【SS】穂乃果「海未ちゃん、なんで頭に二個もポンデリング付けてるの?」

SS


1: 2015/02/04(水) 22:52:23.40 ID:ZuqQb2Cx.net
メモ

・書き溜めあり
・短編
・ネタ元は劇場版ラブライブ!宣伝ポスターをご参照ください

次より始めます

3: 2015/02/04(水) 22:53:47.72 ID:ZuqQb2Cx.net
穂乃果「おはようことりちゃーん」

ことり「おはよう穂乃果ちゃん!」

穂乃果「海未ちゃんまだきてないの?」

ことり「そうなの。一番最後なんて、珍しいよね」

穂乃果「きっと穂むらのお饅頭の夢見て寝過ごしちゃったんだよ!」

ことり「あはは、そうだったら凄いね」

海未「すみません二人共、遅くなりました」

穂乃果「あ、海未ちゃんおはよう! ……?」

ことり「大丈夫だよ、まだ時間は……海未ちゃん?」

海未「ちょっと髪がまとまらなくて。おはようございます」

穂乃果「あ、うん、おは……え?」

ことり「海未ちゃん、その頭、どうしたの?」

海未「ちょっと気分転換に髪型を変えてみようかと…………似合いませんか?」

ことり「似合うとかじゃなくて……えーっと、そのう……」

穂乃果「海未ちゃん、なんで頭に二個もポンデリング付けてるの?」

5: 2015/02/04(水) 22:57:36.91 ID:ZuqQb2Cx.net
希「…………で、結局海未ちゃんの頭のアレは何なん?」

穂乃果「そんなの私たちが聞きたいよ!」

絵里「あれって、その、ポンデリングよね?」

ことり「うん……海未ちゃんは新しい髪型だって言い張るんだけど」

希「横髪は御下げにしてるから、確かに新しい髪型ではあるんやろうけどね」

ことり「御下げだけならすっごい可愛いのに……」

絵里「頭の上のポンデリングに意識を全て持っていかれるわ」

希「アレどうやって固定してるんやろ」

ことり「自分の髪の毛を紐状にして固定してるみたいなの」

絵里「随分しっかりと固定してるのね、全くブレないわ」

穂乃果「あんな感じのポンデリングみたいな髪型って実際にもあるよね?」

ことり「三つ編みとか作って、それをくるっと回して、三つ編みで円を描いた形で固定するとできるよ」

絵里「でも海未のアレは完全にポンデリングよ?」

穂乃果「美味しそう」

希「なんであんなおかしなことしとるんやろ」

ことり「それなんだけどね」

希「うん?」

ことり「私たちの昨日の会話がちょっと気になってるんだけど―――――――――」

6: 2015/02/04(水) 23:02:44.78 ID:ZuqQb2Cx.net
―――


凛「ああーラーメンになりたいにゃー」

にこ「ラーメン食べたいって、ついさっきパンとか食べてたじゃないのよ」

絵里「凛は本当に食欲旺盛ね」

凛「違うよ! 食べたいんじゃなくて、なりたいの!」

ことり「なりたい?」

凛「ラーメンが好きすぎて、凛の体がラーメンになったらいいのになーって思ったの」

希「また面白いこと考えとるなあ」

真姫「馬鹿らしい、どんな発想よ」

花陽「わかるよ凛ちゃん!」

穂乃果「そうだよ私もその気持ちわかるよ!」

真姫「えっ」

9: 2015/02/04(水) 23:06:34.53 ID:ZuqQb2Cx.net
花陽「私もよく、お米粒の一つになって、炊飯器で炊かれて、ホカホカの白米の中に埋まりたいなあって考えるよ」

穂乃果「私は体が苺になったら、自分で自分の体を食べてそれが栄養になって、自給自足できるなあって思ってるよ」

絵里「本当、よくそんなユニークな考え方ができるわよねえ」

ことり「だけど、私は可愛い考えだと思うなあ。ねっ、海未ちゃん?」

海未「…………」

ことり「……? 海未ちゃあん」

海未「……今の私には……凛たちを嘲笑う資格など、ありはしないのです……」

ことり「海未ちゃん、どうしたの?」

にこ「なーに真剣な顔してるのよ、こんな馬鹿な話題で」

凛「馬鹿じゃないもん!」

花陽「好きなものを好きっていう気持ちはいけないことなのっ!?」

真姫「なんでそんな大袈裟な話になるのよ……」

海未「私、今日はお先に失礼します。それでは」

ことり「あっ……行っちゃった」

10: 2015/02/04(水) 23:12:43.64 ID:ZuqQb2Cx.net
希「変な様子やったなあ海未ちゃん」

真姫「凛たちを嘲笑うことができないって言ってたけど」

穂乃果「わかった! 海未ちゃんも私たちと同じで食べ物になりたいんだよ!」

にこ「そんなわけないでしょーが」

絵里「真面目で堅物な海未がそんなことを考えていたら、それはそれで可愛らしいけどね」

凛「海未ちゃんは何の食べ物になりたいのかな?」

穂乃果「決まってるよ! 海未ちゃんは穂むらのお饅頭になりたいんだよ!」

花陽「お饅頭の海未ちゃん……きっと可愛いです!」

海未「そしてきっと美味しいにゃー!」

真姫「なに言ってるのかわけわかんない」

ことり「海未ちゃん、大丈夫かなあ?」

15: 2015/02/04(水) 23:23:23.00 ID:ZuqQb2Cx.net
―――


ことり「――――――――っていう話をしてたの覚えてる?」

絵里「そういえばそんなことをみんなで話してたわね」

穂乃果「私は今でも苺になりたいって思ってるよ!」

希「穂乃果ちゃんはええとして、海未ちゃんも実は同じようなこと考えとったとか?」

絵里「だから昨日の海未の様子がおかしかった、ってことりは想像してるの?」

ことり「うーん……昨日の時点で、海未ちゃんの様子がおかしかったなあって思っただけなんだけど」

希「実際海未ちゃんの様子がおかしかったのは事実やったしなあ」

絵里「今の髪型と関係あるかは別にしても、昨日の話題にはそぐわない程の神妙な顔つきだったわよね」

穂乃果「っていうか今日の海未ちゃんの頭見れば絶対関係あるでしょ!」

ことり「海未ちゃんも穂乃果ちゃんたちみたいに、食べ物になりたいな、って思ってたのかなあ」

穂乃果「でも海未ちゃん酷いよ! なんで穂むらのお饅頭にならないの!?」

絵里「それは今は置いといて……」

希「しっかしあの海未ちゃんが、随分と突拍子もないこと考えたなあ」

16: 2015/02/04(水) 23:34:30.33 ID:ZuqQb2Cx.net
海未「みなさん、助けてください!」

希「あ、海未ちゃんこっちきた」

ことり「どうしたの?」

海未「凛が私の髪を毟ろうとするんです!」

絵里「むし……」

凛「海未ちゃん待つにゃー!」

海未「ひいっ!」

凛「そのポンデリング食べたいにゃー!」

海未「こ、これはポンデリングではなく私の髪型です!」

穂乃果「ああーずるい! 私も食べる!」

海未「ああっ、ここにも敵が……四面楚歌です!」

希「じゃあウチはわしわしで襲いかかるでえ」

凛「にゃー! 希ちゃんなんで凛にわしわしするのー!?」

絵里「もう無法地帯よ……」

17: 2015/02/04(水) 23:43:17.45 ID:ZuqQb2Cx.net
海未「はあ……大変な目に遭いました」

花陽「凛ちゃんたちは希ちゃんたちが抑えててくれてるからもう大丈夫だね」

海未「昨日の凛や穂乃果同様、好きな食べ物になりたいと言っていた花陽が理性的で助かりました」

花陽「食べ物はみんなのものだから、その人が持ってるものはその人のものだよ」

海未「素晴らしい心掛けですね。花陽の食に対する真摯な姿勢が垣間見れます」

真姫「その頭で真面目なこと言っても全く説得力ないんだけど……」

にこ「結局あんたの頭についてる二つの輪っかは何のつもりなの?」

海未「ちょっとした気分転換による髪型の変更ですが……」

真姫「なんでそんな言い方で誤魔化してるのよ」

花陽「海未ちゃんがそんなことするなんて、ビックリしたよ」

海未「この髪型、私には似合いませんか……?」

にこ「だから髪型どうこうの話じゃないでしょーが」

花陽「ううん、今の海未ちゃんとっても可愛いよ!」

真姫「花陽も変に話合わせないの!」

18: 2015/02/04(水) 23:50:35.88 ID:ZuqQb2Cx.net
にこ「で? いい加減頭のポンデリングのわけを話しなさいよ」

真姫「凛じゃないけど、海未の頭が気になって仕方がないわ」

海未「これは……」

花陽「何か、話したくない理由とかあるの?」

海未「わ、私のちょっとした冒険心による、新しい髪型の開拓と言いますか」

にこ「だーかーらー、もう誤魔化すんじゃないの!」

真姫「物事はハッキリ言いなさいって普段から海未も言ってるでしょ!」

海未「そ、それは」

穂乃果「そうだよ海未ちゃん!」

凛「頭にポンデリング付けてる理由教えてくれないと本当に食べちゃうよ!」

海未「ああ、二人が戻ってきました!」

絵里「大丈夫よ、もう海未を襲わないよう言っておいたから」

希「もし次に襲いかかったらウチがわしわしするでえ」

ことり「ねえ海未ちゃん、やっぱり私も気になるよ」

穂乃果「なんでポンデリング頭に乗っけてるの? 教えてよ!」

海未「…………」

19: 2015/02/04(水) 23:55:14.26 ID:ZuqQb2Cx.net
海未「わかりました……お答えします」

にこ「やーっと教える気になったのね、強情なんだから」

絵里「そう言わないの。教えてくれるって言ってるんだから」

海未「昨日、凛と穂乃果と花陽が話していたことを覚えていますか?」

凛「凛たちなにか言ってたっけ?」

ことり「好きな食べ物になりたいって話だよね」

花陽「私がお米で、凛ちゃんがラーメンで、穂乃果ちゃんは苺になりたいって言ってたよね」

海未「三人の話をみんなは馬鹿らしいと言っていましたが」

真姫「改めて聞いても馬鹿らしい話ね」

穂乃果「馬鹿らしくなんかないもん!」

希「幼稚ではあるかもしれへんけどなあ」

海未「私はそうした会話を聞きながら、自らを省みる必要があったのです」

ことり「それってもしかして……」

絵里「凛たちみたいに、そのものになってしまいたいと思う程に好きな物が、海未にもあったから?」

海未「…………はい、その通りです」

20: 2015/02/04(水) 23:57:42.82 ID:ZuqQb2Cx.net
ことり「海未ちゃんにとって、それがポンデリングだったんだね……」

真姫「海未がポンデリングを好きだなんて初めて聞いたわ」

希「誰にだって好きなものくらいあるやん」

にこ「それにしても、いくら好きだからって、現物を頭に乗っけるのは驚いたけど」

絵里「真面目な海未のことだから、素直に感情を表現しすぎた結果なのよね」

凛「そこまでやるのは凄いなあ」

花陽「好きなもののために身を張る精神、尊敬です!」

穂乃果「でもね、私は少しだけショックだよ」

ことり「穂乃果ちゃん? なんで?」

絵里「少しくらいハメを外すことくらい誰でもあるじゃない」

希「そんなところも可愛らしいやん」

穂乃果「違うよ、そうじゃないよ」

ことり「え?」

穂乃果「なんで…………なんで、穂むらのお饅頭じゃなくてポンデリングなの!?」

希「そこなん?」

22: 2015/02/05(木) 00:02:59.08 ID:wL41j+H2.net
穂乃果「海未ちゃん、一番好きな食べ物は穂むらのお饅頭だっていつも言ってたのに……」

絵里「ねえ、穂乃果? ちょっと、表情が本気なんだけど……」

穂乃果「それなのにポンデリングなんて! 酷いよ!」

ことり「穂乃果ちゃん、落ち着いて!」

花陽「そうだよ食べ物の好き嫌いにおける自由意思への外的圧力による干渉なんて不可能なんだよ!」

凛「なんだか食べ物の哲学みたいなこと言ってるにゃー」

穂乃果「許せない……穂むらのお饅頭を差し置いて、ポンデリングが好きだなんて……」

穂乃果「そんなに、そんなにポンデリングが好きなの……?」

穂乃果「穂むらのお饅頭よりも……頭に付けちゃうくらいに、ポンデリングが好きなのっ!?」

海未「そんなことないですよ?」

穂乃果「えっ?」

一同「えっ?」

23: 2015/02/05(木) 00:07:16.63 ID:wL41j+H2.net
海未「あの、途中から話の方向が逸れてしまっていましたけど……」

ことり「う、海未ちゃん、ポンデリングが好きすぎて、頭に乗っけてるんじゃないの?」

海未「はい、違います」

にこ「どういうことなの……」

希「でも海未ちゃんも、凛ちゃんたちみたいに、そのものになってしまいたい程好きなものがあるんやろ?」

海未「はい、その通りです」

花陽「それがポンデリングなんじゃ……」

海未「いえ、違うんです。まさかそんな、食べ物になってしまいたいだなんて、おかしな話じゃないですか」

凛「えっ」

穂乃果「えっ」

花陽「えっ」

真姫「なら海未がそこまで好きなものってなんなの?」

海未「ポンデライオンです」

真姫「え?」

海未「ですから、ポンデリング等の商品をモチーフに作られたキャラクターである、ポンデライオンが好きなんです」

25: 2015/02/05(木) 00:12:08.68 ID:wL41j+H2.net
一同「…………」

海未「みなさんはポンデライオンを知っていますか?」

絵里「そりゃあまあ、有名だし……」

海未「ならばわかるはずです! あの可愛らしいフォルムと表情からくる抜群の癒しを!」

ことり「癒し……」

海未「顔の周囲に丸みのあるドーナツの束がくっついているんですよ!? 愛おしくて堪りません!」

海未「顔自体も丸く、口周りも丸い、全てにおいて丸みを帯びた造形! 愛おしくて堪りません!」

凛「なに言ってるのわかんなくなってきたにゃ」

海未「あのポンデライオン、実は正式名は『ポン・デ・ライオン』という、フランス調の名前だということをご存じですか?」

穂乃果「ううん、知らない……」

海未「どう見ても癒し系ゆるキャラである風体にそぐわない御洒落を意識したネーミングですよ!」

海未「ギャップもまた愛おしくて堪りません……」

にこ「海未の目がどっかイってるんだけど」

海未「そしてポンデライオンには別商品をモチーフにした数多くの仲間たちがいますよね!」

花陽「そうなんだ……?」

海未「侮ってはなりません。なんと、それぞれのキャラクターには個別の名前が付いているのです!」

海未「例えばフレンチクルーラーをモデルにした『フレンチウーラー』、彼女は性別はメス設定でして――――――――」

真姫「誰か海未の話止めてくれない?」

希「この勢いは無理やろ」

26: 2015/02/05(木) 00:18:24.64 ID:wL41j+H2.net
海未「――――――――といった理由から、私は今やポンデライオンの虜なのです!」

にこ「…………あ、話終わった?」

海未「はい! 今まで内に秘めていたものを発散できたことで、とても清々しい気分です」

真姫「その代わり私たちに鬱憤が溜まったんだけど」

にこ「てゆーかなんかスッキリしない」

花陽「ええと、元々はなんの話だったっけ……」

ことり「つまり海未ちゃんは、ポンデライオンが好きすぎて、同じ格好をしたいと思ったの?」

海未「はい。言うなれば憧れの対象に自身を投影し、模倣しようと試みるコスプレイヤーの心境です」

希「コスプレとはちょっと違うんやない?」

海未「実際に顔の周囲を覆い隠す程の大きさのものに心当たりがなかったので、実物を頭に乗せることで代用しました」

絵里「それにしても、頭にポンデリング付けて学校にくるなんてね」

希「それ程までに愛情が募っていたってことなんやろね」

海未「正常な思考ではないとわかってはいたのですが……」

27: 2015/02/05(木) 00:24:04.20 ID:wL41j+H2.net
穂乃果「でも海未ちゃん凄いよ!」

海未「穂乃果……」

凛「そうだよ! 私は海未ちゃんの気持ちわかるよ!」

花陽「好きなものを自分の姿で表現したいって気持ち、私も同じだよ!」

穂乃果「私は苺は好きだけど、流石に苺の着ぐるみとか着て学校これないもん!」

真姫「当たり前でしょ」

希「そこまでいくと変質者やんな」

にこ「頭にポンデリングくっつけてくるのも相当アレだと思うんだけど」

花陽「海未ちゃんは、私たちが食べ物を愛する以上に、ポンデライオンを愛していたんだね」

凛「海未ちゃんは凄いにゃー、尊敬するよ!」

穂乃果「私たちと同じように、好きなものに対する思いを聞いて、感動したよ!」

花陽「海未ちゃんは私たちの同士だよ!」

凛「そうにゃ仲間にゃー!」

28: 2015/02/05(木) 00:27:42.84 ID:wL41j+H2.net
海未「いえ、三人とは根本的に話が違いますよね?」

ほのりんぱな「え?」

海未「先程も言いましたが、食べ物になってしまいたいだなんて、正常な思考ではありませんよ」

花陽「ええー!?」

海未「真姫や希の台詞ではないですが、馬鹿らしいとも幼稚だとも感じる発想です」

穂乃果「せっかく海未ちゃんのことフォローしたのに!」

凛「掌返しにゃ!」

海未「私の愛情はキャラクターに対する愛情です、理解できるではありませんか」

穂乃果「同じだよ!」

海未「別物ですよ。だいたい三人は食べ物のことを考えすぎなんです、だから体型維持に苦労したりするんですよ」

凛「この流れで急に正論言われても嫌だよ!」

花陽「私はお米が好きなだけなのに……」



にこ「なにコレ」

真姫「知らない」

ことり「あ、外が暗くなってきたよ」

絵里「先にみんなで帰ろうかしら」

希「せやね」

29: 2015/02/05(木) 00:34:22.70 ID:wL41j+H2.net
―――


ことり「……あ、おはよー海未ちゃん」

海未「はい、おはようございます、ことり」

ことり「今日はもう頭にポンデリング付けてないんだね」

海未「ええ、昨日一日ポンデライオンをこの身に感じられたので、溢れ出る思いは落ち着きました」

ことり「最初あのポンデリングがキャラクターの模倣って聞いたとき、別のキャラクターを想像しちゃった」

海未「そうなのですか?」

ことり「頭の上に二個ポンデリングを付けてみると、なんだかミ〇キーみたいじゃない?」

海未「確かにシルエットはそうかもしれませんが、残念ながら私が好きなのはポンデライオンです」

ことり「そうなんだ」

海未「ですがそのポンデライオンの真似も、昨日で最後でしょう」

ことり「もうやらないの?」

海未「実物の食べ物を頭につけるという行為の異常性も理解はしていましたからね……」

ことり「ポンデリングみたいな髪型なら、自分の髪の毛でもできるんじゃない?」

海未「昨日の朝挑戦してみたのですが、中々上手くいかず、妥協した結果実物を頭に乗せて行ったのです」

ことり「妥協した結果だったんだ……」

30: 2015/02/05(木) 00:39:20.12 ID:wL41j+H2.net
海未「髪質のためか、どうしても髪が垂れてしまい、綺麗な円形にならなかったんです」

ことり「ああやって髪で形を作る場合、元の三つ編みを強くキツく作っておくといいんだよ」

海未「そうなのですか?」

ことり「海未ちゃん昨日は横の髪を緩めの御下げにしてたよね」

海未「はい、気分転換というのは事実でしたので、ついでに、と」

ことり「もしかして、ポンデリングにしようとしてた頭の上の部分も、あれくらい緩めに三つ編みにしてなかった?」

海未「おそらくはそうだと思います。三つ編みの、強度、ですか? 差を付けたつもりはありませんでした」

ことり「御下げと同じくらいのキツさじゃ、上手くポンデリングにならないんじゃないかなあ」

海未「そうだったんですね……普段あまり髪型を弄らないので、その手の知識に疎くて」

ことり「よかったら学校についたら私が海未ちゃんにやってあげるよ?」

海未「ほ、本当ですか!? 私の髪質でも大丈夫でしょうか」

ことり「海未ちゃんの髪はサラサラだけど、でもきっとできると思う!」

海未「そうですか! では、お言葉に甘えてお願いすることにします」

ことり「あの髪型自体はすっごい可愛かったから、何かの機会にあの髪型でライブに出ようよ!」

海未「ライブにですか? 私がやるには、少々目立ちすぎではないでしょうか……」

ことり「昨日は本物のポンデリング乗っけてたんだもん、それに比べたら大丈夫!」

海未「それを言われてしまうと、返す言葉がありませんね……」

ことり「決まりっ! 可愛い可愛いポンデリングヘアーでライブに出ようね!」

海未「……はい、わかりました、頑張ります!」

31: 2015/02/05(木) 00:43:58.15 ID:wL41j+H2.net
海未「……おや、ようやく穂乃果がきました」

ことり「ちょうどいいタイミングだね。もしかしたら遅刻かなあってちょっと思ってたけど」

海未「私もです。おはようございます、穂乃果」

ことり「おはよう穂乃果ちゃん! …………あれ?」

穂乃果「・×・」

海未「……穂乃果? なぜマスクに、バツマークを書いているのですか?」

ことり「バッテンマスクって言うんだっけ? クイズ番組で答えちゃいけない人が付けるような……」

穂乃果「・×・」

海未「そのマスクを付けてこちらを見られると、言い様のない圧力を感じます……」

ことり「穂乃果ちゃん、微動だにしないよ……」

34: 2015/02/05(木) 00:51:05.42 ID:wL41j+H2.net
海未「一体どうしたのです、何も言わずに」

ことり「もしかして風邪でもひいちゃったの?」

穂乃果「・×・」フルフル

海未「違うのですか? では、なぜそのようなことを」

穂乃果「・×・」スッ

海未「な、なぜ私を指差すのです?」

穂乃果「・×・」クルクル

ことり「海未ちゃんの、頭の上で、二つの丸い形……?」

海未「もしかして、昨日私がやった髪型のことですか?」

穂乃果「・×・」コクコク

海未「私がポンデライオンの格好を部分的に模倣したように、穂乃果のそのマスクもなにかの模倣なのですか?」

穂乃果「・×・」コクコク

ことり「お口にバツマークのキャラクターだと……あ、もしかして、絵本に出てくるウサギの女の子の?」

海未「言葉を話さないのも、ミ〇フィーになりきっているためですか?」

穂乃果「・×・」コクコク

ことり「穂乃果ちゃん、そんなにミ〇フィーのことが好きだったんだ」

海未「……ことり。こうして立場が変わると理解できるのですが」

ことり「うん」

海未「明らかに常識的ではない行為を身近な人にされると、手に余りますね……」

ことり「うん……わかってくれれば、いいよ……」

海未「私が言えたことではありませんが、穂乃果は今日一日このままやり通すのでしょうか……」

ことり「また昨日みたいな大騒ぎになっちゃうね……」

穂乃果「・×・」




おわり

35: 2015/02/05(木) 00:54:09.61 ID:wL41j+H2.net
終了です
ご覧いただきましてありがとうございました

劇場版ポスター見て突発的に思いついた話を一気に書いたので
構成も推敲も適当ですが大目に見てやってください

36: 2015/02/05(木) 00:54:35.81 ID:IpFtjKdQ.net

かわいかった

37: 2015/02/05(木) 00:56:25.50 ID:dpnLtPiC.net
穂乃果「・×・」←可愛い


38: 2015/02/05(木) 01:05:18.40 ID:xE9qCw87.net
今ポスター見直したわ
確かにポンデリングだった

引用元: http://nozomi.2ch.sc/test/read.cgi/lovelive/1423057943/

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