【SS】夏美「バイト先にクレーマが来ましたの！」　きな子「夏美ちゃんはきな子が守るっす！」【ラブライブ！スーパースター!!】

　
夏美「……」ﾄﾎﾞﾄﾎﾞ

きな子「あ、夏美ちゃん！　今帰りっすか？」ﾀﾀｯ

夏美「きな子……」ｳﾙｳﾙ

きな子「あれ。夏美ちゃん目が赤いっすよ」
　
　

　
夏美「ぅ……う、うえぇ～～～ん！」ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

きな子「夏美ちゃん！？　どうしたっすか！？」

夏美「ば、バイト先にっ……ひっぐ、ぐすっ」ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

きな子「バイト先に？」

夏美「バイト先にクレーマーが来ましたの！」

きな子「な、なんじゃそりゃ～！」ｶﾞｰﾝ
　
　

　　
夏美「うっぐ、ぐす、うぇーん」ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

きな子「へークレーマーって本当にいるんすね、さすが都会っす」

夏美「ううーー！！」ｸﾞｲｸﾞｲ

きな子「あ、よしよし。大丈夫っすか？　きな子で良ければ話を聞くっすよ」

夏美「ぐすっ……今日は千砂都先輩のバイト先で人手が足りないらしくて、バイトとして手伝っていましたの……」
　
　

==========回想===========

夏美「ありがとうございましたー！　またお越しくださいませですのー」


千砂都「よーし、お客さんの波もなんとか落ち着いたね」

夏美「はあはあ、疲れましたの」ｸﾞｯﾀﾘ

千砂都「順番に休憩とろうか。先に休んでてよ」

夏美「私はさっき休みましたの！　千砂都先輩こそシフト始まってから全く休んで無いですの。どうぞ先に休んでください」

千砂都「じゃあお言葉に甘えちゃおっかな。しばらくお願いね」

夏美「おまかせくださいですの～」
　　
　
　

夏美「先輩を休ませる出来た後輩……にゃは～、きっと千砂都先輩にたくさん褒めてもらえますの！」ﾌﾌﾌ

悪質クレーマー「ちょっとあなた！」

夏美「あ、いらっしゃいませー」

悪質クレーマー「いらっしゃいませじゃないわよ！　ここで買ったタコ焼きにタコが全く入ってなかったんだけど！？」

夏美「ええー！？」
　
　
　

　
悪質クレーマー「今すぐ返金しなさいよ！　返金！」

夏美「えっと、その……」ｱｾｱｾ

悪質クレーマー「何してるの！　早く返金しなさい！」

夏美（いやああ、この人絶対悪質なクレーマーですの！　絶対嘘ですの！）

夏美「あの、えっと」ﾋﾞｸﾋﾞｸ

悪質クレーマー「早くしろほら！」

夏美（毅然と対応すべきなのに、怖くて何も動けませんの……！）
　
　

　
千砂都「お客さーん、どうしました？」ﾆｺｯ

夏美「千砂都先輩……！」

悪質クレーマー「何度も説明させないでよ！　たこ焼きにタコが全く入ってなかったから金を返せって言ってるの！」

千砂都「ありゃー、ごめんなさい！　交換しますのでそのたこ焼き見せてもらっても？」

悪質クレーマー「捨てたわよあんな不良品！　まさか疑ってるんじゃないでしょうね！」

千砂都「そんなこと無いですよー、でも私達バイトだから勝手なことするとオーナーに怒られちゃうんですよねー」

悪質クレーマー「いい加減にしろこの小娘！　不良分売りつけたって警察呼ぶよ！」

千砂都「あ、どうぞ呼んでいいですよ」
　
　

　
悪質クレーマー「は？」

千砂都「呼びたかったら警察呼んでいいですよ。私達、世間知らずな小娘だからおまわりさんにお説教してもらいますね」ﾆｯｺﾘ

悪質クレーマー「ちっ、面倒だわ。もう勝手にしろ！」ﾀﾀｯ


千砂都「ふー、大したクレーマーじゃなくて良かったね♪」

夏美「ごめんなさい……千砂都先輩」

千砂都「夏美ちゃんが謝ることなんてないよ？　私こそ気づくのが遅れてごめんね」

　
　

　
夏美「そんな……私、千砂都先輩におまかせくださいって言ったのに何も出来なくて」

千砂都「大丈夫だって。これでも私は先輩だからね♪」

千砂都「今日は疲れたよね？　あとは片付けくらいしか残ってないから先に上がって休みなよ」

夏美「わかりましたの……」
　
　

　
==========回想おわり===========

夏美「というわけで、役立たずな私は帰路につきましたの」

きな子「ほぇ～。千砂都先輩は格好良いっすねー！」

夏美「……むー」

きな子「あっ夏美ちゃんも頑張ったっすよ！　夏美ちゃんは何も悪くないんだし落ち込むことないっすよ！」

夏美「私だって、自分が悪くないことはわかってますの」
　
　

　
夏美「でも、でもクレーマーの前で何も出来なかったことが悔しくて、情けなくて仕方ないんですの……！」ｳﾙｳﾙ

きな子「夏美ちゃん……」

夏美「最初からこっちを責めるつもりの相手に何を言ったところで気持ちの良いことにはならないって……わかってますの」

夏美「でもこの胸のモヤモヤするような嫌な感情が止まらなくて仕方ないんですの……！」

夏美「自分が嫌いになってしまいそうですの……！」

　
　

　
きな子「夏美ちゃん！」

ｷﾞｭｯ

夏美「きな子……」

きな子「泣かないで。夏美ちゃん」

きな子「夏美ちゃんはきな子が守るっす！」

　
　

夏美「守るって……何から？」

きな子「そ、それはもちろんえっと、悪質クレーマーから？」

夏美「ふふっ、なんだかピンポイントですの」

きな子「うっ……すまねぇっす//」

夏美「でもありがとう……嬉しいですの」

きな子「良かったっす！」ﾊﾟｱｧ
　
　

夏美「あと、そろそろ離してほしいですの。恥ずかしいですの//」ﾃﾚ

きな子「あぁっ！//　それもすまねえっす！」　ﾊﾞｯ

夏美「おかげで心が少しだけすっきりしましたの」

きな子「少しだけじゃダメっす！　きな子が夏美ちゃんの心のもやもやを完全に忘れさせるっす！」

夏美「ど、どうやって？」

きな子「それはもちろん……」
　
　

数時間後

メイ「で、何で私らが呼び出されたんだよ」

四季「こんばんは」

恋「皆さん！　よくいらっしゃいました！」

きな子「おじゃまするっす～」

夏美「お邪魔しますの」

メイ「いや説明しろって！　何で恋先輩の家に集合なんだよ！」
　
　

きな子「夏美ちゃんに完璧なクレーマー対策を身につけてもらうためっす！」

四季「なるほど」

メイ「今ので理解したのか！？」

夏美「私のためにありがとうですの～」ｷﾞｭｯ

きな子「もう、まだ何もしてないっすよ～」ｷﾞｭｯ

メイ「こいつら、こんな距離感だったっけ」

四季「なるほど」
　
　

～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～

メイ「そういうことか。そのクレーマー許せないな！夏美、今度そいつが来たら私を呼べ！」

四季「私も呼んで。そのクレーマーは２度とたこ焼きの味がわからなる」

夏美「お気持ちはありがたいですの」

きな子「というわけで広い恋先輩の家をお借りするっす！」

恋「どうぞどうぞ～」

　
　

　
メイ「他の先輩たちは良いのか？」

きな子「先輩の手は煩わせたくないっす」

メイ「いや、恋先輩の手を煩わせてるんだけど」

恋「良いんですよ！　いつでも遊びに来てくださいっていつも言ってますから！　ウチで良ければどんどん使ってください！」

メイ「優しすぎる」
　
四季「それで、クレーマー対策とは」

きな子「シミュレーションっすよ！」
　
　

夏美「シミュレーションですの？」

きな子「ここをお店に見立てて、きな子たちがクレーマー役を演じて夏美ちゃんに練習してもらうっす！」

メイ「横文字を使った割には原始的な方法だったな」

四季「でも効果的」

恋「楽しみですね！　わたくし、一度でいいから悪役を演じてみたかったんです！」
　
　

きな子「夏美ちゃん、じゃあいくっすよ！」

夏美「えっいきなりですの？」

きな子「たこ焼き屋で一人で働いてる設定で行くっす！」

恋「ゲームのサントラがたくさんありますので、たこ焼き屋さんのようなBGMを流しておきますね」

ｼﾞｭｰ♪

夏美「おお、臨場感ありますの」

きな子「まずはメイちゃん、クレーマー役をお願いするっす！」
　
　

　
メイ「ちょっとまて！　セリフとかどうするんだよ！」

きな子「アドリブっす！　本物のクレーマーは事前にセリフを教えてくれないっす！」

夏美「頑張りますの！」

メイ「もうこうなったらやってやるよ！」

ｼﾞｭｰ♪

夏美「いらっしゃいませー」

メイ「たこ焼き一つ」
　
　

夏美「はい、どうぞですの～」

メイ「おうっもぐもぐ」

四季「自分でもぐもぐ言っちゃうメイ、可愛い」

メイ「うるせえな！」

きな子「良いから演技を続けてっす」

メイ「あ、もぐもぐごっくん」

メイ「……」
　
　

メイ（あ、やばい飲み込んじゃった）

メイ（食べようとしたら『あっちい！火傷したじゃねえかコラ』って言おうと思ってたのに）

夏美「お客様、どうしましたの？」

メイ「いや、ごちそうさま」

ｽﾀｽﾀ

きな子「か、カットォー！　普通のお客さんじゃないっすかぁ！」

四季「ノークレームだった」
　
　

きな子「メイちゃんに厳しかったっすか」ﾊｱ

メイ「今からお前にクレーム出してやろうか」

恋「次わたくしっ！　わたくしがクレーマー役やりたいですっ！」ﾊｲﾊｲ！

メイ「ノリノリすぎるこの先輩」

夏美「お願いしますの！　恋先輩！」

きな子「じゃあBGMはきな子が流すっす」

ｼﾞｭｰ♪

夏美「いらっしゃいませですのー」
　
　

恋「……ここで何をやっているのですか？」

夏美「それはもちろんたこ焼き屋さんですの」

恋「認められません」

夏美「えっ」

恋「営業は認められないと言ったのです。撤収してください」

夏美「な、何でですの～？」

恋「相応しくないからです」ｷｯ

夏美「ひっ」ﾋﾞｸｯ
　
　

　
夏美「あの、このお店はちゃんと営業の許可を……」ﾋﾞｷﾋﾞｸ

恋「とにかく、認められません。たこ焼き屋さん以外のお店をやってください」


メイ「なんか思ってたクレームの方向性と違うぞ」ﾋｿﾋｿ

四季「何故だろう。すごくリアル」

きな子「夏美ちゃん、頑張ってっすー！」ｿﾜｿﾜ
　
　

　　
夏美「り、理由を教えて欲しいんですの！　私はたこ焼きでお客様に喜んでいただこうと」ﾌﾞﾙﾌﾞﾙ

恋「お客様に喜んで頂きたいからこそ、勝手なことはやらないで欲しいのです」ｷﾘｯ

夏美「うっ……」ﾀｼﾞ

恋「とにかく、今日は帰ってください。他の屋台の邪魔にならないよう」

夏美「ﾅｯﾂぅ……」ｳﾙｳﾙ


きな子「も、もう見てられねえっす」ﾊﾞｯ！
　
　

　
きな子「ちょっと待つっす！　いきなりそんなこと言ったらかわいそうっす！」ｻﾞｯ

夏美「きな子……」

恋「あなたは？　このたこ焼き屋と関係があるのですか？」ｷｯ

きな子「もちろんあるっす！　夏美ちゃんはきな子の大切な人っす！！」

夏美「にゃ、にゃは///」
　
　
　

恋「でしたらあなたにも言っておきますが、生半可な気持ちで勝手に行動することは謹んでください」

夏美「な、生半可な気持ちなんかじゃないですの！　私はバイトも動画もスクールアイドルも本気ですの！」

きな子「そうっす！　夏美ちゃんに勝手なこと言うなっす！」
　
恋「……あなたはどうなの？」ｼﾞｯ

きな子「えっ」

恋「あなたもやりたいのですか？　この人と一緒にたこ焼き屋を」ｷﾞﾛｯ
　
　

　
きな子「たこ焼き屋は……よくわからないっすけど……」

きな子「でも……きな子は夏美ちゃんと一緒にいたいっす！　どんな困難も夏美ちゃんと一緒に乗り越えたいっす！！」

夏美「わ、私も！　きな子と一緒に頑張りたいですの！　そのためならクレーマーとだって戦いますの！」

恋「……」

恋「ふふ、わかりました。でしたらたこ焼き屋さん、二人で支え合って頑張ってくださいね」

ｽﾀｽﾀｽﾀｽﾀ……


メイ「え、何を見せられてるんだ」

四季「ハッピーエンド」
　
　

きな子「というわけでカットっす！」


恋「あ～～～//　悪役楽しかったですー！」ｳｷｳｷ

メイ「マジで怖かった」

恋「はい？」

メイ「なんでもないっす！」

四季「人には色々な面がある」

夏美「でも恋先輩のお陰で気が付きましたの。クレーマーだろうが何だろうが、一人で抱えちゃいけないって」ｷﾞｭ

きな子「そうっす。夏美ちゃんにはきな子がいるっすから」ｷﾞｭ

夏美「にゃは//」

きな子「っす//」　
　
　

　　
恋「じゃあ皆さん、夕飯食べていかれますよね？　来ると聞いて私とサヤさんで用意したんですよ！」ﾙﾝﾙﾝ

四季「いただきます」

メイ「よかった、いつもの優しい恋先輩だ」ﾎｯ

夏美「あ、千砂都先輩からメッセージですの。バイトも終わって今かのん先輩の家にいるから来ないかって誘ってくださってますの」

きな子「きっと千砂都先輩も夏美ちゃんを心配してくれてるんすね！」

恋「せっかくだし、千砂都さんたちも呼びましょう！　徹夜でパーティーですっ！」

メイ「おっいいなーそれ！」

四季「グッドアイディア」

きな子「夏美ちゃん、これからもよろしくっす」

夏美「こちらこそよろしくですの、きな子！」




おわり
　

おわりです。ありがとうございました！
　

乙
終わらないパーティーも書いていいぞ
　

きななつありがとう
　

最高のきななつでした！