【SS】せつ菜「歩夢さんのためなら何でもします!」【ラブライブ!虹ヶ咲】

SS


7: (もんじゃ) 2021/07/24(土) 21:14:34.68 ID:pOy/e7S2
同好会 練習時間

せつ菜「歩夢さんの新しい曲、とってもいい感じに仕上がってますね!」

歩夢「えへへ、ありがとう。でもダンスをもうちょっと詰めたいんだよね」

せつ菜「可愛らしいダンスなので、絶対いいパフォーマンスになりますよ!」

せつ菜「また一緒に練習しましょう!」ニコッ


放課後、同好会の時間。

今はメンバーそれぞれが個人練習をしている。

歩夢さんが新しい曲に取り組むと言うので、見たいですっ!ってお願いしたら、一緒に練習することになった。


歩夢「せつ菜ちゃんと一緒だと楽しくて頑張れちゃうな♪」


そう言って明るく笑う歩夢さん。

その言葉は本当に嬉しい。

嬉しいけど……


いつからだろう。

その笑顔がもっと欲しい。

独り占めしたいって思うようになったのは……

10: (もんじゃ) 2021/07/24(土) 21:20:15.20 ID:pOy/e7S2
最初から可愛らしい人だなとは思っていた。

でも気がつくと、その優しさに惹かれ、温かさに惹かれ、また可愛さに惹かれていた。

歩夢さんを目で追うようになった。

歩夢さんの様子が気になるようになった。

だからこそ、歩夢さんが侑さんとのことで悩んだ時は、いち早く異変に気づくことができたし、私なりの言葉で励ますこともできたと思う。

色彩デザイン研究会のライブの時だって、歩夢さんが1人で不安でいることに気付いたから、あの時、励ましの電話をかけたんだ。

私は歩夢さんのことばかり考えるようになってたんだ。

12: (もんじゃ) 2021/07/24(土) 21:25:50.04 ID:pOy/e7S2
せつ菜「歩夢さん、手伝えることがあったら言ってくださいね!」

せつ菜「私、歩夢さんのためなら何でもしますから!」ニコッ

歩夢「もう、せつ菜ちゃんったら!」


歩夢さんが微笑んでくれる。

歩夢さんは今の言葉、冗談と受け取ったのかな?

でも、冗談なんかじゃないですよ。

私、歩夢さんのためなら本当に何でもできるって思う。


もし歩夢さんと付き合うことができたなら、どんな願いも叶えてあげたい。

どんな物でもプレゼントしたい。


それくらい、私は歩夢さんに尽くすし、歩夢さんを絶対幸せにする自信があった。

そうなれば、きっと歩夢さんも私のこと……



でも。



歩夢「今度、せつ菜ちゃんの練習のお手伝いもしたいな♪」

せつ菜「いいんですか!?」

歩夢「もちろんだよ! じゃ約束ね♪」

せつ菜「はい!」

侑「歩夢ー! せつ菜ちゃーん!」バッ

歩夢「あ、侑ちゃんっ!!」ニコッ

せつ菜「……」

15: (もんじゃ) 2021/07/24(土) 21:32:39.36 ID:pOy/e7S2
そう、歩夢さんと付き合うことができれば、絶対幸せにする自信はある。

でも、そこに至ることがどれだけ難しいことか。

それを私は痛感せざるを得ないのだ。


誰がどう見ても歩夢さんは侑さんのことが大好きで、歩夢さんにとっての侑さんとその他では、圧倒的なまでの次元の違いを感じられた。

その他には当然私も含まれた。


今日も歩夢さんとまた少し仲良くなれたかな?

今日も歩夢さんのことまた1つ知れたかな?

そう喜んでいる時でも、ふと侑さんが現れると、歩夢さんはそれまで私に見せなかった顔をする。


その度に、私は打ち砕かれる。

ぬか喜びに浮かれていた、自分の愚かさを知る。



侑さんというあまりにも高い壁。

その存在の大きさを認めないといけない。

上原歩夢という女の子を好きになるってそういうこと。




でもきっと望みがまったくないわけじゃない。

侑さんに並べるように、超えられるように。

優木せつ菜らしく、どんどん積極的にアプローチをかけていけばいいんだ。

その覚悟はできてる。

それに、歩夢さんは侑さんのことが好きでも、侑さんは……

19: (もんじゃ) 2021/07/24(土) 21:44:50.79 ID:pOy/e7S2
夜 せつ菜の部屋

せつ菜「今日はこんなところですね」

今日はラノベもアニメも観ずに、しっかりと勉強に集中した。

スクールアイドル活動に熱中し過ぎて、成績を落とすわけにはいきませんからね。

スクールアイドルも、生徒会も、勉強も、恋も、全部両立させて見せます!


せつ菜「そろそろ寝ましょうか」


ここ最近は、ベッドに入ってから眠るまでの間に、架空の物語に浸るのが日課になっている。

そこは剣と魔法のファンタジー世界。

私は国一番の騎士であり、姫である歩夢さんに仕えている。

2人は元々幼馴染で……


今夜も妄想が捗った。

ドラゴンに囚われた歩夢さんを助けるために私は奮闘した。

そして最後には、見事救い出した歩夢さんと、2人だけの特別な時間を過ごす。


歩夢さんは私にだけ見せる、最高の笑顔をくれた。

物語はハッピーエンドだ。



歩夢さんにとって幼馴染が絶対的な存在だとわかっているからこそ、私自身が幼馴染だったらと、こんな妄想を始めてしまったのだろうか。



本当に……


本当に幼馴染だったら良かったのに。

22: (もんじゃ) 2021/07/24(土) 21:59:03.45 ID:pOy/e7S2
翌日 放課後 更衣室

歩夢「せつ菜ちゃんから借りてた本全部読んだよ! すっごく面白かった!」

せつ菜「本当ですか!! それは良かったです!!」

歩夢「キャラクターがみんな個性的だよね!」

せつ菜「そうなんです! 歩夢さんにわかってもらえて嬉しいです!!」

歩夢「私は忍者の子がお気に入りなんだ♪」

せつ菜「そのキャラが好きなのであれば——」


同好会の練習前、たまたま歩夢さんと更衣室で一緒になりました。

つまり、一緒に練習着に着替えるということに。

これは……ラッキーです。


歩夢「……」ヌギヌギ

せつ菜「……」チラッ


もちろんじっくり見るわけにはいかないけど、それでも、さり気なく横目で歩夢さんの着替えの様子を盗み見る。

静かに着替える歩夢さんは格段に色っぽかった。

歩夢さんの白い肌に、胸がトクンと鳴る。

さり気なく見るはずが、視線が釘付けになってしまう。

でも歩夢さんは慣れた手つきで、スルスルっとあっという間に着替えを終わらせてしまった。

もっと見たかったのに……



歩夢「せつ菜ちゃんのエ チ……」



歩夢さんが呟いた。

髪を整えながら、私に目線を向けるでもなく、それだけぽつりと。


予想外のことにドキッとした。

バレてた……?

23: (もんじゃ) 2021/07/24(土) 22:05:46.33 ID:pOy/e7S2
  ◆

その後、グループ練習や個人練習をしてから、私は1度部室に戻った。

部室には誰もいなかった。


せつ菜「あれは……」


歩夢さんのタオルを見つける。

歩夢さんも一度部室に戻ってから、忘れて行ってしまったのだろう。

周りを見渡し、誰もいない、誰も来る気配がないことを確認する。

タオルを手に取る。


(歩夢『せつ菜ちゃんのエ チ……』)


さっきの、どういう意味だったんだろう。

歩夢さんは私が覗いてたの気付いてて、それで咎められたけど、本気で嫌がってるわけではなかったような……


脈あり、なのかな……?


歩夢さんの柔らかいタオルをぎゅっと握る。

もう一度、周囲を確認する。


せつ菜「歩夢さん、ごめんなさい」


タオルに顔を埋めてすんすんと匂いを嗅ぐ。

歩夢さんのいい匂いがした。

それは嗅覚を通り越して、私の脳をとろけさせてしまうような、魅惑の香りだった。

27: (もんじゃ) 2021/07/24(土) 22:14:49.73 ID:pOy/e7S2
数日後

せつ菜「今日は、勝負に出ます……!」


今日は少し大胆に動いてみることにした。

歩夢さんのことを侑さんに相談してみるんだ。

歩夢さんを前にすると、侑さんはライバルではあるけれど、その前に大好きな仲間であり友達だ。

それに、侑さんは私のことライバルだなんて思ってないだろうし……


だから、歩夢さんに最も近しい侑さんに相談すれば、侑さんはきっと親身になってくれるに違いなかった。

この気持ちを最初に伝えるのは歩夢さんが良かったけど、歩夢さんにより近付くため、これも仕方ない。


侑「かすみちゃんって、本当に面白いこと思いつくよね!」ケラケラ

せつ菜「そうですよね!」

せつ菜「……」

せつ菜「あの、侑さん」

侑「うん?」

せつ菜「ちょっとお話が……」

侑「わ、私もせつ菜ちゃんに話したいことあったんだよね!」

せつ菜「え?」

侑「えっと、実はさ……」

侑「私、歩夢のこと好きなんだ」

侑「告白しようと思う」

せつ菜「…………」

せつ菜「そ、そうだったんですか……」

侑「うん、驚いた?」

せつ菜「はい、正直……」

せつ菜「で、でも、告白頑張ってください!」

せつ菜「お2人ならきっとうまくいきますよ!」ニコッ

侑「ありがとう! でももしダメだったら慰めてね?」アハハ

29: (もんじゃ) 2021/07/24(土) 22:19:30.34 ID:pOy/e7S2
こうして歩夢さんと侑さんは付き合うことになった。

並んで歩いてるのを見ると、改めてお似合いの2人だなって思う。

歩夢さんは、それは毎日幸せそうで。

大好きな人と結ばれたんですから、当然ですよね。



私の恋は終わったんだ。

何よりも純粋で美しい、この恋は。

31: (もんじゃ) 2021/07/24(土) 22:24:42.67 ID:pOy/e7S2
侑「この前歩夢がさー!」


それからというもの、侑さんは私に歩夢さんとの出来事をよく話すようになった。

つまり惚気話だ。

昨日、歩夢さんとどこに遊びに行った。

この前、歩夢さんと恋人になってから初めて手を繋いだ。

嬉々として語られるそれに、私は笑顔で相槌を打つ。

胸が締め付けられる思いと、耳を塞ぎたくなる衝動を、必死で抑えながら。


せつ菜「お2人とも本当に幸せそうですね!」

侑「うん! 歩夢と今まで以上に仲良くなっちゃった!」





そんな日々が続く中、ついにその時はきた。

いつものように惚気話を始める侑さんが、今日は少し照れながら小さな声で。


侑「昨日、歩夢と初めてエ チしちゃった」

せつ菜「…………!」


覚悟はしていた。

2人が付き合ったなら、そういうことをするのも時間の問題だった。

わかっていた。


侑「2人とも初めてだったから緊張しちゃったよー」

せつ菜「それはドキドキでしたね」

侑「でも歩夢、顔真っ赤にしてすっごく可愛くてさー」


わかっていた。

でも。

でもそれを、そんなに嬉しそうに私に話すことないじゃないですか、侑さん。

34: (もんじゃ) 2021/07/24(土) 22:34:08.87 ID:pOy/e7S2
  ◆

その晩、私は自分を慰めた。

歩夢さんは侑さんの彼女なのに。

相手は侑さんだったのに。


それでも、あの歩夢さんがそういう行為をしたという事実だけは、悲しくも私を興奮させた。

歩夢さんの初めてのエ チ、どんな感じだったのかな。

普段の歩夢さんの様子と交差させながら想像して、自分の秘部を刺激した。


せつ菜「歩夢さん、可愛いです……可愛いですよ……」


くちゅっと粘ついた水音が響く。

歩夢さんで慰めるのは何度目かわからない。

ある時は合宿でお風呂の時に見た、歩夢さんの身体を思い出しながら。

ある時は歩夢さんに無理矢理犯されるところを想像しながら。

今日は、侑さんが味わった、もう2度と訪れることのない、歩夢さんの初めてを想像しながら。


せつ菜「んぁ……歩夢さん、私……あ、あっ……ああっ……!」


快感の絶頂とともに、私は静かに身体を跳ねた。


せつ菜「はぁ、はぁ…………歩夢さん…………」


例え誰かのものになろうと。

それであなたが幸せそうな顔をしていようと。

それでも私はまだ、あなたのことが好きなんですよ、歩夢さん。

47: (もんじゃ) 2021/07/25(日) 21:59:01.82 ID:NfLawwiM
続きやってきます!

48: (もんじゃ) 2021/07/25(日) 22:03:41.29 ID:NfLawwiM
数週間後

せつ菜「それにしても、やっぱり昨日のライブは最高でしたよ! 歩夢さん!」

歩夢「ありがとう。でもうまくいったのは、緊張してた私をせつ菜ちゃんが励ましてくれたお陰だよ?」

せつ菜「いえ、私は何も……」

歩夢「思い返してみたら、私、ライブの前はいつもせつ菜ちゃんに励ましてもらってるね」

歩夢「スクールアイドルフェスティバルの時も、色彩デザインのライブの時も」

歩夢「せつ菜ちゃんの言葉、いつも本当に勇気づけられてるんだよ?」

せつ菜「歩夢さん……」

歩夢「いつもありがとうね、せつ菜ちゃん!」ニコッ

せつ菜「私だって、いつも歩夢さんに励ましてもらってますよ!」

せつ菜「でも、本当に少しでも歩夢さんの助けになれてたなら嬉しいです」

せつ菜「私、歩夢さんのためなら何でもしますからね!」

歩夢「またそんなこと言ってー!」クスクス

せつ菜「……」ドキッ

せつ菜「歩夢さん」

歩夢「……?」

せつ菜「大好きです。歩夢さん」

歩夢「私もだよ。せつ菜ちゃん!」ニコッ

50: (もんじゃ) 2021/07/25(日) 22:10:36.71 ID:NfLawwiM
  ◆

侑「校内もすっかりクリスマスムードだねー!」

せつ菜「イベント事が好きな学校ですからね!」

せつ菜「それに明日はいよいよクリスマスイブですよ!」

侑「うん、そうだね!」

侑「……」

侑「あのさ、せつ菜ちゃん」

侑「明日、2人で遊びに行かない……?」

53: (もんじゃ) 2021/07/25(日) 22:16:08.67 ID:NfLawwiM
せつ菜「え……?」

せつ菜「クリスマスは歩夢さんと過ごされるんじゃないんですか?」

侑「歩夢はクリスマスは毎年家族で過ごしてるからさ!」

侑「歩夢も、せつ菜ちゃんとだったら遊びに行ってもいいよって言ってくれたんだ」

せつ菜「そうだったんですか」

侑「ダメ、かな……?」

せつ菜「いえ! 歩夢さんが良いなら、私も侑さんと遊びたいです!」

せつ菜「私には一緒に過ごす恋人もいませんから!」アハハ

侑「本当!? じゃあ遊びに行こっ!」

侑「楽しみだなー!」ニコニコ

せつ菜「……」

56: (もんじゃ) 2021/07/25(日) 22:26:25.28 ID:NfLawwiM
翌日 クリスマスイブ

侑「せつ菜ちゃんとクリスマス過ごせるなんて、幸せだなー!」

せつ菜「そんなこと言って、本当は歩夢さんと過ごしたかったんですよね」

侑「まあ、そうなんだけどさ……」

せつ菜「……」スマホカチカチ

侑「せつ菜ちゃん?」

せつ菜「あ、すみません! 行きましょう!」


侑さんとのクリスマスデートは楽しかった。

一緒にキラキラとした街を歩いて、イルミネーションを眺めて、ご飯を食べて。


侑「美味しかったね!」

せつ菜「はい! 侑さんのお陰でクリスマスを堪能できました!」

侑「あはは! あっちの方も見ていこうよ!」

せつ菜「いいですね! 行きましょう!」


イブの夜のどこか幻想的な雰囲気。

その中を2人並んで歩いていると、つつっと、侑さんが距離を縮めてきた。

私の手を握ってきた。

61: (もんじゃ) 2021/07/25(日) 22:34:24.43 ID:NfLawwiM
侑「……」ニギッ

せつ菜「……」

せつ菜「歩夢さんがいなくて寂しいのはわかりますが、ダメですよ、侑さん」

侑「歩夢だって、今日せつ菜ちゃんと会うこと知ってるし、こんなの平気だよ!」

せつ菜「ですが……」

侑「知ってるでしょ? 私も歩夢もせつ菜ちゃんのライブを見て、一目惚れして、それで同好会に入ったの」

侑「私にとって、せつ菜ちゃんはずっと憧れだったんだ……」ニギッ

せつ菜「侑さん……?」

侑「せつ菜ちゃん、聞いて欲しいことがあるんだ」

侑「実は私……」



歩夢「侑ちゃん!?」



せつ菜・侑「!!?」

62: (もんじゃ) 2021/07/25(日) 22:37:12.61 ID:NfLawwiM
侑「え、あ、歩夢……どうして……」

侑「あ……!」バサッ

せつ菜「……」


歩夢「侑ちゃん、今日は家族と過ごすって……」

歩夢「どうして……どうして、せつ菜ちゃんといるの……?」

侑「いや、違うの、歩夢……これは……」

せつ菜「どういうことですか……?」

せつ菜「歩夢さんは家族で過ごされるからって……」

せつ菜「私と会うこと、歩夢さんも知ってるって、侑さん言ってましたよね……?」

せつ菜「だから、私……」

侑「…………」

歩夢「侑ちゃん……どういうこと……?」

侑「あ、歩夢……ちょっと……」グイッ

侑「後でちゃんとわかるように説明するからさ……だから、今はそんな怒らないでよ、ね?」コソコソ

歩夢「なにそれ……全然わかんないよ……」

64: (もんじゃ) 2021/07/25(日) 22:41:10.30 ID:NfLawwiM
せつ菜「…………」

せつ菜「歩夢さん、本当にごめんなさい」

せつ菜「歩夢さんの許可があったと聞いていたので、侑さんと一緒に……遊んでしまいました」

せつ菜「でももっとちゃんと考えるべきでした……今日は特別な日で、侑さんは歩夢さんの彼女なんですから」

せつ菜「誓って、侑さんとは何もありません! だから……」

せつ菜「本当にごめんなさい……私は帰ります……」タタッ

侑「ちょ、ちょっと待って、せつ菜ちゃん!」ガシッ

侑「せつ菜ちゃんは何も悪くないよ! 帰ることないよ!」

せつ菜「侑さん、詳しい事情は知りませんが、2人でちゃんと話さないといけないんじゃないですか?」

せつ菜「私がいても邪魔なだけなので……」

侑「せつ菜ちゃんは邪魔なんかじゃないよ!」

せつ菜「私なんかより!!」ギロッ

侑「……っ!」

せつ菜「私なんかより、今傷付いてる歩夢さんを心配してあげてくださいよ!!」

せつ菜「恋人でしょ……」

侑「……」

せつ菜「それじゃ」

侑「待ってよ!」

せつ菜「歩夢さんを……」

侑「歩夢のことはいいんだよ!!」

歩夢「……!!」ビクッ

せつ菜「え……?」

65: (もんじゃ) 2021/07/25(日) 22:45:25.36 ID:NfLawwiM
侑「なんでわかんないかな……」

侑「私は、せつ菜ちゃんのことが好きなの!」

侑「せつ菜ちゃんのことだけが、ずっとずっと好きなの!」

せつ菜「……!!」

歩夢「侑……ちゃん……?」

侑「今日だって、だから誘ったんだよ……?」

せつ菜「じゃあ、なんで……歩夢さんと……」

侑「だって、せつ菜ちゃん……歩夢のこと好きでしょ……?」

せつ菜「……っ!!」

せつ菜「知ってたんですか」

侑「そんなの、見てればわかるよ……」

侑「私はせつ菜ちゃんのこと好きで、もっともっと仲良くなりたくて」

侑「でもせつ菜ちゃんはいっつも歩夢のことばっか見てて……」

侑「せつ菜ちゃん、歩夢にガンガンアプローチかけてたから、私焦っちゃってさ……」

侑「せつ菜ちゃんが歩夢に告白して、もし歩夢がOKしたらどうしようって……考えただけで怖くて」

せつ菜「それで……それで、私が歩夢さんに告白する前に、侑さんが告白したって言うんですか……?」

侑「そうだよ……」

侑「歩夢が私のこと好きなのはわかってたし」

侑「せつ菜ちゃんのこと、歩夢に取られるくらいなら、その方が……」

せつ菜「じゃあ、私の気持ちを知っていて、いつも私に歩夢さんとの話をしていたんですか……?」

侑「だって、せつ菜ちゃんに歩夢を諦めて欲しくて……」

せつ菜「私がいつもどんな気持ちで……!!」グッ

せつ菜「いえ、私のことなんてどうでもいいです!!」

せつ菜「歩夢さんは……歩夢さんはどうなるんですか!!」

せつ菜「侑さんの自分勝手のせいで、歩夢さんは……!」


その時、歩夢さんはその場に泣き崩れていた。

顔を伏して、嗚咽交じりに涙を流し続けていた。

67: (もんじゃ) 2021/07/25(日) 22:50:08.55 ID:NfLawwiM
侑「歩夢だって、ここ最近すごく楽しそうにしてたし、そんなのしょうがないじゃん!」

侑「ねえ、せつ菜ちゃん、そこまでしちゃうくらい、私せつ菜ちゃんのこと好きなの!」

侑「こんなかたちで言うの良くないと思うけど、その気持ちは本物なの!」

侑「ねえ、だから……私と……」

せつ菜「ふざけないでください!!!!」

侑「……っ!!」ビクッ

せつ菜「あなたは歩夢さんの大好きを踏み躙ったんですよ!?」

せつ菜「最低です」

せつ菜「あなたなんて大嫌いです。もう顔も見たくありません」

せつ菜「早くどこかに……どこかに行ってください」

侑「聞いて、せつ菜ちゃん……!」

せつ菜「どっか行け!!!!」

侑「……!!」

侑「う……」

侑「う、うぅ…………」ダッ




歩夢「……!!」バッ

歩夢「侑ちゃん……!?」

歩夢「侑ちゃん、待って……! 侑ちゃん……!」

歩夢「侑……ちゃん……」ポロッ

歩夢「…………」ポロポロ

歩夢「侑ちゃんは最初から私のことなんて……」ポロポロ

歩夢「なんで、なんでなの……」ポロポロ

歩夢「こんなの……ひどいよ……」ポロポロ

せつ菜「……」

70: (もんじゃ) 2021/07/25(日) 22:56:46.04 ID:NfLawwiM
せつ菜「歩夢さん……!」ギュッ

歩夢「…………」

歩夢「せつ菜……ちゃん……?」

せつ菜「私はどこにも行きませんから」

せつ菜「何があっても、絶対歩夢さんの傍を離れません」

歩夢「うぅ……ぐすん……」ポロポロ

せつ菜「歩夢さんのことだけ、絶対に大切にしますから」

歩夢「せつ菜……ちゃ……」ヨロッ

せつ菜「歩夢さん!!」ダキッ


歩夢さんを強く抱きしめる。

そして、私の胸で泣きじゃくる歩夢さんの頭を、優しく優しく撫で続けた。

歩夢さんも私の背に手を回した。

ぎゅっと抱きしめられる。

歩夢さんのいい匂いがした。

もう離さないとばかり、それをまた強く抱きしめて。




ほらね、歩夢さん。

だから言ったじゃないですか。

私、歩夢さんを手に入れるためなら、何でもするって。



おわり

74: (もんじゃ) 2021/07/25(日) 23:01:32.14 ID:NfLawwiM
最近のレジェンドオブニジガクももちろんですが、スクスタの公式絵もよく見るとせつ菜→歩夢が多くて捗ります。

以下あゆせつ過去作紹介します。
・歩夢「せつ菜ちゃんとエ チしちゃった」 
・歩夢「大学生のお姉さんにナンパされた」 せつ菜「!?」
・せつ菜「私もあゆぴょん見たいです!」 歩夢「!?」
・歩夢「女の子を好きになっちゃった」
・歩夢「せつ菜ちゃん、百合ってなに?」 せつ菜「!?」

お読みいただきありがとうございました!

72: (光) 2021/07/25(日) 22:58:36.25 ID:TPnCXOFb
なにこれちょっとこわい

75: (茸) 2021/07/25(日) 23:03:08.96 ID:Yr/4fPEV
最後ゾクッとした…
どこまでがせつ菜の計算だったんだろう

引用元: https://nozomi.2ch.sc/test/read.cgi/lovelive/1627128488/

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