【SS】侑「……ジューンブライド?」【ラブライブ!虹ヶ咲】

ゆう (4) SS


3: 2021/06/06(日) 22:14:40.05 ID:jdOyzkZr
侑「たくさんの雨を降らせる唯一無二の月だぞー!的な?」

歩夢「なにそれ」

侑「一年の半分の月だぞー!とか」

歩夢「ブライドだからね」

歩夢「ジューンプライドじゃありません」

侑「違うの?」

歩夢「分かってて言ってるでしょ?」

侑「えへへ、バレたか」

歩夢「バレバレだよ」

侑「さすが歩夢」

侑「私のこと良く分かってるんだね」

歩夢「うん、そうかもね」

4: 2021/06/06(日) 22:15:04.04 ID:jdOyzkZr
侑「……で、ジューンブライドがどうしたの?」

歩夢「ジューンブライド、6月に結婚した花嫁は幸せになる」

侑「ふーん、どうして?」

歩夢「色んな説があるみたいだよ」

歩夢「神話の女神様とか昔の結婚時期の解禁だとか、天候が良いとか」

侑「天候?」

侑「日本だと雨が多いよね」

歩夢「まぁ、ヨーロッパ始まりらしいから」

侑「そうなんだ」

侑「それにしても、歩夢詳しいんだね」

5: 2021/06/06(日) 22:15:28.31 ID:jdOyzkZr
侑「やっぱり憧れ?」

歩夢「……そうだね」

歩夢「昔ね、侑ちゃんが教えてくれたんだよ?」

侑「ジューンブライド?」

歩夢「うん」

歩夢「幸せになれるってところまでね?」

歩夢「その後私も一生懸命調べたんだ」

侑「そうだったんだ」

6: 2021/06/06(日) 22:15:52.70 ID:jdOyzkZr
侑「でも、結婚なんてまだまだ考えられないけどね」

歩夢「私も、別に」

歩夢「それに、私は侑ちゃんの隣にいたいし」

侑「ふふ、ありがとうね」

侑「私も、歩夢の隣にいられるのかなぁ?」

歩夢「うん、もちろん」

歩夢(あの日、侑ちゃんが教えてくれたのは言葉だけじゃない)

歩夢(大切な大切な私の気持ち)

歩夢(それも教えてもらったから……)

8: 2021/06/06(日) 22:16:22.73 ID:jdOyzkZr
侑「……歩夢?」

歩夢「わっ!ごめんね?」

侑「ううん、今日はもうおしまいにしよっか?」

侑「歩夢も疲れてるでしょ?」

歩夢「わ、私はだいじょ……」

侑「だーめ、無理はしないこと」

侑「練習、頑張ってたんでしょ?」

歩夢「うん」

侑「それなら今日はもうお休みだよ」

9: 2021/06/06(日) 22:18:20.74 ID:jdOyzkZr
侑「大丈夫、私はいなくならないよ」

侑「また明日会えるからね?」

歩夢「もちろん分かってるんだけど……」

歩夢「やっぱり侑ちゃんと一緒にいたくって……」

侑「ありがとう」

侑「でも、ダメ」

侑「また明日ね?」

歩夢「うん、分かった」

歩夢「バイバイ、また明日」

侑「うん、バイバイ」

12: 2021/06/06(日) 22:20:50.62 ID:jdOyzkZr
――


侑「歩夢大丈夫?」

侑「濡れてない?」

歩夢「うん、大丈夫だよ」

侑「雨、だねー」

歩夢「うん、雨だね」

侑「本格的に梅雨って感じ」

歩夢「ここのところ毎日だね」

侑「歩夢、ずっと何日も降る雨のことなんて言うか知ってる?」

歩夢「うーん、長雨?かな?」

13: 2021/06/06(日) 22:22:48.23 ID:jdOyzkZr
侑「そ、せーかい!」

侑「さすが、歩夢」

歩夢「それほどでもなっ……」

侑「長雨で眺めが悪いってね!」

歩夢「……」

侑「ふふっ、会心の出来でしょ!?」

侑「歩夢?」

歩夢「愛ちゃん助けてー」

侑「うーん、良かったと思うんだけどなぁ」

歩夢「まぁ、こんなに雨続きじゃ確かに眺めは良くないね」

15: 2021/06/06(日) 22:25:05.74 ID:jdOyzkZr
侑「歩夢は雨苦手?」

歩夢「うーん、どうだろ」

歩夢「良く遊ぶ子がね?」

歩夢「お出かけ好きだから、その子がしょんぼりするのは見たくないかな?」

侑「確かにお出かけが好きなら悲しいかもねー」

歩夢「雨なら雨で他に楽しいことを探すんだけどね?」

侑「それは奇遇だねー、私と一緒みたいだ!」

歩夢「ふふっ、そうだね」

侑「雨は雨で良いことがあるよね」

侑「雨だから出来る事も見える景色も聞こえる音も」

侑「ものの見方次第かもね、どんなことも」

歩夢「中々難しいよ」

16: 2021/06/06(日) 22:27:48.51 ID:jdOyzkZr
侑「そうそう、実は昨日ジューンブライドについて私も調べたんだよね」

歩夢「どうして?」

侑「うん、やっぱりそんな大切な日に、雨だったらどういう気持ちだろうなぁって思って」

侑「でも、色々考え方?があるみたいだよ」

歩夢「どんなこと?」

侑「例えば、雨は天使の代わりだとか神様が二人のために一生分の涙を流してくれたとか」

歩夢「ロマンチックだね」

侑「でも、私が一番気に入ったのは、雨が降らないと虹が出ないってのかな?」

侑「ほら、今みたいに」

侑「きっと、全部が必要なことなんだよ」

17: 2021/06/06(日) 22:29:44.73 ID:jdOyzkZr
歩夢「侑ちゃん分かってたの?」

侑「なにが?」

歩夢「雨が止むこと」

侑「ふっふっふ~、実はね~分かりませんでした!」

歩夢「ふふっ、知ってる」

侑「それこそ、神様じゃないんだから分かるはずないでしょ」

歩夢「虹が綺麗だね」

侑「うん、久しぶりに見たかも」

歩夢「さ、今のうちに帰ろうかな」

侑「そうだね、それがいいかも」

18: 2021/06/06(日) 22:32:12.64 ID:jdOyzkZr
歩夢「また明日ね、侑ちゃん」

侑「うん、バイバイ歩夢」

侑「って、歩夢ー!」

侑「傘!傘!」

侑「行っちゃった……」

侑「これもまた必要なことなのかな?」

侑「きっと……全部必要なことだから」

歩夢(なんて、侑ちゃんは言うけれど……)

歩夢(どうして……?)

歩夢(雨は止んだはずなのに、私の袖は濡れたままだ)

20: 2021/06/06(日) 22:34:37.99 ID:jdOyzkZr
――


侑「結局今日も雨かぁ」

歩夢「昨日は少し止んでたのにね」

歩夢「また、次の雲が来たのかも?」

侑「雨だと散歩もできないしで退屈なんだよね」

歩夢「そんな侑ちゃんに今日はプレゼントがあります!」

侑「ほんと?」

侑「なにかな?」

歩夢「じゃーん!」

侑「綺麗な紫陽花だ!」

22: 2021/06/06(日) 22:37:36.31 ID:jdOyzkZr
歩夢「昨日眺めが……って言ってたでしょ?」

侑「なにで?」

歩夢「え?」

侑「なにで、眺めが悪かったの?」

歩夢「……長雨……」

侑「ふふっ、くっ、あははっ!」

歩夢「もう!茶化さないの!」

侑「あはっ、ふ、ごめっ!」

侑「あー、ごめんごめん」

侑「ありがとうね!歩夢」

侑「すっごく嬉しいよ!」

23: 2021/06/06(日) 22:42:06.32 ID:jdOyzkZr
歩夢「ここ飾っておくね?」

侑「うん、ありがとう」

歩夢(紫陽花にはいろんな花言葉がある)

歩夢(ピンクなら『元気な女性』、青なら『辛抱強い愛情』)

歩夢(紫陽花本体には『和気あいあい』、『家族』、それから『移り気』)

歩夢(どれも私の願い)

歩夢「侑ちゃんがこれ以上どこにもいかないように……ここに留めておけたなら)

歩夢(なんて……卑怯かな……それでも、どうか……)

歩夢「どう?綺麗に飾れたかな?」

侑「うん、バッチリ!」

侑「本当にありがとうね、歩夢!」

歩夢「どういたしまして」

26: 2021/06/06(日) 22:45:07.17 ID:jdOyzkZr
歩夢「それと……」

侑「それと?」

歩夢「もう一つあるんだ、プレゼント」

侑「ほんと!?」

歩夢「うん、これなんだけど」

侑「スマホ?」

歩夢「うん、何かあるとダメだから、今はまだ通話はダメって言われたけど」

歩夢「みんなで1人ずつ短いけど動画を撮ってきたの、それなら大丈夫って言ってもらったから」

侑「みんなって……」

歩夢「うん、スクールアイドル同好会のみんな」

侑「やった!楽しみ!」

歩夢「ずっと、PV見てたもんね」

侑「うん、やっと会えるね!」

歩夢「再生するね?」

27: 2021/06/06(日) 22:48:01.78 ID:jdOyzkZr
~~~~


かすみ「侑せんぱ~い!」

かすみ「みんなの……もちろん!侑先輩のアイドルかすみんだよ~!」

かすみ「また可愛いっていっぱい褒めてくださいね~?」

しずく「かすみさん、自分が施してもらうだけですか?」

かすみ「あ!しず子!まだかすみんの番だよ!」

かすみ「侑先輩だけに向けてのかすみんスペシャルライブ!準備して待ってますからね~!」

しずく「まったく……」

しずく「侑先輩、お元気でしょうか」

しずく「無理をなさらずゆっくり静養してくださいね……」

しずく「と、言いたいところですが、侑先輩がいない部室はやっぱり少し寂しいです」

しずく「……すみません、次は璃奈さんです」

28: 2021/06/06(日) 22:51:17.18 ID:jdOyzkZr
璃奈「侑さん」

璃奈「しずくちゃんが言ってたけど、私も寂しい」

璃奈「こんなに寂しいのどんな璃奈ちゃんボードを出せばいいか分からない」

璃奈「だから……璃奈ちゃんボードの改良を一緒に手伝って欲しい」

璃奈「また侑さんと笑いたいから……」

璃奈「璃奈ちゃんボード『にっこりん』」

愛「りなりー……」

愛「ゆうゆ!」

愛「愛さんもとーっても寂しい!」

愛「それに、愛さんの渾身のダジャレ誰も笑ってくれないんだよ!?」

愛「ちょっとひどいよね?」

愛「また、面白いのいーっぱい考えとくから、楽しみにしててね?」

29: 2021/06/06(日) 22:54:52.83 ID:jdOyzkZr
せつ菜「侑さん、お久しぶりです」

せつ菜「私達は侑さんが大好きです!」

せつ菜「侑さんがどこに行ったらいいか分からなくなったなら、耳を澄ませてみてください」

せつ菜「私が、私達が、必ず侑さんが大好きだと叫んでいます!」

せつ菜「それから、私達のこと大好きにさせてみせます!」

彼方「そうだよ~」

彼方「いつだって居場所はあるんだからね?」

彼方「少しでも何かあれば、彼方ちゃんと一緒にすやぴしようね?」

彼方「彼方ちゃんが侑ちゃんのこと包み込んであげる」

彼方「エマちゃんのお膝でぐっすりしようね~」

30: 2021/06/06(日) 22:57:58.63 ID:jdOyzkZr
エマ「ふふふ、いつでも大歓迎だよ~」

エマ「きっと、たくさん疲れてるだろうから」

エマ「私がたくさんたくさん癒してあげるからね?」

エマ「マイナスイオン放出~」

エマ「なんてね?」

果林「こんなにも頼もしい仲間に囲まれて幸せ者ね」

果林「侑も私も」

果林「もちろん私だって侑のこと大切に思っているわ」

果林「毎日寂しいし本当は今すぐにでも会いに行きたい」

果林「それでも、行けない」

果林「だけど、どんな侑だって私達は愛しているわ」

果林「それだけは覚えておいてね?」



~~~~

31: 2021/06/06(日) 23:00:57.30 ID:jdOyzkZr
侑「……ぐすっ……みんな、ありがと」

歩夢「ハンカチ1つじゃ足りない?」

侑「うぅ……だいじょぶ……」

歩夢「実は、動画にはまだ続きがあるんだ」

侑「……え?でも、もう……」

歩夢「侑ちゃん」

歩夢「私は侑ちゃんのこと大好き」

歩夢「今までの侑ちゃんも、今の侑ちゃんも」

歩夢「ずっと隣にいるから」

歩夢「たとえ、私と侑ちゃんのこれまでの日々が、私だけの思い出だけになっても、昔の話になってでも」

歩夢「一緒に過ごしてきた日々は消えないから」

32: 2021/06/06(日) 23:04:52.95 ID:jdOyzkZr
歩夢「一緒に歩いてきた足跡はきっと消えないと思う」

歩夢「だって、いつだって、訳がわからなくたって笑い合える」

歩夢「それは変わらないから」

歩夢「10年越しにやっと言えた」

歩夢「侑ちゃんのあの日の言葉で、私は私の気持ちに気づいた」

歩夢「侑ちゃんがこれまでの日々をこのまま思い出せなくても、私は10年先も侑ちゃんの隣で笑ってたいから!」

歩夢「いつだってそばにいるから」

侑「……歩夢」

侑「ありがとう」

33: 2021/06/06(日) 23:06:39.73 ID:jdOyzkZr
歩夢「うん……」

歩夢「ごめんね、急に」

侑「ううん、嬉しい」

侑「今までで一番」

侑「今までって、今の私にはすごく短い時間だけど」

侑「これまでのこと、失くしちゃった私だけど」

侑「それでも、たぶんこの17年近くできっと1番」

侑「ねぇ、歩夢」

侑「ちょっと中庭に行こうよ」

歩夢「え?でも……」

侑「大丈夫、私が説得するから」

侑「少し待ってて?」

34: 2021/06/06(日) 23:08:29.93 ID:jdOyzkZr
――


侑「お待たせ」

歩夢「ううん、大丈夫だよ」

歩夢「中々許可出なかった?」

侑「ううん、歩夢も一緒だからって言ったらすぐにいいって言ってくれたよ」

歩夢「そうなの?」

歩夢「少し時間あったからダメなのかなって思っちゃった」

侑「ごめんごめん」

侑「ちょっとだけ、ね」

歩夢「お話でも盛り上がった?」

侑「うーん、秘密」

歩夢「えー」

36: 2021/06/06(日) 23:10:02.12 ID:jdOyzkZr
侑「きっと分かるよ、すぐ」

歩夢「ほんとかなぁ?」

侑「ほら、綺麗でしょ?中庭」

歩夢「そうだね」

侑「ちょっと真ん中まで行ってみようよ」

歩夢「でも、雨……」

侑「ふふ、そのために傘忘れていってくれたんでしょ?」

歩夢「あ、私の傘……」

侑「ほら、濡れてない?」

歩夢「侑ちゃんこそ、身体冷やしたらダメだからね?」

侑「うん、ありがとう」

38: 2021/06/06(日) 23:12:10.63 ID:jdOyzkZr
侑「ほら、真ん中に立つと、花に囲まれてちょっといい感じでしょ?」

歩夢「うん……なんだか……」

侑「結婚式の一幕みたいでしょ?」

侑「だからさ、歩夢」

侑「少なくとも、今の私は……ううん、違う」

侑「昔からずっと、ずっと私はここにいたい」

侑「今はこれしかないけど」

歩夢「これ……さっきの紫陽花……」

侑「うん、紫陽花で指輪」

侑「作り方教えてもらってたんだ」

侑「不揃いだけどね」

侑「私はもうどこにもいかない」

侑「歩夢のことが大好きだから」

侑「ずっとここにいる」

侑「もう、見慣れすぎた歩夢の隣にずっと」

39: 2021/06/06(日) 23:14:20.81 ID:jdOyzkZr
おしまい。

40: 2021/06/06(日) 23:15:58.51 ID:jdOyzkZr
おまけ。
――

侑「ねぇ、歩夢」

歩夢「うん?」

侑「やっぱりジューンブライドって本当なのかもね?」

侑「だって、私達こんなにも幸せなんだから」





ほんとにおしまい。

今日はプロポーズの日らしいです。
そうであっても、そうでなくても誰かの勇気になれればなんて夢をみてます。

11: 2021/06/06(日) 22:20:27.02 ID:3zgwFLU4
@cメ*˶ˆ ᴗ ˆ˵リ

21: 2021/06/06(日) 22:36:58.00 ID:Fnyz8WqX
@cメ*˘ ᴗ ˘リ

41: 2021/06/06(日) 23:20:28.66 ID:2vSbaeWJ
?cメ*˶ˆ ᴗ ˆ˵リ 幸せな結末でよかったよ 乙だね

引用元: https://nozomi.2ch.sc/test/read.cgi/lovelive/1622985192/

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