。言わなかったっけ?」
かすみ「え!?」
あなた「……昔、おままごとして旦那になるっていう話をしたのさ。お陰でそれ以降、時々男性口調が抜けないんだ」
214: 2021/02/23(火) 15:56:14.00 ID:XrhBMYeE
かすみ「意外な理由!?」
あなた「一人称ぼくでも不自然じゃないだろ?」
歩夢「それも覚えてるんだね」
あなた「そういうものさ。あの頃から歩夢ちゃんの身長に一度も勝てなかったからね」
歩夢「かわいい旦那さん」
あなた「よせやい、照れるぜ」
あなた「まだまだ私も捨てたもんじゃないぜ、女の子をデートに誘うか」
かのん「本当に暇さえあればナンパしだすのか…」
かすみ「先輩の筋金入りの悪癖だから…」
あなた「悪癖言うなっての。さてさて」
あなた「今日は気合を入れてこの前買ったばかりのパーカーだしな。決まってるぜ。惚れるなよ?」
歩夢「もう既に惚れてるようなものだからね」
かのん「歩夢先輩って…」
かすみ「先輩の事になると結構ボケボケになるから…」
あなた「さてさて」道をキョロキョロ
かすみ「営業の邪魔はしないでくださいよー」
あなた「あそこの小柄で歩き方が優雅な子にしよう。同い年ぐらいかなー?」
あなた「Hey、そこの素敵なお嬢さん。一緒にお茶でも…」
くるっ
あなた「一人称ぼくでも不自然じゃないだろ?」
歩夢「それも覚えてるんだね」
あなた「そういうものさ。あの頃から歩夢ちゃんの身長に一度も勝てなかったからね」
歩夢「かわいい旦那さん」
あなた「よせやい、照れるぜ」
あなた「まだまだ私も捨てたもんじゃないぜ、女の子をデートに誘うか」
かのん「本当に暇さえあればナンパしだすのか…」
かすみ「先輩の筋金入りの悪癖だから…」
あなた「悪癖言うなっての。さてさて」
あなた「今日は気合を入れてこの前買ったばかりのパーカーだしな。決まってるぜ。惚れるなよ?」
歩夢「もう既に惚れてるようなものだからね」
かのん「歩夢先輩って…」
かすみ「先輩の事になると結構ボケボケになるから…」
あなた「さてさて」道をキョロキョロ
かすみ「営業の邪魔はしないでくださいよー」
あなた「あそこの小柄で歩き方が優雅な子にしよう。同い年ぐらいかなー?」
あなた「Hey、そこの素敵なお嬢さん。一緒にお茶でも…」
くるっ
215: 2021/02/23(火) 15:57:20.69 ID:XrhBMYeE
花丸グランマ「おや、オラもなかなか捨てたもんじゃないかもねぇ」
あなた「」真っ白
あなた「…こちらのお店はカフェラテが美味しいですよ」
花丸グランマ「孫が好きそうだねぇ、ちょっと待って、孫を呼ぶから」
かすみ「先輩、驚異の爆死率…」
かのん「もはや様式美なんだね…」
花丸「おや、部長さんずら」
花丸グランマ「花丸、知り合いかい?」
花丸「虹ヶ咲学園のスクールアイドル同好会部長さんずら。おら達もとってもお世話になってる人」
歩夢「花丸ちゃんのおばあちゃんだったんだ。こんにちは」
かすみ「こんにちは」
かのん「あ、花丸ちゃん。こんにちは」
花丸「かすみちゃん…そっか、アルバイトできるぐらいに」
花丸「美味しかったずら…ごちそうさま」
あなた「お粗末様」
花丸グランマ「いいのかい、本当に支払ってもらって…」
あなた「レディに対する扱い方を心得ていますので」
かのん「でも先輩はレディじゃない気がする」
歩夢「あの子はそういう子だから」
『どんな時も前を向いて』
あなた「」真っ白
あなた「…こちらのお店はカフェラテが美味しいですよ」
花丸グランマ「孫が好きそうだねぇ、ちょっと待って、孫を呼ぶから」
かすみ「先輩、驚異の爆死率…」
かのん「もはや様式美なんだね…」
花丸「おや、部長さんずら」
花丸グランマ「花丸、知り合いかい?」
花丸「虹ヶ咲学園のスクールアイドル同好会部長さんずら。おら達もとってもお世話になってる人」
歩夢「花丸ちゃんのおばあちゃんだったんだ。こんにちは」
かすみ「こんにちは」
かのん「あ、花丸ちゃん。こんにちは」
花丸「かすみちゃん…そっか、アルバイトできるぐらいに」
花丸「美味しかったずら…ごちそうさま」
あなた「お粗末様」
花丸グランマ「いいのかい、本当に支払ってもらって…」
あなた「レディに対する扱い方を心得ていますので」
かのん「でも先輩はレディじゃない気がする」
歩夢「あの子はそういう子だから」
『どんな時も前を向いて』
216: 2021/02/23(火) 15:58:47.05 ID:XrhBMYeE
あなた「くぁっ…!」
あなた(増えていく、注射の回数。階段を上がる事すら、しんどい)
あなた「……この道、こんなに遠かったのか」
あなた(夕暮れの学校からゆりかもめの駅まで向かう道すらも、遠く感じる。その一歩一歩を、いつか踏めなくなる日が、近づいている)
あなた(でも、まだだ。まだ、やることがある)
あなた(曜ちゃんと約束した、また沼津で会おうって。それに)
あなた「対決なんかじゃない、皆のステージを…」
あなた(この目で、見るまでは。死ねな―――――――)
ドサッ
あなた(増えていく、注射の回数。階段を上がる事すら、しんどい)
あなた「……この道、こんなに遠かったのか」
あなた(夕暮れの学校からゆりかもめの駅まで向かう道すらも、遠く感じる。その一歩一歩を、いつか踏めなくなる日が、近づいている)
あなた(でも、まだだ。まだ、やることがある)
あなた(曜ちゃんと約束した、また沼津で会おうって。それに)
あなた「対決なんかじゃない、皆のステージを…」
あなた(この目で、見るまでは。死ねな―――――――)
ドサッ
217: 2021/02/23(火) 16:00:19.36 ID:XrhBMYeE
真姫「………なに…これ……」
あなた「……笑っちゃうだろ……これ、全部病巣なんだってさ…」
あなた(深夜になって目を覚ますと、医者が現状説明と、今日の検査結果を渡してくれた)
あなた(そして、入れ替わりで来た真姫ちゃんに、それを見せた時―――――――)
真姫「殆ど、動いてるのが奇跡よ…素人目でも解るわ」
あなた「めちゃくちゃ身体が重い。あと、もっそい眠い」
真姫「…今から、皆にはLINEで伝える。でも、絶対安静よ。抜け出したりしないように」
あなた「わかってる。ああ、でも」
真姫「かすみちゃんにもしっかり伝えるから、それは安心しなさい」
真姫「合同ライブ…」
あなた「大丈夫。その日まで生きてやる」
真姫「その日に死ぬのも勘弁願いたいわ。嬉しい日は、嬉しい日だけで終わらせたいもの」
あなた「…同感」
真姫「おやすみ」
朝 病室にて
あなた(……鮭粥、の筈だよな…)
あなた(鮭の味がしない…この前の手術で入院したときはこんなに美味しくないなんて事なかったのにな…オレンジジュース飲もう。こっちは市販の)
ちゅー
あなた「……笑っちゃうだろ……これ、全部病巣なんだってさ…」
あなた(深夜になって目を覚ますと、医者が現状説明と、今日の検査結果を渡してくれた)
あなた(そして、入れ替わりで来た真姫ちゃんに、それを見せた時―――――――)
真姫「殆ど、動いてるのが奇跡よ…素人目でも解るわ」
あなた「めちゃくちゃ身体が重い。あと、もっそい眠い」
真姫「…今から、皆にはLINEで伝える。でも、絶対安静よ。抜け出したりしないように」
あなた「わかってる。ああ、でも」
真姫「かすみちゃんにもしっかり伝えるから、それは安心しなさい」
真姫「合同ライブ…」
あなた「大丈夫。その日まで生きてやる」
真姫「その日に死ぬのも勘弁願いたいわ。嬉しい日は、嬉しい日だけで終わらせたいもの」
あなた「…同感」
真姫「おやすみ」
朝 病室にて
あなた(……鮭粥、の筈だよな…)
あなた(鮭の味がしない…この前の手術で入院したときはこんなに美味しくないなんて事なかったのにな…オレンジジュース飲もう。こっちは市販の)
ちゅー
218: 2021/02/23(火) 16:01:25.20 ID:XrhBMYeE
あなた「……え?」
あなた「嘘だろ…?」
ぼてっ
あなた「つ、漬物」ばりっ
あなた「厚揚げだって」もぐっ
あなた「…………」
あなた「……味覚から、死んでいくって本当なんだ……」
あなた「まだ、だよ…」
あなた「まだ…!」ブルブル
ガチャリ
真姫「……気分はど…」
あなた「あ……」ブルブル
あなた「ごめん……た、体調は、悪くないんだ。身体も、ちゃんと動くし」
真姫「…朝ごはん、どう?」
あなた「……」
真姫「そう…ねぇ」
真姫「体調落ち着いたら、退院出来るけど…どうする? 入院してても、いいのよ。それならすぐに処置できるし。パパも…」
あなた「いや……」
あなた「まだだ、真姫ちゃん…」
あなた「鞠莉さんにパーカー返してもらいに行かないと。曜ちゃんと沼津で会おうって約束したしね」
真姫「わかったわ、退院ね…でも、無茶はしないでね。沼津に行く時は鞠莉に今から行くって言うのよ」
あなた「ありがとう。落ち着いたらって言うなら、もう退院しちゃダメ?」
真姫「それは医者に聞きなさい。たぶんダメって言うわよ」
あなた「やっぱし?」
『幕間』
あなた「嘘だろ…?」
ぼてっ
あなた「つ、漬物」ばりっ
あなた「厚揚げだって」もぐっ
あなた「…………」
あなた「……味覚から、死んでいくって本当なんだ……」
あなた「まだ、だよ…」
あなた「まだ…!」ブルブル
ガチャリ
真姫「……気分はど…」
あなた「あ……」ブルブル
あなた「ごめん……た、体調は、悪くないんだ。身体も、ちゃんと動くし」
真姫「…朝ごはん、どう?」
あなた「……」
真姫「そう…ねぇ」
真姫「体調落ち着いたら、退院出来るけど…どうする? 入院してても、いいのよ。それならすぐに処置できるし。パパも…」
あなた「いや……」
あなた「まだだ、真姫ちゃん…」
あなた「鞠莉さんにパーカー返してもらいに行かないと。曜ちゃんと沼津で会おうって約束したしね」
真姫「わかったわ、退院ね…でも、無茶はしないでね。沼津に行く時は鞠莉に今から行くって言うのよ」
あなた「ありがとう。落ち着いたらって言うなら、もう退院しちゃダメ?」
真姫「それは医者に聞きなさい。たぶんダメって言うわよ」
あなた「やっぱし?」
『幕間』
219: 2021/02/23(火) 16:02:32.64 ID:XrhBMYeE
西木野総合病院 病室
あなた「やあ、ありがとう。ギター持ってきてくれて」
歩夢「こっちで、合ってるよね? 最近使ってる」
あなた「そうそう」
あなた(入院して既に五日目になろうとしていた。どうにも落ち着かないらしいので、歩夢ちゃんに頼んでギターを持ってきてもらったのだ)
あなた「個室の防音もばっちりだとさ。いやー、ありがたい」
歩夢「真姫ちゃんの配慮に感謝だね」
あなた「ああ。さて、と」
あなた「会場の利用についてはばっちり?」
歩夢「うん。栞子ちゃんが色々と手配してきてくれてる」
あなた「それは上々」
歩夢「また、沼津に行くって、約束したの? この前、曜ちゃんが教えてくれた」
あなた「うん」
歩夢「いつ頃にするの?」
あなた「ライブ前には一回顔を出さないといけないなぁ」
歩夢「じゃあ、それまでに退院しないとね」
あなた「ああ。そうだ、練習メニューの…」
歩夢「無茶禁止。せつ菜ちゃんも呆れてます」
あなた「うぐはっ」
あなた「……一年生の皆はどうかな」
歩夢「璃奈ちゃん、ギターをめきめき覚えてる。ミアちゃんのお陰で。そしたら」
あなた「そしたら?」
歩夢「かすみちゃんとしずくちゃんも楽器を覚えようかなって言ってて、なかなか面白いよ」
あなた「そりゃ楽しみだ。退院したらセッションだな」
『楽しみ』
あなた「やあ、ありがとう。ギター持ってきてくれて」
歩夢「こっちで、合ってるよね? 最近使ってる」
あなた「そうそう」
あなた(入院して既に五日目になろうとしていた。どうにも落ち着かないらしいので、歩夢ちゃんに頼んでギターを持ってきてもらったのだ)
あなた「個室の防音もばっちりだとさ。いやー、ありがたい」
歩夢「真姫ちゃんの配慮に感謝だね」
あなた「ああ。さて、と」
あなた「会場の利用についてはばっちり?」
歩夢「うん。栞子ちゃんが色々と手配してきてくれてる」
あなた「それは上々」
歩夢「また、沼津に行くって、約束したの? この前、曜ちゃんが教えてくれた」
あなた「うん」
歩夢「いつ頃にするの?」
あなた「ライブ前には一回顔を出さないといけないなぁ」
歩夢「じゃあ、それまでに退院しないとね」
あなた「ああ。そうだ、練習メニューの…」
歩夢「無茶禁止。せつ菜ちゃんも呆れてます」
あなた「うぐはっ」
あなた「……一年生の皆はどうかな」
歩夢「璃奈ちゃん、ギターをめきめき覚えてる。ミアちゃんのお陰で。そしたら」
あなた「そしたら?」
歩夢「かすみちゃんとしずくちゃんも楽器を覚えようかなって言ってて、なかなか面白いよ」
あなた「そりゃ楽しみだ。退院したらセッションだな」
『楽しみ』
220: 2021/02/23(火) 16:04:16.39 ID:XrhBMYeE
病室
あなた「遥ちゃんが転校する?」
彼方「うん、そうなんだ」
あなた(入院して八日目。持ち込んだノートパソコンで映画のフォレスト・ガンプを流していたら訪ねてきた彼方さんはそう告げた)
あなた「…そっか。彼方さんは」
彼方「彼方ちゃんは虹ヶ咲学園のままだけど。転校するのって、大変だから」
あなた「遥ちゃんも寂しいだろうね。転校するってのは」
あなた(遥ちゃんは、学校こそ違えど、そのステージを見た事もあったし、彼方ちゃんの事でお世話になりもした)
あなた(家庭の事情での転校なのだろう。もしかしたら、寮のある学校などに入るのかも知れない)
彼方「まあ、三学期からとはいえ、ね。だから、今日は挨拶に来たんだ」
あなた「遥ちゃんも?」
彼方「うん。遥ちゃん」
あなた(少しだけ緊張した。寂しい思いをしているだろう遥ちゃんに今の自分を見せるのが少し、辛い気がして――――――――)
遥「こ、こんにちは…」音ノ木坂制服
凛「やっほー」
花陽「お見舞いにおにぎりを持ってきたよ!」
あなた「あのー…彼方さん?」
彼方「うん」
あなた「まさかとは思うけど、遥ちゃんの転校先って」
あなた「遥ちゃんが転校する?」
彼方「うん、そうなんだ」
あなた(入院して八日目。持ち込んだノートパソコンで映画のフォレスト・ガンプを流していたら訪ねてきた彼方さんはそう告げた)
あなた「…そっか。彼方さんは」
彼方「彼方ちゃんは虹ヶ咲学園のままだけど。転校するのって、大変だから」
あなた「遥ちゃんも寂しいだろうね。転校するってのは」
あなた(遥ちゃんは、学校こそ違えど、そのステージを見た事もあったし、彼方ちゃんの事でお世話になりもした)
あなた(家庭の事情での転校なのだろう。もしかしたら、寮のある学校などに入るのかも知れない)
彼方「まあ、三学期からとはいえ、ね。だから、今日は挨拶に来たんだ」
あなた「遥ちゃんも?」
彼方「うん。遥ちゃん」
あなた(少しだけ緊張した。寂しい思いをしているだろう遥ちゃんに今の自分を見せるのが少し、辛い気がして――――――――)
遥「こ、こんにちは…」音ノ木坂制服
凛「やっほー」
花陽「お見舞いにおにぎりを持ってきたよ!」
あなた「あのー…彼方さん?」
彼方「うん」
あなた「まさかとは思うけど、遥ちゃんの転校先って」
221: 2021/02/23(火) 16:05:35.12 ID:XrhBMYeE
彼方「音ノ木坂学院だねぇ」
あなた「引っ越しとかそういうのは…」
彼方「しないしない。だって都内だもん。しかも国立の学校に特待生だからねー、彼方ちゃんは鼻が高い」ふふん
あなた「音ノ木坂の制服もすごい似合うぞ、遥ちゃん」
遥「ありがとうございます」
あなた「そっか、音ノ木坂も生徒増えてるんだな…スクールアイドルすげぇ」しみじみ
彼方「遥ちゃん以外にもスクールアイドルやってる子が音ノ木坂に転校してくるらしいね。ことりちゃんのお母さんはすごいよ」
あなた「確かに。あのことりちゃんのお母さんだからな」
ガチャリ
真姫「あなたは案外、そういう年上の人が好みなのかしらね?」
あなた「そうでもないぜ?」
真姫「かすみから聞いたわよ。かのんの喫茶店前でナンパした相手が花丸のおばあちゃんって話」
彼方「ぶふぉっ!?」
遥「ぐ、偶然なんですねぇ」
凛「ぷくくくっ……」プルプル
あなた「レディにはエスコートしたい年頃なんだよ、チクショー!」
『秘密はヒミツに』
あなた「引っ越しとかそういうのは…」
彼方「しないしない。だって都内だもん。しかも国立の学校に特待生だからねー、彼方ちゃんは鼻が高い」ふふん
あなた「音ノ木坂の制服もすごい似合うぞ、遥ちゃん」
遥「ありがとうございます」
あなた「そっか、音ノ木坂も生徒増えてるんだな…スクールアイドルすげぇ」しみじみ
彼方「遥ちゃん以外にもスクールアイドルやってる子が音ノ木坂に転校してくるらしいね。ことりちゃんのお母さんはすごいよ」
あなた「確かに。あのことりちゃんのお母さんだからな」
ガチャリ
真姫「あなたは案外、そういう年上の人が好みなのかしらね?」
あなた「そうでもないぜ?」
真姫「かすみから聞いたわよ。かのんの喫茶店前でナンパした相手が花丸のおばあちゃんって話」
彼方「ぶふぉっ!?」
遥「ぐ、偶然なんですねぇ」
凛「ぷくくくっ……」プルプル
あなた「レディにはエスコートしたい年頃なんだよ、チクショー!」
『秘密はヒミツに』
222: 2021/02/23(火) 16:07:01.29 ID:XrhBMYeE
西木野総合病院 屋上
真姫「合同ライブのプログラム、ありがとね。にこ達も納得してた」
あなた「それは良かった」
あなた(十日目から数えるのを忘れた。だから毎日のように、真姫ちゃんと話している気がする)
真姫「ライブまで後五日間。最後の大詰めになるわね」
あなた「ああ。皆うまく出来るといいけど」
真姫「そうね」
あなた「………やっぱり、退院はまだだってさ」
真姫「ここ数日、歩けるようにはなってるみたいだけど」
あなた「うん……」
真姫「あちこち手探りで移動してる時があるわね」
あなた「右目が、正直かなりやばい。左目も、時々色が吹き飛ぶ」
真姫「ライブ…見に行けそう?」
あなた「見たい」
真姫「そう答えると思った」
あなた「……一日だけ外出許可、ダメかなぁ?」
真姫「……そうね」
あなた「とは言うけれど、これ以上真姫ちゃんのパパに迷惑をかけられそうにないな」
真姫「前向きな話はあったわ」
あなた「どんな?」
真姫「合同ライブのプログラム、ありがとね。にこ達も納得してた」
あなた「それは良かった」
あなた(十日目から数えるのを忘れた。だから毎日のように、真姫ちゃんと話している気がする)
真姫「ライブまで後五日間。最後の大詰めになるわね」
あなた「ああ。皆うまく出来るといいけど」
真姫「そうね」
あなた「………やっぱり、退院はまだだってさ」
真姫「ここ数日、歩けるようにはなってるみたいだけど」
あなた「うん……」
真姫「あちこち手探りで移動してる時があるわね」
あなた「右目が、正直かなりやばい。左目も、時々色が吹き飛ぶ」
真姫「ライブ…見に行けそう?」
あなた「見たい」
真姫「そう答えると思った」
あなた「……一日だけ外出許可、ダメかなぁ?」
真姫「……そうね」
あなた「とは言うけれど、これ以上真姫ちゃんのパパに迷惑をかけられそうにないな」
真姫「前向きな話はあったわ」
あなた「どんな?」
223: 2021/02/23(火) 16:08:29.09 ID:XrhBMYeE
真姫「かすみの事よ。二回ぐらい再検査したの」
真姫「医療誌や論文に乗るレベルの出来事よ」
あなた「…なんだい?」
真姫「かすみの再検査の結果―――――――――――X型の死滅した細胞が確認できたそうよ」
あなた「死滅した細胞?」
真姫「つまり、病巣は消えた。あの子の身体から」
あなた「ホント!?」
真姫「ええ……本当。あなたが譲った命で…奇跡が起きたのよ…!」
あなた「やったぁ!」
あなた(泣きそうになるぐらい、嬉しいニュースだった。もうかすみちゃんに、あの苦しみが訪れる事は二度とないのだ。延命ではない、未来まで手に入れられた)
あなた(無駄じゃなかった。この痛みも、あの決断も。それがあれば、もう怖くはない)
がしっ
真姫「本当に…本当に奇跡よ……なんで」
あなた「うん」
真姫「あなたにも起きて欲しかった…!」
あなた(抱き着いた真姫ちゃんの言葉に、こう返すしかなかった)
あなた「やる事がまた一つ増えたな。検体でもするか」
真姫「もう……バカ。そこまでしなくたって」
あなた「絵里さんからも聞いたよ。必ず医者になって、私とかすみちゃんの為にこの病気なんとかするってさ」
あなた「ランジュさんの従妹に会ったらそう伝える事にする」
『奇跡が起こる事を教わった日』
真姫「医療誌や論文に乗るレベルの出来事よ」
あなた「…なんだい?」
真姫「かすみの再検査の結果―――――――――――X型の死滅した細胞が確認できたそうよ」
あなた「死滅した細胞?」
真姫「つまり、病巣は消えた。あの子の身体から」
あなた「ホント!?」
真姫「ええ……本当。あなたが譲った命で…奇跡が起きたのよ…!」
あなた「やったぁ!」
あなた(泣きそうになるぐらい、嬉しいニュースだった。もうかすみちゃんに、あの苦しみが訪れる事は二度とないのだ。延命ではない、未来まで手に入れられた)
あなた(無駄じゃなかった。この痛みも、あの決断も。それがあれば、もう怖くはない)
がしっ
真姫「本当に…本当に奇跡よ……なんで」
あなた「うん」
真姫「あなたにも起きて欲しかった…!」
あなた(抱き着いた真姫ちゃんの言葉に、こう返すしかなかった)
あなた「やる事がまた一つ増えたな。検体でもするか」
真姫「もう……バカ。そこまでしなくたって」
あなた「絵里さんからも聞いたよ。必ず医者になって、私とかすみちゃんの為にこの病気なんとかするってさ」
あなた「ランジュさんの従妹に会ったらそう伝える事にする」
『奇跡が起こる事を教わった日』
224: 2021/02/23(火) 16:09:29.33 ID:XrhBMYeE
早朝
あなた「……本当に、ありがとうございます」
真姫ちゃんパパ「六時間だ。十二時に」
真姫「ええ……六時間、よ」
あなた「ありがとう」
あなた(合同ライブを翌日に控えた金曜日の早朝。一時外出になった。だから、ギターだけ背負って向かったのは―――――――)
あなた(やっぱデカいな、虹ヶ咲学園)
あなた(白い息を吐きながら歩いていく。まだ殆ど人のいない学園。歪む視界。ふらつく足取り)
あなた(一歩一歩、休みながらでも、向かう先)
あなた「ああ……待ってろ、今、行くよ」
ガチャリ
あなた「…スマホ、起動、と…」
ウーウーウーウー
あなた「……本当に、ありがとうございます」
真姫ちゃんパパ「六時間だ。十二時に」
真姫「ええ……六時間、よ」
あなた「ありがとう」
あなた(合同ライブを翌日に控えた金曜日の早朝。一時外出になった。だから、ギターだけ背負って向かったのは―――――――)
あなた(やっぱデカいな、虹ヶ咲学園)
あなた(白い息を吐きながら歩いていく。まだ殆ど人のいない学園。歪む視界。ふらつく足取り)
あなた(一歩一歩、休みながらでも、向かう先)
あなた「ああ……待ってろ、今、行くよ」
ガチャリ
あなた「…スマホ、起動、と…」
ウーウーウーウー
225: 2021/02/23(火) 16:11:36.44 ID:XrhBMYeE
栞子「搬送時点ですでに……」
理事長「ええ……病院から連絡が来たわ。死亡が確認されたって」
理事長「通りがかった生徒が見た時にはもう、息も無かったそうよ」
栞子「そう、ですか…」
理事長「現場検証…もあったけど、事件性は無い事で、すぐに鍵も帰ってきたわ。だからもう、部室も使えるようになってる」
栞子「わかりました…失礼します」
ガチャリ
栞子(理事長室を出ると、他の皆が待っていたように視線を向けてきた)
栞子「亡くなった、と」
栞子(まずしずくさんと、エマさんが堰を切ったように泣き出して、他の人たちからも。涙をこらえる声が響いた)
栞子「部室は……もう使えるそうです。事件性は、ないと警察もすぐに帰ったとかで…」
歩夢「そっか…部室に、行こう」
ぞろぞろ
せつ菜「一時外出許可、だったのですね…真姫さんからも連絡が来てます」
せつ菜「おや、千歌さんからですね…『部室のパソコンを開いた方がいい、動画が着てる』…?」
愛「動画…?」
彼方「…まさか」
ドタドタ
理事長「ええ……病院から連絡が来たわ。死亡が確認されたって」
理事長「通りがかった生徒が見た時にはもう、息も無かったそうよ」
栞子「そう、ですか…」
理事長「現場検証…もあったけど、事件性は無い事で、すぐに鍵も帰ってきたわ。だからもう、部室も使えるようになってる」
栞子「わかりました…失礼します」
ガチャリ
栞子(理事長室を出ると、他の皆が待っていたように視線を向けてきた)
栞子「亡くなった、と」
栞子(まずしずくさんと、エマさんが堰を切ったように泣き出して、他の人たちからも。涙をこらえる声が響いた)
栞子「部室は……もう使えるそうです。事件性は、ないと警察もすぐに帰ったとかで…」
歩夢「そっか…部室に、行こう」
ぞろぞろ
せつ菜「一時外出許可、だったのですね…真姫さんからも連絡が来てます」
せつ菜「おや、千歌さんからですね…『部室のパソコンを開いた方がいい、動画が着てる』…?」
愛「動画…?」
彼方「…まさか」
ドタドタ
226: 2021/02/23(火) 16:13:57.56 ID:XrhBMYeE
スクールアイドル同好会 部室
ランジュ「ギター…残ってるのね」
かすみ「そっか、あの日拾ったギターを…最後まで…」
歩夢「えーと…あ、メールが届いてる」
歩夢(千歌ちゃんの言う通り、同好会のパソコンにメールが届いていた。動画ファイルが添付されている)
ピッ
あなた『やっほー……』
かすみ(しばらく見ないうちに、かなり青白くなった先輩の顔。力のない声。だけど、それでもその瞳だけは星のようだった)
あなた『合同ライブは明日だね? 皆、自信を持って。そして全力で! へへっ、大丈夫。いつも見てるよ』
あなた『……とは言うけれども、今こうしてギターを抱えながら動画撮るだけでもしんどいや』
しずく(せき込む先輩、そしてすぐに顔をカメラに戻した)
あなた『かすみちゃん、真姫ちゃんから聞いた。奇跡、起こったね』
かすみ「先輩…!」
あなた『きみにあの苦しみが訪れないことを思えば、もう怖くないんだ。あの日からずっと思ってた…あの苦しみは…ひどく、怖い…』
あなた『だけど、奇跡は起こった…それだけで充分だ』
あなた『げほっ、げほっ…!』びちゃびちゃ
あなた『うぇ……肺まで来てたか? まあ、それは、ともかく…』
ランジュ「ギター…残ってるのね」
かすみ「そっか、あの日拾ったギターを…最後まで…」
歩夢「えーと…あ、メールが届いてる」
歩夢(千歌ちゃんの言う通り、同好会のパソコンにメールが届いていた。動画ファイルが添付されている)
ピッ
あなた『やっほー……』
かすみ(しばらく見ないうちに、かなり青白くなった先輩の顔。力のない声。だけど、それでもその瞳だけは星のようだった)
あなた『合同ライブは明日だね? 皆、自信を持って。そして全力で! へへっ、大丈夫。いつも見てるよ』
あなた『……とは言うけれども、今こうしてギターを抱えながら動画撮るだけでもしんどいや』
しずく(せき込む先輩、そしてすぐに顔をカメラに戻した)
あなた『かすみちゃん、真姫ちゃんから聞いた。奇跡、起こったね』
かすみ「先輩…!」
あなた『きみにあの苦しみが訪れないことを思えば、もう怖くないんだ。あの日からずっと思ってた…あの苦しみは…ひどく、怖い…』
あなた『だけど、奇跡は起こった…それだけで充分だ』
あなた『げほっ、げほっ…!』びちゃびちゃ
あなた『うぇ……肺まで来てたか? まあ、それは、ともかく…』
227: 2021/02/23(火) 16:15:38.59 ID:XrhBMYeE
あなた『曜ちゃん、約束守れなくてごめん……沼津の方向を見ながらで、許して?』
あなた『鞠莉さんも……もうしばらく預かっといて………楽園に届けてくれればいいや』
しずく(先輩は、一人一人に告げていく。伝言も、挨拶も、お願いも)
あなた『真姫ちゃん、色々迷惑かけてごめんね。ありがとう…この時間を、穏やかな気持ちになれるのは…真姫ちゃんのお陰だ…』
あなた『ああ、そうだ……そんな風に、かすみちゃんの事で奇跡が起こったんだ…だから。ランジュさん。従妹ちゃんにはちゃんと、伝える。もう泣かないでいいってさ……』
あなた『歩夢ちゃん…色々、黙っててごめんね』
あなた『愛ちゃん……ありがとう、楽しかった……』
歩夢(大きくせき込み、鮮血が床に落ちていくのが見えた。今は拭き取られてしまっても、その場を思わず見てしまった)
あなた『飛べ、飛べ…ジョナサン・リヴィングストン…』
愛(部長は、あの日漏らしたあこがれを――――――いや)
あなた『”もう”飛べない、ぼくの代わりに…』
愛(空を飛べた。彼女は、空を飛べたんだ)
あなた『血果て…羽根尽きるまで……』
あなた『どこまでも、高く……誰よりも…早く…』
あなた『いつか……』
歩夢(スマホが床に落ちて、同時にその身体も膝をつくのが動画にかすかに映る)
あなた『楽園で会う…その日まで……』
あなた『…………』
ぶつっ
歩夢「………みんな」
歩夢「明日は…絶対成功させよう」
かすみ「先輩…」
歩夢「あの子は、私に言ったように。精一杯、生きたんだよ」
歩夢「残りの時間を、一生懸命、駆け抜けた。だから……」
歩夢「私たちも、精一杯を見せないと」
『彼女が羽根をたたんだら』
あなた『鞠莉さんも……もうしばらく預かっといて………楽園に届けてくれればいいや』
しずく(先輩は、一人一人に告げていく。伝言も、挨拶も、お願いも)
あなた『真姫ちゃん、色々迷惑かけてごめんね。ありがとう…この時間を、穏やかな気持ちになれるのは…真姫ちゃんのお陰だ…』
あなた『ああ、そうだ……そんな風に、かすみちゃんの事で奇跡が起こったんだ…だから。ランジュさん。従妹ちゃんにはちゃんと、伝える。もう泣かないでいいってさ……』
あなた『歩夢ちゃん…色々、黙っててごめんね』
あなた『愛ちゃん……ありがとう、楽しかった……』
歩夢(大きくせき込み、鮮血が床に落ちていくのが見えた。今は拭き取られてしまっても、その場を思わず見てしまった)
あなた『飛べ、飛べ…ジョナサン・リヴィングストン…』
愛(部長は、あの日漏らしたあこがれを――――――いや)
あなた『”もう”飛べない、ぼくの代わりに…』
愛(空を飛べた。彼女は、空を飛べたんだ)
あなた『血果て…羽根尽きるまで……』
あなた『どこまでも、高く……誰よりも…早く…』
あなた『いつか……』
歩夢(スマホが床に落ちて、同時にその身体も膝をつくのが動画にかすかに映る)
あなた『楽園で会う…その日まで……』
あなた『…………』
ぶつっ
歩夢「………みんな」
歩夢「明日は…絶対成功させよう」
かすみ「先輩…」
歩夢「あの子は、私に言ったように。精一杯、生きたんだよ」
歩夢「残りの時間を、一生懸命、駆け抜けた。だから……」
歩夢「私たちも、精一杯を見せないと」
『彼女が羽根をたたんだら』
228: 2021/02/23(火) 16:18:12.19 ID:XrhBMYeE
音ノ木坂学院 アイドル研究部 部室
新入生「私は、サポーターとして支えたくて入部を希望しました!」
新入生(他の同学年の新入部員たちの視線は変な顔だ。やっぱり不要か、と思いきや。部長と副部長は共に満面の笑みを浮かべて)
亜里沙「ハラショー!」
雪穂「一番必要なのは、そういう人よ」
雪穂「どんな風にサポートしたいかしら?」
新入生「と、トレーニングの仕方とか、メンタル面とか、楽曲面も…」
雪穂「ちょうど虎の巻があるのよ。伝説のサポーターが作り上げたものよ」
新入生「で、伝説のサポーター?」
亜里沙「うん。元は他の学校の生徒なんだけど、スクールアイドルが大好きな人だったの」
雪穂「はい、これ。過去のスクールアイドルたちについても書かれてるから、少し参考にするといいわ」
新入生「は、はい…わぁ」
別の新入生A「これは花陽先輩だぁ…」
別の新入生B「見て、朝香果林さんが載ってる! 虹ヶ咲学園に通ってる人だったんだ…」
新入生「えーと……『雪穂ちゃんについて衝撃の事実、穂乃果ちゃんの妹だった。そして雪穂ちゃんも私を女子中学生だと…』へ?」
新入生「私は、サポーターとして支えたくて入部を希望しました!」
新入生(他の同学年の新入部員たちの視線は変な顔だ。やっぱり不要か、と思いきや。部長と副部長は共に満面の笑みを浮かべて)
亜里沙「ハラショー!」
雪穂「一番必要なのは、そういう人よ」
雪穂「どんな風にサポートしたいかしら?」
新入生「と、トレーニングの仕方とか、メンタル面とか、楽曲面も…」
雪穂「ちょうど虎の巻があるのよ。伝説のサポーターが作り上げたものよ」
新入生「で、伝説のサポーター?」
亜里沙「うん。元は他の学校の生徒なんだけど、スクールアイドルが大好きな人だったの」
雪穂「はい、これ。過去のスクールアイドルたちについても書かれてるから、少し参考にするといいわ」
新入生「は、はい…わぁ」
別の新入生A「これは花陽先輩だぁ…」
別の新入生B「見て、朝香果林さんが載ってる! 虹ヶ咲学園に通ってる人だったんだ…」
新入生「えーと……『雪穂ちゃんについて衝撃の事実、穂乃果ちゃんの妹だった。そして雪穂ちゃんも私を女子中学生だと…』へ?」
229: 2021/02/23(火) 16:19:21.06 ID:XrhBMYeE
雪穂「!?」
亜里沙「半分、あの人の日記みたいなものだしね…」
新入生「コーラキャップにメントスをうまく仕掛ける方法とか書いてあるんですけど…」
雪穂「あんの最終鬼畜ハツカネズミ~! なんてものを残したのよ!」
亜里沙「いや、雪穂がもらってきたんじゃ…」
雪穂「まあ、そうなんだけど……」
新入生「雪穂先輩、この伝説のサポーターさんって、どんな人だったんです?」
雪穂「かわいい人よ。とてもね」
雪穂「ちょっとどころじゃない変わり者で、他の誰かを輝かせる為に頑張れるお人好しで」
雪穂「それでいて、寂しがりで意地っ張り…とてもかわいい、ずるい人よ」
雪穂「あなたみたいに、白い髪だったけど…ところで、なんで白髪なの?」
新入生「高校デビューで、ですね」
『いつだって覚えてる』
亜里沙「半分、あの人の日記みたいなものだしね…」
新入生「コーラキャップにメントスをうまく仕掛ける方法とか書いてあるんですけど…」
雪穂「あんの最終鬼畜ハツカネズミ~! なんてものを残したのよ!」
亜里沙「いや、雪穂がもらってきたんじゃ…」
雪穂「まあ、そうなんだけど……」
新入生「雪穂先輩、この伝説のサポーターさんって、どんな人だったんです?」
雪穂「かわいい人よ。とてもね」
雪穂「ちょっとどころじゃない変わり者で、他の誰かを輝かせる為に頑張れるお人好しで」
雪穂「それでいて、寂しがりで意地っ張り…とてもかわいい、ずるい人よ」
雪穂「あなたみたいに、白い髪だったけど…ところで、なんで白髪なの?」
新入生「高校デビューで、ですね」
『いつだって覚えてる』
230: 2021/02/23(火) 16:21:29.02 ID:XrhBMYeE
以上、おしまい。
支援や保守してくれた人、ありがとう
普段は別板で書いてるから1レス長めでごめんね
支援や保守してくれた人、ありがとう
普段は別板で書いてるから1レス長めでごめんね
231: 2021/02/23(火) 20:22:34.17 ID:1yVxuOq4
お疲れ様でした!引き込まれる書き方にドラマを観ているような感覚。思わず最後まで読むのが止まりませんでした!
引用元: https://nozomi.2ch.sc/test/read.cgi/lovelive/1613995036/