【異文化コミュニケーション系SS】果林「エマに切腹をどうぞ」【ラブライブ!虹ヶ咲】

かりん SS


1: 2021/04/29(木) 17:20:11.93 ID:6ObY/YDA
~学生寮・果林の部屋~


浅野内匠頭『〽風さそふ~~、花よりもなほ、我はまた……』

エマ「わぁっ、素敵ぃ~~」?

  「桜の木の下で俳句を詠むだなんて、風流だねぇ~~」

果林「よくもまぁ、ポテチを食べながら呑気に見てられるわねぇ」?

  「これから何が起きるかも知らずに……」


(ふたりが何気なく見ていたテレビには、刃傷沙汰を起こした浅野内匠頭の切腹シーンが映っている)

2: 2021/04/29(木) 17:20:37.11 ID:6ObY/YDA
エマ「あ……」

  「なんか、ナイフみたいなのを手に取ったよ?」

  「リンゴでも食べるのかなぁ?」

果林「見てれば分かるわよ……」


(と––––)


浅野内匠頭『ムッ!!!!!!!!』


(内匠頭が詰め腹を切った瞬間、白装束が赤く染まる!!)


介錯人『ヤァッ!!』


_人人人人人人人人人人人人人_
> ドバッ!!!!!!!! <
 ̄Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y ̄

3: 2021/04/29(木) 17:20:57.40 ID:6ObY/YDA
エマ「」?

  「」

  「」

果林「ちょ……」?

エマ「…………」

  「え……」?

  「死んじゃったよ?この人……」

果林「そうよ、これが切腹よ」

  「昔の日本人は、こうやって自分の非を詫びたの」

エマ「え?え?え?」

  「冗談だよねぇ……?果林ちゃん……」

  「またいつもの、>>1の時代錯誤なギャグに決まって……」

果林「??」真実を伝える目

4: 2021/04/29(木) 17:21:17.11 ID:6ObY/YDA
エマ「……ハァ????」?

  「刑務所とかないの????いきなり死刑なの????」

  「昔の日本って、このドラマみたいにバチで野蛮だったの?」

果林「この時代の人達はねぇ……」

  「とにかく、殿様の言う事が絶対で……」

  「殿様の気分次第で……善人が処刑されたり、悪人が無罪放免になる世の中だったのよ」

エマ「そ、そんなぁ……!!」?

  「いくらなんでも無茶苦茶すぎるよぉ!!」

  「第一、そんなに人を死なせてばっかりじゃあ、優秀な人材がいなくなっちゃわない!?」

果林「それを実際にやっちゃったから、徳川幕府や旧日本軍は滅んだのよ」

エマ「…………」

5: 2021/04/29(木) 17:21:34.39 ID:6ObY/YDA
(と––––)


エマ「あ~~……」

  「そっかぁ~~……」

果林「?」

エマ「果林ちゃんや、同好会のみんなも……」

  「今こうやって生きてるのは、ご先祖様がミスらなかったからなんだね……」?

果林「はぁ??」

エマ「日本人が、消極的な思考を持った人種になった理由が、なんとなく解った気がするよ」


(その翌日––––)

(同好会の面々に『ご先祖様に感謝しようね』と触れて回り、気味悪がられるエマの姿が異彩を放っていた)

6: 2021/04/29(木) 17:21:46.95 ID:6ObY/YDA
 
   ,," ̄''`ヽ
  @。八ゞ、)   ふふっ……
  ノcイˆᴗˆハ      それから?
   と) 芥)つ
   く/_i_i_>
    し'ノ

7: 2021/04/29(木) 17:22:16.27 ID:6ObY/YDA
~都内某所・撮影スタジオ~
?
シャッターパシャッ!!
スタッフ「ハーーイ、OKで~~す!!」

果林「お疲れ様で~す」
(果林先輩、今日は読モの撮影日––––)

(いつもの果林だったら、このあと道に迷わず帰宅できるかどうかを憂えるのだが––––)
果林(ウフフフッ……)?
(今日はなにやら、不敵な笑みを浮かべてるご様子……)

8: 2021/04/29(木) 17:22:47.39 ID:6ObY/YDA
果林(思えば都会に出てから、早数年……)

  (これまで散々、方向音痴に泣かされ続けてきたけれど……)

  (そんな日々とも、今日でサヨナラだわ!!)

  (かすみちゃんがくれたコッペパンが、私にヒントをもたらしたのよ!!)
(神田の赤毛ピアノ少女の0.000001倍を誇る、果林の頭脳が弾き出した妙案とは––––)
果林(そう……)?

  (もう二度と、帰り道に困らないように……)

  (かすみちゃんのコッペパンを……)

9: 2021/04/29(木) 17:23:10.18 ID:6ObY/YDA
 ‐ . |電|::|      |     |
.   ‐|柱|::|      |   /|
    |ー┘|      | ../  |
__| .::::|___|/   | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
    | ..:::|           ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
   """"

     ,´" ̄`ヽ
     l" _li」!リ!i_) 
     ヽル^ᴗ ゚イ
     (つ?と) 
      /_il_i_iゝ
       (_ハ_)   ◦   ◦   ◦   ◦


果林(スタジオに来る最中に、ちぎっては道に置いてきたからね!!)

10: 2021/04/29(木) 17:23:39.85 ID:6ObY/YDA
果林(落としたパンの後を追っていけば、迷うことなく寮に帰れる……)

  (て……天才だわ、わたし)身震い

  (ひょっとしたら、いま東大を受験したら合格できるかもしれない……)

  (よ~~しっ!!決めたわっ!!)?

  (今日から私のキャッチフレーズは、『かしこい・セクシー・果林さん』よ!!)
(と、不遜が最高潮に達した果林が、私服に着替えてスタジオの外へ出ると––––)

11: 2021/04/29(木) 17:24:10.63 ID:6ObY/YDA
          _____  
        /::::::、::゛ヽ  
        /::´::::::ヽ:::ヽ
.      /:::ノヽ:ゝノ`:ゝ:::ヽ 
.      l::l ○ ,,, ○ l:::::l
.       ヽ:ノ "" ~ """ノ/ヽ:/   もぐもぐ……
.       (:人________人l_/人
.      (::)/:::::::{>>0<}::::::::::ヽ´(:::)
.       (::)l::::l:::ノ:| ヽ:::ヽ:::l (:::)
.        ヽj:::j :|  j::::::l:ノ  ´`
         /#/#il#l#iヽヽゝ
.          ヽ_l__/    
          l::::l::::::/
           `-`-´

12: 2021/04/29(木) 17:24:53.02 ID:6ObY/YDA
エマ「もぐもぐ……」

  「…………ごっくん」?

果林「」?

エマ「あれぇ?」

  「どうして果林ちゃんがここに……」

果林「……エマ」

  「それはこっちが聞きたいわよ……」

エマ「それがさぁ~~、実に不思議な事なんだけど……」

  「練習が終わって、寮に帰るときに……」

13: 2021/04/29(木) 17:25:27.76 ID:6ObY/YDA

14: 2021/04/29(木) 17:26:26.84 ID:6ObY/YDA
エマ「激しい練習の後で、もうお腹ペコペコだったからさぁ……」

  「思わず口にしたら、もうすっっっっっっっっごく美味しくって~~~~♥」?

果林「」
(『天才少女』から一気に、『先の展開が読めない馬鹿女』に転落したショックで、果林の目が曇る)
エマ「そこからはもう、ほら……」

  「日本で言うところの、『やめられない・とまらない』って奴で……」

  「拾い喰いし続けてたら、ここまで来ちゃったんだ~~」

果林「…………」

15: 2021/04/29(木) 17:27:09.66 ID:6ObY/YDA
エマ「あ……」?

  「ごめ~~ん、果林ちゃんの分は残ってないんだ」

  「ここに落ちてたのが、最後だったから……」

果林「…………」

  「どうして……」

  「どうして食べちゃったのよ……」?

エマ「????」


(いつものクールな伊達女の面影も、何処へやら––––)

16: 2021/04/29(木) 17:28:14.20 ID:6ObY/YDA
果林「あれはねぇ!!私が落とした奴だったの!!」

  「帰り道が分かるようにっ!!目印代わりに落としたのっ!!」?

エマ「えぇ……」

果林「せっかくの私のナイスアイデアを、よくもぶち壊してくれたわねぇ!!!!」
(頭ごなしに怒鳴り散らす親友を前に、エマの頭が力なく垂れ下がる)

(やがて––––)
エマ「ごめん……」

  「ごめんなさい……果林ちゃん」?

  「まさか、果林ちゃんのだとは思わなかったから……」

17: 2021/04/29(木) 17:29:57.74 ID:6ObY/YDA
果林「あ~~もうっ!!最悪っ!!!!」


(苛立ちのあまり、頭をボリボリ掻きむしる!!)


果林「意地汚い友達のせいで、帰り道が分からなくなっちゃったわ!!!!」?

エマ「ごめん……ホントに……」

果林「謝れば許されると思ってるの!?おめでたい人ねぇ!!」

  「スイスだったらそれで済んだでしょうけど、ここは日本だから!!」

  「断じて許し難し!!万死に値するって奴よ!!」

エマ「…………」

  「…………グスッ」

  「……ヒック……ごめんなさぁい……」?

  「食べたパンは、弁償して返すからぁ……許してぇ……」

18: 2021/04/29(木) 17:32:02.92 ID:6ObY/YDA
果林「そんな涙で水に流すほど、朝香果林は安い女じゃないわよ!!」

  「どうせ謝るぐらいなら、切腹……」

  「そうよ!!切腹よ!!切腹!!」?

エマ「!?」

果林「この間のテレビみたいに、腹のひとつでも切ってみなさいよ!!」

エマ「」

果林「それぐらいしてくれなきゃ、とうてい腹の虫が治まらなぁぁぁぁいっ!!!!」???

エマ「…………」
(ついに––––)

19: 2021/04/29(木) 17:34:09.64 ID:6ObY/YDA
エマ「う」

  「うわああぁ……」?

  「あああぁぁぁぁあああん……」
(打ちのめされたエマが、ひとり夕暮れの街の中へ消えていった)
果林「はぁ……はぁ……」?

  「こんなに人に怒りをぶつけたのは、久しぶりね……」

  「今日は最悪の一日だわ……」
(結局––––)

(帰り道が分からなくなった果林は、大枚はたいてタクシーに乗り、学生寮まで戻ってきた)

20: 2021/04/29(木) 17:38:42.01 ID:6ObY/YDA

22: 2021/04/29(木) 17:40:01.82 ID:6ObY/YDA
~学生寮・果林の部屋~


部屋の扉バタン……


果林「…………」


(余計な出費がかさみ、弱り目に祟り目な果林––––)

(室内に立てかけてある鏡には、不自然に顔の筋肉が揺れ動く果林の姿が––––)


果林「あ~~~~っ……」

  「くそっ……くそっ……」?

  「まさか自分にも、こんな低レベルな感情が備わってたなんて……」

  「それもこれも、全部エマのせい……」

23: 2021/04/29(木) 17:41:26.69 ID:6ObY/YDA
(留まる事のないエマへの怨念をブツブツ呟きつつ、苛立ち紛れに室内を歩き回る)

(と––––)


果林「いだっ!!」


(なにかを踏んづけ、目から火花!!)


果林「っつ~~~~!!」??

  「ほんと何なの!?今日という日は!?」

  「仏滅と天中〇が、いっぺんに来たのかしら!?」


(その場にしゃがみ込み、痛みを和らげようと必死に足の裏を揉んでいると––––)

24: 2021/04/29(木) 17:42:33.37 ID:6ObY/YDA
果林「…………」


(この事態の原因である、蒼色のスーパーボールが果林の元に転がってきた)


果林「これって……」?

  「たしか、夏祭りの時の……」

25: 2021/04/29(木) 17:44:07.06 ID:6ObY/YDA

26: 2021/04/29(木) 17:46:04.46 ID:6ObY/YDA
(屋台で買った焼きそばを、ズルズルと口にかっこむ……)


エマ「もぐもぐもぐ……」

  「う~~~~ん♥ボーノだよぉ♥」?


(薄暮にきらめく屋台の明かりと、夥しい人の群れ––––)

(祭りに酔いしれてる雑踏の中に、小粋な浴衣姿で身を固めた、背丈の高い2人の少女の姿がある)


果林「ったく……花火を見に来たというのに……」?

  「さっきからずっと、ボーノbotになっちゃって……」

  「そんなに暴飲暴食してたら、後で体重計に乗るのが怖くなるわよ?」

27: 2021/04/29(木) 17:48:03.11 ID:6ObY/YDA
(たこ焼き、お好み焼き、大判焼き、焼きそば……)

(これらの屋台を、片っ端から制覇していくエマを見ていれば、果林でなくとも呆れかえるハズだ)


エマ「無理無理無理ぃ~~~~!!」?

  「こんなにお店がいっぱいあるのに、我慢しろって言う方が残酷だよぉ~~!!」


(暖簾に腕押し、糠に釘––––)


果林「じゃあせめて、口の周りについてるソースを何とかしなさい」

  「せっかくの和風美人が台無しよ?」


(さすがに恥じらいを覚えたエマが、あわてて口元を拭う)

28: 2021/04/29(木) 17:50:03.19 ID:6ObY/YDA
(と––––)


エマ「!!」

  「うわぁ~~、綺麗~~♥」?


(エマの目を引きつけたのは、大量の色とりどりなスーパーボールが水槽の中を流れる光景であった)


エマ「へぇ~~、『スーパーボールすくい』って言うのかぁ~~」

  「この蒼くてキラキラ光ってる奴とか、果林ちゃんにお似合いだと思わない?」


(『まるで子供だましね』と、喉まで出かかった果林であったが––––)

(純真無垢にはしゃぐエマの姿に、なんだか心をほだされてしまい––––)

29: 2021/04/29(木) 17:51:51.33 ID:6ObY/YDA
果林「そんなに気に入ったのなら、やってみたら?」

  「花火が打ち上がるまで、まだ時間もあるし……」

エマ「うんっ!!やってみるね!!」


(意気揚々と屋台の店主にお金を払い、お椀とポイを受け取る)


エマ「見ててね、果林ちゃん」?

  「あのボールをすくってみせるから!!」


(お目当てのボールに狙いを定め、水槽の中にポイを沈め……)


エマ「えいっ!!」


(ボールの底からすくい上げるように、ポイを勢いよく引き上げる!!)

(が––––)

30: 2021/04/29(木) 17:54:02.74 ID:6ObY/YDA
エマ「あ……」


(当然うまくいくワケがなく、ポイが破ける)


エマ「う~~ん、これは一筋縄ではいかないなぁ……」

果林「ちょっと厳しいんじゃない?素人目に見ても」

  「そんな薄っぺらい紙で、あんな大きな玉を取れるワケが……」

エマ「まだだよ!!勝負はこれからだもん!!」?


(是が非でもボールをゲットしようと、財布の紐を緩めてチャレンジし続けるエマであったが––––)

31: 2021/04/29(木) 17:56:04.15 ID:6ObY/YDA
エマ「むぅ~~~~っ……」

  「おかしい……」

  「2000円も使ったのに、取れないだなんて……」

果林「いい加減にギブしたら?」

  「人間、諦めが肝心ってよく言うじゃない」

エマ「このボール……意地っ張りな所まで、果林ちゃんみたいだね」?

果林「馬鹿な事を言ってないで、はやく花火大会の会場へ行くわよ」?


(と––––)


エマ(……はっ!!)

  (そういえば前に、しずくちゃんが言ってたっけ……)

  (こういう射幸心を煽る店は、じつは裏で……)

32: 2021/04/29(木) 18:00:05.29 ID:6ObY/YDA
~地下・コントロール室~
(お祭り会場の地下50メートル深くに、大型コンピューターが完備された個室がある)
構成員「うゆゆゆゆゆゆゆwwwwww」?

   「あのお姉さん、カモられてる事に全然気づいてなくて草」

33: 2021/04/29(木) 18:06:59.72 ID:6ObY/YDA

35: 2021/04/29(木) 18:10:05.42 ID:6ObY/YDA
構成員「まさか夢にも思わないだろうね」?

   「ここから遠隔して、景品を取れないようにしてるだなんて……」


(彼女の役目は、お祭り会場に点在してるテキ屋の景品を遠隔操作して、客が儲かりすぎないようにする事である)


構成員「あ~~っ、はやくお家に帰りたいなぁ~~」

   「これだけシノギを稼げれば、お姉ちゃんにいっぱい誉められるだろうし……」


(と––––)


構成員「……うゆ?」


(モニター内で、エマが果林に向かって何やら話し込んでいる)

37: 2021/04/29(木) 18:12:10.56 ID:6ObY/YDA
構成員「まだやる気かなぁ?この人」

   「よ~~し……もっと水槽内に重力をかけて、絶対取れないようにしよっと」


(構成員がほくそ笑みながら、重力コントロールのボタンを押そうとしたところ––––)


構成員「あれれぇ?」?

   「どっかに行っちゃった……」


(件のエマが、果林をひとり置いて人混みの中へと消えていく)

38: 2021/04/29(木) 18:14:31.36 ID:6ObY/YDA
構成員「諦めた……のかなぁ?」?

   「それともお金が無くなって、コンビニのATMへ行ったとか……」

   「ま……どっちにしろ、いい社会勉強になったと思うよ?」

   「ダイスキだけのお祭りなんて、この世には存在しないんだって……」


_人人人人人人人人人人人人人_
> 扉バァァァァン!!!! <
 ̄Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y ̄


構成員「!!!!????」?

39: 2021/04/29(木) 18:17:04.73 ID:6ObY/YDA
エマ「あ~~~~っ!!やっぱり!!」?

  「しずくちゃんの言った通りだ~~!!」

  「あなた……私にボールを取らせないよう、ここから遠隔してたんでしょ!?」

構成員「な……」


(突然の闖入者に面食らったものの、そこはヤクザの家の娘––––)


構成員「フ……フンだっ!!」??

   「世の中だまされる方が悪いんだもんっ!!」

   「うまい話と降旗愛の公式サイトには気をつけろって、ママから教わらなかったのぉ!?」

エマ「ああいえば上祐……」

  「もぉ~~っ!!絶対に許さないんだからぁ!!」

41: 2021/04/29(木) 18:23:05.96 ID:6ObY/YDA

42: 2021/04/29(木) 18:26:07.25 ID:6ObY/YDA
構成員「ちょっ……!!なにする気なのぉ!?」

エマ「これだね?遠隔するのに使う機械は……」

  「こんな機械なんか……え~~いっ!!」

43: 2021/04/29(木) 18:30:14.22 ID:6ObY/YDA

44: 2021/04/29(木) 18:33:17.35 ID:6ObY/YDA

45: 2021/04/29(木) 18:39:17.98 ID:6ObY/YDA
構成員「ピギャアアアアアア!!!!」?

   「三億兆円もする遠隔装置がぁぁ!!!!」

   「お姉ちゃんに誉められるどころか、ルビィの小指が吹っ飛んじゃうぅぅぅぅ!!!!」

エマ「ハァ……ハァ……」?

  「日本のアイドルは、こういう時にはこう呟くって、かすみちゃんが言ってたっけ……」





エマ「……快感!!」?


(その後––––)

(果林の待つスーパーボールすくいの屋台に戻ってきたエマが、お目当ての蒼色のスーパーボールを、いとも簡単にすくい上げたのは言うまでもない)

46: 2021/04/29(木) 18:42:07.03 ID:6ObY/YDA

48: 2021/04/29(木) 18:45:37.48 ID:6ObY/YDA
~夏祭り・花火大会会場~


エマ「はいっ♥果林ちゃん」☺

  「取るのに2000円も掛かったんだから、大事にしてよね」


(スーパーボールが入った水袋を、果林に差し出す)


果林「ちょっ……待ってよぉ」?

  「そんな風に言われたら、気軽に受け取れないわよぉ」

エマ「水くさい事は言いっこなしだよ?」

  「さっきも言ったけど、これは果林ちゃんが持ってる方が相応しいもん」


(場内アナウンスで、花火打ち上げまでのカウントダウンが始まる)

(その最中––––)

49: 2021/04/29(木) 18:49:04.16 ID:6ObY/YDA
エマ「それに……」

果林「??」

エマ「私をお祭りに誘ってくれた、お礼もしたいしね」

果林「お礼……?」?

エマ「ほら、果林ちゃんって人気者だからさぁ……」

  「他の子からも、お祭りに行こうってお誘いが来てたんじゃないの?」

  「まさか果林ちゃんが、私を選んでくれるとは思わなかったから……」?

果林「…………」

  「バカねぇ……エマ」

  「もっと自分に、自信を持ちなさいよ」

  「私は最初から、あなたを誘うつもりで……」


(その時––––)

50: 2021/04/29(木) 18:53:03.67 ID:6ObY/YDA

51: 2021/04/29(木) 18:57:14.39 ID:6ObY/YDA
エマ「た~~まや~~~~!!」?

  「って言うんだっけ?日本の場合……」

果林「…………」

エマ「スイスでもね、8月の建国記念日の時には、盛大に各地で花火が上がるんだよ」

  「果林ちゃんが住んでた八丈島でも、花火ってあった?」

果林「え……あぁ」

  「八丈島も、8月に大きな花火大会があるわよ」

  「中学の時から都会住まいだから、長いこと行ってないけど……」

エマ「そっか……」?

  「なんだか私達、変なトコまで同じだね」


(2人がしんみりとなってるのを余所に、花火が二発三発と打ち上がり––––)

52: 2021/04/29(木) 19:01:38.42 ID:6ObY/YDA
エマ「ねぇ、果林ちゃん……」

果林「??」

エマ「私達、これから大人になってもさぁ……」

  「こうやって、同じ空の下で、同じ花火を一緒に見れる……」

  「そんな仲でいられたらいいよね……」?

果林「…………」

53: 2021/04/29(木) 19:05:05.69 ID:6ObY/YDA

54: 2021/04/29(木) 19:08:23.06 ID:6ObY/YDA
エマ「果林……ちゃん?」

果林「約束よ?エマ」

  「来年の今日も、こうして2人で花火を見るって……」?

エマ「…………」

  「うんっ!!」

  「ずっとずっと、私たちの青春は終わらないよっ!!」?

55: 2021/04/29(木) 19:10:09.94 ID:6ObY/YDA
~再び、果林の部屋~


果林「そうよ……思い出したわ」?

  「このスーパーボールに誓ったんだっけ……」

  「ふたりの友情は、不変だって……」


(だが今となっては、なんだかボールに対して申し訳が無く––––)

(胸の奥底が、ただただ焼け付くようで––––)


果林「はぁ……」

  「なんで私、あんなにムキになって怒ったりしたんだろう……」?

57: 2021/04/29(木) 19:14:11.09 ID:6ObY/YDA
(その時だった––––)

(果林のスマホが、ピローンと鳴ったのは)


果林「……?」

  「え……」?




果林「な、なんで??」?

  「きょう生放送があるって、聞いてないわよ?」


(あわてて動画配信アプリを起動する果林)

(彼女が見た光景は––––)

58: 2021/04/29(木) 19:18:14.73 ID:6ObY/YDA

59: 2021/04/29(木) 19:21:38.83 ID:6ObY/YDA
エマ「みなさん、こんばんは」?

  「QU4RTZのエマ・ヴェルデです」

  「私のこの恰好をみて、みなさん驚かれてると思いますが……」

  「実はついさっき……」

  「…………」
(思うように言葉を紡ぎ出せず、エマの唇がモゴモゴ彷徨う)
エマ「あの……」?

  「私にとって、かけがえのない親友に……」

  「そのぉ……」

  「…………」?

  「取り返しの……」

  「取り返しの付かない過ちを犯してしまいました」
(マイナスイオンの固まりのような彼女の声が、ひどく震えて聞こえる)

60: 2021/04/29(木) 19:25:02.31 ID:6ObY/YDA
エマ「この放送を、彼女が見てくれてるかどうかはわかりませんが……」

  「私の誠意を見てほしいと思い、この放送を決めました」

  「これが私にできる、彼女への最大級の謝罪だと信じてます」

  「題して……」

  「『QU4RTZ緊急生放送……エマ・ヴェルデ、はじめての切腹』です」☹

61: 2021/04/29(木) 19:28:23.05 ID:6ObY/YDA
~果林の部屋~


果林「」?

  「な」

  「なんですって……」


(動揺を隠せない果林を余所に、生放送では––––)


彼方『それはちょっと変じゃない?エマちゃん』

  『一回こっきりしか出来ないのに、はじめてって……』

エマ『それもそうだね……』

62: 2021/04/29(木) 19:32:19.66 ID:6ObY/YDA
~エマの部屋~


(死に装束で畏まってるエマの周りに、QU4RTZの面々が神妙そうに佇む)


かすみ「エマ先輩……」?

   「まさかこんな形で、エマ先輩とお別れになるなんて……」

   「かすみん、もっとエマ先輩の膝枕でお昼寝したかったですぅ……」

エマ「泣かないで……かすみちゃん」?

  「私は天国からずっと、かすみちゃん達を見守ってるから……」

  「だからかすみちゃんは、私の分までスクールアイドルを頑張ってね」

かすみ「ううっ……」

   「私、絶対絶対ぜ~~ったいにNo.1のスクールアイドルになってみせますぅ……」

エマ「うんうん……」☺

  「やっぱかすみちゃんは、そうでなくっちゃ……」

63: 2021/04/29(木) 19:36:03.06 ID:6ObY/YDA
璃奈「エマさん……」?

  「たった今、入場者数が10万人を超えたよ」

  「Twitterでも、トレンド第1位……」

  「みな口々に、エマさんの早すぎる死を悼んでくれてる」

エマ「そっか……」

  「ビリスタ常連だった私が、まさかこんな形で1位になるなんてね……」

璃奈「あ、さっそく侑さんが呟いてる……」?

  「歩夢さんと自宅で一緒に見てるって」

64: 2021/04/29(木) 19:40:02.30 ID:6ObY/YDA
~果林の部屋~


果林「ハハッ……」

  「ハハハハ……」?

  「何この放送……センスないわねぇ」

  「どうせまた、じゅんぺいのクソみたいな台本通りに演じてるだけでしょ?」

  「そうでければ、あの時の罵声を本気にするだなんて……」?

  「……ハァ」


(強がってみせる果林ではあったが、呼吸の乱れは隠しようがない)

(と––––)


彼方『ところでエマちゃん……』

  『ちゃんと、辞世の句は考えてあるの?』

66: 2021/04/29(木) 19:43:19.86 ID:6ObY/YDA
~エマの部屋~


エマ「あ、うん……」

  「今から発表しようと思ってたんだ……」


(懐からメモを取り出す……)


エマ「じゃ、詠み上げるね」

3人「…………」

エマ「え~~、ごほんっ……」


〽道まよう~~

〽君のパンを、食べたから~~

〽4月29日は切腹記念日~~

67: 2021/04/29(木) 19:47:01.76 ID:6ObY/YDA
エマ「……どうかなぁ?」

彼方「いいよいいよぉ~~」?

  「記念日に例えるだなんて、斬新な句だと思うぜぇ~~」

かすみ「これほどの逸材を死なすなんて、返す返す惜しいです……」


(と、ここで突如カメラを睨みつけ––––)


かすみ「いったい誰ですか……」?

   「エマ先輩を、ここまで追い込んだ大バカ野郎は……」

69: 2021/04/29(木) 19:50:20.63 ID:6ObY/YDA
~果林の部屋~
璃奈『私、ちょっとその人が許せない……』

  『この放送を見てたら、エマさんに謝って欲しい』
(カメラ目線で非難してくる出演者に対して––––)
果林「や……やめてよ……」?

  「そんな目で私を見ないでよ……」

  「これは私とエマの問題なのに……」

  「揃いも揃って、利いた風な口を……」
(と––––)

70: 2021/04/29(木) 19:54:02.54 ID:6ObY/YDA
エマ『それじゃあ、みんな……』?

  『私はこれから切腹するけど……』

  『みんなも、大事な人を怒らせないようにね』

  『どうか私を、反面教師にしてね』


(そう湿っぽく語ったのちに、目の前の三方に乗せられたナイフを手に取る)


果林「!!!!!!!!」?

エマ『いざ……』

果林「ばっ、バカッッッッ!!!!」??

  「そんな事されたって、私はちっとも嬉しく無いわよ!!!!」

71: 2021/04/29(木) 19:58:01.84 ID:6ObY/YDA
エマ『彼方ちゃん……』

  『私が切腹した後の、介錯はまかせたよ』

彼方『まかせといて~~』?

  『銃刀同好会から借りてきた、この同田貫で苦しまずに西国浄土へ送ってあげるからぁ~~』

字幕『※新型コロナウィルス感染防止の一環で、ソーシャルディスタンスを守って介錯します。』


(と––––)


かすみ『……え?』


(ここでスタッフが、かすみに何やら原稿を手渡す)

72: 2021/04/29(木) 20:02:25.10 ID:6ObY/YDA
かすみ『あ~~、ちょっとエマ先輩』?

   『このタイミングで、視聴者からのメールが届いたんですけど……』

エマ『えぇっ……?』

かすみ『切腹の前に、読んでやれとのお達しが……』

彼方『んも~~、雰囲気が崩れるなぁ~~』?

  『ちゃちゃっと読んでよ?ちゃちゃっと……』

璃奈『誰だろう……こんな短時間で書いてくるなんて……』

かすみ『じゃ、読みますね』

   『ハラキリネーム『QU4RTZのロードローラー』さんからのお便りです』

彼方『またおま~~』

74: 2021/04/29(木) 20:06:01.85 ID:6ObY/YDA
かすみ『え~~……』

   『『QU4RTZのみなさん、こんばんは』……』

4人『こんばんは~~』????

かすみ『『エマさんが切腹すると聞き、矢も楯もたまらずペンを取りました』……』


(かすみが嫌々ながらメールを音読している間に––––)


果林「……」

  「……させない」

  「切腹なんか、絶対にさせない……」?

  「わたし……まだエマに言いたい事が、山ほどあるのに……」

  「それを聞かずに死ぬだなんて、絶対に許さないっ!!」


(メールが読み終わるのを待たずに、果林は部屋から飛び出し、一路エマの部屋へと駆けだした)

75: 2021/04/29(木) 20:10:57.03 ID:6ObY/YDA
~エマの部屋~
かすみ「『あまりにも突然すぎるエマさんの切腹宣言の前に、夕食が喉を通りませんでした』」

   「『今もこうしてメールを打ってる最中にも、惜別の涙が一向に止まりません……』」

エマ「ねぇ~~、まだ読み終わらないのぉ~~?」

  「あんまし長いと、こっちの決心が鈍っちゃうんだけど~~」?

\アッハッハッハッ……/
↑じゅんぺいの笑い声

かすみ「『今夜はエマさんの歌を聴きながら、喪に服そうと思います』」

   「『さようならエマさん––––空気に溶け込むような貴女の歌声は、絶対に忘れません』」

   「……以上です」

76: 2021/04/29(木) 20:13:59.98 ID:6ObY/YDA
璃奈「最近多いよね、こういう長文系のヤツ」?

彼方「こんどから番組へのメールには、文字数制限を設けようかなぁ……」?

エマ「ったく、人の気も知らずに……」

  「時間も押してきてるし、もう切るね」


(手に持ったナイフの刃を、腹に向ける)

(そして、カメラに向かって––––)

77: 2021/04/29(木) 20:18:02.12 ID:6ObY/YDA
エマ「…………」

  「さようなら……」

  「さようなら……果林ちゃん」
_人人人人人人人人人人人人人_
> 扉バァァァァン!!!! <
 ̄Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y ̄
果林「エマ!!!!」

78: 2021/04/29(木) 20:23:20.08 ID:6ObY/YDA

79: 2021/04/29(木) 20:28:25.76 ID:6ObY/YDA
果林「」?

  「あ……」

彼方「え……」

  「か、果林ちゃん……??」?

果林「え、エマ……」

かすみ「一足遅かったですね……果林先輩」?

   「エマ先輩なら、たった今……」

エマ「」


(腹にナイフを突き刺したまま、ものも言わずにエマがうなだれている)

81: 2021/04/29(木) 20:32:52.99 ID:6ObY/YDA
果林「」

  「…………い」

  「いやぁ……」?

  「いやぁぁぁぁ……」
(果林の顔色が、リトマス試験紙のごとく青く染まり––––)
果林「いやああああああああ!!!!!!」?

  「エマアアアアアアアア!!!!!!」
(我を忘れて、エマにすがりつく!!)

82: 2021/04/29(木) 20:36:04.60 ID:6ObY/YDA
果林「なんて事をしちゃったのぉぉぉぉ!!??」

  「どうして早まった事をしたのぉぉ!!??」

  「お願いだから答えて!!エマァ!!!!」


(エマを強く揺さぶるものの、応答が全くない)


エマ「」

果林「うああああぁぁぁぁああああ!!!!」?

  「こんなのって……!!!!」

  「こんな幕切れってないわよぉぉぉぉ!!!!」

璃奈「あ……」

  「あのぉ……果林さん……」?

  「エマさんなら……」

83: 2021/04/29(木) 20:40:22.53 ID:6ObY/YDA
果林「ごめんなさぁい!!エマァ!!!!」

  「わたしが悪かったのよぉぉぉぉ!!!!」

  「わたしのせいで、エマがこんな事をするハメに……!!!!」
(と––––)
果林「彼方!!!!」?

  「あなたのその刀、私に貸して!!!!」

彼方「……えっ??」

果林「なにボーーッとしてるのよ!!!!」

  「刀を貸してって言ってるのよ!!!!」

彼方「……借りた刀で、どうする気?」

果林「そんなの決まってるじゃない!!!!」

  「エマの後を追って、私も死ぬの!!!!」?

彼方「ひいぃっ!!」?

84: 2021/04/29(木) 20:45:09.20 ID:6ObY/YDA
果林「エマ……!!」

  「あなたひとりだけで、あの世に行かせるモンですかっ……!!」


(果林の双眸から、とめどなく涙が流れ––––)


果林「また2人で夏祭りに行こうって、誓い合ったじゃない……!!」

  「わたしたちの青春は、ここで終わるには早すぎるわよぉ~~!!」

  「うああああぁぁぁぁ~~!!!!」?


(人目を憚らずに号泣する果林の姿が、全世界に配信され––––)

(生放送のコメント欄が、夥しい数の『エマかり』の四文字で高速スクロールしつづける)

85: 2021/04/29(木) 20:50:15.41 ID:6ObY/YDA
果林「エマァァァァ……」

  「ああおおおおぉぉぉぉ……」

エマ「」

果林「誰か、誰か私を死なせてよぉぉぉぉ……」

  「私もエマと一緒に死なせてよぉぉぉぉ……」

エマ「」

果林「うああぁぁぁ……」?

エマ「…………」

  「……本気なの?」

  「本気で謝ってるの?果林ちゃん……」

果林「あったりまえでしょ……」?

  「あなたのいない朝香果林なんて、抜け殻も同然……」

  「…………」

  「え……」?

86: 2021/04/29(木) 20:55:56.75 ID:6ObY/YDA
エマ「…………フフッ」

  「ウフフフフフフ……」

  「……バァ~~~~ッ!!」?

果林「」

エマ「もぉ~~っ、果林ちゃんってばぁ~~……」

  「だめだよぉ~~?冗談でも『切腹しろ』だなんて言ったりしたらぁ~~」
(指切りげんまんの小指を差し出し……)
エマ「ハイ、私との約束だよ♥」?

  「もうあんな暴言は、二度と使わないって……」

87: 2021/04/29(木) 20:58:01.28 ID:6ObY/YDA
果林「……」

  「どういう事??これって……」?

  「あなた、切腹したんじゃ……」

エマ「あ、コレ?」

  「やだなぁ~~……自分で買っておいて、忘れちゃったの?」


(これ見よがしに、ナイフを見せつけ……)


エマ「ほらぁ……コレだよ、コレェ」?

  「夏祭りの時に、果林ちゃんが屋台で買ってくれた、おもちゃのナイフだよぉ」


(そう言いながら、エマが刃の先端を人差し指で押すと、ヒョコッと刃が引っ込む……)

88: 2021/04/29(木) 21:02:35.77 ID:6ObY/YDA
果林「」?

エマ「アハハハハ……!!」?

  「どっきり大成功だよぉ~~♥みんな~~」

かすみ「ヒューーヒューー♥果林せんぱ~~い」

   「クールな果林先輩もぉ、愛しのエマ先輩の前では形無しなんですねぇ~~」?

果林「」

彼方「エマちゃんから聞いたよぉ~~」?

  「いくらエマちゃんの過失とは言え、切腹とはいただけないなぁ~~」

璃奈「このまま黙ってる私達じゃない……」

  「果林さんをギャフンと言わせるために、このドッキリ生放送を画策したの」?

果林「」

89: 2021/04/29(木) 21:12:35.87 ID:6ObY/YDA
かすみ「(果林の声真似で)ごめんなさぁ~~い!!エマァ~~!!」?

   「すべてわたしが悪かったのよぉ~~!!」

エマ「くくっ……」

  「やめてあげなよぉ~~、かすみちゃん」

  「果林ちゃん、顔を真っ赤にしてるじゃん」

彼方「ホントに切腹すると思ってたのかい?」

  「コンプラが厳しいこのご時世に、マジでやるわけないじゃ~~ん」

果林「」


(目にも止まらぬ早さで、果林が彼方の手から同田貫を奪う!!)


彼方「あっ!!」?


(恐ろしく柔和な表情で、カメラの前に立ち––––)

90: 2021/04/29(木) 21:13:25.21 ID:6ObY/YDA
エマ「果林ちゃん、どうしたの……」

果林「え~~、この放送を見ているみなさ~ん」?

  「たった今から、この番組は朝香果林がジャックしたわよぉ~~」

かすみ「へ」

果林「題して、『朝香果林緊急生放送、クサレ外道4人衆打ち首式』よ」

  「人の純情を踏みにじった悪童どもの首が、宙高く舞い飛ぶ光景を期待しててねぇ~~♥」?

4人「」????

果林「いざ……」?

91: 2021/04/29(木) 21:15:27.13 ID:6ObY/YDA
~高咲家・侑の部屋~
(ノートPCの前で、膝を合わせて生放送を視聴している2人)
歩夢「すごいねぇ~~、果林さん」?

  「あんな大きな刀を振り回してるのに、体軸が全然ぶれてないよ」

  「エマさん達、抵抗できずに部屋中を逃げ回ってばっかり……」

  「私があの中にいたら、たぶん一分と持たないよぉ」

侑「そ、そうだね……」?

 「果林さんを怒らせないように、私達も気をつけなきゃね……」

 「あはは……」

92: 2021/04/29(木) 21:16:00.36 ID:6ObY/YDA
歩夢「あ、そうそう侑ちゃん……」

  「今日の午後、学校の廊下でせつ菜ちゃんと何か話してたよね?」

侑「え」?

歩夢「私に内緒で、なに話してたのかなぁ~~?」?

侑「いや……別に……」

 「とりとめのない、ただの世間話で……」?

歩夢「あ、危ないっ!!」?

  「あと2・3cmちょっとで、かすみちゃんの首が落ちてたトコだったよ~~」

侑「うへぇ……」

93: 2021/04/29(木) 21:20:18.10 ID:6ObY/YDA
歩夢「楽しそうだなぁ~~、あの5人」☺

  「でもさぁ……あの中にせつ菜ちゃんもいれば、もっと盛り上がると思うんだけどなぁ~~」

侑「」?

歩夢「ねぇ……」

  「まさか侑ちゃんも、せつ菜ちゃんと一緒に逃げ回りたいとか思ってないよねぇ……」@cメ*◉ _ ◉リ


~おわり~

94: 2021/04/29(木) 21:34:10.64 ID:8F3rYPsA
キチっぷり控えめだったがキレがあって面白かったぞ乙

97: 2021/04/29(木) 21:56:10.32 ID:dR0+U5v9
いつもぶっ飛んでるな

引用元: https://nozomi.2ch.sc/test/read.cgi/lovelive/1619684411/

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