【SS】絵里「気になる３人組のあの娘」

絵里「！」

絵里「ねえ希、あの娘誰だか知ってる？」

希「どの娘？」

絵里「あの３人組の黒髪の娘」

希「うーん、一人は理事長の娘やけど他の二人は知らんな」

絵里「そう」

希「気になるん？」

絵里「……うん///」

絵里「これは一目惚れって奴ね」

絵里「私ちょっと行ってくるわ」

希「あっエリチ」

希「人付き合い下手くそなポンコツなんに大丈夫なんかな」

絵里「ねえ……ちょっと良い？」ｷﾘｯ

３人「は、はい」

穂乃果「誰？」

海未「生徒会長ですよ」

絵里（キャー、私の事知ってたのね///）

絵里（ハッ！何を話せば良いのかしら？）

絵里（えーと……そうだわ！廃校のことを）

絵里「南さん」ｷﾘｯ

ことり「はいっ」

絵里「あなた確か、理事長の娘よね？」

ことり「はい」

絵里「理事長廃校のこと何か言ってなかった？」

ことり「いえ、私も今日知ったので」

絵里「そう。ありがとう」

穂乃果「本当に学校なくなっちゃうんですか？」

絵里「あなた達が気にすることじゃないわ」ｷﾘｯ

希「……エリチは何がしたかったん？」

絵里「賢い私をアピール出来たわよね？」

希「は？」

絵里「ほら、キリッとしてたし」

希「はあ……」

希（あれじゃ、ただの嫌な先輩やん）

絵里「ハッ！名前を聞くのを忘れたわ」

絵里「希、生徒会の権限を使って調べるわよ」ﾀﾞﾀﾞｯ

希「全く」

絵里「２年生の……この娘だわ！」

絵里「へえ、そのだうみみちゃんか」

希「いやいや、そのだうみちゃんやん。ふり仮名ふってあるし」

絵里「園田海未ちゃん」

絵里「弓道部入ってるのね」

絵里「希、後で弓道部に見学に行きましょう」

希「ノリノリやなエリチ」

理事長「それにしても、この女ノリノリである」

絵里「世界まる見えかっ！！」ﾋﾞｼｨｯ

絵里「って理事長、いつの間に？」ﾋﾞｸｩｯ

理事長「失礼ね、最初から居たわよ」

理事長「海未ちゃんが気になるの？」

絵里「え、えと……ハイ///」

絵里「というか、理事長お知り合いなんですか？」

理事長「まあね」

希「娘さんと一緒におったやん」

絵里「そういえば」

理事長「そうよ、娘の子供の頃からの親友よ」

理事長「知りたいことが有ったら教えて上げるわ」

絵里「じゃ、じゃあ好きなタイプとか分かります？」

理事長「そうね、ほむまんが好きなはずよ」

絵里「ほむまん？」

理事長「穂乃果ちゃん。３人組のサイドテールの娘ね」

理事長「その娘の家が和菓子屋をやってて……」

理事長「そこで売られてる名物ほむまん」

理事長「甘さも丁度良くて絶品ね。私も好きよ」

絵里「あの……理事長。それは好きな食べ物では？」

絵里「私が聞いてるのは好きなタイプですけど」

理事長「…………」

理事長「私はそろそろ失礼させてもらうわ」

理事長「じゃ、また明日」ﾄﾞﾛﾝ

希「逃げたな」

絵里「とんだポンコツね」

希「エリチがそれ言うん？」

絵里「？」

弓道部


ズバーン

女生徒「キャー///」

女生徒「ソノダサーン///」

絵里「凄い人気なのね」

絵里「私も負けてられないわ」

絵里「ソノダサーン！！」

希「エリチ、ミーハーな真似止めてや///」

海未（あれは……生徒会長？）

海未（なんで弓道部に？）

絵里「！」

絵里「い、今眼が合ったわ///」

絵里「きっと向こうも私を意識してるのね」

希「エリチ目立つからな」

絵里「そうかしら？」

希「金髪の生徒会長なんて目立つに決まってるやん」

絵里「両想いだと思ったのに……」ｶﾞｯｸｼ

希「どんだけ単純な思考してるんや」

…………


絵里「朝から何？」

絵里（朝から海未ちゃんに会えるなんて///）

穂乃果「行動の使用許可を頂きたいと思いまして」

海未「部活動に関係なく、生徒は自由に講堂を使用できると生徒手帳に書いてありましたので」

希「新入生歓迎会の日の放課後やな」

絵里「何をするつもり？」ｷﾘｯ

海未「それは……」

穂乃果「ライブです」

穂乃果「３人でスクールアイドルを結成したので、その初ライブを講堂でやることにしたんです」

絵里（ライブ！）

海未「穂乃果」

ことり「まだ出来るかどうかは分からないよ」

穂乃果「ええっ？やるよ」

海未「まだステージに立つとは」

絵里「出来るの？そんな状態で」

絵里（出来なきゃ困るわよ）

穂乃果「大丈夫です」

絵里「新入生歓迎会は遊びではないのよ」ｷﾘｯ

希「３人は講堂の使用許可を取りに来たんやろ？」

希「部活でもないのに生徒会が内容までとやかく言う権利はないはずや」

３人「失礼しました」

ガチャッ


絵里「希聞いた？ライブやるんですってライブ」

絵里「海未ちゃんが歌って踊る所が観られるのよ！」

絵里「おまけにライブ衣装も観られるかも」ｷｬｰ

絵里「これは映像におさめなくては」

絵里「ビデオカメラがあったわね」ｳｷｳｷ

希「ウキウキやね」

理事長室


絵里「２年生が廃校阻止に向けて、スクールアイドルとしてライブやるそうです」

絵里「生徒会としても学校存続に向けて活動していこうと思います」

理事長「駄目です」

絵里「何でですか？」

理事長「駄目ったら駄目です」（戸惑う絢瀬さんの顔可愛いわ///）

絵里「お願いします」（ああ、理事長もっと……///）

理事長「駄目なものは駄目です」（もっと可愛い顔を見せなさい）

絵里「私のスピーチで廃校を救ってみせますから」（ドMな私をイジメて下さい///）

理事長「良くそんな糞アイデア思いつくわね」（いじめがいのある娘ね）

絵里「糞アイデアだなんて、そんな……」（もっと貶して下さい///）

理事長「この雌豚！」

絵里「理事長！」



希「エリチと理事長は毎日何してるん？」

絵里「ああいうプレーよ」

希「プレー？」

絵里「希にはまだ早いわね」ﾌﾌﾝ

希「むぅ」

つづく

…………

ライブ当日

絵里「ビデオカメラ設置OKと」

絵里「それにしても、何で誰も講堂に居ないのかしら？」ｷｮﾛｷｮﾛ

希「嫌な予感やけど、もしかして……」

絵里「何よ？」

希「お客さん誰も来ないとか」

絵里「！」

絵里「そ、そんな事……」

希「もうライブの時間やのに誰も居ないなんて変やん？」

絵里「…………」

ライブ開始


絵里「やっぱり誰も来ない……」

希「こればっかりは仕方のない事やね」

３人「…………」

穂乃果「そりゃそうだ。世の中そんなに甘くない」

花陽「」ﾄﾞﾀﾀﾀｯｯ

穂乃果「花陽ちゃん……」

花陽「あれ？ライブは？」

花陽「あれ？あれ？」ｷｮﾛｷｮﾛ

絵里「一人来たわ！」

穂乃果「やろう！歌おう全力で」

穂乃果「だって、その為に今日まで頑張ってきたんだから」

穂乃果「歌おう！」

絵里「やるのねライブ！」

３人「アイセーイ♪ヘイヘイ！ヘイスターダッシュ！！」


絵里「ほら希、観なさいよ」

絵里「海未ちゃんが歌って踊ってるわよ」

希「隣に居るんだから観てるって」

絵里「なんて可愛い衣装///」

絵里「歌も上手いし、ダンスも上手ね」

絵里「正にスクールアイドルって感じよね」

絵里「曲もノリが良いし、思わず声出したくなるわ」

絵里「ヘイヘイ！」

理事長「ヘイスターダッシュ！！」ﾉﾘﾉﾘ

絵里「理事長居たんですか！」ﾋﾞｸｩｯ

理事長「娘の晴れ舞台なんだから当然よ」

理事長「曲も歌って踊れるわよ」

希「どんだけ聴きこんだんですか……」

理事長「でもμ'sには入らないわよ？」

絵里「誰も加入は期待してませんから」

理事長「……絢瀬さん後で理事長室へいらっしゃい」

絵里「え？」

希「逆鱗にふれたみたいやな」

理事長室


理事長「女王様と呼びなさい！」

絵里「お、お嬢様！」

理事長「誰がお嬢様よ///」

理事長「女王様よ、女王様」

絵里「お嬢……女王様」

理事長「また間違えた。どんだけポンコツなのかしら」

理事長「KKE（賢い可愛いエリーチカ）が聞いて呆れるわ」

理事長「今度からKKE（可愛い可愛いエリーチカ）を名乗りなさい」

絵里「分かりましたお嬢様」

理事長「女王様だっての///」

絵里の家


絵里「やーん歌ってる海未ちゃん可愛い///」

絵里「これは絢瀬家の家宝だわ」

亜里沙「お姉ちゃん何観てるの？」

絵里「ハッ！亜里沙///」

絵里「これは、私の学校のスクールアイドルのライブ映像よ」

亜里沙「ふーん観せて」

亜里沙「この黒髪の人可愛いね」

絵里「さすが亜里沙！お目が高い」

亜里沙「お目が高い？」

絵里「海未ちゃんに目をつけるとは。私も一押しよ」

亜里沙「そうなんだ」

後日


亜里沙「ああっ！園田海未さんですよね？μ'sの」

海未「い、いえ人違いです」

亜里沙「」ｼｭﾝ

海未「いえ、本物です」

亜里沙「ですよね！」

海未「それよりその映像」

亜里沙「はい、ライブの映像です」

亜里沙「亜里沙は行けなかったんですけど、おねえちゃんが撮影してきてくれて」

海未「お姉ちゃん？」


絵里「亜里沙」

亜里沙「おねえちゃん」

絵里「あなた……」

絵里（ええっ！何で海未ちゃんが亜里沙といっしょに居るの？）

海未「生徒会長」

公園

亜里沙「亜里沙ジュース買ってくるね」

絵里「行ってらっしゃい」

絵里（ハッ！よく考えたら、今海未ちゃんと二人きり……）

絵里「こ、これってもしかしてデート///」

絵里（同じベンチの端と端）

絵里「落ち着くのよエリーチカ」

海未（所々声に漏れてますね……）

海未（デートとは一体？）

絵里（も、もう少し距離縮めてみようかしら）ｼﾞﾘｯ

亜里沙「お待たせしました」

海未「ありがとう」

絵里（亜里沙、帰ってくるのが早過ぎるわよ！）

海未「おでん？」

絵里「亜里沙、それは飲み物じゃないの」

亜里沙「ハラショー」

絵里「別なの買ってきてくれる？」

亜里沙「ハイ！」ﾀﾞﾀﾞﾀﾞｯ

絵里（また二人きりね）

絵里（何か話さなくちゃ、頑張るのよ私）ﾄﾞｷﾄﾞｷ

絵里「それにしても海未ちゃんに見つかってしまうとはね」

海未「海未ちゃん？」

絵里「あ……」

海未「生徒会長にそんな風に呼ばれるなんて意外ですね」

絵里「ち、違うのよ。たまたま見かけて気になって」

絵里「調べたら園田海未って名前で」

絵里「親しみを込めて海未ちゃんって呼んだだけなのよ」

海未「はあ……」

海未（良く意味が分かりませんね）

海未「そういえば、この前弓道部にも来てくれてましたよね？」

絵里「！」

絵里「や、やっぱり気付いてくれたのね」

海未「生徒会長、目立ちますから」

絵里「あ、あの……生徒会長じゃなくて」

絵里「エリチカって呼んで良いのよ///」

海未「エリチカ？」

絵里「私絢瀬絵里だから」

海未「では、絵里と呼ばせていただきます」

絵里「絵里……」

絵里（ま、まさか呼び捨てだなんて///）

絵里「これじゃまるで恋人同士みたいじゃない///」

海未「恋人同士？」

絵里「わ、私も海未って呼ばせてもらうわ」

海未「どうぞ」

絵里「公認！」

絵里（こ、これは中々良い雰囲気じゃ？）

絵里（思い切って告白しちゃおうかしら）ﾄﾞｷﾄﾞｷ

亜里沙「お待たせしました！」

絵里（なんてタイミングで戻ってくるのよ）

亜里沙「飲みますか？」

海未（おしるこ？）

亜里沙「あの、亜里沙。μ's……海未さん達のこと大好きです」

絵里「！」

絵里「ちょ、ちょっと待ったー！！」

絵里「私だって、私だって海未の事好きなんだから///」

海未「え？///」

亜里沙「え？」

絵里「妹だからって、こればっかりは譲れないわ///」

絵里「私が先に目を付けたんだし」

絵里「私の方が海未を好きなのよ///」

海未「あの///」

亜里沙「えっと……」

亜里沙「私は、応援してますって意味で言ったんだけど？」

絵里「え？」

亜里沙「私、邪魔みたいだから先に帰るね」

亜里沙「じゃあ。海未さん頑張ってください」

海未「あ、ありがとうございます」

絵里「」ﾎﾟｶｰﾝ

絵里「あ、あはは///」

絵里（勢いに任せて告白しちゃったじゃない///）

海未「えと……お気持ちは嬉しいのですが」

絵里「」ｶﾞｰﾝ

絵里「終わったわ。人生の終わりよ」ｶﾞｯｸｼ

絵里「そう。初恋は実らないのよ」

海未「突然過ぎて驚いてしまって」

海未「お互いの事良く知らないので、その……お友達から始めませんか？」

絵里「お友達！良いわね」

絵里「一緒に登校したり、手繋いだり、お弁当食べたり」

絵里「チュウしたり」

海未「同じ部活で活動したり」

絵里「え？」

海未「私達と一緒にスクールアイドルをやりませんか？」

絵里「スクールアイドル……私が？」

海未「絵里にダンスとか色々教わりたいです」ﾆｯｺﾘ

絵里「はぁう！その笑顔は反則よ///」

絵里「……しょ、しょうがないわね。入って上げるわよ」

絵里「そ、その代わりお友達関係の後も」ｺﾞﾆｮｺﾞﾆｮ

海未「はい。考えておきます」

絵里「じゃ、じゃあ一緒に帰りましょ？///」

絵里「手繋いで///」ｷﾞｭｯ

海未「ちょっと、私の家こっちじゃないんですけど」

絵里「良いから良いから」

海未「良くないですってば」

理事長「ちょっと待っ……」ﾌｶﾞﾌｶﾞ

希「はいはい、ややこしくなるから止めてや」



おしまい