1: 2019/10/27(日) 02:59:43.21 ID:6IHPrfJ20
以前書いたお話の続きです
【前話】
果南「二人だけの秘密だよ」
【SS】果南「二人だけの秘密だよ」【ラブライブ!サンシャイン!!】
2019/07/17(水 05:51:35.82 ID:zErl41JR0
ガチャッ
果南「やっほー! ……ってあれ?」
勢いよく部室の扉を開いた先には誰もいなかった。とりあえず中に入ってスマホの画面をつけると、そこには通知が何件か表示されていた。
果南「あちゃぁ。今日は休みに変更になってるよ」
私の連絡把握ミスで、休みなのにわざわざ部室まで来てしまった。ダイヤも鞠莉も私が教室を出た時点で教えてくれれば良かったのに。
果南「はぁ。折角来たし少し休んでから帰ろっと」
私は並べられている椅子の中から入ってきた扉に一番近い椅子に座った。
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2: 2019/10/27(日) 03:27:26.33 ID:6IHPrfJ20
果南「んっ、うーん……苦しい」
私は今まで感じたことのないような苦しさを感じて目が覚めた。そして季節にしては異様に暑い気がする。
果南(息もしづらいし、何が起きてるの……?)
どうしたらいいか分からないまま顔の前に右手を移動させると、何だかもふもふした温かいものに当たった。今度はそれを両手で掴む。
果南「ん……? ああ、君か!」
両手の中では黒猫が大きな欠伸をしていた。忘れていたけれど昨日から一緒に住んでいたんだった。私は手に力を入れないように、腹筋を使って上半身を起こした。
果南「おはよう、ヨハネコちゃん」
「にゃーーお」
ヨハネコちゃんは私の挨拶に応えるように一鳴きした後、両手両足をジタバタし始めた。それを見て私の膝の上に下ろすと直ぐにベッドから降りていった。何処へ行くのだろうと目で追っていると、昨日善子ちゃんと一緒に餌をあげた時に使ったお皿の前で座ってこっちを見つめてきた。
果南「あ、ご飯欲しいの?」
「にゃー。にゃーお。にゃーお」
果南「そうかそうか、ちょっと待ってね。昨日善子ちゃんが買ってきてくれたのがもう一つある筈だから」
私がそう言ったのを聞くとヨハネコちゃんは鳴くのを止めた。相変わらずこの子は人間の言葉が分かるのか、それともただ私がどんな行動をするのか気になっているだけなのかは分からない。けれど今は待たせると可哀想だからどちらでも良しとしよう。
私は今まで感じたことのないような苦しさを感じて目が覚めた。そして季節にしては異様に暑い気がする。
果南(息もしづらいし、何が起きてるの……?)
どうしたらいいか分からないまま顔の前に右手を移動させると、何だかもふもふした温かいものに当たった。今度はそれを両手で掴む。
果南「ん……? ああ、君か!」
両手の中では黒猫が大きな欠伸をしていた。忘れていたけれど昨日から一緒に住んでいたんだった。私は手に力を入れないように、腹筋を使って上半身を起こした。
果南「おはよう、ヨハネコちゃん」
「にゃーーお」
ヨハネコちゃんは私の挨拶に応えるように一鳴きした後、両手両足をジタバタし始めた。それを見て私の膝の上に下ろすと直ぐにベッドから降りていった。何処へ行くのだろうと目で追っていると、昨日善子ちゃんと一緒に餌をあげた時に使ったお皿の前で座ってこっちを見つめてきた。
果南「あ、ご飯欲しいの?」
「にゃー。にゃーお。にゃーお」
果南「そうかそうか、ちょっと待ってね。昨日善子ちゃんが買ってきてくれたのがもう一つある筈だから」
私がそう言ったのを聞くとヨハネコちゃんは鳴くのを止めた。相変わらずこの子は人間の言葉が分かるのか、それともただ私がどんな行動をするのか気になっているだけなのかは分からない。けれど今は待たせると可哀想だからどちらでも良しとしよう。
3: 2019/10/27(日) 03:42:50.12 ID:6IHPrfJ20
私が猫缶を持っていく、とまた不思議そうな顔をしながら私の手元を目で追いかけていた。
果南「今準備してあげるからちょっと待ってね」
猫缶からお皿に中身を移してヨハネコちゃんの顔の前に出した。
果南「どう? 食べられそうかな?」
暫くの間、これはどんなものなのかというような感じで匂いを嗅いだり私の顔を見たりしていた。そしてある時、じっと私の顔を見つめたかと思ったら一気にムシャムシャと食べ始めた。
果南「あー、よかった。食べなかったらどうしようかと思ったよ」
そんな私の心配を無視するかのように必死に食べていた。心配して損して良かった。そう思っている間にもう食べ終えてしまった。
果南「え、もう全部食べちゃったの? 早いね。あ、ちょっとそのままでいてね」
私はティッシュを一枚取って口の周りに付いていた食べカスを拭き取ってあげた。少し毛をクシャクシャにされたのが気に入らなかったのか、顔を手で撫でるように触っていた。
果南「ヨハネコちゃん、結構可愛いな……」
無意識にそう呟いてしまうくらいには、この時点で私も猫の魅力に惹かれてしまっていた。
果南「今準備してあげるからちょっと待ってね」
猫缶からお皿に中身を移してヨハネコちゃんの顔の前に出した。
果南「どう? 食べられそうかな?」
暫くの間、これはどんなものなのかというような感じで匂いを嗅いだり私の顔を見たりしていた。そしてある時、じっと私の顔を見つめたかと思ったら一気にムシャムシャと食べ始めた。
果南「あー、よかった。食べなかったらどうしようかと思ったよ」
そんな私の心配を無視するかのように必死に食べていた。心配して損して良かった。そう思っている間にもう食べ終えてしまった。
果南「え、もう全部食べちゃったの? 早いね。あ、ちょっとそのままでいてね」
私はティッシュを一枚取って口の周りに付いていた食べカスを拭き取ってあげた。少し毛をクシャクシャにされたのが気に入らなかったのか、顔を手で撫でるように触っていた。
果南「ヨハネコちゃん、結構可愛いな……」
無意識にそう呟いてしまうくらいには、この時点で私も猫の魅力に惹かれてしまっていた。
4: 2019/10/27(日) 04:20:30.43 ID:6IHPrfJ20
ピリリリリ、ピリリリリ
突然私のスマホに着信が来た。画面を見るとそこには『津島善子』の文字が表示されている。
果南「もしもし」
善子『果南、おはよう』
果南「おはよう、善子ちゃん。どうしたの?」
善子『黒猫がどうしてるかっていうのと、今日泊まりに行くって言ったでしょ? だから時間を確認したいと思って』
果南「今、丁度朝ごはんをあげ終わった所だよ。善子ちゃんが買ってきてくれたやつをあげたら美味しそうに食べてくれたよ」
善子『良かった。それを聞いて安心したわ』
果南「それで時間の事なんだけど、これから飼うんだったら色々な物を揃えないといけないでしょ? だからもし良かったら一緒に買い物に行きたいんだけど、どうかな?」
善子『もちろん一緒に行くわ!』
果南「おっけー。それじゃあ二時くらいに……善子ちゃんのお家の方がお店近いもんね、そっちに行くよ」
善子『了解したわ。それじゃあ二時くらいに私の家の下のところに来て』
果南「了解。それじゃあ後でねー」
通話を切ってヨハネコちゃんの方を見ると、こっちを見ながら首を傾げていた。恐らく電話が何だか分からなくて私が言っていることを必死に理解しようとしていたのだろう。そんな可愛いヨハネコちゃんを一枚スマホカメラで取った後、優しく抱き上げた。
果南「お前の物、いっぱい買ってきてあげるからいい子に待ってるんだよ」
「にゃー」
……やっぱり何でもかんでも答えているだけな気がする。
突然私のスマホに着信が来た。画面を見るとそこには『津島善子』の文字が表示されている。
果南「もしもし」
善子『果南、おはよう』
果南「おはよう、善子ちゃん。どうしたの?」
善子『黒猫がどうしてるかっていうのと、今日泊まりに行くって言ったでしょ? だから時間を確認したいと思って』
果南「今、丁度朝ごはんをあげ終わった所だよ。善子ちゃんが買ってきてくれたやつをあげたら美味しそうに食べてくれたよ」
善子『良かった。それを聞いて安心したわ』
果南「それで時間の事なんだけど、これから飼うんだったら色々な物を揃えないといけないでしょ? だからもし良かったら一緒に買い物に行きたいんだけど、どうかな?」
善子『もちろん一緒に行くわ!』
果南「おっけー。それじゃあ二時くらいに……善子ちゃんのお家の方がお店近いもんね、そっちに行くよ」
善子『了解したわ。それじゃあ二時くらいに私の家の下のところに来て』
果南「了解。それじゃあ後でねー」
通話を切ってヨハネコちゃんの方を見ると、こっちを見ながら首を傾げていた。恐らく電話が何だか分からなくて私が言っていることを必死に理解しようとしていたのだろう。そんな可愛いヨハネコちゃんを一枚スマホカメラで取った後、優しく抱き上げた。
果南「お前の物、いっぱい買ってきてあげるからいい子に待ってるんだよ」
「にゃー」
……やっぱり何でもかんでも答えているだけな気がする。
5: 2019/10/27(日) 04:42:24.42 ID:6IHPrfJ20
果南「それじゃあ出かける準備くらいはしておかないとね」
私はヨハネコをベッドの上に下ろして出かける準備を始めた。
* * *
善子ちゃんのマンションの下に着いたので、善子ちゃんにメッセージを送っておいた。
果南『マンションの下に着いたよ』
すると、画面を暗くするよりも早く返信が来た。
善子『分かったわ。直ぐに降りるわね』
その返信を見て私は画面を暗くした。
ヨハネコには一応「出かけてくるからいい子にして待っているんだよ」とは言ってきた。意味を理解しているかは分からないけれどね。後は、お皿も洗って飲み水を入れておいたしいたずらされて困るようなものは全部しまった筈だし。窓も閉めてきたし準備はバッチリの筈。うん。これ以上は心の中で確認するたびに不安になってくるから考えるのは止めた。
善子「果南!」
果南「お、来たね」
降りてきた善子は少しオシャレをして大きな鞄を持っていた。
善子「このまま泊まりに行けるように準備して来たのよ」
果南「でもこの大きさ、少し重くない?」
善子「……正直なところ重い」
果南「じゃあ私が持つよ」
私が善子の荷物を取ろうとすると、善子は慌てて止めてきた。
善子「だ、大丈夫よ。それに持ってもらうの悪いし」
果南「いいのいいの、私の方が力持ちなんだから大丈夫。それにほら、先輩だし」
善子「そう? それじゃあお願いしてもいい……?」
果南「いいよ!」
そう言って善子ちゃんの鞄を持ち上げると、見た目よりは思ったより軽くてビックリしてしまった。
善子「何か買ったもの入れるかなって思って、余計なものは持って来なかったのよ」
果南「成る程、だから軽いんだね。それじゃあ行こうか」
善子「うん」
私はヨハネコをベッドの上に下ろして出かける準備を始めた。
* * *
善子ちゃんのマンションの下に着いたので、善子ちゃんにメッセージを送っておいた。
果南『マンションの下に着いたよ』
すると、画面を暗くするよりも早く返信が来た。
善子『分かったわ。直ぐに降りるわね』
その返信を見て私は画面を暗くした。
ヨハネコには一応「出かけてくるからいい子にして待っているんだよ」とは言ってきた。意味を理解しているかは分からないけれどね。後は、お皿も洗って飲み水を入れておいたしいたずらされて困るようなものは全部しまった筈だし。窓も閉めてきたし準備はバッチリの筈。うん。これ以上は心の中で確認するたびに不安になってくるから考えるのは止めた。
善子「果南!」
果南「お、来たね」
降りてきた善子は少しオシャレをして大きな鞄を持っていた。
善子「このまま泊まりに行けるように準備して来たのよ」
果南「でもこの大きさ、少し重くない?」
善子「……正直なところ重い」
果南「じゃあ私が持つよ」
私が善子の荷物を取ろうとすると、善子は慌てて止めてきた。
善子「だ、大丈夫よ。それに持ってもらうの悪いし」
果南「いいのいいの、私の方が力持ちなんだから大丈夫。それにほら、先輩だし」
善子「そう? それじゃあお願いしてもいい……?」
果南「いいよ!」
そう言って善子ちゃんの鞄を持ち上げると、見た目よりは思ったより軽くてビックリしてしまった。
善子「何か買ったもの入れるかなって思って、余計なものは持って来なかったのよ」
果南「成る程、だから軽いんだね。それじゃあ行こうか」
善子「うん」
6: 2019/10/27(日) 05:05:57.19 ID:6IHPrfJ20
善子「えっと、必要なものは何だったかしら?」
果南「とりあえずはトイレとトイレの砂、爪研ぎ、簡単なベッドになるようなクッション、エサくらいかな」
私たちはペット用品を売っているお店まで買うものを確認しながら行った。
果南「あ、後ケージもあった方がいいよね?」
善子「それはライラプスのがあるから、それを使ってくれるかどうかを試してみましょ。……今日は持って来てないけど」
果南「あそっか、一応持ってるんだもんね」
善子「でも猫は鼻がいいっていうから、もしかしたら気にいってくれないかも」
果南「その時は買えばいいから大丈夫。とにかく今度試してみようね」
善子「うん!」
* * *
ペットショップに着き中に入ると一面にたくさんのペット用品が並んでいた。
善子「一度来たことはあるけれど、やっぱりここは凄いわね」
果南「私も昔に来たことはあったと思うけど……まさか自分の用事でここに来る事になるとはね」
善子「えっと、ネコ用の用品は……こっちか」
善子ちゃんの後についてネコ用のペット用品が並んでいる棚へと向かった。
果南「うわあ……いっぱい種類があるね」
善子「この中から選ぶとなると骨が折れるわよ……」
並べられている品数を見て圧倒されてしまった私たちは、一言も発しないままネコ用の商品棚を一周した。
果南「とりあえずはトイレとトイレの砂、爪研ぎ、簡単なベッドになるようなクッション、エサくらいかな」
私たちはペット用品を売っているお店まで買うものを確認しながら行った。
果南「あ、後ケージもあった方がいいよね?」
善子「それはライラプスのがあるから、それを使ってくれるかどうかを試してみましょ。……今日は持って来てないけど」
果南「あそっか、一応持ってるんだもんね」
善子「でも猫は鼻がいいっていうから、もしかしたら気にいってくれないかも」
果南「その時は買えばいいから大丈夫。とにかく今度試してみようね」
善子「うん!」
* * *
ペットショップに着き中に入ると一面にたくさんのペット用品が並んでいた。
善子「一度来たことはあるけれど、やっぱりここは凄いわね」
果南「私も昔に来たことはあったと思うけど……まさか自分の用事でここに来る事になるとはね」
善子「えっと、ネコ用の用品は……こっちか」
善子ちゃんの後についてネコ用のペット用品が並んでいる棚へと向かった。
果南「うわあ……いっぱい種類があるね」
善子「この中から選ぶとなると骨が折れるわよ……」
並べられている品数を見て圧倒されてしまった私たちは、一言も発しないままネコ用の商品棚を一周した。
7: 2019/10/27(日) 05:30:38.09 ID:6IHPrfJ20
善子「何というか、いっぱいあったわね」
果南「うん……それじゃあ選んでいこうか」
とりあえず何かを買って帰らなければ。その使命感で私たちは動き出した。
善子「まず爪研ぎ。これはそんなに種類が無いから、とりあえず安いのを買っておきましょうか」
果南「そうだね。それ以外の物でお金が結構かかりそうだし……」
私は特別趣味がある訳でも無いからお金は結構余っている。とは言っても流石にこれを見せられたら不安になってくる。帰るまでに財布がすっからかんになっちゃうんじゃ無いかと思ってしまう。
果南「あとはトイレとトイレ砂……ずっと使えるように少し大きめのを買った方がいいよね?」
善子「それだとこのくらいかしら。ってこれでも結構するのね」
果南「え、ちょっと見せて」
善子に値札を見せてもらってビックリした。思ったより高い。念の為にと多めに持って来たお金くらいが丁度良かったのかもしれない。
善子「果南、大丈夫? 明らかに表情が悪くなったけど……」
果南「大丈夫、大丈夫だよ……」
善子「流石に私も出すわよ。でないとものすごい金額になっちゃうから」
果南「え、でも」
善子「私が無理言って買ってもらってるようなものなんだからいいの」
果南「……それなら少し出していただけると助かります」
善子「そんなに畏まらなくて大丈夫よ。それじゃあ後はクッションとエサね」
そう言って善子ちゃんは先に歩いて行ってしまった。もしかしたら私、後輩の押しに弱いのかも知れない。
果南「うん……それじゃあ選んでいこうか」
とりあえず何かを買って帰らなければ。その使命感で私たちは動き出した。
善子「まず爪研ぎ。これはそんなに種類が無いから、とりあえず安いのを買っておきましょうか」
果南「そうだね。それ以外の物でお金が結構かかりそうだし……」
私は特別趣味がある訳でも無いからお金は結構余っている。とは言っても流石にこれを見せられたら不安になってくる。帰るまでに財布がすっからかんになっちゃうんじゃ無いかと思ってしまう。
果南「あとはトイレとトイレ砂……ずっと使えるように少し大きめのを買った方がいいよね?」
善子「それだとこのくらいかしら。ってこれでも結構するのね」
果南「え、ちょっと見せて」
善子に値札を見せてもらってビックリした。思ったより高い。念の為にと多めに持って来たお金くらいが丁度良かったのかもしれない。
善子「果南、大丈夫? 明らかに表情が悪くなったけど……」
果南「大丈夫、大丈夫だよ……」
善子「流石に私も出すわよ。でないとものすごい金額になっちゃうから」
果南「え、でも」
善子「私が無理言って買ってもらってるようなものなんだからいいの」
果南「……それなら少し出していただけると助かります」
善子「そんなに畏まらなくて大丈夫よ。それじゃあ後はクッションとエサね」
そう言って善子ちゃんは先に歩いて行ってしまった。もしかしたら私、後輩の押しに弱いのかも知れない。
8: 2019/10/27(日) 05:49:29.33 ID:6IHPrfJ20
* * *
果南「ヨハネコちゃん、いい子に待ってるかな?」
善子「さあ。でもまだ場所に慣れてないとしたら、すみっこで寝てたりはするかも知れないわね。というか本当に名前はヨハネコにするの?」
果南「うん」
善子「ええ……」
買い物を済ませた私たちは私の家に戻るための船に乗っていた。今日は初めから早い時間で帰ってくる予定だったので自分のジェットスキーは用意してなかった。……最悪はおじいに頼めばいいからね。
善子「餌とクッション、気に入ってくれるかしらね」
果南「クッションについては、ヨハネコちゃんは結構何でも受け止めてくれる気がするし大丈夫だと思う。餌はどうか分からないよね。お店の人も『色々なものを試して好きな味を探してあげてください』って言っていたし、試してみるしかないよ」
善子「そうよね。はー、何だか緊張するわ」
そう言って善子ちゃんは手すりを使って体を伸ばしていた。
果南「もー。何かの面接じゃないんだからさ」
善子「面接みたいなものよ。買って来たものをどうですか? って出すんだから」
果南「そう言われてみればそうなのかな?」
話をしている間に桟橋が近づいて来た。
善子「今までで一番緊張して上陸するわ」
果南「私も今までで一番緊張してる帰宅かも」
それを聞いた善子ちゃんは笑っていた。
善子「果南も緊張することがあるのね」
果南「緊張なんてよくしてるよ」
善子「本当に?」
果南「本当だって。あ、こっちだよ」
私は自分の家へと善子を案内した。善子が私の家に来るのは初めてだ。恐らく善子が前に来たことがあると言うのは鞠莉の部屋のことだろう。
9: 2019/10/27(日) 06:15:06.39 ID:6IHPrfJ20
ガチャ
果南「ただいまー」
「お帰りなさい」
ドアを開けるとじいじが出迎えてくれた。
「君が善子ちゃんかな?」
善子「はい、よろしくお願いします」
「うんうん、ゆっくりしていっておくれ」
善子「ありがとうございます」
こういうところを見ると善子ちゃんは本当にいい子なんだなと思う。
善子「果南? さぁ、行きましょう?」
果南「あ、ああごめん。行こう」
一瞬善子を見たままぼーっとしてしまった。いけないいけない、早くヨハネコちゃんのところに行かないとね。
果南「ただいまー」
自分の部屋に二度目の挨拶をするのは何だか変な感じがするけれど、ヨハネコがいると思ったら自然と口が動いていた。
ヨハネコはというと、やっぱり私のベットの上にいて丸くなっていたらしい。顔をあげてこっちを見て欠伸をした。
善子「よ、ヨハネコちゃ~ん」
私の後ろから善子ちゃんがそう呼ぶと、ヨハネコは耳をピンッと立てて私の方向を目を見開いて見ていた。
果南「ヨハネコちゃんは善子ちゃんのことが本当に好きだね」
善子「フッ、誰が恩人だかちゃんと分かっているようね」
果南「そうみたいだね」
久しぶりに見た堕天使ヨハネを見て何だか安心した。
果南「ただいまー」
「お帰りなさい」
ドアを開けるとじいじが出迎えてくれた。
「君が善子ちゃんかな?」
善子「はい、よろしくお願いします」
「うんうん、ゆっくりしていっておくれ」
善子「ありがとうございます」
こういうところを見ると善子ちゃんは本当にいい子なんだなと思う。
善子「果南? さぁ、行きましょう?」
果南「あ、ああごめん。行こう」
一瞬善子を見たままぼーっとしてしまった。いけないいけない、早くヨハネコちゃんのところに行かないとね。
果南「ただいまー」
自分の部屋に二度目の挨拶をするのは何だか変な感じがするけれど、ヨハネコがいると思ったら自然と口が動いていた。
ヨハネコはというと、やっぱり私のベットの上にいて丸くなっていたらしい。顔をあげてこっちを見て欠伸をした。
善子「よ、ヨハネコちゃ~ん」
私の後ろから善子ちゃんがそう呼ぶと、ヨハネコは耳をピンッと立てて私の方向を目を見開いて見ていた。
果南「ヨハネコちゃんは善子ちゃんのことが本当に好きだね」
善子「フッ、誰が恩人だかちゃんと分かっているようね」
果南「そうみたいだね」
久しぶりに見た堕天使ヨハネを見て何だか安心した。
10: 2019/10/27(日) 06:34:41.52 ID:6IHPrfJ20
善子「今日はあなたのた為にいっぱい買って来てあげたんだからね? 感謝しなさい!」
果南「そーだよ。結構選ぶのに時間かかったんだからね」
「にゃーお」
またヨハネコちゃんは分かってるのか分かってないのか、私たちには分からない返事をした。
果南「とりあえず適当なところに座ってよ」
善子「分かったわ」
座布団の上に座った善子ちゃんはまずトイレを取り出して砂を入れ始めた。
善子「いい? あんたは今日からここでトイレするのよ?」
「にゃーお」
果南「一緒にトイレトレーニング頑張ろうね」
善子ちゃんがトイレの砂を入れている間に私は爪研ぎを取り出した。
果南「これは爪を研ぐやつ……ってどうやって教えればいいのかな、これ」
善子「そういえば分からないわね。後で調べましょうか」
砂を入れ終えるとトイレを部屋の隅に置いて袋に手をかけた。
善子「餌は後でにして……次はクッションね。ほら、これを買って来てあげたわよ!」
袋からマカロン型の少し大きなクッションを取り出した。それは黄緑のマカロンの形をしていて、善子ちゃんが「私と果南のメンバーカラーで丁度良いじゃない!」と言って選んだものだった。
善子「ほら触って見なさいよ」
「……」
善子ちゃんの差し出したクッションをヨハネコちゃんは触れようともしなかった。何だか分からなくて怖いのかも知れない。
善子「……ダメだったかしらね?」
果南「うーん……あ、そうだ。善子ちゃん、ちょっとこっち来て」
善子「ん? 分かったわ」
果南「そーだよ。結構選ぶのに時間かかったんだからね」
「にゃーお」
またヨハネコちゃんは分かってるのか分かってないのか、私たちには分からない返事をした。
果南「とりあえず適当なところに座ってよ」
善子「分かったわ」
座布団の上に座った善子ちゃんはまずトイレを取り出して砂を入れ始めた。
善子「いい? あんたは今日からここでトイレするのよ?」
「にゃーお」
果南「一緒にトイレトレーニング頑張ろうね」
善子ちゃんがトイレの砂を入れている間に私は爪研ぎを取り出した。
果南「これは爪を研ぐやつ……ってどうやって教えればいいのかな、これ」
善子「そういえば分からないわね。後で調べましょうか」
砂を入れ終えるとトイレを部屋の隅に置いて袋に手をかけた。
善子「餌は後でにして……次はクッションね。ほら、これを買って来てあげたわよ!」
袋からマカロン型の少し大きなクッションを取り出した。それは黄緑のマカロンの形をしていて、善子ちゃんが「私と果南のメンバーカラーで丁度良いじゃない!」と言って選んだものだった。
善子「ほら触って見なさいよ」
「……」
善子ちゃんの差し出したクッションをヨハネコちゃんは触れようともしなかった。何だか分からなくて怖いのかも知れない。
善子「……ダメだったかしらね?」
果南「うーん……あ、そうだ。善子ちゃん、ちょっとこっち来て」
善子「ん? 分かったわ」
11: 2019/10/27(日) 06:52:07.80 ID:6IHPrfJ20
果南「もう少しこっちに来て、後クッションもちょうだい」
善子「はい」
善子ちゃんにパスされたクッションを握って、今度は服を捲って善子ちゃんの腰の辺りを触った。
善子「ひゃっ! ちょ、ちょっと果南! 何するのよ!」
果南「良いから良いから……ちょっと失礼しますよっと!」
善子「ひゃん!」
服の中へとクッションを突っ込んで、善子ちゃんの肌にクッションを擦りつけた。
善子「果南、もうやめ……」
果南「あ、ごめん!」
力が抜けて後ろへ倒れてしまいそうになった善子ちゃんの背中を、クッションを手放して支えた。
善子「もう、果南に襲われたのかと思ったじゃない……」
果南「ごめんねビックリさせちゃったね」
涙目になってしまった善子を抱きしめて背中を摩った。それに応えるように善子は抱きついて来た。
果南「あ、善子。見てごらん」
善子「グッスッ……何よ……」
クッションの方を見ると、ヨハネコが匂いを嗅ぎながらクッションの上に乗っていた。
果南「ほら、善子の匂いがするものだから安心したんだよ」
善子「う~! もう、果南のばかぁ!」
私はその時から暫くの間、ポカポカと善子に叩かれていた。
善子「はい」
善子ちゃんにパスされたクッションを握って、今度は服を捲って善子ちゃんの腰の辺りを触った。
善子「ひゃっ! ちょ、ちょっと果南! 何するのよ!」
果南「良いから良いから……ちょっと失礼しますよっと!」
善子「ひゃん!」
服の中へとクッションを突っ込んで、善子ちゃんの肌にクッションを擦りつけた。
善子「果南、もうやめ……」
果南「あ、ごめん!」
力が抜けて後ろへ倒れてしまいそうになった善子ちゃんの背中を、クッションを手放して支えた。
善子「もう、果南に襲われたのかと思ったじゃない……」
果南「ごめんねビックリさせちゃったね」
涙目になってしまった善子を抱きしめて背中を摩った。それに応えるように善子は抱きついて来た。
果南「あ、善子。見てごらん」
善子「グッスッ……何よ……」
クッションの方を見ると、ヨハネコが匂いを嗅ぎながらクッションの上に乗っていた。
果南「ほら、善子の匂いがするものだから安心したんだよ」
善子「う~! もう、果南のばかぁ!」
私はその時から暫くの間、ポカポカと善子に叩かれていた。
12: 2019/10/27(日) 07:08:14.44 ID:6IHPrfJ20
善子「取り乱してしまってごめんなさい」
果南「いいよ、悪いのは私だったんだし……」
二人の間に変な空気が流れてしまった。悪いのは全て私だけれどね。
「にゃーお」
ヨハネコが鳴いたので何かと思って見てみると、買って来た袋に頭を突っ込んでいた。
果南「あ、そうだね。餌食べてみないとね!」
善子「そ、そうだったわね。餌あげましょ!」
そう言って二人はやっと動き出した。ありがとうヨハネコ。お前のおかげで助かったよ。
善子「そうね……今日はとりあえずこれにしてみましょうか」
善子ちゃんは小さめの袋を一つ取り出して中身をお皿へと移した。今回は前と違ってカリカリの餌だ。
果南「どうかな?」
ヨハネコちゃんはいつも通り一度匂いを嗅いだ後、勢いよく食べ始めた。
善子「……ねえ、この子ってもしかして」
果南「うん、食べられるんだったら何でもいいのかも知れない……」
「にゃーお」
ヨハネコはお皿の中身を食べ終わると満足そうに一声鳴いた。
* * *
果南「今日は色々なことがあったなぁ」
ヨハネコが食べ終わった後、私たちも夕食を済ませて交代でお風呂に入っていた。私は一緒に入ってもよかったんだけど、善子が「それはダメ!」と言って聞かなかった。
果南「少し警戒されちゃったかな」
そんなつもりは一切無かったのだけれど。いや、本当に無かったのだけれど。だからこそ申し訳なさでいっぱいだった。
果南「いいよ、悪いのは私だったんだし……」
二人の間に変な空気が流れてしまった。悪いのは全て私だけれどね。
「にゃーお」
ヨハネコが鳴いたので何かと思って見てみると、買って来た袋に頭を突っ込んでいた。
果南「あ、そうだね。餌食べてみないとね!」
善子「そ、そうだったわね。餌あげましょ!」
そう言って二人はやっと動き出した。ありがとうヨハネコ。お前のおかげで助かったよ。
善子「そうね……今日はとりあえずこれにしてみましょうか」
善子ちゃんは小さめの袋を一つ取り出して中身をお皿へと移した。今回は前と違ってカリカリの餌だ。
果南「どうかな?」
ヨハネコちゃんはいつも通り一度匂いを嗅いだ後、勢いよく食べ始めた。
善子「……ねえ、この子ってもしかして」
果南「うん、食べられるんだったら何でもいいのかも知れない……」
「にゃーお」
ヨハネコはお皿の中身を食べ終わると満足そうに一声鳴いた。
* * *
果南「今日は色々なことがあったなぁ」
ヨハネコが食べ終わった後、私たちも夕食を済ませて交代でお風呂に入っていた。私は一緒に入ってもよかったんだけど、善子が「それはダメ!」と言って聞かなかった。
果南「少し警戒されちゃったかな」
そんなつもりは一切無かったのだけれど。いや、本当に無かったのだけれど。だからこそ申し訳なさでいっぱいだった。
13: 2019/10/27(日) 07:15:55.93 ID:6IHPrfJ20
果南「ただいまー」
善子「あ、お帰りなさい」
自分の部屋の扉を開けると、そこでは善子ちゃんがヨハネコちゃんと手で遊んでいた。
果南「楽しそうだね」
善子「この子が可愛くて可愛くて仕方ないのよね」
確かに二人とも……一人と一匹はとても楽しそうに遊んでいた。
果南「あ、ベッドは善子ちゃんが使っていいからね。私は床で眠れるし」
善子「え、でも」
果南「大丈夫大丈夫。疲れてる時なんかはベッドまで辿り着かずに床で寝ちゃう時もあるし」
そうやって笑うと善子ちゃんが笑ってくれると思ったのだけれど今回は違った。
善子「……一緒に寝ましょうよ」
果南「え?」
善子「だから一緒にベッドで寝ましょうって!」
果南「ええっ!?」
思いもよらぬ善子ちゃんからの提案に大声を出して驚いてしまった。
善子「あ、お帰りなさい」
自分の部屋の扉を開けると、そこでは善子ちゃんがヨハネコちゃんと手で遊んでいた。
果南「楽しそうだね」
善子「この子が可愛くて可愛くて仕方ないのよね」
確かに二人とも……一人と一匹はとても楽しそうに遊んでいた。
果南「あ、ベッドは善子ちゃんが使っていいからね。私は床で眠れるし」
善子「え、でも」
果南「大丈夫大丈夫。疲れてる時なんかはベッドまで辿り着かずに床で寝ちゃう時もあるし」
そうやって笑うと善子ちゃんが笑ってくれると思ったのだけれど今回は違った。
善子「……一緒に寝ましょうよ」
果南「え?」
善子「だから一緒にベッドで寝ましょうって!」
果南「ええっ!?」
思いもよらぬ善子ちゃんからの提案に大声を出して驚いてしまった。
14: 2019/10/27(日) 07:28:50.84 ID:6IHPrfJ20
善子「ほら、私友達とお泊まりなんてあんまりしたことなかったから、こういうのに憧れて」
割とあまり突っ込んではいけない内容に触れてしまったのかも知れない。
果南「でもいいの? 結構狭いよ?」
善子「大丈夫よ。……あ、でもさっきみたいに襲って来たら蹴り落とすからね!」
果南「はい、すみませんでした」
それを出されてしまうと弱い。というか、もしかして私はとんでもない弱みを握られてしまっているのでは?
果南「それじゃあ今日はもう遅いし寝ちゃおうか」
善子「え、もうそんな時間? ……本当だ」
果南「ほら、ヨハネコちゃんとは明日一日遊べるからね」
善子「はーい」
善子ちゃんは素直にベッドへと向かっていった。ヨハネコはというと、ちゃんとマカロンのクッションの上で丸くなっていた。
電気を消して、私もベッドの中へと入っていった。
善子「ねえ果南、ちょっと」
果南「ん? どうした?」
善子「折角だからハグして欲しいんだけど」
果南「襲うのはダメでハグはいいんだ」
善子「そこは全然違うでしょ……」
果南「冗談だって。ほらおいで」
私が腕を広げると、吸い込まれるように善子ちゃんが腕の中へと入って来た。
善子「おやすみなさい、果南……」
次の瞬間にはもう寝息が聞こえて来ていた。
……私、今日眠れるかな?
割とあまり突っ込んではいけない内容に触れてしまったのかも知れない。
果南「でもいいの? 結構狭いよ?」
善子「大丈夫よ。……あ、でもさっきみたいに襲って来たら蹴り落とすからね!」
果南「はい、すみませんでした」
それを出されてしまうと弱い。というか、もしかして私はとんでもない弱みを握られてしまっているのでは?
果南「それじゃあ今日はもう遅いし寝ちゃおうか」
善子「え、もうそんな時間? ……本当だ」
果南「ほら、ヨハネコちゃんとは明日一日遊べるからね」
善子「はーい」
善子ちゃんは素直にベッドへと向かっていった。ヨハネコはというと、ちゃんとマカロンのクッションの上で丸くなっていた。
電気を消して、私もベッドの中へと入っていった。
善子「ねえ果南、ちょっと」
果南「ん? どうした?」
善子「折角だからハグして欲しいんだけど」
果南「襲うのはダメでハグはいいんだ」
善子「そこは全然違うでしょ……」
果南「冗談だって。ほらおいで」
私が腕を広げると、吸い込まれるように善子ちゃんが腕の中へと入って来た。
善子「おやすみなさい、果南……」
次の瞬間にはもう寝息が聞こえて来ていた。
……私、今日眠れるかな?
15: 2019/10/27(日) 07:32:15.89 ID:6IHPrfJ20
今回はここまでです。
いやぁ、期間をかなりあけたらやってしまいましたね(果南→善子の呼び方が前話と違いました……)
次回はどちらに統一するか決めて書こうと思うのでかなよしの黒猫をよろしくお願いします。
いやぁ、期間をかなりあけたらやってしまいましたね(果南→善子の呼び方が前話と違いました……)
次回はどちらに統一するか決めて書こうと思うのでかなよしの黒猫をよろしくお願いします。
16: 2019/10/28(月) 02:59:32.32 ID:6WCvsdxdO
仲良しかなよし
よしかな善き哉
よしかな善き哉
引用元: http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1572112782/