【SS】しずく「恋のおまじない」【ラブライブ！虹ヶ咲】

jΣﾐｲ˶º ᴗº˶ﾘ　　立ちましたか？

～合宿後のSIF準備前～

侑「今日は虹色Passions！のPVで使う写真を撮影するよ！」

しずく「写真、ですか？」

侑「そう！　まず最初にしずくちゃんとかすみちゃんが抱き合ってるやつを1枚！」

かすみ「はぁ！？　い、いきなり何言ってんですか侑先輩！」

しずく「ええ！？　な、なななな……！？///」

かすみ「私としず子の2人しかいないと思ったらそういうことですか……」ｼﾞﾄｰｯ

しずく「……えっと、抱き合ってないと駄目ですか……？」

侑「しずくちゃんとかすみちゃんはとっても仲がいいよね！　見てれば分かるよ！」

しずく「は、はぁ……」

かすみ「それはそうですけど……」

侑「2人が一緒に歌ってる所も息ピッタリだったしね！」

侑「そこで！　しずくちゃんとかすみちゃんが仲良しであることを写真に収めてアピールするの！」

しずく「アピール……」

かすみ「まあ、スクールアイドルでそういうのはよくありますね……」

侑「いいねかすみちゃん！　話が早いよ！　しずくちゃんもいいよねっ？」ﾜｸﾜｸ

しずく「えと……は、はい……。わ、分かりました」

しずく（なんか楽しそうですね、侑さん……）

かすみ「……せっかく撮るならぁ、2人とも可愛く取ってくださいねっ、侑先輩♪」ﾆｺｯ

しずく（うーん……あまり意識しすぎないようにしなくちゃ……）ﾁﾗｯ

～～～

侑「いいよいいよ！　もっとくっついて2人とも！」ﾊﾟｼｬﾊﾟｼｬ

https://i.imgur.com/ndJgEJj.jpg

かすみ「いやもう充分密着してますよ！　落ち着いてください侑先輩！」ｷﾞｭｳｳ

しずく（……ああ……かすみさんのぬくもりを感じる……）ｷﾞｭｳｳ

しずく（あったかいなぁ……。すごく……、安心する……///）ﾄﾞｸﾝ…ﾄﾞｸﾝ…

しずく（……はっ！？///　まずいまずい、心臓の鼓動が……！///）ﾄﾞｸﾝﾄﾞｸﾝ

しずく（落ち着きなさい桜坂しずく……！　平常心よ……！）ﾄﾞｸﾝﾄﾞｸﾝ

しずく（ポーカーフェイスよ、ポーカーフェイス……！）ﾄﾞｸﾝﾄﾞｸﾝ

侑「いいねいいね～！　2人ともすっごく可愛いYO～！」ﾊﾟｼｬﾊﾟｼｬ

かすみ「ねえしず子、大丈夫？　さっきからずっと黙ってるけど」ﾁﾗｯ

しずく「……え？　だ、大丈夫大丈夫。気にしないで？」ｱｾｱｾ

かすみ「そう？　ならいいけど」

─── もしかしたら、しず子のこと好きじゃないって言う人もいるかもしれないけど！

─── 私は！　桜坂しずくのこと……！

しずく「！！！////」ｽﾞｶﾞｰﾝ

しずく（あああああああ！！////　思い出しちゃったああああああ！！！////)ｶｧｧｧ

しずく（あの時はなんとも思ってなかったのに～～～！！////）

https://i.imgur.com/JCqr45O.jpg
https://i.imgur.com/4E5S3p1.jpg
https://i.imgur.com/2ekyqRo.jpg

しずく（今思い返すと顔近すぎでしょ！！////　距離感がおかしいよぉ、かすみさん！！////）

しずく（鼻先が一瞬触れあってたよ！！////　後数センチでキスしそうな距離だったよ！！！////)

しずく（……まあ、それだけかすみさんも必死になって私を助けようとしてくれたんだろうけど……）

あの時はお互い、親友として好きである、という共通認識だったはず。
かすみさんは間違いなく友情的な意味で言ったと思うし、私もその時は全然意識してなかったら普通にそう捉えた。
誰からも嫌われたくなかった私は、誰からも嫌われたとしても、かすみさんだけは私のことを好きでいてくれる ───。
─── そう考えられるようになって、私の心は救われた。直接言うのは恥ずかしかったけど、心の中で深くかすみさんに感謝した。
かけがえのない友達がいてくれて良かったと思った。おかげで、演劇祭で自分をさらけ出すことができた ───。


かすみ「お～いしず子～」ﾎﾟﾝﾎﾟﾝ

しずく（あくまで私は、かすみさんを親友として大切に想っていたはず……）

しずく（なのに、じわじわとそれ以上の感情が芽生え始めて、今ではこんなに意識してしまうようになるなんて……）

かすみ「しず子～！　もう撮り終わったってば～！　どうしちゃったの～しず子ぉ！」ﾕｻﾕｻ

しずく「はっ！！？///」ﾋﾞｸｩ

侑「いや～いいものが撮れたよ！　私、最ッ高にトキメいちゃった！」ﾋﾟｮﾝﾋﾟｮﾝ

侑「2人ともお疲れ～！　次は愛ちゃんと璃奈ちゃんの所に行ってくるねっ！　じゃあね～！」ﾀｯﾀｯﾀｯﾀｯ

かすみ「お疲れ様で～す侑先輩っ」ﾌﾘﾌﾘ

しずく「…………///」ﾎﾞｰｯ

かすみ「ねえしず子、具合悪い？　顔真っ赤だし」

しずく「え、私の顔赤い？///」

しずく（まあ自覚はあるよ……顔、なんか熱くなってるし……。かすみさんのせいだよ）

かすみ「ちょっとおでこかして？」ｽｯ…ｺﾂﾝ

しずく「え？」ﾋﾟﾄｯ

かすみ「うーん……ちょっとあったかい気もするけど、熱が出てる感じではないかも」

しずく（あああああ近い！！！////　おでこ同士くっつけてるから近すぎる！！！　まずい、一旦逃げよう！！////）

しずく「念のためちょっと保健室行ってくる！！///　じゃあねかすみさんっ！///」ﾋﾞｭｰｰﾝｯ

かすみ「あっ……お大事にねーっ、しず子ー！！」

かすみ（っていうかしず子、足速ッ！！）

かすみ（……それにしても、しず子と一緒にいるとなんか落ち着くなぁ……）


～～～

しずく「はぁ……、はぁ……、はぁ……、……///」

しずく「このままでは……私の心が持たない……。毎日平常心を保つ訓練をしよう……」

しずく「演劇部の一員として……感情コントロールは必須技能……。大丈夫、私ならできる……！」ｸﾞｯ

しずく（……。そうだなぁ……。あの時のこと……その内、何かでお礼したいなぁ……）

～SIF休憩時～

しずく「かすみさん、お疲れ様」ｽｯ

かすみ「しず子！」

しずく「即興にしては上手くいったんじゃない？　すっごく盛り上がってたよ？　あの劇」

かすみ「んぅ……ま、まあ、それなら良かったけど……」

かすみ（かすみん悪役だったけど……楽しかったし、皆も喜んでくれたなら良かったかな）

しずく「ちょっといい？」

かすみ「え？」

https://i.imgur.com/JyKI8AN.jpg

しずく「…………」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

かすみ（あ、そういえばさっきの即興劇で髪がボサボサになってたかも……いけないいけない）

かすみ（もっと気を付けなくちゃ。……あ～、それにしても、しず子に頭撫でられるの気持ちい……）ﾄﾛｰﾝ

しずく「……」ｶﾁｬｶﾁｬ

かすみ（ん？　なんか髪留め付けられてる？）

かすみ「これって……」ｻﾜｻﾜ

しずく「演劇祭のお礼。似合うと思って、買っておいたの」ﾆｺｯ

https://i.imgur.com/X0lAsY7.jpg
https://i.imgur.com/kI4L9hj.jpg
https://i.imgur.com/fxIa3zA.jpg
https://i.imgur.com/YoFrTBZ.jpg

かすみ（演劇祭……あの時の……。しず子が辛そうに、悲しそうにしてるのが嫌で）

かすみ（むが、むちゅう？　でしず子のことを励ましたけど、元気になってくれて本当に良かった）

かすみ「ありがとうしず子！　あの時のかすみん、とーっても心配してたんだからね？」

しずく「……うん、知ってる。ありがとう、かすみさん」

かすみ「まあ～？　かすみんの手にかかればぁ～、このくらいは～？　……コホン」

かすみ「演劇祭からのしず子はずっと、その前のしず子より生き生きしてるよ。なんか吹っ切れたというか」

しずく「ほんと？」

かすみ「うん。笑顔が増えたし、よく楽しそうにしてるし。やっぱり元気と笑顔が一番だよ！」

しずく「ふふっ、そうだね」

かすみ「……これ、大切にするから」

しずく「あ、そうだかすみさん。その髪留めね？」

しずく「一度付けると、この先ずっと私のことばかり考えちゃうおまじないをかけてあるから」

かすみ「…………」

かすみ「…………え？」

しずく「なーんて、冗談だよ。それ、大事にしてくれると嬉しいな。じゃあねっ」ｽｯ

かすみ「え……あ、えっと……。も、もちろんっ！　あ、当たり前じゃんっ！」

～SIFからしばらく経って～

かすみ「…………」ﾎﾞｰｯ

かすみ「……」ﾁﾗｯ

しずく「…………」

しずく「……！」ﾁﾗｯ

しずく「……」ﾆｺｯ

かすみ「っ！！　……///」ﾌﾟｲｯ

かすみ（おかしい……最近部活の休憩中に、無意識にしず子の方を見ちゃってる気がする……）ﾓﾔﾓﾔ

かすみ（そして、結構距離があってもなぜか……しず子とよく目が合う……）ﾓﾔﾓﾔ

かすみ（おまけにしず子ときたら、目が合うたびに笑いかけてくる……）ﾓﾔﾓﾔ

かすみ（しず子の笑顔を中々直視できないし……もやもやする……なんなの、もう）ﾓﾔﾓﾔ

～～～

かすみ（学校から帰って、夜に外す時……朝起きて、鏡の前で付ける時……）

かすみ（しず子に貰ったお月様とお星様の髪留めを見るたびに、あの時の言葉を思い出す）


─── 一度付けると、この先ずっと私のことばかり考えちゃうおまじないをかけてあるから


かすみ（……しず子は冗談って言ってたけど……なんでかすごく気になる……）

しずく「かすみさん」ﾄﾝﾄﾝ

かすみ「うわぁっ！？　しず子！」ﾋﾞｸｩｯ

しずく「そんなに驚かなくても……。どうしたの？　ボーっとしちゃって」

かすみ「い、いや……なんでもないっ」

しずく「そう？　部活終わったし今日も途中まで一緒に帰ろ？」

かすみ「う、うん……」

～下校中～

しずく「ふふっ♪　ふふふっ♪」ﾙﾝﾙﾝ

かすみ「しず子！　何度もこっち見てないで前見て歩いて！　危ないから！」

しずく「は～いっ♪」ﾙﾝﾙﾝ

かすみ「しず子ぉ、最近ものすごくご機嫌だね」

しずく「だって、かすみさんがそれ付けてるの見るとつい嬉しくなっちゃって」

かすみ「……あれから結構経ってるでしょ」

しずく「まだ慣れないかな。むしろずっと新鮮な気持ちの方がお得だよ？」

かすみ「……、んもぅ～参っちゃうなぁ～。しず子ってぇ、かすみんのこと好きすぎじゃないですかぁ～？」

かすみ「まあ？　こ～んなに可愛いかすみんに、こ～んなに素敵な髪留めが合わさったら」

かすみ「まさに鬼に金棒！　まさに無敵！　サイッキョーに可愛いよね！　ねっ？」

しずく「そうだね。とっても可愛いよ？　かすみさん」ﾆｺｯ

かすみ（……。ああ、しず子の笑顔ってやっぱりいいなぁ……）ｼﾞｯ

かすみ（最近はなんか恥ずかしくてあまりよく見れないけど……）

かすみ（……ん？　恥ずかしい？　……なんで？）

しずく「ねえかすみさん……最近よく目が合うよね」

かすみ「え？」

しずく「お互いに離れてる時……私のこと、目で追ってない？」

かすみ「っ！？///　えっ……、そそそそそそれは偶然でしょ！///」ﾄﾞｷｯ

かすみ「た、たまたまだよ！///　うん！！///　たまたまっ！///」ﾄﾞｷﾄﾞｷ

しずく「そうかなぁ……」

かすみ（おかしい……おかしいよ。かすみんは、しず子と一緒にいると落ち着くはずなんだ）ﾓﾔﾓﾔ

かすみ（しず子に対してこんなに緊張するのはありえない……あってはいけないんだ……）ﾓﾔﾓﾔ

かすみ「ねぇしず子。久しぶりに手ぇ繋いで歩こうよ」ｽｯ

しずく「わぁ久しぶり。うん、いいよ？」ｷﾞｭｯ

しずく「かすみさんから手を繋ぎたいって言うの珍しいね」ﾆｺｯ

かすみ「今日はたまたまそんな気分だったの！」ﾌﾟｲｯ

かすみ（ほ～ら、こうやってしず子と手を繋いで歩いたって別に何ともない……）ｷﾞｭｯ

かすみ（……いつも通り、ちょっと嬉しい気分になるだけ）

しずく「かすみさんとこうして手を繋いで一緒に帰るの嬉しいなぁ」ﾆｺﾆｺ

かすみ「～～～っ///」ｶｧｧ

かすみ（しず子も私と同じこと考えてた……っ///）

かすみ「か……かすみんも、その……嬉しい、よ……？///」ﾎﾞｿﾎﾞｿ

しずく「！」ﾊﾟｧｧ

しずく（かすみさんの顔、ちょっと赤くなってる……！）

しずく（……よく目が合うようになったし、少しは意識してくれてるのかな……）

かすみ「……ねえ、しず子」

しずく「何？　かすみさん」

かすみ「しず子が良ければ……今度から一緒に帰る時、いつも手を繋いであげててもいいけど」

しずく「ほんとにっ？　……私は嬉しいけどかすみさんは恥ずかしくない？」

かすみ「……しず子が喜ぶなら、別にいいよ」ﾌﾟｲｯ

しずく「っ！///」ﾄﾞｷｯ

しずく（……よしっ！///　かすみさんと大分距離が縮まったぞっ、桜坂しずく！）ｸﾞｯ

しずく「……おまじないの効果、あったかも」ﾎﾞｿｯ

しずく（かすみさんの近くにいても精神を安定させる感情コントロールもできてるし……この調子で……）

かすみ「…………」

～ある日の昼休み～

かすみ「しず子～、一緒に遊ぼ～？」

しずく「ふふっ、最近私と一緒にいてくれること多いねかすみさん」ﾆｺﾆｺ

かすみ「……だって…………好きだから」ﾎﾞｿﾎﾞｿ

しずく「え？」

かすみ「……っ、しず子と一緒にいると楽しいから！」

かすみ「後、一緒にいるとなんか落ち着くから！　それだけっ！」

しずく「……」ﾎﾟｶｰﾝ

しずく（え？　今私のこと好きって言った？　……え？　ほんとに？）

しずく（もしそうなら、どういう好きなのか確かめたい……！）

しずく「じゃあかすみさん、ちょっと私とゲームをしてみようよ」

かすみ「ゲーム？」

しずく「うん。空き教室行こっか」


～～～

しずく「じゃあ向かい合って座ろっか」ｽｯ

かすみ「いいけど、何するの？」ｽｯ

しずく「両手をまっすぐ前に伸ばして」

かすみ「こう？」ﾊﾞｯ

しずく「お互いに指をこう絡めて手を握って……」ｷﾞｭｯ

かすみ（えっ、これっていわゆる恋人繋ぎって奴じゃん……）ｷﾞｭｯ

しずく「それで、お互い真顔で見つめ合って、先に目をそらした方が負けね」

かすみ「何それ」

しずく「要は先に照れた方が負け。どう？」

かすみ「……いいよ、やってやろうじゃん」

しずく「それじゃあ始めるよ……」ｼﾞｰﾂ

かすみ「…………」ｼﾞｯ

かすみ（なんでしず子がこんなことするのかよく分からないけど……）

かすみ（ゲームなら負けるわけにはいかない……！）ｸﾞｯ

しずく（ふふふっ……どれだけかすみさんに見つめられても、）ﾄﾞｸﾝｯ

しずく（おおっと危ない……感情コントロールとポーカーフェイスを習得した私に負けは無い……）ｽﾝｯ

かすみ「…………」ｼﾞｰｯ

しずく「…………」ｼﾞｰｯ

かすみ（……やっぱりしず子って綺麗な顔してるなぁ……）

しずく「…………」ｼﾞｰｯ 

かすみ（特に目……長いまつ毛にとっても奇麗な青い目……吸い込まれそう）

しずく「…………」ｼﾞｰｯ 

かすみ（……しず子の目、いいなぁ……好きだなぁ……）ﾎﾟｰｯ

しずく「…………」ｼﾞｰｯ 

かすみ「…………」ﾎﾟｰｯ

しずく（くっ……、かすみさんめぇ、全然照れてくれない……っ）ｼﾞｰｯ

しずく（でも、真顔で見つめてくるかすみさんもすごく可愛くて好き……）ｼﾞｰｯ

～～～

しずく「…………」ｼﾞｰｯ

かすみ「…………」ｼﾞｰｯ

しずく（これでは埒が明かない……ここまでかぁ……）

しずく（はぁ……かすみさんの私への好意は、あくまでも友情の範疇なんだね……）ｼｭﾝ

しずく「……かすみさん、もういいよ。終わりにしよう？」

かすみ「…………」ﾎﾟｰｯ

しずく「かすみさん？　おーい、かすみさんっ」ﾌﾞﾝﾌﾞﾝ

かすみ「はっ！？」ﾋﾞｸｯ

かすみ（あれ？　私、ずっと……しず子に見惚れてた……？）

一旦ここまで

しずく「今回は引き分けだね。はぁ……残念っ」ｶﾞｯｸﾘ

かすみ「よっぽど勝ちたかったんだね、しず子……」

しずく（あ～あ……。まあいいや）

しずく（かすみさんとふたりっきりで、恋人繋ぎして見つめ合ったんだもん）

しずく（これだけでも嬉しいし、充分満足だよ）

かすみ「まだ時間あるよ、しず子」

しずく「そうだね～、どうしよっか……あっ」

しずく「……かすみさん、実は私……悩み事があるの」

かすみ「ええっ、何、いきなり。……どうしたの？　なんでも相談してよ」

しずく「うん。私とかすみさんの仲だもんね」ﾆｺｯ

かすみ「あっ……、う、うん！///　そうそう！///」ｺｸｺｸ

かすみ（あの時言ったことを言い返されるとなんか恥ずかしい……///）

しずく「ねぇかすみさん……私って、可愛いかな」

かすみ「ふえっ？　……それが悩み？」ｷｮﾄﾝ

しずく「これでも真剣に悩んでるんだけど……」ｼﾞｯ

かすみ「可愛いよ」

しずく「っ！///」

かすみ「しず子は可愛いよ！　すっごく可愛いっ！」

かすみ「かすみんの方が可愛いかもしれないけど……しず子だってとっても可愛いし！」

かすみ「かすみんとは違った魅力がたくさんあるし！」

しずく「うう……///」ﾓｼﾞﾓｼﾞ

しずく（……かすみさんが私のことを何度も可愛いって言ってくれてる……///）ﾄﾞｷﾄﾞｷ

しずく（嬉しいけど恥ずかしい……///　こんなに素直に褒めてくれるなんて思わなかった……///）ﾄﾞｷﾄﾞｷ

かすみ「今の恥ずかしがってるしず子もものすごく可愛いし！」

かすみ「それから、ずっと思ってたけど、笑顔も素敵だし！」

しずく「～～～っ！？///　も、もういいよかすみさんっ///　もう充分だよっ///」ｿﾜｿﾜ

かすみ「後！　しず子は可愛いだけじゃなくて、とっても綺麗だよっ！」

しずく「っ！？////　う、うぅ～～～～っ！！////」ｶｧｧｧｧ

しずく（か、かすみさんが……////　私のこと、綺麗って……！////）ﾓｼﾞﾓｼﾞ

かすみ「……この際だから言っとく」

しずく「ええっ！？////　ま、まだあるのぉ……！？///」ﾓｼﾞﾓｼﾞ

かすみ「しず子にこれを教えるのはなんか癪だから言いたくなかったけど！　特別大大大サービスなんだからっ！！」

かすみ「さっきしず子と見つめ合ってた時、かすみんはねぇ！　かすみんは！　しず子に見惚れてた！」

しずく「嘘っ！？///　嘘でしょ！？///」ｱﾀﾌﾀ

かすみ「ほんとだよ！」

かすみ「しず子にはそれだけの魅力があるんだよ！」

かすみ「こぉーんなに可愛いかすみんに、ここまで言わせたんだからっ！　自信持っていいよ！　しず子っ！」

しずく「～～～～～～っ！！！！！？/////」ﾌﾟｼｭｰ

しずく（まずいまずいまずい～～～っ！！////　いつものように心の制御ができない～～～っ！！////）

しずく（まさか……まさか、かすみさんがここまでグイグイ攻めて来るなんて！！////　完全に想定外だよ！！////）

しずく（なんたる破壊力っ！！////　これがかすみさんパワー……！？////　信じらんないっ////　一時撤退っ！！////）

かすみ「ねえしず子。これで、元気になった？　もう大丈夫？」ｼﾞｯ

しずく「あ、ああっ！？　も、もうこんな時間だよ！？　や、休み時間終わっちゃうよかすみさん！！///」ｱｾｱｾ

しずく「わ、私先に行ってるから！！　かすみさんも遅れちゃだめだよ！！///」ﾀﾀﾀｯ　ｶﾞﾗｯ

かすみ「しず子！？」

しずく「……あっ！　かすみさんっ……本当にありがとうっ！！///　すっごく元気出たっ！！///」ｸﾙｯ

しずく「じゃあまたねっ！！///」ﾀｯﾀｯﾀｯﾀｯ

かすみ「…………」

かすみ（ちょっと素直にしず子のこと褒めすぎちゃったかも……）

かすみ（まあ、しず子が元気になってくれたなら別にいいや）

かすみ（それにしても……今思い返すと）

かすみ（私、傍から見ればしず子に猛烈に告白してたように見えるかも……）


─── もしかしたら、しず子のこと好きじゃないって言う人もいるかもしれないけど！

─── 私は！　桜坂しずくのこと……！


かすみ（ああ……あの時も似たような感じだったもしれない……）

～またある日の昼休み、ベンチにて～

しずく「…………」ﾎﾞｰｯ

しずく「……」ｳﾂﾗｳﾂﾗ

しずく「……」ｶｸﾝ

しずく「うぅ～っ……」ｺﾞｼｺﾞｼ

かすみ「さっきからずっと眠そうだねしず子」

しずく「昨日の夜、演劇のこと考えててちょっと寝不足で……」

かすみ「夜更かしは体に悪いよしず子～」

しずく「ふあぁ……あ、かすみさん、もうちょっとこっちに」ﾁｮｲﾁｮｲ

かすみ「え？　もう、しょうがないなぁ～」ｽｽｯ

かすみ「まったく、しず子は寂しがり屋なんだから」ﾋﾟﾄｯ

しずく「ちょっと寄りかからせてね……」ｺﾃﾝ

かすみ「あ……うん」ﾄﾞｸﾝ

しずく「休み時間が終わりそうになったら……起こして……」

かすみ「わかった」ﾄﾞｸﾝ…ﾄﾞｸﾝ…

しずく「……んぅ……、ん……」

しずく「……すぅ……すう……」

かすみ「…………」ﾄﾞｷﾄﾞｷ

しずく「…………」ｽﾔｽﾔ

かすみ（……あれ？///）ﾄﾞｷﾄﾞｷ

かすみ（しず子が私に頭を預けて、寄り添って寝てるだけだけなのに……///）ﾄﾞｷﾄﾞｷ

かすみ（なんでこんなにドキドキしてるんだろ、私……///）ﾄﾞｷﾄﾞｷ

かすみ（……なんか変だなぁ最近……しず子と一緒にいるとドキドキすることが多くなった）

かすみ（しず子と一緒に過ごしたり、しず子のことを考えると、嬉しい気持ちになるだけじゃなくて……）

かすみ（時々胸が締め付けられるように苦しくなったり、切なくなったりするんだ……）

かすみ「…………はぁ」

かすみ（……もう自分をごまかすのはやめよう。自覚しちゃったよ……）

かすみ（しず子といると落ち着くし、楽しい……それだけじゃ、なくなっちゃった……）ﾁﾗｯ

しずく「……すぅ……すう……」ｽﾔｽﾔ

かすみ（どうやら私は、しず子のことが好きみたい）

かすみ（前からずっとしず子のこと、大切な親友として好きだったけれど）

かすみ（今のこの気持ちは……恋の好き）

かすみ（……生まれて初めて恋をした）

かすみ（もやもやしたり、胸がキューっとしたり、ドキドキしたり、大変なんだね恋って）

しずく「……ん……んぅ……」ｽﾔｽﾔ

かすみ（どうしよう……この想いを伝えたら、しず子との関係が壊れちゃうのかな……）

かすみ（そうなったら嫌だな……。でも、ものすごくモヤモヤする）

しずく「……すぅ……すう……」ｽﾔｽﾔ

かすみ「…………」ﾁﾗｯ　ﾓﾔﾓﾔ

かすみ（だぁ～～～～、もうっ！！　頭がゴチャゴチャしてきた！！　こんなのかすみんらしくない！）

かすみ（このまま黙っていてもずぅっとモヤモヤが続いて耐えられないし……！　思い切ってしず子に告白しよう……！）

～後日～

しずく「どうしたの？　こんなところに呼び出して」ｿﾜｿﾜ

かすみ「……ちょっと、しず子に甘えたくなっちゃって」

しずく（なんだ……少し期待したけど、告白じゃないんだ……。でも、かすみさんが甘えてくれるのは嬉しいかも）

しずく「そうなの？　ここでふたりっきりで？　……まったく甘えん坊さんなんだから」ｸｽｯ

しずく（……もう待っているのはやめよう）

かすみ「普段のかすみんはしず子に対してあまり素直じゃないからね」

しずく（こうなったら私から告白しよう。……今のかすみさんならきっと受け入れてくれるはず……）ｸﾞｯ

かすみ「なんかしず子と話す時は、えーと……いわゆる、ツンデレキャラみたいな感じになっちゃいがちでさ……」

しずく「……ツンデレ？　……いや～、でも、ここ最近のかすみさんはものすごく素直に感じるんだけど」

かすみ「そうかなぁ？　……とにかく今、素直になれるよう意識的に精神年齢をちょっと落としてるの」

しずく「精神年齢って……かすみさんは普段から子供っぽいよ？」

かすみ「むっ……しず子の方が子供っぽいもん！　誰からも嫌われたくないってうじうじ悩んでたじゃん！」

かすみ「かすみんのテストの点数見てはしゃいでたり、合宿の時お化けの仮装にノリノリになったりとか！」

しずく「むぅぅ……！」ﾌﾟｸｰｯ

かすみ「あ、そのむくれ顔、すごく子供っぽくて可愛い。前からずっと思ってたよ」

しずく「え、可愛い？　……子供ぽいって言われるのは複雑だけど、可愛いって思ってくれるのは嬉しいかも」

かすみ「……ねぇしず子。抱きしめても良いかな」

しずく「うん、いいよ……来て」

かすみ「……」ｷﾞｭｯ

しずく「かすみさん、あったかいなぁ」ｷﾞｭｳ

かすみ「しず子もあったかいよ。……ずっとこうしていたい」

しずく「え……？///」ﾄﾞｷｯ

かすみ「しず子……好きだよ、しず子」ｷﾞｭｳ

しずく「……っ！///」ﾄﾞｷﾄﾞｷ

しずく（落ち着きなさい私……まだそういう意味で言ってるとは限らない……）

しずく「……うん、知ってるよ。前にそう言ってくれたよね。私もかすみさんのこと、好きだよ？」

かすみ「あの時の好きとは……違うの」

しずく「え……？」ﾄﾞｸﾝｯ

かすみ「あの頃よりも、もっとしず子のことが好きになっちゃった」ｷﾞｭｳ

しずく「えっと……そ、それは……れ、恋愛感情的な意味で……？」ﾄﾞｸﾝﾄﾞｸﾝ

かすみ「……うん」ｷﾞｭｯ

しずく「っ！　……うっ、……う、うう……っ」ｸﾞｽｯ

しずく「うぅ……ヒック……ぐすっ……うううぅ……」ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

かすみ「！！　……しず子、泣いてるの？」ﾋﾞｸｯ

しずく「だってだってぇ……うぅ……、嬉しくてぇ……っ」ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

かすみ「……しず子。私はしず子のことが大好きです」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

かすみ「しず子と一緒にいるとすごく落ち着くし、とっても楽しいし、それから……ドキドキします」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

しずく「うぅ……うぅ……！！」ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

かすみ「……だから私は！　ずっとしず子の傍にいたい！　しず子のトクベツになりたい！」ｷﾞｭｯ

しずく「…………っ」ｷﾞｭｳ

かすみ「……しず子。私と、付き合ってくれませんか？」

しずく「…………っ、はいっ！！　ぐすっ……、喜んで、お受けします……っ！！」ｷﾞｭｳ

続きは明日

～かすみの家～

かすみ「かすみんの部屋へようこそ！」

しずく「何回か来たことあるけど、恋人になってから入るのは初めてだね♪」ﾆｺｯ

かすみ「そ、そうだね……///　何して過ごそっか？///」ﾃﾚﾃﾚ

しずく「はいはい！　かすみさん！」ｷｮｼｭ

かすみ「はいっ、何でしょう！　しず子！」ﾕﾋﾞｻｼ

しずく「今からかすみさんには2つのことを行ってもらいたいです！」ﾜｸﾜｸ

かすみ「え……ま、まあ、かすみんにできることなら……」

しずく「大丈夫！　とっても簡単だから！」ｷﾗｷﾗ

かすみ「なんかしず子がものすごく生き生きしてる……」

しずく「その一！　私に全力で甘えるかすみさん！」

かすみ「ええ～っ！？///　そんな、甘え　と言われて甘えるの恥ずかしいんだけど……///」

しずく「お願いかすみさん……♡」ｳﾙｳﾙ

かすみ「うっ……。じゃ、じゃあ……」

かすみ（恥ずかしいからまた精神年齢を落とそう……）ｷﾘｶｴ

かすみ「しず子～♡　大好き～♡」ｷﾞｭｯ

しずく「きゃっ♡　かすみさんったら～♡」ｷﾞｭｳ

かすみ「かすみんねぇ～？♡　ずうっとしず子に会いたかったんだ～っ♡」ｽﾘｽﾘ

しずく「ええ～、そうなの～？♡　嬉しい♡　私もかすみさんに会いたかったよ～♡」

かすみ「しず子～♡　すぅき♡　構ってくれないと寂しいよ～しず子ぉ～♡」ｽﾘｽﾘ

しずく「もう～♡　かすみさんの髪が当たってくすぐったいよ～♡」

かすみ「こうしてしず子にくっついてるとぉ、心がポカポカしてくるよ～♡」ｷﾞｭｳ

しずく「私も～♡　かすみさんとくっついてるとあったかくて好き～♡」ｷﾞｭｯ

かすみ「あとねぇ、しず子をぎゅって抱きしめてるとねぇ～？」

かすみ「しず子の匂いもいっぱい感じられてぇ、とっても幸せなんだぁ♡　大好きっ♡」ﾑｷﾞｭｳｯ

しずく「え、ええ～！？///は、　恥ずかしいこと言わないでよ……///」ｶｧｧ

しずく「……私もかすみさんの匂い、甘くて落ち着くし大好き……っ♡///」ｷﾞｭｳ

かすみ「えへっ♪♡　すぅき♡　かすみんは～、しず子のモ・ノ♡　だよ？♡」ﾆｺｯ

しずく「えへへ～♡　もっと好きって行ってくれたら頭撫でてあげるよ？♡」ﾆｺﾆｺ

かすみ「かすみんはぁ～、しず子のこと大好きぃ～♡　好き好き～♡」ｽﾘｽﾘ

しずく「は～い♡　よくできました～♡」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

かすみ「えへへ～♡　かすみん、しず子に頭なでなでされるの好きぃ～♡」ﾓｿﾞﾓｿﾞ


～～～

しずく「ふぅ……♡　満足したぁ……♡」ﾆｺﾆｺ

かすみ「はぁ……はぁ……///　うぅ～恥ずかしかったぁ～！///」ｶｧｧｧ

しずく「かすみさんもノリノリだったじゃん」ﾆﾔﾆﾔ

かすみ「さすがにちょっと精神年齢を落としたよ～///　普段のかすみんじゃ絶対無理っ///」ﾓｼﾞﾓｼﾞ

しずく「え～、そんなぁ～。まあいいや、次行くよ次！」ﾜｸﾜｸ

かすみ「ええ～っ、ちょっとは休ませてよぉ～！」

しずく「さっき私に甘えてた時、回復しなかった？」

かすみ「……しました。ものすっごく癒されました。……でも！　恥ずかしかったんだからねっ！！///」

しずく「じゃあいいよね。……その二！　私に全力で大好きを伝えるかすみさん！」

かすみ「全力って言葉好きだねしず子……。ってぇ、それよりも！」

かすみ「しず子に告白したのかすみんじゃん！！　あの時充分伝えたじゃん！！」

かすみ「しかもさっき甘えた時も好き好き～って言いまくったじゃん！！」

しずく「まだ足りません。大好きはどれだけ言っても良いものとします」

かすみ「ええ～、そんなぁ～……」

しずく「はい！　始めっ！」

かすみ「しず子、大好きだよ」

しずく「もっと！」

かすみ「好きだよしず子！　大好きっ！」

しずく「もっと！」 

かすみ「あ、あ、あぁぁぁ愛してるよしず子！！///」ｶｧｧ

しずく（っ！！///　あ、『愛してる』っていい響き……！！///）ｶｧｯ

しずく「もっと！！」

かすみ「世界で一番……ううん！///　宇宙で一番しず子のことが好きぃっ！///」

しずく「もっと！！　叫んでっ！！」ｸﾞｯ

かすみ「しず子ぉぉぉぉ！！！　私はぁぁぁぁ！！！////」

かすみ「しず子のことぉぉぉぉ！！！　誰よりも大好きだからぁぁぁぁ！！！！////」

～～～

かすみ「はぁ……はぁ……はぁ……///　これで……、はぁ……満足した……？///」ｾﾞｪｾﾞｪ

しずく「えへへ～っ♡」ｳｯﾄﾘ

しずく「いや～、かすみさんにこんなに愛されてるなんて参っちゃうなぁ～っ♡　……幸せっ♡」ﾙﾝﾙﾝ

かすみ「……しず子が嬉しそうで何よりだよ……」

かすみ「なんか、このままではしず子の尻に敷かれそうな気が……」

しずく「ふっふっふ～♪　知らなかったのかな～かすみさん」ﾁｯﾁｯﾁｯ

しずく「恋愛はね？　先に告白した方が立場が弱くなるんだよ！」ﾄﾞﾔｧｧ

かすみ「何そのルール！？　かすみんそんなの知らないんだけどっ！？」ｶﾞｰﾝ

しずく「な～んてね、冗談冗談♪」ｸｽｯ

かすみ「むぅぅ～～～っ！　ぐぬぬぬぬぬ……！！」

かすみ（このままやられっぱなしでは気が済まない……）

かすみ「しず子……」ｼﾞﾘ…ｼﾞﾘ…

しずく「え？　かすみさん……？///」

かすみ「覚悟っ！」ｶﾞﾊﾞｯ

しずく「きゃっ！？///」ﾄﾞｻｯ

しずく（ベッドに押し倒された……！？///）

かすみ「しず子が悪いんだよ……あんなに大好きって言わせたんだから……」

しずく「～～～っ！？////」ﾄﾞｷﾄﾞｷ

かすみ「次は行動で大好きを示してもいいよね……？」ｽｯ

しずく「あ……っ♡////」ﾄﾞｷﾄﾞｷ

しずく（かすみさんが私に覆い被さって……両手を私の頬に添えて……////）ﾄﾞｷﾄﾞｷ

かすみ「……好きだよ……しず子……」ｽｽｯ

しずく（そして……かすみさんの顔がどんどん近づいて……////）ﾄﾞｷﾄﾞｷ


私は思わず目を閉じた。これが、合意の合図となる。次の瞬間 ───。


かすみ「ん……っ♡」ﾁｭｯ

しずく「んぅ……♡　ん……っ♡///」ﾁｭｩ


─── 私とかすみさんの唇が重なった。

かすみ「ん……、んぅ……♡///」

しずく「んん……、ん……っ♡///」

かすみ「ん……んぅ……ぷはっ……♡///」

しずく「はぁっ……♡　はぁ……、はぁ……♡///」

かすみ「……しちゃったね……♡　ファーストキス♡///」

しずく「う、うん……♡///」ﾄﾛｰﾝ

かすみ（うわぁ……///　今のしず子の表情、めちゃくちゃ可愛いよぉ……///）ﾄﾞｷﾄﾞｷ

かすみ「よ、よぉーしっ！♡///　かすみんの～っ、勝ちぃ～！♡///」ﾌﾞｲｯ

しずく「そ、そうだね……♡///　かすみさんの勝ちだよ……♡///」ﾄﾞｷﾄﾞｷ

かすみ「にひひっ♪♡　やーいやーい♡　しず子の負け～っ♪♡」

しずく「……もうっ！♡///　かすみさんったら～！♡///」ﾄﾞｷﾄﾞｷ

しずく（ああ……♡///　やっぱりかすみさんには敵わないなぁ……♡///）ﾄﾞｷﾄﾞｷ

かすみ（ああ～～っ！///　恥ずかしかったけど、なんとか勇気を出せた～～～！っ///）ｸﾞｯ

～ある日の下校時～

ｻﾞｰｰｰｰｯ

かすみ「いや～、すごい雨だね～しず子……」

しずく「そうだね……」

かすみ「天気予報で今日は午後から降るって言ってたね……」

かすみ「今朝はすごくいい天気だったから、傘忘れてきちゃったよ……」

かすみ（しょうがない、折り畳み傘を……）ｺﾞｿｺﾞｿ

しずく「じゃあ一緒に入る？」ﾊﾞｻｯ

かすみ「え？　……う、うん」

かすみ「あ、じゃあ傘かして。私が持つから」

しずく「大丈夫だよ。それに私のほうが背高いしね」

かすみ「2cmしか違わないじゃん！　いいからっ」ｸﾞｲｯ

しずく「あ……ふふっ、ありがとう」ﾆｺｯ

かすみ「こっちこそ、入れてくれてありがとっ」ﾌﾟｲｯ

～～～

かすみ「はぁ……やっぱり雨って憂鬱だなぁ……」

しずく「私はそんなに嫌いじゃないよ」

かすみ「そうなんだ……しずくっていう名前は伊達じゃないね」

しずく「！　……今、名前……」

かすみ「……！　ああ、名前……。そういえばかすみん、考えてたんだ」

しずく「……何を？」

かすみ「恋人になって、名前の呼び方……変えた方が良いのかなって……」

しずく「…………」

しずく「……『しず子』のままでいいよ」

かすみ「そうなの？　し……しずくって呼んでほしかったりしないの？」

─── 私は！　桜坂しずくのこと、大好きだからっ！！

しずく「『桜坂しずく』のこと大好きだって言ってくれたのは嬉しかったよ」

しずく「ああ、本気で、本心からそう言ってくれたんだなって……」

かすみ「そうだよ。あれは心からパッと湧き出た言葉で……」

しずく「でも、私……かすみさんに『しず子』って呼ばれるの好きなんだ」

しずく「今まで他人からあだ名で呼ばれたことなかったし……」

しずく「かすみさんに『しず子』ってあだ名を付けてもらった時、嬉しかったし」

しずく「かすみさんとの想い出も、全部『しず子』って呼ばれて紡がれてきたものだから」

しずく「だから、この先も『しず子』って呼んでくれると嬉しいな」ﾆｺｯ

かすみ「……そっか！　分かったよしず子！」ﾆｺｯ

しずく「かすみさんは……かすみさんって呼ばれるのと、か……かすみ、って呼ばれるの、どっちが……」

かすみ「今まで通りでいいよ。……もちろん、しず子が呼び捨てにしたいなら別に良いけど」

しずく「……じゃあこれまで通り、かすみさんって呼ぶね？」

かすみ「うん！」

かすみ「……ねえ、しず子」

しずく「何？　かすみさん」

かすみ「私、雨は苦手だけど……しず子とこうして相合傘して歩くのは、いい想い出になるよ」ﾆｺｯ

しずく「私も！　絶対いい想い出になるっ！　……あっ、そうだ！」

しずく「かすみさん、ちょっと立ち止まってこっち向いて？」

かすみ「え？」

しずく「んっ……っ♡」ﾁｭｯ

かすみ「んんっ！？///　んぅ……っ♡///」

しずく「……、っはあ……♡///」

しずく「雨の中でキスするのも、ロマンチックでしょ？///」ﾆｺｯ

かすみ「……しず子のバカっ///　ずるい……！///」ｶｧｧ

～それから時は跳んで2月14日、しずくの家～

しずく「はいはい！　突然ですが、かすみさんのモノマネやりまーす！」

かすみ「ええ！？　今から交換しようと思ったらいきなり何！？」

しずく「こ～んに～ちは～っ！　しず子のアイドル、かすみんだよ～っ！♡」ﾌﾘﾌﾘ

かすみ（恋人同士になってから、すっかりはっちゃけるようになったなぁしず子は……可愛いから良いけど）

しずく「しず子の可愛さを再確認しちゃってぇ、思わず可愛いって叫びそうになるくらい困っちゃってるのぉ～♡」ｸﾈｸﾈ

かすみ「……」ｲﾗｯ

しずく「大好きなしず子のためにぃ、かすみん～、これからもぉ～、頑張っちゃうよ♡」ｷﾒﾎﾟｰｽﾞ

かすみ「……へぇ～、私のこと、可愛くて大好きって思ってるんだ。ふふっ、ありがとう……かすみさんも可愛いよ？」ｼﾞﾄｰｯ

かすみ（思わずイラッ☆っとしちゃったけど、しず子が楽しそうでよかった。今のしず子すごく可愛かったし）

しずく「さて、冗談はこれくらいにして……」ｺﾞｿｺﾞｿ

かすみ「ねぇねぇ、今の照れ隠しだよね？　チョコ交換前の照れ隠しだよね？」ﾆﾔﾆﾔ

しずく「えへへ、バレた？///　さすが、よくわかったねかすみさん///」ｷﾞｸﾘ

しずく「ちゃんとかすみさんのためにチョコを作っておいたよ♪♡」ﾆｺｯ

かすみ「かすみんもぉ～、しず子のためだけにぃ、愛情たっぷりの特製チョコを作ってきましたよぉ～♡」

かすみ「はい、これ。しず子に♡」ｽｯ

しずく「わぁ～！♡　ありがとうかすみさん！♡」ﾊﾟｧｧ

しずく「じゃあ、私の心の重力を込めたこのチョコをかすみさんに……♡///」ｽｯ

かすみ「いや、どんな言い回し！？　……ありがとう、しず子」

しずく「これを食べるとかすみさんの心は私に囚われます」

かすみ「なんか、食べると魔術とか催眠術とかに掛かりそうなチョコだね……」

かすみ「安心してよ。かすみんの心は、とっくにしず子に囚われてるよ」ﾆｺｯ

しずく「うん、そうだよね……」

私はかすみさんが付けている、三日月と星の髪留めをちらりと見た。

─── 一度付けると、この先ずっと私のことばかり考えちゃうおまじないをかけてあるから

そんな願いを込めて渡した髪留めだったが ─── 恋のおまじないは成就してくれた。

─── ああ、私はなんて幸せ者なんだろう。


～～～

かすみ「しず子のチョコ、すごくおいしかったよ！　でっかいハートに驚いたけど」

しずく「かすみさんのチョコもとってもおいしかった！　見た目も凝ってて可愛かったし！」

かすみ「でもまだ物足りないなぁ」

しずく「ええ！？　私の込めた想いが足りなかったの！？」ｶﾞｰﾝ

かすみ「ううん……しず子の想いはしっかり届いたよ？　だから……」ｽｯ

しずく「んむっ……んぅ♡///」ﾁｭｯ

かすみ「んちゅ……はむっ……にゅるっ♡」ﾁｭ…ﾁｭﾙｯ

しずく（！？///　し、舌ぁ！？///　よ、よーし、私も……！♡///）

しずく「ちゅ……ちゅる♡　ふっ、れろっ♡　んちゅっ♡」ﾁｭﾌﾟｯ ﾁｭｯ

かすみ「んんっっ♡　ちゅる♡　くちゅ……れろ♡　ちゅっ……♡」

しずく「んくっ……れろ♡　はむっ……んちゅ……♡　ちゅぷっ……ぷはぁっ♡」

かすみ「はぁ……はぁ……♡　しず子の口の中、甘かったよ♡」ﾆｺｯ

しずく「かすみさんの口の中も甘かったよ……♡///　特に、舌が……♡///」ﾄﾛｰﾝ

かすみ（……は、恥ずかしいこと言わないでっ！！///　先にやったのは私だけどっ！！///）

かすみ「……えへへっ♡///　私たちが作ったチョコのおかげだねっ♡」

しずく「そうだね♡　一生懸命作った甲斐があったよ♡」


しずく・かすみ「「─── ハッピーバレンタインデー！♡♡」」

 

おしまい

相思相愛のしずくとかすみを見るのが好きなので、自分で書いてみました

素晴らしい

見終わってもニヤニヤが止まらん

ウッキウキではっちゃけてるしずくちゃんが可愛かった
凄まじく甘ったるかったしイチャイチャしまくってて良かったわ
乙乙

こういう雰囲気好きすぎる
乙

強烈な甘さで胸やけした上に脳が再生した
バレンタインのしずかす見たかったから書いてくれてありがとう

もうちょっと大人になったら呼び方も変わるのかな。それともずっとこのままかな。どちらもいいね

ラブラブなしずかす大好き

乙
すごく癒された