【ラップSS】かのん「は?ラップバトルで優勝しろ?」可可「ピンチデス…」千砂都「私の出番かな?」【初心者向け】【ラブライブ!スーパースター!!】

Liella!ーSS


1: (しうまい) 2021/07/30(金) 19:09:07.23 ID:zDMcEajZ
※一部変えてはいますが、マイクなどの設定はヒプノシスマイクからの流用です

※キャラディス要素を含みます。キャラディスが苦手な方、キャラ同士のディスが苦手な人にはおすすめできません

※キャラについては大部分を想像で書いてます

※今後の展開と矛盾する箇所が出るかと思います。2話時点から枝分かれしたパラレル時空として扱ってください

※ラップ部分は各自いい感じのリズムで読んでもらえると助かります

※作中に出てくるラップに関する考え方、意見はあくまでも一個人の見解です

※ストーリーは薄めです。今回は本当です

※作中で説明の都合によりヒプノシスマイクよりラップを引用している箇所があります
 
3: (しうまい) 2021/07/30(金) 19:11:26.72 ID:zDMcEajZ
〜結ヶ丘女子高等学校・生徒会室前廊下〜

千砂都「ふんふふ〜ん♪」

千砂都「YO!今日のお昼はカレーうどん」♪

千砂都「YO!真っ白な制服が汚れるよ」♪

千砂都「華麗にかきこむ、そして咳き込む」♪

千砂都「カレーが染み込む、染み抜きお疲れー」♪
 
4: (しうまい) 2021/07/30(金) 19:12:38.35 ID:zDMcEajZ
千砂都(ふふ…今回は高校生女子特有の無責任さを意識してみたよ)

千砂都(ま、カレーうどん頼まないんだけどね)

かのん「ちょっと!なにこれ!?」

可可「納得できないデス!」

千砂都「かのんちゃんたちの声?」
 
6: (しうまい) 2021/07/30(金) 19:14:02.40 ID:zDMcEajZ
〜生徒会室〜

かのん「話がおかしいでしょ!?」

クゥクゥ「こんなの聞いてないデスよ!」

恋「まったく…何が不満なのですか?」

恋「イベントで1位になれば認める、不本意ですがそういう話になったはずですよ?」

かのん「そうだよ…けど」

かのん「やってくれたね…」

かのん「何よ、これ…」
 
7: (しうまい) 2021/07/30(金) 19:15:51.74 ID:zDMcEajZ
恋「スクールアイドルのイベントに優勝したら認める…言葉どおりの条件を提案したつもりですが、どこか間違いがありましたか?」

かのん「間違い?はは…たしかにこれはスクールアイドルのイベントだよね」

かのん「でもさ…」

かのん「スクールアイドル"ラップバトル"って何?」

クゥクゥ「横暴デスよ!クーリングオフを要求しマス!」

恋「この場合、クーリングオフは関係ないと思いますが…」
 
8: (しうまい) 2021/07/30(金) 19:17:41.38 ID:zDMcEajZ
恋「ご存じでないのですか?スクールアイドルラップバトルを」

かのん「ご存じでないよ!だいたいなんでスクールアイドルがラップしちゃってんの!?」

かのん「おかしいでしょ!普通に歌って踊る感じのイベントでいいじゃん!」

恋「まあ、実を言うと私もどこぞの学校の理事長さんがそんな企画をはじめた、ということくらいしか知りません」

恋「音楽に関してはどんな活動であっても他校に劣るわけにはいかないとは言ったものの、出場者が見つからず…どうしたものか」

恋「…と悩みどころでしたが、ちょうどいいのであなたたちを出してしまおうと」

かのん「そんなわけのわからないものに私たちを出さないで」
 
9: (しうまい) 2021/07/30(金) 19:21:37.93 ID:zDMcEajZ
恋「学校同士で色々あるのですよ。結ヶ丘のような新設校は特に各校とのパイプを作らないといけないのです」

かのん「だから…なんで、そこで私たちになるの?」

恋「わかりませんか?もし、成績が奮わなくとも出たのが普通科の生徒であれば音楽科の名誉は保たれるからです」

かのん「負ける前提!?」

クゥクゥ「クゥクゥたちのこと、信じてないってことデスか?」

かのん「…そんな話を私たちが受けるわけないでしょ」

恋「では、この件は無かったことにして別のイベントにしましょうか」
 
10: (しうまい) 2021/07/30(金) 19:24:22.66 ID:zDMcEajZ
恋「そうですね…スクールアイドル料理バトル、などはどうですか?」

恋「もしくはスクールアイドル落語大会なども」

かのん「あー…なるほど…なるほど」

かのん「つまり、まともなイベントに出す気はないってことね」

恋「たとえ普通科の生徒でもまともな音楽イベントに出してこの学校の恥を広げるわけにはいきませんので」

かのん「だ、か、ら!私たちが失敗するって前提がそもそもおかしいでしょ!」
 
11: (しうまい) 2021/07/30(金) 19:27:50.55 ID:zDMcEajZ
可可「あ!かのんさん!クゥクゥ料理多分そこそこ得意デスよ!」

可可「…ラクゴというのもよくわからないデスが!行けそうデス!」

かのん「そこらへんは後々面倒になりそうからやめてほしいかな…」

ガラガラガラ…

千砂都「……まって」

かのん「ちぃちゃん?聞いてたの?」

千砂都「確認だけど、スクールアイドルラップバトルで優勝すればいいんだよね?」
 
12: (しうまい) 2021/07/30(金) 19:33:19.36 ID:zDMcEajZ
恋「はい、ですが無理だと思いますよ」

恋「この様子ではお二人ともラップは素人ですよね?」

かのん「そうだけど…」

恋「それで優勝、というのはあまりにも虫が良すぎるのでは?」

千砂都「…それはどうかな?」

千砂都「スクールアイドルラップバトル、それはスクールアイドルが己のすべてをかけて言葉をぶつけあう戦い」
 
13: (しうまい) 2021/07/30(金) 19:41:36.60 ID:zDMcEajZ
千砂都「言葉と言葉の戦い、その勝敗をつけるのは…」

千砂都「手に握るマイクに込めた想い、それだけだよ」

恋「あら?千砂都さんはお詳しいのですか?」

千砂都「ちょっとした筋からきいててね」

千砂都「ラップを具現化するマイク、どんな仕組みかは知らないけど面白いことを考える人はいるもんだよ」
 
千砂都「まったく…血が騒いじゃうよ」

かのん「ちぃちゃん、まさか…」
 
14: (しうまい) 2021/07/30(金) 19:43:20.20 ID:zDMcEajZ
千砂都「ハラジュクの嵐、そう呼ばれた時もあったね…懐かしいな」

可可「チサトさん、あなたまさかラップが…」

千砂都「まあ、それなりには…ね!」

かのん「ちいちゃん…いいの?」

千砂都「まかせてよ。これでもラップには自信あるんだから」

恋「まってください…」

恋「音楽科のあなたが普通科の方々とともにこのようなイベントに力を割く…ですか?」
 
15: (しうまい) 2021/07/30(金) 19:46:41.73 ID:zDMcEajZ
千砂都「音楽科の私が普通科のかのんちゃんたちと一緒に出るのがそんなに都合が悪いの?」

可可「生徒会長さんはわからず屋デス」

恋「…あなたがたの友情を否定はしません。ただ、友情という言葉に惑わされずにもう少し冷静になってみるべきだと思いますよ」

千砂都「冷静にって、わけわからないよ」

恋「あなたには他に背負うものもやるべきこともあると思いますよ」

恋「…まあ、あなたがどう思ってようと、結ヶ丘の名前を出す以上は学校の管轄下におかれます。決定権はこちらにあるということをお忘れなく」
 
16: (しうまい) 2021/07/30(金) 19:49:17.25 ID:zDMcEajZ
恋「少なくとも、あなたが出ることを私が許可することはありません…とだけ明言しておきます」

千砂都「そう…」

恋「わかっていただけましたか?」

千砂都「でも、葉月さんが決められるのは誰が出るかどうかだけだよね?」

恋「その通りですが、何を?」

千砂都「かのんちゃん!クゥクゥちゃん!」

かのん「は、はい!」

可可「なんデス?」
 
17: (しうまい) 2021/07/30(金) 19:50:26.28 ID:zDMcEajZ
千砂都「特訓だよ!」

千砂都「バトルの日までに私が二人を立派なラッパーに育てあげる」

千砂都「それで勝とうよ、スクールアイドルラップバトル!」

かのん「えっと、それは…」

千砂都「まずは学食でお昼を食べながら作戦会議だよ!」
 
18: (しうまい) 2021/07/30(金) 19:53:48.42 ID:zDMcEajZ
〜学食〜

可可「で、学食に来たわけデスが…」

かのん「どうするの?」

千砂都「とりあえず、食べながら進めていくとして…」

千砂都「んー、まずはラップって何?ってところからかな」

可可「なんとなくはわかりますが…」

かのん「ヘイヨー!みたいなこと言いながら音楽にのせてしゃべっていくくらいしか」
 
19: (しうまい) 2021/07/30(金) 19:57:05.67 ID:zDMcEajZ
可可「あと、イン…でしたっけ?響きが似た言葉を並べるみたいな」

千砂都「あー、うんそのくらいがわかってれば十分かな」

かのん「それでいいの?」

千砂都「んー、結局はフィーリングっていうか…やってるこっちもよくわかんないんだよね」

千砂都「そのあたりガチガチにしちゃうと息苦しいっていうか…」

千砂都「ま、これが自分のやりたいラップだってのを持つのはいいけど、これがラップだって決めるのはおすすめできないかな?」

千砂都「要は楽しければいいんだYO!」
 
20: (しうまい) 2021/07/30(金) 19:58:17.16 ID:zDMcEajZ
かのん「はあ…」

可可「わかったような、わからないような」

千砂都「さて、その上で今回は勝つことを求められてるわけなんだよね」

かのん「あ、そういえば…気になってることがあるんだけど」

千砂都「うん…なんとなく予想はつくよ」

かのん「私も何回かラップバトルっていうの?テレビとかでみたことあるんだけど、あれは何をどうしたら勝ちなの?」
 
21: (しうまい) 2021/07/30(金) 20:01:27.85 ID:zDMcEajZ
千砂都「あはは…まあ、当然出るよねその疑問は」

千砂都「んー、まあ今回はそこまでわかりにくくはならないだろうけど…あくまで普通のラップバトルの話をするなら"審査員に評価された方が勝ち"かな?」

かのん「えっと…」

可可「あの…かのんさんが聞きたいのは"何をしたら審査員に評価されるか"ということでは?」

千砂都「それはうん…そうなんだけど」

千砂都「このメンバーならまあ、通じる…のかな?」

千砂都「えっと、かのんちゃんなら合唱、クゥクゥちゃんならスクールアイドルでも多分あるんだろうけど」
 
22: (しうまい) 2021/07/30(金) 20:03:28.96 ID:zDMcEajZ
千砂都「この手のものは基準となる要素はあってもその時の審査員が何を重視するかで同じものでも評価が変わっちゃうんだよね」

かのん「あー、なんかわかる」

かのん「たしかに、音程の正確さとか強弱の付け方とかフレーズの表現の仕方とか基準はあるし、上手い下手がはっきりしてることもあるけど…」

かのん「順位とか1位とかつけるとなると、納得できない判定はあるね」

かのん「え?2位の方が1位よりもよかったじゃん?審査員見る目ないわー、とか思うこともあるし」

可可「なんだかんだ言っても最後は審査する人の感性にあうかということデスね」
 
23: (しうまい) 2021/07/30(金) 20:04:40.27 ID:zDMcEajZ
千砂都「うん、だから一言で説明しようとしたら"審査員に評価されるか"になっちゃうんだけど、今回はそこのところは心配ないかな」

かのん「心配ない?」

千砂都「うん、わかりやすく勝敗がつくと思うよ」

可可「なぜデス?」

千砂都「それはね…文字通り、相手を倒したら勝ちだからだよ」

かのん「えと…殴り合いでもするの?」

可可「クゥクゥ、暴力はよくないと思いマス」
 
24: (しうまい) 2021/07/30(金) 20:06:53.79 ID:zDMcEajZ
千砂都「そうじゃないよ、えっと…音ノ木坂って高校知ってる?」

かのん「アキバの方にある学校でしょ?元は音楽学校だったくらいは知ってるかな」

千砂都「そこの理事長さんが発案者らしいんだけど、とあるものが開発されたらしいんだよね」

かのん「あるもの?あ、そういえば生徒会室で言ってたね…たしか…」

千砂都「そう、ラップを具現化するマイクだよ!」
 
25: (しうまい) 2021/07/30(金) 20:08:03.51 ID:zDMcEajZ
可可「なんでそんなものを…?」

千砂都「そもそもの目的は兵器の根絶…だったかな?」

千砂都「あらゆる紛争をマイクを使ったラップバトルに代替することで平和的に解決するんだとか」

かのん「それは…まあご立派なことで」

可可「実現したらそれはそれで問題が起こりそうな気がしマスが…」

千砂都「そのあたりは偉い人に任せるとして、そんなこんなで研究されてたラップを具現化するマイクがついに開発された…みたいな噂が出てるんだよね」
 
26: (しうまい) 2021/07/30(金) 20:09:00.93 ID:zDMcEajZ
千砂都「葉月さんの口ぶりからするとマイクがすでに作られているのは確定で、テストも兼ねてラップバトルイベントを企画、その参加者を密かに各校から集めてるってとこかな?」

キーンコーンカーンコーン

千砂都「おっと、昼休みが終わっちゃうね」

千砂都「じゃあまた放課後に」

かのん「うん、またね」

可可「千砂都さんまたデース」
 
27: (しうまい) 2021/07/30(金) 20:16:46.35 ID:zDMcEajZ
〜放課後〜
〜かのん自宅・カフェ店内〜

千砂都「ということで昼の続きだけど」

かのん「ラップバトルは勝敗が審査員次第になっちゃうけど、今回はその心配はないって話だったよね」

千砂都「そう、不明確な審査員の主観評価じゃなくてマイクを通した攻撃としてラップが評価される」

千砂都「相手を倒したら勝ちだから勝敗もわかりやすいね」

千砂都「こんなことで喜ぶのは兵器根絶っていう目的で動いてる人に失礼かもしれないし、勝敗の基準が曖昧なのがラップバトルの一つの良さだって人もいるだろうけど…わかりやすくなったのはプラスと言えるかな」
 
28: (しうまい) 2021/07/30(金) 20:21:14.00 ID:zDMcEajZ
かのん「まっ、なるべく強い攻撃をして相手を倒せばいいってのはシンプルだもんね」

可可「あれ?でも、まってください」

かのん「ん?どうしたの?」

可可「強い攻撃をすればいい、とかのんさんは言いましたが…」

可可「では、その強い攻撃をするためにどうすればいいかという話になりませんか?」

かのん「あ…」

千砂都「そこなんだよね。マイクの判定基準なんてわからないし」

かのん「なんだよー、結局お手上げじゃん」
 
29: (しうまい) 2021/07/30(金) 20:30:46.63 ID:zDMcEajZ
千砂都「まあ、それでも人が審査するよりは予想はしやすいかな」

かのん「どういうこと?」

千砂都「えっと、マイクの判定基準が今までバラバラだった判定基準の代わりになるわけだよね」

かのん「まあ、そうなんじゃない?」

千砂都「そういう時ってさ、なるべく多くの人が納得できるようなものを作るんじゃないかな?」

かのん「あ!そうだね」

千砂都「完全にそうだって言い切れるわけじゃないけど、多くの人が見ているポイントを平均的なバランスで評価するものになるはずなんだ」

千砂都「基準は人によってバラバラだけど、それでも共通して評価されるポイントってのはあるからそこを押さえればいける!…はず」
 
30: (しうまい) 2021/07/30(金) 20:34:02.60 ID:zDMcEajZ
千砂都「で、私の考えるラップの評価ポイントがこれ」

①韻
②内容
③仕掛け
④表現(リズム、節回し)
⑤受け答え、返し

千砂都「ってことで、一つずつ見ていくよ」
 
31: (しうまい) 2021/07/30(金) 21:03:09.74 ID:zDMcEajZ
1.韻

千砂都「まずはこれだね。韻」

かのん「これはラップ以外でも使う言葉だし、知ってはいるよ」

千砂都「うん、ラップに限った話ではなく、同じだったり似たりしている音を繋げていくのを"韻を踏む"って言うよね」

可可「はい、中国語にも韻ありマス」

可可「ただ、その…」

千砂都「あ、そこも言うよ」
 
32: (しうまい) 2021/07/30(金) 21:07:28.67 ID:zDMcEajZ
千砂都「そう…この同じ音、似てる音の判定は国や言葉で違ったりする」

可可「はい、デスね」

千砂都「だから、まあ…日本のラップならではの韻の判定が出てくる」

千砂都「まず、日本のラップでは母音が同じなら韻とみなすんだ」

千砂都「と言っても子音が関係ないわけでもないし、子音で踏むこともあるんだけど、ひとまず母音で説明するね」
 
33: (しうまい) 2021/07/30(金) 21:10:44.00 ID:zDMcEajZ
千砂都「例えば、『嵐』『私』『流し』『形』はどれも母音『ああい』で同じ」

千砂都「ラップでは『ん』や『っ』や『ー』があっても同じと見ていいから」

・『あかりん』(ああいん)
・『ハターキー』(ああーいー)
・『さっぱり』(あっあい)
・『楽観視』(あっあんい)

千砂都「とかも同じだよ」
 
34: (しうまい) 2021/07/30(金) 21:15:47.21 ID:zDMcEajZ
千砂都「あと、全部が同じ必要はなくて一部だけ同じとかでもいいよ」

・頭韻(言葉のはじまりで踏む)
『ラブラ』イブ →『まくら』、『桜』内

・脚韻(言葉のおわりで踏む)
ラブ『ライブ 』→『ダイブ』、し『ばいぬ』
 
35: (しうまい) 2021/07/30(金) 21:52:53.02 ID:zDMcEajZ
千砂都「どこで踏むかってのは決まってはないんだけど、踏まれやすい箇所はあるかな」

千砂都「ちょっと具体例も出していくと」

〜〜〜〜〜〜〜〜〜
・小節末→次の小節末
例)
少年みたく無垢な『その目』
だがその眼差しは至極『聡明』

・小節頭→次の小節頭
例)
『ガキ』の頃から 飽きが来るまで
『あき』らめ悪い執着が武器だ
※『飽き』も踏んでいる

・小節末→次の小節頭
例)
人誑しの唄に『Hasta La Vista(アスタラビスタ)』
『明日から絆』 何たらは無しだ

・小節内
例)
『冗談すぎ』るぜ『厚顔無恥』
その『滑稽』さ 値する禁『固刑』

全て、ヒプノシスマイク
『D.R.B Rhym Anima -Final Battle- MAD TRIGGER CREW VS 麻天狼』から引用

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

千砂都「このあたりが多い」
 
37: (しうまい) 2021/07/30(金) 22:12:29.36 ID:zDMcEajZ
千砂都「さてと、これが韻なわけだけど、じゃあこの韻がどう評価につながるかだよね」

千砂都「韻の評価ポイントはいくつかあるけど3つほど…」

千砂都「まずは数だね。踏んでる箇所が多いほどいい、同じ韻を繰り返したりするとテンポもよくなるしね」

千砂都「次に、踏んでいる長さ」

可可「長さ…デスか?」
 
38: (しうまい) 2021/07/30(金) 22:14:19.20 ID:zDMcEajZ
千砂都「うん。踏むにしても2文字よりは3文字の方が踏みにくいでしょ?でね、例えばこんなのがあって」

これはチワワ対シベリアトラ
おれ達ならば一撃だコラ
『Joy for Struggle』より


千砂都「なんと、フレーズ丸ごとで踏んでいる。こういうのは『全踏み』って言ったりするんだけど評価ポイントになりやすいね」
 
39: (しうまい) 2021/07/30(金) 22:17:48.48 ID:zDMcEajZ
千砂都「3つ目は意外性かな?」

千砂都「ありきたりな言葉どうしで踏まれてるところに『え?それで踏めるの?』ってワードが放り込まれると盛り上がるね!」

千砂都「『真人間(まにんげん)』と『サインペン』!?確かに一緒だけどそれで踏む!?…とか」

かのん「お、おう…」

可可「わかる人にはわかるというやつでしょうか?」
 
40: (しうまい) 2021/07/30(金) 22:41:35.91 ID:zDMcEajZ
千砂都「とはいえ、韻はいかに聞かせるかっていう技の一つでしかない、これもまた事実」

千砂都「ぽんぽん踏めるのは一つの強みになるし、狙うのはいいけど、韻を踏むのはあくまでもフレーズに飾りをつけてるだけってのは忘れちゃダメだね」

千砂都「それに同じ韻を繰り返す以外にも韻でフレーズをつないで流れを作ったり…」

千砂都「韻を踏んだ上であえて韻を踏まない箇所を作って主張を入れていくというのも韻の使い方だね」

千砂都「そういう意味で、これを紹介して韻の説明を締めるよ」
 
41: (しうまい) 2021/07/30(金) 22:44:14.68 ID:zDMcEajZ
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
『オピオイド』みたいな『蜘蛛の糸』『垂らす』
人『たらし』がすぎるぜ先生
お『遊戯』みたいな淀んだ『空気』で
『死んだ』哀れな幼稚園(『キンダー』ガーデン)

世のな『かで』、権力、『金』に
勝る唯一の力こそ韻(ライム)!
こそばゆいのはやめてくんねぇ?
じゃれあいじゃねえ、〇し合いじゃねえ?

『D.R.B Rhym Anima -Final Battle- MAD TRIGGER CREW VS 麻天狼』より
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
 
50: (しうまい) 2021/07/31(土) 00:15:54.88 ID:zZtdCHY8
千砂都「そう、【1】はギャンブラーだからこそ、【2】は会社員だからこその言葉があってそれぞれに合った言葉をチョイスしている」

千砂都「この例は言ってる人だけで考えたけど、言われてる人、場所、状況、そういうのに合った言葉があってそういう言葉をチョイスしているかどうかが言葉のチョイスだよ」

千砂都「さっき出した>>41が"弱い者が強い人に依存して保護されている関係"を相手が先生と呼ばれてるのになぞらえて幼稚園って皮肉ったりとかはその例だね」

可可「同じことを言うとしても言葉のチョイスひとつで何倍もの破壊力がある…ということデスか」

かのん「馬鹿を馬鹿というだけなら馬鹿でもできるってことね」
 
42: (しうまい) 2021/07/30(金) 22:47:38.00 ID:zDMcEajZ
千砂都「まさに韻ってのは何かを表す一節」

千砂都「前半部分では韻を切り替えつつ滑らかにフレーズをつなぐ!」

千砂都「そうやって韻の力を示した上で、韻こそが力を持つんだと主張!」

千砂都「そして、最後!もう凝った韻なんていらない!前半で…いや、バトルを通してこれでもかと韻を踏んだからこそ」

じゃれあいじゃねえ
ころしあいじゃねえ?

千砂都「この、シンプルな韻が何よりも恐ろしい!!」
 
43: (しうまい) 2021/07/30(金) 23:12:49.10 ID:zDMcEajZ
千砂都「で、この先で話すことにも触れさせてもらうと…」

千砂都「これを言われたのはお医者さんでメンバーから"先生"って呼ばれて慕われているんだけど、それを幼稚園の先生と園児に例えてるのもうまいね」

かのん「お、おう…おう?」

可可「かのんさんの頭がフリーズしてます!」

千砂都「韻についてはこのくらいだね」
 
44: (しうまい) 2021/07/30(金) 23:15:53.37 ID:zDMcEajZ
千砂都「ここまで説明しといてなんなんだけど、意識しないで思わぬところで踏んでたりもするし、きっちり踏めてなくても踏めてるっぽく聞こえれば通っちゃったりもするし…」

千砂都「韻はそんな気にしなくていんじゃない?と思うよ」

かのん「………」

可可「かのんさん!かのんさんが完全に止まってマス!」

〜間〜

かのん「危なかった…」

可可「良かったデス…かのんさんが戻ってきてくれて…良かったデス」

千砂都「大変、失礼しました…」
 
45: (しうまい) 2021/07/30(金) 23:38:07.37 ID:zDMcEajZ
かのん「で、まだ残ってるんだっけ?」

千砂都「そうだね…」

かのん「うう…覚えられるかな」

千砂都「あ、次のは覚える必要はないと思うよ」

千砂都「かのんちゃんならすでにマスターしてると思うし」

かのん「???」

千砂都「さて、では次だね」

可可「お手柔らかに頼みマス」
 
46: (しうまい) 2021/07/30(金) 23:44:03.70 ID:zDMcEajZ
2.言葉や内容のチョイス

千砂都「これはそんなに難しい話じゃない」

千砂都「効果的な言葉や話題を出しているか、そういう話だよ」

かのん「効果的って…」

千砂都「んー、まあ挙げるとすると」

・自分だからこそ使える言葉や話題
・その相手だからこそ刺さる言葉や話題
・自分と相手の関係だからこそ成立する言葉や話題
・その時、その場所ならではの言葉や話題

千砂都「こうなんだけど…まあ何というか」

千砂都「そんなんいつでもどこでも誰でも誰にでも言えるだろ?ってのから離れるほどいいかな」
 
47: (しうまい) 2021/07/30(金) 23:56:31.91 ID:zDMcEajZ
千砂都「まずは言葉のチョイスかな?」

千砂都「さて、2つほど具体例を」

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
【1】
おい!誰がバカだ!それよりもバカラ
馬でも鹿でも猪鹿蝶だ
元手を頂戴 my posses?
倍の倍返し 奪い返すぜキョーダイ

『Hoodstar』より

【2】
上司ども調子どう 企画書を用意しよう
媚び売りとは決して違う 渾身のヨイショ
つり革掴む手で マイク持ち歌うぜ
定時内に終わらせれば 未来も外も暗くねえ

『TOMOSHIBI』より
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
 
48: (しうまい) 2021/07/30(金) 23:58:21.43 ID:zDMcEajZ
千砂都「さて、問題です!これらはそれぞれどんな人がラップしてるでしょうか!?」

クゥクゥ「むう…先程のといい、クゥクゥには難問デス」

千砂都「はは、ごめん…」

かのん「クゥクゥちゃん、私にまかせてよ」

かのん「【1】はバカラ、猪鹿蝶、元手、倍の倍返しとか言ってるしギャンブル好きでしょ?」

千砂都「正解!ちなみにこれは『バカ』って言われたのを『バカラ』、そしてバカは馬鹿って書くことから『猪鹿蝶』につなげるという機転が光るフレーズでもあるよ」
 
49: (しうまい) 2021/07/31(土) 00:00:34.56 ID:zZtdCHY8
かのん「【2】は上司とか企画書とか…会社員かな?なんかブラックな会社でこき使われてる底辺()って感じ」

千砂都「いいね!これもちょっと触れておくと、韻とリズムの快調さと社畜ワードのチョイスがせめぎ合ってる野心あふれるフレーズだね」

千砂都「で、ここからが本題、例えば会社員が【1】をやったり、ギャンブラーが【2】をやったらどう?」

かのん「なんか合わないなってなるね」
 
52: (しうまい) 2021/07/31(土) 00:21:56.76 ID:zZtdCHY8
千砂都「で、内容のチョイスだね」

千砂都「その場にあった有効な話題を出して自分の長所をアピールしたり相手の短所を攻撃する」

千砂都「かのんちゃんはこれ結構得意なんじゃないかな?」

かのん「つまり、あれでしょ?自分の勝てる話題とか相手の突かれたくない話題を出せ、みたいな」

かのん「ま、越えちゃいけないラインはあるだろうからあくまでもその範囲内でだけど」

かのん「口喧嘩の基本の基本じゃん?伊達に姉妹喧嘩してないっての」
 
53: (しうまい) 2021/07/31(土) 00:34:40.29 ID:zZtdCHY8
千砂都「はは…育った環境だか性格だかあるんだろうけど、たまにここで妙な才能を発揮する人がいるんだよね」

千砂都「まあ、それは置いといて…」

千砂都「よくあるのは、自分とか相手の出身地について持ち出したり、久しぶりに会った相手に『まったく進歩してないな』みたいなことを言ったりかな?」

千砂都「ま、これもちょっと具体例を」

千砂都「例えば…みかんがとても好きでスクールアイドルグループのリーダーをしている子がいて、その子がみかんを食べようとしない自称堕天使で同じグループの後輩とバトルをした場合」

かのん「は?」

可可「そんな状況があるのデスか?」

千砂都「…あるって想定でお願いします」
 
54: (しうまい) 2021/07/31(土) 00:36:57.19 ID:zZtdCHY8
神と戦う気高い堕天使?
いやいやあんたはただの変人
神秘求めてストーンヘンジ
行ってろ、どうした?「はい」だろ返事

みかん食わないとか終わってんし
そんな奴メンバーにいらねーし
足りてないだろビタミンC
あっという間にほら瀕死
 
55: (しうまい) 2021/07/31(土) 00:39:59.42 ID:zZtdCHY8
千砂都「みたいなことを言えるとなかなかグッドだね」

かのん「えっと、その具体例にした意味がわかんないんだけど」

千砂都「メタなこと言っちゃうと、多分読んでる人にはこの方が分かりやすいかなと」

千砂都「他のみたいに引用しようとも思ったんだけど、いくら状況の説明をしても元ネタを知らない人には伝わらないんだよね」

千砂都「これはバトルしてる両者の情報とか間柄とかが充分に頭に入ってることが大前提になるので」

千砂都「なんとか説明できそうなのはあるんだけど、それは別のところで使いたいし」

可可「あの…」
 
56: (しうまい) 2021/07/31(土) 00:46:06.88 ID:zZtdCHY8
可可「みかんを食べられなくてもビタミンCは取れマスし、ビタミンCが足りなくても瀕死にはならないのでは?」

可可「それに先輩だからこそ、このようなパワハラ発言はいけないとクゥクゥは思いマス」

可可「メンバーにいらないなんて言うのはダメですよ!」

千砂都「わかる、わかるよ」

千砂都「そう、これはまったくもって根拠のない暴論、遠慮のない暴言なんだよ」

千砂都「ただね、堕天使という相手が大事にしている要素、先輩と後輩という二人の関係、みかんに対しての好きと嫌い、同じグループのリーダーという立場、それらをつなげて8行に込めたことが大事なんだ」

千砂都「自分と相手と場と状況、それらの要素を活かした内容をいかに思いつくか…それが評価につながるのがラップバトルなんだよ」

千砂都「ということで次!」
 
57: (しうまい) 2021/07/31(土) 01:09:23.84 ID:zZtdCHY8
3.仕掛け

千砂都「これはラップというより国語みたいな話になっちゃうけど、フレーズに仕掛けを入れて驚かせるみたいな話だよ」

かのん「???」

可可「イマイチわからないデス」

千砂都「あーまあ、これはね…そもそも評価基準になるほど使われることはないかな」

千砂都「あっても気付ないこともあるし」
 
58: (しうまい) 2021/07/31(土) 01:11:12.10 ID:zZtdCHY8
千砂都「関連のある言葉を並べるとか二重の意味にとれる表現を入れていくとか?ぱっと思いつくのはこれくらい」

かのん「うう、それを聞いてもわからない…」

千砂都「まあ、説明はするよ」

千砂都「まずは関連のある言葉かな?」

例を出すと…
 
59: (しうまい) 2021/07/31(土) 01:17:02.93 ID:zZtdCHY8
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
とおに到着 急にくるやん
ぱっと咲いて死地に向かうんや
ロクでもないけど後光がさしてる
3人が一番で乾杯 はい優勝

『なにわ⭐︎パラダイ酒』より
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
 
60: (しうまい) 2021/07/31(土) 01:26:23.89 ID:zZtdCHY8
可可「これは…ふむ…」

かのん「あー、私わかったかも」

かのん「んーと」

とお(10)に到着 急(9)にくるやん
ぱっ(8)と咲いて死地(7)に向かうんや
ロク(6)でもないけど後(5)光がさし(4)てる
3(3)人(2)が一(1)番で乾杯 はい優勝

かのん「みたいに数が入ってて、10から1まで順番になってる」
 
61: (しうまい) 2021/07/31(土) 01:45:28.50 ID:zZtdCHY8
千砂都「正解だよ。あえて出さなかったけど実際はこの前に『乾杯しまっせテンカウントどうぞ』ってフレーズを言ってこの仕掛けが気づかれやすくなってるんだ」

千砂都「数以外にも季節、方角、色、あとは動物関連で固めるとかあるかな?」

千砂都「とまあこれが関連のある言葉を並べていく技法だね」


千砂都「で、次は二重の意味だね。これは2つほど例を出すよ」

千砂都「一つ目はこれ」
 
62: (しうまい) 2021/07/31(土) 01:48:24.52 ID:zZtdCHY8
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
依頼心だぁ?死んだなてめぇ
まず、へし折る 両足の避雷針
やけに急に息を吹き返したが
水さすなよ こっちは焼け石

『D.R.B Rhym Anima -Final Battle- MAD TRIGGER CREW VS 麻天狼』より
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
 
63: (しうまい) 2021/07/31(土) 01:51:20.70 ID:zZtdCHY8
かのん「随分とキレてるね…」

千砂都「これが左馬刻サマだよ」

千砂都「ここは後に出す節回しの要素もあってなかなか面白いから一度実際にきいてほしいね」

千砂都「で、注目したいのは最後のフレーズ」

『水さすなよ こっちは焼け石』

可可「えーと、水を差すは"邪魔をする"ってことデスよね」

かのん「焼け石は加熱されて熱くなった石だよね…触ったら危険だってこと…でも…」
 
64: (しうまい) 2021/07/31(土) 01:54:21.59 ID:zZtdCHY8
千砂都「そう、このフレーズを聞いた時にある言葉が浮かんだはず」

かのん「…焼け石に水?」

可可「日本のコトワザでしたっけ?」

千砂都「うん、"焼け石に水"…お前らが何をしようと無駄だってメッセージが浮かんでくる」

千砂都「このフレーズは焼け石で終わってるから"焼け石に水"なんて言葉は出てない、だけどその前の"水さすな"から"焼け石に水"が浮かぶ」

千砂都「これが一つ目、言葉どうしがつながって別の意味が出てくるパターン」

千砂都「そして、二つ目はこれ」
 
65: (しうまい) 2021/07/31(土) 01:56:57.66 ID:zZtdCHY8
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ここまでの痛み言うならば成長痛
トップギア向きな三郎 Version two
韻踏み外せば奈落
ならくーそーだろ覚めろガキの夢現つ

山田三郎 よわい14だ、
まだパブロ・ピカソでも修行中
だが今すぐ強さ必要だ
超え ボーダー この世は乱暴だ

『ヒプノシスマイク -Glory or Dust-』より
※説明の都合により一部表記を元から変えています
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
 
66: (しうまい) 2021/07/31(土) 01:58:12.52 ID:zZtdCHY8
千砂都「あ、ちなみにこれ途中の行が4拍じゃないから気をつけてね。YouTubeでフルで聴けるからそっちで確認することをおすすめします」

かのん「んーとこれは…なんだ?」

千砂都「これも他のフレーズとつながるって点では同じなんだけど…」

千砂都「まずはここ」

『ならくーそーだろ覚めろガキの夢現つ』

かのん「あ、そういえば、なんでそこひらがななんだろって思った」
 
67: (しうまい) 2021/07/31(土) 01:59:54.54 ID:zZtdCHY8
千砂都「一応、元の表記だとこうなってるよ」

『ならクソだろ覚めろガキの夢現つ』

可可「あー、こうデスね」

かのん「あれ?そっち?」

千砂都「おっ!かのんちゃんはもう一つの方だね」

かのん「え?だって、その後で覚めろとか夢現つとか言ってるなら」

『なら空想だろ覚めろガキの夢現つ』

かのん「こうじゃないの?」
 
68: (しうまい) 2021/07/31(土) 02:16:01.51 ID:zZtdCHY8
千砂都「ふふ…それが今回の肝、同音でのダブルミーニングだよ」

千砂都「ラップってのは音だからね、一つのフレーズがいくつかの意味に聞こえることがあるんだよ」

千砂都「さて、それを踏まえて」

『山田三郎 よわい14だ』

千砂都「これはどう?」
 
69: (しうまい) 2021/07/31(土) 02:17:06.40 ID:zZtdCHY8
かのん「まず、この山田三郎って子が14歳ってことだよね…」

かのん「だからこうでしょ?」

『山田三郎 齢14だ』

千砂都「そう、一つ目はこれ」

可可「ふふ…もう一つはクゥクゥが答えますよ」
 
70: (しうまい) 2021/07/31(土) 02:37:15.21 ID:zZtdCHY8
可可「その下のフレーズに鍵がありマス!」

山田三郎 よわい14だ、
まだパブロ・ピカソでも修行中
だが今すぐ強さ必要だ

可可「よわい14だ、からの強さ必要だ…つまり…」

『山田三郎、弱い14だ』

可可「こうデス!」

千砂都「正解だよ!」
 
71: (しうまい) 2021/07/31(土) 06:17:24.95 ID:zZtdCHY8
かのん「おおおおおお!」

可可「見ましたか!クゥクゥは日本語もバッチリデスよ!」

千砂都「と、まあこんな感じで限られた枠でどんな仕掛けをしてくるかで評価されるのが一つかな?」

千砂都「ただ、これは突き詰めていくとラップというより詩になっちゃうんだよね」

千砂都「あくまでもやることはバトルで、主張がわからないくらいの仕掛けは逆効果だから使い所は選んだ方がいいね」
 
72: (しうまい) 2021/07/31(土) 06:33:30.23 ID:zZtdCHY8
④表現・節回し

千砂都「さて、次は表現と節回しだけど…ここら辺は二人とも説明されなくてもわかるんじゃないかな?」

かのん「表現はどこを強調するかとか、嬉しい時は嬉しそうに、悲しい時は悲しそうにとか…」

可可「節回しはリズムにのせてテンポ良くとか、こぶしとかしゃくり入れたりとかそういうことデス?」

千砂都「そうだね。さっきまでのが何を言うかならこっちはどう言うかだよ」

千砂都「ラップでは韻を踏んでる箇所がわかりやすくなるようにそこを強調したり同じ韻のところは同じように言ったりもするかな」
 
73: (しうまい) 2021/07/31(土) 10:54:49.65 ID:zZtdCHY8
千砂都「ここに関してはこのくらいにしとくよ」

千砂都「これはもうラップじゃなくて朗読でも落語でもいいから聞いて、できればまねしてという他にない」

かのん「さっきまでのよりあっさりしてるような」

千砂都「そうだね。ただ、ここは想像しているよりも重要だよ」

千砂都「ラップは声を出して聞かせるもの、文字を出して補助したり文字だけになることもあるけど基本は音なんだ」

可可「そうデスね」

千砂都「どんなに韻を踏めてようと、どんなにパンチの効いた内容だろうと、どんな凝った仕掛けがあろうと、それが聞いてる人に伝わらなかったら意味はない」

千砂都「最後の最後に大切なのはどうやって聞かせるかなんだよ」

千砂都「では、ようやく最後のひとつだね」
 
75: (しうまい) 2021/07/31(土) 13:00:14.47 ID:zZtdCHY8
5.受け答え、返し

千砂都「では、最後の一つ"受け答え、返し"」

かのん「ようやく最後か…」

可可「クゥクゥ、もうお腹がクゥクゥです」

千砂都「ラップバトルはバトルなんだ。だから相手のラップに対して自分のラップを返さないといけない」

千砂都「あなたはこう言ったけど違うんじゃないか、とかあなたの自慢してるものなんか大したことないとかそんなことを返す」
 
76: (しうまい) 2021/07/31(土) 13:01:49.77 ID:zZtdCHY8
千砂都「返すのはラップだからここまでに説明した韻、言葉や内容のチョイス、仕掛け、表現や節回しなんかが入ってくるんだけど…」

千砂都「もう一つ、別の視点が入ってくる」

かのん「別の視点?」

千砂都「ここで相手のラップをうまく利用してるとすごいってなるんだ」

可可「相手のラップを利用?」

千砂都「これも例を挙げていくよ」

千砂都「返される側のラップがこれ」
 
77: (しうまい) 2021/07/31(土) 13:04:36.58 ID:zZtdCHY8
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
嘘か誠か夢か現か
どっちでもいい邪魔すればしょっぴく
超ILLなpolisがlead
M.T.C to 完全勝利

無いですよ?番狂わせ
シブヤ落とす韻踏むだけ
今日の夢はきっと悪夢(ナイトメア)
お布団かぶって泣いとけや

『Reason to Fight』より
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
 
79: (しうまい) 2021/07/31(土) 13:09:16.62 ID:zZtdCHY8
>>77
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
小生は悪夢すらも美味しくいただく獏
ついでにウサギも煮込んでパクパク
隠し味は少々捻った韻(ライム)
深き世界へダイブ

沈めてやる 結末は小生が書く
あなたの負けだけは変え難く
我が言霊が襲いかかる
終わりの鐘がなる

『Reason to Fight』より
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
 
78: (しうまい) 2021/07/31(土) 13:05:43.40 ID:zZtdCHY8
千砂都「これ、言われてる人は小説家なんだよね
だから、その人は嘘って言葉を使って相手を煽る手を使うんだけど…」

『嘘か本当かなんてどっちでもいいだろ』

千砂都「とまあ、相手の十八番を潰しにかかってるわけだ」

千砂都「で、『今日の夢はきっと悪夢(ナイトメア)』」

千砂都「このフレーズ、そして言っている人の前が入間銃"兎"であることを利用して出た返しがこちら」
 
80: (しうまい) 2021/07/31(土) 13:10:33.95 ID:zZtdCHY8
千砂都「やりやがった!相手の悪夢というワードに対してそれを食べる獏を出し、そして動物つながりで相手の名前に兎が入っていることを利用し…」

千砂都「おいしくいただいた!!!捻ったライムを隠し味にしてね!!!」

千砂都「言うまでなくライムってのは果物の方ともかかってんだろうよチクショー!」

かのん「ウサギが"ついでに"食べられてるってのがまた皮肉だね」

可可「獏とパクパクで韻も踏んでマス」

かのん「あ、"沈めてやる"なのは煮込んでるからか…」
 
81: (しうまい) 2021/07/31(土) 13:24:29.98 ID:zZtdCHY8
千砂都「そして、『嘘か真かなんてどっちでもいいだろ』と今まで嘘で相手を煽ってきたことに触れられたのに対して」

『結末は小生が書く』
『あなたの負けだけは変え難く』

千砂都「このバトルの結末=真実を決めるのは自分、もう真実は決まっているのだと小説家として宣言した」

千砂都「つまり…嘘を生み出す小説家を攻撃しようとした言葉に、真実を作る小説家として答えたんだ!」

かのん「あんたの知ってる俺よりも俺は先を行っている、そういうことだね」
 
82: (しうまい) 2021/07/31(土) 13:29:10.25 ID:zZtdCHY8
千砂都「こんな風に相手の言ったことを逆に攻撃に利用したり、自分のアピールにつなげたりそういう返しが決まると高ポイントだね」

千砂都「さて、盛り上がってきたところで次だよ」

千砂都「返しにはよく使われるパターンがあってね、それがこれから紹介する相手の韻にかぶせるパターン」

千砂都「で、返される側のがこちら」
 
83: (しうまい) 2021/07/31(土) 13:32:14.31 ID:zZtdCHY8
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
黙っていればいい気に
なるバカなら一気に
黙らせるその口チャック
さらに縫い合わせてく

閉じるその癇に障る
高い声はシャットダウン
君の未来不安定
気づけば僕のクランケ

『BATTLE BATTLE BATTLE』より
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
 
85: (しうまい) 2021/07/31(土) 13:35:32.18 ID:zZtdCHY8
>>83
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
えーやだー クランケって
どうせならば フランケン
みたいにかっこよくて
強い奴じゃないと不満です

いくらお口チャックしても
すぐに開くビリビリー
癇に障るならばなおさら
まずは右耳左耳

『BATTLE BATTLE BATTLE』より
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
 
84: (しうまい) 2021/07/31(土) 13:33:54.75 ID:zZtdCHY8
かのん「これ言ってる人は医者なのかな?」

可可「縫い合わせるとかクランケとかいってマスから多分」

千砂都「そして、返しがこれだよ!」
 
86: (しうまい) 2021/07/31(土) 13:37:37.61 ID:zZtdCHY8
千砂都「『クランケ』という言葉からの『フランケン』で相手の踏んできた韻を利用する」

可可「フランケンが体を縫い合わされた怪物ってのがまたうまいデス」

かのん「『不満です』でさらに踏んでるね」

千砂都「こんな感じで互いに返しあっていくんだけど、互いの返しが冴えに冴えた例をここで」

千砂都「これがスタート」
 
87: (しうまい) 2021/07/31(土) 13:50:29.28 ID:zZtdCHY8
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
サシで勝負とは差し出がましいガキだ
いつ泣き出すか気が気じゃねぇぜ
磨き上げた長ドスみてぇな
俺にオモチャでチャンバラしてぇか?

『D.R.B Rhym Anima -1st Battle- Buster Bros!!! VS MAD TRIGGER CREW』より
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
 
89: (しうまい) 2021/07/31(土) 14:12:43.99 ID:zZtdCHY8
>>87
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
耳かっぽじれナマクラなヤクザ
こりゃ文字通り真剣勝負だ
正直ショックだぜチンケなチンピラ仕草
しくさるてめぇへのシグナル

『D.R.B Rhym Anima -1st Battle- Buster Bros!!! VS MAD TRIGGER CREW』より
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
 
92: (しうまい) 2021/07/31(土) 14:22:08.04 ID:zZtdCHY8
>>89
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ほうら、すぐ泣く 何がシグナル
何も良くなる事ねぇやり方もある
何が美学?あぁ!?
偽善者の理屈にゃ虚しくなる

『D.R.B Rhym Anima -1st Battle- Buster Bros!!! VS MAD TRIGGER CREW』より
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
 
88: (しうまい) 2021/07/31(土) 13:51:36.18 ID:zZtdCHY8
千砂都「『サシ』から始まった『差し』、『ガキ』『泣き』、気『が気』、み『がき』の韻、最後の『みてぇ』→『してぇ』の韻もさることながら」

千砂都「仲間も倒れて『サシ』で切り込んできた相手に対して、『長ドス』みたいな自分と『オモチャでチャンバラ』するつもりかと問う、そんなフレーズ」

千砂都「それに返したのが」
 
90: (しうまい) 2021/07/31(土) 14:16:03.89 ID:zZtdCHY8
千砂都「いやー、『ナマクラ』→『ヤクザ』から始まって、『チンケな』→『チンピラ』『仕草』→『しくさる』→『シグナル』のつなぎ、痺れるね!」

千砂都「『長ドス』みてぇな俺と『オモチャでチャンバラ』してぇか?と言われ」

千砂都「それを『ナマクラ』なヤクザと言って『真剣勝負』だと返す」

千砂都「お前は長ドスじゃなくてナマクラだ!俺はオモチャじゃなくて真剣だ!これはチャンバラじゃなくて真剣勝負だ!」

可可「おお!」

かのん「なかなか熱いじゃん」

千砂都「それに対しての返しが」
 
93: (しうまい) 2021/07/31(土) 14:26:57.91 ID:zZtdCHY8
千砂都「『シグナル』に『すぐ泣く』ぶつけて前に言った『いつ泣き出すか』を回収しつつ、『良くなる』『もある』とかつないで最後に『虚しくなる』とか鬼畜だね」

千砂都「『むなしくなる』って、『しぐなる』丸飲みしちゃってるじゃん!」

かのん「あの、最後の2小節が唐突なんだけど?美学とか偽善者とか」

千砂都「そこは、まあここだけ見たら最後の2小節が唐突なのは否めないね」

千砂都「一応、相手を的確にディスってる言葉なんだけど、とりあえずここは気にしない方向で」
 
94: (しうまい) 2021/07/31(土) 14:35:26.66 ID:zZtdCHY8
千砂都「これが返し、相手の全力を時には鮮やかに、時には泥臭く打ち返す…ラップバトルにおける最大の評価ポイントはここにあると言っても過言ではないよ」

千砂都「さて、私のラップ講座は以上なわけだけど、何かききたいことはあるのかな?」

かのん「はは、思ったより色々あって私にできるかなってのが…」

可可「クゥクゥは日本語バンガってますが、とても不安デス」

千砂都「あー、色々駆け足で詰め込んじゃったからね…それは申し訳ない」

千砂都「でもね。実のところ今までのは忘れちゃってもいいかな?覚えるものでもないし」
 
95: (しうまい) 2021/07/31(土) 14:36:45.20 ID:zZtdCHY8
千砂都「覚えてくことがあるならひとつだけだよ」

千砂都「自分の気持ちも技術もぶつけて相手も周りも燃えさせろ」

かのん「燃えさせる…ね」

千砂都「まあ、いろんな意味で燃やしたもん勝ちなんだよ」

可可「それを聞いてもまだよくわからないデスが…」

かのん「やるしかない…だよね」
 
96: (しうまい) 2021/07/31(土) 15:09:22.11 ID:zZtdCHY8
千砂都(それから私たちはラップバトルの特訓を始めた)

千砂都(私の見立ては正しかった)

千砂都(まず、かのんちゃん)

千砂都(音楽に何年も触れて培ったフレージングのセンス、初対面の相手だろうと気に入らなけば噛み付くガッツ、世の中をどこか冷えた目で皮肉るウィット、ラッパーとしての適性は充分だった)

千砂都(そして、可可ちゃん)

千砂都(スクールアイドルを目指してはるばる日本まで来た胆力、授業中寝ていても指されたら回答できるほどの頭脳、リズムゲームをシャンシャンして鍛えたリズム感、それらが実を結んでめきめきとラップの腕があがっている)

千砂都(あと…)
 
97: (しうまい) 2021/07/31(土) 15:11:01.26 ID:zZtdCHY8
すみれ「二人ともなかなかやるようにはなったけど、この平安名すみれの足元にも及ばないわね!」

すみれ「私のラップを参考にさらなる高みを目指しなさい!」

かのん「うん、りょうかいだよー」

可可「さすがすみれさんデスねー」

すみれ「なによ!その反応!」
 
98: (しうまい) 2021/07/31(土) 15:14:33.21 ID:zZtdCHY8
千砂都(なんやかんや紆余曲折を経て、協力してくれることになった平安名すみれちゃん)

千砂都(いつの間にかこんないじられキャラが定着してるけど、ショウビジネスの世界で生きてきたと言ってるだけあってパフォーマンスはピカイチだ)

千砂都(いかに見ている人を楽しませるかを本能で掴み取るセンス、黙っていても目を引く存在感、舞台で発揮する華やかさ、まさに魅せるラッパーだ)
 
99: (しうまい) 2021/07/31(土) 15:20:15.94 ID:zZtdCHY8
千砂都(なにより…)

かのん「ま、すみれちゃんが来てくれたおかげで3人でラップバトル出場できるようになったし」

可可「そうですね、人数あわせにはなりマシた」

すみれ「喧嘩売ってるなら受けてたつわよ!」

千砂都(いい具合にチームのムードを作ってくれている)

千砂都(個々の力も上がってきてるし、これはいけるかな…優勝)
 
100: (しうまい) 2021/07/31(土) 17:14:03.54 ID:zZtdCHY8
〜大会当日〜

千砂都(こうしてはじまったスクールアイドルラップバトル)

千砂都(3人は特訓の成果もあって順調に勝ち進み…そして)

かのん「決勝進出…か」

可可「あと一回勝てば優勝、スクールアイドルができマス」

すみれ「ま、私がいれば当然よね!もちろん優勝も決まってるわよ!」

千砂都「よっしゃ!あと一勝取りに行くよ!」

かのん・可可・千砂都「オー!!」


大会スタッフ「あの!すみません!」
 
101: (しうまい) 2021/07/31(土) 17:15:27.08 ID:zZtdCHY8
かのん「ん?」

大会スタッフ「結ヶ丘女子高等学校チームの方々ですよね?」

かのん「はい、そうです」

大会スタッフ「申し訳ないのですが、その…決勝戦についてで…」

大会スタッフ「もう一つの決勝進出チームが急遽棄権をしてしまいまして」

かのん「棄権?」

可可「ということは…」

すみれ「私たちが優勝!?」
 
102: (しうまい) 2021/07/31(土) 17:19:39.49 ID:zZtdCHY8
大会スタッフ「いえ、それが…」

大会スタッフ「ここまできて決勝戦がないのは、その…スクールアイドルラップバトルのイメージを悪くしかねないということで…」

大会スタッフ「代理のチームとのバトルをしていただき、勝った方を優勝としてはという話になりました」

かのん「ごめん、話がよくわからない」

すみれ「ていうか、代理チームとバトルするにしても本来の相手が棄権したなら私たちの優勝でいいじゃない?」

可可「代理チームと戦わないと優勝できないというのはおかしいデス」

恋「おや?逃げるのですか?」
 
103: (しうまい) 2021/07/31(土) 17:23:37.13 ID:zZtdCHY8
かのん「葉月さん…」

恋「ここで勝たなければ優勝ではない、優勝しなければスクールアイドルは認められない…であれば選択肢は一つしかないのでは?」

千砂都「これはもう優勝したって言っていいんじゃない?だから…」

恋「突きつけられたバトルから逃げ出し、それで優勝を主張する…ですか」

恋「なるほど、お似合いですよ。普通科などという立場で何かができると思いあがるあなたがたには」

恋「本当の意味で勝てないなら、すでに掴んだ偽物の勝利に縋り付くしかありませんからね」
 
104: (しうまい) 2021/07/31(土) 17:25:31.49 ID:zZtdCHY8
かのん「……やるよ!」

恋「あら?」

かのん「誰が相手が知らないけどさ、決勝戦やってそれで勝てばいいんでしょ?やってやろうじゃん!」

千砂都「かのんちゃん、挑発にのっちゃ…」

可可「しょうがないデスね」

千砂都「クゥクゥちゃん…」

すみれ「ま、誰が相手だろうと勝てばいいか」

千砂都「すみれちゃん…」

大会スタッフ「えっと、了承いただけるということで…」

かのん「勝ってやろうじゃんか!誰が来ようと私たちのラップをぶつけるだけだよ!」
 
106: (しうまい) 2021/07/31(土) 17:28:37.12 ID:zZtdCHY8
〜バトルステージ〜

司会「さぁ!みんなはっちゃけてるかーい!?」

司会「熱い展開が繰り広げられている本日のスクールアイドルラップバトル!だが、みんなに残念なお知らせがあるんだ!」

司会「決勝戦進出チームのうち一つが…やむを得ない理由で棄権してしまった!みんなごめん!!」

ブーーーブーーー!

司会「みんなのブーイング、わかる!本当にごめん!だが、ほんっとおおおにやむを得なかった!それだけはわかってほしい!」
 
107: (しうまい) 2021/07/31(土) 17:30:49.38 ID:zZtdCHY8
司会「その代わりと言ってはなんだけど、残った決勝進出チームvsスペシャルチームの特別バトルを用意したよ!」

ウォオオオオオオオオオオ!

司会「先程のブーイングからの見事な手のひら返しサンキュー!では、特別バトル!みんなはっちゃけていくよおおお!」

ウォオオオオオオオオオオ!

司会「では、バトルチームの紹介だー!」
 
108: (しうまい) 2021/07/31(土) 17:34:45.61 ID:zZtdCHY8
司会「今年できたばかりの新設校からの殴り込み!全員1年生ながらも見事な力を見せてここまで勝ち進んだ期待のルーキー、結ヶ丘女子高等学校チーム!」

かのん「いくよっ!」

可可「ラジャーデス!」

すみれ「ま、ちゃっちゃっと片付けて優勝よ」


司会「さあ、この3人がバトルするは…この未曾有の事態からこのイベントを救うため、急遽集まったスペシャルな3人の覆面ラッパー!」
 
109: (しうまい) 2021/07/31(土) 17:37:25.46 ID:zZtdCHY8
司会「一人ずつ紹介していくよ!まずは、謎のラッパー『August』!!!」


August「みなさん!本日は私たちのステージ、存分にお楽しみください!」

かのん「………」

可可「…………」

すみれ「……………」


August「おや?どうしました?音楽科の入試でも落ちてしまいましたか?」
 
110: (しうまい) 2021/07/31(土) 17:42:02.19 ID:zZtdCHY8
かのん「……ちょ、待って」

かのん「あなた…葉月さん、だよね?」

すみれ「葉月でAugustって安直にもほどがあるでしょ」

可可「ハヅキは8月でAugust…デス」

August「まあ、このような覆面で隠せるものとは思ってませんでしたし…取りますよ」

恋「改めて、結ヶ丘女子高等学校生徒会長の葉月恋と申します」

司会「おおおおっとおお!謎の覆面ラッパーの正体は結ヶ丘の生徒会長だ!結ヶ丘チームに結ヶ丘の生徒会長が立ちはだかる、これは何やらわけありのにおいがプンプンだよ!」
 
111: (しうまい) 2021/07/31(土) 17:46:02.20 ID:zZtdCHY8
かのん「どういうつもり…」

可可「葉月さんはクゥクゥたちをだましたデスか?」

すみれ「さっきのやりとりからのこれは三流以下の茶番じゃないかしら?」

恋「私には私の信条があります。それのためにできることをするまで」

恋「あなたたちがこの特別バトルをごねて、万が一にでも優勝扱いになってしまったらどうしようかと心配でしたが、うまく乗せられてくれてよかったです」
 
112: (しうまい) 2021/07/31(土) 17:47:20.03 ID:zZtdCHY8
恋「つまり、今更後悔しても後の祭りということですよ」

かのん「まあ、さっきの茶番にのせられちゃったのは癪だけどさ…勝てばいいんだよね?だったら」

恋「そう簡単に行きますかね?こちらもチームなのですよ」

司会「っと、そろそろあと二人の紹介をしていいかい?」

恋「どうぞ…」

司会「では、はっちゃけて紹介いくよー!まずはこいつだ!」
 
113: (しうまい) 2021/07/31(土) 17:53:14.97 ID:zZtdCHY8
司会「はるか遠くの故郷を飛び出し、たどり着いた日本の地、言葉の壁はあるけど、日本のラップが大好きだ!その名は…」

司会「マスクド・スイス!」

オオオオオオオオ!!!

スイス「みんなぁあ!会いたかったよおー!」

シーン……………

スイス「おお!ばっちりだね」

スイス「マイナスイオンどんどん出していくよ!今日はよろしくね!」

ウォオオオオオオオオオオ!

司会「おー!はっちゃけてるね!」
 
114: (しうまい) 2021/07/31(土) 17:55:34.65 ID:zZtdCHY8
司会「そして、3人目はこいつだ!」

司会「日本のラップは日本のものだ、スイスは邪魔だ国にけえれ!好きな島は八丈島!シャッターとともにスイスを切る!その名は…」

司会「仮面少女・日本!!」

ウォオオオオオオオオオオ!

かのん「いや、覆面じゃなくて仮面かよ!って…もうどっちでもいいや」
 
115: (しうまい) 2021/07/31(土) 17:57:32.78 ID:zZtdCHY8
日本「まったく、なぜ私がこのようなことを…」

スイス「えー、似合ってるよ?ひm」

日本「私は仮面少女・日本です!!!?」

スイス「えっと、日本って呼べばいいのかな?」

日本「ええ、それでお願いします。スイス」

日本「はぁ…それにしてもなんでまたスイスがいるのやら」
 
116: (しうまい) 2021/07/31(土) 18:00:43.36 ID:zZtdCHY8
恋「本日はご協力いただきありがとうございます」

日本「協力も何もいきなり客席から連れてこられたわけですが」

スイス「うん、スタッフの人から出てくださいって言われた時はびっくりしちゃったよ…」

恋「そんな事情が、申し訳ありませんでした」

スイス「で、どうする?ひm」

日本「日本です!」

日本「まったく…これだからスイスは…」
 
117: (しうまい) 2021/07/31(土) 18:03:25.95 ID:zZtdCHY8
スイス「…そっちはいつもの呼び方すればいいけど私はそうじゃないもん」

スイス「ていうか、今はスイスでいいから普段はちゃんと名前で呼んでほしいな」

日本「はいはい、で、どうするかですよね…」

日本「まあ、バトルというならやるしかないのでは?」

スイス「ふふっ、私も同じだよ」
 
118: (しうまい) 2021/07/31(土) 18:05:00.68 ID:zZtdCHY8
司会「ではでは、両チームとも準備はいいかな?」

かのん「こっちはとっくにできてるよ」

恋「こちらもです」

司会「しゃあ!先攻後攻決めだよ」

司会「先攻は…結ヶ丘チームだ!」

かのん「やるよ!私たちの手でスクールアイドルへの切符を勝ち取るんだ!」

恋「あなたがたが何をしようと無駄だと思い知らせてあげますよ」

司会「よっしゃ!はっちゃけて行こう!決勝戦スターート!」
 
119: (しうまい) 2021/07/31(土) 18:08:53.50 ID:zZtdCHY8
かのん「さて、確認だけど…」

かのん「大会運営とグルだったってことでいいのかな?葉月さん」

恋「最初からそうだったわけではないですよ」

恋「あなたたちのことですから、スクールアイドルラップバトルなどしたくないと話自体を取り下げるか、参加して敗退するか、どちらかだと思っていました」

恋「ですが、あなたたちは予想に反して健闘してしまいました」

かのん「予想に反してって…」
 
120: (しうまい) 2021/07/31(土) 18:19:37.52 ID:zZtdCHY8
恋「不本意ですがスクールアイドルを認めざるを得ないのかと思っていたところ、とある方から話がありましてね」

すみれ「とある方から話?」

恋「ええ、私自身がバトルをしてあなたたちを止めてはどうか…と」

恋「なので、この大会において私は急遽オファーを受けただけのただの参加者です」

恋「あなたたちを止めるためにオファーを受けた…ね」
 
121: (しうまい) 2021/07/31(土) 18:38:00.09 ID:zZtdCHY8
可可「クゥクゥたちはここまで努力して勝ち抜いてきマシたよ?それを止められるとでも?」

恋「ええ、そのためのお二人です」

恋「そうですよね?マスクド・スイスさん、仮面少女・日本さん?」

スイス「オッケーだよ」

日本「はい、依頼は全うしますよ」
 
122: (しうまい) 2021/07/31(土) 18:43:45.80 ID:zZtdCHY8
すみれ「ってわけで!まずは私の出番かしら?」

すみれ「この平安名すみれのラップを味わいなさい!」
 
123: (しうまい) 2021/07/31(土) 18:45:16.31 ID:zZtdCHY8
【すみれ】
いきなり出てきて誰?意味不明
ていうかダサすぎ仮面に覆面
教えてあげるわショウのA B C
勝ちへのロードは割り込み禁止
 
124: (しうまい) 2021/07/31(土) 18:50:17.54 ID:zZtdCHY8
ドオオオオオオン!

スイス「くっ!」

スイス「ふーん、そうか…韻は控えめ、だけど」

スイス「間の取り方、アクセント、ちゃんとしてるね」

スイス「何よりも、存在感と華やかさがある!」

すみれ「私はごちゃごちゃした小細工なんかしないで魅せるの、おわかり?」

スイス「うんうん!とってもおわかりだよ」

スイス「だから言わせてもらうよ…」

スイス「おいしくいただいて、おかわりってね!!」
 
125: (しうまい) 2021/07/31(土) 19:05:06.98 ID:zZtdCHY8
【スイス】
状況見えてる?まだまだJC?
私は受けてるエマージェンシー
わかるベイビー?非常時はクレイジー
割り込み禁止も破れ革命児
 
129: (しうまい) 2021/07/31(土) 19:10:31.89 ID:zZtdCHY8
>>125
【可可】
ルール無視して革命Oh!No!
FOOLデスねマヌケの凡庸
ずーるい人には因果応報
手繰る運命(デスティニー)はDEATHの模様

クゥクゥたちは正面突破
超然としたラップで突貫
どっかん爆発、壁は木っ端
微塵、自信で勇気リンリン
 
132: (しうまい) 2021/07/31(土) 19:42:08.77 ID:zZtdCHY8
>>129
【日本】
韻だけひねって中身はスカスカ
そんな湿気ったラップは無駄無駄
テメェの言葉は建前のおもちゃ
体面だけ飾ってキザったものだ

ラップってのは心の高まり
言葉掛け上辺だけ子供騙し
意志が欠けてんだ勝てるかよ馬鹿らしい
魂賭けろや小賢しいワナビー
 
126: (しうまい) 2021/07/31(土) 19:06:25.31 ID:zZtdCHY8
スイス「いっくよー!」

ドオオオオオオオオオオオオオオン!

すみれ「きゃあああっ」

ドサッ…

かのん「すみれちゃん!?」

可可「すみれさん!」

すみれ「うきゅ〜〜〜〜」


司会「平安名すみれ、リタイアーー!結ヶ丘、これは出だしから大ピンチだーー!」
 
127: (しうまい) 2021/07/31(土) 19:07:34.97 ID:zZtdCHY8
かのん「そんな…すみれちゃんが一撃で」

スイス「ふっふっふ…なかなかやるようだけど、私には勝てないよ」

可可「くっ、すみれさんのカタキウチデス!」
 
130: (しうまい) 2021/07/31(土) 19:13:01.78 ID:zZtdCHY8
ドオオオオオオオオオン!!!

スイス「ぐっ…」

可可「やりマシたか?」

スイス「ふーん、なかなか日本語がうまいね」

日本「あなたがそれを言いますかね…」

スイス「でもさ、あなた…」

日本「おっと、次は私のターンですよ?スイス」

スイス「はいはい、どうぞ〜」
 
131: (しうまい) 2021/07/31(土) 19:14:34.74 ID:zZtdCHY8
可可「おや?誰が来ようとクゥクゥは負けませんよ!」

日本「クゥクゥさんでしたっけ?あなた、かなり勉強が得意なのではないですか?」

可可「ふっふーん、クゥクゥは運動以外はバッチリです!」

日本「ああ…やっぱり…ええ…そうでしょうね」

可可「…なんデス?」

日本「退屈なんですよ、あなたの言葉は」ヒューン

日本「ま、健闘は讃えますよ…さようなら」
 
133: (しうまい) 2021/07/31(土) 19:42:58.21 ID:zZtdCHY8
ドオオオオオオオオオオン!

可可「きゃああああああっっ!!」

かのん「クゥクゥちゃん!」

可可「………う…ごめん…デス…」

バタっ…

司会「唐可可リタイアだーーーーっ!結ヶ丘チーム、なんと残り一人になってしまったあ!」
 
134: (しうまい) 2021/07/31(土) 19:55:57.74 ID:zZtdCHY8
かのん「そんな…」

日本「こんなところですかね…まあ、あなたのような頭で勝負するタイプは嫌いではないですよ」

日本「あなたの言葉にあなたの意志が乗った時、おそらくその力は何倍にもなるのでしょう…その時にまたバトルしましょう」

日本「と、偉そうなことを言いましたが…私もまだ道半ば、ラップの路は険しいですね」

かのん「あっというまに2人を…」

恋「さて、どうしますか?あなた一人でこの劣勢をひっくり返せるとは思いませんが」

かのん「…ふざけんな……」
 
135: (しうまい) 2021/07/31(土) 21:33:44.91 ID:zZtdCHY8
恋「おや?」

かのん「何が学校のためだよ!何か生徒会長だよ!」

かのん「こんな横から出できて、私たちが頑張って手に入れたもの踏みにじって楽しい?」

恋「かのんさんは言いましたよね?勝てばいいんだと」

恋「忘れたんですか?気に入らないなら勝てばいいのですよ?」

かのん「勝てるわけないじゃん!すみれちゃんも可可ちゃんもあっと言う間に倒されて、それでどうやって勝てるの!?」

かのん「だいたい、やってることが汚いんだよ!私たちを認めたくないなら、学園長の前でだって正直にそう言いなよ!音楽科がどうとか学校がどうとかじゃなくてさ!」
 
136: (しうまい) 2021/07/31(土) 21:35:15.34 ID:zZtdCHY8
恋「私の取った手段や態度を非難したければどうぞ」

恋「ですが、私はあなたたちを止めた…形はどうであれ、あなたたちを止めるという目的は成し遂げた。それが事実です」

かのん「ああ!よーくわかったよ!どんなに頑張っても最後は葉月さんみたいなずるい人がぶち壊していくんだよ!そうだよ、だから…」

かのん「だから、もうこんなの無駄なんだよ」


スイス「……それでいいの?」

かのん「え?」

スイス「かのんちゃんだっけ?あなたはこのままステージを降りて、それで満足できるの?」
 
137: (しうまい) 2021/07/31(土) 21:37:59.81 ID:zZtdCHY8
かのん「あなたがそれを言う?ていうか、もう終わりでしょこんなの?」

スイス「それはどうだろうね…」

かのん「どうもこうも…」

スイス「あなたの手に持っている"それ"があれば、なんとかなるんじゃないかな?」

日本「やれやれ、またスイスの悪い癖がでましたか…」

日本「ですが、今回は私も同感ですよ」

日本「あなたがここまでに費やした日々が無駄ではないと、あなたたちの夢はまだ終わりではないと、信じる気持ちが少しでも残っているならそれをマイクに込めなさい」

日本「思う存分ぶちまけて、それからどうするかを考えても遅くないですよ」
 
138: (しうまい) 2021/07/31(土) 21:38:42.29 ID:zZtdCHY8
すみれ「……かのん…!」

かのん「すみれちゃん!」

すみれ「はは…下手こいちゃったわ…でもね、これだけは言わせてもらうわ」

すみれ「舞台に立ったなら、最後までやり抜きなさいよ…あんたはもう、覚悟を決めたんでしょ」

すみれ「私を惚れさせた澁谷かのんはこんなことで折れたりしないはずよ」
 
139: (しうまい) 2021/07/31(土) 21:39:56.96 ID:zZtdCHY8
可可「そう…デス!」

かのん「クゥクゥちゃん!」

可可「かのんさんは約束してくれマシた…諦めないって…、クゥクゥもすみれも千砂都も約束しマシた…」

可可「ゴメンなさい、クゥクゥ…いろいろダメでした。キモチが全然足りてなかったデス…でも、このキモチだけははっきりしてマス!」

可可「クゥクゥは…諦めるかのんさんなんて見たくないデス!!!クゥクゥはスクールアイドルをやりたいです!!!」
 
140: (しうまい) 2021/07/31(土) 21:42:59.60 ID:zZtdCHY8
千砂都「かのんちゃん!」

かのん「ちぃちゃん…」

千砂都「ごめん、あんなに偉そうにしておいて、私、なにもできてなかった!難しそうなことばっかり並べて得意げになってただけ…」

千砂都「それだけじゃない、今だって私は見ているだけで何もできてない!」

かのん「ちいちゃん…それは…」

千砂都「でもね、そんな私だから思うんだ…」

千砂都「3人のラップは私が"教えた"んじゃない、4人で"作った"ラップなんだって!」

千砂都「勝とうよ!私たちが作ってきたラップは誰にも負けないんだって証明しようよ!」
 
141: (しうまい) 2021/07/31(土) 21:44:24.27 ID:zZtdCHY8
かのん「はは…まったく…」

かのん「最後までやり抜けだの、諦めるなだの、しまいには勝てって…私に何を期待してるんだか」

かのん「無茶振りだよ…そんなの無理だろ、っての」

かのん「…でもさ…思い出したよ」

かのん「そもそも私たちはさ、無理を通しにここまで来てたんだ」
 
142: (しうまい) 2021/07/31(土) 21:58:49.04 ID:zZtdCHY8
かのん「やってやろうじゃんか!!私と、クゥクゥちゃんと、ちぃちゃんと、すみれちゃん、4人分の無茶も無理もわがままも全部全部ぜーんぶマイクにぶつけて勝ってやろうじゃん!!それでいいんでしょ!」

恋「3対1で、ですか?」

かのん「違うね!」

恋「……はい?」

かのん「それがわからないから、葉月さんは負けるんだよ!私たちに!!」ヒューン

かのん「これが、私の、ラップだああああああ」
 
143: (しうまい) 2021/07/31(土) 22:00:58.52 ID:zZtdCHY8
【かのん】
ふっざけんなああああ葉月恋
気づいてないだろみんなのガチギレ
こっちは4人ってもう言ってっぞ
四重奏(クインテット)、さあ韻で決闘

独奏(ソロ)でダメなら重ねて響かす
二重奏(デュオ)でやめるかまだまだ付け足す
三重奏(トリオ)を超えた4人で今勝つ
叩き込めリリカル吹っ飛べゴミカス
 
144: (しうまい) 2021/07/31(土) 22:02:33.71 ID:zZtdCHY8
ドオオオオオオオオオオオオオオオン!!!!

恋「きゃあああっ!」

かのん「数で勝負ってなら受けて立つよ!」

かのん「私たちは4人だ!このバトルは最初から最後まで4対3、負ける理由なんてどこにもない!」

恋「くっ…ははっ、とんだ屁理屈を」

恋「何を言おうとこちらの優位は変わらないですよ」

スイス「んー、そんなことはないかなー?」

恋「???」
 
145: (しうまい) 2021/07/31(土) 22:03:43.32 ID:zZtdCHY8
日本「おや、今日は妙に気が合いますねスイス。明日は天変地異でも起こるのでは?」

恋「…何を言ってるのです?あなたたちは」

スイス「いやー、なんか私、さっきの攻撃で限界がきちゃってリアイアっぽいかなー」

日本「実は私もなんですよー。いや、スイスと一緒なのは癪ですがこれは仕方ないですね」

スイス「ということで」

日本「私たちは」

スイス・日本「「ここでリタイアします」」
 
146: (しうまい) 2021/07/31(土) 22:04:55.09 ID:zZtdCHY8
恋「あなた達…ふざけているのですか?」

日本「…ふざけている…ですか?」

日本「その言葉そっくりお返ししますよ」

恋「はい?」

スイス「わからないなら、今すぐマイクを置いてこのステージを降りることをおすすめするよ」

スイス「…かのんちゃんは降りなかったけどね」
 
147: (しうまい) 2021/07/31(土) 22:17:55.33 ID:zZtdCHY8
日本「ここはラップバトルのステージ、あなたはマイクを持ってここに立った」

日本「そして、かのんさんの先ほどのラップは明らかにあなたに向けたものでした」

日本「もし、あなたがまだこのステージに留まるつもりなら、やるべきことがあるはず」

日本「そして、そのやるべきことに私たちが付き合う義理もないでしょう」

スイス「邪魔なだけだよね」

恋「依頼は全うすると先程言っていませんでしたか?」

日本「ああ、それでしたら…」

スイス「うん、問題ないかな」
 
148: (しうまい) 2021/07/31(土) 22:19:08.00 ID:zZtdCHY8
日本「私とスイスが依頼されたのは『このバトルに出ること』ですから」

日本「どちらも1回はラップしてますし、それで依頼は果たせてます。相手のラップで倒れたところで問題ないですよ」

エマ「モウマンなんちゃらってやつだよ」

恋「……」

日本「そんなつもりはなかった、なんて言い訳は通用しませんよ?」

日本「一人でどこまでやれるかわかりませんが、あなたもラッパーなら腹をくくることです」

恋「一人で…」

恋「ははっ、そういうことですか…」
 
149: (しうまい) 2021/07/31(土) 22:20:37.28 ID:zZtdCHY8
日本「わかったらさっさとラップしなさい」

恋「なんで…いつもいつも…」

日本「……?」

恋「私は学校のために、みなさんの将来のために、そうするべきだと、言ってるのに…」

恋「…なんで、誰もわかってくれないんですか?」

日本「あの?」
 
150: (しうまい) 2021/07/31(土) 22:21:49.16 ID:zZtdCHY8
恋「結ヶ丘は今が大切な時期でしかるべき成果を出さないといけないって、何度も何度も言わないといけないんですか?」

恋「ラップバトルで勝ってスクールアイドルを始めたところで、周りとの差に苦しむだけだって、一から十まで説明しないとわからないんですか?」

恋「なんで…どうして?どうしていつもいつもいつもいつもいつもいつもいつもいつもいつもいつもいつもいつもいつもいつも私がみんなに嫌がられて恨まれて避けられて悪者になって…」

恋「みなさんは好き勝手に自由にやりたいことだけやって、私だけ我慢しないといけないんですか?」

日本(あ、これやばいやつですね)
 
151: (しうまい) 2021/07/31(土) 22:25:54.54 ID:zZtdCHY8
恋「なんでどうしてなぜどうしていやだいやだいやだいやだいやだいやだ…」

恋「私だけ私だけ私だけ私ばっかり私ばっかり私ばっかり…」

かのん「ちょっと、どうしたの葉月さん?」

恋「…ラップバトル…そうですね。私もたまにはぶつけないとですね」ヒューン

日本「あの…」

恋「はは…もうどうにでもなれですよ!」
 
152: (しうまい) 2021/07/31(土) 22:28:07.17 ID:zZtdCHY8
【恋】
たかだか3人背負ってイキる
鼻高々な天狗は即キル
私は全校背負って生きる
そして負けないとここに言い切る

独唱(ソロ)のどこがいけないのですか?
ぞろぞろトイレに行きたいのですか?
ボロ出しちゃうのが怖いのですか?
おろおろして死ねカルネアデスだ
 
153: (しうまい) 2021/07/31(土) 22:31:19.90 ID:zZtdCHY8
ドオオオオオオオオオオオオオン!

かのん「ぐああああああああっ!!」

恋「ははっ…もういいや…」

かのん「まったく…なにをし出すかと思ったら、ゲロ感情ぶちまけかよ…」

恋「ええ…少しスッキリしました」

かのん「はは…なんか…キレてんね葉月さん」
 
154: (しうまい) 2021/07/31(土) 22:32:47.77 ID:zZtdCHY8
恋「かのんさん、色々とすみませんでした」

恋「私、ようやく気付きました。あなたを止めるには私自身が手を汚すしかないと」

恋「だからバトルをしましょう。お友達に囲まれて幸せな澁谷かのんさん」

かのん「さんざんずるいことやって今更正面からバトルとかなんのつもりかな?」

恋「ずるい手もつかわないと守れないものがあるのです…だって私はぼっちですから。頼ってくる方々はいますが、助けてくれるお友達はいませんから」
 
155: (しうまい) 2021/07/31(土) 22:39:24.70 ID:zZtdCHY8
恋「いいですよね、何かと助けてくれるお友達がいる人は〜私はそんな人がいないので自分が強くなるしかありませんでした〜」

かのん「あの…卑屈になってるとこ悪いけどさ、私もそんなに友達多い方じゃないし、そこまで敵視される覚えもないよ」

恋「………でも、いるんですよね?」

かのん「…まあ、そうだよ」

恋「………ゼロとイチは全くちがいますよ」

かのん「だからその…」
 
156: (しうまい) 2021/07/31(土) 22:41:05.82 ID:zZtdCHY8
恋「ゼロからイチへの扉を私は開けませんでした」

恋「友達のできなかった私はせめて多くの人を救おうと思いました」

かのん(自分語りはじまった…)

恋「その甲斐もあり、私は多くの方に信頼していただけるようになりました。お友達は未だにいませんが」

恋「お友達は未だにいませんが」

かのん(2回言った!)

かのん「いや、信頼されてるのは立派なことじゃん。胸張っていいと思うよ」
 
157: (しうまい) 2021/07/31(土) 22:44:01.99 ID:zZtdCHY8
恋「みなさん、言ってくれます。私は立派だと…葉月さんのようになりたい、葉月さんがいてくれて良かったと」

恋「友達のいない、私に」

恋「でもね、私がほしかったものは何ひとつ得られなかったのです」

恋「気づいたときには、私は…楽しそうに笑うみなさんの幸せのために身を削るだけの便利な存在になっていました」

恋「みなさんはそんな私を前に賞賛の言葉を並べながらも陰でぼっちだの怖いだのと誹謗中傷をしています」

恋「ま、いいんですけどね、実際ぼっちなので」

かのん(こわい、被害妄想こじらせたぼっちこわい)
 
158: (しうまい) 2021/07/31(土) 22:46:00.24 ID:zZtdCHY8
恋「え?それなのに全校生徒を背負うのはなぜか?いっそやめたら楽になる?」

恋「………」

恋「そんな恐ろしいことできるわけないじゃないですか!背負うのをやめたら私は一体、何のために生きればいいんですか!」

かのん(…誰と話してるの?私、何を見てるの!?)

かのん「えっと!ちょっと失礼なこと聞いちゃうかもしれないけど、もしかして私たちのこと邪魔したのは…」

恋「いえ、それは本当に学校のためにならないからです。あなたたちがスクールアイドルをしたところで百害あって一利なしなのは明白なので」

かのん「あ、そこは寂しかったからとかじゃないんだ」
 
159: (しうまい) 2021/07/31(土) 22:47:53.33 ID:zZtdCHY8
恋「ええ、かのんさんの言いたいことはわかります。私があなたたちに嫉妬して妨害をしたのではないかと、ですが公と私を混同するほど私は未熟ではないのです」

恋「私個人がどう思っていようと良いものは良い、悪いものは悪いと断じる器量はありますので誤解のないように」

かのん(ああ、なんで葉月さんに友達ができなかったかわかったよ…)

かのん「まあ、葉月さんがぼっちなのはどうでもいいよ」

恋「どうでも…いい?」

かのん「ひいいいいっ!」
 
160: (しうまい) 2021/07/31(土) 22:49:52.87 ID:zZtdCHY8
恋「そうですか。まあ、かのんさんには関係のない話ですね」

恋「…お友達のいるかのんさんには関係ないですよね」

かのん(なんだろう…今までとは違った意味で話しにくい)

かのん「…えーっとさ、私たちはスクールアイドルになるのを認めてもらうためにここにきてるわけだよ」

かのん「それで、私たちがスクールアイドルをするには葉月さんを倒さないといけない、それは確定なんでしょ?」
 
161: (しうまい) 2021/07/31(土) 22:57:08.64 ID:zZtdCHY8
恋「ええ、その通りです。そして…」

恋「私が勝つのでスクールアイドルは諦めていただきます」

かのん「…勝手に言ってろぼっち生徒会長」

恋「ふふ、ぼっちのパワーを侮ってはいけませんよ」

かのん「私たちは、絶対に勝つ!」

かのん「いくよ!」
 
162: (しうまい) 2021/07/31(土) 23:00:25.44 ID:zZtdCHY8
【かのん】
気持ちはわかるけどそこはそこ
私たちは進むpoco a poco(ポコ ア ポコ)
ぼっちかざした痛い単旋律(モノフォニー)
なんかで止まるかこの闘志

何があろうが退くかanimato(アニマート)
思い出作りじゃ終わらないんだよ
想いで負けてたまるかよ
進む足取りはmarcato(マルカート)
 
163: (しうまい) 2021/07/31(土) 23:06:09.08 ID:zZtdCHY8
ドオオオオオオオオオオン!

恋「ぐっ!」

かのん「なんか抱えてるのはわかるけど、それはチラシの裏に書くなり、壁にでも話すなりしてくれないかな?」

かのん「ていうか、何キレてんだよ!自虐とか見苦しいんだよ!いい加減落ち着けよ!」

恋「そうですね、私は私のやり方を見失ってはいけない」

恋「深呼吸、深呼吸です」
 
164: (しうまい) 2021/07/31(土) 23:07:17.62 ID:zZtdCHY8
かのん「ったく、うちの生徒会長がこんなヤバいやつなんて思わなかったよ」

恋「ご安心を、もう取り乱しません」

恋「だいじょうぶです…わたしはしょうきにもどりました」

かのん「すっごく不安だよ!」

恋「ふふ…では、いきますよ!」
 
165: (しうまい) 2021/07/31(土) 23:33:42.09 ID:zZtdCHY8
【恋】
なにやらわかった気になってますが
あなたはせいぜい客席の拍手人(クラッパー)
いや、なんにもできないスクラップか
爆ぜて終わりのクラッカー

まだだ!まだだ!と飛び回るバッタ
誰が吹いたか災厄ラッパ
夢にしがみついたマッドハッターは
飛び散りなさいなスプラッター
 
166: (しうまい) 2021/07/31(土) 23:34:33.06 ID:zZtdCHY8
ドオオオオオオオオン!

かのん「ぐあっ!」

恋「どうです?私の実力は」

かのん「ははっ…冷静になったと思ったら、余計に厄介になったよ」

かのん「でも、負けるかああああ!」
 
167: (しうまい) 2021/07/31(土) 23:36:50.39 ID:zZtdCHY8
〜観客席最前列〜

千砂都「かのんちゃんも、葉月さんも…譲らないか」

スイス「わくわくしちゃうねー」

千砂都「うわっ!えっと、スイスさん?」

スイス「あー…その呼び方になっちゃうよね、うん」

スイス「えっと、あなたはかのんちゃんのお友達の」

千砂都「嵐千砂都って言います」

スイス「ふーん、千砂都ちゃんか…」

千砂都「どうかしました?」
 
168: (しうまい) 2021/07/31(土) 23:37:57.88 ID:zZtdCHY8
スイス「ううん、なんでもないよ。あ、そうだ!私もうそろそろ帰らないとなんだけど、代わりにマイク返しておいてもらってもいいかな?」

千砂都「はい!了解です!」

スイス「じゃあね、もしまた会ったら今度は千砂都ちゃんのラップ聞かせてね」

千砂都「はい!」

千砂都(……あれ?)

千砂都(私、ラップしてるって言ったっけ?)
 
169: (しうまい) 2021/07/31(土) 23:51:46.97 ID:zZtdCHY8
〜バトルステージ〜

かのん「まったく、本性があれならラップも嫌味ったらしいね」

恋「かのんさんには言われたくないですよ…ガラクタが必死に足掻いてる哀れさが見えて聞けたもんじゃないです」

かのん「ガラクタ…まあ音楽科の優秀な方々から見たら私はガラクタだね」

かのん「じゃあ、葉月さんはガラクタにぶちのめされる悪臭漂う生ゴミってことでいいかな!!」
 
170: (しうまい) 2021/07/31(土) 23:53:23.40 ID:zZtdCHY8
【かのん】
ぼっちエリートが偉そうにほざくな
手拍子だろうが鳴らせば音楽だ
聞いてるかもう遠慮はしないんだ
fine(フィーネ)は有ってもENDは無いんだ

4人の力と想いが集まった
夢の海を進みゆく無敵艦隊(アルマダ)
鳴らせる音はこの手にあるまだ
どけよ、邪魔なんだよ空気読まず立つバカ
 
171: (しうまい) 2021/07/31(土) 23:56:05.27 ID:zZtdCHY8
ドオオオオオオオオオオン!

恋「ぐっ!!」

恋「まったく、ただ音を鳴らしただけみたいな哀れなラップですね…かわいそうなので拍手してあげましょうか?」

かのん「ははっ…まあこんなんじゃ倒れないか」

恋「あなた、もしかして楽しんでません?」

かのん「それはお互い様でしょ?葉月さん」
 
172: (しうまい) 2021/08/01(日) 00:17:42.36 ID:MYnLvMu9
恋「………」

かのん「あれ…葉月さんはもう…限界かなぁ?」

恋「いいえ、ただ…そろそろ決着をつけない、とですね」

かのん「できるかな?」

恋「できますよ」

恋「だって、あなたと私には…明確な"差"がありますから」
 
173: (しうまい) 2021/08/01(日) 00:33:52.93 ID:MYnLvMu9
恋「あ、そうそう先程あなたの出した無敵艦隊アルマダ…」

恋「たしかあなたの祖母はスペインの方だと記憶してますが、だから出したのですか?」

かのん「そうだよ、だから何?」

恋「ああ、なるほどそれでこんな絶好の話題を出したのですね」

かのん「???」

恋「まったく、一回の失敗が命取りとはこのことですよ」

恋「葬ってあげますよ、あなたの掲げた無敵の船も、あなたの夢も、身の程知らずの威勢も、奏でる耳障りな音楽も!」
 
174: (しうまい) 2021/08/01(日) 00:35:40.09 ID:MYnLvMu9
【恋】
チャンスはあるまだ、進む無敵艦隊(アルマダ)
だがその先にいるものは悪魔だ
たった一度の愚考で敗走
艦隊は知った無謀の代償

越えられなかった一つの試練
そのたった一つの重さを知れ
"普通"なあなたは足掻いて溺死
後に浮かぶは血の黒歴史
 
175: (しうまい) 2021/08/01(日) 00:47:22.83 ID:MYnLvMu9
かのん「一度の…愚考で…敗走?」

恋「おや、その様子ですと知らずに出したのですね」

恋「無敵の艦隊の末路…たった一度、勝てると思い込んで挑んだ戦に敗れ、その敗走の末に運にも見放され、もはや無敵の威厳など無くしてしまったことを」

恋「たった一つのミスが、運命を決定づけてしまう…かのんさんも覚えがあるのではないですか?」

かのん「な、」

恋「結局これなんです。あなたは越えられなかった、私は越えた」
 
176: (しうまい) 2021/08/01(日) 00:51:02.32 ID:MYnLvMu9
かのん「でも…」

恋「また立ち上がった、仲間と夢を見つけた」

恋「それは立派です。ええ、とても立派です」

恋「でも、あなたはあなたの音楽を示せなかった。たった1回のチャンスをものにできなかったんです」

恋「そして、それこそが命取りなんですよ」

恋「無敵の名を冠しながらたった一回、勝てると踏んだ慢心からの敗走でその名を落とした無敵艦隊アルマダのごとく!」

恋「そこにどんな事情があったとしても、その後でどれほどの努力を重ねようとも…あなたはできなかった人、その範囲内での最大値を目指すことしかできないんです」
 
177: (しうまい) 2021/08/01(日) 00:59:14.36 ID:MYnLvMu9
恋「それと、これはあくまでも私個人の疑問ですが」

恋「…スクールアイドルならば自分の音楽ができるでしたっけ?」

恋「ならばスクールアイドルになれなければあなたの音楽は終わるのですか?」

かのん「それは…」

恋「くだらない、あまりもくだらない、あなたの音楽などその程度、中途半端」

恋「然るべきときに然るべき壁を越えた人を押しのけてまで奏でる音などあなたには無い!」

かのん「……」
 
178: (しうまい) 2021/08/01(日) 01:02:32.25 ID:MYnLvMu9
恋「おや、そういえば爆発しないですね」

ズゴゴゴゴゴゴゴ

かのん「え…」

千砂都「あれは…」

すみれ「でっかい、水しぶき?」

可可「というよりツナミ…デス…」

ドパアアアアアアアアアン!

恋「なるほど、こういう風にもなるのですね」
 
179: (しうまい) 2021/08/01(日) 01:04:07.60 ID:MYnLvMu9
かのん「がぼぁ!!」

可可「かのんさんが!」

すみれ「波に、飲まれた…!!」

千砂都「かのんちゃん!」

恋「少々苦しいと思いますが」

恋「無謀の代償をしっかり味わってください」
 
180: (しうまい) 2021/08/01(日) 01:23:33.67 ID:MYnLvMu9
〜波の中〜

かのん(くそっ、くそっ!)

かのん(なんで!まともに動くことすらできない!)

かのん(どうしよう)

かのん(息…できない…)

かのん(こんなんじゃ…歌えない…)

かのん(って…こんな時まで歌か、終わってんな私)

かのん(くやしいな、歌いたいなもっと…)
 
181: (しうまい) 2021/08/01(日) 01:27:31.70 ID:MYnLvMu9
かのん(ああ…でも、葉月さんの言う通りだ)

かのん(誰かに示せる音楽なんて、私持ってないや)

ドクン、ドクン、…

かのん(って、センチになってのにうっさいな)

ドクン、ドクン、…

かのん(あれ?この音…)

ドクン、ドクン、

かのん(ああ、そうか…これが…)

ドクン、ドクン、

かのん(あるじゃんか、私だけの音が)
 
182: (しうまい) 2021/08/01(日) 01:45:33.90 ID:MYnLvMu9
かのん(こんな時でも止まらない音があるじゃん)

かのん(なにが一回が命取りだよバーカ)

かのん(命なんて取られてないっつーの)

かのん(この音はずっと止まらなかった、いつだって鳴り続けてた)

かのん(ってかさ、そもそも私の名前が答えじゃん)

かのん(音が繰り返して、何度も繰り返して一つの音楽になる…それがカノンでしょ?)

かのん(この繰り返してる音が…これからも繰り返していく音が私の、かのんの音楽なんだ!)

ヒューン

かのん(じゃあ、奏でないとねとびっきりのカノンを)
 
183: (しうまい) 2021/08/01(日) 01:48:41.36 ID:MYnLvMu9
〜バトルステージ〜

バアアアアアアアアアアン!

恋「なんの爆発!?」

恋「…あれは!」

かのん「飛べるさよっしゃあああああ!!」

可可「かのんさん!」

千砂都「かのんちゃん!」

すみれ「かのん!」

恋「爆発の勢いで津波から逃れた?まさかそんな」
 
184: (しうまい) 2021/08/01(日) 01:49:39.83 ID:MYnLvMu9
かのん「やってやる!私と、クゥクゥちゃんと、ちぃちゃんと、すみれちゃん」

かのん「あと、くっそムカつく生徒会長のために、どでかい一撃で決めてやる!!!」

かのん「私の音楽を、きけええええええええええ!」
 
185: (しうまい) 2021/08/01(日) 01:52:24.52 ID:MYnLvMu9
【かのん】
ああ、そうだよ私はできなかった
ぶっちゃけ自暴自棄にもなった
でも気づいたんだ胸に湧き上がった
鼓動は途切れず続くattacca(アタッカ)

夢追い何度も奏でるんだ輪唱
一生かけて駆け抜けろ追走曲(カノン)
不可能だってなら止めてみろよ
私の心臓(ハート)のこの稼働
 
186: (しうまい) 2021/08/01(日) 01:53:57.58 ID:MYnLvMu9
かのん「この命が、私そのものが」

かのん「私の、音楽だああああああ!」ヒューン

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

千砂都「え?あれ…」

可可「見てくだサイ!空から」

ドックン、ドックン、ドックン

すみれ「でっかい、心臓?」

ドックン、ドックン、ドックン

恋「こちらへ、落ちてくる?」
 
187: (しうまい) 2021/08/01(日) 02:00:14.97 ID:MYnLvMu9
かのん「できなかった範囲内の最大値を目指すしかない、だっけ?」

かのん「でもさ、できなかった人の範囲ができた人の範囲を超えちゃいけないって誰か言ってましたっけね?」

かのん「だからさ…もう、どこまでもでっかくすることにしたよ、でっかくしまくってさ…爆発させてやる」

かのん「私の音楽を…爆発させまくってやる」

恋「まったく、理解に苦しみますね」
 
188: (しうまい) 2021/08/01(日) 02:01:28.10 ID:MYnLvMu9
かのん「わからないならわからせてやる!聴こえないなら聴こえるまで何度だって歌って爆発させてやる!」

かのん「音楽は、爆発なんだああああああ!」

ドオオオオオオオオオオオオオオオン!!!!

恋「ああああああああああああ!」
 
189: (しうまい) 2021/08/01(日) 02:02:36.76 ID:MYnLvMu9
かのん「はあ…はあ…」

恋「ぐ、…負けてたまるものですか!」

かのん「……おいおい、まだ立つ…?」

かのん「決めてやるって言ったじゃん…空気読みなよ…そんなんだから友達いないんだろ」

恋「はは…なにを言ってるのやら」

恋「私自身が音楽?音楽は爆発?浅い素人が言いそうなフレーズですよ」

恋「そんなことだから、あなたは普通科どまりなんですよ!!」
 
190: (しうまい) 2021/08/01(日) 02:03:52.35 ID:MYnLvMu9
かのん「まだ、それを言うか…」

恋「ええ、かのんさん!あなたは音楽を何もわかっていないです」

恋「その音楽観、これっぽっちも共感できませんよ」

かのん「あ、そう…なら」

かのん「わかるまでやってやる!!」

バチッッッ!

かのん「え?」
 
191: (しうまい) 2021/08/01(日) 02:06:28.22 ID:MYnLvMu9
バチッ!バチッ!

かのん「マイク…が」

バチッ!

恋「私のも…」

可可「クゥクゥのもデス」

千砂都「あはは、私の…じゃないけどこれもだね」

すみれ「私のも、ってこれなんなの!?」
 
192: (しうまい) 2021/08/01(日) 02:08:16.58 ID:MYnLvMu9
バチッ…バチッ…

………

ヒュ…ン…

かのん「え?ちょっと!」

恋「電源が入らなくなってしまいました」

千砂都「…壊れちゃった?」

すみれ「何よ!私のせいじゃないからね!」

可可「弁償はイヤデスーー!」

かのん「こういう場合どうなるの?てか、スタッフどこ!?」
 
193: (しうまい) 2021/08/01(日) 02:10:17.33 ID:MYnLvMu9
司会「おっと、これは想定外だね〜」

かのん「あの、これ…」

司会「そうだねー、ちょっと、わかる人いるかなー?」

大会スタッフ「あ、はい!私が!」



大会スタッフ「…………そうですね…確認はしてみますが、ここまで一度にですと単にマイクの不調とも言いきれませんし…」
 
194: (しうまい) 2021/08/01(日) 02:11:38.42 ID:MYnLvMu9
大会スタッフ「ここは中止、ということにせざるをえないでしょう」

かのん「え?ここまできて」

恋「中止、ですか」

大会スタッフ「すみません、こちらの想定不足で」

大会スタッフ「結果についてはドローということにしておきます」

かのん「は?なにそれ…」

大会スタッフ「申し訳ないです…」
 
195: (しうまい) 2021/08/01(日) 02:17:04.94 ID:MYnLvMu9
かのん「ドローって…そもそもこの決勝戦だってもともとは私たちの優勝なところをそっちに合わせて…」

大会スタッフ「ですが、あなた自身がバトルを選んだ。それは事実ですよ」

大会スタッフ「選ぶように誘導したのは認めますが、選んだのはあなたなのだから私たちに文句を言うのは筋違いです」

かのん「何…いきなり…さっきまで謝ってたのに」

大会スタッフ「あら?ごめんなさい」

大会スタッフ「ついつい、いつもの癖で…いけないわね。なまじ地位を持つとこんな時まで偉そうな態度になってしまう」
 
196: (しうまい) 2021/08/01(日) 02:18:50.14 ID:MYnLvMu9
大会スタッフ「でもね、あなたは今日、たかだか1回のイベントの優勝以上のものを手に入れた…そう思うわよ」

葉月「思い出しました…」

大会スタッフ「その話し方、あなたは"私に決勝戦参加を持ちかけてきた電話の方"ではないですか?」

大会スタッフ「どうかしらね」

葉月「なるほど、真実を話す気はないと」

葉月「…大変ですね。理事長職というのは」
 
197: (しうまい) 2021/08/01(日) 02:20:07.34 ID:MYnLvMu9
大会スタッフ「…何を勘違いしてるか知りませんが、私はただの大会スタッフです」

大会スタッフ「あと、勘のいい子は嫌いではないですが、あまりおかしなことは言わない方がいいですよ葉月恋さん」

葉月「そうですね…」

かのん「???」

大会スタッフ「では、私はこれで…"5人"で夢を叶えられるといいですね。澁谷かのんさん」

かのん「5人?なにそれ」

大会スタッフ「ふふっ、なんでもありませんよ」

大会スタッフ「あ、そうそう!マイクの弁償などは必要ないので安心していいですよ」
 
198: (しうまい) 2021/08/01(日) 02:32:34.34 ID:MYnLvMu9
〜会場出入り口付近〜

スイス「ふふっ、将来有望な子がいっぱい見つかっちゃったな〜」

日本「覆面の下の顔がゆるんでますよ、スイス」

スイス「おお!まだいたんだ」

日本「私としたことがマイクを返し忘れてしまいましてね」

スイス「びっくりしたよね〜いきなりバチバチって」

スイス「いやー、千砂都ちゃんにマイク返すように頼むのがもう少し遅かったら危なかったよ」
 
199: (しうまい) 2021/08/01(日) 02:34:10.98 ID:MYnLvMu9
日本「そのことなのですが…」ヒューン

日本「私が持ったままだったマイクは普通に動くんですよね」

スイス「あれ?」

スイス「んー、ということはもしかしてマイクが壊れたのって」

スイス「…あの5人が持ってたから?」

日本「はい、あなたの考える通りだと思います」
 
200: (しうまい) 2021/08/01(日) 02:35:52.13 ID:MYnLvMu9
日本「私の推測を言わせてもらいますと…」

日本「なんらかのきっかけで澁谷かのんさんのマイクが許容量を超えて壊れてしまい、その影響で他の4人のマイクも壊れた…というのが正確なのでしょうかね」

スイス「かのんちゃんのマイクに他の4人のマイクが続いた、みたいなことかな?」

日本「まったく、名は体を表すとはよく言ったものですよ」

スイス「同じメロディを繰り返してくれる人がいてこそのカノンか…うん、そうだね」

スイス「…5人で一つのメロディ…か」

日本「どうしました?」
 
201: (しうまい) 2021/08/01(日) 02:38:13.87 ID:MYnLvMu9
スイス「私たちのところではそういうのはあんまりないなーって」

日本「たしかに、そちらでやったら事故では済まなそうです…」

日本「…基本自分のスタイル優先ですからね…あなたたちは」

スイス「それがいいところでもあるんだけどね」
 
202: (しうまい) 2021/08/01(日) 02:38:56.17 ID:MYnLvMu9
〜バトルステージ〜

司会「なんだかんだあったけど、決勝戦もこれにて決着!結果は…」

司会「な、ななななななんとドロー!数々のラップバトルを見てきたがドローははじめてだあああ」

ウォオオオオオオオオオオ!

かのん「……」
 
203: (しうまい) 2021/08/01(日) 02:40:25.22 ID:MYnLvMu9
〜イベント終了後〜
〜ステージ裏〜

かのん「あー、終わっちゃった…私のスクールアイドル道…マッハで終わった…」

可可「かのんさん、大丈夫デス!クゥクゥとすみれさんと一緒に転校しましょう!」

すみれ「さらっと私も巻き込むな!」

恋「さて、約束…覚えてますね」

かのん「葉月さん…」

かのん「ま、そうだね…優勝はできなかった」
 
204: (しうまい) 2021/08/01(日) 02:43:39.97 ID:MYnLvMu9
恋「ええ、ですがドローです」

かのん「ん?」

恋「見方によっては半分は勝っていると言えなくもないし、負けていると言えなくもない」

恋「これはあまりにも中途半端だとは思いませんか?」

かのん「と言うと?」

恋「わかりませんか?はっきりさせる機会が必要ではないかということです」

恋「再度あなたがたにチャンスを与え、それで真価を見極める。これでいかがでしょうか?」

恋「もちろん、次はきちんとしたスクールアイドルのイベントで決勝戦が突如変更といったこともありません」
 
205: (しうまい) 2021/08/01(日) 02:46:13.32 ID:MYnLvMu9
かのん「…あー、もしかして頭でもうった?」

恋「そうですね。誰かさんの品のかけらもないラップに頭をやられてしまったのかもしれません」

かのん「はいはい、品がなくてすみませんね」

恋「で、受けますか?この提案」

可可「かのんさん!」

すみれ「かのん!」

かのん「…決まってんじゃん!受けるよ!」

千砂都「じゃあ、私もいないとかな?」

かのん「ちいちゃん!」
 
206: (しうまい) 2021/08/01(日) 02:47:58.32 ID:MYnLvMu9
千砂都「話は聞かせてもらったよ」

恋「嵐千砂都さん、あなたまだ手を貸すつもりですか?」

千砂都「音楽科のためにもやめろ、とか言う気?」

恋「はい、音楽科の生徒は厳しい試験をクリアして入学をしています。そうした方々の力を伸ばせる3年間を提供する…これが音楽科の理念です」

恋「それが実現できない人が出てしまえば、音楽科の意義自体が揺らいでしまう」

千砂都「…つまり、私が私のことをちゃんとできてればいいんだよね?」
 
207: (しうまい) 2021/08/01(日) 02:49:56.29 ID:MYnLvMu9
恋「………」

恋「まあ、学校にも音楽科にも影響がないのであればよいと思いますよ」

かのん「おやー、ずいぶんと聞き分けが良くなったね」

恋「なんです?にやにやして」

かのん「ま、バトルした仲だし?私はわかってるよ葉月さんがただの堅物じゃないってこと」

かのん「いやー、あんなラップかましてくるとは意外だったよー」
 
208: (しうまい) 2021/08/01(日) 02:51:19.88 ID:MYnLvMu9
千砂都「あ、葉月さん、そういえば気になったんだけどさ」

恋「なんでしょう?」

千砂都「あんなに強いならかのんちゃんたちを出さないで自分が出れば優勝できたんじゃ?」

千砂都「誰を出すか迷ってたって言ってたけど、自分が出ようとは思わなかったの?」

かのん「あ、言われてみれば」

恋「それは簡単です。あの時点ではラップのラの字も知らない素人でしたので、私自身が出ようなど思いもしなかっただけです」
 
209: (しうまい) 2021/08/01(日) 02:52:26.16 ID:MYnLvMu9
千砂都「へ?」

かのん「ラップ初心者?」

可可「本当にデスか?」

すみれ「冗談きついわよ」

恋「何を驚いてるか知りませんが、あなたたちも千砂都さん以外はそうだったのでしょう?」

恋「あなたたちができて私ができないという道理はないかと」
 
210: (しうまい) 2021/08/01(日) 02:55:15.90 ID:MYnLvMu9
かのん「いや、そもそも何でラップの練習なんてしてたのさ?」

恋「それは…なんなくです」

かのん「なんとなく?」

恋「その、あなたたちが練習しているのを見ていたらなんとなく興味が出てきたといいますか…やはり生徒会長たるもの依頼をしたっきりで何もしないのはどうかと思ったといいますか」

恋「なんとなく、やってみたくなったのです」

恋「別にその、あなたたちが楽しそうでラップしたいと思ったとかそんな動機からではないので誤解しないでください」
 
211: (しうまい) 2021/08/01(日) 02:57:03.13 ID:MYnLvMu9
かのん「ふーん、なるほど…」

恋「なんですか、その反応は」

かのん「いや、私もさ、なんとなく?このまま葉月さんの才能を埋もれさせるのはもったいないなって思うわけで」

かのん「気が向いたらさ、またバトルしようよ葉月さん」

恋「…そうですね、それも良いかも知れません」

かのん「次は絶対勝つからね、首洗ってまってろよ」

恋「私に勝つ、ですか…初めてかも知れませんね。私を称賛するでも妬むでもなく、そんな言葉を言ってきた人は」
 
212: (しうまい) 2021/08/01(日) 02:58:31.67 ID:MYnLvMu9
かのん「ま、ちょっと前ならこんなこと言わなかったけど、色々本性も見えちゃったし…」

かのん「ちょっとくらいは仲良くしてもいいかなーって思うんだよね」

恋「あの…」

恋「でしたら、その…」

恋「"葉月さん"よりもふさわしい呼び方があるのではないかと」

かのん「…そうかもね」
 
213: (しうまい) 2021/08/01(日) 03:00:43.77 ID:MYnLvMu9
恋「お気づきではないかも知れませんが、私はずっとあなたたちを下の名前かフルネームでしか呼んでませんよ。あなたのことだって"かのんさん"と呼んでいます」

かのん「あ、言われてみれば」

恋「となれば、私がどう呼ばれたいかはわかりますよね」

かのん「………Augustさん?」

恋「そのネタをここで持ち出さないでください!」
 
214: (しうまい) 2021/08/01(日) 03:01:50.87 ID:MYnLvMu9
千砂都「かのんちゃん」ヒソヒソ

可可「ここはちゃんと呼んであげないとデスよ」ヒソヒソ

すみれ「ボケかますタイミングじゃないわよ」ヒソヒソ

かのん「わかってる!ただ、やっぱり心の準備が」

かのん「…これでいいかな?恋ちゃん」

恋「恋…"ちゃん"!!?」

かのん「あれ?いきなり距離詰めすぎた?」
 
215: (しうまい) 2021/08/01(日) 03:03:23.34 ID:MYnLvMu9
恋「いえ…かのんさんがそう呼びたいのであれば構わないかと!」

千砂都「そっか、うん!いいねいいね一緒にラッパー道を駆けあがろう恋ちゃん!」

可可「ならばクゥクゥはレンレンと呼びマス!」

恋「それはあだ名というやつでしょうか!?」

すみれ「なんか嬉しそうね、恋」
 
216: (しうまい) 2021/08/01(日) 04:04:07.41 ID:MYnLvMu9
大会スタッフ「あらあら、はしゃいじゃって…やっぱりいいわね、若いって」

大会スタッフ「…って、私もまだまだやれるわよ!」

大会スタッフ「オトノキ、ウチウラ、オダイバ、そして…ハラジュク、着々と準備は進んでいる」

大会スタッフ「さて、頂点に立つのはどこでしょうね?」

〜完〜
 
217: (しうまい) 2021/08/01(日) 04:06:31.50 ID:MYnLvMu9
ここまで読んでいただきありがとうございます

2話時点で無理矢理動かそうとした結果このようなものができました

アニメ本編で千砂都がラッパーしてたのを機にラップに興味を持つ人がいるのでは?まったく何の知識も無い人に何らかの指針を示せないか?
という意図で初心者向けにラップ解説を入れたSSを書いてみたものの、ラップの楽しみ方とかラップ論とかは人それぞれだと思います

千砂都「ごめん、あんなに偉そうにしておいて、私、なにもできてなかった!難しそうなことばっかり並べて得意げになってただけ…」
これが全てだったりします

最後に、このSSは千砂都がラップしていたのがきっかけで書き始めたのですが、書いてみてかのんのラッパーとしてのポテンシャルの高さに驚きました
いつかアニメ本編でもかのんのラップを見たいものです
 
218: (鮒寿司) 2021/08/01(日) 04:15:28.91 ID:ex3l/N87

サンプリングを説明してないのは今回のバトルにBGM設定してないから?
 
219: (しうまい) 2021/08/01(日) 05:44:24.29 ID:MYnLvMu9
作ってる時に頭の中で鳴らしてる音はあるけど特にBGMは設定してないですね
サンプリングに触れてないのは曲を設定してないからというのもあるのですが、文章でラップ書いてる上にほぼマイクを持ってる人視点なことにも出てるように自分がBGMよりはマイク持ってる両者の攻防を注目してる人間というのが大きいです

ただ、これはあくまでも自分の中での比重であって、BGMに注目して楽しむというのも一つの楽しみ方だと思います
 

引用元: https://nozomi.2ch.sc/test/read.cgi/lovelive/1627639747/

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