【SS】A「なにこれ・・・かすみんBOX？」【ラブライブ！虹ヶ咲】

B「何か面白そうなものでも見つけたの？・・・って何それ？」

A「なんか押し入れの奥で見つけて気になったからつい持って来ちゃって」

B「あー大掃除してるとそう言うことあるわよね。よく分からないけどなんか妙に気になっちゃうやつ。」

ガラガラ

C「すみませんお待たせしました・・・ってなんですかそのめちゃくちゃ可愛い物体は！？」

A「あ、Cちゃん。実は大掃除してたら押し入れの奥の方からこれが見つかって。」

C「キュートなお目々に愛らしい二頭身のフォルム！！私の次ぐらいにめちゃくちゃ可愛いじゃないですか！！」

A「あくまで2番目なんだね・・・」

C「当然です！！いつだって一番可愛くてかっこいいのはこのなk

D「おっまたせー！！って何そのちんちくりんなバケモノ！？今度のライブで使うの！？」

E「遅れちゃってごめんねー」

C「ちょっと！！私の主人公っぽい決め台詞邪魔しないでくださいよ！！というかちんちくりんの化け物じゃありません！！身長だけで言ったらD先輩だってちんちくりんじゃないですか！！」

D「ごめんごめん。で、それは一体なんなの？」

A「押し入れを掃除してたら出てきて・・・かすみんBOXって書いてるんですけど。」

D「へー、おでこに何か貼りたくなっちゃう見た目してるね！！こうバシッと！！」

E「こらこら、ものを乱暴に扱っちゃダメだよー。でもこれ本当になんなんだろうね。」

B「あら、これ頭の部分が蓋になってないかしら？開けてみましょうよ。」

ﾊﾟｶｯ

C「なんか色々入ってますね。」

E「お、これはこれは・・・。時代を感じさせるものが入っていますなぁ。親に似てなのかこういうのに弱くって。」

B「ひと昔前の記録媒体ね。表に何か書いてあるわ。」

A「えーっと、『スクールアイドル同好会　活動記録』ってこれ私たちの先輩が残したものじゃない！？」

E「日付も書いてあるねー、何なに・・・なんと」

C「どうかしたんですか？」

E「これ20年ぐらい前のやつだよー」

C「ホントですか！？じゃあ今から早速確認しましょう！！・・・ってこんな古いものどうやってみましょうか？」

D「それだったらウチに色んな機械あるから多分それで再生できると思う！！」

A「じゃあ大掃除が終わったらD先輩のお家にお邪魔してもいいですか？」

D「もっちろん、断らないよ！！ドンと任せて！！『Don’t 』だけに！！」

A「ﾌﾌｯwwwwwwwww」

B「あーもうダメじゃないですか、この子の笑いのレベルが低いの知ってますよね？」

D「ごめんごめん、つい」

E「他にも色々あるねー・・・これは衣装？」

C「パステルイエ　ーに水玉模様が映える可愛い帽子に、それとは対極的な真っ赤なスカートタイプの衣装・・・どっちとも私の好みど真ん中じゃないですか！！」

B「しかもどっちともCちゃんにすごく似合いそうね、サイズもぴったりみたいだし。」

C「同じ世代にいたらカッコ可愛いスクールアイドルを目指す私のライバルだったかもしれませんね・・・。それはそれで燃えます！！」

A「Cちゃんのそういうまっすぐな所、私すっごく尊敬しちゃうな」

C「あ〜ん♡そうやって褒めてくれる先輩大好きです！！」

E「衣装の下にも何かあるみたいだねー、これは・・・手袋？」

A「どっちとも白色だけど手首の部分が短いのと長いのが片方ずつ・・・」

E「しかも恋人繋ぎみたいな感じで重なって入ってたんだぜ〜、これは・・・そう言うことかも」

C「何！？スクールアイドルは恋愛禁止です！！やっぱりこの2人はライバルにもなりそうにありませんね！！論外です！！・・・でもこの手袋どこかで見たような・・・」

B「他に入ってるのは・・・リングタイプのノートね。」

D「何が書かれてるんだろ・・・って、すごい！！めっちゃたくさんの表情が描かれてる！！」

E「その裏にちっちゃく日にちも書かれてる。最初の笑顔の表情は6 月ぐらいに描かれてるねー」

C「なんか最後の一ページだけ濡れて乾いたみたいにガサガサになってるんですけどなんなんですかね」

A「一つ前のページが泣き顔になってる。制作日は・・・3月10日って卒業式の日だね」

B「その横にもオレンジのペンで何か書いてあるわね・・・『愛してるよ、愛だけに』って、いきなりの告白ね」

C「でもこれってなんなんでしょうかね、用途も分かりませんし」

D「きっとこうやって使うんだよ！！『ニッコリン』」

E「確かに使い方としてはあってるかもだけど、Dちゃんには必要ないよねー」

D「そうだね！！私には両親譲りの自慢の笑顔があるから！！」ニコッ

C「ぐぬぬ・・・やはりあの笑顔は脅威ですね・・・」

E「おや、これは手紙ですかな？」

A「すごい量のお手紙だね、しかも日本語じゃないのもあるし。」

D「えーっと何々・・・『モデルとしてもスクールアイドルとしても先輩を応援しています。』ってモデルがスクールアイドルやってたの！？」

E「すごいハイレベルな世代だったのかも。」

C「こっちは何語で書いてあるのか分かりませんね・・・」

B「『綺麗な歌声にいつも癒されています。これからも頑張って下さい。』イタリア語で書かれているわね」

C「先輩それ読めるんですか！？」

B「小さい時からちょくちょく聞いてたから自然と、ね。」

C「モデル体型のハーフでしかも外国語もできるなんて・・・。本当に何なんですか！！」

B「私はいつでもパーフェクトを目指してるのよ」

A「だったらもうちょっと数学も頑張ろうね。この前なんて22点で・・・」

B「それ以上は私のイメージに関わるからダメよ」

D「他のお手紙は・・・『Yes』・・・これだけ！？」

C「あ、でもその下にもう一通別の手紙が入っていますよ。これもさっきの手紙と似てますね、B先輩お願いします。」

B「えーっと、『私が日本に来て初めてあなたに会ったあの日からもうこの気持ちは始まっていたんだと思います。その気持ちを今からこの手紙に名一杯こめようと思います。私はあなたのことが・・・・』・・・これ以上は読めないわ」

C「えー！！何でですか！？全然まだ続きはありますよ！！」

B「Cちゃんは知らなくていいことよ」

D「あれー？Bの耳真っ赤じゃん！！」

B「う、うるさいです！！」

ガヤガヤ

E「次に出てくるのは・・・おお、これは！！」

A「どうしたんですか？」

E「綺麗な首飾りとティアラだよ！！ああ〜やっぱりいいなぁ〜、絵本の中に出てくるお姫様がつけてるような装飾品。本物じゃないけどその分は自分の想像力で補えばいいの！！
そうやって想像しながら眠れば素敵な夢が・・・ｽﾔｧ」

C「ちょっと、今寝ないでくださいよ！！まだ大掃除終わってないんですから！！」

E「は、そうだった。夢の世界に入るにはまだ早いよね・・・。でもやっぱり気になるからちょっと試着してみるね！！」

D「あ、でもそれちょっと丁寧に扱ったほうがいいかも。」

E「え、どうして？」

D「ちょっと分かりにくいんだけどここ見て。少しサイズ調整したような痕があるでしょ？」

C「本当ですね、それぞれ完成した後につけられたような痕があります。」

A「もしかして、これを持ってた2人がそれぞれの衣装の一部を交換したんじゃないかな？」

E「何それすっごい素敵！！私が小さい時読んだ物語でもあったんだよ、王子様とお姫様がそれぞれ自分の身につけていたものを交換して離れ離れになってもお互いを感じていられるようにって。そして最後に結ばれた2人は証として交換したものを始めて出会った泉に投げ入れるんだよ。『これがなくても2人はお互いを感じられるから』って。」

B「ここ最近で一番饒舌ね・・・」

E「昔よく両親に読み聞かせてもらったなぁ。こうしちゃいられない、早速これをヒントに新しいお芝居のストーリーを相談してくるねえええええ」ﾀﾞﾀﾞﾀﾞ

C「ちょっと、どこ行くんですかE先輩！！」ﾀﾀﾀ

D「私も面白そうだからついてっちゃお！！！」ﾀﾞﾀﾞﾀﾞ

A「・・・三人とも行っちゃったね。当分帰ってこないだろうし他も見てみよっか・・ってこれが最後だね。」

B「これは・・・パスケースね。同じ種類で緑とピンクの色違いみたいだけど。」

A「中に当時の定期が入ってるね、名前のところが掠れて読めなくなっちゃってるけど。
　しかも三年分全部入ってる・・・あ、2人とも私の家の最寄りと同じだ。」

B「もしかしたら幼馴染だったのかもしれないわね、その2人。」

A「どうしてそう思うの？」

B「乗る場所が一緒ってことは家が近いってことでしょ、だったら小さい頃から一緒にいてもおかしくないじゃない。それに・・・」

A「それに？」

B「・・・それに、私でも同じようにすると思ったから・・・。ってやっぱり今のなし、忘れてちょうだい。」

A「フフッ、照れてるBちゃんも可愛いよ？」

B「///・・・生意気なこと考える脳みそはここかしら？」

A「ちょっと頭のシニヨンいじらないでよ！！そこ脳みそじゃないから〜！！」

〜〜〜

A「ふぅ、でも私もきっとそうするなぁ。Bちゃんと過ごした日々の証はどこかに残しておきたいもん。」

B「今更そんなこと言っても私の機嫌は取れないわよ。」

A「じゃあBちゃんの機嫌を取るためにこれを渡そうかな。」

サッ

B「これは・・・造花？」

A「うん、ちょっと早いけどお誕生日おめでとうBちゃん。本当は当日に渡したかったんだけど、Bちゃん当日は色んな人からプレゼントもらうと思ったから事前に渡したくって。」

B「そんな気遣いいいのに・・・。でも、ありがと。何の花かしら？」

A「ローダンセって言う花らしいよ。よく何かの記念日に家に飾ってあるの見てたから何の花だろうと思ってママに聞いたら『すっごく特別な花だよ』って優しい笑顔で答えるの。
確か花言葉は・・・

教師「あら、2人とも部室にいたんですか。」

A「あ、先生こんにちは。何か御用ですか？」

教師「いえ、特別用事があったわけでは無いのですが。」

A・B「？？？」

教師「先ほど廊下を全力疾走で走っていく近江さんを見かけたので、珍しい光景だと思いまして。」

B「さっき『新しい演劇のアイデアが〜』とか言って走って演劇部の部室に行きましたよ。」

教師「なるほどそれでですか・・・。」

A「近江さん演劇のことになると目の色変わりますから・・・。」

教師「その後ろを早歩きで中川さんが追いかけていたのはなかなか奇妙な光景でしたね。」

B「あの子変なところで真面目なところあるわよね・・・。」

教師「その後ろから宮下さんが走り抜けていったのは流石にかわいそうでしたね。」

A「宮下さん運動神経いいからあっという間に抜かされたんだろうなぁ。」

教師「あ、思い出しました。朝香さん、あなた今日数学の補習の予定だったはずでは」

朝香「・・・完全に忘れていたわ。」

教師「卒業したら親御さんの故郷に留学するんでしょ？言葉は話せても卒業できなかったら意味がないですからね。」

朝香「分かりました。・・・それじゃあ行ってくるわね。」

A「うん頑張ってね。」

ピンポンパンポーン

『音楽科の生徒に連絡します。音楽科の生徒は、至急A棟の201号室に・・・』

A「何の呼び出しだろ？すみません先生、呼び出しがあったので私はこれで」

教師「そうですね、スクールアイドルを頑張るためにも自分の専攻している学科の事もしっかりこなして下さい。」

教師「頑張って下さいね、高咲さん。」

〜おまけ〜

教師「みなさん行ってしまいましたね・・・って、これは随分懐かしいものですね」

教師「今でも鮮明に思い出せますよ、あの頃の姿」

教師「まさか、この衣装を来て舞台に立っているのがあなたとは思いませんでしたよ。」

教師「優木せつ菜ちゃん、いえ・・・・会長。」

先生は副会長ちゃんか

乙です
ラストにかけて背景が分かってくるのが良かった！

タイムカプセルみたいでいいね、こういう話すき。

読み始めはキャラが想像しにくかったけど読んでいくうちにそれぞれの両親が見えてきて頭の中でキャラが定まっていく感じがして面白かった