2: (らっかせい) 2020/05/29(金) 20:58:41.55 ID:GT1CLxbq
曜「まーりちゃんっ」
鞠莉「あら、曜」
曜「ちょっとお時間いいですかー?」
鞠莉「構わないわ。どうかしたの?」
曜「少しの間、そのまま動かないでもらえるかな?」
鞠莉「いいけど、何かしら。新しい遊び?」
曜「それは――ハグっ!」
鞠莉「!」
曜「からの、ぎゅーっ」
鞠莉「あら、曜」
曜「ちょっとお時間いいですかー?」
鞠莉「構わないわ。どうかしたの?」
曜「少しの間、そのまま動かないでもらえるかな?」
鞠莉「いいけど、何かしら。新しい遊び?」
曜「それは――ハグっ!」
鞠莉「!」
曜「からの、ぎゅーっ」
3: (らっかせい) 2020/05/29(金) 20:58:56.26 ID:GT1CLxbq
鞠莉「えっ、えっ…!?」
曜「じっとしてってば。ぎゅーっ」
鞠莉「ちょ、ちょっと、曜っ…」
曜「えへへっ、ぎゅーー!」
鞠莉「あ、ぅ…!」
曜「ぎゅーーっ…はいっ、おーわりっ」
鞠莉「あ…」
曜「へへ、ご協力ありがと!」
曜「じっとしてってば。ぎゅーっ」
鞠莉「ちょ、ちょっと、曜っ…」
曜「えへへっ、ぎゅーー!」
鞠莉「あ、ぅ…!」
曜「ぎゅーーっ…はいっ、おーわりっ」
鞠莉「あ…」
曜「へへ、ご協力ありがと!」
4: (らっかせい) 2020/05/29(金) 20:59:49.58 ID:GT1CLxbq
鞠莉「ど、どうして急にハグを?」
曜「鞠莉ちゃん、少しお疲れ様に見えたから」
鞠莉「わたし、が?」
曜「いつも明るい鞠莉ちゃんの笑顔が、今日はなんだか雲がかかってるって言うか。うまく説明できないけど、そんな感じだなーって」
鞠莉「あ…」
曜「果南ちゃんが、ハグには疲れやストレスを軽減する効果があるって話してたのを思い出してさ。体が自然と動いちゃったんだ、私の元気を分けてあげられたらーって!」
鞠莉「!」
曜「鞠莉ちゃん、少しお疲れ様に見えたから」
鞠莉「わたし、が?」
曜「いつも明るい鞠莉ちゃんの笑顔が、今日はなんだか雲がかかってるって言うか。うまく説明できないけど、そんな感じだなーって」
鞠莉「あ…」
曜「果南ちゃんが、ハグには疲れやストレスを軽減する効果があるって話してたのを思い出してさ。体が自然と動いちゃったんだ、私の元気を分けてあげられたらーって!」
鞠莉「!」
5: (らっかせい) 2020/05/29(金) 21:00:09.45 ID:GT1CLxbq
曜「どうかな、ちょっとはお役に立てた?」
鞠莉「え、ええ。おかげさまでね」
曜「よかったぁ、やっぱりハグってすごいんだ!鞠莉ちゃんもお仕事大変だと思うけど、頑張りすぎは禁物だよ。それじゃ!」
鞠莉「あっ、曜!」
曜「またねー!」
鞠莉「…行っちゃった。まるで突風のようだったけど、なんだったのかしら」
曜『ハグ!からの、ぎゅーっ!』
鞠莉「いきなりハグなんて、シャイな曜らしくもない」
曜『ぎゅーっ、えへへっ!』
鞠莉「…らしくないんだから」
鞠莉「え、ええ。おかげさまでね」
曜「よかったぁ、やっぱりハグってすごいんだ!鞠莉ちゃんもお仕事大変だと思うけど、頑張りすぎは禁物だよ。それじゃ!」
鞠莉「あっ、曜!」
曜「またねー!」
鞠莉「…行っちゃった。まるで突風のようだったけど、なんだったのかしら」
曜『ハグ!からの、ぎゅーっ!』
鞠莉「いきなりハグなんて、シャイな曜らしくもない」
曜『ぎゅーっ、えへへっ!』
鞠莉「…らしくないんだから」
6: (らっかせい) 2020/05/29(金) 21:00:46.94 ID:GT1CLxbq
……………………………………
鞠莉「果南、ちょっといい?」
果南「ああ、鞠莉。なーに?」
鞠莉「さっきね、その、曜がハグしてくれたんだけど」
果南「ほう」
鞠莉「曜って、自分からそういうことするようなタイプだっけ?」
果南「んー、あんまりしないかな。私の知ってる限り」
鞠莉「そうよね、私もそう思うの。明るくてシャイニーな印象だけど、実際はナイーブっていうか」
果南「うんうん。意外と恥ずかしがり屋で、控えめなところがあるよね」
鞠莉「果南、ちょっといい?」
果南「ああ、鞠莉。なーに?」
鞠莉「さっきね、その、曜がハグしてくれたんだけど」
果南「ほう」
鞠莉「曜って、自分からそういうことするようなタイプだっけ?」
果南「んー、あんまりしないかな。私の知ってる限り」
鞠莉「そうよね、私もそう思うの。明るくてシャイニーな印象だけど、実際はナイーブっていうか」
果南「うんうん。意外と恥ずかしがり屋で、控えめなところがあるよね」
7: (らっかせい) 2020/05/29(金) 21:01:06.43 ID:GT1CLxbq
鞠莉「でしょう。それなのに、ハグなんて一体どうしたのかしら」
果南「曜は何か言ってた?」
鞠莉「えっと、私が疲れて見えたって。果南から『ハグには疲れやストレスを取る効果がある』って聞いた、とも」
果南「あー、いつだかそんなこと教えたね」
鞠莉「やっぱり果南のハレーションだったのね」
果南「ハレーション?」
鞠莉「悪影響、ってことよ」
果南「曜は何か言ってた?」
鞠莉「えっと、私が疲れて見えたって。果南から『ハグには疲れやストレスを取る効果がある』って聞いた、とも」
果南「あー、いつだかそんなこと教えたね」
鞠莉「やっぱり果南のハレーションだったのね」
果南「ハレーション?」
鞠莉「悪影響、ってことよ」
8: (らっかせい) 2020/05/29(金) 21:01:28.11 ID:GT1CLxbq
果南「へえ、知らなかった、そんな意味もあるんだ。けどさ」
鞠莉「ん?」
果南「本当に悪い影響だったの?曜と、鞠莉にとって」
鞠莉「えっ」
果南「実はちょっと嫌だったーとか」
鞠莉「そ、そんなことないわ。少しびっくりしちゃっただけで、そんなことは全然…ねえ。なによ、そのニヤっとした顔は」
果南「んーん、なんでもない。そっか、曜がハグをねぇ」
鞠莉「ん?」
果南「本当に悪い影響だったの?曜と、鞠莉にとって」
鞠莉「えっ」
果南「実はちょっと嫌だったーとか」
鞠莉「そ、そんなことないわ。少しびっくりしちゃっただけで、そんなことは全然…ねえ。なによ、そのニヤっとした顔は」
果南「んーん、なんでもない。そっか、曜がハグをねぇ」
9: (らっかせい) 2020/05/29(金) 21:02:11.82 ID:GT1CLxbq
鞠莉「なにか心当たりとかある?」
果南「さあね。よっぽど鞠莉がお疲れに見えたんじゃない?」
鞠莉「やっぱり、私が理由なのかな」
果南「ま、それだけってわけでもなさそうだよね」
鞠莉「どういうこと?」
果南「さっき鞠莉が言ったとおりだよ。曜って恥ずかしがり屋というか、言ってみればシャイなところあるでしょ」
鞠莉「ええ」
果南「つまりさ。疲れた鞠莉を心配したんだとしても、普段の曜の性格から考えれば、ハグ以外の別の方法で元気付けようって考えるんじゃないかな」
果南「さあね。よっぽど鞠莉がお疲れに見えたんじゃない?」
鞠莉「やっぱり、私が理由なのかな」
果南「ま、それだけってわけでもなさそうだよね」
鞠莉「どういうこと?」
果南「さっき鞠莉が言ったとおりだよ。曜って恥ずかしがり屋というか、言ってみればシャイなところあるでしょ」
鞠莉「ええ」
果南「つまりさ。疲れた鞠莉を心配したんだとしても、普段の曜の性格から考えれば、ハグ以外の別の方法で元気付けようって考えるんじゃないかな」
10: (らっかせい) 2020/05/29(金) 21:03:12.73 ID:GT1CLxbq
鞠莉「確かに。そうだとすると、他にも原因があるってことになるわね」
果南「それが何かまではわからないけどね。いずれにしても、レアケースなのは間違いないかな」
鞠莉「むぅ、ますますわからなくなったわ」
果南「答えは案外シンプルかもよ」
鞠莉「って言うと?」
果南「例えば鞠莉だから、とか」
鞠莉「私だから?どう言う意味?」
果南「そのままの意味だよ。言葉のとおりね」
鞠莉「うーん。私がスキンシップが多いから、それに合わせてくれたってことなのかしら。あれ?でも私、曜にハグしたことって…」
果南「それが何かまではわからないけどね。いずれにしても、レアケースなのは間違いないかな」
鞠莉「むぅ、ますますわからなくなったわ」
果南「答えは案外シンプルかもよ」
鞠莉「って言うと?」
果南「例えば鞠莉だから、とか」
鞠莉「私だから?どう言う意味?」
果南「そのままの意味だよ。言葉のとおりね」
鞠莉「うーん。私がスキンシップが多いから、それに合わせてくれたってことなのかしら。あれ?でも私、曜にハグしたことって…」
11: (らっかせい) 2020/05/29(金) 21:03:49.10 ID:GT1CLxbq
果南「ほらほら、難しく考えてるよ。ならさ、曜にハグされてるときにどう思った?びっくりしちゃっただけ?」
鞠莉「それは…いきなりで、少し不思議な感じはしたけれど、居心地が悪いとかそう言うのじゃなくて。曜が言ってくれたみたいに、癒しになったような気がするし、それに…」
曜『ぎゅーっ!』
果南「それに?」
鞠莉「…ううん、なんでも。とにかく、ハレーションなんかじゃなくて、良いことだったのは確かよ」
果南「ん、そっかそっか」
鞠莉「なんなの、さっきから一人だけニコニコして」
果南「今みたいな鞠莉もレアケースだなって思ってね。あ、他意はないよ?良いものが見れたなーってだけで」
鞠莉「かーなーんー?」
鞠莉「それは…いきなりで、少し不思議な感じはしたけれど、居心地が悪いとかそう言うのじゃなくて。曜が言ってくれたみたいに、癒しになったような気がするし、それに…」
曜『ぎゅーっ!』
果南「それに?」
鞠莉「…ううん、なんでも。とにかく、ハレーションなんかじゃなくて、良いことだったのは確かよ」
果南「ん、そっかそっか」
鞠莉「なんなの、さっきから一人だけニコニコして」
果南「今みたいな鞠莉もレアケースだなって思ってね。あ、他意はないよ?良いものが見れたなーってだけで」
鞠莉「かーなーんー?」
12: (らっかせい) 2020/05/29(金) 21:04:13.57 ID:GT1CLxbq
果南「あはは、このくらいでやめておくよ。スターブライトに蹴られたくないからね」
鞠莉「もう、後で覚えときなさいよ」
果南「おお、こわいこわい。ああ、怒られついでに、もう一つ言っておくね」
鞠莉「まだあるの?」
果南「曜って確かに恥かしがり屋だけど、根はすごくまっすぐな優しい子なんだ。心が決まるまでに、時間が必要なだけでさ」
――なら、本音でぶつかった方がいいよ。
鞠莉「…ええ、よくわかるわ」
鞠莉「もう、後で覚えときなさいよ」
果南「おお、こわいこわい。ああ、怒られついでに、もう一つ言っておくね」
鞠莉「まだあるの?」
果南「曜って確かに恥かしがり屋だけど、根はすごくまっすぐな優しい子なんだ。心が決まるまでに、時間が必要なだけでさ」
――なら、本音でぶつかった方がいいよ。
鞠莉「…ええ、よくわかるわ」
13: (らっかせい) 2020/05/29(金) 21:04:27.94 ID:GT1CLxbq
果南「誰かさんと同じだね」
鞠莉「誰かさん?」
果南「ふふっ。ま、そんなわけだから、鞠莉の方こそ、身構えすぎず、考えすぎずにね。気持ちの受け止め方と伝え方、知ってるでしょ?」
鞠莉「ん…そうよね。ありがとう、果南。話を聞いてくれて」
果南「いえいえ、お節介いたしまして。それじゃ、またね」
鞠莉「ええ、また後で。…考えすぎず、本音で、か。あの時とは立場が逆になったわね」
――鞠莉ちゃんっ!
鞠莉「…よしっ」
鞠莉「誰かさん?」
果南「ふふっ。ま、そんなわけだから、鞠莉の方こそ、身構えすぎず、考えすぎずにね。気持ちの受け止め方と伝え方、知ってるでしょ?」
鞠莉「ん…そうよね。ありがとう、果南。話を聞いてくれて」
果南「いえいえ、お節介いたしまして。それじゃ、またね」
鞠莉「ええ、また後で。…考えすぎず、本音で、か。あの時とは立場が逆になったわね」
――鞠莉ちゃんっ!
鞠莉「…よしっ」
14: (らっかせい) 2020/05/29(金) 21:05:23.70 ID:GT1CLxbq
……………………………………
鞠莉「曜、いいかしら」
曜「あ、鞠莉ちゃん!なにかな?」
鞠莉「その、さっきのハグのことなんだけど」
曜「あ、あー。ごめんね?私ったら、いきなりあんなことして」
頬をかきながら、曜はきまりが悪そうに笑った。急にかしこまっちゃったけど、私は取って食べるつもりなんかないわよ?
鞠莉「違うわ。曜に感謝を伝えに来たの」
曜「本当?」
鞠莉「ええ。癒しをくれてありがとう、ってね」
曜「わあ、よかった!へへ、やってみた甲斐があったよー」
鞠莉「それでね、えっと、その…」
曜「んー?」
曜への初めてのハグ…身構えず、考え過ぎず、私らしく――息を整えて、前を見据えて。
鞠莉「曜、いいかしら」
曜「あ、鞠莉ちゃん!なにかな?」
鞠莉「その、さっきのハグのことなんだけど」
曜「あ、あー。ごめんね?私ったら、いきなりあんなことして」
頬をかきながら、曜はきまりが悪そうに笑った。急にかしこまっちゃったけど、私は取って食べるつもりなんかないわよ?
鞠莉「違うわ。曜に感謝を伝えに来たの」
曜「本当?」
鞠莉「ええ。癒しをくれてありがとう、ってね」
曜「わあ、よかった!へへ、やってみた甲斐があったよー」
鞠莉「それでね、えっと、その…」
曜「んー?」
曜への初めてのハグ…身構えず、考え過ぎず、私らしく――息を整えて、前を見据えて。
15: (らっかせい) 2020/05/29(金) 21:05:43.77 ID:GT1CLxbq
鞠莉「は、ハグっ」
曜「わっ」
鞠莉「そして、ぎゅーっ」
曜「わわ、わっ!ま、鞠莉ちゃん?」
鞠莉「…お返し」
曜「えっ?」
鞠莉「さっきは、曜の笑顔とハグに元気を分けてもらったから。これは、そのお礼」
曜「!」
鞠莉「嬉しかった。ありがとうね」
曜「…えへへ、うんっ!」
曜「わっ」
鞠莉「そして、ぎゅーっ」
曜「わわ、わっ!ま、鞠莉ちゃん?」
鞠莉「…お返し」
曜「えっ?」
鞠莉「さっきは、曜の笑顔とハグに元気を分けてもらったから。これは、そのお礼」
曜「!」
鞠莉「嬉しかった。ありがとうね」
曜「…えへへ、うんっ!」
16: (らっかせい) 2020/05/29(金) 21:06:04.28 ID:GT1CLxbq
よかった。ちゃんと言えた。ちゃんと伝えられた。私は安堵しながら、その体を柔らかく抱きしめる。
曜って、こんなに小さかったんだ。
普段は元気で存在感があるけれど、今は私の腕の中にすっぽりと収まって。
こういうの、いいな。
曜「ふふっ。鞠莉ちゃんのハグ、なんだかほわほわする」
可愛く照れ笑いを見せながら、曜は腕をおずおずと私の背中に回してくれた。
曜「ね、ね、鞠莉ちゃん」
鞠莉「ん?」
曜って、こんなに小さかったんだ。
普段は元気で存在感があるけれど、今は私の腕の中にすっぽりと収まって。
こういうの、いいな。
曜「ふふっ。鞠莉ちゃんのハグ、なんだかほわほわする」
可愛く照れ笑いを見せながら、曜は腕をおずおずと私の背中に回してくれた。
曜「ね、ね、鞠莉ちゃん」
鞠莉「ん?」
17: (らっかせい) 2020/05/29(金) 21:06:19.07 ID:GT1CLxbq
にこっと笑ってから、上目遣いの曜がぐっと背伸びをする。不意に顔が近くなって、思わず胸がドキッとした、その時――
曜「――ハグっ!」
鞠莉「わ…!?」
いったい何をどうされたのか。
引き寄せられたと思った次の瞬間、私の体は曜の腕でしっかりと抱きしめられていた。
曜「からの、ぎゅーっ」
鞠莉「あ、わっ…!」
曜「――ハグっ!」
鞠莉「わ…!?」
いったい何をどうされたのか。
引き寄せられたと思った次の瞬間、私の体は曜の腕でしっかりと抱きしめられていた。
曜「からの、ぎゅーっ」
鞠莉「あ、わっ…!」
18: (らっかせい) 2020/05/29(金) 21:06:55.01 ID:GT1CLxbq
曜はさらに体をぎゅっと密着させてきた。
身長差が逆転したわけでもないのに、曜は優しく、あたたかく私のことを包み込んでいる。
鞠莉「よ、曜…!」
あたふたする私に、曜は屈託無く笑って「よかったぁ」と呟いた。
鞠莉「え…?」
曜「実はね、ちょっぴり心配だったんだ。さっきは勢いに任せてハグしちゃったから。もしかしたら、びっくりさせちゃったかなって」
鞠莉「あ…」
身長差が逆転したわけでもないのに、曜は優しく、あたたかく私のことを包み込んでいる。
鞠莉「よ、曜…!」
あたふたする私に、曜は屈託無く笑って「よかったぁ」と呟いた。
鞠莉「え…?」
曜「実はね、ちょっぴり心配だったんだ。さっきは勢いに任せてハグしちゃったから。もしかしたら、びっくりさせちゃったかなって」
鞠莉「あ…」
19: (らっかせい) 2020/05/29(金) 21:07:42.94 ID:GT1CLxbq
曜「一方的に自分の気持ちをぶつけちゃったのかもって。だからさ、鞠莉ちゃんがハグしてくれたのが嬉しくて!」
鞠莉「曜…」
曜「えへへっ、鞠莉ちゃんっ」
背中を撫でる手から温もりが伝わってくる。
まっすぐな喜びをありのままに表現してくれる曜のおかげで、私は大事なことを思い出していた。
それは気持ちの受け止め方と、伝え方。
大切なのは、本音でぶつかること。
つまり、心のまま素直に――
そっか、そうよね。
私は曜の体に、もう一度腕を回し直した。
曜「あ…!」
鞠莉「ハグにはハグで応えなきゃ、ね」
そのままぎゅっと抱きしめると、曜がぴょこぴょこと背伸びして応じてくれた。
そんな様子が、なんだか愛らしくてたまらない。
鞠莉「曜…」
曜「えへへっ、鞠莉ちゃんっ」
背中を撫でる手から温もりが伝わってくる。
まっすぐな喜びをありのままに表現してくれる曜のおかげで、私は大事なことを思い出していた。
それは気持ちの受け止め方と、伝え方。
大切なのは、本音でぶつかること。
つまり、心のまま素直に――
そっか、そうよね。
私は曜の体に、もう一度腕を回し直した。
曜「あ…!」
鞠莉「ハグにはハグで応えなきゃ、ね」
そのままぎゅっと抱きしめると、曜がぴょこぴょこと背伸びして応じてくれた。
そんな様子が、なんだか愛らしくてたまらない。
20: (らっかせい) 2020/05/29(金) 21:08:08.02 ID:GT1CLxbq
曜「鞠莉ちゃんは可愛いなあ」
鞠莉「もう、変なこと言わないの」
耳元で言われて、顔が少し熱くなる。
曜は「思ったことを言っただけだよ」と明るく笑った。
鞠莉「むぅー」
「可愛いのはそっちのくせに」と言いかけたけど、くすぐったくて言葉を飲み込んだ。
この重なりとふれあいを、今はもっと感じていたかった。
背中を撫でたり、微笑んだりしながら、私たちは少しの間ゆらゆらとハグに揺られていた。
鞠莉「もう、変なこと言わないの」
耳元で言われて、顔が少し熱くなる。
曜は「思ったことを言っただけだよ」と明るく笑った。
鞠莉「むぅー」
「可愛いのはそっちのくせに」と言いかけたけど、くすぐったくて言葉を飲み込んだ。
この重なりとふれあいを、今はもっと感じていたかった。
背中を撫でたり、微笑んだりしながら、私たちは少しの間ゆらゆらとハグに揺られていた。
21: (らっかせい) 2020/05/29(金) 21:08:29.24 ID:GT1CLxbq
ハグを終えてからも、曜はにこにこ顔を輝かせていた。
体を離す際の表情が、一瞬だけど名残惜しそうに見えたのは、私の見間違いや自惚れでなければいいのだけど。
曜「なんていうか、ゆっくりして落ち着いちゃったね」
鞠莉「そうね、心が満たされていくっていうのかしら。言葉にすると、ちょっと恥ずかしいかも」
また、らしくないことを言ってしまった気がする。私としたことが「ハグが恥ずかしい」だなんて。
――あるいは、今日の私はいつもより素顔の状態なのかもしれない。
そんな私に曜は笑顔を向けて。
曜「元気が欲しいときは私に教えてね。笑顔とハグで、いつでも元気をお届けしちゃうから!」
鞠莉「ふふっ、何言ってるの。曜はいつだってシャイニーな笑顔で私を…みんなを元気にしてくれているじゃない」
照れ隠しで「みんなを」と言い換えた私に、曜は「しーっ」と人差し指を唇に当てながら顔を寄せて、小声で。
曜「ハグは鞠莉ちゃんだけの特別だよ?」
鞠莉「…ふぇっ?」
体を離す際の表情が、一瞬だけど名残惜しそうに見えたのは、私の見間違いや自惚れでなければいいのだけど。
曜「なんていうか、ゆっくりして落ち着いちゃったね」
鞠莉「そうね、心が満たされていくっていうのかしら。言葉にすると、ちょっと恥ずかしいかも」
また、らしくないことを言ってしまった気がする。私としたことが「ハグが恥ずかしい」だなんて。
――あるいは、今日の私はいつもより素顔の状態なのかもしれない。
そんな私に曜は笑顔を向けて。
曜「元気が欲しいときは私に教えてね。笑顔とハグで、いつでも元気をお届けしちゃうから!」
鞠莉「ふふっ、何言ってるの。曜はいつだってシャイニーな笑顔で私を…みんなを元気にしてくれているじゃない」
照れ隠しで「みんなを」と言い換えた私に、曜は「しーっ」と人差し指を唇に当てながら顔を寄せて、小声で。
曜「ハグは鞠莉ちゃんだけの特別だよ?」
鞠莉「…ふぇっ?」
22: (らっかせい) 2020/05/29(金) 21:09:04.78 ID:GT1CLxbq
間の抜けた声が口からこぼれ出た。ワンテンポ遅れて、耳がまた熱さを帯びていく。
鞠莉「そ、それって、どういう…」
曜「あはは、なーんてね!」
曜は軽くウインクして見せた後、くるっと背を向けて走り出した。
鞠莉「あ、曜!」
曜「じゃあねー!」
鞠莉「そ、それって、どういう…」
曜「あはは、なーんてね!」
曜は軽くウインクして見せた後、くるっと背を向けて走り出した。
鞠莉「あ、曜!」
曜「じゃあねー!」
23: (らっかせい) 2020/05/29(金) 21:09:48.63 ID:GT1CLxbq
手を振って元気よく去っていく曜の背中を、私はまたしても見送るばかりだった。
鞠莉「…曜ったら、シャイなくせに」
戸惑いを紛らわそうと呟いてみたけれど、耳の熱はなかなか冷めそうにない。
鞠莉「ううん、違うわ。本当にシャイなのは…」
曜からのハグは柔らかくて、優しくて、何より眩しくて。
鞠莉「曜…」
それは体と心がハレーションしているみたいな、初めてのあたたかな感覚だった。
終わり
鞠莉「…曜ったら、シャイなくせに」
戸惑いを紛らわそうと呟いてみたけれど、耳の熱はなかなか冷めそうにない。
鞠莉「ううん、違うわ。本当にシャイなのは…」
曜からのハグは柔らかくて、優しくて、何より眩しくて。
鞠莉「曜…」
それは体と心がハレーションしているみたいな、初めてのあたたかな感覚だった。
終わり
24: (らっかせい) 2020/05/29(金) 21:10:17.87 ID:GT1CLxbq
全弾撃ち尽くしました。可愛いがっている後輩からのハグにドギマギする鞠莉ちゃんでした。
↓は前に書いたものです。よろしければ併せてお願いします。
鞠莉「シャイニーでチャーミングでプレシャスな日々」
https://fate.2ch.net/test/read.cgi/lovelive/1589292658/
ありがとうございました。
↓は前に書いたものです。よろしければ併せてお願いします。
鞠莉「シャイニーでチャーミングでプレシャスな日々」
https://fate.2ch.net/test/read.cgi/lovelive/1589292658/
ありがとうございました。
引用元: https://nozomi.2ch.sc/test/read.cgi/lovelive/1590753478/