3: (しまむら) 2023/04/25(火) 21:30:17.57 ID:roqLJaRW
>>1
代行ありがとうございます。
蓮短編です。
代行ありがとうございます。
蓮短編です。
4: (しまむら) 2023/04/25(火) 21:32:45.71 ID:roqLJaRW
れいかさん「もちろんよ!さやかちゃん、とっても沢山働いてくれたじゃない。みんな大助かりだって!」
さやか「そ、それはありがとうございます……でも、私はスクールアイドルの練習のために数日お世話になっただけで、お給料なんて……」
れいかさん「タダ働きなんてさせてたら、商店街のみんなに怒られちゃうわよ!ここいらの人はみーんなさやかちゃんのファンなんだから!」
さやか「で、でも……」
れいかさん「若いのに気にしなさんな!ボーナスよボーナス!それで美味しいものでも食べて、スクールアイドル頑張ってね!」
さやか「わ、わかりました。ありがとうございます、大切に使わせていただきますね」
れいかさん「綴理ちゃんによろしくね!」
さやか「そ、それはありがとうございます……でも、私はスクールアイドルの練習のために数日お世話になっただけで、お給料なんて……」
れいかさん「タダ働きなんてさせてたら、商店街のみんなに怒られちゃうわよ!ここいらの人はみーんなさやかちゃんのファンなんだから!」
さやか「で、でも……」
れいかさん「若いのに気にしなさんな!ボーナスよボーナス!それで美味しいものでも食べて、スクールアイドル頑張ってね!」
さやか「わ、わかりました。ありがとうございます、大切に使わせていただきますね」
れいかさん「綴理ちゃんによろしくね!」
5: (しまむら) 2023/04/25(火) 21:34:16.20 ID:roqLJaRW
さやか「うわっ……こんなに。なんか申し訳ないな。でも返しても受け取ってくれないだろうし……うん。お言葉に甘えて、ちゃんと使おう」
さやか「そう言えばわたし、自分でお金稼いだのって初めてだっけ……」
さやか「初めての仕事…こんな感じなんだ。自分で稼ぐって、すごい達成感があるなぁ」
さやか「でも……このお金、何に使えばいいんだろう…?」
さやか「ええと……『アルバイト 初給料 使い方』とかで調べて……親に贈り物、貯金、生活費かぁ」
さやか「学費とか食事代はお母さんたちから貰えてるし、貯金……っていうのもなぁ」
さやか「となると……贈り物?だけど、受け取ってもらえるかなぁ……お母さんに聞いてみようかな」
さやか「そう言えばわたし、自分でお金稼いだのって初めてだっけ……」
さやか「初めての仕事…こんな感じなんだ。自分で稼ぐって、すごい達成感があるなぁ」
さやか「でも……このお金、何に使えばいいんだろう…?」
さやか「ええと……『アルバイト 初給料 使い方』とかで調べて……親に贈り物、貯金、生活費かぁ」
さやか「学費とか食事代はお母さんたちから貰えてるし、貯金……っていうのもなぁ」
さやか「となると……贈り物?だけど、受け取ってもらえるかなぁ……お母さんに聞いてみようかな」
7: (しまむら) 2023/04/25(火) 21:35:38.53 ID:roqLJaRW
花帆「ふんふんふ〜ん。おかいもの〜おかいもの〜」
さやか「う〜ん……でもやっぱり……」
花帆「あれ?さやかちゃんだ!」
さやか「花帆さん?珍しいですね。学校の外で会うなんて。お買い物ですか?」
花帆「うん!憧れのウィンドウショッピング…はできないけど、こっちも意外と面白いものが沢山あるからね。さやかちゃんは?」
さやか「わたしは……そう、ですね」
花帆「?」
さやか「花帆さん、少しどこかで落ち着きませんか?ご相談したいことがありまして」
花帆「もちろん良いよ!じゃああそこの喫茶店に行ってみない?一度入ってみたかったんだ」
さやか「はい、一緒に行きましょうか」
さやか「う〜ん……でもやっぱり……」
花帆「あれ?さやかちゃんだ!」
さやか「花帆さん?珍しいですね。学校の外で会うなんて。お買い物ですか?」
花帆「うん!憧れのウィンドウショッピング…はできないけど、こっちも意外と面白いものが沢山あるからね。さやかちゃんは?」
さやか「わたしは……そう、ですね」
花帆「?」
さやか「花帆さん、少しどこかで落ち着きませんか?ご相談したいことがありまして」
花帆「もちろん良いよ!じゃああそこの喫茶店に行ってみない?一度入ってみたかったんだ」
さやか「はい、一緒に行きましょうか」
8: (しまむら) 2023/04/25(火) 21:37:26.07 ID:roqLJaRW
花帆「へぇ〜、お給料かぁ」
さやか「はい。初めてのことで、しかも唐突だったので……どうしたものかと」
花帆「すごいねえさやかちゃん。自分でお金稼いで、もう立派な大人になっちゃったんだ」
さやか「親戚みたいなこと言わないでください……それに、今回のは商店街の皆さんから戴いた好意が大きいでしょうし、牡丹餅みたいなものです」
花帆「それでも十分偉いよ。成長だねえ」
ゴチュウモンノコウチャトコーヒーデス〜
さやか「ありがとうございます。……花帆さん、コーヒーなんですね」
花帆「うん。迷ったんだけど、紅茶は梢センパイが淹れてくれるのが一番好きだから!」
さやか「ふふっ、良いと思いますよ。でもコーヒー、飲めるんですね」
花帆「えっ、今子供扱いした?」
さやか「してませんよ」
さやか「はい。初めてのことで、しかも唐突だったので……どうしたものかと」
花帆「すごいねえさやかちゃん。自分でお金稼いで、もう立派な大人になっちゃったんだ」
さやか「親戚みたいなこと言わないでください……それに、今回のは商店街の皆さんから戴いた好意が大きいでしょうし、牡丹餅みたいなものです」
花帆「それでも十分偉いよ。成長だねえ」
ゴチュウモンノコウチャトコーヒーデス〜
さやか「ありがとうございます。……花帆さん、コーヒーなんですね」
花帆「うん。迷ったんだけど、紅茶は梢センパイが淹れてくれるのが一番好きだから!」
さやか「ふふっ、良いと思いますよ。でもコーヒー、飲めるんですね」
花帆「えっ、今子供扱いした?」
さやか「してませんよ」
9: (しまむら) 2023/04/25(火) 21:41:05.21 ID:roqLJaRW
花帆「だよね〜。うん、飲めるよ。苦いのが得意って訳じゃないけど、なんでも好き。さやかちゃんは?紅茶にしたんだっけ?」
さやか「私もどちらも好きですよ。ただ、一番好きなのは緑茶ですかね。疲れてる時濃いめに淹れると、ほっとするんですよ」
花帆「へぇ〜、意外〜」
花帆「それで、どうするの?お給料の使い道」
さやか「そこなんですよね。今は特に欲しい物も無いですし、貯めるにしても……れいかさんに大切に使うと約束してしまいましたから」
さやか「それで、結局お世話になった人へ贈り物をしようと思ったんです」
花帆「お世話になった人……ご両親にってこと?」
さやか「最初はそう思ったんですが……母から『寮で一人暮らしなんだから、好きなことに使いなさい』と言われてしまって」
さやか「私もどちらも好きですよ。ただ、一番好きなのは緑茶ですかね。疲れてる時濃いめに淹れると、ほっとするんですよ」
花帆「へぇ〜、意外〜」
花帆「それで、どうするの?お給料の使い道」
さやか「そこなんですよね。今は特に欲しい物も無いですし、貯めるにしても……れいかさんに大切に使うと約束してしまいましたから」
さやか「それで、結局お世話になった人へ贈り物をしようと思ったんです」
花帆「お世話になった人……ご両親にってこと?」
さやか「最初はそう思ったんですが……母から『寮で一人暮らしなんだから、好きなことに使いなさい』と言われてしまって」
10: (しまむら) 2023/04/25(火) 21:42:47.36 ID:roqLJaRW
花帆「あ〜、それで使い道に困ってたんだ」
さやか「はい。花帆さんはお仕事の経験ありますか?」
花帆「ないねえ。あ、でも……あたしの家、花卉栽培農家だからさ。沢山手伝ったらお小遣い増やして貰えたりはしたなぁ」
さやか「そうなんですね。何に使ったかとか、覚えてますか?」
花帆「何に使ったっけ……門限のせいで友達と遊べなかったから、あんまり遊びには使ってないかな。その代わり本をいっぱい買ったりしてたよ」
さやか「本、ですか。意外ですね」
花帆「あっ、今似合わないって思った!?」
さやか「いっ、いえ!そんなことは…」
花帆「梢センパイにもちょっと笑われたんだよ〜!あたしが本読むの、そんなに似合わないかなぁ……」
さやか「はい。花帆さんはお仕事の経験ありますか?」
花帆「ないねえ。あ、でも……あたしの家、花卉栽培農家だからさ。沢山手伝ったらお小遣い増やして貰えたりはしたなぁ」
さやか「そうなんですね。何に使ったかとか、覚えてますか?」
花帆「何に使ったっけ……門限のせいで友達と遊べなかったから、あんまり遊びには使ってないかな。その代わり本をいっぱい買ったりしてたよ」
さやか「本、ですか。意外ですね」
花帆「あっ、今似合わないって思った!?」
さやか「いっ、いえ!そんなことは…」
花帆「梢センパイにもちょっと笑われたんだよ〜!あたしが本読むの、そんなに似合わないかなぁ……」
12: (しまむら) 2023/04/25(火) 21:43:58.84 ID:roqLJaRW
さやか「花帆さんは天真爛漫な印象がありますから、家の中で行う趣味のイメージがそぐわないと言いますか……」
花帆「性格は外で遊べなかった反動なのに〜!」
さやか「でも、そうですね……わたしも何か、身になるものに……いや」
花帆「さやかちゃん?」
さやか「……決めました。わたし……綴理先輩に何か贈ろうと思います」
花帆「センパイに?」
さやか「はい。商店街を紹介していただいたのも綴理先輩からでしたし……今のわたしがあるのも、スクールアイドルクラブのお陰ですから。もちろん乙宗先輩と…花帆さんもですよ」
花帆「さやかちゃん…!うん!すっごく良いと思うよ!」
花帆「…あっ!じゃあ、あたしも今度、梢センパイに何かプレゼントする!さやかちゃんは綴理センパイで、あたしは梢センパイ!どう?」
さやか「ええ。素敵だと思います」
花帆「性格は外で遊べなかった反動なのに〜!」
さやか「でも、そうですね……わたしも何か、身になるものに……いや」
花帆「さやかちゃん?」
さやか「……決めました。わたし……綴理先輩に何か贈ろうと思います」
花帆「センパイに?」
さやか「はい。商店街を紹介していただいたのも綴理先輩からでしたし……今のわたしがあるのも、スクールアイドルクラブのお陰ですから。もちろん乙宗先輩と…花帆さんもですよ」
花帆「さやかちゃん…!うん!すっごく良いと思うよ!」
花帆「…あっ!じゃあ、あたしも今度、梢センパイに何かプレゼントする!さやかちゃんは綴理センパイで、あたしは梢センパイ!どう?」
さやか「ええ。素敵だと思います」
13: (しまむら) 2023/04/25(火) 21:45:56.52 ID:roqLJaRW
花帆「それで、さやかちゃんは何をあげるの?」
さやか「そう、ですね……それは……」
花帆「それは?」
さやか「わからないです……」
花帆「えぇ〜」
さやか「その……綴理先輩って、何が欲しいんでしょうか?」
花帆「あ〜……あれ?なんだろう。確かにあんまり思い浮かばないや」
さやか「はい。花帆さんは何か知りませんか?綴理先輩の欲しいもの」
花帆「う〜ん……さやかちゃんより詳しい自信は無いけどなぁ。でもやっぱり、食べ物じゃない?」
さやか「あぁ…やっぱり、そうなりますよね」
さやか「そう、ですね……それは……」
花帆「それは?」
さやか「わからないです……」
花帆「えぇ〜」
さやか「その……綴理先輩って、何が欲しいんでしょうか?」
花帆「あ〜……あれ?なんだろう。確かにあんまり思い浮かばないや」
さやか「はい。花帆さんは何か知りませんか?綴理先輩の欲しいもの」
花帆「う〜ん……さやかちゃんより詳しい自信は無いけどなぁ。でもやっぱり、食べ物じゃない?」
さやか「あぁ…やっぱり、そうなりますよね」
14: (しまむら) 2023/04/25(火) 21:47:18.46 ID:roqLJaRW
花帆「うん。綴理センパイいっつも飢えてるし……食欲と睡眠欲以外に何か欲求ってあるのかな?」
さやか「それは流石に失礼じゃないですか…?でも、消えものですか……」
花帆「形に残るものの方が良い?」
さやか「それもあるんですが……」
花帆「?」
さやか「その、わたし、綴理先輩のお弁当を毎日作ってるじゃないですか。そのせいで、食べ物をあげても新鮮味がないと言うか……これ以上餌付けするのもな、と思って」
花帆「た、確かにね……良い案だと思ったんだけどなぁ。綴理先輩、さやかちゃんのお弁当いっつも美味しいって言ってるし」
さやか「それは有り難いんですけどね……」
さやか「それは流石に失礼じゃないですか…?でも、消えものですか……」
花帆「形に残るものの方が良い?」
さやか「それもあるんですが……」
花帆「?」
さやか「その、わたし、綴理先輩のお弁当を毎日作ってるじゃないですか。そのせいで、食べ物をあげても新鮮味がないと言うか……これ以上餌付けするのもな、と思って」
花帆「た、確かにね……良い案だと思ったんだけどなぁ。綴理先輩、さやかちゃんのお弁当いっつも美味しいって言ってるし」
さやか「それは有り難いんですけどね……」
15: (しまむら) 2023/04/25(火) 21:48:56.63 ID:roqLJaRW
花帆「あと、他に綴理センパイの好きなもの…………ありんこ?」
さやか「あ、蟻はちょっと…」
花帆「後は……う〜ん、う〜ん……出て来ないよ〜」
さやか「ですよね…すみません、花帆さん。わたしの個人的なことに付き合わせてしまって」
花帆「え?ううん、全然良いよ!友達の相談に乗るなんて、初めてでなんか楽しいし!」
さやか「ふふっ、ありがとうございます」
さやか「あ、蟻はちょっと…」
花帆「後は……う〜ん、う〜ん……出て来ないよ〜」
さやか「ですよね…すみません、花帆さん。わたしの個人的なことに付き合わせてしまって」
花帆「え?ううん、全然良いよ!友達の相談に乗るなんて、初めてでなんか楽しいし!」
さやか「ふふっ、ありがとうございます」
16: (しまむら) 2023/04/25(火) 21:50:27.99 ID:roqLJaRW
さやか「綴理先輩の……でも……ん〜……」
花帆「……!」
花帆「ねえ、さやかちゃん」
さやか「え?あっ、はい!なんでしょうか」
花帆「良かったらなんだけど、一緒に探してみない?」
さやか「探す?」
花帆「綴理センパイへのプレゼントだよ!商店街をぐるっと回ったらさ、何か思いつくかもしれないよ?」
さやか「花帆さん…!そうですね。ここで悩んでても仕方ないですし。そしたらもう少しだけ、付き合っていただけますか?」
花帆「もちろん!やった〜!さやかちゃんとデートだ!」
さやか「で、デート!?そこは友達と買い物じゃないですか!?」
花帆「どっちでもいいよ!それじゃあ、商店街巡りに出発!」
花帆「……!」
花帆「ねえ、さやかちゃん」
さやか「え?あっ、はい!なんでしょうか」
花帆「良かったらなんだけど、一緒に探してみない?」
さやか「探す?」
花帆「綴理センパイへのプレゼントだよ!商店街をぐるっと回ったらさ、何か思いつくかもしれないよ?」
さやか「花帆さん…!そうですね。ここで悩んでても仕方ないですし。そしたらもう少しだけ、付き合っていただけますか?」
花帆「もちろん!やった〜!さやかちゃんとデートだ!」
さやか「で、デート!?そこは友達と買い物じゃないですか!?」
花帆「どっちでもいいよ!それじゃあ、商店街巡りに出発!」
18: (しまむら) 2023/04/25(火) 21:53:56.26 ID:roqLJaRW
花帆「さてと……取り敢えず、何も考えずに見て回る?」
さやか「はい。わたしも商店街を全部見たことがないので…結構新鮮です」
花帆「あたしもだよ!一緒だね!」
さやか「一緒ですね。……にしても、ここって結構広いですよね。観光客も見ますし」
花帆「下手したらはぐれちゃいそう……そうだ!さやかちゃん、手繋ごうよ!」
さやか「手ですか!?」
花帆「だめ?」
さやか「うっ……わかりました。一緒に行きましょう」
花帆「やった〜!」
さやか「はい。わたしも商店街を全部見たことがないので…結構新鮮です」
花帆「あたしもだよ!一緒だね!」
さやか「一緒ですね。……にしても、ここって結構広いですよね。観光客も見ますし」
花帆「下手したらはぐれちゃいそう……そうだ!さやかちゃん、手繋ごうよ!」
さやか「手ですか!?」
花帆「だめ?」
さやか「うっ……わかりました。一緒に行きましょう」
花帆「やった〜!」
19: (しまむら) 2023/04/25(火) 21:58:55.77 ID:roqLJaRW
花帆「あんまり意識してなかったけど、色んなお店があるねえ」
さやか「食べ物系が多いと思ってましたけど……観光客向けの土産屋から専門の店、工芸品までと幅広いですね」
花帆「食べ物じゃないほうが良いんだよね?」
さやか「一応その方向でお願いします。最悪何も見つからなかったら……ケーキでも買って帰りましょうか」
花帆「大丈夫大丈夫!きっと見つかるよ!」
花帆「えーっと……あっ、ここなんてどう?」
さやか「ここは……アクセサリーショップですか?」
花帆「うん!ホラ、綴理センパイって結構お洒落でしょ?だから似合うかなって」
さやか「そうですね。チョーカーに髪飾りも着けてますし……確かに、良いかもしれません」
さやか「食べ物系が多いと思ってましたけど……観光客向けの土産屋から専門の店、工芸品までと幅広いですね」
花帆「食べ物じゃないほうが良いんだよね?」
さやか「一応その方向でお願いします。最悪何も見つからなかったら……ケーキでも買って帰りましょうか」
花帆「大丈夫大丈夫!きっと見つかるよ!」
花帆「えーっと……あっ、ここなんてどう?」
さやか「ここは……アクセサリーショップですか?」
花帆「うん!ホラ、綴理センパイって結構お洒落でしょ?だから似合うかなって」
さやか「そうですね。チョーカーに髪飾りも着けてますし……確かに、良いかもしれません」
20: (しまむら) 2023/04/25(火) 22:00:46.71 ID:roqLJaRW
花帆「わ〜!いっぱいある〜!ありすぎて迷っちゃうね」
さやか「ですね。少し当たりを絞る必要がありそうです」
花帆「じゃあ……これは?」
さやか「これは……イヤリングですか?」
花帆「うん。似合いそうじゃない?」
さやか「確かに似合うとは思いますけど、先輩って耳飾りの類付けるんでしょうか…?」
花帆「わかんないね。いつもは付けてなかったとと思うけど……そっか。耳はつけたくない人もいるよね」
さやか「今回は避けておきましょうか」
さやか「ですね。少し当たりを絞る必要がありそうです」
花帆「じゃあ……これは?」
さやか「これは……イヤリングですか?」
花帆「うん。似合いそうじゃない?」
さやか「確かに似合うとは思いますけど、先輩って耳飾りの類付けるんでしょうか…?」
花帆「わかんないね。いつもは付けてなかったとと思うけど……そっか。耳はつけたくない人もいるよね」
さやか「今回は避けておきましょうか」
21: (しまむら) 2023/04/25(火) 22:02:59.25 ID:roqLJaRW
花帆「だね。……じゃあ、これ!」
さやか「ゆ、指輪は……ちょっと重くないですか?」
花帆「そう?軽そうだけど」
さやか「そういうことではなくて……」
花帆「?」
さやか「えぇと……ほら!綴理先輩いつも手袋嵌めてるじゃないですか!だから、競合しちゃうかな、と」
花帆「あっ、そっか!」
さやか「そうです!それに、サイズもわかりませんし、あんまり目立つと校則違反になりそうですし!」
花帆「さやかちゃん、なんか興奮してない?」
さやか「してません!」
さやか「ゆ、指輪は……ちょっと重くないですか?」
花帆「そう?軽そうだけど」
さやか「そういうことではなくて……」
花帆「?」
さやか「えぇと……ほら!綴理先輩いつも手袋嵌めてるじゃないですか!だから、競合しちゃうかな、と」
花帆「あっ、そっか!」
さやか「そうです!それに、サイズもわかりませんし、あんまり目立つと校則違反になりそうですし!」
花帆「さやかちゃん、なんか興奮してない?」
さやか「してません!」
22: (しまむら) 2023/04/25(火) 22:05:22.83 ID:roqLJaRW
花帆「そ、そう…?まぁでも、うちの学校って休みでも服装にうるさいよね」
さやか「伝統を重んじているので、仕方ないとは思いますけど…」
花帆「にしても、アクセサリーっていっぱいあるんだねえ……あっ!さやかちゃんさやかちゃん!見て見て!」
さやか「なんですかなんですか。これは……髪飾り?」
花帆「うん!しかもホラ、よく見てよ!これ…梢センパイのに似てない?」
さやか「本当……花の髪飾りはたまに見ますが、結構似てますね。桜の花ですか?」
さやか「伝統を重んじているので、仕方ないとは思いますけど…」
花帆「にしても、アクセサリーっていっぱいあるんだねえ……あっ!さやかちゃんさやかちゃん!見て見て!」
さやか「なんですかなんですか。これは……髪飾り?」
花帆「うん!しかもホラ、よく見てよ!これ…梢センパイのに似てない?」
さやか「本当……花の髪飾りはたまに見ますが、結構似てますね。桜の花ですか?」
23: (しまむら) 2023/04/25(火) 22:07:27.05 ID:roqLJaRW
花帆「ふっふーん。これはね、梅の花だよ!」
さやか「そうなんですか?よくわかりますね」
花帆「花びらが丸いでしょ?これは梅の特徴なんだ。桜は先の方に切れ込みがあるの」
さやか「あっ、確かに…桜の花びらは特徴的ですよね。じゃあ乙宗先輩の髪飾りは……梅の花ですか?」
花帆「梢センパイのはね。あたしも間近で見たことはないんだけど、多分椿だと思う!」
さやか「椿、ですか?あんまり…実物も見たことはないかもしれません」
花帆「桜とか梅と比べて、椿はあんまり街路樹でも自生でも見ないよね。たまーに一本生えてたりくらい?でもお寺とか神社には良く植えられてるかも」
花帆「椿の花は一重とか八重とか結構種類があるんだけど、一番わかりやすいデザインは赤い花弁に黄色いおしべの色合いかな。梢センパイのもそうだったし」
さやか「そうなんですか?よくわかりますね」
花帆「花びらが丸いでしょ?これは梅の特徴なんだ。桜は先の方に切れ込みがあるの」
さやか「あっ、確かに…桜の花びらは特徴的ですよね。じゃあ乙宗先輩の髪飾りは……梅の花ですか?」
花帆「梢センパイのはね。あたしも間近で見たことはないんだけど、多分椿だと思う!」
さやか「椿、ですか?あんまり…実物も見たことはないかもしれません」
花帆「桜とか梅と比べて、椿はあんまり街路樹でも自生でも見ないよね。たまーに一本生えてたりくらい?でもお寺とか神社には良く植えられてるかも」
花帆「椿の花は一重とか八重とか結構種類があるんだけど、一番わかりやすいデザインは赤い花弁に黄色いおしべの色合いかな。梢センパイのもそうだったし」
24: (しまむら) 2023/04/25(火) 22:12:12.72 ID:roqLJaRW
さやか「凄いですね花帆さん。花の色だけで当ててしまうなんて」
花帆「えへへ。でも、椿の花…というか、椿の花を模したデザインにはもっとわかりやすい特徴があるの!あたしも、正直こっちで判断してる節はあるんだ」
さやか「特徴、ですか?」
花帆「実はね。椿って、花と一緒に葉っぱも描かれることがほとんどなんだ」
さやか「そうなんですか?」
花帆「うん。椿は常緑樹で、しかも葉っぱの根本から一個ずつ咲くの。だから実物でも、花と葉っぱは絶対一緒に見えるんだ。桜みたいに満開になる訳じゃないけど……でも、緑の中に花があるからかな。控えめな魅力があって、コントラストもとっても綺麗なんだ」
さやか「なんだか乙宗先輩みたいですね」
花帆「だよね!梢センパイもおしとやかで綺麗だし、ピッタリだよ」
花帆「えへへ。でも、椿の花…というか、椿の花を模したデザインにはもっとわかりやすい特徴があるの!あたしも、正直こっちで判断してる節はあるんだ」
さやか「特徴、ですか?」
花帆「実はね。椿って、花と一緒に葉っぱも描かれることがほとんどなんだ」
さやか「そうなんですか?」
花帆「うん。椿は常緑樹で、しかも葉っぱの根本から一個ずつ咲くの。だから実物でも、花と葉っぱは絶対一緒に見えるんだ。桜みたいに満開になる訳じゃないけど……でも、緑の中に花があるからかな。控えめな魅力があって、コントラストもとっても綺麗なんだ」
さやか「なんだか乙宗先輩みたいですね」
花帆「だよね!梢センパイもおしとやかで綺麗だし、ピッタリだよ」
25: (しまむら) 2023/04/25(火) 22:15:01.87 ID:roqLJaRW
花帆「あ、それに常緑樹だからっていうのもあるのかな。常緑樹は特別な力があるって言われてるから、そういう意味でもつやつやな葉っぱも合わせて椿っていう花の形なのかも」
さやか「花帆さん、すごい博識ですね…驚きました」
花帆「えへへ、これでも花農家の娘だからね!お花のことは一通り叩き込まれてるんだ!」
さやか「それじゃあ、花のことでわからないことがあったら花帆さんに聞きますね」
花帆「任せて!どーんと頼ってね!」
さやか「花帆さん、すごい博識ですね…驚きました」
花帆「えへへ、これでも花農家の娘だからね!お花のことは一通り叩き込まれてるんだ!」
さやか「それじゃあ、花のことでわからないことがあったら花帆さんに聞きますね」
花帆「任せて!どーんと頼ってね!」
26: (しまむら) 2023/04/25(火) 22:16:19.81 ID:roqLJaRW
さやか「すみません。色々見たんですが……」
花帆「ごめんねえ。なんだかあたしの方ばっかり盛り上がっちゃって」
さやか「いえ、花帆さんの意見はわたしに無いものばかりなので有り難いんです。けど…」
花帆「あんまりピンと来なかった?」
さやか「はい。綴理先輩が欲しいものと一致するかと言われたら、ちょっと迷ってしまって……」
花帆「そっか……」
花帆「ごめんねえ。なんだかあたしの方ばっかり盛り上がっちゃって」
さやか「いえ、花帆さんの意見はわたしに無いものばかりなので有り難いんです。けど…」
花帆「あんまりピンと来なかった?」
さやか「はい。綴理先輩が欲しいものと一致するかと言われたら、ちょっと迷ってしまって……」
花帆「そっか……」
28: (しまむら) 2023/04/25(火) 22:20:00.22 ID:roqLJaRW
さやか「綴理先輩……わたし、どうすればいいんだろう……」
花帆「……さやかちゃん、次はあそこに行ってみない?」
さやか「え?あそこって……お茶のお店ですよね?」
花帆「さやかちゃん、お茶が好きって言ってたでしょ?面白いものがあるかも!」
さやか「か、花帆さん!あんまり引っ張らないでください!」
花帆「……さやかちゃん、次はあそこに行ってみない?」
さやか「え?あそこって……お茶のお店ですよね?」
花帆「さやかちゃん、お茶が好きって言ってたでしょ?面白いものがあるかも!」
さやか「か、花帆さん!あんまり引っ張らないでください!」
29: (しまむら) 2023/04/25(火) 22:21:46.38 ID:roqLJaRW
花帆「わぁ……お茶ってこんなに種類があるんだねえ。あたしは緑茶と紅茶くらいしかわかんないや」
さやか「葉の種類と、産地で味も変わりますからね。更に発酵させたり蒸したり焙じたりと結構複雑なんですよね」
さやか「わっ、これ…加賀棒茶?こっちは雁ヶ音…すごい、こんなに揃ってるんだ」
花帆「有名なの?」
さやか「はい!加賀棒茶はとても美味しいんですが、生産量も少なくて貴重なんです。こっちの雁ヶ音は、玉露という種類のお茶の茎なんです。甘くて飲みやすいんですよ」
店主「詳しいねぇ……良かったら飲んでみるかい?」
さやか「良いんですか?わっ、ありがとうございます!」
さやか「葉の種類と、産地で味も変わりますからね。更に発酵させたり蒸したり焙じたりと結構複雑なんですよね」
さやか「わっ、これ…加賀棒茶?こっちは雁ヶ音…すごい、こんなに揃ってるんだ」
花帆「有名なの?」
さやか「はい!加賀棒茶はとても美味しいんですが、生産量も少なくて貴重なんです。こっちの雁ヶ音は、玉露という種類のお茶の茎なんです。甘くて飲みやすいんですよ」
店主「詳しいねぇ……良かったら飲んでみるかい?」
さやか「良いんですか?わっ、ありがとうございます!」
30: (しまむら) 2023/04/25(火) 22:23:20.24 ID:roqLJaRW
花帆「良い香り〜!……おいし〜!」
さやか「後味が良いですね。濃いのに全然苦味がないというか…」
花帆「あたし、お茶って全然意識したこと無かったけど、これ飲んだらびっくりしちゃったよ」
さやか「正に美味しいものと出会えた衝撃、ですね。店主さん、これと……あとこれをいただけますか?」
店主「はいよ。ありがとうね」
花帆「さやかちゃんも淹れられるんだ?」
さやか「はい。こう見えて、お茶には一家言あるんですよ?」
さやか「後味が良いですね。濃いのに全然苦味がないというか…」
花帆「あたし、お茶って全然意識したこと無かったけど、これ飲んだらびっくりしちゃったよ」
さやか「正に美味しいものと出会えた衝撃、ですね。店主さん、これと……あとこれをいただけますか?」
店主「はいよ。ありがとうね」
花帆「さやかちゃんも淹れられるんだ?」
さやか「はい。こう見えて、お茶には一家言あるんですよ?」
31: (しまむら) 2023/04/25(火) 22:25:07.39 ID:roqLJaRW
花帆「へぇ……ふふっ」
さやか「?な、なんですか…?」
花帆「ううん。さやかちゃん、本当にお茶が好きなんだなぁって」
さやか「そんなに饒舌でしたか……?ちょっと恥ずかしいですね」
花帆「ね、さやかちゃん。さやかちゃんはそうやって好きなものに熱中してる方が、きらきら輝いてるよ」
さやか「…?」
花帆「さっきまでのさやかちゃん、綴理センパイが欲しいものばっかり探してたでしょ?でも、今の方が楽しそうだよ」
さやか「花帆さん…」
花帆「だからさ、次は綴理センパイが欲しいものじゃなくて……さやかちゃんが、綴理センパイにあげたいものを選んでみようよ」
さやか「?な、なんですか…?」
花帆「ううん。さやかちゃん、本当にお茶が好きなんだなぁって」
さやか「そんなに饒舌でしたか……?ちょっと恥ずかしいですね」
花帆「ね、さやかちゃん。さやかちゃんはそうやって好きなものに熱中してる方が、きらきら輝いてるよ」
さやか「…?」
花帆「さっきまでのさやかちゃん、綴理センパイが欲しいものばっかり探してたでしょ?でも、今の方が楽しそうだよ」
さやか「花帆さん…」
花帆「だからさ、次は綴理センパイが欲しいものじゃなくて……さやかちゃんが、綴理センパイにあげたいものを選んでみようよ」
32: (しまむら) 2023/04/25(火) 22:26:55.99 ID:roqLJaRW
さやか「わたしの、あげたいもの……でも、それでいいんでしょうか…?」
花帆「ん〜……ね、さやかちゃん。あたしの最初のライブ、すっごく褒めてくれたでしょ?あんなにダンスも歌もダメダメだったのに……なんで?」
さやか「それは……花帆さんの楽しい気持が伝わってきて、それが素敵だと感じたからで……」
花帆「だからさ、きっとこれも一緒だよ」
さやか「ライブと、一緒…?」
花帆「これはさやかちゃんの初めてのプレゼント。綴理センパイの好きなものじゃないかもだけど……さやかちゃんの感謝の気持は、きっと届いてくれるよ」
花帆「それで、また次にプレゼントする時はもっと綴理センパイに喜んでもらう。今はそれで良いんじゃないかな」
花帆「ん〜……ね、さやかちゃん。あたしの最初のライブ、すっごく褒めてくれたでしょ?あんなにダンスも歌もダメダメだったのに……なんで?」
さやか「それは……花帆さんの楽しい気持が伝わってきて、それが素敵だと感じたからで……」
花帆「だからさ、きっとこれも一緒だよ」
さやか「ライブと、一緒…?」
花帆「これはさやかちゃんの初めてのプレゼント。綴理センパイの好きなものじゃないかもだけど……さやかちゃんの感謝の気持は、きっと届いてくれるよ」
花帆「それで、また次にプレゼントする時はもっと綴理センパイに喜んでもらう。今はそれで良いんじゃないかな」
33: (しまむら) 2023/04/25(火) 22:28:35.99 ID:roqLJaRW
さやか「私の気持……綴理先輩……」
さやか「そっか……そっか。花帆さん、ありがとうございます」
花帆「なんて、偉そうなこと言っちゃった。えへへ」
さやか「いいえ……わたし、花帆さんに相談してよかったです。そうだ。今度このお茶を淹れるので、部室で皆さんと飲んでみませんか?」
花帆「ホント!?やった!楽しみだよ!」
さやか「それで代わりと言っては何ですが……またもう少しだけ、付き合ってもらって良いですか?」
花帆「もっちろん!門限過ぎても付き合うからね!」
さやか「そ、それは守ってください!」
さやか「そっか……そっか。花帆さん、ありがとうございます」
花帆「なんて、偉そうなこと言っちゃった。えへへ」
さやか「いいえ……わたし、花帆さんに相談してよかったです。そうだ。今度このお茶を淹れるので、部室で皆さんと飲んでみませんか?」
花帆「ホント!?やった!楽しみだよ!」
さやか「それで代わりと言っては何ですが……またもう少しだけ、付き合ってもらって良いですか?」
花帆「もっちろん!門限過ぎても付き合うからね!」
さやか「そ、それは守ってください!」
34: (しまむら) 2023/04/25(火) 22:29:28.41 ID:roqLJaRW
花帆「う〜ん……干物屋さん、服屋さん、刃物屋さん、本屋さん……」
さやか「古着、扇子、時計、八百屋……」
花帆「ああは言ったけど、迷っちゃうね〜」
さやか「…………あっ」
花帆「?」
さやか「あの……あそこ、行ってみませんか?」
花帆「どこどこ?」
さやか「古着、扇子、時計、八百屋……」
花帆「ああは言ったけど、迷っちゃうね〜」
さやか「…………あっ」
花帆「?」
さやか「あの……あそこ、行ってみませんか?」
花帆「どこどこ?」
35: (しまむら) 2023/04/25(火) 22:32:13.74 ID:roqLJaRW
花帆「水引細工?」
さやか「はい。水引は奉書紙を留める紐のようなもので……この結び目をアレンジした細工物は、金沢の工芸品として有名なんです」
花帆「へぇ〜…わっ!可愛い〜!カラフルだし、華やか!」
さやか「水引細工と一概に言っても、色々種類がありますね」
花帆「ブローチに、髪飾り。これは梢センパイに似合いそう」
さやか「むむ……イヤリングと…簪に、へぇ。櫛もあるんだ」
さやか「はい。水引は奉書紙を留める紐のようなもので……この結び目をアレンジした細工物は、金沢の工芸品として有名なんです」
花帆「へぇ〜…わっ!可愛い〜!カラフルだし、華やか!」
さやか「水引細工と一概に言っても、色々種類がありますね」
花帆「ブローチに、髪飾り。これは梢センパイに似合いそう」
さやか「むむ……イヤリングと…簪に、へぇ。櫛もあるんだ」
36: (しまむら) 2023/04/25(火) 22:33:30.66 ID:roqLJaRW
花帆「さやかちゃん、これって何かな?」
さやか「これは……香袋ですね。中にお香を入れて匂いを楽しむんです」
花帆「これも可愛いねえ。それに、お香も色んな種類があるんだ。白檀、桂皮……お花の香りも!梢センパイの匂いに似てる……」
花帆「……うっ、お小遣いが……また、また買いに来よう……」
さやか(私が、あげたいもの……綴理先輩に似合う……私と、綴理先輩の大切な想い……)
さやか「……あ」
花帆「?良いのがあった?」
さやか「……ふふっ。はい、これに…決めました!」
さやか「これは……香袋ですね。中にお香を入れて匂いを楽しむんです」
花帆「これも可愛いねえ。それに、お香も色んな種類があるんだ。白檀、桂皮……お花の香りも!梢センパイの匂いに似てる……」
花帆「……うっ、お小遣いが……また、また買いに来よう……」
さやか(私が、あげたいもの……綴理先輩に似合う……私と、綴理先輩の大切な想い……)
さやか「……あ」
花帆「?良いのがあった?」
さやか「……ふふっ。はい、これに…決めました!」
37: (しまむら) 2023/04/25(火) 22:36:31.76 ID:roqLJaRW
夜
さやか「綴理先輩、こんばんは」
綴理「こんばんは、さや。珍しいね、さやがボクを呼ぶなんて……?ボクが呼ばれたんだっけ?さやが呼んだんだっけ?」
さやか「そ、それはどっちでも良いです……」
さやか「こ、こほん。とにかく改めて……綴理先輩。唐突ではありますが、これを受け取って貰えますか?」
綴理「?これ……どうしたの?」
さやか「今日、商店街のお手伝いをした時のお給料をいただきまして。それで……私がスクールアイドルとして……いえ、私をスクールアイドルにしてくれた綴理先輩に、感謝の気持を伝えたいんです」
さやか「綴理先輩、こんばんは」
綴理「こんばんは、さや。珍しいね、さやがボクを呼ぶなんて……?ボクが呼ばれたんだっけ?さやが呼んだんだっけ?」
さやか「そ、それはどっちでも良いです……」
さやか「こ、こほん。とにかく改めて……綴理先輩。唐突ではありますが、これを受け取って貰えますか?」
綴理「?これ……どうしたの?」
さやか「今日、商店街のお手伝いをした時のお給料をいただきまして。それで……私がスクールアイドルとして……いえ、私をスクールアイドルにしてくれた綴理先輩に、感謝の気持を伝えたいんです」
38: (しまむら) 2023/04/25(火) 22:38:04.26 ID:roqLJaRW
さやか「綴理先輩……本当に感謝してます。これからも、どうかよろしくお願いします!」
綴理「さや……」
さやか「それ、開けてみてくれませんか?」
綴理「うん。……チョーカー?それに、水引細工だ」
さやか「はい。たまたま見つけまして。あまり派手ではないですし、綴理先輩にも似合うかと」
綴理「……綺麗だ。嬉しいよ、さや」
さやか「あっ、ありがとうございます!……それで、なんですけど」
綴理「?」
綴理「さや……」
さやか「それ、開けてみてくれませんか?」
綴理「うん。……チョーカー?それに、水引細工だ」
さやか「はい。たまたま見つけまして。あまり派手ではないですし、綴理先輩にも似合うかと」
綴理「……綺麗だ。嬉しいよ、さや」
さやか「あっ、ありがとうございます!……それで、なんですけど」
綴理「?」
39: (しまむら) 2023/04/25(火) 22:40:02.63 ID:roqLJaRW
さやか「あの……これを」
綴理「同じチョーカーが、ふたつ?」
さやか「ペアチョーカーと言うらしいです。水引細工でペアセットなのは珍しいと思って……」
さやか「だから、その……烏滸がましいとは思いますが……わたしと一緒に、おそろいで…着けてくれませんか?」
綴理「……さや、それ貸して」
さやか「は、はい…?どうぞ…」
綴理「動かないでね」
さやか「せんぱっ……ん…」
綴理「…よし、着いた。じゃあさや、ボクにも着けて?」
綴理「同じチョーカーが、ふたつ?」
さやか「ペアチョーカーと言うらしいです。水引細工でペアセットなのは珍しいと思って……」
さやか「だから、その……烏滸がましいとは思いますが……わたしと一緒に、おそろいで…着けてくれませんか?」
綴理「……さや、それ貸して」
さやか「は、はい…?どうぞ…」
綴理「動かないでね」
さやか「せんぱっ……ん…」
綴理「…よし、着いた。じゃあさや、ボクにも着けて?」
40: (しまむら) 2023/04/25(火) 22:41:45.27 ID:roqLJaRW
さやか「い、今ですか!?わかりました……じゃあ、失礼します…」
さやか「どう、ですか?」
綴理「うん。とっても綺麗だ」
さやか「か、鏡見てから言ってください!」
綴理「さや、綺麗だよ」
さやか「先輩!?」
綴理「……ありがとう。ボク、大事にするから。さやと一緒に、ずっと着けるよ」
さやか「た、たまにでいいですからね!授業の時は外してくださいよ!?」
さやか「もう……全く。綴理先輩も、とってもお似合いですよ」
綴理「やった。ボク、お似合いだ」
さやか「……ふふっ。はぁ、良かったぁ……えへへっ」
さやか「どう、ですか?」
綴理「うん。とっても綺麗だ」
さやか「か、鏡見てから言ってください!」
綴理「さや、綺麗だよ」
さやか「先輩!?」
綴理「……ありがとう。ボク、大事にするから。さやと一緒に、ずっと着けるよ」
さやか「た、たまにでいいですからね!授業の時は外してくださいよ!?」
さやか「もう……全く。綴理先輩も、とってもお似合いですよ」
綴理「やった。ボク、お似合いだ」
さやか「……ふふっ。はぁ、良かったぁ……えへへっ」
41: (しまむら) 2023/04/25(火) 22:45:19.82 ID:roqLJaRW
翌朝
花帆「おはようございまーす!梢センパイ!おはようございます!」
梢「おはよう、花帆さん。今日も元気ね」
花帆「えへへ……あれ?何見てるんですか?」
梢「これ?昨晩の綴理と村野さんの配信」
花帆「あっ!あたしも見ました!梢センパイも見れたんですね」
梢「み、見れるわよ…?」
花帆「でも良かったです。綴理センパイ、さやかちゃんがあげたチョーカー気に入ってくれたみたいで。配信でも二人で着けてましたね!」
梢「ああ……あれは村野さんのプレゼントだったのね。ふふ、村野さんも中々豪快なことするわね」
花帆「おはようございまーす!梢センパイ!おはようございます!」
梢「おはよう、花帆さん。今日も元気ね」
花帆「えへへ……あれ?何見てるんですか?」
梢「これ?昨晩の綴理と村野さんの配信」
花帆「あっ!あたしも見ました!梢センパイも見れたんですね」
梢「み、見れるわよ…?」
花帆「でも良かったです。綴理センパイ、さやかちゃんがあげたチョーカー気に入ってくれたみたいで。配信でも二人で着けてましたね!」
梢「ああ……あれは村野さんのプレゼントだったのね。ふふ、村野さんも中々豪快なことするわね」
42: (しまむら) 2023/04/25(火) 22:47:30.28 ID:roqLJaRW
花帆「?どういうことですか?」
梢「あら、知らない?チョーカーを贈るというのはね……相手のことが欲しい、相手を独占したい、なんて意味があるのよ」
花帆「えぇ〜!?そうなんですか!?」
梢「ええ。それにお揃いだなんて……驚いちゃったわ。コメントも、何人か気付いてる方がいらっしゃるみたいね」
花帆「そ、そうだったんだ……昨日見てる時になんかコメント変だなとは思ってたんですけど……」
花帆「……あっ!」
梢「?」
花帆「あの、あたし……自分の広報SNSで呟いちゃったんです……『あのチョーカーはさやかちゃんからのプレゼントです!』って。さやかちゃん、配信でも触れてなかったから……」
梢「あら、知らない?チョーカーを贈るというのはね……相手のことが欲しい、相手を独占したい、なんて意味があるのよ」
花帆「えぇ〜!?そうなんですか!?」
梢「ええ。それにお揃いだなんて……驚いちゃったわ。コメントも、何人か気付いてる方がいらっしゃるみたいね」
花帆「そ、そうだったんだ……昨日見てる時になんかコメント変だなとは思ってたんですけど……」
花帆「……あっ!」
梢「?」
花帆「あの、あたし……自分の広報SNSで呟いちゃったんです……『あのチョーカーはさやかちゃんからのプレゼントです!』って。さやかちゃん、配信でも触れてなかったから……」
43: (しまむら) 2023/04/25(火) 22:48:51.51 ID:roqLJaRW
梢「あらあら…」
梢「花帆さんも村野さんも、罪深い子ねえ。……さて、当人はどんな反応をするかしら」
花帆「さやかちゃん、怒ってないと良いんだけど…そうだ、梢センパイ!」
梢「なにかしら?」
花帆「昨日、梢センパイにピッタリの髪飾りを見つけたんです!だから今度……あたしのお小遣いが入ったら!一緒に見に行きませんか?」
梢「ふふ……それはとっても嬉しいお誘いね。もちろん、よろこんで」
花帆「ホントですか?やった〜!」
バタバタバタバタ…!
梢「あら、どうやら主役が来たみたいね」
花帆「?あ、さやかちゃんに綴理センパイ!」
梢「花帆さんも村野さんも、罪深い子ねえ。……さて、当人はどんな反応をするかしら」
花帆「さやかちゃん、怒ってないと良いんだけど…そうだ、梢センパイ!」
梢「なにかしら?」
花帆「昨日、梢センパイにピッタリの髪飾りを見つけたんです!だから今度……あたしのお小遣いが入ったら!一緒に見に行きませんか?」
梢「ふふ……それはとっても嬉しいお誘いね。もちろん、よろこんで」
花帆「ホントですか?やった〜!」
バタバタバタバタ…!
梢「あら、どうやら主役が来たみたいね」
花帆「?あ、さやかちゃんに綴理センパイ!」
44: (しまむら) 2023/04/25(火) 22:50:46.60 ID:roqLJaRW
バタン!
さやか「はぁ、はぁ、はぁ……花帆さん!?なんか昨日から、わたしに『おめでとう』とか『お幸せ』ってコメントが大量に来るんですけど!?花帆さん何かしましたか!?」
花帆「し、してないよ〜!というか、したのはさやかちゃんだよ!」
さやか「意味わからないこと言わないでください!なにかやるとしたら花帆さんしかいませんよ!絶対白状して貰いますからね!」
花帆「ひゃあぁ〜!?」
梢「朝から二人とも元気ね……綴理」
綴理「?」
梢「ふふ、良かったわね」
綴理「……うん。良かった」
さやか「はぁ、はぁ、はぁ……花帆さん!?なんか昨日から、わたしに『おめでとう』とか『お幸せ』ってコメントが大量に来るんですけど!?花帆さん何かしましたか!?」
花帆「し、してないよ〜!というか、したのはさやかちゃんだよ!」
さやか「意味わからないこと言わないでください!なにかやるとしたら花帆さんしかいませんよ!絶対白状して貰いますからね!」
花帆「ひゃあぁ〜!?」
梢「朝から二人とも元気ね……綴理」
綴理「?」
梢「ふふ、良かったわね」
綴理「……うん。良かった」
45: (しまむら) 2023/04/25(火) 22:53:00.82 ID:roqLJaRW
おわり
梢先輩の髪飾りはおそらく椿と思われますが、あくまで推測です。
梢先輩の髪飾りはおそらく椿と思われますが、あくまで推測です。
48: (もんじゃ) 2023/04/25(火) 22:58:15.80 ID:mbXDaWrz
乙でした
描写が非常に丁寧で、商店街デートのシーンなどは情景が目に浮かぶようでした
しっかり調べて書いてるんだろうなって事が伝わってきました
しかし、「貴女をモノにしたい」と「貴女のモノになりたい」を一緒に贈るさやかちゃん、恐ろしい子…
指輪よりよっぽど重いっすよ…
描写が非常に丁寧で、商店街デートのシーンなどは情景が目に浮かぶようでした
しっかり調べて書いてるんだろうなって事が伝わってきました
しかし、「貴女をモノにしたい」と「貴女のモノになりたい」を一緒に贈るさやかちゃん、恐ろしい子…
指輪よりよっぽど重いっすよ…
49: (もんじゃ) 2023/04/25(火) 23:28:12.65 ID:XWCCuzZ9
毎晩質の高いエピソードを披露してくださってどうもありがとう
またいつでもいらしてね?
またいつでもいらしてね?
50: (もんじゃ) 2023/04/26(水) 00:59:32.35 ID:YiRjs/a8
素敵な物語をありがとう
あなたのおかげでまたひとつ可能性に気付けた気がするの
話の緩急もキャラクターの描写も素晴らしかったと思うわ
特に花帆さんの「え?今子ども扱いした?」の部分はまさに花帆さんが言いそうだと感じたわ、これからもよろしくお願いいたします
あなたのおかげでまたひとつ可能性に気付けた気がするの
話の緩急もキャラクターの描写も素晴らしかったと思うわ
特に花帆さんの「え?今子ども扱いした?」の部分はまさに花帆さんが言いそうだと感じたわ、これからもよろしくお願いいたします
51: (茸) 2023/04/26(水) 02:02:44.04 ID:nivxAMDT
とても素晴らしい作品だったわ
ここ最近の文豪達の登場ラッシュで語彙力が枯れてしまったけれど私は今、心から感動しているの。その事だけは伝わってほしいわ
ここ最近の文豪達の登場ラッシュで語彙力が枯れてしまったけれど私は今、心から感動しているの。その事だけは伝わってほしいわ
52: (たこやき) 2023/04/26(水) 11:07:11.55 ID:OBAviuoO
もしかしてこのスレッドがガンダーラ何処かにあるユートピアなのかしら
46: (みかん) 2023/04/25(火) 22:57:15.27 ID:nrIClYwC
お疲れ様
1年生同士の友情と言うのもいいものだわ
1年生同士の友情と言うのもいいものだわ
引用元: https://nozomi.2ch.sc/test/read.cgi/lovelive/1682425662/