【SS】すみれ「それでその時──」可可「……」すみれ「ねえ、聞いてる？」【ラブライブ！スーパースター!!】

可可「……」ﾎﾟｹｰ

すみれ「聞いてるったら、聞いてる？」

可可「聞いてないデス」ﾎﾟｹｰ

すみれ「聞きなさいよ！」

すみれ「っていうかこういうとき聞いてなくても聞いてるって答えるものじゃない！？」

可可「……」ﾎﾟｹｰ

すみれ「……熱でもある？」ｽｯ

可可「……」ﾎﾟｹｰ

すみれ「熱はなさそうね」

すみれ「っていうかおでこ触るのに抵抗しない辺り重症ね」

すみれ「普段だったら『触らないでクダサイ！ グソクムシ！』とか言いそうなものだし」

すみれ「なにかあったの？」

可可「可可は運命の出会いをしマシタ」

すみれ「はあ？」

可可「この前の日曜日、可可が歩いているととても素敵な人が現れて──」

可可「可可を助けてくれたのデス！」

すみれ「この前の日曜日……？」

すみれ「私と会ったより後？」

可可「すみれとは会ってないデス！」

すみれ「いや、会ったでしょ」

可可「会ってないデス！」

可可「あの素敵な方は女の人と一緒にいマシタ……」

すみれ「っていうことは彼女持ち？」

すみれ「厳しいったら、厳しいわね……」

可可「可可が人とぶつかって転んでいるところに颯爽と現れて助けてくれマシタ！」

すみれ「……ん？」

──

可可「いてて……」

可可「ぶつかっておいて謝罪もなしとはどういうことデスか！」ﾌﾟﾝﾌﾟﾝ

「大丈夫？」ｽｯ

可可「へ？」

「ぶつかっておいて何もなしに行っちゃうなんて酷い人だね」

「私だったら、君のこと放っておかないけど」

可可「……」ｷｭﾝｯ

可可「あ、ああ、ありがとうございマス！」

「お礼なんていいよ」

「あんなの見るとこっちが気分悪くなるね」

「でも君の顔を見てたら気分が良くなってきた」ﾆｺｯ

「気をつけてね、子猫ちゃん」ｳｲﾝｸ

「もう！ 私だけを見てよ！」ｸﾞｲｸﾞｲ

「ごめんね、困っている人は放っておけなくて」

可可「……かっこいいデス」

──

可可「そういって彼女さんに腕をグイグイ引かれながら颯爽と去って行ったのデス！」

すみれ「いやそれ私じゃない？」

可可「何をいうのデスか！ すみれとは似ても似つかないお方デスよ！」

すみれ「いや、この前の日曜日転んでるあなたに会ったし」

可可「……嘘デス」

すみれ「嘘じゃないったら、嘘じゃない！」

すみれ「妹と歩いてたら──」

──

可可「ぶつかっておいて謝罪もなしとはどういうことデスか！」ﾌﾟﾝﾌﾟﾝ

すみれ「あっ」

すみれ「ちょっと大丈夫？」

可可「へ？」

すみれ「まったく、さっきの人ぶつかっておいてそのまま行っちゃうなんてひどいわね」

すみれ「普通女の子にぶつかったら気にかけるものじゃない？」

すみれ「ほら、立てる？」

可可「は、ハイ////」

すみれ「？」

可可「あ、ああ、ありがとうございマス！」

すみれ「お礼なんていいわよ」

すみれ「まったく、あぁいうの見てるとこっちまで腹が立ってくるわね」

すみれ「とりあえず、ああいう人もいるから、気をつけなさいね」

すみれ「また学校でね」

可可「……」ﾎﾟｹｰ

すみれ妹「あの人お姉ちゃんの友達の？」

すみれ「手のかかる妹みたいなものね」ｸｽｸｽ

すみれ妹「あ！ お姉ちゃんの妹は私だもん！」ｸﾞｲｸﾞｲ

──

すみれ「っていうことがあったじゃない？」

可可「……信じマセン」

すみれ「あー、そういえばあの時ちょっとボーイッシュな格好だったかも」

すみれ「妹が『かっこいいお姉ちゃんとデートしたい』って言い出して」

すみれ「いやだからって髪縛ってたけどそのままだし、ボーイッシュとは言っても男装してたってわけでもないし……」

可可「……」

すみれ「これ、その時の写真なんだけど」ｽｯ

可可「！ この人デス！」

すみれ「じゃあやっぱり私じゃない！」

可可「なんでそんな紛らわしい格好してるんデスか！」

すみれ「なんかおかしいとは思ってたけどあの時私って気付いてなかったの！？」

可可「そうやって可可の気持ちを弄んだのデスね！？」

すみれ「勝手に勘違いしたのはあなたじゃない！」

可可「可可の初恋をどうしてくれるのデスか！」

すみれ「え、初恋だったの？」

可可「ハイ！」

すみれ「わかったわ」

可可「何がデスか！」

すみれ「付き合いましょう」

可可「？」

すみれ「私と可可が付き合うのよ」

可可「へ？」

すみれ「だって可可は私を好きになったんでしょ？」

可可「……まあ、そうなるかもしれマセンね」

すみれ「私も可可のことは嫌いじゃないし」

すみれ「っていうか、むしろ好きだし」

可可「す、すす、すみれはそっち系の人なんデスか！？」

すみれ「いや、違うけど」

可可「ならそんなのおかしいデス！」

すみれ「LGBTQを差別しちゃダメよ」

すみれ「性の多様性はこれからの課題なんだから」

可可「でもすみれは違うじゃないデスか！」

すみれ「んー、でも」ｼﾞｯ

可可「な、なんデスか？」

すみれ「可可なら大丈夫かも」

可可「っ！」ﾄﾞｷｯ

すみれ「可可も私のこと好きになっちゃったんでしょ？」

可可「で、ですからそれはそうなんデスけど、違いマス！」

可可「すみれのことなんてちっとも──」

すみれ「……」ｼﾞｯ

可可「！ な、なんデスか……？」

すみれ「好きよ、可可」

可可「なっ////」

すみれ「大好きなことにまっすぐで一生懸命なあなたが好き」

すみれ「やりたいことのために外国に行って、反対されてもめげないなんて、なかなかできることじゃないと思うわ」

すみれ「そんなあなたを側でずっと応援していたい」

すみれ「可可は？」

可可「く、ククは──」

可可「いえ、可可も……」

可可「かっこよくて、やさしくて、なんでもそつなくこなしちゃうすみれが、す、好きデス……////」

すみれ「よかった、両想いね」

可可「……本当に可可でいいのデスか？」

すみれ「もちろん」

すみれ「っていうか、元々好きだったし」

可可「！」

可可「可可のことそういう目で見てたのデスか！？」

すみれ「最初は手のかかる妹だと思ってたけど、段々惹かれていったの」

可可「でもさっきそういう趣味ではないと！」

すみれ「あぁ」

すみれ「可可だけは特別だから」ﾆｺｯ

可可「！」ｷｭﾝｯ

可可「って、そういうのをレズビアンというのデス！」

すみれ「じゃああなたもでしょ？」

可可「く、ククは、その──」

可可「すみれだけデス/////」

すみれ「同じったら、同じじゃない」ｸｽｸｽ

可可「同じじゃないデス！」

可可「可可はすみれっていう人間が好きなんデス！」

すみれ「私も可可っていう人間が好きだから付き合いたいって言ってるのよ」

すみれ「だから一緒でしょ？」

可可「……ｱﾘｪ？」

おわり