【SS】海未 「手が離れなくなる催眠術? はは、そんなの」

SS


4: 2021/05/22(土) 00:29:48.62 ID:IgetsnH+
海未 「離れなくなってしまいましたーーーーー!?」 グググ

穂乃果 「ね? すごいでしょ?」

海未 「なぜ!? 絶対に効かないと思ってたのに!」

穂乃果 「そういう人ほど引っかかるんだよ」 クスッ

5: 2021/05/22(土) 00:30:29.79 ID:IgetsnH+
絵里 「……」

希 「……」

絵里 「ねぇ、希、どうしたらいいかしら」

希 「ウチに言われても」

絵里 「……」

希 「……」

6: 2021/05/22(土) 00:32:23.88 ID:IgetsnH+
絵里 (まさか希と力比べをしようって腕相撲をしてたら……)

希 (隣でやってた催眠術に引っかかるなんて)

絵里 (ていうかああいうのって、両手が離れなくなるものじゃないの? こちとら片手だし。もう片方は別の人の手だし)

希 (しかも二人とも右手で腕相撲してるから、よくある手錠が取れなくなっちゃった、ってやつより厄介やない?)

絵里 (それに希って腕相撲なのに握力の方に力を使うタイプだから、今も力が強くていたたたた)

希 「……」

絵里 「……」

7: 2021/05/22(土) 00:33:18.03 ID:IgetsnH+
希 「腕相撲って捉えるんやなくて、握手って捉えたら良いんやないかな?」

絵里 「握手?」

希 「そう。友情を確かめる握手……ええやん?」

絵里 「ふふ、それは素敵ね。でもそれって根本的な解決になってなくない?」

希 「……」

絵里 「……」

希 「どうしよう」

絵里 「真姫に頼ってみましょう。真姫ー?」

8: 2021/05/22(土) 00:34:04.77 ID:IgetsnH+
真姫 「……」

花陽 「……」

真姫 「どうしたらいいのかしら」

花陽 「あはは……なんていうか運が悪かったよね」

真姫 「……」

花陽 「……」

9: 2021/05/22(土) 00:35:35.72 ID:IgetsnH+
真姫 (はぁ、よりにもよって)

花陽 (ツイスターをやってるときに催眠術に引っかかるなんて)

真姫 (ていうかああいうのって普通体同士が離れなくなるものじゃないの? なんでツイスターから体が離れなくなるのよ)

花陽 (ぐぐぐ、この姿勢をキープするのは大変ですぅ……)

真姫 (そもそもなんでこの狭い部室でツイスターやろうとしたのよ……過去の私っ!!!)

花陽 「……」

真姫 「……」

11: 2021/05/22(土) 00:36:25.74 ID:IgetsnH+
花陽 「……でも真姫ちゃん」

真姫 「なに?」

花陽 「よく考えてみたら、これツイスターなら最強だよね?」

真姫 「ツイスターでは圧勝かもしれないけど、生活ができないわ……」

花陽 「……」

真姫 「……」

花陽 「どうしよう」

真姫 「仕方ないわね、ここは凛に頼りましょう。凛ー?」

12: 2021/05/22(土) 00:38:30.81 ID:IgetsnH+
凛 「……」

ことり 「……」

凛 「ねぇ、ことりちゃん。もしかして狙ってた?」

ことり 「ネラッテナイヨ」

凛 「……」

ことり 「……」

14: 2021/05/22(土) 00:40:35.39 ID:IgetsnH+
凛 (まさかことりちゃんの提案で、ポッキーゲームをしてたら……)

凛 (催眠術に引っかかって口がポッキーから離れなくなるなんて)

凛 (ていうかポッキーは口から離せないのに、喋ったりはできるっておかしくない? そんな細かい暗示ってできるの?)

15: 2021/05/22(土) 00:42:53.60 ID:IgetsnH+
ことり (ふふ、実は凛ちゃんには前から日常的に何回も重ねて暗示をかけてました♪)

ことり (喋れたりはするけど、ポッキーは途中で離せない! つまり完遂するまではこの状態から抜け出せないって作戦です♪ そもそも穂乃果ちゃんに催眠術を勧めたのもことりだし、あくまで穂乃果ちゃんの催眠術はきっかけにしか過ぎなくて……良いカモフラージュになってくれるちゅん……!)

凛 「……」

ことり 「……」

17: 2021/05/22(土) 00:45:00.83 ID:IgetsnH+
凛 「本当にことりちゃんは何も知らないの?」

ことり 「モチロン」

凛 「うぅ……でもこのままじゃもう手段は一つしか残されてないにゃ……」

ことり 「うん、仕方ないけどこのまま進めよう? ぐへへ」

凛 「本当にご存じない?」

ことり 「モチノロン」

19: 2021/05/22(土) 00:47:14.91 ID:IgetsnH+
凛 「……」

ことり 「……」

凛 「どうしよう」

ことり 「だから早くポッキー食べ進めちゃおうよ、さぁ、さぁ、さぁ!! 吸い込んでくれぇっ!!」 カプッカプッカプッ

凛 「ひぃぃ~~~~!!!! 真顔で近づいてくるにゃゃゃぁぁぁぁーーーー!!!!」

20: 2021/05/22(土) 00:49:19.15 ID:IgetsnH+
絵里 「……」

希 「……」

絵里 「なんていうかみんな大変ね……」

希 「ウチらがマシな方に見えてくるね……」

絵里 「いや私は手がすごく痛いんだけどね?」

希 「へぇ、そうなんや」 ググググ

21: 2021/05/22(土) 00:51:24.98 ID:IgetsnH+
絵里 「そういえばにこはどうしたのかしら? さっきまでいた気がしたけど……ていたたたた」

希 「にこっちはさっきまではいたんやけど、急に表情を変えて今さっき部室を出て行ったよ」

絵里 「何かあったのかしら?」

希 「どうやろ」






23: 2021/05/22(土) 00:53:52.25 ID:IgetsnH+
にこ (まさか……まさか……部室を掃除してたら……) ガクガク

宝くじ 「やぁ」

にこ (一年前に買ってた宝くじを偶然見つけるなんて、しかも……当たってるなんて! こんな高額当選だなんて!!)

にこ 「最高にこぉぉぉぉーーーー!!」 パァァ

にこ (高額当選だから銀行に直接行かないといけないけど、しかも期限は今日までだけど、何とかギリギリ間に合ったわね!)

25: 2021/05/22(土) 00:55:59.61 ID:IgetsnH+
銀行員 「お客様、宝くじですか?」

にこ 「そうにこっ!」 ニコッ

銀行員 「では見せてくれますか?」

にこ 「了解にこっ!」 ニコッ

にこ (ここまで落とさないようにしっかり握りしめてきた宝くじ券……ついに大金に変わるときが……!!)

27: 2021/05/22(土) 00:58:04.54 ID:IgetsnH+
にこ 「ってあれ?」 グイグイ

銀行員 「お客様?」

にこ 「手から! 手から! なぜか離れないにこっ! 離れないにこっ!」 アセアセ

銀行員 「お客様ぁ!?」

28: 2021/05/22(土) 01:00:11.22 ID:IgetsnH+
にこ 「こ、この! 格安商品じゃないんだから早く手を離せにこっ! にこの右手っ!!!!」 グイグイ

銀行員 「頑張って!! 頑張ってください!! フレー! フレー! お客様!!」

にこ 「うおりゃぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーー!!!!!!!」

銀行員 「あっ、時間ですぅ」

ガラガラ

にこ 「にこぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉーーーーーーーーーー!!!!」 ポロポロ

おわり

30: 2021/05/22(土) 01:02:41.80 ID:IgetsnH+
連投規制もあり、少し時間かかるかもですが、おまけ書きます。

31: 2021/05/22(土) 01:11:35.61 ID:IgetsnH+
おまけ

海未 「穂乃果ぁ! もういい加減に催眠術を解除してください!」

穂乃果 「え~仕方ないなぁ。じゃああと一つだけ催眠術やったらね?」

海未 「はい?」

穂乃果 「くらえ! 穂乃果のことが好きになる催眠っ!!」 パッ

海未 「いや意味分からないですよ」

穂乃果 「あはは、冗談だよ~」

32: 2021/05/22(土) 01:16:58.38 ID:IgetsnH+
海未 「元々私は穂乃果のことが大好きなんですから」

穂乃果 「っ!?///」 カァァ

海未 「とにかく早く解除してください」

穂乃果 「う、うん……/// え、えっと解除……///」

海未 「なんで顔赤くなってるんですか?」

パッ

33: 2021/05/22(土) 01:19:04.14 ID:IgetsnH+
絵里 「あっ、手に感覚が戻った?」

希 「隙やりっっ!!!!」 グッ

絵里 「させないわよっっ!!!!」 グッ

希 「ふふふ……やるね、えりち……」 ゴゴゴゴ

絵里 「力比べだもの、負けないわよ……ていうかさっき握手って言ってたじゃない、友情を確かめる握手なんでしょ? 力抜いてよ」 ゴゴゴゴ

希 「親しき中にも勝負あり……良き仲間、良きライバルやろ?」 ゴゴゴゴ

絵里 「まぁね……!」 ゴゴゴゴ

34: 2021/05/22(土) 01:21:39.03 ID:IgetsnH+
真姫 「あっ、体に感覚が戻ったわ」

花陽 「もう限界ですぅ……!」 パタリ

真姫 「お疲れ様、花陽。でも休んでる場合じゃないわよ? ツイスター片付けないと」

花陽 「そうだね。それにしても、ツイスター楽しかったなぁ……また真姫ちゃんとゲームしたいな、今度は一緒にお店で何買うか行ってみようよ! 凛ちゃんも連れて!」

真姫 「もぅ、仕方ないわね……/// ……ありがとう、花陽」 ボソ

花陽 「?」

35: 2021/05/22(土) 01:31:20.17 ID:IgetsnH+
凛 「いや二人和んでるけど大の親友の大ピンチにゃぁぁぁぁぁーーーーーー!!!」

ことり 「心を無にすれば怖くないよ」 カプッカプッカプッ

凛 「心を無にできないから怖いにゃーーーーーーー!!」 ポロポロ

ことり 「じゃあ早速……」 カプッカプッカプッ

凛 「ひぃぃぃーー!」

ことり 「なんてね♪ ことりはそんなことしないよ♪」

凛 「へ?」

ことり 「だってことりは凛ちゃんの笑顔が見たいだもん、それを奪っちゃうことはしないんです」 ニコッ

36: 2021/05/22(土) 01:33:28.10 ID:IgetsnH+
凛 「ことりちゃん……それなら最初からやらないで欲しいにゃ……」

ことり 「うっ」

凛 「でも……凛もことりちゃんとこうして積極的に関わることは少なかったし、別に嫌ではなかったというか……///」 カァァ

ことり 「!」

ことり (なんて可愛い後輩ちゅん……!!)

ことり 「やっぱりポッキーゲームしよう!!!!!」

凛 「すぐつけあがるにゃ」

37: 2021/05/22(土) 01:45:30.35 ID:IgetsnH+
ガラガラ

にこ 「はぁ」

絵里 「あっ、にこお帰り。どうしたのよため息なんてついて」

希 「まあにこっち、つらいことは忘れるに限るんやない?」

にこ 「なに、あんた知ってるの?」

希 「なんとなくタロットカードでね」 ニシシ

にこ 「はぁ。なら私の気持ち分かるでしょ? これは何ヶ月も引きずるやつよ」

希 「うーん、でもなぁ。ウチの占いだと、換金しない方が良かったんやけどね」

にこ 「……どういうこと?」

38: 2021/05/22(土) 01:49:48.88 ID:IgetsnH+
希 「お金は人も環境も変える力がある。だから綺麗事かもしれないけど、にこっちは偶然に頼るんじゃなくて、将来の自分の夢を叶えて、自分の力で稼いだ方が結果的に良かったんよ。今変わってしまったら、もっと大事な何かを失ってしまったかもしれないから……」 チラッ

海未 「穂乃果、顔本当に赤いですよ? 大丈夫ですか、風邪ですか?」 アセアセ

穂乃果 「うぅ、海未ちゃんの鈍感バカぁ……///」

海未 「鈍感バカ!?」

39: 2021/05/22(土) 01:53:19.95 ID:IgetsnH+
花陽 「凛ちゃんも一緒に買い物行ってくれる?」

凛 「もちろんにゃ! あっ! あとことりちゃんも連れて行っていい?」

ことり 「えっ? ことりも良いの?」

真姫 「まぁ人数が多ければ楽しめる遊びも増えるし良いんじゃない?」 クルクル

ことり 「ふふ、じゃあありがたく! あ、あとゲームといえばポッキーゲームっていう……」

凛 「それはダメにゃ」

41: 2021/05/22(土) 02:01:33.98 ID:IgetsnH+
希 「こんな日常、無くしたくないやろ?」

にこ 「……」

絵里 「希ほどにこの話を理解してるわけじゃないけど、私にも言えることはあるわ。にこ、にこは今のにこのままで、とにかくハラショーよ!」

にこ 「……ふふ、なによとにかくハラショーって」

絵里 「え? おかしかったかしら?」 アセアセ

にこ 「……いやおかしくないわ。ありがとう、絵里、希」 ニコッ

希 「どういたしまして、やね」

42: 2021/05/22(土) 02:03:56.27 ID:IgetsnH+
絵里 「そうだ! 改めて友情の握手をしない?」

にこ 「友情の握手?」

絵里 「そう! やっぱり友情と言ったら握手よね!」

にこ 「まぁ良いけど」

絵里 「これからもよろしくね、にこ」 ギュッ

にこ 「もちろん」 ギュッ

43: 2021/05/22(土) 02:06:07.96 ID:IgetsnH+
穂乃果 「そうだ! 穂乃果も自分なりに調べてみたんだけど、世の中には面白い催眠術がたくさんあるんだね~例えばこの催眠術! くらえ! 腕相撲をやりたくなる衝動催眠っ!」 パッ

絵里 「おりゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーー!!!!!」 ググググ

にこ 「にこぉぉぉぉぉぉぉーーーーーーーーーーー!!!!」 ポロポロ

おまけおわり

45: 2021/05/22(土) 02:13:07.71 ID:IgetsnH+
ありがとうございました。
書き溜めたオチを見てるうちに、ハッピーエンド感が弱かったので、急遽おまけを追加してしまいました。おかげで話の雰囲気も長さも変わりましたが、書いてよかったなと思います。

前作
亜里沙 「ねぇ、お姉ちゃん、優しさって何なのかな」
【SS】亜里沙 「ねぇ、お姉ちゃん、優しさって何なのかな」【ラブライブ!】
絵里 「急にどうしたのよ、亜里沙?」 亜里沙 「うん……あのね? テレビ見てたの」 絵里 「うん」 亜里沙 「でも暗いニュースばかりで……気持ちまで暗くなっちゃって……」 絵里 「……」 絵里 「そっか、おいで亜里沙」 亜里沙 「……うん」 タタタ


前々作
希 「真姫ちゃんにちょっかいをかけるの巻」
【SS】希 「真姫ちゃんにちょっかいをかけるの巻」【ラブライブ!】
希 「凛二等兵!」 凛 「にゃ! なんでしょう希隊長!!」 希 「真姫ちゃんっていつもクール気取るやん?」 凛 「その通りにゃ! クールじゃないくせにいつもクール気取ってるにゃ!! 前だってノート見せてって言っただけなのに説教が始まるなんて……」 ブツブツ 海未 「それは完全に私怨ですよ、凛」 希 「実際は純粋だしチョロいし周りに甘々なのに、クール気取ってる真姫ちゃんに今からウチはちょっかいをかけたいと思ってます」 海未 「ちょっかい……? 希!! 真姫だって毎日忙しいのですよ!? そんなくだらない理由で」

44: 2021/05/22(土) 02:10:30.46 ID:gB10gmG7
本編並みのおまけだった。穂乃果ちゃんが催眠術の才能があるのか、みんながかかりやすすぎるのか

46: 2021/05/22(土) 02:22:54.20 ID:gB10gmG7
おまけは即興だったのか。あのままだとにこちゃんかわいそうだったから良かったと思う

47: 2021/05/22(土) 02:44:09.09 ID:quCzU5uc
ことりィ!

引用元: https://nozomi.2ch.sc/test/read.cgi/lovelive/1621610921/

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