【SS】凛「あなたの背中を追いかけて」

りん SS


1: 2015/02/08(日) 19:30:38.62 ID:H+1Q+jBo.net
--------秋から冬へと、季節が移り変わる頃のある日


凛「今日は練習お休みだにゃー!」ノビーッ

花陽「ふふっ、凛ちゃん嬉しそう」クスクス

真姫「まぁ、最近練習続きだったからたまにはいいかもね」

凛「ねぇねぇ、どこに寄ってく?」

花陽「えっと…そ、それじゃあ…今年の新米を食べに、ご飯やさんに…」モジモジ

真姫「ちょっとー、この前ダイエットで苦労したのは誰?」

花陽「うっ…で、でも練習で消費すれば…」

真姫「でも、変な時間に食べて習慣になったら不味いでしょ」

凛「にゃー、真姫ちゃん海未ちゃんみたいだにゃー!」

真姫「べっ、別に…私は花陽のことを思って…」カミクルクル

2: 2015/02/08(日) 19:38:07.21 ID:H+1Q+jBo.net
花陽「えっ…」ドキッ

真姫「は、花陽は…目を離すと、すぐご飯食べたがるから…私が、傍に…」

凛「にゃんにゃんにゃ~…んっ?」

花陽「真姫ちゃん…いいの?私、ご飯のことになると周りが…」

真姫「だ、だから…ご飯じゃなくて、私のことを…」カミクルクル

凛「部室のカーテンが空いてる…」

花陽「でも、真姫ちゃんに迷惑を…」ジワッ

真姫「あぁもうっ!私がいいって言ってるの!だから花陽、これからは私があなたを…」

凛「誰か中に…あっ!」

3: 2015/02/08(日) 19:44:25.50 ID:H+1Q+jBo.net
花陽「ま、真姫ちゃんっ!」ガシッ

真姫「花陽っ!」ガシッ

凛「かよちん、真姫ちゃん!…って、何してるにゃ?」

花陽「ピャァッ?!り、凛ちゃんっ?」

真姫「ヴエェッ?!こ、これは…その…」

凛「まぁいいやっ!凛ね、用事思い出したから二人で帰ってね!それじゃあまた明日ー」ピュー

花陽「あっ、凛ちゃん!…行っちゃった」

真姫「そ、そうね…」カミクルクル

花陽「ねぇ、真姫ちゃん…これから、どうする?」

真姫「私は…花陽となら、どこでも…」

花陽「そっか…だったら、カラオケとか…どうかな?歌の練習、したいから…」

真姫「えぇ、分かったわ…それじゃあ、行きましょ///」スッ

花陽「うん…///」ギュ

4: 2015/02/08(日) 20:14:18.67 ID:H+1Q+jBo.net
--------アイドル研究部部室


凛「ほっのかちゃーんっ!!」バターンッ

穂乃果「うっひゃぁあっ?!」ビクーッ

凛「一人でこっそり、なーにしてるの~?」

穂乃果「ビックリしたー…あっ、凛ちゃんか」ホッ

凛「そうだよー、凛だよっ!にゃんにゃんにゃ~ん」ニャーン

穂乃果「あれ、花陽ちゃんと真姫ちゃんは?」

凛「先に帰ったよ!凛は部室に穂乃果ちゃんがいるのを見つけたから、戻ってきたにゃ!」

穂乃果「えっ、そうなの?折角の練習お休みなんだから、他に…」

凛「凛は穂乃果ちゃんと一緒にいたいのっ!」

穂乃果「凛ちゃん…うん、分かった!それじゃあ、今日は一緒にいよっか」

凛「やったー!ところで、ここで何してたの?」

穂乃果「あぁ、それはね…」チラッ

6: 2015/02/08(日) 20:47:43.95 ID:H+1Q+jBo.net
凛「んっ?ホワイトボードに何か…『僕今』『それ僕』『スノハレ』…これって」

穂乃果「そう、私たちの曲だよ!でね、次のライブのセットリストを考えていたんだ」

凛「へぇ~…でも、セトリはみんなで決めるってことになってなかった?」

穂乃果「でもさ、自分でやりたい曲とか考えるのって楽しくない?」

凛「確かに!じゃあじゃあ、凛も一緒に考えていい?」

穂乃果「もちろん!とりあえずやりたいって曲を書き出してたとこだから、一緒に書こっ!」

凛「分かったにゃっ!」

9: 2015/02/08(日) 21:06:16.98 ID:H+1Q+jBo.net




穂乃果「…で、書き出してみたはいいけど」

凛「こんなにやったら、凛たちがもたないにゃー」

穂乃果「曲が増えたのはいいけど…その分、昔の曲はやり辛くなるよね…」

凛「仕方ないよね…」

穂乃果「それじゃあ、曲を絞っていこっか」

凛「うん…」

穂乃果「うぅ~、これが結構辛いんだよねー」フキフキ

凛「真姫ちゃんごめんねー、今回はまじえんじぇーできないにゃ~」フキフキ

ほのりん「…あっ」

10: 2015/02/08(日) 21:37:41.08 ID:H+1Q+jBo.net
穂乃果「これも…だね」

凛「うん…」

『豆フェス2』

穂乃果「また、どこかでやりたいね…」

凛「うん…凛と穂乃果ちゃんの曲…だもんね」

穂乃果「(フキフキ)…さっ、これくらいでいいかな」

凛「…うん!ライブは2日あるから、ユニット曲とソロ、デュエット曲をそれぞれやればいいね」

穂乃果「そういえば、凛ちゃんも今回ソロなんだよね」

凛「う、うん…」ドキッ

穂乃果「ソロもいいよ~!みーんな自分の色のサイリウム振ってくれるから、すっごく感動するよ!」

凛「そうなん…だ」ドキドキ

穂乃果「よーし、それじゃあ曲順を決めよっか」

凛「うん…そうだね」

12: 2015/02/08(日) 22:33:11.41 ID:H+1Q+jBo.net




穂乃果「ふわ~…なんとか形にできたね~」ノビー

凛「疲れたにゃ~」ノビー

穂乃果「えへへ、結構1日目と2日目で変わったね」

凛「そうだね!でもみんなに色んな曲聞いてもらいたいから、しょうがないにゃ~」

穂乃果「今度の会議は、これを出そっか」

凛「うん!みんなに見せるの楽しみだにゃ~」

穂乃果「…あっ、今回は凛ちゃんのセンター曲があるね」ユビサシ『lwb』

凛「そうだね…でも、穂乃果ちゃんとのダブルセンターじゃ…」

穂乃果「あぁそれね、無しにして貰ったんだ!」

凛「えっ…」ドキッ

13: 2015/02/08(日) 22:35:11.84 ID:H+1Q+jBo.net
凛「ほ、穂乃果ちゃん…何で…」ドキ…ドキ

穂乃果「ほえっ?何でって、何が?」

凛「な、何で?穂乃果ちゃんセンターじゃないの?だってことりちゃん、穂乃果ちゃんのドレスも作るんだって張り切ってたし」ドキドキ

穂乃果「あ~…」

凛「それに…海未ちゃんとことりちゃんが、どっちが穂乃果ちゃんをエスコートするかで争ってたし…」ドキドキ

穂乃果「うん、そうなんだけど…やっぱり6人でやった曲だし、それを変えるのはなーって」

凛「でも…元々穂乃果ちゃんセンターで考えてた曲だし…」ドキドキ

穂乃果「でも、凛ちゃんセンターで成功したし」

凛「あ、あれは…μ'sメインじゃないし、会場も小さかったから…」ドキドキ

ダメ…暗くて苦い、ドロドロとした何かが…凛の中に…

14: 2015/02/08(日) 22:41:23.45 ID:H+1Q+jBo.net
穂乃果「う~ん…確かに会場の大きさは何倍も違うけど、μ'sメインの方がやり易いと思うけどな」

凛「だからこそ、9人でのステージが見たいと思うんだ!」ドキドキ

穂乃果「確かに出番が1曲減るのは残念だけど、凛ちゃんにもセンター経験してほしいし」

凛「り、凛はっ!穂乃果ちゃんにも歌って欲しいから!」ドキドキドキドキ

体中が、ドロドロで埋め尽くされていく…
とにかく、穂乃果ちゃんにも参加して貰わないと…

穂乃果「パート分けとかも変えないといけないし…」

凛「そ、そんなの凛が考える!みんなにも説明するからっ!」ドキドキドキドキ

心臓の鼓動がどんどん早くなる…お願い穂乃果ちゃん、凛を一人にしないで

穂乃果「う~ん、でもな~…」

凛「穂乃果ちゃんは、凛とセンターやりたくないの?」ドキドキドキドキ

思わず口調が強く…そんなつもり、ないのに…

16: 2015/02/08(日) 22:47:07.48 ID:H+1Q+jBo.net
穂乃果「そんなつもりは…ないけど…」

凛「じゃあ何で、何でなの?やろうよ!穂乃果ちゃんなら平気でしょ」ドキドキドキドキ

思考が停止して…思ったままの言葉を

穂乃果「んっ、平気?…どういうこと」

凛「そのまんまだよっ!いつもセンターやってるんだから、1曲増えたくらい問題ないでしょ!」ドキドキドキドキ

あぁ…凛、最低なこと言ってるかも…

穂乃果「凛ちゃん…何か、ヘンだよ」

凛「凛はヘンじゃないよ!ヘンなのは、センターやりたがらない穂乃果ちゃんだよっ!」ドキドキドキドキ

穂乃果「それは…う~ん…凛ちゃん、間違ってたらゴメンだけど…」

凛「な、何…」


穂乃果「もしかして…一人でセンターやるの、怖いの?」

18: 2015/02/08(日) 22:55:20.27 ID:H+1Q+jBo.net
凛「…っ!」ドキイィッ

穂乃果「私の勘違いなら、ゴメンね…何かさっきから凛ちゃん、そんな感じがして」

凛「あ、あはは…そんなわけ、ないでしょ…そんなこと」

穂乃果「そ、そっか…なら…いいけど…っ!」

凛「凛はただ…穂乃果ちゃんと…一緒に」

危なかった…上手く誤魔化せた、かな?

穂乃果「それじゃあさ…凛ちゃん…」

凛「んっ…何?」

一緒にやってくれる気になったかな

穂乃果「何で…泣いてるの?」

19: 2015/02/08(日) 23:02:07.59 ID:H+1Q+jBo.net
凛「えっ…嘘…」

穂乃果「嘘じゃないよ…自分の顔、触ってみて」

凛「うん…あれ、濡れてる…あれれ…おかしいな…」ポロポロ

もう、自分じゃ感情をコントロールできない…

穂乃果「凛ちゃん…やっぱり、そうなの?」

凛「あ、あう…うぅぅ…」ポロポロ

もう、自分でも訳が分からなくなって…

穂乃果「えっと…そうだ!凛ちゃん、えーいっ!」ガバッ

凛「ぐすっ…わっ?!」

えっ、視界が真っ暗に…でも…柔らかくて、あったかい

20: 2015/02/08(日) 23:07:39.24 ID:H+1Q+jBo.net
凛「えっ、えっ?…何?」アセアセ

穂乃果「凛ちゃん…大丈夫だから…」ナデナデ

頭が、あったかい…

穂乃果「凛ちゃんの不安や、怖いコト…ここで全部出しちゃお」ナデナデ

あっ…これ、穂乃果ちゃんが…
凛の不安、怖いコト…か

凛「穂乃果ちゃん…いいの?」

穂乃果「いいよ…凛ちゃんは、センターで不安だったんだよね」

凛「う、うん…」

穂乃果「だからね…私にも、分かると思うんだ」

穂乃果ちゃん…確かにそうかもしれない…
そうだね、全部言おう!言えば、このドロドロも…

21: 2015/02/08(日) 23:27:50.83 ID:H+1Q+jBo.net
凛「凛ね…『lwb』でセンターやったとき、すっごく嬉しかったんだ…」

穂乃果「うん」

凛「これで、少しでも穂乃果ちゃんに近づけたって思って…」

穂乃果「私に?」

凛「うん…μ'sに入った時から…ずっと、穂乃果ちゃんに憧れてたの…いつもみんなの先頭に立ってて、凛もああなりたいって」

穂乃果「そうなんだ…」

凛「だからね…6人だったけど、仮だったけどリーダーをやって…成功できて、嬉しかった…」

凛「次はμ'sのライブだって思ったとき…会場が、あの時より何倍も大きいって知って…怖くなったんだ」

穂乃果「えっ…」

凛「怖いって思ったら、どんどん悪い方に考えて…歌詞間違えたり、転んだらどうしようって思って…夢に見るようになって…」

凛「そしたら、ソロも不安になり出して…でもそんな不安は、練習すれば消えるって思ったんだけど…消えなくて」

凛「むしろ本番が近付くにつれて、不安はどんどん大きくなって…だけどそんなこと、誰にも言えるわけなくて…」

凛「だからこの前…『lwb』を穂乃果ちゃんもやるってなった時、凄く安心したんだ…良かった、凛は一人じゃないんだって」

穂乃果「凛ちゃん…」

22: 2015/02/08(日) 23:29:21.63 ID:H+1Q+jBo.net
凛「だけどさっき、凛がセンターだって言われて…不安でいっぱいになって、爆発して…穂乃果ちゃんにイヤなことを…」フルフル

穂乃果「そっか…ごめんね、凛ちゃんの気持ちに気付かなくて…」ナデ

凛「えっ…何で、穂乃果ちゃんが謝るの…」

穂乃果「一番センターのことを分かってるつもりだったけど…初めてやったときの不安を、私も忘れてたから…」ナデナデ

凛「穂乃果ちゃんも不安だったの?」

穂乃果「うん…怖かったよ…凛ちゃんみたいに、失敗したらどうしようとか色々考えた」

凛「…穂乃果ちゃんは、どうやって克服したの?」

穂乃果「それはね…私は一人じゃないって気付いたんだ…」

凛「えっ…」

23: 2015/02/08(日) 23:30:53.33 ID:H+1Q+jBo.net
穂乃果「私の後ろには、8人もいるんだ!μ'sは私だけじゃないって気付いたら、不安も怖さも吹っ飛んだんだ!」

凛「一人じゃ…ない」

穂乃果「そっ!だからね…凛ちゃんも、5人を信じて…ステージにいないけど、私たち3人も見守ってる」

凛「そっか…そう、だよね…そんな簡単なこと、何で気付かなかったんだろ」

穂乃果「でも、最初はそうやって考えちゃうよね…」

凛「だけど、穂乃果ちゃんのおかげで気付けたよ!これでセンターもソロも怖くないっ!」

穂乃果「そうだよ、その意気だよっ!」

いつの間にか、ドロドロは消えて…キラキラした希望で、体中が満たされていた

24: 2015/02/08(日) 23:33:38.53 ID:H+1Q+jBo.net
凛「うぅ~…テンション上がってきたにゃーっ!」

穂乃果「おっ、いつもの凛ちゃんに戻ったね!」

凛「えへへ、穂乃果ちゃんのおかげだねっ!」

穂乃果「そんなことないよ、克服したのは凛ちゃん自身なんだから」

凛「でも、穂乃果ちゃんも不安だったんだね」

穂乃果「不安だよー!いつもライブ前は、食べるパンの数減るし…」

凛「それは…いつも食べすぎなんだと思うにゃ」

穂乃果「そんなことないよー!」

凛「あ~あ…何か、ずっと不安になっててバカみたいだにゃ~」

穂乃果「くすっ、それが言えればもう大丈夫だよっ!」

25: 2015/02/08(日) 23:34:50.87 ID:H+1Q+jBo.net
凛「あっ、そういえば!セトリが抜けてるよ…」キュキュ

穂乃果「あれ、抜けなんてあった?」

凛「穂乃果ちゃんたち3人だけ、休もうなんて許さないにゃー」バンッ

穂乃果「えーっ…何々、『ススメ』…これって、私たち3人の!」

凛「そうだよ!6人でやる代わり、ちゃんとやってもらうからねっ!」

穂乃果「…うん、凛ちゃんたちが頑張ってるんだもん!私たちも、やるよ!」

凛「それじゃあ、凛たちのセトリはこれでけってーいっ!」

穂乃果「いえーいっ!」パチパチパチ

26: 2015/02/08(日) 23:39:23.54 ID:H+1Q+jBo.net
凛「スッキリしたし、明日からもっと練習頑張るにゃーっ!」

穂乃果「おっと、もうこんな時間だ!」

凛「ホントだ!あっ、ホワイトボード綺麗にしないと」

穂乃果「あー、そのままでいいんじゃないかな!明日皆に見て貰おっ!」

凛「それもそうだねっ!」

穂乃果「それじゃあ凛ちゃん、一緒に帰ろ」スッ

凛「うん!」ギュ

穂乃果「よーっし、ライブに向かってしゅぱーっつ!」

凛「おーっ!」

27: 2015/02/08(日) 23:40:13.25 ID:H+1Q+jBo.net
それから凛たちは一生懸命練習して、ライブは大成功!
ステージに上がれば、不安なんて感じる暇もなかったにゃ!

あの時穂乃果ちゃんと二人きりになって、不安を吐き出して本当に良かったよ

満員のお客さんの前に立ったステージ
いつも、穂乃果ちゃんの背中越しに見てた景色だけど…
センターに立って、誰よりも前で見たそれは、とても綺麗で忘れられないモノだった
また、見たいな!

今度は…穂乃果ちゃんと肩を並べて、一緒に

28: 2015/02/08(日) 23:44:05.52 ID:H+1Q+jBo.net
以上です。

5th2日目で「ススメ」「lwb」と続いたので、そこから2期5話を絡めて考えた話でした。

そしてさっき再放送の1期6話を見て、改めて穂乃果ちゃんはリーダーの器だと思いました。

29: 2015/02/08(日) 23:47:16.86 ID:Pxzw9NG2.net
マジ乙
凛ちゃんの繊細な感じが出ててよかった
いいもの見せてもらいましたで

引用元: http://nozomi.2ch.sc/test/read.cgi/lovelive/1423391438/

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