【SS】絵里「雨の日のコーヒー」

https://m.youtube.com/playlist?list=PLW6ZDKHxQvR9pIACSlNj91BLsitsGgSEX
(これ流しながら聞けば幸せになるってばっちゃが言ってた)


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ｻﾞｰｯ･･･

絵里「雨ね･･･」

絵里「今日は練習も無いし、テストも終わったし」

絵里「と言うより夏休みだしね」

絵里「受験勉強･･･」

絵里「も、粗方終わってるわね･･･」

絵里「･･･」ｻﾞｰｯ

絵里「･･･コーヒーでも飲みに行きますか」
　

ｻﾞｰｯ･･･

絵里「それほど降ってはいないわね」

絵里「傘開いてっと」ﾊﾞｻｯ

絵里「･･･」ﾎﾟﾁｬｯ

しとしと降る雨の中を歩いていく

いつもは雨なんて降ったら外には出たくなかった

足は濡れるし風邪をひくかもしれない

しかしコーヒーの誘い水に足は我慢してくれなかった

雨の中のコーヒーは格別だと知っているから

喫茶店に行こうか、それとももし止んできたら、公園のベンチで缶コーヒーでも飲もうか

コーヒーは場所によって味わいが変わっていくのよね

今度は誰かを誘ってコーヒーを飲みたいな

にことか･･･
　

絵里「あら、新しいカフェ？」

絵里「新装開店･･･へえ」

傘を閉じる

ｶﾗﾝｶﾗﾝ･･･

小綺麗で、古風なカフェ

カフェと言うより、喫茶店と言いたい店ね

窓際で雨を見ながらのコーヒーが良いな･･･

「いらっしゃいませ、何名様でしょうか？」

絵里「あ、1人で･･･え？」

にこ「え？」

あら、変な奇跡ね♪
　

絵里「･･･」ﾆｺﾆｺ

にこ「はぁ、1人でゆっくり出来ると思ったのに･･･」

絵里「むっ、つれないわね」

絵里「でも気持ちはわかるわ」

にこ「1人コーヒーが？」

絵里「えぇ」

にこ「ポンコツの癖に良い趣味してんのね」

絵里「ポッ･･･！？」

ﾑﾆｰ

にこ「いひゃい、ひゅいまへん」

絵里「全く･･･」

「失礼します、ご注文は？」

絵里「ああ、それじゃあ」
　

絵里「どうしようかしら･･･」ﾍﾟﾗﾍﾟﾗ

絵里「うーん･･･どれもいいわね･･･」

にこ「･･･(優柔不断が)」

絵里「ブルマン･･･アメリカンコーヒーも良いけどな･･･」ﾌﾞﾂﾌﾞﾂ

にこ「はぁ･･･」ﾍﾟﾗｯ

にこ「すいません、こちらの方にこれ、1つ」

絵里「！？」

「･･･かしこまりました」

絵里「ちょっとにこ！勝手に頼むなんて酷いわ！」

にこ「あんたがクソ遅いからよ！頼んであげたんだから感謝しなさい！」

絵里「全く･･･美味しくなかったら許さないわよ」

にこ「ふふん」
　

にこ「･･･」

絵里「･･･あれ？にこ、飲まないの？」

にこ「･･･折角だからあんたのが来るまで待ってんのよ」

絵里「･･･ふふ」

にこ「･･･あによ」

やっぱり変な所で優しいんだから、にこは♪

「お待たせ致しました」ｶﾀﾝ

「こちらチョコレートコーヒーでございます」

絵里「え？チョコ？」

にこ「･･･」ﾆﾔｯ

「はい、こちら少し甘めのコーヒーにビターチョコレートを溶かしこんだものでして」

「このお店の名物にする予定なんです」

絵里「へぇー！ありがとうございます！」

「ごゆっくり」ﾆｺｯ

絵里「なかなか粋なことするじゃない、にこ」

にこ「ふん、私は大銀河宇宙ナンバーワンアイドルのにこにーよ？」

にこ「仲間の好み1つわからないで務まるもんですか」

絵里「･･･ありがとう、にこ」ﾆｺｯ

にこ「っ･･･どういたしまして///」
　

絵里「じゃあ、確か日本では乾杯をするのよね、はいにこ」ｽｯ

にこ「コーヒーの乾杯なんぞ聞いた事ないけど･･･まあいいわ」ｽｯ

ｷﾝ

にこ・絵里「「乾杯」」

絵里「･･･」ｽﾞｽﾞｯ

にこ「･･･」

絵里「･･･」

にこ「なによ黙って･･･もしかして口に合わなかった？(小声)」

絵里「･･･！」ﾊﾟｱｧｯ･･･！

にこ「おおう、凄い笑顔」

絵里「これやべぇわよ！ヤバウマよ！にこ！」

にこ「いや口調」

絵里「こんな美味しいコーヒー初めて･･･」ｽﾞｽﾞｯ

にこ「ふふ、ゆっくり飲みなさいよ」
　

ｻﾞｰｯ･･･

にこ「ありゃ、ちょっと本降りになってきたわね」

絵里「そうね、でもこれが良いのよね」

にこ「分かってるじゃない」ｽﾞｽﾞｯ･･･

絵里「窓際の席で、ガラスに当たる雨の音」

にこ「店では静かにジャズが流れてる」

絵里「雨とジャズのセッションを聞きながら」

にこ「暖かいコーヒーを飲む･･･」

ﾌﾟﾙﾌﾟﾙ･･･

絵里・にこ「「これよ(ね)！！」」

絵里「こんな贅沢が他にあるのかしら」

にこ「私はアイドルが何よりも大事、でもその次くらいにコーヒーが好きなのよ」

絵里「しかもただコーヒーを飲むんじゃないのよね！？」ｽﾞｲｯ

にこ「そう！雨が降ってなくてもいい！家のインスタントでもいい！静かな場所で孤独にコーヒーを飲めば！」

絵里「そこはもう」ｽｯ

にこ「私だけの喫茶店、よね」ｽｯ

ｷﾝ
　

二人「･･･ぷっ」

絵里「アハハ･･･！」

にこ「ふふふ･･･！」

絵里「ははっ･･･いや、こんな趣味持ってる人を探してたわ」

にこ「ふふ、にこもよ」

絵里「そう言えばμ'sにコーヒー好きはいなさそうよね･･･」

にこ「そう？ことりとか意外と好きかもしれないわよ？」

絵里「あ、ことりは似合いそうね。コーヒーの時はいつものチーズケーキじゃなくて、ティラミスとかにしてそうじゃない？」

にこ「あの子はマジで見た目が可愛いからコーヒーもしっかり似合うわよ」

絵里「凛とか、穂乃果は･･･」

にこ「絶対飲まないでしょうね」

絵里「にこちゃん、これ苦いよー！」

にこ「ぷっ、それ穂乃果のまね？」

絵里「こんな苦いの飲める訳ないにゃー！」

にこ「あっははは！」

絵里「ふふっ」
　

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ｼﾄｼﾄ･･･

にこ「･･･」ｽﾞｽﾞｯ

絵里「･･･」ｽﾞｽﾞｯ

絵里「コーヒー飲んでる時の静けさって嫌な感じしないわよね」ｽﾞｽﾞｯ

にこ「そうね･･･周りの喧騒も一種のBGMだと思えば」

絵里「全く嫌な感じがしない」

にこ「ね」

絵里「そう言えば、窓際の席選んだ理由は？」

にこ「そんなの分かりきってるでしょ」

絵里「･･･雨音？」

にこ「そ」ｽﾞｽﾞｯ･･･

絵里「大人ね･･･」ｽﾞｽﾞｯ

にこ「一応三年だしね･･･」

絵里「あっ、そっか」ﾎﾟﾝｯ

にこ「ぬわぁにがあっ、そっかよ！」
　

絵里「いやほら、外見相応と言うか」

にこ「すいません、400℃位のお湯を」

絵里「申し訳ございません」

にこ「分かればいいのよ」

絵里「ふふ･･･あら、無くなっちゃった」

にこ「奇遇ね、私もよ」

絵里「･･･」

にこ「ん？」

絵里「じゃあ、そろそろ出ましょうか」ｽｯ

にこ「ん、そうね」ｽｯ

「ありがとうございました、○○○円です」

絵里「私が出すわ」

にこ「いいわよ、私が出すから」

絵里「美味しいコーヒーのお礼よ、払わせて」

にこ「･･･そ、ありがと」

絵里「･･･」ﾆｺｯ

「また、お越しください」

ｶﾗﾝｶﾗﾝ･･･
　

しとしと降る雨の中を歩いていく

にこ「ありがとね、いつか埋め合わせするから」

絵里「そんな事考えないで、私が居合わせちゃっただけだから」

いつもは雨なんて
　

(うわミスった最後の最後で
ごめんもっかい)

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しとしと降る雨の中を歩いていく


にこ「悪いわね、いつか埋め合わせするから」

絵里「そんな事考えないで、私が居合わせちゃっただけなんだから」


いつもは雨なんて降ったら外には出たくなかった


にこ「･･･ふふっ、ええ、ありがとう」

絵里「それでいいのよ」


足は濡れるし風邪をひくかもしれない


絵里「･･･ひとつ聞いてもいい？」

にこ「ん？」
　

でも雨はコーヒーと一緒に


絵里「･･･何で自分が飲み終わってるのに頼まないで待っててくれたの？」ﾎﾞｿｯ

にこ「！？///」


こんな可愛いアイドルを連れて来てくれた


にこ「そそそれは、私が飲み終わったの気づかなくて///」ﾜﾀﾜﾀ

絵里「ふふっ、にこって優しいのね」


雨の降る中のコーヒーと、”2人で”
飲むコーヒーって

にこ「もううっさいうっさい！///」

絵里「アハハっ」


格別なんだって教えてくれた
　

絵里「また行きましょう、にこ」ﾆｺｯ

にこ「･･･ええ、勿論」ﾆｺｯ


コーヒーは、人によっても味わいが変わる物なのね
　

くぅつか、寝る