【SS】花陽「幽霊にこちゃん」

SS


1: (家)@\(^o^)/ 2016/05/31(火) 20:24:36.54 ID:lJzYEHgJ.net
講堂

ザワザワ ザワザワ


花陽「わぁ…どうしようどうしよう」ウロウロ

にこ「ちょ、落ち着きなさいよ」

花陽「…だって、私にライブなんて…」

にこ「あーもう、うるさい!やるって決めたんだからグチグチ言わないの!それに、あんたは何も心配することないでしょ?」

花陽「うん…」

にこ「じゃあ花陽、行くわよ…」スゥゥゥゥ

花陽「……っ!」ギュイィィン


「大丈夫よ」


花陽(にこ)「全部このにこにーに任せときなさい!」

2: (家)@\(^o^)/ 2016/05/31(火) 20:27:13.78 ID:lJzYEHgJ.net
~~~~~

廊下

凛「かーよちん、一緒に陸上部に入ろう?この先に部室があるらしいよ」グイグイ

花陽「ま、待って凛ちゃん、私はまだ……」

花陽「…!」

凛「かよちん?どうかした?」

花陽「ここ…」


『アイドル研究部』


凛「アイドル研究部?そんな部活あったんだ。部活動紹介には出てなかったよね?」

花陽「……」ジーッ

凛「……」

3: (家)@\(^o^)/ 2016/05/31(火) 20:29:16.62 ID:lJzYEHgJ.net
凛「…かよちん、頑張ってね」

花陽「えっ?」

凛「入りたいんだよね?アイドル研究部に」

花陽「わ、私は…」

凛「凛知ってるよ、かよちんは昔からアイドルが大好きだったこと」

凛「大丈夫…きっと、アイドル研究部の人たちもかよちんを歓迎してくれるよ!」

花陽「凛ちゃん…」

凛「じゃあ、凛は陸上部に行ってくるにゃー!」タタタッ


花陽「…凛ちゃん、ありがとう」

4: (家)@\(^o^)/ 2016/05/31(火) 20:30:46.59 ID:lJzYEHgJ.net
花陽「…よしっ!」

コンコン

花陽「あ、あのぉ…アイドル研究部に興味があるんですけど…」

花陽「……」

シーン

花陽「あれっ…誰もいないのかな?」


「あなた…アイドルに興味あるん?」ソーッ


花陽「わっ!?」

希「ごめんごめん、驚かすつもりはなかったんやけどね」

花陽「あ、アイドル研究部の方ですか…?」

希「うーん…ウチは違うんやけど…」ガチャ

希「まぁ、入って入って」

花陽「え……?」

5: (家)@\(^o^)/ 2016/05/31(火) 20:33:06.00 ID:lJzYEHgJ.net
部室

花陽「わぁー……」パァァ

希「すごいやろ?これ全部ここの部長が…」

花陽「あ、あれはアイドル大図鑑改訂版!」ダダダッ

花陽「こっちは全日本アイドル選手権コンプリートセレクション!超アイドル祭ディレクターズカット版も!!」キョロキョロ

花陽「それに…」

花陽「幻の伝説のアイドル伝説 DVD全巻BOX、略して伝伝伝まであるのぉぉぉ!?す、すごい!すごすぎるよぉぉぉ!!」


希「……」


花陽「あっ、ごめんなさい私…」

希「いや、いいんよ。本当にアイドルが好きなんやね…」

6: (家)@\(^o^)/ 2016/05/31(火) 20:35:14.35 ID:lJzYEHgJ.net
希「まあ、ここにあるものは勝手に使ってええよ」

花陽「えっ、本当にいいんですか…?」

希「うん。その方が…」


希「にこっちも喜ぶと思うから」ボソッ


花陽「…あの、今何て…?」

希「…いや、なんでもないんよ。ゆっくりしてって」

希「ウチは東條希!困ったことがあったらいつでも生徒会室に来てねー」

花陽「あ、ありがとうございます」


希「じゃあねー」

ガチャ

7: (家)@\(^o^)/ 2016/05/31(火) 20:36:25.54 ID:lJzYEHgJ.net
花陽「行っちゃった…」

花陽「……」ニヤニヤ

花陽「えへへ…伝伝伝、早速見ちゃおうかな…」ソーッ


にこ「何してんの!そっちは保存用よ!」


花陽「わっ!?…い、いたんですか?」

にこ「は?」

花陽「えっ、その…ごめんなさい。人がいたなんて気づかなくて…」

にこ「そうじゃなくて…あんた、私のこと見えるの?」

花陽「見える…?どういうことですか?」

にこ「だって私…」スケスケ ドロン

花陽「えっ?」


「幽霊だから」バァァァ


花陽「……だっ」


花陽「ダレカタスケテェー!!!!」

11: (家)@\(^o^)/ 2016/05/31(火) 20:42:23.86 ID:lJzYEHgJ.net
……………
………

花陽「じゃ、じゃあ矢澤先輩は幽霊で、アイドル研究部の部長で…」

にこ「そう、この私がスーパーアイドルにこにーこと矢澤にこ」

にこ「あと先輩じゃないわよ。死んだのは2年前なんだから今のあんたと同い年」

花陽「はい…」

にこ「だから敬語もいらないし、気軽ににこにーって呼んでちょうだい」

花陽「じゃあ…にこちゃん…って呼んでもいいかな」

にこ「…まあいいわ、好きにしなさい」

花陽「うん!ありがとうにこちゃん!」エヘヘ

12: (家)@\(^o^)/ 2016/05/31(火) 20:44:47.11 ID:lJzYEHgJ.net
にこ「そんなことより花陽、あんたアイドルに興味あんの?」

花陽「うん!昨日も武道館でライブを見てきたんだ!」ニコニコ

にこ「へぇー…」

花陽「すごかったよぉ…。でも、2階席じゃなくてもっと近くで見たかったなぁ…」

にこ「ま、にこも見たんだけどね。アリーナ席最前列で」

花陽「ええっ、最前列のチケットなんてよく取れたね」

にこ「いや、チケットなんかいらないわよ。幽霊なんだから…」

花陽「あっ…」

13: (家)@\(^o^)/ 2016/05/31(火) 20:46:46.25 ID:lJzYEHgJ.net
―――

花陽「じゃあにこちゃんはどんなアイドルのライブも見放題で!」ドンッ

にこ「え、ええ…」

花陽「開演前の舞台裏まで見れて!」ドンッ

にこ「そ、そうよ」

花陽「アイドルの人たちと同じステージに立つこともできちゃうのぉ!?」

にこ「できるけど…」


花陽「…うっ」

花陽「うらやましいよぉぉ!!」


にこ「ちょ……、あんた幽霊になりたいの?にこみたいに、誰からも気づかれないで一人で暮らしたいの?」

花陽「あっ……」

花陽「それは嫌…かな」

14: (家)@\(^o^)/ 2016/05/31(火) 20:48:40.90 ID:lJzYEHgJ.net
にこ「まあそうよね」

花陽「ごめんね…」

にこ「別にいいわよ。それより…」


にこ「アイドル、やってみたいと思わない?」

花陽「えっ?」

にこ「あんたの体、貸してほしいの」

スゥゥゥゥ 


花陽(あれっ…私…)


ギュイン


―――――――――

17: (家)@\(^o^)/ 2016/05/31(火) 20:52:51.88 ID:lJzYEHgJ.net
~~~~

講堂

ザワザワ ザワザワ


花陽「わぁ…どうしようどうしよう」ウロウロ

にこ「ちょ、落ち着きなさいよ」

花陽「…だって、私にライブなんて…」

にこ「あーもう、うるさい!やるって決めたんだからグチグチ言わないの!それに、あんたは何も心配することないでしょ?」

花陽「うん…」

にこ「じゃあ花陽、行くわよ…」スゥゥゥゥ

花陽「……っ!」ギュイィィン


「大丈夫よ」


花陽(にこ)「全部このにこにーに任せときなさい!」

18: (家)@\(^o^)/ 2016/05/31(火) 20:53:38.53 ID:lJzYEHgJ.net
花陽(うぅ…本当に大丈夫なのかなぁ)

にこ(だから!歌うのも踊るのも私なんだから大丈夫よ!それとも、にこのパフォーマンスにダメ出ししたいわけ?)

花陽(そうじゃないよ。にこちゃんの歌も踊りもすごかったもん)

にこ(…ありがと)

花陽(でも、体は私なんだよ?私なんかがアイドルなんて…きっと笑われちゃうよ)

にこ(はぁ…)

花陽(ごめんねにこちゃん、私じゃなくて、もっとかわいい人だったら…)

にこ(…何言ってんのよ)

にこ(あんた、自分で思ってるよりずっとかわいいわよ?見た目も声も合格)

にこ(私だって誰でもいいわけじゃないの。花陽がアイドルに向いてると思ったから誘ったのよ)

にこ(ま、まだまだにこにーには及ばないけどねー)

花陽(…そうだよね、私なんかじゃにこちゃんより全然だめで…)シュン

にこ(そうじゃなくて!あんたは十分かわいいんだから自信持ちなさいって言ってるの!)

花陽(…うん!)

20: (家)@\(^o^)/ 2016/05/31(火) 20:55:19.93 ID:lJzYEHgJ.net
花陽(にこ)「さ、今度こそ行くわよ」


希「花陽ちゃーん、そろそろ幕が上がるよ」

花陽(にこ)「ああ、ありがと希」

希「…花陽ちゃん?」

花陽(にこ)「あっヤバッ…ありがとうございます希先輩」


希「……」ジーッ


花陽(にこ)「ど、どうかしましたかー?」

希「花陽ちゃん…ウチに何か隠してない?」

21: (家)@\(^o^)/ 2016/05/31(火) 20:57:47.57 ID:lJzYEHgJ.net
にこ(やばい!希に気づかれたら面倒なことに…)

花陽(にこ)「そ、そんなことありませんよぉ?先輩のおかげでこうしてライブができるわけですし、その希先輩に隠し事なんてできるわけないじゃないですかー?」

希「……そのわざとらしいごまかし方、怪しい…」

花陽(にこ)「あはは…」


ザワザワ

希「って、そろそろ時間やん!頑張ってね花陽ちゃん!」

花陽(にこ)「はーい…」


にこ(ふぅ…何とかなったわね)

花陽(にこちゃん、私あんなしゃべり方じゃないよ?)

にこ(まあいいじゃない……あっ、幕が上がり始めたわよ!)

22: (家)@\(^o^)/ 2016/05/31(火) 21:00:10.85 ID:lJzYEHgJ.net
ザワザワ

幕「」サァーッ

にこ(さ、講堂いっぱいのファンに笑顔を届け…)


観客「」パラパラ


にこ(微妙ー!?いや、人がいないわけじゃないんだけどなんか少な…)


凛「かよちーん!ガンバレー!」


花陽(凛ちゃん…!)

にこ(…いや、人数なんて関係ないわね。数なんかより、ここにいる全員に笑顔になってもらうことの方が大事なんだから!)


♪~~~

23: (家)@\(^o^)/ 2016/05/31(火) 21:03:17.72 ID:lJzYEHgJ.net
♪~~~~~~

花陽(にこ)「Hi hi hi! にっこり してみてよ♪」

花陽(にこ)「Hi hi hi! にっこりって大事だもん♪」



……………
………


花陽(にこ)「ほら楽しくなれっ♪」

花陽(にこ)「にこっ♪」


にこ(これでみんな笑顔に…)


観客「」パチパチ


にこ(……あれっ?)

24: (家)@\(^o^)/ 2016/05/31(火) 21:05:13.11 ID:lJzYEHgJ.net
―――――

にこ「……」

花陽「……」



「ライブどうだったー?」

「うん、普通によかったよ」

「そうそう、いい感じだったね。かわいかったし」

「新入生でいきなりライブやるなんてすごいよねー」

「ねー、感動しちゃったよ」

「えっ、そんなに…?」

「うーん…やっぱり感動はしてないかも。あははは…」



にこ「……はぁ」

25: (家)@\(^o^)/ 2016/05/31(火) 21:08:26.06 ID:lJzYEHgJ.net
にこ「…普通によかった…ねぇ。それって、大してよくなかったってことよね…」

花陽「……」

にこ「私たち…アイドルとして見られてないみたいね。だから普通なんて言葉が出てきた」

にこ「だって、ホントのアイドルのライブなら本気になれるはずよ。心から『楽しかった』って笑顔になれるはずなのよ」

にこ「結局、あそこにいた人たちを引きつけることなんてできなかった…」

花陽「にこちゃん…」

にこ「ごめん花陽、あんなに偉そうなこと言っといて私…」


花陽「にこちゃんごめん!」


にこ「えっ?」

26: (家)@\(^o^)/ 2016/05/31(火) 21:10:01.07 ID:lJzYEHgJ.net
花陽「私が…私のせいでお客さんを笑顔にできなかった!」

にこ「な、何言ってるのよ。花陽は別に…」

花陽「ううん、私のせいだよ。にこちゃんの歌も踊りもすごいのに、私の体が上手く動かなかったせいで…」

花陽「私、憑りつかれてわかったの!にこちゃんってホントにすごいよ!宇宙一のアイドルだよ!」

にこ「花陽…」


花陽「だから…決めた!私、歌と踊りの練習する!」


にこ「えっ…?」

花陽「にこちゃんのために、私ができることをしたいの!」

花陽「にこちゃんの全力の歌と踊りを、たくさんの人に見てもらいたいの!」


にこ「……」

27: (家)@\(^o^)/ 2016/05/31(火) 21:12:30.47 ID:lJzYEHgJ.net
花陽「だからにこちゃん…お願い!」

花陽「私に…アイドルの修業をつけてください!」

にこ「花陽……」

花陽「お願いします!」

にこ「……」


にこ「…ったく、しょうがないわねー」

にこ「わかってるの?にこは厳しいわよ?」

花陽「うん!頑張るよ!」

にこ「……はぁ」


にこ「…ふふっ」

にこ「さっさと練習、始めるわよ」ニコッ



―――――

28: (家)@\(^o^)/ 2016/05/31(火) 21:19:24.88 ID:lJzYEHgJ.net
屋上

花陽「にっこに…」

にこ「声が小さい!」

花陽「にっこにっこ…」

にこ「笑顔が足りない!」


花陽「にっこにっこにー!!」


にこ「…うん、今のはいい感じだったわ」


花陽「はぁ…はぁ」

29: (家)@\(^o^)/ 2016/05/31(火) 21:21:27.67 ID:lJzYEHgJ.net
にこ「ま、初めてにしてはよくやったわね。にこが見込んだだけのことはあるわ」

花陽「はぁ…ありがとう。でも…」

にこ「なによ?」

花陽「体力づくりとかは…しなくていいの?」

にこ「そんなのあんたにはまだ早いわよ」

花陽「えっ、ご、ごめんね…。私が全然ダメだから…」

にこ「……」

にこ「ねえ花陽、アイドルの仕事って何だと思う?」

花陽「えっ?」

30: (家)@\(^o^)/ 2016/05/31(火) 21:23:28.15 ID:lJzYEHgJ.net
にこ「いいから、答えてみて」

花陽「ええっと…ライブをしたり…握手会をしたり」

にこ「ううん、そうじゃないの。アイドルはね、人を笑顔にさせることが仕事なの」

花陽「人を…笑顔に」

にこ「必要なのは歌や踊りの技術じゃない…オーラ!」

にこ「見なさい!私のオーラを!」


ゴォォォォ


にこ「にっこにっこにー!」キラキラ

にこ「あなたのハートににこにこにー!」キラキラ

にこ「笑顔を届ける矢澤にこにこ!」バーン

31: (家)@\(^o^)/ 2016/05/31(火) 21:25:43.32 ID:lJzYEHgJ.net
にこ「まあこんなところね」


花陽「……」ジーン


にこ「なに?にこに見とれちゃったの?」

花陽「…うん。やっぱりにこちゃんはすごいなぁ…」

にこ「…ふん、あったりまえよ!」

花陽「私も…にこちゃんみたいになれるように頑張るね!」


花陽「にっこにっこにー!にっこにっこにー!」


にこ「花陽……」

花陽「にこちゃん…どうかしたの?」

にこ「な、何でもないわよ!」

花陽「……?」


にこ「…ありがと」

32: (家)@\(^o^)/ 2016/05/31(火) 21:30:40.81 ID:lJzYEHgJ.net
――――

それから、にこちゃんとの練習の日々が続いて…


にこ「1 2 3 4」パンパンパンパン

花陽「はぁ…はぁ」タタタッ

にこ「遅れてるわよ!」

花陽「はい!」



――――

花陽「♪~~~」

花陽「どう…かな?」

にこ「うーん…」

にこ(歌は結構うまいのよねー…もしかしたらにこより…)


花陽「……」ドキドキ


にこ「…まあ、この調子で頑張りなさい」

花陽「…うん!」

33: (家)@\(^o^)/ 2016/05/31(火) 21:32:13.93 ID:lJzYEHgJ.net
―――――

♪~~~

タタタッタン

花陽「…はぁ、はぁ」

にこ「うーん…なんか違うのよねー…もっとこう…こんな感じで」キレキレ

花陽「…あっ!もしかして、ミュータントガールズの新曲みたいな感じで…」

にこ「そうそう!そんな感じよ」

花陽「だったら…こう、かな?」タッタンタタタ

にこ「それよそれ!さっすが花陽よねー、よくわかってるじゃない」

花陽「えへへ…」ニコニコ



―――

にこ「行くわよ!せーの…」

花陽、にこ「にっこにっこにー!!」

34: (家)@\(^o^)/ 2016/05/31(火) 21:35:38.16 ID:lJzYEHgJ.net
―――――
…………
……


神田明神

タタタタタッ

花陽「はぁ…はぁ」

にこ「ちょっと花陽…大丈夫?」

花陽「平気だよ。だって、もっと頑張らなきゃ…にこちゃんみたいになれないもん!」


花陽「もう一回走って来るね!」


タタタタッ

にこ「花陽…」


にこ(花陽…あんた見違えたわ。正直、ここまでやれる子だなんて思ってなかった)

にこ(ホント、すごいわね…)


タタタッ

「かーよちん」

35: (家)@\(^o^)/ 2016/05/31(火) 21:37:00.14 ID:lJzYEHgJ.net
花陽「凛ちゃん!」

凛「今日もアイドルの練習?」

花陽「うん!今度またライブがあるんだ!」ニコニコ

凛「へぇー…」ニヤニヤ

花陽「凛ちゃん?」

凛「かよちん…変わったね」

花陽「えっ?」

36: (家)@\(^o^)/ 2016/05/31(火) 21:38:21.43 ID:lJzYEHgJ.net
花陽「そう…かな?」

凛「うん!アイドルを始めてからかよちん、すっごくキラキラしてるよ!」

花陽「えへへ…ありがとう」

凛「凛も嬉しいんだ、かよちんが楽しそうで!頑張ってね!」

花陽「うん!凛ちゃんも陸上部頑張ってね!」


凛「……」


凛「あっ、そうだかよちん!昨日ね…」

エエッ! ソンナコトニナッチャッタノォ!?

ソウナンダニャー ソレニネ… エエッ!?

アハハ エヘヘ


にこ「……」


ジャアカヨチン マタネー

マタネ!

37: (家)@\(^o^)/ 2016/05/31(火) 21:40:31.98 ID:lJzYEHgJ.net
花陽「ごめんねにこちゃん、待たせちゃって…」

にこ「……」

花陽「にこちゃん?」

にこ「ねえ花陽」

にこ「あの子と一緒に…アイドルをやろうとは思わないの?」

花陽「……?うん、凛ちゃんは陸上部を頑張ってるから」

にこ「そう…」

花陽「それにね、私はにこちゃんと一緒に踊りたいんだ」

花陽「今度のライブ…頑張ろうね!」

にこ「…もちろんよ」



―――――

38: (家)@\(^o^)/ 2016/05/31(火) 21:42:25.05 ID:lJzYEHgJ.net
休憩

41: (家)@\(^o^)/ 2016/05/31(火) 22:19:05.82 ID:lJzYEHgJ.net
部室

にこ「聞いてよ花陽!笑っちゃうわ!さっき理事長室に潜り込んだんだけどそこで…」

花陽「……」カキカキ

にこ「…聞いてんの?」

花陽「ごめんねにこちゃん、今宿題をやってるんだ。もうすぐテストだし…ちょっと待っててね」

にこ「ふーん…」

にこ(って、宿題ぐらい家でやればいいじゃない!にこを差し置いて勉強なんて……そうよ!)


にこ「……」ニヤニヤ


花陽「……」カキカキ


にこ「ねえ花陽」

花陽「…なに?」カキカキ

にこ「あんたのおにぎり…なくなってたわよ」

42: (家)@\(^o^)/ 2016/05/31(火) 22:20:54.98 ID:lJzYEHgJ.net
花陽「えええっ!!お、おにぎりがぁぁ!?」

花陽「あ、あれがないと死んじゃうよぉ!おにぎりぃ!」ガサガサ

おにぎり「」

花陽「……あれ、おにぎりあるよ?」

にこ「だって嘘だもん」


花陽「……えっ?」


にこ「にこにーを無視しようとするからそうなるの。これに懲りたらにこの話をちゃんと聞いて…」

花陽「にこちゃん!!」ドンッ

にこ「!?」

43: (家)@\(^o^)/ 2016/05/31(火) 22:22:47.58 ID:lJzYEHgJ.net
花陽「実は私…希先輩からお経を教えてもらったんだ」

にこ「は?お経?」

花陽「うん、どんな強力な呪縛霊でもすぐに成仏させちゃうんだって」

にこ「あ、あんたまさかそれを唱えて…?」

花陽「そんなことするわけないよ。にこちゃんは大切なお友達だもん」



花陽「南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏」


にこ「いやぁぁ!まだ成仏したくないのよぉ!!」ジタバタ

44: (家)@\(^o^)/ 2016/05/31(火) 22:23:38.31 ID:lJzYEHgJ.net
にこ「……」ジタバタ

にこ「…って、あれ?何ともないわよ…?」

花陽「冗談だよ。お経なんて知らない…」

にこ「……」

花陽「でも、もういたずらはやめてね。次こんなことされたら…怒っちゃうよ?」

にこ「……」

にこ「はい…」

45: (家)@\(^o^)/ 2016/05/31(火) 22:27:25.86 ID:lJzYEHgJ.net
花陽「……」カキカキ

にこ「……」

花陽「…ねえにこちゃん」

にこ「…ん?」

花陽「私…ずっと気になってたことがあるんだ」

にこ「……なによ?」

花陽「にこちゃんが死んじゃった理由…」

にこ「……」

46: (家)@\(^o^)/ 2016/05/31(火) 22:29:50.03 ID:lJzYEHgJ.net
花陽「……」

花陽「ごめん、やっぱり…」

にこ「…別にいいわよ」

花陽「にこちゃん…」

にこ「子どもよ子ども、泣いてた子どもを助けるために車に轢かれたの。スーパーアイドルのにこらしい最期でしょ?」

花陽「……」

にこ「なーんて…」

花陽「やっぱりにこちゃんはすごいね!」

にこ「……」

花陽「私も、にこちゃんみたいになりたいなぁ…」

にこ「…そんなことより、そろそろ行くわよ」

花陽「…うん!」

47: (家)@\(^o^)/ 2016/05/31(火) 22:32:04.98 ID:lJzYEHgJ.net
屋上

花陽(にこ)「1 2 3 4!」タタッタン

花陽「ふぅ…」

花陽「にこちゃん、今のステップ…」

にこ「うーん…悪くはないんだけどなんかいまいちなのよね…」

にこ「やっぱりここは力強い感じで…」


花陽「そうじゃなくて…!」


にこ「…え?」

花陽「あっ…ご、ごめんね?でも、そこのステップはしなやかな感じにした方がいいんじゃないかと思ったんだ」

にこ「へぇー……にこに意見するなんて、あんたも言うようになったわね」

48: (家)@\(^o^)/ 2016/05/31(火) 22:34:08.14 ID:lJzYEHgJ.net
花陽「…ごめん」

にこ「怒ってないわよ。褒めてるの」

にこ「ま、花陽も少しは私のレベルに追いついて来たってことねー」

花陽「えへへ…」

にこ「じゃ、そんな感じでやってみるわよ!」


花陽(にこ)「♪~~~」タッタッタン


にこ(……ん?)


花陽「にこちゃん…どうかしたの?」

にこ「いや、もう一回やってみましょ」


花陽(にこ)「♪~~~」タタッタ


にこ(やっぱり……)

49: (家)@\(^o^)/ 2016/05/31(火) 22:36:07.06 ID:lJzYEHgJ.net
―――――――

数日後 

花陽「と、とうとう明日がライブだね…緊張してきちゃった」

にこ「……」

花陽「…にこちゃん?」

にこ「あっ、いや…なんでもないわ。それより、あの凛って子はちゃんと来るんでしょうね?」

花陽「うん!リハーサルを見てみたいって言ってたよ!そろそろ来るんじゃないかな…」


ガチャ


凛「かよちん!お待たせー!」

花陽「凛ちゃ…」

真姫「……」クルクル

花陽「…に、西木野さん?」

50: (家)@\(^o^)/ 2016/05/31(火) 22:37:18.75 ID:lJzYEHgJ.net
凛「西木野さんもかよちんのライブに興味あるんだって」

真姫「べ、別にそんなこと言ってないでしょ?私はただ、小泉さんがどんなライブをやるのか気になっただけで…」

凛「それを興味あるって言うんだにゃー」

花陽「二人とも…ありがとう!私、頑張って歌うね!」


花陽「行くよにこちゃん」

にこ「……」

花陽「…にこちゃん?」

にこ「……ええ」スゥゥゥ ギュイン

花陽(にこ)「……」


にこ(大丈夫…よね?)

51: (家)@\(^o^)/ 2016/05/31(火) 22:39:26.49 ID:lJzYEHgJ.net
♪~~~

「Hi hi hi! にっこり してみてよ」♪

凛「あっ!始まったにゃ!」


花陽(にこ)「♪~~~」タタタンッ


にこ(やっぱり…体が重い!)

にこ(まるで自分の体じゃないみたい…って、自分の体じゃないんだけど…)

にこ(おかしいのよね…最近、花陽にうまく乗り移れない)

にこ(これじゃあライブなんて…)

52: (家)@\(^o^)/ 2016/05/31(火) 22:41:23.12 ID:lJzYEHgJ.net
♪~~~~

花陽(にこ)「♪~~~」

凛「わぁ……」ワクワク

真姫「へぇ……」ドキドキ


にこ(でも、なんでかうまく踊れてるのよね。私はこんな状態なのに…)


花陽「……!」

ドクン

にこ(……うっ!?)

53: (家)@\(^o^)/ 2016/05/31(火) 22:42:09.70 ID:lJzYEHgJ.net
バアァァァン

にこ「きゃっ!」ドタッ


花陽「♪~~」


にこ「何で私、体から追い出されて…」

にこ「って、このままじゃ!」

にこ「花陽、もう一回私と……」

にこ「……!」


花陽「にっこりの魔法♪笑顔のまほう♪」キラキラ

花陽「なみださよなら~♪」キラキラ

54: (家)@\(^o^)/ 2016/05/31(火) 22:45:15.07 ID:lJzYEHgJ.net
花陽「にっこにっこ♪ にこにこーだよ♪」

花陽「ほら 楽しくなれっ♪」

花陽「にこっ♪」キラーン


にこ「……」


パチパチパチパチ

花陽「ふぅ……あれ、にこちゃん?」


凛「かよちんすごいよ!すごすぎるよ!」ドンッ

花陽「わっ!?り、凛ちゃん!?」

56: (家)@\(^o^)/ 2016/05/31(火) 22:48:08.80 ID:lJzYEHgJ.net
凛「かよちん…プロのアイドルみたいだったよ!」

花陽「え?そ、そうかなぁ…」エヘヘ

真姫「私も…驚いたわ。あなた、きれいな声してるのね」

花陽「西木野さん…」

真姫「…応援してるわ。頑張ってね」

花陽「…うん!」


凛「よーし、かよちんのために、凛と西木野さんでお客さんを集めるにゃー!」

真姫「うえっ!?私もなの?」

凛「やらないの?」

真姫「…やるわよ!やればいいんでしょ!」

ベツニヤラナクテモイイヨ? ヤルワヨ! ヤリタイノ!


花陽「凛ちゃん、西木野さん…」


にこ「……」

57: (家)@\(^o^)/ 2016/05/31(火) 22:51:11.78 ID:lJzYEHgJ.net
にこ「花陽」

花陽「…あっ、にこちゃん」

にこ「さっきあんた、一人で踊ってたわね」

花陽「…ごめんね、私夢中になっちゃって。にこちゃんのことに気づかなくて…」

にこ「そうよ、何勝手なことしてるのよ。あんたわざと私を追い出したの?」

花陽「ええっ…そんなつもりはなかったんだけど…ごめんね」

にこ「その割に…やけに楽しそうに踊ってたわね」

花陽「…本当にごめんね。私…」


にこ「……違う」ボソッ


花陽「えっ?」


にこ「違うっつってんのよ!」バンッ


花陽「に、にこちゃん…?」

58: (家)@\(^o^)/ 2016/05/31(火) 22:52:44.28 ID:lJzYEHgJ.net
にこ「私は…私はあんたを利用してただけなのよ!アイドルになるために誰かの体が必要だっただけ」

にこ「憑りつかせてくれれば誰でもよかったのよ!」

花陽「にこちゃん、どうしたの…?」

にこ「だから…今まであんたと一緒にいたの」

にこ「なのに…」


花陽『にっこりの魔法♪』キラキラ


にこ「もうあんたなんか必要ない!」

にこ「憑りつけないあんたなんか…いらないのよぉ!」


ダダダダッ


花陽「にこちゃん……にこちゃん!」

60: (家)@\(^o^)/ 2016/05/31(火) 22:55:42.41 ID:lJzYEHgJ.net
――――

にこ「……」

にこ(花陽…)


『アイドル、やってみたいと思わない?』

『私、歌と踊りの練習するよ!』

『にこちゃんの全力の歌と踊りを、たくさんの人に見てもらいたいの!』

『…ごめんね、私夢中になっちゃって』


にこ「……」


ガチャ


花陽「やっぱり…部室にいたんだね」

61: (家)@\(^o^)/ 2016/05/31(火) 22:57:04.40 ID:lJzYEHgJ.net
にこ「……」

花陽「にこちゃん…」

にこ「ねえ花陽」

花陽「なに?」

にこ「あんた…アイドルになりたかったのよね。ずっと昔から」

花陽「…うん」

にこ「自信持ちなさい。あんたはアイドルに向いてるわ…私よりもね」

花陽「そんなことないよ。だってにこちゃんは…」

にこ「ううん、わかってたのよ」



にこ「花陽はとっくに私を超えてるって」


花陽「……」

62: (家)@\(^o^)/ 2016/05/31(火) 22:58:38.72 ID:lJzYEHgJ.net
にこ「花陽、あんたは本当にうまくなったわ。当たり前よね、毎日あれだけ練習してるんだから」

花陽「…ありがとう」

にこ「でも私はダメなのよ。いくら練習したってこれ以上うまくならない」


にこ「だってもう死んでるんだから」


にこ「あんたもわかってたんでしょ?自分一人で踊った方がうまくできるって」

花陽「そ、そんなこと…」

にこ「でも…それでいいのよ。その方がいいの」

花陽「……」

63: (家)@\(^o^)/ 2016/05/31(火) 23:00:18.84 ID:lJzYEHgJ.net
にこ「ねえ花陽、私が死んだホントの理由…教えてあげるわ」

花陽「え…?子どもを助けようとして轢かれたんじゃないの…?」

にこ「あんなの嘘よ。そんなカッコよく死ねたらすぐ成仏してる」

花陽「……」

にこ「…そこのロッカーを開けてみて」

花陽「うん…」

ガチャ

花陽「これって……」

花陽「ライブ用の衣装…?」


にこ「そう、その衣装はね…」

65: (家)@\(^o^)/ 2016/05/31(火) 23:04:56.68 ID:lJzYEHgJ.net
~~~~

2年前

にこ「はぁ!?全員やめる!?」

「……」

にこ「もうすぐライブだってあるのに…どういうことよ!」

「ごめん…」

にこ「謝るぐらいなら…」

「でも…もうついていけないよ」

「ホントにごめんね…」

にこ「ま、待ってよ…」


「今までありがとう」


にこ「……」

66: (家)@\(^o^)/ 2016/05/31(火) 23:06:11.98 ID:lJzYEHgJ.net
にこ「…どうしろっていうのよ!」

にこ「せっかく初めてのライブができると思ったのに!全員やめるですって!?」

にこ「私一人でライブなんて…」

にこ「……いや、やってやろうじゃないの」

にこ「作詞?作曲?衣装づくり?全部やってやるわよ!」

にこ「そうよ!こんなときこそ笑顔にならなきゃ!」

にこ「だってにこは、スーパーアイドルにこにーなんだもん!」

にこ「私一人だって、ぜぇーったい最高のライブをしてやるわ!」


にこ(そしたらきっと…)


にこ「よぉーしっ、いっくわよぉー」


にこ「にっこにっこにー!!」

68: (家)@\(^o^)/ 2016/05/31(火) 23:08:51.41 ID:lJzYEHgJ.net
私は…毎日フラフラになるまで練習した

だけど…


帰り道

にこ「……」フラフラ

にこ(曲は何とかなったわね…。衣装もどうにか…)

にこ(あとは振り付けと…歌ももっと練習したいし…)

にこ(…あっ、希に音源CDも渡しとかなきゃ…)

にこ(ダメ…こんなんじゃ。やることが多すぎ…)

にこ「……っ」クラッ

バタッ

69: (家)@\(^o^)/ 2016/05/31(火) 23:09:37.55 ID:lJzYEHgJ.net
にこ「いったぁ…」

にこ「……」ウルッ

にこ「なんで…なんでよぉ」グスグス

にこ「私は…ファンを笑顔にしたかっただけなのに…」

にこ「みんなと一緒に…アイドルをやりたかっただけなのに」

にこ「アイドルって…こんなに辛かったの?」

にこ「私…」グスッ

70: (家)@\(^o^)/ 2016/05/31(火) 23:11:41.83 ID:lJzYEHgJ.net
にこ「……」テクテク

にこ「……」フラフラ クラッ

にこ(あれ…頭がボーっとする…)

にこ「っ…」クラクラ

にこ(体に力が入らな…)

にこ「あっ」

ドテッ

ゴロゴロ ドンッ ゴロゴロ ガンッ ゴロッ


ゴンッ!!


にこ(あ、頭…が、…ぁ、…ゎ…ぇ)


ダラダラ ドロドロ


キャー!

76: (家)@\(^o^)/ 2016/05/31(火) 23:33:26.63 ID:lJzYEHgJ.net
講堂 ライブ


ザワザワ キャーキャー


希「……」ジーッ

CD「」

希(花陽ちゃん…どういうつもりなん?)



にこ「花陽、本当にこれでいいの…?」

花陽「うん!」

にこ「でも、お客さんからしたらこんなの…」

花陽「大丈夫だよ。きっと、にこちゃんなら…」

にこ「……」

花陽「あっ、幕が上がるよ!」


ザァーーッ

77: (家)@\(^o^)/ 2016/05/31(火) 23:35:24.57 ID:lJzYEHgJ.net
花陽「わぁ……」


パチパチパチパチ


花陽(すごい…お客さんがいっぱい!凛ちゃんと西木野さんのおかげかなぁ…)

にこ「……」

花陽「よーしっ…」


花陽「こんにちは!アイドル研究部です!」

花陽「私『たち』のライブ…見てください!」


♪~~~~~


花陽、にこ「Hi hi hi にっこりしてみてよ♪」


♪~~~

78: (家)@\(^o^)/ 2016/05/31(火) 23:38:37.10 ID:lJzYEHgJ.net
花陽「元気いっぱいになって欲しいから♪」

♪~~~


凛「かよちん…やっぱりすごいね」

真姫「ええ、だけど…何かおかしくない?」

凛「…うん。何でかよちん、真ん中で踊らないんだろう…?右側が空いてるよね?」

真姫「そうよ、それに、この声…」


♪「深呼吸大きくね」


希(…花陽ちゃん)

希「何で今更、にっこちの歌声が入ったCDなんて…」


♪~~~

79: (家)@\(^o^)/ 2016/05/31(火) 23:40:47.86 ID:lJzYEHgJ.net
花陽「届け魔法♪笑顔のまほう♪」

にこ、CD「みんなをしあわせに♪」

♪~~~


「ねえ、あの振り付け…」

「うん、ちょっと変わってるよね。まるで…」

「もう一人、一緒に踊ってる人がいるみたい…いや、いないんだけどさ」

「ですが…私にも見える気がします。隣にもう一人…」

「やっぱり…?いないんだけど…見えるんだよね」



希「まさか……そこにいるん?」

希「…久しぶり…やね」


希「にこっち……」

81: (家)@\(^o^)/ 2016/05/31(火) 23:43:10.55 ID:lJzYEHgJ.net
花陽、にこ「にっこりの魔法♪笑顔のまほう♪」

花陽、にこ「なみださよなら♪」


♪~~~


花陽(ねえにこちゃん)

にこ(なによ?)

花陽(二人で踊るのって…楽しいね)

にこ(…そうね)

花陽(もっと一緒に…踊りたかったなぁ…)

にこ(…大丈夫よ)

花陽(えっ?)

にこ(ほら、そんな顔しないの!笑顔を忘れないで)

花陽(…うん!)

にこ(ラスト…行くわよ!)

82: (家)@\(^o^)/ 2016/05/31(火) 23:46:32.95 ID:lJzYEHgJ.net
♪~~~~


花陽「笑顔のまほう♪次の魔法♪届け魔法♪みんなをしあわせに♪」

にこ「笑顔のまほう♪次の魔法♪届け魔法♪みんなを♪」


花陽、にこ「し~あ~わ~せ~に~♪」


花陽、にこ「……」



パチパチパチパチ パチパチパチパチ

ワー キャー キャー! ワー!

ハラショー! スゴーイ! タノシカッタヨー!


花陽、にこ「……」ニコッ


……………
………

83: (家)@\(^o^)/ 2016/05/31(火) 23:50:29.43 ID:lJzYEHgJ.net
部室

花陽「…終わっちゃったね」

にこ「そうね…」

花陽「ライブ…どうだった?」

にこ「花陽はどう思う?」

花陽「私は…」



花陽「最っ高のライブだったと思う!」


にこ「…よくわかってるじゃない」

84: (家)@\(^o^)/ 2016/05/31(火) 23:52:17.26 ID:lJzYEHgJ.net
花陽「凛ちゃんの顔…すごかった!すっごく楽しそうだった!」

にこ「そうそう…そうだ花陽!生徒会長の顔見た?」

花陽「うん!生徒会長さんは…」

にこ「ぽかーんってしてたわよね!私たちのパフォーマンスに圧倒されちゃって!」

花陽「うん!生徒会長さんだけじゃなくて、お客さんたちみんなびっくりしてたよ!」

にこ「それだけ私たちのライブがすごかったってことよね!」

花陽「えへへ!」

にこ「ふふっ…!」

85: (家)@\(^o^)/ 2016/05/31(火) 23:53:34.38 ID:lJzYEHgJ.net
花陽「……」

にこ「……」

花陽「…ねえにこちゃん」

にこ「…なに?」

花陽「本当に…行っちゃうの…?」

にこ「…ええ」

にこ「向こうでやりたいことができたの。それに…」


にこ「あんたのおかげで、もうこの世に未練はなくなった」


にこ「花陽…今までありがとね」


花陽「にこちゃん…、私…」

86: (家)@\(^o^)/ 2016/05/31(火) 23:59:30.95 ID:lJzYEHgJ.net
~~~~

初めは失敗してばっかりだった


にこ「1 2 3 4!」パンパンパン

花陽「…っ」コケッ

ドンッ

花陽「いたっ!」

にこ「…大丈夫?あんたはまだ初心者なんだから無理しちゃ…」

花陽「大丈夫!私、もっともっと頑張るよ!」



でも、だんだん踊れるようになってきて…


タタッタン

にこ「うん、今のはいい感じだったわ」

花陽「…うん!」

88: (家)@\(^o^)/ 2016/06/01(水) 00:01:14.62 ID:yQ64vR5E.net
にこちゃんと一緒にいることが当たり前になって…


花陽「ミルフィーユ2つください!」

にこ「ちょ…2つも食べるの?太るわよ?」

花陽「一つはにこちゃんの分だよ」

にこ「えっ…?」

花陽「お供え物にするんだ。にこちゃん、いつもありがとう」

にこ「花陽…」


にこ「でも…結局後で食べるんでしょ?」

花陽「…うん」

89: (家)@\(^o^)/ 2016/06/01(水) 00:03:22.59 ID:yQ64vR5E.net
――

花陽「……」スヤスヤ

にこ(宿題の途中で寝ちゃって、疲れてたのね。……あっ!)

スゥゥゥゥ ギュイン

………


花陽「…」ビクッ

にこ「おはよう」

花陽「あれ、私寝ちゃって…」

花陽「…あっ!宿題が終わってる!なんで!?」

にこ「…きっと、神様がご褒美をくれたのよ。花陽がいっつも頑張ってるから」ニコッ

花陽「でも…全部間違ってるよ?」


にこ「えっ」


花陽「神様も…もっとお勉強した方がいいね」ニコッ

にこ「そ、そうね…」

90: (家)@\(^o^)/ 2016/06/01(水) 00:05:34.93 ID:yQ64vR5E.net
それで…


花陽「にこちゃん、一つお願いしてもいい?」

にこ「なによ?」

花陽「明日のライブ…この、にこちゃんの衣装を着て踊りたいな」

にこ「……いや、それは…」

花陽「そう…だよね。にこちゃんにとっても大事なものだもんね…」

にこ「そうじゃなくて…!」

花陽「でも、私これが着たい!にこちゃんが頑張って作った衣装を無駄にしたくないの!」

花陽「ごめん、勝手に着るね!」

にこ「花陽!」


ギチギチ ブチッ


花陽「あっ」


にこ「…胸が」


にこ「胸のサイズが合わないことぐらいわかるでしょぉぉ!?」ウルウル

91: (家)@\(^o^)/ 2016/06/01(水) 00:07:39.07 ID:yQ64vR5E.net
花陽(にこ)「はぁ…」カタカタカタカタ

花陽(にこちゃん…ホントにごめんね)

花陽(にこ)「別にいいわよ。ただ…」カタカタ

花陽(にこ)「花陽って、大人しいくせにたまに暴走するのよねー…気をつけなさいよ?」

花陽(…うん)


花陽(にこ)「…よしっ、直ったわよ。今度はあんたが着ても大丈夫だから…」

花陽(うん!ありがとうにこちゃん!)


スゥゥ


にこ「明日のライブ…絶対成功させるわよ」

花陽「……うん!」

92: (家)@\(^o^)/ 2016/06/01(水) 00:09:32.19 ID:yQ64vR5E.net
~~~~~

部室


花陽「いやだよぉ…」ウルウル


にこ「花陽…」

花陽「にこちゃんと離れ離れになるなんていやだよ…」グスグス

花陽「私、もっともっと…にこちゃんと、一緒にいたいよ…」

花陽「にこちゃんが、いないと…」グスッ

にこ「…はぁ」

花陽「ごめん…私、私…」

にこ「…昨日も言ったでしょ?あんたにはもう私は必要ないの」

花陽「でも、…でも、にこちゃんがいないと…」

ゴンゴン


「かよちーん!開けてー!」

93: (家)@\(^o^)/ 2016/06/01(水) 00:11:09.93 ID:yQ64vR5E.net
花陽「…凛ちゃん?」ガチャ

凛「かよちん!」ドンッ

花陽「わっ、ど、どうしたの!?」

凛「かよちん…」

凛「凛も…凛もアイドル研究部に入りたい!」

花陽「えっ…?」

94: (家)@\(^o^)/ 2016/06/01(水) 00:12:15.83 ID:yQ64vR5E.net
花陽「凛ちゃん…急にどうしたの?」

凛「あのね…凛、かよちんがうらやましかったんだ。かよちんがどんどんすっごいアイドルになって…」

凛「それでね、寂しかったんだ。かよちんが遠くに行っちゃうみたいで…」

花陽「凛ちゃん…」

凛「凛も陸上部で頑張ってたよ…。でもね、凛は…凛はかよちんと一緒がいい!」


凛「アイドルのことなんて全然わからない…けど、かよちんと一緒にアイドルやりたい!」


凛「かよちんと一緒なら…」

花陽「凛ちゃん…」

凛「……」

花陽「…うん、わかったよ凛ちゃん」


花陽「一緒に…やろう?」

95: (家)@\(^o^)/ 2016/06/01(水) 00:14:07.34 ID:yQ64vR5E.net
凛「…やっ」

凛「やったにゃぁー!!」ピョンピョン

花陽「えへへ…」


凛「ありがと真姫ちゃーん!」ダキッ

真姫「はぁ…だから言ったじゃない。小泉さんが凛の頼みを断るわけないでしょ?」


花陽「西木野…さん?」

真姫「……」クルクル

96: (家)@\(^o^)/ 2016/06/01(水) 00:15:01.01 ID:yQ64vR5E.net
凛「真姫ちゃんもアイドルやりたいんだって!」

花陽「そうなの!?」

真姫「べ、別にやりたいなんて言ってないでしょ?」

凛「やりたくないの?」

真姫「やりたくないなんて言ってないわよ!」

凛「どっちなんだにゃー…」


真姫「その…私、作曲とかできるから…」

凛「真姫ちゃん、かよちんのために曲を作りたいんだって」

真姫「…よろしく。は、花陽…」

花陽「…うん!よろしく真姫ちゃん!」

97: (家)@\(^o^)/ 2016/06/01(水) 00:16:35.91 ID:yQ64vR5E.net
マキチャン! カヨチン! リン…

コレカラハサンニンイッショダネ!


にこ「…ふふっ」


花陽「…あっ、二人ともごめん!ちょっと外で待ってて!」グイグイ

凛、真姫「え、ちょ…」


バタンッ


花陽「……」

にこ「……」

花陽「にこちゃ…」

にこ「…わかったでしょ、あんたが一緒に踊る相手は…もう私じゃないってことよ」


花陽「……」

98: (家)@\(^o^)/ 2016/06/01(水) 00:17:44.19 ID:yQ64vR5E.net
にこ「友達と一緒に…ね。せっかく生きてるんだから」

花陽「…うん」

にこ「…そろそろ行かなきゃ。気が変わらないうちに」

花陽「……」

にこ「じゃあね、花陽」


にこ「…楽しかったわ」

スゥゥゥ


花陽「…待ってにこちゃん!」


にこ「……」


花陽「…また、会えるよね…?」


にこ「――――


サァーッ

…………
……

99: (家)@\(^o^)/ 2016/06/01(水) 00:20:24.41 ID:yQ64vR5E.net
――――――――――
―――――――

道路

子ども「……グスッ」シクシク


花陽「…どうしたの?ママとはぐれちゃった?」

子ども「……」コクッ

花陽「そっか…困ったね」

花陽「でも泣かないで、そんなときこそ笑おう?」

花陽「笑顔の魔法…教えてあげる」

子ども「…?」

花陽「…見ててね!」


花陽「にっこにっこにー!!」

100: (家)@\(^o^)/ 2016/06/01(水) 00:22:15.32 ID:yQ64vR5E.net
花陽「あなたのハートににこにこにー!笑顔を届ける小泉花陽!」


花陽「青空も…にこっ!」キラーン


花陽「…どう?元気になった?」


子ども「さむっ」

花陽「えっ」


女「こらっ、どこ行ってたの?」

子ども「ママー!変な人がー」タタタタッ


花陽「あ、あはは…」


「はぁ…あんたもまだまだね」


花陽「にこちゃん…?」パァァ

102: (家)@\(^o^)/ 2016/06/01(水) 00:25:13.23 ID:yQ64vR5E.net
花陽「にこちゃん…いるの?」キョロキョロ

花陽「にこちゃん…にこちゃん!!」


花陽「…って、そんなはずないよね…」

花陽「だって、にこちゃんはもう…」

花陽「……」


~~~~~

『にこちゃん…また、会えるよね…?』

『…花陽がこの世で一番のアイドルになったらね』

『私は…あの世で一番のアイドルになってみせるわ』

『勝負よ花陽!どっちが先に天下を取るか!』

『あんたなんかにぜぇーったい負けないからね!』

~~~~~


花陽「……」

103: (家)@\(^o^)/ 2016/06/01(水) 00:26:26.74 ID:yQ64vR5E.net
花陽「…そっか、私がまだまだだから…」

花陽「でも…私頑張るよ」


花陽「ふぅー…」


花陽「にこちゃーん!見ててねー!」


花陽「私、絶対この世で一番のアイドルになるよー!」



花陽「にっこにっこにー!!」





キラーン



おわり

105: (関東・甲信越)@\(^o^)/ 2016/06/01(水) 00:27:19.15 ID:Eo6rSeX0.net
青空もにこってそういう…


106: (プーアル茶)@\(^o^)/ 2016/06/01(水) 00:27:38.49 ID:eWEIUujx.net
普通に切ない

116: (たこやき)@\(^o^)/ 2016/06/01(水) 01:04:50.22 ID:vu5PwEg+.net
お疲れさん
久し振りに良いSS見た気がする

117: (中部地方)@\(^o^)/ 2016/06/01(水) 01:07:31.94 ID:x9cqZ5eH.net

これは良いもの見ましたわ

120: (やわらか銀行)@\(^o^)/ 2016/06/01(水) 03:34:13.87 ID:XaVafUKe.net


良い話だった
最後笑顔で終われる作品ってやっぱり良いな

121: (鮒寿司)@\(^o^)/ 2016/06/01(水) 05:31:42.22 ID:Um/O3Tlh.net
面白かった乙

引用元: http://nozomi.2ch.sc/test/read.cgi/lovelive/1464693876/

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